JP7110976B2 - 成形性評価方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算する第2ステップと、
前記第2ステップによって計算された前記要素ごとの前記第1塑性不安定指標を板端部から内側に向けて積分し、成形品全体としての第2塑性不安定指標を計算する第3ステップと、
前記第3ステップによって計算された前記第2塑性不安定指標が0に近いほど破断の危険性が高いと評価する第4ステップと
を含み、
前記第1ステップ~前記第4ステップを一連の工程として、連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする成形性評価方法。
前記第2塑性不安定指標であるIを、以下のように、計算された前記第1塑性不安定指標iを穴縁から内側に向けて積分して計算することを特徴とする1.に記載の薄板の成形性評価方法。
前記第2ステップにおいて、前記第5ステップ及び前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算し、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、前記第4ステップ、及び前記第5ステップを一連の工程として連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする1.又は2.に記載の成形性評価方法。
前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算する第2ステップと、
前記第2ステップによって計算された前記要素ごとの前記第1塑性不安定指標を板端部から内側に向けて積分し、成形品全体としての第2塑性不安定指標を計算する第3ステップと、
前記第3ステップによって計算された前記第2塑性不安定指標が0に近いほど破断の危険性が高いと評価する第4ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、及び前記第4ステップを一連の工程として、連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする成形性評価プログラム。
前記第2塑性不安定指標であるIを、以下のように、計算された前記第1塑性不安定指標iを穴縁から内側に向けて積分して計算することを特徴とする7.に記載の薄板の成形性評価プログラム。
前記第2ステップにおいて、前記第5ステップ及び前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算し、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、前記第4ステップ、及び前記第5ステップを一連の工程として連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする7.又は8.に記載の成形性評価プログラム。
以下において、被試験対象である薄板の応力をσij、歪みをεijとした場合、σijを時間微分した応力速度dσij/dt、εijを時間微分した歪み速度dεij/dtをσij,εijにドットを付した表記とする。同様に、周方向の歪みをεθ、半径方向の歪みをεr、板厚方向の歪みをεtとした場合、εθを時間微分した応力速度dεθ/dt、εrを時間微分した応力速度dεr/dt、εtを時間微分した歪み速度dεt/dtをεθ,εr,εtにドットを付した表記とする。
穴広げ試験では、材料に直径d0の円形の穴を開け、直径D0の円筒パンチにより穴を広げ、穴縁端部で亀裂が生じたときを破断限界とし、そのときの直径dと初期穴径d0から、穴広げ率λを得る(図4)。
λ=[(d-d0)/d0]×100
Hv=KHV(εHV+εeq)n
で近似する。更に、引張試験により、素材の相当応力σeq-相当塑性ひずみεeqの関係
σeq=K(ε0+εeq)n
を得る。ここで、KHV,K,ε0,nは材料パラメータである。以上、せん断端面の断面硬さHvを用いて、せん断時に導入された相当塑性ひずみεeq及び相当応力σeqを推定することができる。
以下、本発明の具体的な諸実施例について説明する。
以下、1.6mm厚の590MPa級の高強度鋼板を例に採り、円筒パンチ成形により行ったバーリング加工シミュレーションの結果について説明する。ここでは、例えばパンチ肩半径10mmで直径90mmの円筒パンチと、ダイス肩半径3mmで直径96mmの円筒ダイスとを用い、直径150mmの素板中央に直径10mmの穴を打抜いたものを検討の対象に選定した(図5)。
Hv=310(0.078+εeq)0.122
で近似した。
σeq=985(0.015+εeq)0.122
を求めた。この関係式とせん断端面の断面硬さHvから、せん断時に導入された相当塑性ひずみεeq、相当応力σeqを推定した(図6)。穴縁での応力,ひずみは単軸状態のため、
εeq=εθ,σeq=σθ
である。せん断端面は、だれ、せん断面、破断面、ばりで構成されるが、ここではこのなかでより大きな加工硬化が導入されている破断面の相当塑性ひずみをせん断端面の塑性ひずみεblとした。
図12を用いて、自動車部品の成形性を評価する例として、本発明の具体的構成を説明する。以下の各ステップ、特にステップS6~S9における第1~第4算出手段は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
以下、実施例3について説明する。
図13を用いて、自動車部品の成形性を評価する例として、本発明の具体的構成を説明する。以下の各ステップ、特にステップS6~S9における第1~第4算出手段及びステップS16における第5算出手段は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
続いて、第5算出手段により、せん断加工による打抜き部の損傷を計算し、この状態量を成形解析に入力する(ステップS16)。第5算出手段は、例えばせん断シミュレーションにより、打抜き端面に導入される塑性ひずみεblと相当応力σeqを算出する。
上述した本実施形態による成形性予測評価方法の各ステップ(図12のステップS5~S9、図13のステップS16及びステップS5~S9等)は、コンピュータのRAMやROM等に記録されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本実施形態に含まれる。
なお、パーソナルユーザ端末装置を用いる代わりに、成形性予測評価方法に特化された所定の計算機等を用いても良い。
Claims (13)
- 有限要素法による数値解析から要素ごとの板厚、歪みテンソル、応力テンソル、及び加工硬化率を計算する第1ステップと、
前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算する第2ステップと、
前記第2ステップによって計算された前記要素ごとの前記第1塑性不安定指標を板端部から内側に向けて積分し、成形品全体としての第2塑性不安定指標を計算する第3ステップと、
前記第3ステップによって計算された前記第2塑性不安定指標が0に近いほど破断の危険性が高いと評価する第4ステップと
を含み、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、及び前記第4ステップを一連の工程として、連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする成形性評価方法。 - 前記第1ステップの前に、せん断加工による打抜き部の損傷を計算する第5ステップを更に含み、
前記第2ステップにおいて、前記第5ステップ及び前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算し、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、前記第4ステップ、及び前記第5ステップを一連の工程として連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の成形性評価方法。 - 前記第5ステップにおいて、せん断端面の硬さを用いて、穴縁のせん断端面に導入される塑性ひずみεθ及び前記薄板の穴縁から半径方向の周方向応力σθを計算することを特徴とする請求項3に記載の成形性評価方法。
- 前記第5ステップにおいて、前記薄板の初期の穴の直径d0と前記薄板の厚みtとの比d0/t、前記薄板の延性et、及びせん断加工時のパンチとダイのクリアランスcの関係を用いて、穴縁のせん断端面に導入される塑性ひずみεθ及び前記薄板の穴縁から半径方向の周方向応力σθを計算することを特徴とする請求項3に記載の成形性評価方法。
- 前記第5ステップにおいて、有限要素法によるせん断のシミュレーションにより、穴縁のせん断端面に導入される塑性ひずみεθ及び前記薄板の穴縁から半径方向の周方向応力σθを計算することを特徴とする請求項3に記載の成形性評価方法。
- 有限要素法による数値解析から要素ごとの板厚、歪みテンソル、応力テンソル、及び加工硬化率を計算する第1ステップと、
前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算する第2ステップと、
前記第2ステップによって計算された前記要素ごとの前記第1塑性不安定指標を板端部から内側に向けて積分し、成形品全体としての第2塑性不安定指標を計算する第3ステップと、
前記第3ステップによって計算された前記第2塑性不安定指標が0に近いほど破断の危険性が高いと評価する第4ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、及び前記第4ステップを一連の工程として、連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする成形性評価プログラム。 - 前記第1ステップの前に、せん断加工による打抜き部の損傷を計算する第5ステップを更に含み、
前記第2ステップにおいて、前記第5ステップ及び前記第1ステップによって計算された結果に基づいて、加工硬化率、応力、及び板厚の関数である第1塑性不安定指標を要素ごとに計算し、
前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップ、前記第4ステップ、及び前記第5ステップを一連の工程として連続して実行して得られた解析に基づいて薄板の成形性を評価することを特徴とする請求項7又は8に記載の成形性評価プログラム。 - 前記第5ステップにおいて、せん断端面の硬さを用いて、穴縁のせん断端面に導入される塑性ひずみεθ及び前記薄板の穴縁から半径方向の周方向応力σθを計算することを特徴とする請求項9に記載の成形性評価プログラム。
- 前記第5ステップにおいて、前記薄板の初期の穴の直径d0と前記薄板の厚みtとの比d0/t、前記薄板の延性et、及びせん断加工時のパンチとダイのクリアランスcの関係を用いて、穴縁のせん断端面に導入される塑性ひずみεθ及び前記薄板の穴縁から半径方向の周方向応力σθを計算することを特徴とする請求項9に記載の成形性評価プログラム。
- 前記第5ステップにおいて、有限要素法によるせん断のシミュレーションにより、穴縁のせん断端面に導入される塑性ひずみεθ及び前記薄板の穴縁から半径方向の周方向応力σθを計算することを特徴とする請求項9に記載の成形性評価プログラム。
- 請求項7~12のいずれか1項に記載の成形性評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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