JP2015111352A - 構造解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】密度法に基づいたトポロジー最適化において、精度よく且つ効率的に最適化構造を求めることが可能な構造解析方法を提供する。【解決手段】本発明は、外力Fが加えられる構造体(2)について密度法に基づいたトポロジー最適化を用いた構造解析を行う構造解析方法に関し、特に、構造体のうち外力Fが印加される荷重領域(6)を特定する工程と、構造体(2)のうち少なくとも荷重領域(6)に沿って、構造体(2)の内部に強度的影響を及ぼさない程度に設定された厚みを有するシェル部材(8)を設ける工程とを備えることを特徴とする。【選択図】図5
Description
本発明は、所定の荷重条件に基づいて外力が加えられる構造体について密度法に基づいたトポロジー最適化を用いた構造解析を行う構造解析方法の技術分野に関する。
機械構造物の構造設計において最適な形状を得るための手法として、トポロジー最適化が知られている。トポロジー最適化では、設計対象である構造物を要素に分解するFEM解析をベースとして、制約条件のもとで各要素における目的関数が最大又は最小になるように繰り返し演算を実施することにより、最適な形状を求める。典型的なトポロジー最適化の一例としては、質量を○○%低減しつつ(制約条件)、外力に起因する応力を最小化(目的関数)するように繰り返し演算を実施することにより、軽量で十分な強度を有する構造が求められる。
この種のトポロジー最適化に関する技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1では、転動体を有する機械構造物を解析対象としており、FEM解析を用いたトポロジー最適化が行われている。
トポロジー最適化を用いて、外力が加えられる構造体について軽量化を図るための最適形状を求める場合の真の目的は、各要素における応力や変形を許容値以下に抑えつつ(制約条件)、質量を最小化すること(目的関数)である。しかしながら、密度法等のアルゴリズムを用いる場合、要素毎の応力分布を直接的に評価することが困難であるため、応力の代わりに剛性を評価しているのが現状である。そのため、トポロジー最適化によって求めた構造を試作し、実際に応力評価を行うと、場所によっては過大応力が生じてしまう不適切な結果となる場合がある。すなわち、応力を剛性で代用して最適化を行っているため、求めている最適化構造と演算結果との間にギャップが生じてしまう場合がある。この場合、必要な手直しをした後に再演算が必要となるため多大な手間がかかり、設計コスト増の大きな要因となってしまう。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、密度法に基づいたトポロジー最適化において、精度よく且つ効率的に最適化構造を求めることが可能な構造解析方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る構造解析方法は上記課題を解決するために、所定の荷重条件に基づいて外力が加えられる構造体について密度法に基づいたトポロジー最適化を用いた構造解析を行う構造解析方法であって、前記構造体のうち前記外力が印加される荷重領域を特定する工程と、前記構造体のうち少なくとも前記荷重領域に沿って、前記構造体の内部に強度的影響を及ぼさない程度に設定された厚みを有するシェル部材を設ける工程とを備えることを特徴とする。
この態様によれば、外力が印加される荷重領域にシェル部材を設けることによって、トポロジー最適化をコンピュータ等の電子演算装置を用いて実施した際に、解析結果に過大応力が生じるなど、不適切な解が得られることを効果的に回避することができる。これにより、設計見直しに伴う多大な手間を効率化することができ、構造体の設計コストを削減することができる。
前記構造体はFEMモデル化されており、前記シェル部材を構成する要素は前記構造体を構成する要素に比べて剛性が小さく設定されていてもよい。
また、前記外力が前記構造体の表面の複数個所に加えられる場合、前記シェル部材は少なくとも前記複数個所を含む荷重領域に亘って設けられていてもよい。
この態様によれば、解析結果として、少なくとも外力が加えられる複数個所に亘って連続的な構造が得られる。そのため、構造体が複数の部位に分離されるなど、意図しない解析結果が得られる事態を効果的に回避することができる。
この態様によれば、解析結果として、少なくとも外力が加えられる複数個所に亘って連続的な構造が得られる。そのため、構造体が複数の部位に分離されるなど、意図しない解析結果が得られる事態を効果的に回避することができる。
また、前記トポロジー最適化は、前記構造体を所定重量に軽量化することを制約条件とし、且つ、前記構造体におけるひずみエネルギーを目的関数としてもよい。
この態様によれば、外力に対して十分な強度を有する構造体を軽量化するために最適な構成を効率的且つ精度よく求めることができる。
この態様によれば、外力に対して十分な強度を有する構造体を軽量化するために最適な構成を効率的且つ精度よく求めることができる。
また、前記構造体は、ピストンが往復運動するシリンダを備えるエンジンフレームであり、前記外力は、前記ピストンによって前記シリンダのライナ表面に加えられるサイドフォースであってもよい。
この態様によれば、上述の構造解析方法は、構造体としてピストンが往復運動するシリンダを備えるエンジンフレームを採用した場合に効果的である。
この態様によれば、上述の構造解析方法は、構造体としてピストンが往復運動するシリンダを備えるエンジンフレームを採用した場合に効果的である。
本発明によれば、外力が印加される荷重領域にシェル部材を設けることによって、トポロジー最適化をコンピュータ等の電子演算装置を用いて実施した際に、解析結果に過大応力が生じるなど、不適切な解が得られることを効果的に回避することができる。これにより、設計見直しに伴う多大な手間を効率化することができ、構造体の設計コストを削減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本実施形態に係る構造解析装置10の概略構成を示すブロック図である。構造解析装置10は、入力部12、記憶部14、演算処理部16及び出力部18を備え、例えばコンピュータなどの演算処理装置からなる。
入力部12は、構造解析装置の動作を行う際に必要な各種情報を入力する手段であり、例えばマウスやキーボードやタッチパネル等が用いられる。記憶部14は、演算処理部16で実施されるプログラムやデータを含む各種情報を記憶する機能を有しており、具体的にはHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置から構成される。演算処理部16は、入力部12から入力された情報や、記憶部14に記憶されている情報に基づいて解析処理を実行する演算ユニットであり、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。出力部18は、入力部12の入力内容、記憶部14に記憶された各種情報、演算処理部16の演算結果等を表示し、ディスプレイ装置等から構成される。
ここで、まず図2を参照して、上記構成を有する構造解析装置10を用いて実施される、従来の構造解析方法について説明する。図2は従来の構造解析方法の処理内容を工程毎に示すフローチャートであり、図3は図2に示す構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図である。
まず構造解析装置10のオペレータは、入力部12を操作することにより、構造解析対象物をFEMモデルとして作成する(ステップS101)。ここではFEMモデルの一例として、図3(a)に示す構造体2が入力された場合について説明する。構造体2は、垂直方向に立設された壁面4に、水平方向に沿って延在するように一端2aが固定された略直方体形状を有するオブジェクトである。
続いてステップS101で入力したFEMモデルに対して、荷重条件を入力する(ステップS102)。図3(a)の例では、壁面4に固定された一端2aとは反対側の他端2b上面に、垂直下方に向う外力Fが加えられるように、荷重条件を設定した場合を示している。
続いて演算処理部16は、予め記憶部14に記憶された構造解析プログラムを実行することにより、ステップS101で入力した構造体について、ステップS102で入力された荷重条件のもとでトポロジー最適化を行う(ステップS103)。トポロジー最適化では、外力Fが加えられるFEMモデルに対して、各要素における応力を許容応力以下に抑えつつ(制約条件)、質量が最小化になるように(目的関数)演算が実施される。
本実施例では特に、トポロジー最適化として密度法を利用した公知のアルゴリズム(例えばAltair社製、HyperWorks Optistruct)を用いるため、ここではその概略のみを示すこととする。密度法に基づくトポロジー最適化では、FEMモデルを構成する各要素に対して、パラメータとして要素密度s(0〜1)を設定し変化させることで、材料密度ρ、ヤング率Eを変化させる。要素密度の変化に起因する材料密度ρ、ヤング率Eの変化は、ペナルティ係数Pを用いて、次式により得られる。
ρ’=xρ
E’=xPE
例えば、P=2と仮定すると、要素密度x=0.5の要素においては材料密度ρ’=0.5ρ、ヤング率E’=0.52E=0.25Eとなり、材料密度ρが軽くなる以上にヤング率Eが低下して剛性が落ちることを意味する。
ρ’=xρ
E’=xPE
例えば、P=2と仮定すると、要素密度x=0.5の要素においては材料密度ρ’=0.5ρ、ヤング率E’=0.52E=0.25Eとなり、材料密度ρが軽くなる以上にヤング率Eが低下して剛性が落ちることを意味する。
密度法に基づくトポロジー最適化では、応力を直接評価することが困難であるため、応力に代えて剛性を評価する。例えば、質量が○○%軽減することを確保し(制約条件)、その条件内で各要素が有する剛性の合計が最も大きくなるような構造を求めることで(目的関数)、構造の最適化が行われる。これにより、FEMモデルを構成する各要素のうち構造体の剛性への寄与度が小さい要素について密度を減少する。これを、制限条件で設定される軽量基準を満たすまで繰り返すことによって、無駄な要素を抜き取り(以下の説明では、適宜「肉抜き」と称する)、剛性を確保可能な範囲で軽量化を図った最適化構造を得ることができる。
このように得られた最適化構造は、ディスプレイ等である表示部18に出力される(ステップS104)。図3(b)では、図3(a)示す構造体2に対して上述したトポロジー最適化を実施することにより、壁面4側において構造体2を支持するために剛性が大きくなるように厚みを残しつつ、外力4が印加される側の厚みが少なくなるように肉抜きが行われることによって、最適化構造2が得られる(また図3(b)では肉抜きを行った領域を符号6で示している)。
続いてステップS104で得られた最適化構造に対してスムージング処理を行うことで確認用FEMモデルを作成し(ステップS105)、任意の荷重条件を入力することによって(ステップS106)、最適化構造における応力分布を確認計算することで、確認用FEMモデルの適否を判定する(ステップS107)。判定基準としては、確認用FEMモデルの各要素における応力分布を検討することにより過大応力が生じたり、実用性に欠ける形状であるか否か等に基づいて判定される。
確認用FEMモデルが不適切であると判定された場合(ステップS107:NO)、ステップS104で得られた最適化構造に対して、オペレータによる入力部12のマニュアル操作によって手直しを行い(ステップS108)、再度ステップS105に処理を戻して、上記処理を繰り返す。このような繰り返しは、確認用FEMモデルが適切と判断されるまで繰り返し行われる。その結果、ステップS107において確認用FEMモデルが適切であると判定されると(ステップS107:YES)、構造最適化を完了させ(ステップS109)、処理を終了する(END)。
ところでトポロジー最適化において、外力が加えられる構造体について軽量化を図るための最適形状を求める場合の真の目的は、各要素における応力を許容応力以下に抑えつつ(制約条件)、質量を最小化すること(目的関数)である。しかしながら、上述したように密度法に基づいたトポロジー最適化では、要素毎の応力分布を直接的に評価することが困難であるため、上述したように応力の代わりに剛性を用いているのが現状である。そのため、トポロジー最適化によって求めた構造を試作し、実際に応力評価を行うと、場所によって過大応力が生じてしまう場合があり、再設計が必要となってしまう。すなわち、応力を剛性で代用して最適化を行っているため、求めている最適化構造と演算結果との間にギャップが生じてしまう場合がある。トポロジー最適化は非常に膨大な演算量を伴うため、図2に示すように、トポロジー最適化の演算結果を出すごとに手直しを加えて再演算することは、非常に手間がかかり、設計コスト増の大きな要因となってしまう(ステップS105〜S107を参照)。
このような問題点に対し、本実施形態に係る構造解析方法によれば、FEM解析モデルにおいて荷重が加えられる荷重領域6にシェル部材8を配置することで、トポロジー最適化による最適化構造の算出を効率的に行うことができる。図4は本実施形態に係る構造解析方法の処理内容を工程毎に示すフローチャートであり、図5は図4に示す構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図である。
まずオペレータは入力部12を操作することにより、上述のステップS101及びS102と同様に、FEMモデルと荷重条件を入力する(ステップS201及びS202)。その後、入力されたFEMモデルのうち荷重条件に基づいて外力が作用する荷重領域6に沿って、シェル部材8を入力する(ステップS203)。ここでシェル部材8は、下記条件を満たすように入力される。
(i)構造体2の表面のうち少なくとも外力が作用する荷重領域6に沿って設けられること。
(ii)シェル部材8を構成する要素は構造体2を構成する要素に比べて剛性が十分小さい値に設定されること。
(iii)シェル部材8の厚みは、構造体2の内部に強度的影響を及ぼさない程度に薄く設定されること。
(iv)シェル部材8は、最適化の対象外とすること。
(i)構造体2の表面のうち少なくとも外力が作用する荷重領域6に沿って設けられること。
(ii)シェル部材8を構成する要素は構造体2を構成する要素に比べて剛性が十分小さい値に設定されること。
(iii)シェル部材8の厚みは、構造体2の内部に強度的影響を及ぼさない程度に薄く設定されること。
(iv)シェル部材8は、最適化の対象外とすること。
図5(a)に示す例では、構造体2の他の端部2bの上面に対して垂直下方に外力Fが加えられているので、上面のうち外力Fが作用する箇所を含む荷重領域6に沿って、薄い板状のシェル部材8が入力されている。
このようにシェル部材8を入力した後、上記ステップS103及びS104と同様に、構造解析演算を行い(ステップS204)、最適化構造を出力する(ステップS205)。図5(a)を入力した場合に、得られる最適化構造の一例が図5(b)である。シェル部材8を入力しなかった図3(b)に比べて全体的に厚みが増しているため、外力Fが加えられる他の端部2b近傍の応力集中を考慮した適切な形状が得られている。
すなわち、確認用FEMモデルを作成し(ステップS206)、荷重条件を入力した場合であっても(ステップS207)、精度よく適切な形状が得られる。そのため、従来の構造解析方法で生じていた再演算の手間を大幅に削減することができる。つまり、トポロジー最適化をコンピュータ等の電子演算装置を用いて実施した際に、解析結果に過大応力が生じる箇所が発生することを防止することができる。これにより、意図しない解析結果が得られることによって再設計が必要となるケースを効果的に回避することができ、構造体の設計における手間を削減することができる。
(第1変形例)
上述の実施形態では、荷重条件において構造体2の1箇所のみに外力が加えられる場合について説明したが、本変形例では、構造体2の複数箇所に外力が加えられる荷重条件を設定した場合について説明する。図6は第1変形例に係る構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図である。
尚、本変形例では上述した実施形態と同じ箇所に関しては共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
上述の実施形態では、荷重条件において構造体2の1箇所のみに外力が加えられる場合について説明したが、本変形例では、構造体2の複数箇所に外力が加えられる荷重条件を設定した場合について説明する。図6は第1変形例に係る構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図である。
尚、本変形例では上述した実施形態と同じ箇所に関しては共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
本変形例では図6(a)に示すように、壁面4に固定された略直方体形状の構造体2の上面の複数個所に対して、垂直下方に向う外力F1、F2、F3が加わるよう荷重条件が設定されている。この場合、仮にシェル部材8を設けずにトポロジー最適化を実施すると、構造体2が複数の部材に分割されるなど、設計者の意図からかけ離れた解析結果が得られる場合がある。
一方、図6(a)に示すように、シェル部材8を複数の外力F1、F2、F3が加えられる領域を少なくとも含むように設けられた加重領域に亘って設けると、図6(b)に示すように適切な最適化構造を得ることができる。このように、構造体2に対して複数の外力が加えられる場合には、これらの外力が作用する領域全体に亘ってシェル部材8を設けることで、効率的に適切な構造解析結果を得ることができる。
(第2変形例)
本変形例では、上述の構造解析方法を、更に異なる形状の構造体について適用した場合について説明する。本変形例の解析対象となる構造体は、上記実施形態に比べて、水平方向の長さに対する垂直方向の厚みが大きく設定されている点において異なっている。図7は第2変形例に係る構造体に対して従来の構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図であり、図8は第2変形例に係る構造体に対して本実施形態に係る構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図である。
本変形例では、上述の構造解析方法を、更に異なる形状の構造体について適用した場合について説明する。本変形例の解析対象となる構造体は、上記実施形態に比べて、水平方向の長さに対する垂直方向の厚みが大きく設定されている点において異なっている。図7は第2変形例に係る構造体に対して従来の構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図であり、図8は第2変形例に係る構造体に対して本実施形態に係る構造解析方法の実施前後における構造解析対象物の形状を比較して示す模式図である。
図7(a)に示すように、本実施例では直方体形状を有する構造体2のうち、荷重条件として、側面2b全体に亘って水平方向に第1の外力F1が均一に加えられると共に、下面2c全体に亘って垂直下方に第2の外力F2が均一に加えられるように設定されている。この場合、仮にシェル部材8を設定しない場合(すなわち、従来の最適化)、剛性最大化を目的関数とし、且つ、質量○○%を制約条件とすると、例えば図7(b)で符号9で示すように、局部的に過大応力が生じる不適切な解析結果が得られる場合がある。
一方、図8(a)に示すように、荷重領域である構造体のうち第1の外力F1が加えられる側面2b、及び、第2の外力F2が加えられる下面2cに亘ってシェル部材8を設定した場合、図8(b)に示す結果が得られる。図8(b)では、図7(b)と異なって応力集中が生じる箇所が存在せず、適切な解析結果が得られている。
(第3変形例)
本変形例では上記実施形態とは異なり、実際の解析対象物の一例として、エンジンフレームについて本実施形態に係る構造解析方法を適用した場合について説明する。図9は第3変形例における解析対象物であるエンジンフレーム20の構造及び応力分布を示す断面図である。
本変形例では上記実施形態とは異なり、実際の解析対象物の一例として、エンジンフレームについて本実施形態に係る構造解析方法を適用した場合について説明する。図9は第3変形例における解析対象物であるエンジンフレーム20の構造及び応力分布を示す断面図である。
解析対象となるエンジンフレーム20は点線で示すピストン22が往復動するシリンダ24が、クランク軸26に対してV型に配置されたV型多気筒エンジンに用いられるエンジンフレームである。図9では特にエンジンフレーム20をFEMモデル化した場合に、各要素における応力分布をグラデーション形式で表示している。
図10は第3変形例に係る構造解析対象物について本実施形態に係る構造解析方法の実施前後における形状を比較して示す模式図である。
まず図10(a)に示すエンジンフレーム20に対して、シェル部材を設けることなく密度法に基づくトポロジー最適化を実施した結果が図10(b)である。この結果では、符号23で示すシリンダ24の下端部近傍が肉抜きされてしまっている。そのため、実際に荷重試験を行うと、シリンダ24内を往復動するピストン22から受けるサイドフォースがシリンダ24の下端近傍に加わることによって過大応力が生じてしまう。
まず図10(a)に示すエンジンフレーム20に対して、シェル部材を設けることなく密度法に基づくトポロジー最適化を実施した結果が図10(b)である。この結果では、符号23で示すシリンダ24の下端部近傍が肉抜きされてしまっている。そのため、実際に荷重試験を行うと、シリンダ24内を往復動するピストン22から受けるサイドフォースがシリンダ24の下端近傍に加わることによって過大応力が生じてしまう。
一方、図10(c)では往復動するピストン22に面するシリンダ24内壁に沿ってシェル部材28を設けた場合の解析結果を示している。この例では、ピストン22からのサイドフォースが加えられるシリンダ24内面に沿ってシェル部材28を設けることにより、シリンダ24の下端部における肉抜きが回避されており、過大応力の発生しない適切な解析結果が得られている。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来のトポロジー最適化においては、得られた結果を元にして、応力計算を実施したとき、過大応力の発生個所が存在する事態があったが、本手法を用いるとそのような不具合の生じる可能性が少なくなる。また、荷重がかかる部分の分離などが生じる可能性も低減することができる。
本発明は、所定の荷重条件に基づいて外力が加えられる構造体について密度法に基づいたトポロジー最適化を用いた構造解析を行う構造解析方法の技術分野に関する。
2 構造体
4 壁面
6 荷重領域
8 シェル部材
10 構造解析装置
12 入力部
14 記憶部
16 演算処理部
18 出力部
20 エンジンフレーム
22 ピストン
24 シリンダ
26 クランク軸
28 シェル部材
4 壁面
6 荷重領域
8 シェル部材
10 構造解析装置
12 入力部
14 記憶部
16 演算処理部
18 出力部
20 エンジンフレーム
22 ピストン
24 シリンダ
26 クランク軸
28 シェル部材
Claims (5)
- 所定の荷重条件に基づいて外力が加えられる構造体について密度法に基づいたトポロジー最適化を用いた構造解析を行う構造解析方法であって、
前記構造体のうち前記外力が印加される荷重領域を特定する工程と、
前記構造体のうち少なくとも前記荷重領域に沿って、前記構造体の内部に強度的影響を及ぼさない程度に設定された厚みを有するシェル部材を設ける工程と
を備えることを特徴とする構造解析方法。 - 前記構造体はFEMモデル化されており、
前記シェル部材を構成する要素は前記構造体を構成する要素に比べて剛性が小さく設定されることを特徴とする請求項1に記載の構造解析方法。 - 前記外力が前記構造体の表面の複数個所に加えられる場合、前記シェル部材は少なくとも前記複数個所を含む荷重領域に亘って設けられることを特徴とする請求項1に記載の構造解析方法。
- 前記トポロジー最適化は、前記構造体を所定重量に軽量化することを制約条件とし、且つ、前記構造体における歪みエネルギーを目的関数とすることを特徴とする請求項1に記載の構造解析方法。
- 前記構造体は、ピストンが往復運動するシリンダを備えるエンジンフレームであり、
前記外力は、前記ピストンによって前記シリンダのライナ表面に加えられるサイドフォースであることを特徴とする請求項1に記載の構造解析方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006350720A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Ntn Corp | オートテンショナのブラケット形状設計方法 |
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2013
- 2013-12-06 JP JP2013253312A patent/JP2015111352A/ja active Pending
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