JP5910371B2 - 統合破断評価装置、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents

統合破断評価装置、制御方法、及び制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、統合破断評価装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
自動車部材等の多くは、金属板をプレス成形することにより製造されている。プレス成形の際に、部材の形状、材質、成形条件等によっては、割れが発生することがある。特に、昨今の高強度鋼板、アルミ材、マグネシウム材等の難加工材のプレス成形が増えるにつれて、割れの発生も増えてきている。
プレス成形の際に発生する割れには、部材のエッジ部に発生するもの、曲げ部に発生するもの、これら以外の部分(以下「一般部」という。)に発生するもの等が知られている。また、これらの発生を個別に評価する技術も知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。さらに、エッジ部及び一般部を認識し、各部において割れの発生を評価する技術も知られている(例えば、特許文献4を参照)。
特開2012−011458号公報 特開2011−083813号公報 特開2011−043452号公報 特開2010−069533号公報
しかしながら、部材のエッジ部及び一般部に加えて、曲げ部も認識し、各部において割れの発生を評価する技術はなかった。また、部材の形状、材質、成形条件等によっては、各部における割れの発生が相互に関係することもある。例えば、エッジ部に割れが発生するのを防ぐために形状を変更すると、曲げ部に割れが発生してしまうような場合である。したがって、曲げ部を含む、各部において割れの発生を評価することができると非常に有用である。
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものである。また、本発明は、曲げ部を含む、部材の各部において割れの発生を評価することを可能とする統合破断評価装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とするものである。
本発明に係る統合破断評価装置は、所定の部材の各部における割れの発生を評価する統合破断評価装置であって、部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、部材の各要素に生じるひずみを示すひずみ分布データ、及び部材の各部のエッジ部、曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する3種類の限界ひずみを示す限界ひずみデータを記憶する記憶部と、有限要素モデルデータに基づいて、部材の要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定する要素属否判定部と、ひずみ分布データ及び要素が属するエッジ部、曲げ部、及び一般部の3種類の部分の限界ひずみデータに基づいて、要素における割れの発生を評価する破断評価部と、割れが発生し得ると評価された要素を識別可能に出力する評価結果出力部と、を有する。
また、本発明に係る統合破断評価装置において、限界ひずみデータは、エッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部又はエッジ曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する限界ひずみを示す4種類あり、かつ、要素属否判定部は、要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定し、かつ、破断評価部は、ひずみ分布データ及び要素が属するエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部の4種類の部分の限界ひずみデータに基づいて、要素における割れの発生を評価することが好ましい。
本発明に係る統合破断評価装置の制御方法は、所定の部材の各部における割れの発生を評価する統合破断評価装置の制御方法であって、統合破断評価装置は、部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、部材の各要素に生じるひずみを示すひずみ分布データ、及び部材の各部のエッジ部、曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する3種類の限界ひずみを示す限界ひずみデータを記憶する記憶部を有し、統合破断評価装置が、有限要素モデルデータに基づいて、部材の要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定し、ひずみ分布データ及び要素が属するエッジ部、曲げ部、及び一般部の3種類の部分の限界ひずみデータに基づいて、要素における割れの発生を評価し、割れが発生し得ると評価された要素を識別可能に出力する。
また、本発明に係る統合破断評価装置の制御方法において、限界ひずみデータは、エッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部又はエッジ曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する限界ひずみを示す4種類あり、かつ、前記要素属否判定部は、前記要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定し、かつ、前記破断評価部は、前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部の4種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、前記要素における割れの発生を評価することが好ましい。
本発明に係る統合破断評価装置の制御プログラムは、所定の部材の各部における割れの発生を評価する統合破断評価装置の制御プログラムであって、統合破断評価装置は、部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、部材の各要素に生じるひずみを示すひずみ分布データ、及び部材の各部のエッジ部、曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する3種類の限界ひずみを示す限界ひずみデータを記憶する記憶部を有し、統合破断評価装置に、有限要素モデルデータに基づいて、部材の要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定させ、ひずみ分布データ及び要素が属するエッジ部、曲げ部、及び一般部の3種類の部分の限界ひずみデータに基づいて、要素における割れの発生を評価させ、割れが発生し得ると評価された要素を識別可能に出力させる。
また、本発明に係る統合破断評価装置の制御プログラムにおいて、限界ひずみデータは、エッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部又はエッジ曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する限界ひずみを示す4種類あり、かつ、要素有限要素モデルデータに基づいて、要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定させ、かつ、ひずみ分布データ及び要素が属するエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部の4種類の部分の限界ひずみデータに基づいて、要素における割れの発生を評価させることが好ましい。
本発明に係る統合破断評価装置、制御方法、及び制御プログラムは、曲げ部を含む、部材の各部において割れの発生を評価することを可能とする。これにより、ユーザは、各部における割れの発生を統合的に把握することが可能となり、部材を効率よく設計することが可能となる。
第1の実施形態における統合破断評価の処理フローの一例を示す図である。 有限要素モデルの一例を示す図である。 最大主ひずみの分布が示された有限要素モデルの一例を示す図である。 エッジ部が示された有限要素モデルの一例を示す図である。 曲げ部が示された有限要素モデルの一例を示す図である。 破断評価方法の概念を示す図である。 要素がプロットされたひずみ平面の一例を示す図である。 処理結果の一例を表形式で示す図である。 割れが発生し得る要素が示された有限要素モデルの一例を示す図である。 割れが発生し得る要素が示された有限要素モデルの一例及びその一比較例を示す図である。 統合破断評価装置の機能ブロックの一例を示す図である。 第2の実施形態における統合破断評価の処理フローの一例を示す図である。 エッジ曲げ部が示された有限要素モデルの一例を示す図である。 割れが発生し得る要素が示された有限要素モデルの一例を示す図である。 統合破断評価装置の機能ブロックの一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における統合破断評価の処理フローの一例を示す図である。
この処理フローは、図11に示される統合破断評価装置1の記憶部12に予め記憶されているプログラムに基づき、主に統合破断評価装置1の処理部13により、統合破断評価装置1の各要素と協働して実行される。なお、統合破断評価装置1のハードウェア構成については後述する。
最初に、処理部13は、ユーザから操作部14を介して入力されたデータを、記憶部12に格納する(ステップS100)。記憶部12には、予め、部材の形状を示すCAD(Computer Aided Design)モデルデータ、部材の材料物性(寸法、板厚、材料、ヤング率、ポワソン比、質量密度、変位〜ひずみ関係、ひずみ〜応力関係等)を示す材料物性データ、有限要素モデルの生成条件(要素のタイプ、サイズ等)を示す生成条件データ、プレス成形の条件(摩擦係数等)を示す成形条件データ、エッジ部の限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示すエッジ限界ひずみデータ、曲げ部の限界ひずみを示す曲げ限界ひずみデータ、及び一般部の限界ひずみを示す一般限界ひずみデータが格納される。あるいは、処理部13は、ユーザから操作部14を介して指示されたプログラムを実行し、その結果を記憶部12に格納することも可能である。なお、各部の限界ひずみについては、図6及び7を参照して後述する。
次に、処理部13は、記憶部12に記憶されているCADモデルデータ及び生成条件データ(ステップS100を参照)に基づいて、部材の形状を、所定のタイプ(本実施形態では、四角形)及びサイズの要素に分割し、有限要素モデルを生成する(ステップS101)。また、処理部13は、生成した有限要素モデルのデータを、記憶部12に格納する。なお、有限要素モデルの生成には、利用可能なアプリケーションプログラムであるJSTAMPやPAMSTAMPを用いる。しかしながら、他のアプリケーションプログラム(HyperMesh、ANSA等)を用いることも可能である。
図2は、ステップS101で生成された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。図2では、四角要素を用いて分割された有限要素モデル200が示されている。
次に、処理部13は、記憶部12に記憶されている有限要素モデルデータ(ステップS101を参照)、材料物性データ、及び成形条件データ(ステップS100を参照)に基づいて、プレス成形解析を実行し、部材の各要素に発生する最大主ひずみ及び最小主ひずみを求める(ステップS102)。また、処理部13は、求めた最大主ひずみ及び最小主ひずみの値を、ひずみ分布データとして、要素毎に記憶部12に格納する。なお、プレス成形解析の実行には、利用可能なアプリケーションプログラムであるLS−DYNAやPAMSTAMPを用いる。しかしながら、他のアプリケーションプログラム(HyperForm、AUTOFORM、RADIOSS等)を用いることも可能である。
PAMSTAMPでは、動的陽解法に基づいて、最大主ひずみ及び最小主ひずみが求められる。動的陽解法は、加速度項を考慮した動的な釣り合い式(運動方程式)を、反復計算なしに解く手法である。まず、次式で与えられる、一つの要素に対する運動方程式を、部材全体について重ね合わせることにより、部材全体に対する運動方程式が求められる。ここで、Mは質量マトリクス、uは変位、Pは等価節点力ベクトル、Fは節点外力ベクトルをそれぞれ示す。次に、求められた運動方程式を解くことにより、変位uが求められる。そして、所定の変位〜ひずみ関係に基づいて、求められた変位uから最大主ひずみ及び最小主ひずみが求められる。なお、運動方程式を解くには、格子点法の一つである中央差分法を用いる。しかしながら、他の解法(前方差分法、後方差分法、ラグランジュ法、スペクトル法等)を用いることも可能である。
図3は、ステップS102で求められた最大主ひずみの分布が示された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図3では、最大主ひずみの大小(無次元量)が色の濃淡により示されており、色が濃いほど最大主ひずみが大きいことを示している。図3より、例えば、部分301及び302に、大きな最大主ひずみが発生していることが分かる。
次に、処理部13は、記憶部12に記憶されている有限要素モデルデータ(ステップS101を参照)に基づいて、部材の各要素について、当該要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定する(ステップS103)。処理部13は、エッジ部、曲げ部、及び一般部の順に、当該部分に当該要素が属するか否かを判定する。そして、当該要素が属する部分を判定でき次第、処理部13は、当該要素が属する部分の種別(「エッジ部」、「曲げ部」、又は「一般部」)を、判定結果データとして、要素毎に記憶部12に格納する。
以下、この判定方法の一例について説明する。
まず、処理部13は、当該要素の頂点(以下「節点」という。)の、他の要素との共有状況に基づいて、当該要素がエッジ部に属するか否かを判定する。本実施形態では、当該要素は四角要素であるから、当該要素の節点が他の要素と共有されていない、又は高々一つの要素と共有されていれば、当該節点は外周上に位置し、当該要素も外周上に位置することが分かる。したがって、当該要素の少なくとも一つの節点がこの条件を満たしていれば、処理部13は、当該要素はエッジ部に属すると判定する。
図4(a)は、この方法により認識されたエッジ部が示された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図4(a)には、図2に示される部分201が拡大して示されている。例えば、要素e1の節点n1〜n4のうち、節点n1及びn2は、いずれも要素e1の三つの隣接要素と共有されているが、節点n3及びn4は、いずれも要素e1の一つの隣接要素としか共有されていない。したがって、要素e1は外周上に位置することが分かり、当該要素はエッジ部に属すると判定される。一方、要素e2の節点は、いずれも要素e2の三つの隣接要素と共有されている。したがって、要素e2は外周上に位置しないことが分かり、当該要素はエッジ部に属さないと判定される。このように、ある要素がエッジ部に属するか否かは、当該要素の節点の、他の要素との共有状況に基づいて判定することができる。図4(a)に示される部分400は、この方法により認識されたエッジ部である。
あるいは、処理部13は、当該要素の辺の、他の要素との共有状況に基づいて、当該要素がエッジ部に属するか否かを判定することも可能である。本実施形態では、当該要素は四角要素であるから、当該要素の辺が他の要素と共有されていなければ、当該辺は外周上に位置し、当該要素も外周上に位置することが分かる。したがって、当該要素の少なくとも一つの辺がこの条件を満たしていれば、処理部13は、当該要素はエッジ部に属すると判定する。
図4(b)は、この方法により認識されたエッジ部が示された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図4(b)には、図2に示される部分201が拡大して示されている。例えば、要素e1の辺s1〜s4のうち、辺s1、s2、及びs4は、いずれも要素e1の隣接要素と共有されているが、辺s3は、他の要素と共有されていない。したがって、要素e1は外周上に位置することが分かり、当該要素はエッジ部に属すると判定される。一方、要素e2の辺は、いずれも要素e2の隣接要素と共有されている。したがって、要素e2は外周上に位置しないことが分かり、当該要素はエッジ部に属さないと判定される。このように、ある要素がエッジ部に属するか否かは、当該要素の辺の、他の要素との共有状況に基づいて判定することもできる。図4(b)に示される部分400は、この方法により認識されたエッジ部である。
次に、処理部13は、当該要素の、隣接要素との折曲状況に基づいて、当該要素が曲げ部に属するか否かを判定する。本実施形態では、当該要素は四角要素であるから、対向する二つの隣接要素(以下「対向隣接要素」という。)が同一方向に折曲しており、その対向隣接要素のそれぞれについて、当該対向隣接要素の、当該要素と成す角(0〜180°)が小さければ、当該要素において曲げが大きいことが分かる。また、一般に、当該対向隣接要素のサイズが小さいほど、当該要素における曲げは大きくなる。したがって、当該要素の少なくとも一組の対向隣接要素が同一方向に折曲しており、当該一組の対向隣接要素のそれぞれについて、当該対向隣接要素の、当該要素と成す角の大きさが所定のしきい値よりも小さく、且つ当該対向隣接要素のサイズが所定のしきい値よりも小さければ、処理部13は、当該要素は曲げ部に属すると判定する。
図5(a)は、この方法により認識された曲げ部が示された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図5(a)には、図2に示される部分201が拡大して示されている。例えば、要素e3の、対向隣接要素e4と成す角a1の大きさは160°、対向隣接要素e5と成す角a2の大きさは165°であるとする。図5(b)には、部分201を断面視したときの、要素e3〜e5の位置関係が示されている。また、対向隣接要素e4及びe5のサイズは、いずれも平均要素サイズより小さいとする。このとき、角度のしきい値を170°、要素サイズのしきい値を平均要素サイズとすると、対向隣接要素e4及びe5のいずれについても、角度はしきい値よりも小さく、且つ要素サイズはしきい値よりも小さい。したがって、要素e3は曲げが大きい部分に位置することが分かり、当該要素は曲げ部に属すると判定される。一方、要素e6の、隣接要素と成す角の大きさは、いずれもしきい値より大きい。また、要素e7の、対向隣接要素と成す角a3及びa4の大きさは、いずれもしきい値より小さいが、その対向隣接要素のサイズは、いずれもしきい値より大きい。したがって、要素e6及びe7はいずれも曲げが小さい部分に位置することが分かり、当該要素はいずれも曲げ部に属さないと判定される。このように、ある要素が曲げ部に属するか否かは、当該要素の、隣接要素との折曲状況に基づいて判定することができる。図5(a)に示される部分500は、この方法により認識された曲げ部である。
あるいは、処理部13は、当該要素における板厚方向のひずみ勾配又は応力勾配に基づいて、当該要素が曲げ部に属するか否かを判定することも可能である。一般に、曲げを受けている要素の曲げ外側では曲げ稜線方向に垂直な方向に引張変形を受けるため、その方向のひずみ又は応力は正の方向に大きくなる。一方、曲げを受けている要素の曲げ内側では曲げ稜線方向に垂直な方向に圧縮変形を受けるため、その方向のひずみ又は応力は負の方向に大きくなる。このため、曲げを受けている要素では、板厚方向にひずみ勾配又は応力勾配が大きくなる。したがって、当該要素において板厚方向のひずみ勾配又は応力勾配の大きさが所定のしきい値よりも大きければ、処理部13は、当該要素は曲げ部に属すると判定する。
そして、当該要素がエッジ部及び曲げ部のいずれにも属さなければ、処理部13は、当該要素は一般部に属すると判定する。
次に、破断評価について説明する。一般に、破断評価では、縦軸を最大主ひずみとし、横軸を最小主ひずみとするひずみ平面上に、各要素がその最大主ひずみ及び最小主ひずみに基づいてプロットされる。また、限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示す線(以下「限界線」という。)もプロットされる。そして、ある要素が限界線の上方に位置していれば、当該要素において割れが発生し得ると評価される。より正確には、ある要素に発生する最大主ひずみが、同最小主ひずみを限界ひずみ(最小主ひずみ)とする限界ひずみ(最大主ひずみ)を超えていれば、当該要素において割れが発生し得ると評価される。なお、限界ひずみは、スクライブドサークル法を用いて、実験的に求める。しかしながら、他の実験的な方法、あるいは理論的な方法を用いて求めることも可能である。
図6は、この評価方法の概念を示す図である。
図6には、ひずみ平面600が示されている。ここで、縦軸は最大主ひずみε1を、横軸は最小主ひずみε2を示す。また、601により示される線は限界線である。限界線601により、ひずみ平面600は領域602及び603に二分されている。このとき、ある要素が限界線601の上方に位置し、領域602に属していれば、当該要素において割れが発生し得ると評価される。一方、当該要素が限界線601の下方に位置し、領域603に属していれば、当該要素において割れは発生しないと評価される。
図7は、実際のひずみ平面の一例を示す図である。
ここで、縦軸は最大主ひずみε1を、横軸は最小主ひずみε2を示す。また、701〜703により示される線は、それぞれエッジ部、曲げ部、及び一般部の限界線である。さらに、三角形、四角形、及び円形の印は、それぞれエッジ部、曲げ部、及び一般部の要素(以下、それぞれ「エッジ要素」、「曲げ要素」、及び「一般要素」という。)を示す。なお、黒塗りの印は、この方法により割れが発生し得ると評価された要素を示している。
次に、処理部13は、記憶部12に記憶されている判定結果データ(ステップS103を参照)、ひずみ分布データ(ステップS102を参照)、及びエッジ部の限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示すエッジ限界ひずみデータ(ステップS100を参照)に基づいて、エッジ部の各要素について、エッジ破断評価を実行する(ステップS104)。エッジ破断評価では、当該要素に発生する最大主ひずみ及び最小主ひずみの、エッジ部の限界ひずみ(図7に示される限界線701を参照)との大小関係に基づいて、当該要素において割れが発生し得るか否かが評価される。図7に示される要素e8及びe9は、この方法により割れが発生し得ると評価された要素である。一方、要素e10は、この方法により割れは発生しないと評価された要素である。そして、処理部13は、当該要素における割れ発生可能性の有無を、エッジ部の評価結果データとして、要素毎に記憶部12に格納する。
次に、処理部13は、記憶部12に記憶されている判定結果データ(ステップS103を参照)、ひずみ分布データ(ステップS102を参照)、及び曲げ部の限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示す曲げ限界ひずみデータ(ステップS100を参照)に基づいて、曲げ部の各要素について、曲げ破断評価を実行する(ステップS105)。曲げ破断評価では、当該要素に発生する最大主ひずみ及び最小主ひずみの、曲げ部の限界ひずみ(図7に示される限界線702を参照)との大小関係に基づいて、当該要素において割れが発生し得るか否かが評価される。図7に示される要素e16及びe17は、この方法により割れが発生し得ると評価された要素である。そして、処理部13は、当該要素における割れ発生可能性の有無を、曲げ部の評価結果データとして、要素毎に記憶部12に格納する。
次に、処理部13は、記憶部12に記憶されている判定結果データ(ステップS103を参照)、ひずみ分布データ(ステップS102を参照)、及び一般部の限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示す一般限界ひずみデータ(ステップS100を参照)に基づいて、一般部の各要素について、一般破断評価を実行する(ステップS106)。一般破断評価では、当該要素に発生する最大主ひずみ及び最小主ひずみの、一般部の限界ひずみ(図7に示される限界線703を参照)との大小関係に基づいて、当該要素において割れが発生し得るか否かが評価される。図7に示される要素e11、e14、及びe15は、この方法により割れが発生し得ると評価された要素である。そして、処理部13は、当該要素における割れ発生可能性の有無を、一般部の評価結果データとして、要素毎に記憶部12に格納する。
図8は、ステップS101〜106で得られた処理結果の一例を表形式で示す図である。
表800の各列には、それぞれ部材の要素の番号、当該要素が属する部分の種別、当該要素に発生する最大主ひずみの値、同最小主ひずみの値、及び当該要素における割れ発生可能性の有無が示されている。
最後に、処理部13は、記憶部12に記憶されている有限要素モデルデータ(ステップS101を参照)、判定結果データ(ステップS103を参照)、及び評価結果データ(ステップS104〜106を参照)に基づいて、部材の形状を出力すると共に、部材の各要素のうち、割れが発生し得ると評価された要素を識別可能に出力するための描画データを生成する。そして、処理部13は、生成した描画データを表示部15に出力する(ステップS107)。
図9は、ステップS107で描画された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図9(a)〜(c)には、それぞれ図2に示される部分201が拡大して示されている。図9(a)に示される要素e18〜e21は、エッジ部400において割れが発生し得ると評価された要素である。また、図9(b)に示される要素e22〜e25は、曲げ部410において割れが発生し得ると評価された要素である。さらに、図9(c)に示される要素e26〜e28は、一般部921及び922において割れが発生し得ると評価された要素である。
図10は、ステップS107で描画された有限要素モデルの一例及びその一比較例を示す図(斜視図)である。
図10(a)には、図9(a)〜(c)に示される要素e18〜e28を統合したものが示されている。一方、図10(b)には、部材のすべての要素が一般部に属すると仮定し、一般部の限界ひずみを一様に適用した場合に、割れが発生し得ると評価された要素が示されている。図10(a)に示されるものと比べると、本来割れが発生しない要素e29〜e31まで割れが発生し得ると評価されてしまうことが分かる。このことから、本発明のように、部材の各部を認識し、各部において割れの発生を評価できると非常に有用であることが分かる。
なお、本実施形態では、部材の材料物性として、板厚は1.6mm、材料は引張強さが780MPa級の高強度鋼板、弾性係数はヤング率が206GPa、ポアソン比が0.3とし、ひずみ〜応力関係はJIS5号引張試験から得られた真応力〜対数ひずみの関係を入力した。また、有限要素モデルの生成条件として、要素のタイプは4節点四角形の低減積分要素、サイズは2mm×2mmとした。また、プレス成形の条件として、摩擦係数は0.15とした。
次に、本実施形態における統合破断評価装置1のハードウェア構成について説明する。図11は、統合破断評価装置1の機能ブロックの一例を示す図である。
統合破断評価装置1は、すでにインストールされているプログラムを実行し、記憶部12に記憶されているデータ及び/又は他の装置に記憶されているデータを参照し、各種の処理を実行する。また、統合破断評価装置1は、ユーザから操作部14を介して入力された指示に従って各種の処理を実行し、その結果を表示部15を介してユーザに提示する。そのために、統合破断評価装置1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13と、操作部14と、表示部15とを有する。
通信部11は、統合破断評価装置1を不図示のネットワークに接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部11は、不図示の他の装置からネットワークを介して受信したデータを、処理部13に渡す。また、通信部11は、処理部13から受け取ったデータを、ネットワークを介して他の装置に送信する。
記憶部12は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。記憶部12は、処理部13での処理に用いられるアプリケーションプログラム、データ等を記憶する。記憶部12は、例えば、アプリケーションプログラムとして、有限要素モデル生成プログラム、プレス成形解析プログラム、要素属否判定プログラム、エッジ破断評価プログラム、曲げ破断評価プログラム、一般破断評価プログラム、評価結果描画プログラム等を記憶する。また、記憶部12は、データとして、CADモデルデータ、材料物性データ、生成条件データ、成形条件データ、エッジ限界ひずみデータ、曲げ限界ひずみデータ、及び一般限界ひずみデータ等を記憶する。また、記憶部12は、他のデータとして、部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、部材の各要素の最大主ひずみ及び最小主ひずみを示すひずみ分布データ、部材の各要素が属する部分を示す判定結果データ、部材の各要素における割れ発生可能性を示す評価結果データ等を記憶する。さらに、記憶部12は、所定の処理に係る一時的なデータを、一時的に記憶してもよい。
処理部13は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部13は、統合破断評価装置1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。即ち、処理部13は、統合破断評価装置1の各種の処理が操作部14の操作、記憶部12に記憶されているプログラム等に基づいて適切な手順で実行されるように、通信部11、表示部15等の動作を制御する。処理部13は、記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部13は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
処理部13は、図1におけるステップS101の処理を実行する有限要素モデル生成部131と、ステップS102の処理を実行するプレス成形解析部132と、ステップS103の処理を実行する要素属否判定部133と、ステップS104の処理を実行するエッジ破断評価部134と、ステップS105の処理を実行する曲げ破断評価部135と、ステップS106の処理を実行する一般破断評価部136と、ステップS107の処理を実行する評価結果描画部137とを有する。処理部13が有するこれらの各部は、処理部13が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部13が有するこれらの各部は、ファームウェアとして統合破断評価装置1に実装されてもよい。
操作部14は、統合破断評価装置1の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、キーボード、タッチパネル等である。ユーザは、このデバイスを介して、選択等の指示を入力することが可能となる。操作部14は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、処理部13に入力される。
表示部15も、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部15は、処理部13から出力される描画データに応じた映像、画像等を表示する。
以上説明してきたように、本発明は、曲げ部を含む、部材の各部において割れの発生を評価することを可能とする。これにより、ユーザは、各部における割れの発生を統合的に把握することが可能となり、部材を効率よく設計することが可能となる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、処理部13は、部材を四角要素に分割するとしたが、他のタイプ(三角形、四面体、六面体、三角柱等)の要素に分割してもよい。
また、処理部13は、ひずみ分布データのみを生成するとしたが、さらに、部材の各要素に発生する応力を求めることにより、応力分布データを生成してもよい。この場合、処理部13は、さらに、記憶部12に記憶されている判定データ、応力分布データ、及び一般部の限界応力を示す一般限界応力データに基づいて、一般部の各要素について、一般破断評価を実行してもよい。
また、処理部13は、エッジ部、曲げ部、及び一般部の順に、当該部分に要素が属するか否かを判定するとしたが、曲げ部、エッジ部、及び一般部の順に判定してもよい。
また、統合破断評価装置1は、図11に示す各部を有するとしたが、その一部については、不図示のサーバ装置が有してもよい。サーバ装置は、例えば、統合破断評価装置1の記憶部12に相当する記憶部を有し、記憶部に記憶されているプログラム、データ等を統合破断評価装置1に送信し、統合破断評価装置1に処理を実行させてもよい。あるいは、サーバ装置は、統合破断評価装置1の記憶部12及び処理部13に相当する記憶部及び処理部を有し、記憶部に記憶されているプログラム、データ等を用いて処理を実行し、その結果のみを統合破断評価装置1に提供してもよい。
また、統合破断評価装置1の処理部13が有する各機能をコンピュータに実現させるためのプログラムは、磁気記録媒体または光記録媒体といったコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、部材のエッジ部、曲げ部、及び一般部を認識するとした。しかしながら、部材の形状によっては、エッジ部であり且つ曲げ部である部分も存在し、この部分は、エッジ部とも曲げ部とも異なる限界ひずみを有するはずである。そこで、本実施形態では、部材のエッジ部、曲げ部、及び一般部に加えて、エッジ部であり且つ曲げ部である部分(以下「エッジ曲げ部」という。)も認識し、エッジ曲げ部を含む、各部において割れの発生を評価するものとする。
図12は、本実施形態における統合破断評価の処理フローの一例を示す図である。この処理フローのうち、ステップS101、102、104〜107については、図1に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
処理部13’は、ユーザから操作部14を介して入力されたデータを、記憶部12’に格納する(ステップS1200)。あるいは、処理部13’は、ユーザから操作部14を介して指示されたプログラムを実行し、その結果を記憶部12’に格納することも可能である。記憶部12’には、さらに、エッジ曲げ部の限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示すエッジ曲げ限界ひずみデータが格納される。
処理部13’は、記憶部12’に記憶されている有限要素モデルデータ(ステップS101を参照)に基づいて、部材の各要素について、当該要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定する(ステップS1201)。処理部13’は、当該要素がエッジ部及び曲げ部のいずれにも属するのか、エッジ部のみに属するのか、曲げ部のみに属するのか、又はいずれにも属さないのかを判定し、それぞれエッジ曲げ部、エッジ部、曲げ部、又は一般部に属すると判定する。そして、処理部13’は、当該要素が属する部分の種別(「エッジ部」、「曲げ部」、「エッジ曲げ部」、又は「一般部」)を、判定結果データとして、要素毎に記憶部12’に格納する。なお、エッジ部への属否の判定方法及び曲げ部への属否の判定方法は、いずれも第1の実施形態と同様である。また、第1の実施形態では、エッジ部及び曲げ部のうち、一方に属さないと判定した場合に限り、他方への属否を判定するとしたが、本実施形態では、一方への属否の判定結果にかかわらず、他方への属否を判定する。
図13は、この方法により認識されたエッジ曲げ部が示された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図13には、図2に示される部分202が拡大して示されている。図13に示される部分1300は、この方法により認識されたエッジ曲げ部である。
処理部13’は、記憶部12’に記憶されている判定結果データ(ステップS1201を参照)、ひずみ分布データ(ステップS102を参照)、及びエッジ曲げ部の限界ひずみ(最大主ひずみ及び最小主ひずみ)を示すエッジ曲げ限界ひずみデータ(ステップS1200を参照)に基づいて、エッジ曲げ部の各要素について、エッジ曲げ破断評価を実行する(ステップS1202)。エッジ曲げ破断評価では、当該要素に発生する最大主ひずみ及び最小主ひずみの、エッジ曲げ部の限界ひずみとの大小関係に基づいて、当該要素において割れが発生し得るか否かが評価される。そして、処理部13’は、当該要素における割れ発生可能性の有無を、エッジ曲げ部の評価結果データとして、要素毎に記憶部12’に格納する。
図14は、この方法により割れが発生し得ると評価された要素が示された有限要素モデルの一例を示す図(斜視図)である。
図14には、図2に示される部分202が拡大して示されている。図14に示される要素e32は、この方法により割れが発生し得ると評価された要素である。
次に、本実施形態における統合破断評価装置1’のハードウェア構成について説明する。図15は、統合破断評価装置1’の機能ブロックの一例を示す図である。この機能ブロックのうち、通信部11、有限要素モデル生成部131、プレス成形解析部132、エッジ破断評価部134、曲げ破断評価部135、一般破断評価部136、評価結果描画部137、操作部14、及び表示部15については、図11に示されるものと同一であるので、以下では説明を省略する。
記憶部12’は、アプリケーションプログラムとして、さらに、エッジ曲げ破断評価プログラム等を記憶する。また、記憶部12’は、データとして、さらに、エッジ曲げ限界ひずみデータ等を記憶する。
処理部13’は、さらに、図12におけるステップS1201の処理を実行する要素属否判定部133’と、ステップS1202の処理を実行するエッジ曲げ破断評価部138とを有する。
以上説明してきたように、本発明は、エッジ曲げ部をさらに含む、部材の各部において割れの発生を評価することを可能とする。これにより、ユーザは、各部における割れの発生をより統合的に把握することが可能となり、部材をより効率よく設計することが可能となる。
なお、当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1、1’ 統合破断評価装置
11 通信部
12、12’ 記憶部
13、13’ 処理部
131 有限要素モデル生成部
132 プレス成形解析部
133、133’ 要素属否判定部
134 エッジ破断評価部
135 曲げ破断評価部
136 一般破断評価部
137 評価結果描画部
138 エッジ曲げ破断評価部
14 操作部
15 表示部

Claims (6)

  1. 所定の部材の各部における割れの発生を評価する統合破断評価装置であって、
    前記部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、前記部材の各要素に生じるひずみを示すひずみ分布データ、及び前記部材の各部のエッジ部、曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する3種類の限界ひずみを示す限界ひずみデータを記憶する記憶部と、
    前記有限要素モデルデータに基づいて、前記部材の要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定する要素属否判定部と、
    前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、及び一般部の3種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、前記要素における割れの発生を評価する破断評価部と、
    割れが発生し得ると評価された前記要素を識別可能に出力する評価結果出力部と、
    を有することを特徴とする統合破断評価装置。
  2. 前記限界ひずみデータは、エッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部又はエッジ曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する限界ひずみを示す4種類あり、かつ、前記要素属否判定部は、前記要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定し、かつ、前記破断評価部は、前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部の4種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、前記要素における割れの発生を評価する、請求項1に記載の統合破断評価装置。
  3. 所定の部材の各部における割れの発生を評価する統合破断評価装置の制御方法であって、
    前記統合破断評価装置は、前記部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、前記部材の各要素に生じるひずみを示すひずみ分布データ、及び前記部材の各部のエッジ部、曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する3種類の限界ひずみを示す限界ひずみデータを記憶する記憶部を有し、
    前記統合破断評価装置が、
    前記有限要素モデルデータに基づいて、前記部材の要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定し、
    前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、及び一般部の3種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、
    前記要素における割れの発生を評価し、
    割れが発生し得ると評価された前記要素を識別可能に出力する、
    ことを特徴とする制御方法。
  4. 前記限界ひずみデータは、エッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部又はエッジ曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する限界ひずみを示す4種類あり、かつ、前記要素属否判定部は、前記要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定し、かつ、前記破断評価部は、前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部の4種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、前記要素における割れの発生を評価する、請求項3に記載の制御方法。
  5. 所定の部材の各部における割れの発生を評価する統合破断評価装置の制御プログラムであって、
    前記統合破断評価装置は、前記部材の形状を複数の要素により示す有限要素モデルデータ、前記部材の各要素に生じるひずみを示すひずみ分布データ、及び前記部材の各部のエッジ部、曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する3種類の限界ひずみを示す限界ひずみデータを記憶する記憶部を有し、
    前記統合破断評価装置に、
    前記有限要素モデルデータに基づいて、前記部材の要素がエッジ部、曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定させ、
    前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、及び一般部の3種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、前記要素における割れの発生を評価させ、
    割れが発生し得ると評価された前記要素を識別可能に出力させる、
    ことを特徴とする制御プログラム。
  6. 前記限界ひずみデータは、エッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び、エッジ部又は曲げ部又はエッジ曲げ部以外の部分である一般部にそれぞれ対応する限界ひずみを示す4種類あり、かつ、前記有限要素モデルデータに基づいて、前記要素がエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部のいずれに属するのかを判定させ、かつ、前記ひずみ分布データ及び前記要素が属するエッジ部、曲げ部、エッジ曲げ部、及び一般部の4種類の部分の前記限界ひずみデータに基づいて、前記要素における割れの発生を評価させる、請求項5に記載の制御プログラム。
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