JP2015223613A - 鍛造割れ予測方法、鍛造割れ予測プログラム、および記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形であっても、鍛造品の割れを正確に予測することができる鍛造割れ予測方法を提供する。
【解決手段】本発明の鍛造割れ予測方法は、金型により素材を鍛造成形して鍛造品を製造する際の鍛造品の割れを変形解析により予測する鍛造割れ予測方法であって、素材の有限要素モデルの各要素について、モデルの座標系における各方向の応力成分とひずみ増分成分とを計算するステップ(S101)と、同一方向の応力成分とひずみ増分成分とを乗算して、鍛造品の割れを予測するための予測値を方向毎に算出するステップ(S103)と、方向毎に算出された予測値を利用して、鍛造品の割れを予測するステップ(S107)と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、鍛造割れ予測方法、鍛造割れ予測プログラム、および記録媒体に関する。
金型により素材を成形して鍛造品を製造する金型鍛造では、素材の塑性変形が限界を超えると、鍛造品の表面または内部に割れが発生する。
これに関連して、下記の特許文献1には、有限要素法を用いた成形シミュレーションを行って、鍛造品の割れを予測する方法が提案されている。この方法によれば、鍛造品の割れを机上の検討により予測できるため、製品開発にかかる時間およびコストを削減することができる。
特開平11−191098号公報
しかしながら、上記の方法では、素材内の応力に相当ひずみ増分を乗じた評価式を用いて、割れの発生が予測される。このため、上記の方法では、応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形の場合、鍛造品の割れを正確に予測することができないという問題がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものである。したがって、本発明の目的は、応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形であっても、鍛造品の割れを正確に予測することができる鍛造割れ予測方法、鍛造割れ予測プログラム、および記録媒体を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
本発明は、金型により素材を鍛造成形して鍛造品を製造する際の前記鍛造品の割れを変形解析により予測する。本発明は、前記素材の有限要素モデルの各要素について、前記モデルの座標系における各方向の応力成分とひずみ増分成分とを計算し、同一方向の前記応力成分と前記ひずみ増分成分とを乗算して、前記鍛造品の割れを予測するための予測値を前記方向毎に算出する。本発明は、前記方向毎に算出された前記予測値を利用して、前記鍛造品の割れを予測する。
本発明によれば、同一方向の応力成分とひずみ増分成分とを乗算して得られる予測値を利用して、鍛造品の割れが評価されるため、応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形であっても、鍛造品の割れを正確に予測することができる。
本発明の一実施形態に係る鍛造割れ予測方法が適用される解析装置の概略構成を示すブロック図である。 図2(A)は、金型により鍛造成形される素材の一例を示す図であり、図2(B)は、金型により素材を鍛造成形して得られる鍛造品の一例を示す図である。 解析装置により実行される鍛造割れ予測処理の手順を示すフローチャートである。 データベースに格納されている閾値の一例を示す図である。 鍛造割れ予測処理の解析結果を示す図である。 鍛造時に割れが発生した鍛造品の写真である。 一般的な鍛造割れ予測処理の手順を示すフローチャートである。 変形例に係る鍛造割れ予測処理の手順を示すフローチャートである。 割れ予測値の累積値の推移を示す図である。 トリポード型等速ジョイントの一例を示す図である。 等速ジョイントの鍛造成形に用いられる金型の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る鍛造割れ予測方法が適用される解析装置1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すとおり、解析装置1は、本体部10、表示部20、および入力部30を備える。表示部20および入力部30は、本体部10に電気的に接続されている。解析装置1は、たとえば、一般的なコンピュータである。
本体部10は、演算処理部11および記憶部12を備える。演算処理部11は、CPU等から構成され、モデル生成部111、解析部112、および表示情報演算部113を備える。記憶部12は、ROM、RAM、およびハードディスク等から構成され、金型により鍛造成形される素材の形状データ等の各種データおよび鍛造割れ予測プログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部12には、鍛造品の割れの有無を判定する際に参照される閾値を格納したデータベース121が設けられている。
モデル生成部111は、金型により鍛造成形される素材の有限要素モデルを生成する。解析部112は、素材の有限要素モデルを用いた塑性変形解析を行い、鍛造品の割れを予測する。表示情報演算部113は、表示部20に解析結果を表示するための処理を行う。モデル生成部111、解析部112、および表示情報演算部113の機能は、記憶部12に記憶されている各種プログラムをCPUが実行することによって発揮される。
表示部20は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力部30は、たとえば、マウス等のポインティングデバイスやキーボードであり、各種の情報を入力するために用いられる。
以上のとおり構成される解析装置1は、金型により素材を鍛造成形して鍛造品を製造する際の鍛造品の割れを変形解析により予測する。以下、図2〜図11を参照して、本実施形態に係る鍛造割れ予測方法について説明する。
まず、図2を参照して、解析装置1が割れを予測する鍛造品について説明する。図2(A)は、金型300により鍛造成形される素材200の一例を示す図であり、図2(B)は、金型300により素材200を鍛造成形して得られる鍛造品の一例を示す図である。
図2(A)に示すとおり、素材200は、円筒形状(管形状)を有している。そして、図2(B)に示すとおり、鍛造品は、円筒状の素材200を金型300に押し込んで素材200の径を縮小する前方押出し成形により製造される。
このような前方押出し成形では、円筒状の素材200の中心軸方向に応力が生じる一方で、素材200の周方向に圧縮ひずみが生じる。解析装置1は、応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形について、鍛造品の割れを予測する。
図3は、解析装置1により実行される鍛造割れ予測処理の手順を示すフローチャートである。鍛造割れ予測処理では、素材200の有限要素モデルの各要素の応力およびひずみ増分を微小時間間隔で計算する塑性変形解析を行い、鍛造品の割れを予測する。なお、図3のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、解析装置1の記憶部12にプログラムとして記憶されており、CPUによって実行される。
まず、解析装置1は、有限要素モデルの各要素について、有限要素モデルの座標系における各方向の応力成分σおよびひずみ増分成分dεを計算する(ステップS101)。具体的には、解析装置1は、素材200の有限要素モデルを用いた変形解析を行い、有限要素モデルの各要素について、微小時間における極座標系の各方向i(径方向r、周方向θ、高さ方向z)の応力成分σとひずみ増分成分dεとをそれぞれ計算する。なお、有限要素モデルを用いた変形解析において各要素の応力成分およびひずみ増分成分を計算する技術自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
次に、解析装置1は、相当応力σを計算する(ステップS102)。具体的には、解析装置1は、ステップS101に示す処理で計算した極座標系の3つの方向r,θ,zの応力成分σから、相当応力σを計算する。なお、極座標系の各方向の応力成分から相当応力を計算する技術自体も、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
次に、解析装置1は、各方向の割れ予測値dDを算出する(ステップS103)。具体的には、解析装置1は、極座標系の3つの方向r,θ,zのそれぞれについて、ステップS101に示す処理で計算した応力成分σとひずみ増分成分dεとを乗算して、鍛造品の割れを予測するための割れ予測値dDを算出する。より具体的には、解析装置1は、下記(1)式に示すとおり、ステップS101に示す処理で計算した応力成分σとひずみ増分成分dεとの積を、ステップS102に示す処理で計算した相当応力σで除して、割れ予測値dDを算出する。
ここで、σは方向iの応力成分、σは相当応力、dεは方向iのひずみ増分成分であり、iは、極座標系における径方向r、周方向θ、および高さ方向zである。
次に、解析装置1は、各方向の割れ予測値dDの累積値Dを算出する(ステップS104)。具体的には、解析装置1は、極座標系の3つの方向r,θ,zのそれぞれについて、ステップS103に示す処理で算出した割れ予測値dDを累積値Dに加算して、割れ予測値dDの累積値Dを更新する。言い換えれば、解析装置1は、下記(2)式に示すとおり、割れ予測値dDの時間積分値を算出する。
次に、解析装置1は、ステップが終了したか否かを判断する(ステップS105)。具体的には、解析装置1は、解析単位の微小時間に相当するステップが、最終ステップまで到達したか否かを判断する。
ステップが終了していないと判断する場合(ステップS105:NO)、解析装置1は、ステップS101の処理に戻る。そして、ステップが終了するまで、解析装置1は、ステップS101〜S104の処理を繰り返す。
一方、ステップが終了したと判断する場合(ステップS105:YES)、解析装置1は、データベース121を参照する(ステップS106)。具体的には、解析装置1は、データベース121を参照して、データベース121に格納されている閾値を読み取る。
図4は、データベース121に格納されている閾値の一例を示す図である。データベース121には、複数の閾値が格納されており、各閾値は、素材200の種類および素材200に施される前処理の内容(焼準処理等)と対応付けられている。解析装置1は、データベース121に格納されている複数の閾値の中から、解析に用いられる素材の種類および前処理の内容と対応付けられている閾値を読み取る。たとえば、素材200の種類が種類Cで前処理の内容が処理Aの場合、解析装置1は、閾値0.43を読み取る。
そして、解析装置1は、割れの有無、方向、および位置を判断し(ステップS107)、処理を終了する。具体的には、解析装置1は、ステップS104に示す処理で算出した各方向の割れ予測値dDの累積値Dを、ステップS106に示す処理で読み取った閾値と比較して、割れの発生の有無を判断する。本実施形態では、極座標系の3つの方向r,θ,zについてそれぞれ算出された3つの累積値Dのうち、少なくとも1つの累積値が閾値を超えている場合、解析装置1は、割れが発生すると判断する。また、解析装置1は、閾値を超えた累積値を示す要素の有限要素モデル内の位置から、鍛造品における割れの発生位置を判断する。さらに、解析装置1は、3つの方向r,θ,zの累積値Dを比較することにより、割れの方向を判断する。
以上のとおり、図3に示されるフローチャートの処理によれば、微小時間毎に、極座標系の3つの方向r,θ,zのそれぞれについて、各要素の応力成分とひずみ増分成分とが計算される。そして、同一方向の応力成分とひずみ増分成分とが乗算されることにより、各方向の割れ予測値dDが算出される。そして、各方向の割れ予測値dDの累積値Dが所定の閾値と比較され、割れの発生の有無が判断される。同時に、割れが発生する位置および割れの方向も判断される。
図5は、鍛造割れ予測処理の解析結果を示す図であり、図6は、鍛造時に割れが発生した鍛造品の写真である。
図5(A)は、本実施形態の鍛造割れ予測処理により算出される割れ予測値の累積値Dθの分布を示す図である。また、図5(B)は、比較例として、図7のフローチャートに示すような一般的な鍛造割れ予測処理により算出される割れ予測値の累積値Dの分布を示す図である。
上述したとおり、本実施形態の鍛造割れ予測処理では、極座標系の3つの方向r,θ,zのそれぞれについて解析が行われる。図5(A)は、3つの方向の解析結果のうち、周方向θについての解析結果を示す。図5(A)に示すとおり、極座標系の周方向θの解析結果を参照すれば、閾値を超える累積値Dθを示す要素が鍛造品の先端部(図5(A)の太丸で囲まれた部分)に存在している。
したがって、本実施形態の鍛造割れ予測処理によれば、円筒状の素材200の先端部から、周方向に裂けるように割れが発生することが予測される。そして、この予測結果は、図6に示す実際の鍛造品に生じた割れの傾向と一致している。つまり、本実施形態の鍛造割れ予測処理によれば、鍛造品の割れを正確に予測することができる。
一方、図5(B)に示すとおり、一般的な鍛造割れ予測処理では、円筒状の素材200の先端部の要素は、閾値以下の累積値Dを示し、円筒状の素材200の先端部に割れが発生することは予測されない。したがって、一般的な鍛造割れ予測処理では、鍛造品の割れを正確に予測することができない。
なお、図7のフローチャートに示す一般的な鍛造割れ予測処理では、まず、有限要素モデルの各要素について、極座標系における各方向の応力成分σおよびひずみ増分成分dεが計算される(ステップS201)。続いて、各方向の応力成分σおよびひずみ増分成分dεから、最大主応力σmax、相当応力σ、および相当ひずみ増分dεが計算される(ステップS202)。そして、下記(3)式に示すとおり、最大主応力σmaxと相当ひずみ増分dεとの積を相当応力σで除した値が、割れ予測値dDとして算出される(ステップS203)。
そして、下記(4)式に示すとおり、割れ予測値dDの累積値Dが算出され(ステップS204)、割れ予測値dDの累積値Dの大小に基づいて、割れが発生する位置が判断される(ステップS206)。
以上のとおり、一般的な鍛造割れ予測処理では、最大主応力と相当ひずみ増分とを乗じた計算式を用いて割れの発生が予測される。このため、一般的な鍛造割れ予測処理によれば、応力と相当ひずみ増分の方向が異なるような塑性変形の場合、鍛造品の割れの有無や割れの発生位置を正確に予測することができない。また、相当ひずみ増分は方向性のないスカラー量であるため、一般的な鍛造割れ予測処理によれば、鍛造品の割れの方向を予測することができない。
一方、本実施形態の鍛造割れ予測処理では、同一方向の応力成分とひずみ増分成分とを乗じた計算式を用いて割れの発生が予測される。このため、応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形であっても、鍛造品の割れの有無、割れの発生位置、および割れの方向を正確に予測することができる。
さらに、本実施形態の鍛造割れ予測処理によれば、割れの予測結果を金型の設計にフードバックすることにより、金型の仕様を決定することができる。
図8は、変形例に係る鍛造割れ予測処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS101〜S107は、図3に示すフローチャートの処理と同様であるため、説明は省略する。
ステップS107に示す処理で割れの有無を判断した後、解析装置1は、割れがないか否かを判断する(ステップS108)。割れがないと判断する場合(ステップS108:YES)、解析装置1は、処理を終了する。
一方、割れがあると判断する場合(ステップS108:NO)、解析装置1は、金型300の仕様を変更し(ステップS109)、ステップS101の処理に戻る。具体的には、解析装置1は、まず、解析に用いられる金型300の形状モデルについて、素材200の径を絞るための傾斜部の傾斜角度および角部の丸み(アール)等の仕様を変更する。そして、解析装置1は、ステップS101の処理に戻り、金型300の新たな形状モデルを適用して、ステップS101〜S107の処理を繰り返す。
このような構成によれば、試行錯誤的に金型を製作することなく、鍛造品に割れが発生しない金型300を容易に設計することができる。
次に、図9を参照して、割れの有無を判定する際に参照される閾値の決定方法について説明する。本実施形態では、絞り率が異なる複数の鍛造品を実際に製造して得られた結果と、複数の鍛造品についてそれぞれ算出した複数の割れ予測値の各累積値とに基づいて、閾値を決定する。
図9は、割れ予測値の累積値Dの推移を示す図である。図9の横軸は成形時間であり、縦軸は割れ予測値の累積値Dである。図9では、素材200の絞り率を3段階に変更して解析を行っている。同時に、実際に前方押出し成形を行って鍛造品を製造し、製造した鍛造品に割れが生じたか否かを確認している。
図9に示すとおり、割れ予測値の累積値Dは、素材200の絞り率が大きいほど増大する。そして、鍛造品を実際に製造した結果から、割れ予測値の累積値Dが0.4である鍛造品については割れが発生せず、割れ予測値の累積値Dが0.4を超える鍛造品については割れが発生することが分かる。したがって、閾値を0.4に設定すれば、割れの有無を正しく判断することができる。
そして、本実施形態では、素材の種類と素材に施す前処理の内容とを変更して、上記の閾値決定手順を繰り返すことにより、素材の種類および前処理の内容に応じて異なる複数の閾値を決定する。複数の閾値は、素材の種類および前処理の内容と対応付けてデータベース121に格納される。
このような構成によれば、すべての鍛造品に共通の閾値を決定することができる。したがって、鍛造品毎に解析結果と試作結果とを対比して、閾値を決定するコリレーション作業を省略することができる。
以上のとおり、上述した実施形態では、円筒状の素材を金型に押し込んで素材の径を縮小する前方押出し成形について、鍛造品の割れを予測する場合を説明した。しかしながら、本発明は、円筒状の素材の径を拡大する前方押出し成形にも適用され得る。あるいは、本発明は、側方押出し成形にも適用され得る。
図10は、自動車のトリポード型等速ジョイント400の一例を示す図である。図10に示すとおり、等速ジョイント400は、太鼓状の本体部410と、本体部410から側方に突出する3つの突出部420を有する。
図11は、トリポード型等速ジョイント400の鍛造成形に用いられる金型500の一例を示す図である。等速ジョイント400は、ダイス510内に配置された素材をパンチ520により上下から押圧して、素材の一部を側方に突出させることにより製造される。このような側方押出し成形では、鍛造品の形状によっては、素材の変形量が大きくなり、鍛造品の内部に割れが発生するおそれがある。
本実施形態の鍛造割れ予測処理によれば、トリポード型等速ジョイントのような側方押出し成形により製造される鍛造品についても、割れを正確に予測することができる。
以上のとおり、説明した本実施形態は、以下の効果を奏する。
(a)同一方向の応力成分とひずみ増分成分とを乗算して得られる予測値を利用して、鍛造品の割れが評価されるため、応力方向とひずみ方向とが異なる塑性変形であっても、鍛造品の割れを正確に予測することができる。具体的には、割れの発生の有無、割れの発生位置、および割れの方向を正確に予測することができる。その結果、金型の設計変更等の対策を行い易くなる。
(b)閾値が、素材の種類および素材に施される前処理の内容に対応付けられており、素材の種類および前処理の内容に応じて異なる閾値が用いられるため、鍛造品の割れをより正確に判断することができる。
(c)閾値が、絞り率が異なる複数の鍛造品を実際に製造して得られた結果と、複数の鍛造品について算出された割れ予測値の累積値とに基づいて決定されるため、鍛造品毎に解析結果と試作結果とを対比して、閾値を決定するコリレーション作業を省略できる。
(d)鍛造品の割れが発生すると予測された場合、金型の仕様を変更して解析が繰り返されるため、試行錯誤的な金型試作を省略することができる。
(e)前方押出し成形により製造される鍛造品の割れを正確に予測することができるため、前方押出し成形により製造される鍛造品の開発にかかる時間およびコストを削減することができる。
(f)側方押出し成形により製造される鍛造品の割れを正確に予測することができるため、側方押出し成形により製造される鍛造品の開発にかかる時間およびコストを削減することができる。
以上のとおり、説明した実施形態において、本発明の鍛造割れ予測方法および鍛造割れ予測プログラムを説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施形態では、割れ予測値の累積値が算出され、割れ予測値の累積値から、割れが発生するか否かが判断された。しかしながら、割れ予測値の累積値は必ずしも算出される必要はなく、たとえば、割れ予測値から、割れが発生するか否かが直接的に判断されてもよい。
また、上述した実施形態では、閾値は、素材の種類と素材に施される前処理の内容とに対応付けられ、素材の種類および前処理の内容に応じて異なる閾値が用いられた。しかしながら、閾値が対応付けられる鍛造条件は、素材の種類および前処理の内容に限定されるものではなく、閾値は、素材の鍛造成形時の温度と対応付けられてもよい。
また、上述した実施形態では、閾値を決定する際、円筒状の素材の絞り率を3段階に変更して、解析結果と試作結果とを対比した。しかしながら、円筒状の素材の肉厚を複数段階に変更して、解析結果と試作結果とを対比してもよい。
また、上述した実施形態では、割れ予測値の算出時、同一方向の応力成分とひずみ増分成分との積が相当応力で除され、応力成分が無次元化された。しかしながら、応力成分は、無次元化されなくてもよい。
また、上述した実施形態では、極座標系を用いて塑性変形解析を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、塑性変形解析に用いられる座標系は、極座標系に限定されるものではなく、XYZ直交座標系であってもよい。この場合、X方向、Y方向、およびZ方向のそれぞれについて、各要素の応力成分およびひずみ増分成分が計算される。
上述した実施形態に係る解析装置における各種処理を行う手段は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。
1 解析装置、
10 本体部、
11 演算処理部、
12 記憶部、
20 表示部、
30 入力部、
111 モデル生成部、
112 解析部、
113 表示情報演算部、
121 データベース、
200 素材、
300,500 金型、
400 トリポード型等速ジョイント。

Claims (13)

  1. 金型により素材を鍛造成形して鍛造品を製造する際の前記鍛造品の割れを変形解析により予測する鍛造割れ予測方法であって、
    前記素材の有限要素モデルの各要素について、前記モデルの座標系における各方向の応力成分とひずみ増分成分とを計算するステップ(a)と、
    同一方向の前記応力成分と前記ひずみ増分成分とを乗算して、前記鍛造品の割れを予測するための予測値を前記方向毎に算出するステップ(b)と、
    前記方向毎に算出された前記予測値を利用して、前記鍛造品の割れを予測するステップ(c)と、
    を有する鍛造割れ予測方法。
  2. 前記予測値の累積値が所定の閾値を超える場合、前記ステップ(c)において前記鍛造品に割れが発生すると判断され、
    前記閾値は、前記素材の種類、前記素材に施される前処理の内容、および前記素材の鍛造成形時の温度のうち少なくとも1つの鍛造条件と対応付けられており、前記鍛造条件に応じて異なる前記閾値が用いられる請求項1に記載の鍛造割れ予測方法。
  3. 前記閾値は、特定部分の寸法が互いに異なる複数の鍛造品を実際に製造して得られた結果と、前記複数の鍛造品についてそれぞれ算出された複数の前記予測値の各累積値とに基づいて決定される請求項2に記載の鍛造割れ予測方法。
  4. 前記ステップ(c)において前記鍛造品に割れが発生すると判断された場合、前記金型の仕様を変更するステップ(d)と、
    変更された前記金型の仕様を適用して、前記ステップ(a)〜前記ステップ(c)を繰り返すステップ(e)と、をさらに有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測方法。
  5. 前記鍛造品は、円筒状の素材を金型に押し込んで前記素材の径を変化させる前方押出し成形により製造される請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測方法。
  6. 前記鍛造品は、金型内の素材を第1方向に押圧して、前記第1方向とは異なる第2方向に前記素材の一部を突出させる側方押出し成形により製造される請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測方法。
  7. 金型により素材を鍛造成形して鍛造品を製造する際の前記鍛造品の割れを変形解析により予測するための鍛造割れ予測プログラムであって、
    前記素材の有限要素モデルの各要素について、前記モデルの座標系における各方向の応力成分とひずみ増分成分とを計算する手順(a)と、
    同一方向の前記応力成分と前記ひずみ増分成分とを乗算して、前記鍛造品の割れを予測するための予測値を前記方向毎に算出する手順(b)と、
    前記方向毎に算出された前記予測値を利用して、前記鍛造品の割れを予測する手順(c)と、
    をコンピュータに実行させる鍛造割れ予測プログラム。
  8. 前記予測値の累積値が所定の閾値を超える場合、前記手順(c)において前記鍛造品に割れが発生すると判断され、
    前記閾値は、前記素材の種類、前記素材に施される前処理の内容、および前記素材の鍛造成形時の温度のうち少なくとも1つの鍛造条件と対応付けられており、前記鍛造条件に応じて異なる前記閾値が用いられる請求項7に記載の鍛造割れ予測プログラム。
  9. 前記閾値は、特定部分の寸法が互いに異なる複数の鍛造品を実際に製造して得られた結果と、前記複数の鍛造品についてそれぞれ算出された複数の前記予測値の各累積値とに基づいて決定される請求項8に記載の鍛造割れ予測プログラム。
  10. 前記手順(c)において前記鍛造品に割れが発生すると判断された場合、前記金型の仕様を変更する手順(d)と、
    変更された前記金型の仕様を適用して、前記手順(a)〜前記手順(c)を繰り返す手順(e)と、をさらに前記コンピュータに実行させる請求項7〜9のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測プログラム。
  11. 前記鍛造品は、円筒状の素材を金型に押し込んで前記素材の径を変化させる前方押出し成形により製造される請求項7〜10のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測プログラム。
  12. 前記鍛造品は、金型内の素材を第1方向に押圧して、前記第1方向とは異なる第2方向に前記素材の一部を突出させる側方押出し成形により製造される請求項7〜10のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測プログラム。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の鍛造割れ予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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