JP2012053556A - 解析モデル生成方法、構造物解析方法、プログラムおよび解析装置 - Google Patents

解析モデル生成方法、構造物解析方法、プログラムおよび解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】数値解析の計算負荷を軽減することを目的とする。
【解決手段】構造物のデータに対し、数値解析を行う解析装置における解析モデル生成方法であって、解析装置が、構造物のデータのうち、所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデル31を生成し、ソリッド要素モデル31とは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデル32とし、ソリッド要素モデル31と、ソリッド要素モデル31と、シェル要素モデル32とを結合させることによって複合要素モデル30を生成することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、解析モデル生成方法、構造物解析方法、プログラムおよび解析装置の技術に関する。
溶接施工により大型構造物を製造する際、溶接部近傍への熱累積とその後の冷却により溶接変形が発生する。このような溶接変形を低減するために、通常では拘束冶具の取り付けや、溶接後の矯正作業などを行っている。このような状況において、有限要素法などの数値解析により変形を予測し、変形対策の適正化を図ることは、生産効率の向上およびコストの低減のために極めて重要である。
有限要素法による溶接変形の解析には、大きく分けると熱弾塑性解析と固有ひずみ法の二つの方法がある。熱弾塑性解析による溶接変形の解析は、解析対象とする溶接構造物において、溶接中の熱履歴を非定常熱伝導解析から求め、次に非線形解析である熱弾塑性解析により溶接中の変位、ひずみおよび応力の履歴を解析する方法である。
一方、固有ひずみ法による溶接変形の解析は、溶接部およびその近傍に生じた固有ひずみを溶接構造物に与え、線形解析である(熱)弾性解析により溶接変形を計算する方法である。
熱弾塑性解析法を用いて溶接構造物の溶接変形や残留応力を推定するには、2次元ソリッド要素の解析モデル(2次元モデル)を用いた解析や、3次元ソリッド要素の解析モデル(3次元モデル)を用いた解析が行われている。2次元モデルを用いた解析では、計算時間と計算費用を削減することが期待されるが、実構造物の形状、拘束条件、溶接熱源の移動および溶接金属の形成過程などが模擬できないため、解析精度が悪くなるという課題がある。一方、3次元モデルの場合、解析精度の向上が図られるが、大型構造物に対し膨大なモデル計算時間が必要となるため、現実的に計算できないケースも多い。
ここで、ソリッド要素とは、3次元の解析モデルをメッシュで区切った要素であり、シェル要素とは、2次元の解析モデルをメッシュで区切った要素である。
このような状況において、計算精度が高く、かつ計算時間の低減可能な解析手法が望まれている。
特許文献1には、3次元モデルを用いた熱弾性解析を行って得られた熱変形の結果を変形拘束条件として、2次元モデルを用いた熱弾塑性解析を行うことにより、解析精度が高く、かつ計算時間の削減可能な溶接残留応力解析方法および溶接残留応力解析プログラムが開示されている。
また、特許文献2には、車両衝突のシミュレーションにおいて、溶接を行う2つの板をシェル要素、溶接部位を弾性体のビーム要素をソリッド要素でモデル化し、溶接部に働く伝達力を演算し、溶接部位の破断を判断する破断判定装置および方法が開示されている。
また、特許文献3には、数値解析法より造管工程を計算するに当たり、まず造管工程の全体を含む複合要素の解析モデルについてシェル要素を用いて鋼板の3次元変形履歴を計算し、次に得られた厚み方向以外の計算結果を拘束条件として、局部モデルについてソリッド要素を用いた計算を行う造管工程の数値解析方法が開示されている。
特開2009−36669号公報 特開2005−205467号公報 特開2008−176535号公報
特許文献1に記載の技術を用いれば、熱弾塑性解析を行うものが2次元モデルであるため、計算時間の短縮が可能となる。しかし、複雑な大型構造物の溶接変形に対し、2次元モデルを適用できないケースが多く、適用が制限されているという問題がある。
特許文献2に記載の技術を用いれば、ソリッド要素とシェル要素両方の適用により解析時間の短縮ができ、かつ溶接部位の応力の計算も可能となる。しかし、溶接の熱履歴により発生した応力・変形の計算方法が提示されていない。
特許文献3に記載の技術を用いれば、造管全体の解析モデルにシェル要素を適用したため、計算時間の短縮が可能となる。しかし、溶接変形解析については、解析全体にシェル要素を適用した場合、溶接の熱履歴計算に必要とされる熱伝達解析ができないという問題がある。
そこで前記事情を鑑みて、本発明の目的は、数値解析の計算負荷を軽減することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、構造物のデータに対し、数値解析を行う解析装置における解析モデル生成方法であって、前記解析装置が、前記構造物のデータのうち、所定の領域を、要素による解析を行うための解析モデルである第1の要素モデルとし、前記所定の領域とは異なる領域を、前記解析モデルである第2の要素モデルとし、前記第1の要素モデルと、前記第2の要素モデルとを結合させることによって複合要素モデルを生成することを特徴とする。
本発明によれば、数値解析の計算負荷を軽減することができる。
本実施形態に係る解析装置の構成例を示す図である。 比較例としてのソリッド要素データの示す図である。 本実施形態に係る複合要素モデルの例を示す図である。 本実施形態に係るソリッド要素モデルとシェル要素モデルとの境界部を示す図である。 ソリッド要素モデルと、シェル要素モデルの結合の形式例を示す図である。 本実施形態に係るソリッド要素モデルとシェル要素モデルとの境界部における別の例を示す図である。 本実施形態に係る溶接変形解析処理の手順を示すフローチャートである。 本実施形態と、比較例における熱弾塑性解析の計算時間と、解析精度を示す表である。 本実施形態に係る溶接変形解析処理の別の手順を示すフローチャートである(その1)。 本実施形態に係る溶接変形解析処理の別の手順を示すフローチャートである(その2)。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
図1は、本実施形態に係る解析装置の構成例を示す図である。
解析装置1は、情報を処理する処理部10、入力部20、出力部30およびCAD(Computer-Aided Design)データなどを格納している記憶部40を有している。
処理部10は、情報を処理する機能を有し、モデル生成部11および解析部12を有している。
モデル生成部11は、記憶部40に格納されているCADデータから、例えば溶接構造物の3次元の解析モデル(3次元モデル)を生成したり、入力部20からの入力に従ってモデルを加工したりする。モデルの生成には、CADデータから解析対象の形状を取得するとともに、入力部20からの入力により指定されたメッシュ構成に従って、モデルにおけるメッシュの生成が行われる。CADデータを取得すれば、例えば解析対象となっている溶接構造物の占める位置は、モデル内に予め設定した三次元座標(本実施形態では座標軸は直交しているものとして説明する)の座標値によって定まるとともに、さらにその座標値に位置する部品を構成する物質の物性値が定まり、記憶部40に記憶される。なお、物性値は、CADデータから取得される。
また、モデル生成部11は、例えば、後記するソリッド要素におけるメッシュの生成(ソリッド要素モデルの生成)、シェル要素におけるメッシュの生成(シェル要素モデルの生成)、ソリッド要素とシェル要素の結合による複合要素モデルの生成や、メッシュにおける節点の拘束条件の設定などの処理も行う。
生成されたモデル(ソリッド要素モデル、シェル要素モデルおよび複合要素モデル)は記憶部40に記憶される。
解析部12は、生成した各モデルに対し、数値解析を行い、その解析結果を出力する。本実施形態で行われる数値解析には、例えば、熱伝達解析や、非線形解析である熱弾塑性解析や、線形解析である弾性解析や、固有ひずみ法による解析などが含まれる。
入力部20は、例えば、ユーザの操作を受け付けるマウスやキーボードであり、ユーザから入力された情報を解析装置1に入力する入力インタフェースである。
出力部30は、例えば、解析対象となる溶接構造物のCADデータやそのモデル、数値解析の計算結果などを表示するディスプレイであり、処理部10からの命令(描画命令を含む)に従い、所定の画像を表示する出力インタフェースも含む。
記憶部40に格納されているCADデータは、解析対象となる溶接構造物を、CADによる設計で生成した、3次元のデータなどである。CADデータには溶接構造物の物性を示す物性値も含まれている。CADデータは、図示しない通信インタフェースを介して、外部装置から取得してもよい。
ここで、モデルの生成や、解析に用いるパラメータは、メッシュ構成に関する初期条件(例:使用するメッシュの数、サイズ、形状)、ソリッド要素を適用する局部モデルを形成するときに定めるソリッド要素モデルとシェル要素モデルとの境界部の位置などである。数値解析を実行するのに必要な値や、条件は、熱履歴を模擬できる熱源の分布方程式、入熱量、解析対象と周辺環境との境界条件、メッシュの節点の拘束条件(例:拘束対象のメッシュの節点、その節点の拘束する方向(X方向、Y方向、Z方向の少なくとも一つ))などである。
なお、メッシュの節点の「拘束」とは、数値解析を行ってもその節点の変位量をゼロにすることである。この拘束により数値解析における位置の基準が定まる。3次元モデルでは、数値解析を行ううえで少なくとも6つの自由度の拘束が必要となる。ただし、拘束する節点の位置や方向は問わない。
なお、処理部10、処理部10におけるモデル生成部11および解析部12は、図示しないROM(Read Only Memory)や、HDD(Hard Disk Drive)に格納されたプログラムが、RAM(Random Access Memory)に展開され、CPU(Central Processing Unit)によって実行されることによって具現化する。
(モデルの説明)
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態において解析で使用するモデルについて説明する。
図2は、比較例としてのソリッド要素データ(3次元モデル)の示す図である。
図2〜図6において、数値解析の対象となる溶接構造物は、被溶接板材21aと被溶接板材21bとの直線溶接により構成されている。被溶接板材21a,21bとの溶接部22は溶接により生成される溶接金属部である。
これまでは、図2に示すように、被溶接板材21aと被溶接材21bの全領域に対しソリッド要素モデルを適用し、メッシュを設定することによって生成したソリッド要素データ20に対し数値解析を行っていた。なお、図2において、ソリッド要素には、六面体のメッシュを適用している。
なお、図2において、溶接部22は、精度の高い数値解析を行う必要から周囲より細かいメッシュが生成され、溶接により塑性ひずみが発生する領域(溶接近傍領域)は、溶接部22ほど精度の高い数値解析を必要としないため溶接部22より、やや粗いメッシュが生成され、塑性ひずみが発生しない領域は、溶接近傍領域より、さらに粗いメッシュが生成されている。
図3は、本実施形態に係る複合要素モデルの例を示す図である。なお、図3〜図6において、図2と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、図2と同じ構造物を本実施形態に係る複合要素モデルに変換したものである。複合要素モデル30は、ソリッド要素モデル31と、シェル要素モデル32a(32),32b(32)との結合によって生成されている。ここでは、図2における溶接部22およびその近傍を含んだ塑性ひずみが発生する領域(溶接近傍領域)を含んだ領域をソリッド要素モデル31とし、それ以外の部分(塑性ひずみが発生しない領域)はシェル要素モデル32a,32bとしている。
ソリッド要素モデル31におけるメッシュ分割は実溶接条件と溶接ビード断面形状を考慮してユーザが決定し、入力部20を介して解析装置1に入力する。メッシュの形状は、解析精度の高い六面体を用いるのが好ましいが、四面体、三角柱などを用いてもよいし、あるいはこれらの混合要素を用いてもよい。
なお、本実施形態におけるシェル要素モデル31のメッシュ分割は、実構造物の形状およびソリッド要素モデル32のメッシュ形状を考慮してユーザが決定し、入力部20を介して解析装置1に入力する。メッシュの形状は、解析精度の高い四辺形を用いるのが好ましい。また、軸対称のシェル要素や、3角形を用いてもよいし、あるいはこれらの混合要素を用いてもよい。
なお、符号35〜37については後記する。
図4は、本実施形態に係るソリッド要素モデルとシェル要素モデルとの境界部を示す図である。
この境界部はソリッド要素モデル31の境界面41と、シェル要素モデル32の境界線42から構成される。シェル要素モデル32の境界線42に所属する節点43は、ソリッド要素モデル31にも所属している。すなわち、ソリッド要素モデル31の境界面41と接するシェル要素モデル32の境界線42におけるすべての節点43はソリッド要素モデル31、シェル要素モデル32の双方に属する。
なお、境界面41に対する境界線42の位置、すなわち、シェル要素モデル32が境界面41のどこに接続されるかは、予め設定された条件に従って決定されるが、通常は境界面41の中心線に沿って接続される。
このように、シェル要素モデル32と、ソリッド要素モデル31とを垂直に結合することで、シェル要素モデル32、ソリッド要素モデル31にわたる数値解析を連続的に行うことが容易となる。
図5は、ソリッド要素モデルと、シェル要素モデルの結合の形式例を示す図である。
図5(a)は、図3および図4と同様に、ソリッド要素モデル31の境界面41の法線方向46と、シェル要素モデル32の境界線42の法線方向45とが直角を形成している例である。つまり、シェル要素モデル32は、ソリッド要素モデル31に対し、境界部において垂直に結合している。
図5(b)は、シェル要素モデル32が曲面を形成している場合における例を示す図である。このようにシェル要素モデル32が曲面を形成していても、ソリッド要素モデル31の境界面41の法線方向46が、境界線42におけるシェル面の法線方向45に対して直角となっていればよい。
なお、図5(c)のように、ソリッド要素モデル31の境界面41の法線方向46と、シェル要素モデル32の境界線42におけるシェル面の法線方向47とが直角をなしていなくてもよい。つまり、ソリッド要素モデル31に対し、シェル要素モデルが直角に結像していなくてもよい。しかし、シェル要素モデル32、ソリッド要素モデル31にわたる数値解析を連続的に行うことが容易となる点で、図5(a)や、図5(b)に示すようにソリッド要素モデル31の境界面41の法線方向46と、シェル要素モデル32の境界線42におけるシェル面の法線方向45とが直角をなすように、ソリッド要素モデル31とシェル要素モデル32とを結合する方が好ましい。
図6は、本実施形態に係るソリッド要素モデルとシェル要素モデルとの境界部における別の例を示す図である。図6において、図4と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図6の例では、ソリッド要素モデル31の境界面41における節点61と、シェル要素モデル32の境界線42における節点62とが共有されていない。つまり、シェル要素モデル32の境界線42に所属する節点62は、ソリッド要素モデル31の境界面41に所属していない。また、ソリッド要素モデル31の境界面41に所属する節点61は、シェル要素モデル32の境界線42に所属していない。つまり、節点61は、ソリッド要素モデル31のデータには記載されているが、シェル要素モデル32のデータには記載されていない。同様に、設定62は、、シェル要素モデル32のデータには記載されているが、ソリッド要素モデル31のデータには記載されていない。
図4に示すように境界部の節点43,44が、ソリッド要素モデル31およびシェル要素モデル32の双方に所属するのは、例えば、同一の構造物のある範囲をソリッド要素モデル31とし、他の範囲をシェル要素モデル32とした場合などで用いられる。他方、図6に示すように、ソリッド要素モデル31の境界部における節点61がシェル要素モデル32に所属しておらず、シェル要素モデル32の境界部における節点62がソリッド要素モデル31に所属していないのは、例えば、ソリッド要素モデル31と、シェル要素モデル32とを別々に生成し、後で結合した場合などに用いられる。
なお、図6においても、ソリッド要素モデル31の境界面41の法線方向46(図5)が、シェル要素モデル32の境界線42におけるシェル面の法線方向45(図5)とが直角をなすように、ソリッド要素モデル31とシェル要素モデル32とを結合する方が好ましい。
(処理)
次に、図1を参照しつつ、図7に沿って本実施形態に係る溶接変形解析処理を説明する。
図7は、本実施形態に係る溶接変形解析処理の手順を示すフローチャートである。
この処理では、まず、ユーザが、入力部20を介して入力したデータに従って、モデル生成部11が、解析対象の溶接構造物を3次元有限要素モデル化することによって、3次元モデルを構築する。
次に、ユーザが、構築した3次元モデルにおいてソリッド要素とする領域を指定し、モデル生成部11が、指定された領域をソリッド要素モデルとすることによって、ソリッド要素モデルを生成する(S101)。ここでは、この後で行なう熱弾塑性解析で、十分な解析精度が得られるようにするため、ユーザは溶接部およびその近傍を含んでいる塑性ひずみの発生する可能性がある領域をソリッド要素モデルの領域として指定する。
そして、モデル生成部11は、3次元モデルのうち、シェル要素モデルの領域のソリッド要素をシェル要素に変換することで、シェル要素モデルを生成する(S102)。シェル要素モデルの領域の設定は、3次元モデルのうち、ソリッド要素モデルではない領域をモデル生成部11がシェル要素モデルの領域としてもよいし、ユーザが、入力部20を介してシェル要素モデルの領域を指定してもよい。
シェル要素モデルは、解析対象となる実構造物の形状、寸法、拘束条件および溶接の施工条件などに応じて設定される。一般的に、塑性ひずみが発生する溶接部およびその近傍(ソリッド要素モデルの領域)以外の範囲となる。また、メッシュのサイズや要素数は、入力部20を介してユーザが設定してもよいし、予めデフォルト値として設定しておいてもよい。
そして、モデル生成部11は、ソリッド要素モデルおよびシェル要素モデルにおけるメッシュの節点番号などを設定するパラメータ設定を行う。
なお、ソリッド要素モデルと、シェル要素モデルは別のデータとして記憶部40などに保持される。
次に、解析部12が、以下のステップS103,S104の手順に従ってソリッド要素モデルの熱弾塑性解析を実行する。
まず、解析部12は、ソリッド要素モデルのソリッド要素を、熱弾塑性解析用のモデル部分とする。このモデル部分は、ソリッド要素モデルからそのまま抽出したものであるため、モデルおよびメッシュの作成が1回に限られ、メッシュの作成工程を短縮できる。つまり、ソリッド要素部分に関しては、最初に作成した3次元モデルをそのまま利用できる。
ソリッド要素の抽出のパラメータとして、ソリッド要素モデルの境界部と全体の3次元モデルの残り部分(シェル要素モデル)の境界部とが取得され、設定される。つまり、解析部12は、ソリッド要素抽出の際、ソリッド要素モデルと、シェル要素モデルのとの境界部に関するパラメータも、用いるパラメータとして抽出する。
解析部12は、ソリッド要素モデルの熱伝達解析を実行する(S103)。熱伝達解析の具体的な流れとして、解析部12は、まず、実溶接条件を模擬する入熱条件を設定し、次に、溶接開始から完了までの過程を細かい時間間隔で熱解析を行い、実溶接に近い熱履歴(熱分布)を計算する。その結果、溶接部およびその近傍(ソリッド要素モデルの領域)の温度分布の履歴が得られる。
次に、解析部12は、次のステップに必要な条件となるソリッド要素モデルの境界面の拘束条件を設定する。この境界面は解析上の境界面であり、実際の構造物にはこのような境界面が存在していない。つまり、実際の構造部は、シェル部分も厚みをもつ構造物であるため、境界面に相当する箇所は厚みを有する連続した構造物であるため、境界面は現実には存在せず、解析データ上にのみ存在するものである。
ここで、境界面の拘束条件は、実構造物の拘束状況を考慮して設定する。本実施形態の場合、図6に示すソリッド要素モデルの境界面41に所属するすべての節点において、図6に示す座標方向であるX方向、Y方向、Z方向の変位量を0とする。つまり、境界面41の節点は、X方向、Y方向、Z方向のいずれにも変位しないよう拘束条件を設定する。
そして、解析部12は、ソリッド要素モデルにおける境界面の拘束条件を設定した後、ステップS103の熱伝達解析で出力されたソリッド要素モデルの熱履歴の解析結果を入力条件として、ソリッド要素モデルの非線形の熱弾塑性解析を実行する(S104)。ステップS104の熱弾塑性解析により、ソリッド要素モデルのひずみ履歴(ひずみ分布)および応力履歴(応力分布)が得られる。
ステップS104におけるソリッド要素モデルの熱弾塑性解析が終了した後、モデル生成部11は、ステップS104で出力されたひずみ履歴の情報を含んでいるソリッド要素モデルと、シェル要素モデルとを結合して複合要素モデルを生成する(S105)。なお、ソリッド要素モデルの熱弾塑性解析を行った際に、ソリッド要素モデルとシェル要素モデルとの境界面の節点は拘束されているため、シェル要素モデルと、ソリッド要素モデルとの結合は簡単に実現できる。このとき生成した複合要素モデルには、ステップS104のソリッド要素モデルの熱弾塑性解析により得られる溶接近傍のひずみ履歴、応力履歴などの情報が含まれていることとなる。
次に、そして、入力部20を介して実構造物の拘束を考慮した拘束条件が、複合要素モデルのメッシュの節点に与えられると、解析部12は、複合要素モデルの弾性解析を実行し(S106)、最終的な構造物の溶接変形を計算する(S107)
ステップS106の処理を詳述すると、以下のようになる。
すなわち、解析部12は、ソリッド要素モデルの熱弾塑性解析を行う際に設定したソリッド要素モデルの境界面の拘束条件を解放し、実構造物の拘束を模擬できる拘束条件を設定する。本実施形態においては、図3における複合要素モデルの端部節点35にX方向、Y方向、Z方向三つの拘束を設定し、端部節点36にY方向とZ方向の拘束を与え、端部節点37にZ方向の拘束を設定する。
そして、解析部12は、熱弾塑性解析の結果得られたソリッド要素モデルにおけるひずみ履歴と応力履歴が含まれ、新たな拘束条件(端部節点35〜37での拘束)が設定された複合要素モデルを用いて弾性解析を行い、構造物の変形を計算する。弾性解析および構造物の変形の計算は周知の内容であるため詳細な説明を省略する。
なお、本実施形態では、ソリッド要素モデルに対する熱弾塑性解析を行った後、複合要素モデルを生成しているが、複合要素モデルを生成した後、この複合要素モデルから、溶接部およびその近傍を含む、塑性ひずみ発生する熱弾塑性解析が必要な範囲をソリッド要素モデルを抽出して、ソリッド要素モデルに対する熱弾塑性解析を行ってもよい。
(熱弾塑性解析結果の比較)
次に、本実施形態の効果を示すため、比較例と、本実施形態を用いた熱弾塑性解析の計算時間と、解析精度を比較した結果を図8に示す。
比較例における熱弾塑性解析の結果は、図2に示すような数値解析対象となっている構造物の全領域をソリッド要素としたモデルで熱弾塑性解析を行った結果を示し、本実施形態における熱弾塑性解析の結果は、図3に示すような複合要素モデルを用いて熱弾塑性解析を行った結果を示す。
比較例および本実施形態における熱弾塑性解析に使用した溶接後の構造物は、例えば、長さが約1200mm、幅が約600mm、厚さが12mmである。
比較例におけるモデルの規模は約100,000要素、138,000節点程度である。なお、溶接は、レーザ・アークハイブリッド溶接により1パス溶接で行ったため、熱源モデルは、線状Gaussian熱源(レーザ熱源に相当)と点状Gaussian熱源(アーク熱源に相当)の複合移動熱源を用いた。熱弾塑性解析の入熱条件は、実溶接条件および溶接ビード断面形状を考慮して決定した。
このように比較例におけるモデルおよび溶接条件(入熱条件)を設定した後、本実施形態における熱弾塑性解析法と同様の手順でソリッド要素データの熱弾塑性解析を行った。
一方、本実施形態における複合要素モデルの規模は、ソリッド要素およびシェル要素の合計が約60,000要素、82,000節点程度である。そのうち、六面体要素のメッシュを作成したソリッド要素モデルの規模は約50,000要素、70,000節点程度であり、四辺形要素のメッシュを作成したシェル要素モデルの規模が約10,000要素、12,000程度である。溶接は、レーザ・アークハイブリッド溶接により1パス溶接で行ったため、熱源モデルは、線状Gaussian熱源(レーザ熱源に相当)と点状Gaussian熱源(アーク熱源に相当)の複合移動熱源を用いた。解析の入熱条件は、実溶接条件および溶接ビード断面形状を考慮して決定した。
このような条件において、本実施形態における複合要素モデルの全域にわたって熱弾塑性解析を行い、計算結果および解析精度を算出した。
なお、解析精度とは、すべての領域がソリッド要素モデルである場合と比較して、どの程度、正確な解析を行うことができるかを示すものである。
その結果、図8に示すような結果となった。なお、図8では、比較例における値を基準として「1」とし、それに対する相対値で本実施形態における値を示すこととする。
まず、1回あたりの計算時間は、比較例における計算時間を「1」とすると、本実施形態では0.4〜0.8の計算時間で熱弾塑性解析を行うことができ、大幅な時間短縮が可能となった。
これに対し、解析精度は、比較例における解析精度を「1」とすると、本実施形態では0.6〜0.9であり、若干低下するものの、精度としては十分な値を示すことができた。
(別の解析手法)
図9は、本実施形態に係る複合要素モデルを用いた、図7とは異なる溶接変形解析処理の手順を示すフローチャートである。図7に示す手順では、ソリッド要素モデルに対し熱伝達解析および熱弾塑性解析を行った後、複合要素モデルを生成し、複合要素モデルに対する熱弾塑性解析を行っている。一方、図9に示す手順は、ソリッド要素モデルに対し、熱伝達解析を行った後、ソリッド要素モデルに対する熱弾塑性解析を行わずに、複合要素モデルを生成し、この複合要素モデルに対する熱弾塑性解析を行うものである。
図9において、ステップS201〜ステップS203までは、それぞれ図2のステップS101〜ステップS103までと同様である。
ステップS203の後、モデル生成部11がソリッド要素モデルと、シェル要素モデルとを結合して、複合要素モデルを生成する(S204)。
次に、解析部12が、複合要素モデルにおけるソリッド要素モデルの各節点要素に対し、ステップS203で行った熱伝達解析の結果を付与し、さらに、シェル要素モデルに対し適当な温度履歴を設定する。具体的には、ソリッド要素モデルにおけるシェル要素モデルとの境界面に所属する節点の平均温度履歴をシェル要素の境界線に所属する節点に付与する。また、図3に示すようなシェル要素モデルの端部に所属する端部節点35〜37などに室温(例え20℃)を付与し、シェル要素モデルの端部と、ソリッド要素モデルとの境界線以外の節点に対し、端部と境界線の節点の温度から挿入法により推算する。
なお、シェル要素モデルの温度分布の設定とソリッド要素モデルの節点の温度履歴の設定は、入力部20を介してユーザが行ってもよいし、予め設定してもよい。
そして、温度履歴の設定終了後、解析部12は、複合要素モデルに対し熱弾塑性解析を実行し(S205)、構造物の溶接変形を計算する(S206)。
図9の手順では、ソリッド要素モデルの熱伝達解析を終了した後、このソリッド要素モデルに対し熱弾塑性解析を行わず、熱伝達解析結果(温度履歴)が含まれたソリッド要素モデルにシェル要素モデルを結合し、複合要素モデルを生成している。生成された複合要素モデルは、図7の手順と異なり、ひずみ履歴と応力履歴の情報が含まれてないこととなる。
図9に示す手順によれば、ソリッド要素モデルの熱弾塑性解析が実行されない分、図7に示す手順より処理数を減らすことができる。
なお、図9に示す手順による数値解析の計算時間および解析精度は、図8に示した比較表と同程度となる。
(別の例)
図10は、本実施形態に係る溶接変形解析処理の別の手順を示すフローチャートである。
図10に示す手順は、ソリッド要素モデルに対する熱伝達解析も、熱弾塑性解析も行わずに、複合要素モデルを生成し、この複合要素モデルに対し、熱伝達解析と、熱弾塑性解析を行うものである。
まず、図10におけるステップS301およびステップS302のそれぞれは、図7におけるステップS101およびステップS102と同様の処理であるため、説明を省略する。
そして、ステップS302の後、モデル生成部11は、生成したソリッド要素モデルと、シェル要素モデルとを結合して複合要素モデルを生成する(S303)。
生成された複合要素モデルは、図7の手順のような熱弾塑性解析結果の情報も含んでいないし、図9の手順のような温度履歴の情報も含まれてない。
次に、解析部12が、生成した複合要素モデルに対し熱伝達解析を実行する(S304)。具体的な流れとして、まず、入力部20を介して、実溶接条件を模擬する入熱条件が設定される。次に、解析部12が、設定された入熱条件に従って溶接開始から完了までの過程を細かい時間間隔で熱解析を行い、実溶接に近い熱履歴を計算する。このような熱伝達解析によって、溶接部およびその近傍の温度分布の履歴が得られる。
このとき、シェル要素モデルの境界線とソリッド要素モデルとの境界面が接合されているため、ソリッド要素モデルの計算からシェル要素モデルの節点の温度履歴の計算もできる。
そして、ステップS304における熱伝達解析の終了後、解析部12は、複合要素モデルに対し熱弾塑性解析を実行し(S305)、構造物の溶接変形を計算する(S306)。
図10による手順も、図9と同様、図7に示す手順より処理数をを減らすことができる。
なお、図10による数値解析の計算時間および解析精度は、図8に示した比較表と同程度となる。
また、複合要素モデルにおいて、ソリッド要素モデルとシェル要素モデルの境界部は2以上形成してもよい。つまり、ソリッド要素モデルの1つの境界面に、2以上のシェル要素モデルが結合してもよい。
また、ソリッド要素モデルにおいて、、メッシュの面に沿うことなく、メッシュの面と平行または非平行にメッシュを切断するように形成してもよい。メッシュを切断するように形成する場合は、その切断により形成された切断面を新たなメッシュの面としてもよい。
つまり、本実施形態では、ソリッド要素モデルは、直方体状となっているが、例えば、階段状に境界面を生成してもよい。
また、本実施形態では、ソリッド要素モデルとシェル要素モデルの境界部は、入力部20からユーザが指定するようにしている。つまり、ソリッド要素モデル(または、シェル要素モデル)の範囲は、入力部20を介してユーザが指定している。
しかし、ソリッド要素モデルと、シェル要素モデルの境界部の位置を設定するときに、所望の解析計算時間および所望の解析精度を達成するように境界部を設定することができるプログラムを用いるようにしてもよい。つまり、ソリッド要素モデル(または、シェル要素モデル)の範囲は、入力部20を介して入力された所望の計算時間を基に、処理部10がソリッド要素モデル(または、シェル要素モデル)の範囲の大きさを算出し、ソリッド要素モデル(または、シェル要素モデル)の範囲を自動的に指定してもよい。
(まとめ)
本実施形態によれば、溶接部および溶接部近傍をソリッド要素モデルとして解析を行い、それ以外の部分をシェル要素モデルとすることで、重要な部分はソリッド要素モデルで解析精度を保ちつつ、計算負荷を軽減することができる。
1 解析装置
10 処理部
11 モデル生成部
12 解析部
20 入力部
30 出力部
40 記憶部
30 複合要素モデル
31 ソリッド要素モデル
32 シェル要素モデル
43,61,62 節点
45,46 法線

Claims (17)

  1. 構造物のデータに対し、数値解析を行う解析装置における解析モデル生成方法であって、
    前記解析装置が、
    前記構造物のデータのうち、所定の領域を、要素による解析を行うための解析モデルである第1の要素モデルとし、
    前記所定の領域とは異なる領域を、前記解析モデルである第2の要素モデルとし、
    前記第1の要素モデルと、前記第2の要素モデルとを結合させることによって複合要素モデルを生成する
    ことを特徴とする解析モデル生成方法。
  2. 前記第1の要素モデルは、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルであり、前記第2の要素モデルは、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルである
    ことを特徴とする請求項1に記載の解析モデル生成方法。
  3. 前記ソリッド要素モデルにおける前記シェル要素モデルとの境界面での法線と、前記シェル要素モデルの面上における法線と、が直角をなす
    ことを特徴とする請求項2に記載の解析モデル生成方法。
  4. 前記シェル要素モデルの節点であり、前記ソリッド要素モデルとの境界線上の節点である第1の節点と、前記ソリッド要素モデルの節点であり、前記境界線と接している節点である第2の節点と、の位置が一致する
    ことを特徴とする請求項2に記載の解析モデル生成方法。
  5. 前記シェル要素モデルの節点であり、前記ソリッド要素モデルとの境界線上の節点である第1の節点と、前記ソリッド要素モデルの節点であり、前記境界線と接している節点である第2の節点と、の位置が一致しない
    ことを特徴とする請求項2に記載の解析モデル生成方法。
  6. 溶接された構造物のデータに対し、数値解析を行う解析装置における構造物解析方法であって、
    前記解析装置は、
    前記構造物のデータのうち、溶接部における所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルとし、
    前記所定の領域とは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルとし、
    前記ソリッド要素モデルに対して、前記ソリッド要素モデルにおける熱分布を算出する熱伝達解析を行い、
    前記熱伝達解析の結果を含む前記ソリッド要素モデルに対して、前記ソリッド要素モデルにおけるひずみ分布および応力分布を算出する熱弾塑性解析を行い、
    前記熱弾塑性解析を行った後、前記熱弾塑性解析の結果を含むソリッド要素モデルと、前記シェル要素モデルと、を結合して複合要素モデルを生成する
    ことを特徴とする構造物解析方法。
  7. 溶接された構造物の数値解析を行う解析装置における構造物解析方法であって、
    前記解析装置は、
    前記構造物のデータのうち、溶接部における所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルとし、
    前記ソリッド要素モデルとは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルとし、
    前記ソリッド要素モデルに対して、前記ソリッド要素モデルにおける熱分布を算出する熱伝達解析を行い、
    前記熱伝達解析の結果を含む前記ソリッド要素モデルと、前記シェル要素モデルと、を結合して複合要素モデルを生成し、
    生成した前記複合要素モデルに対して、前記複合要素モデルにおけるひずみ分布および応力分布を算出する熱弾塑性解析を行う
    ことを特徴とする構造物解析方法。
  8. 溶接された構造物の数値解析を行う解析装置における構造物解析方法であって、
    前記解析装置は、
    前記構造物のデータのうち、溶接部における所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルとし、
    前記ソリッド要素モデルとは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルとし、
    前記ソリッド要素モデルと、前記シェル要素モデルと、を結合して複合要素モデルを生成し、
    前記複合要素モデルに対して、前記複合要素モデルにおける熱分布を算出する熱伝達解析を行い、
    前記熱伝達解析の結果を含む複合要素モデルに対し、前記複合要素モデルにおけるひずみ分布および応力分布を算出する熱弾塑性解析を行う
    ことを特徴とする構造物解析方法。
  9. 前記ソリッド要素モデルにおける前記シェル要素モデルとの境界面での法線と、前記シェル要素モデルの面上における法線と、が直角をなす
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の構造物解析方法。
  10. 前記シェル要素モデルの節点であり、前記ソリッド要素モデルとの境界線上の節点である第1の節点と、前記ソリッド要素モデルの節点であり、前記境界線と接している節点である第2の節点と、の位置が一致する
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の構造物解析方法。。
  11. 前記シェル要素モデルの節点であり、前記ソリッド要素モデルとの境界線上の節点である第1の節点と、前記ソリッド要素モデルの節点であり、前記境界線と接している節点である第2の節点と、の位置が一致しない
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の構造物解析方法。
  12. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の解析モデル生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の構造物解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 構造物のデータに対し、数値解析を行う解析装置であって、
    前記構造物のデータのうち、所定の領域を要素による解析を行うための解析モデルである第1の要素モデルを生成し、
    前記所定の領域とは異なる領域を、前記解析モデルである第2の要素モデルとを生成し、
    前記第1の要素モデルと、前記第2の要素モデルとを結合させることによって複合要素モデルを生成するモデル生成部
    を有することを特徴とする解析装置。
  15. 溶接された構造物のデータに対し、数値解析を行う解析装置であって、
    モデル生成部と、解析部と、を有し、
    前記モデル生成部は、
    前記構造物のデータのうち、溶接部における所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルとし、
    前記所定の領域とは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルとし、
    前記解析部による熱弾塑性解析の結果を含むソリッド要素モデルと、前記シェル要素モデルと、を結合して複合要素モデルを生成するものであり、
    前記解析部は、
    前記ソリッド要素モデルに対して、前記ソリッド要素モデルにおける熱分布を算出する熱伝達解析を行い、
    前記熱伝達解析の結果を含む前記ソリッド要素モデルに対して、前記ソリッド要素モデルにおけるひずみ分布および応力分布を算出する熱弾塑性解析を行うものである
    ことを特徴とする解析装置。
  16. 溶接された構造物の数値解析を行う解析装置であって、
    モデル生成部と、解析部と、を有し、
    前記モデル生成部は、
    前記構造物のデータのうち、溶接部における所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルとし、
    前記所定の領域とは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルとし、
    前記解析部による熱伝達解析の結果を含む前記ソリッド要素モデルと、前記シェル要素モデルと、を結合して複合要素モデルを生成するものであり、
    前記解析部は、
    前記ソリッド要素モデルに対して、前記ソリッド要素モデルにおける熱分布を算出する熱伝達解析を行い、
    モデル生成部によって、生成された前記複合要素モデルに対して、前記複合要素モデルにおけるひずみ分布および応力分布を算出する熱弾塑性解析を行うものである
    ことを特徴とする解析装置。
  17. 溶接された構造物の数値解析を行う解析装置であって、
    モデル生成部と、解析部と、を有し、
    前記モデル生成部は、
    前記構造物のデータのうち、溶接部における所定の領域を、ソリッド要素の集合体であるソリッド要素モデルとし、
    前記所定の領域とは異なる領域を、シェル要素の集合体であるシェル要素モデルとし、
    前記ソリッド要素モデルと、前記シェル要素モデルと、を結合して複合要素モデルを生成するものであり、
    前記解析部は、
    前記モデル生成部によって、生成された複合要素モデルに対して、前記複合要素モデルにおける熱分布を算出する熱伝達解析を行い、
    前記熱伝達解析の結果を含む複合要素モデルに対し、前記複合要素モデルにおけるひずみ分布および応力分布を算出する熱弾塑性解析を行うものである
    ことを特徴とする解析装置。
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