JP2010060340A - 磁気センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検出体に複数の帯磁部が配列して備えられても、それぞれの帯磁部に応じて単純な波形が出力されるようにし、各帯磁部を正確に検出できる磁気センサ装置を実現する。
【解決手段】磁気センサ装置1は、磁気検出部10と差動増幅回路100とを備える。磁気検出部10は、磁気抵抗素子MR1,R1の直列回路と磁気抵抗素子R2,MR2の直列回路とが、並列接続されてなり、磁気抵抗素子MR1,R1によって出力電圧信号Vout−Aを生成し、磁気抵抗素子R2,MR2によって出力電圧信号Vout−Bを生成する。出力電圧信号Vout−Aと出力電圧信号Vout−Bとが差動増幅回路100により差動増幅されることで、帯磁部の検出信号である出力電圧信号Vout−Cが得られる。ここで、磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2を構成する複数の感磁部は、帯磁部を備える被検出体の搬送方向に垂直な方向へ配列して設置される。
【選択図】図1

Description

この発明は、被検出体に備えられた磁気部等の磁気情報を検出する磁気センサ装置に関するものである。
従来、紙幣等の被検出体に組み込まれた磁気部や磁気情報を検出する磁気センサ装置が各種考案されている。
例えば、特許文献1には、基板上にミアンダ形状の磁気抵抗効果膜が形成されてなる一般的な差動型の磁気センサが示されている。また、特許文献2にも、磁気抵抗素子を複数備えた差動型の磁気センサが示されている。ここで、より具体的に特許文献2の図24に示すように、各磁気抵抗素子は、長尺状からなる複数の感磁部を有し、該複数の感磁部は長尺方向が平行になるように配置されるとともに直列接続されている。
そして、このように磁気抵抗素子を直列接続して分圧した電圧を出力すること、すなわち差動出力することで、磁気抵抗素子の有する温度により抵抗値が変化する抵抗温度特性の影響を抑制している。
特開2002−84015号公報 特開2005−37337号公報
上述のような差動型の磁気センサに対して、磁気部である帯磁部Mが形成された被検出体を近接して通過させると、図6(C)に示すような出力信号が得られる。
図6(A)は上述の特許文献2に示した磁気センサと同じ従来の磁気センサ装置の磁気検出部の概略構成を示す図であり、図6(B)は図6(A)に示す磁気センサ装置の磁気検出部90の等価回路図であり、図6(C)は被検出体の帯磁部Mの検出状態を示す概念図である。
図6(A)、(B)に示すように、従来の磁気センサ装置の磁気検出部90は、電圧入力端子Vinとグランド端子GNDとの間に磁気抵抗素子MR1,MR2が直列接続されており、この接続点に電圧出力端子Voutが接続された構成からなる。磁気抵抗素子MR1,MR2は、磁気パターンMの通過により磁束密度が変化すると、磁束密度の大きさに応じて抵抗値が変化する長尺状の複数の感磁部をそれぞれに備える。そして、これら磁気抵抗素子MR1、MR2は、被検出体の搬送方向における離間する位置に配置されている。
このような構成において、磁気検出部90の表面上を被検出体が搬送されると、まず、帯磁部Mは磁気抵抗素子MR1上を通過し、その後、帯磁部Mは磁気抵抗素子MR2上を通過する。このため、従来の磁気検出部90を用いた場合、図6(C)に示すように、磁気抵抗素子MR1,MR2の双方が帯磁部Mの磁束密度を検出していない定常電圧値Vsに対して、帯磁部Mによる電圧変動で生じるHighピークP11とLowピークP12が検出される。
しかしながら、このような帯磁部Mが搬送方向に沿って連続する場合には、以下に示す問題が生じる。
図7は、搬送方向に対して複数の帯磁部が形成されている被検出体の帯磁部群を検出した場合の出力信号レベルを示した波形図である。
複数の帯磁部が間隔を空けて配置されている被検出体を移動させながら、複数の帯磁部を検出する場合、図7に示すように、個々の帯磁部に応じてそれぞれレベルや幅が決まるHighピーク(P11やP21)とLowピーク(P12やP22)とが現れる場合もあるが、図中のUkPの領域のように明確なピークがあるとは言い切れないような電圧変動を有する場合もある。これは、例えば、一つの帯磁部が磁気抵抗素子MR1上を通過するタイミングと略同じタイミングで、他の帯磁部が磁気抵抗素子MR2上を通過する場合や、一つの帯磁部による磁束密度を磁気抵抗素子MR1が感磁している時間中に、他の帯磁部による磁束密度を磁気抵抗素子MR2が感磁してしまう場合等に生じる。
そして、このような明確ではないピークが存在することで、被検出体に備えられた複数の帯磁部からなる磁気配列パターンを正確に検出することができない。
したがって、本発明の目的は、被検出体に複数の帯磁部が配列して備えられても、それぞれの帯磁部に応じて単純な波形が出力されるようにし、各帯磁部を正確に検出できる磁気センサを実現することにある。
この発明は、通過磁束により抵抗値の変化する感磁部を基板表面に形成してなる複数の磁気抵抗素子を、電圧入力端子とグランド端子との間に直列接続し、該直列接続された複数の磁気抵抗素子の接続部に接続された電圧出力端子から、前記複数の磁気抵抗素子によって分圧される電圧を出力信号とする磁気検出部を備えた磁気センサ装置に関するものである。この磁気センサ装置における磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子は、通過磁束による抵抗値変化の特性が異なるものが利用される。さらに、各磁気抵抗素子は、それぞれが長尺状に形成された複数の感磁部を有する。また、複数の磁気抵抗素子における複数の感磁部は、一方向に並んで配列されるとともに、一つの磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての磁気抵抗素子の感磁部が配置されている。さらに、磁気センサ装置は、このような構成の磁気検出部は複数備えており、これらが電圧入力端子とグランド端子との間に並列接続された構成を備える。また、磁気センサ装置は、複数の磁気検出部の出力信号を入力して差動増幅処理を行う差動増幅回路を備えている。
この構成では、各磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子は感度が異なるので、一方が他方よりも高感度の感磁部で形成されている。このため、被検出体の帯磁部に対して磁気検出部毎に現れる出力電圧の波形は、低感度の感磁部の影響が打ち消されたピークが一つのものとなる。
ここで、各磁気抵抗素子の感磁部が長尺状からなり、各磁気抵抗素子を構成する複数の感磁部は、磁気抵抗素子毎に固まらず、それぞれが長尺方向に垂直な方向に沿って磁気抵抗素子が切り替わりながら順に交代するように配置されているので、一つの帯磁部に対する複数の磁気検出部の出力電圧信号のタイミングが略一致する。
これらのタイミングが略一致する磁気検出部毎の出力電圧信号を差動増幅することで、ピーク数およびピークの出現タイミングが変化することなく、より明確なピークが帯磁部毎に現れる。
また、この発明の磁気センサ装置は、各感磁部の長尺方向が被検出体に形成された帯磁部の配列方向に垂直である。
この構成では、各帯磁部による通過磁束の変化を、各磁気検出部を構成するそれぞれの磁気抵抗素子が同時に検出するので、各磁気検出部の出力電圧信号のタイミングがさらに正確に一致する。これにより、高精度に帯磁部を検出することができる。
また、この発明の磁気センサ装置では、複数の磁気抵抗素子における通過磁束による抵抗値の変化が大きい高感度な磁気抵抗素子をそれぞれ構成する複数の感磁部は、長尺方向に垂直な方向に沿って長尺方向が平行になるように配置されるとともに、一つの高感度な磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての高感度な磁気抵抗素子の感磁部が配置される。そして、この磁気センサ装置では、複数の磁気検出部を構成する第1の磁気検出部は電圧出力端子とグランド端子との間に当該第1の磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子のうち高感度な磁気抵抗素子が接続され、第2の磁気検出部は電圧入力端子と電圧出力端子との間に当該第2の磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子のうち高感度な磁気抵抗素子が接続される。
この構成では、第1の磁気検出部の出力電圧信号と、第2の磁気検出部の出力電圧信号は、各磁気検出部が感磁していないタイミングでの一定電圧からなる基準レベルに対して、ピークの出現タイミングがほぼ同じで、極性が反転した出力電圧信号が得られる。そして、この二つの出力電圧信号をそのまま差動増幅することで、一つの帯磁部に対して、より高いレベルからなる一つのピークを有する電圧信号を得られる。これにより、より高精度に帯磁部を検出することができる。
また、この発明の磁気センサは、一つの磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子のうち低感度な磁気抵抗素子を構成する複数の感磁部も、一つの低感度な磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの低感度な磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、一つの磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子のうち高感度な磁気抵抗素子の感磁部とともに配列されている。
この構成では、一つの磁気検出部における複数の磁気抵抗素子のうち高感度な磁気抵抗素子の感磁部のみでなく、低感度な磁気抵抗素子の感磁部も含んで、全ての感磁部が、磁気抵抗素子毎に固まらず、それぞれが長尺方向に垂直な方向に沿って磁気抵抗素子が切り替わりながら順に交代するように配置される。これにより、一つ一つの磁気検出部において、高感度の感磁部からなる磁気抵抗素子と低感度の感磁部からなる磁気抵抗素子とで、出力電圧信号のタイミングが一致し、低感度の感磁部による影響が高感度の感磁部による出力電圧信号により、正確に打ち消される。そして、このように低感度の感磁部による影響が打ち消された出力電圧信号を用いることで、一つの帯磁部に対する複数の磁気検出部の出力電圧信号のタイミングがより正確に一致する。これにより、さらに正確に帯磁部を検出することができる。
この発明によれば、被検出体の帯磁部のそれぞれに対して、ピークが一つのみとなる出力電圧波形が得られる。これにより、被検出体に帯磁部が複数配列形成され、被検出体の搬送により、各帯磁部が順に磁気センサ装置の検知領域を通過しても、それぞれの帯磁部を個別に、且つその幅や磁気を正確に検出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る磁気センサ装置について図を参照して説明する。
図1(A)は本実施形態の磁気センサ装置1の構成を示す等価回路図であり、図1(B)は図1(A)に示す磁気センサ装置1の磁気検出回路10の構成を示す平面図である。
磁気センサ装置1は、磁気検出回路10と、差動増幅部100とを備える。
磁気検出回路10は、電圧入力端子Vinとグランド端子GNDと二つの電圧出力端子Vout−A,Vout−Bを備える。電圧入力端子Vinとグランド端子GNDとの間には、磁気抵抗素子R1,MR1の直列回路と、磁気抵抗素子MR2,R2の直列回路が並列接続されている。磁気抵抗素子R1,MR1の直列回路は、電圧入力端子Vin側が磁気抵抗素子R1でグランド端子GND側が磁気抵抗素子MR1である。磁気抵抗素子MR2,R2の直列回路は、電圧入力端子Vin側が磁気抵抗素子MR2でグランド接続端子GND側が磁気抵抗素子R2である。電圧出力端子Vout−Aは、磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子MR1との接続点に接続し、電圧出力端子Vout−Bは、磁気抵抗素子MR2と磁気抵抗素子R2との接続点に接続している。
例えばSi基板等からなる基板11における磁気検出回路10の形成領域の第二方向(被検出体搬送方向)に沿った一方端には、電圧入力端子Vinに対応する二つの電圧入力用電極1911,1912と、電圧出力端子Vout−Aに対応する一つ電圧出力用電極1931が形成されており、他方端には、グランド端子GNDに対応する二つのグランド接続用電極1921,1922と、電圧出力端子Vout−Bに対応する一つ電圧出力用電極1932が形成されている。これら電圧入力用電極1911,1912、グランド接続用電極1921,1922、および電圧出力用電極1931,1932は導電性材料からなる。
また、基板11には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部1211,1221,1231および接続ライン電極1411,1421,1431,1441と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部1312,1322,1332および接続ライン電極1512,1522,1532,1542と、磁気抵抗素子R1を構成する感磁部1311,1321および接続ライン電極1511,1521,1441と、磁気抵抗素子R2を構成する感磁部1212,1222および接続ライン電極1412,1422,1542とが形成されている。ここで、電圧出力用電極1931に接続する接続ライン電極1441は磁気抵抗素子MR1,R1で共通であり、電圧出力用電極1932に接続する接続ライン電極1542は磁気抵抗素子MR2,R2で共通である。
磁気抵抗素子MR1,MR2を構成する感磁部1211,1221,1231,1312,1322,1332は、例えばInSb等の通過磁束に応じて抵抗値が変化する半導体を材料とする半導体膜からなり、長さが幅よりも大きい(38−6032の修正指示に準じました。)長尺状のパターンからなる。さらに、これらの感磁部1211,1221,1231,1312,1322,1332は、InSb等の半導体膜上に、長尺方向に沿って所定間隔で導電性材料からなる短絡電極が複数形成されている。この短絡電極の形成パターンにより、磁束密度に対する感度、すなわち、磁束の変化により抵抗値が変化する割合を設定している。感磁部1211,1221,1231,1312,1322,1332は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部1211と、グランド接続用電極1921は接続ライン電極1411により電気的に接続され、感磁部1211,1221は接続ライン電極1421により電気的に接続され、感磁部1221,1231は接続ライン電極1431により電気的に接続され、感磁部1231と電圧出力用電極1931は接続ライン電極1441により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部1312と電圧入力用電極1912は接続ライン電極1512により電気的に接続され、感磁部1312,1322は接続ライン電極1522により電気的に接続され、感磁部1322,1332は接続ライン電極1532により電気的に接続され、感磁部1332と電圧出力用電極1932は、接続ライン電極1542により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子R1,R2を構成する感磁部1311,1321,1212,1222は、InSb等の通過磁束密度に応じて抵抗値が変化する半導体を材料とする半導体膜からなり、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンからなる。これらの磁気抵抗素子R1,R2の感磁部1311,1321,1212,1222を構成する半導体膜上には磁気抵抗素子MR1,MR2のような短絡電極が形成されておらず、磁束密度による抵抗値変化が殆ど生じないように設定されている。感磁部1311,1321,1212,1222も、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
磁気抵抗素子R1を構成する感磁部1311と電圧入力用電極1911は接続ライン電極1511により電気的に接続され、感磁部1311,1321は接続ライン電極1521により電気的に接続され、感磁部1321と電圧出力用電極1931は、接続ライン電極1441により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子R2を構成する感磁部1212とグランド接続用電極1922は接続ライン電極1412により電気的に接続され、感磁部1212,1222は接続ライン電極1422により電気的に接続され、感磁部1222と電圧出力用電極1932は、接続ライン電極1542により電気的に接続されている。
なお、各磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2を構成する感磁部は、磁気検出回路10の形成領域における第一方向に沿って以下の順に隣り合う感磁部同士が近接するように配列設置されている。すなわち、第一方向の一方端(図1(B)の上端)から順に、磁気抵抗素子MR1の感磁部1211、磁気抵抗素子MR2の感磁部1332、磁気抵抗素子R2の感磁部1222,1212、磁気抵抗素子MR2の感磁部1322、磁気抵抗素子MR1の感磁部1221、磁気抵抗素子R1の感磁部1311,1321、磁気抵抗素子MR1の感磁部1231、磁気抵抗素子MR2の感磁部1312が配置される。
これにより、磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2の感磁部は、磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2毎に集中せず、入り組んだ構成となる。そして、磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2の感磁部が、被検出体搬送方向に垂直な第一方向に沿って配列されているので、被検出体に設けられた帯磁部の通過に応じた磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2の反応が時間軸上で同じになる。
図2(A)は、本実施形態の構成からなる磁気検出回路10の出力電圧信号の波形および動作を説明する図であり、図2(B)は、磁気センサ装置1の出力電圧信号の波形を示す図である。なお、図2におけるMは被検出体の帯磁部を示す
上述の感磁部の材料および構成とすることで、磁気抵抗素子MR1の方が磁気抵抗素子R1よりも磁束密度が高くなるほど大きく抵抗値が高くなる特性を有する。そして、グランド端子GND側に磁気抵抗素子MR1が接続されているので、出力電圧信号Vout−Aは、磁気抵抗素子MR1,R1の分圧比に基づいて、被検出体の帯磁部Mの通過に応じて徐々に電圧レベルが上がり、所定の第1ピーク値Pa1に達した後、徐々に電圧レベルが下がる波形となる。この際、磁気抵抗素子MR1,R1の磁束密度の変化に対する反応が時間軸上で同じになり、磁気抵抗素子R1による電圧レベルの変化が磁気抵抗素子MR1による電圧レベルの変化よりも大幅に小さいので、磁気抵抗素子R1による電圧レベルの変化は磁気抵抗素子MR1による電圧レベルの変化により誤差範囲程度のものとして打ち消される。
一方、磁気抵抗素子MR2の方が磁気抵抗素子R2よりも磁束密度が高くなるほど大きく抵抗値が高くなる特性を有する。そして、電圧入力端子Vin側に磁気抵抗素子MR2が接続されているので、出力電圧信号Vout−Bは、磁気抵抗素子MR2,R2の分圧比に基づいて、被検出体の帯磁部Mの通過に応じて徐々に電圧レベルが下がり、所定の第2ピーク値Pb1に達した後、徐々に電圧レベルが上がる波形となる。この際、磁気抵抗素子MR2,R2の磁束密度の変化に対する反応が時間軸上で同じになり、磁気抵抗素子R2による電圧レベルの変化が磁気抵抗素子MR2による電圧レベルの変化よりも大幅に小さいので、磁気抵抗素子R2による電圧レベルの変化は磁気抵抗素子MR2による電圧レベルの変化により誤差範囲程度のものとして打ち消される。
また、この際、磁気抵抗素子MR1,R1およびMR2,R2の感磁部は、磁気検出回路10の形成領域における略同じ領域に形成されている。
これにより、これら磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2の磁束密度による反応が時間軸上で同じになるので、出力電圧信号Vout−Aと出力電圧信号Vout−Bの磁束密度の変化による反応も時間軸上で同じになる。すなわち、出力電圧信号Vout−Aと出力電圧信号Vout−Bとで、磁束密度の変化による電圧レベルの変化開始タイミング、ピーク値となるタイミング、変化終了タイミング等が、時間軸上で一致する。
このように生成された出力電圧信号Vout−A,Vout−Bは、差動増幅回路100へ入力される。
差動増幅回路100は、オペアンプOPを備え、当該オペアンプOPの反転入力端子には抵抗Raを介して上記電圧出力端子Vout−Bが接続されており、非反転入力端子は抵抗Rbを介して上記電圧出力端子Vout−Aが接続されている。また、オペアンプOPの非反転入力端子は抵抗Rcを介してグランドに接続されており、オペアンプOPの出力端子Vout−Cは抵抗Rdを介して反転入力端子に接続されている。ここで、抵抗Ra,Rbの抵抗値は同じであり、抵抗Rc,Rdの抵抗値は同じである。そして、抵抗Rc,Rdの抵抗値は、抵抗Ra,Rbの抵抗値の所定倍(例えば10倍程度)に設定されている。
差動増幅回路100は、磁気検出回路10から入力された出力電圧信号Vout−A,Vout−Bを差動増幅して、出力電圧信号Vout−Cを生成する。ここで、上述の構成により差動増幅回路100の入力信号である出力電圧信号Vout−A,Vout−Bとは、同期されているとともに、出力電圧信号Vout−Aと出力電圧信号Vout−Bとは、感磁していない状態での電圧レベルを基準にて、逆の電圧特性を有する。
このため、出力電圧信号Vout−Cは、出力電圧信号Vout−A,Vout−Bと比較して、磁束密度の変化に応じた電圧レベルの変化量がより大きく、無感磁期間での電圧レベル(オフセット電圧レベル)よりも高いレベルのみからなる信号となる。これにより、被検出体の帯磁部を確実且つ高精度に検出することができる。この際、帯磁部毎に一つのピークからなる波形が得られるので、複数の帯磁部が配列設置されていても、各帯磁部を正確に検出することができる。
次に、第2の実施形態に係る磁気センサ装置について図を参照して説明する。
図3(A)は本実施形態の磁気センサ装置の磁気検出回路20の構成を示す平面図であり、図3(B)は図3(A)に示す磁気検出回路20を示す等価回路図である。
本実施形態の磁気センサ装置は、磁気検出回路20の構成が第1の実施形態と異なるのみであるので、磁気検出回路20の構成のみを説明する。
本実施形態に示す磁気検出回路20も、第1の実施形態に示した磁気検出回路10と同様に基板21上に感磁部や導電性の電極を形成することで、図3(B)に示した回路を構成する。そして、基板21、感磁部、導電性の電極の材質も第1の実施形態と同じである。
基板21における磁気検出回路20の形成領域の第二方向(被検出体搬送方向)に沿った一方端には、電圧入力端子Vinに対応する二つの電圧入力用電極2911,2912と、電圧出力端子Vout−Aに対応する一つ電圧出力用電極2931が形成されており、他方端には、グランド端子GNDに対応する二つのグランド接続用電極2921,2922と、電圧出力端子Vout−Bに対応する一つ電圧出力用電極2932が形成されている。
また、基板21には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部2211,2221,2231,2241,2251および接続ライン電極2411,2421,2431,2441,2451,2461と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部2312,2322,2332,2342,2352および接続ライン電極2512,2522,2532,2542,2552,2562と、磁気抵抗素子R1を構成する感磁部2311と、磁気抵抗素子R2を構成する感磁部2212とが形成されている。
磁気抵抗素子MR1,MR2を構成する感磁部2211,2221,2231,2241,2251,2312,2322,2332,2342,2352は、InSb等の半導体膜からなり、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンからなり、長尺方向に沿って所定間隔で導電性材料からなる短絡電極が複数形成されている。これら感磁部2211,2221,2231,2241,2251,2312,2322,2332,2342,2352は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部2211と、グランド接続用電極2921は接続ライン電極2411により電気的に接続され、感磁部2211,2221は接続ライン電極2421により電気的に接続され、感磁部2221,2231は接続ライン電極2431により電気的に接続され、感磁部2231,2241は接続ライン電極2441により電気的に接続され、感磁部2241,2251は接続ライン電極2451により電気的に接続され、感磁部2251と電圧出力用電極2931は接続ライン電極2461により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部2312と電圧入力用電極2912は接続ライン電極2512により電気的に接続され、感磁部2312,2322は接続ライン電極2522により電気的に接続され、感磁部2322,2332は接続ライン電極2532により電気的に接続され、感磁部2332,2342は接続ライン電極2542により電気的に接続され、感磁部2342,2352は接続ライン電極2552により電気的に接続され、感磁部2352と電圧出力用電極2932は、接続ライン電極2562により電気的に接続されている。
各磁気抵抗素子MR1,MR2を構成する感磁部は、磁気検出回路20の形成領域における第一方向に沿って以下の順に隣り合う感磁部同士が近接するように配列設置されている。すなわち、第一方向の一方端(図3(A)の上端)から順に、磁気抵抗素子MR1の感磁部2211、磁気抵抗素子MR2の感磁部2352,2342、磁気抵抗素子MR1の感磁部2221,2231、磁気抵抗素子MR2の感磁部2332,2322、磁気抵抗素子MR1の感磁部2241,2251、磁気抵抗素子MR2の感磁部2312が配置される。
これにより、磁気抵抗素子MR1,MR2の感磁部は、磁気抵抗素子MR1,MR2毎に集中せず、入り組んだ構成となる。そして、磁気抵抗素子MR1,MR2の感磁部が、被検出体搬送方向に垂直な第一方向に沿って配列されているので、被検出体に設けられた帯磁部の通過に応じた磁気抵抗素子MR1,MR2の反応が時間軸上で同じになる。
磁気抵抗素子R1,R2を構成する感磁部2311,2212は、InSb等の半導体膜からなり、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンからなる。これらの磁気抵抗素子R1,R2の感磁部2311,2212を構成する半導体膜上には磁気抵抗素子MR1,MR2のような短絡電極が形成されておらず、磁束密度による抵抗値変化が殆ど生じない。磁気抵抗素子R1を構成する感磁部2311は、電圧入力用電極2911と電圧出力用電極2931を直接接続するように、磁気抵抗素子MR1,MR2の形成領域よりも外方で、且つ長尺方向が第一方向に平行になるように形成されている。磁気抵抗素子R2を構成する感磁部2212は、グランド接続用電極2922と電圧出力端子Vout−Bを直接接続するように、磁気抵抗素子MR1,MR2の形成領域よりも外方で、且つ長尺方向が第一方向に平行になるように形成されている。
図4(A)は、本実施形態の構成からなる磁気検出回路20の出力電圧信号の波形および動作を説明する図であり、図4(B)は、磁気検出回路20を備える磁気センサの出力電圧信号の波形を示す図である。なお、図4におけるMは被検出体の帯磁部を示す
上述の感磁部の材料および構成とすることで、磁気抵抗素子MR1の方が磁気抵抗素子R1よりも磁束密度が高くなるほど大きく抵抗値が高くなる特性を有する。そして、グランド端子GND側に磁気抵抗素子MR1が接続されているので、出力電圧信号Vout−Aは、磁気抵抗素子MR1,R1の分圧比に基づいて、被検出体の帯磁部Mが磁気抵抗素子MR1の形成領域を通過する際には、徐々に電圧レベルが上がり、所定のピーク値に達した後、徐々に電圧レベルが下がる波形となる。一方、磁気抵抗素子R1の形成領域を通過する際には、僅かながら電圧レベルが低下する。
一方、磁気抵抗素子MR2の方が磁気抵抗素子R2よりも磁束密度が高くなるほど大きく抵抗値が高くなる特性を有する。そして、電圧入力端子Vin側に磁気抵抗素子MR2が接続されているので、出力電圧信号Vout−Bは、磁気抵抗素子MR2,R2の分圧比に基づいて、被検出体の帯磁部Mが磁気抵抗素子MR2の形成領域を通過する際には、徐々に電圧レベルが下がり、所定のピーク値に達した後、徐々に電圧レベルが上がる波形となる。一方、磁気抵抗素子MR2の形成領域よりも搬送方向において前方に配置された磁気抵抗素子R2の形成領域を通過する際には、僅かながら電圧レベルが低下する。
ここで、磁気抵抗素子MR1,MR2の磁束密度による反応が時間軸上で同じになるので、出力電圧信号Vout−Aと出力電圧信号Vout−Bの磁束密度の変化による主たる反応も時間軸上で同じになる。
この磁気検出回路20から出力される二つの出力電圧信号Vout−A,Vout−Bを、磁気検出回路20の後段に接続した差動増幅回路で増幅すると、図4(B)に示すような、磁気抵抗素子MR1,MR2による主たる反応部で電圧レベルが大幅に変化した一つのピークを有する波形が得られる。なお、この主たる反応部でのピークの前後には、磁気抵抗素子R1,R2による極低い電圧レベル変動が生じるが、磁気抵抗素子MR1,MR2による主たる反応で得られる電圧レベルに対して、極低いレベルでしかない。したがって、帯磁部検出の閾値を或程度高く設定する等すれば、当該低いレベルの反応を検知することなく、主たる反応のみで、正確に帯磁部を検出することができる。
なお、本実施形態では、磁気抵抗素子R1,R2の感磁部を、第二方向に沿った磁気抵抗素子MR1,MR2の感磁部の形成領域よりも外方の双方に一つずつ形成する例を示したが、一方に磁気抵抗素子R1,R2の感磁部の両方を設けても良い。
次に、第3の実施形態に係る磁気センサ装置について図を参照して説明する。
図5(A)は本実施形態の磁気センサ装置の磁気検出回路30の構成を示す平面図であり、図5(B)は磁気検出回路30の等価回路図である。
上述の各実施形態の磁気検出回路では接続ライン電極の全てを基板の表面に直接形成した例を示したが、本実施形態の磁気検出回路30は、接続ライン電極の一部が感磁部等の上面に形成された保護膜32の表面に形成されているものである。
具体的には、磁気検出回路30は以下の構成からなる。
基板31における磁気検出回路30の形成領域の第二方向(図5(A)における横方向)に沿った一方端には、電圧入力用電極3911,3912、グランド接続用電極3921,3922が形成されており、他方端には、電圧出力用電極3931,3932が形成されている。
また、基板31には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部3211,3221,3231と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部3312,3322,3332と、磁気抵抗素子R1を構成する感磁部3311,3321,3331と、磁気抵抗素子R2を構成する感磁部3212,3222,3232とが形成されている。
磁気抵抗素子MR1,MR2の感磁部3211,3221,3231、3312,3322,3332は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、長尺方向に沿って半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されており、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
磁気抵抗素子R1,R2の感磁部3311,3321,3331,3212,3222,3232は、長さが幅よりも大幅に大きい長尺状のパターンであり、短絡電極が形成されておらず、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
そして、これらの感磁部は、第一方向に沿って、構成する磁気抵抗素子が順に一本ずつ交代するように、近接して配置されている。すなわち、磁気検出回路30の形成領域における第一方向の一方端(図5(A)の上端)から順に、磁気抵抗素子R2の感磁部3232、磁気抵抗素子R1の感磁部3311、磁気抵抗素子MR2の感磁部3332、磁気抵抗素子MR1の感磁部3211、磁気抵抗素子R2の感磁部3222、磁気抵抗素子R1の感磁部3321、磁気抵抗素子MR2の感磁部3322、磁気抵抗素子MR1の感磁部3221、磁気抵抗素子R2の感磁部3212、磁気抵抗素子R1の感磁部3331、磁気抵抗素子MR2の感磁部3312、磁気抵抗素子MR1の感磁部3231が配置されている。
また、基板31上には、磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2と電圧入力用電極、電圧出力用電極、グランド接続用電極とを接続する接続ライン電極3411,3412,3441,3442,3511,3512,3541,3542が形成されている。
接続ライン電極3411は磁気抵抗素子MR1の感磁部3211とグランド接続用電極3921とを接続し、接続ライン電極3412は磁気抵抗素子R2の感磁部3212とグランド接続用電極3922とを接続する。接続ライン電極3441は磁気抵抗素子MR1の感磁部3231と電圧出力用電極3931とを接続し、接続ライン電極3442は磁気抵抗素子R2の感磁部3232と電圧出力用電極3932とを接続する。接続ライン電極3511は磁気抵抗素子R1の感磁部3311と電圧入力用電極3911とを接続し、接続ライン電極3512は磁気抵抗素子MR2の感磁部3312と電圧入力用電極3912とを接続する。接続ライン電極3541は磁気抵抗素子R1の感磁部3331と電圧出力用電極3931とを接続し、接続ライン電極3542は磁気抵抗素子MR2の感磁部3332と電圧出力用電極3932とを接続する。
このような感磁部群と接続ライン電極群との表面には、絶縁性を有する保護膜32が形成されている。保護膜32の表面には、各磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2内における複数の感磁部を接続する接続ライン電極3421,3431,3522,3532,3521,3531,3422,3432が形成されている。
接続ライン電極3421は磁気抵抗素子MR1の感磁部3211,3221を接続し、接続ライン電極3431は磁気抵抗素子MR1の感磁部3221,3231を接続する。接続ライン電極3522は磁気抵抗素子MR2の感磁部3312,3322を接続し、接続ライン電極3532は磁気抵抗素子MR2の感磁部3322,3332を接続する。接続ライン電極3521は磁気抵抗素子R1の感磁部3311,3321を接続し、接続ライン電極3531は磁気抵抗素子R1の感磁部3321,3331を接続する。接続ライン電極3422は磁気抵抗素子R2の感磁部3212,3222を接続し、接続ライン電極3432は磁気抵抗素子R2の感磁部3222,3232を接続する。なお、図示していないが、これらの接続ライン電極は、保護膜32に形成されたビアホールを介して各感磁部へ接続している。
このような構成とすることで、異なる磁気抵抗素子MR1,MR2,R1,R2をそれぞれに構成する複数の感磁部が、一本毎に第一方向に沿って順次交代しながら配置される。これにより、磁気抵抗素子MR1、MR2,R1,R2による被検出体の帯磁部に対する反応を、上述の第1の実施形態と同様に時間軸上で同じにすることができる。
このような構成であっても、上述の第1の実施形態と同様に、被検出体の帯磁部を正確且つ高精度に検出することができる。
なお、上述の説明では、半絶縁性基板としてSi基板を例に示したが他の材質であってもよく、感磁部をInSbで形成する例を示したが、通過磁束に応じて抵抗値が変化する材質であれば、他の材質であってもよい。
また、一つの磁気検出部に対する各磁気抵抗素子として感磁部に短絡電極が形成されたMR1,MR2と、短絡電極が形成されていないR1,R2とを用いた例を示したが、R1,R2の代わりに、短絡電極が形成されておりMR1,MR2よりも感度が低い感磁部を用いても良い。
第1の実施形態の磁気センサ装置1の構成を示す等価回路図、および磁気センサ1の磁気検出回路10の構成を示す平面図である。 第1の実施形態の構成からなる磁気検出回路10の出力電圧信号の波形および動作を説明する図、および、磁気センサ装置1の出力電圧信号の波形を示す図である。 第2の実施形態の磁気センサ装置の磁気検出回路20の構成を示す平面図、および磁気検出回路20を示す等価回路図である。 第2の実施形態の構成からなる磁気検出回路20の出力電圧信号の波形および動作を説明する図、および、磁気検出回路20を備える磁気センサ装置の出力電圧信号の波形を示す図である。 第3の実施形態の磁気検出回路30の構成を示す平面図、および、磁気検出回路30の等価回路図である。 従来の磁気センサの概略構成を示す図、磁気センサ90の等価回路図、および被検出体の帯磁部Mの検出状態を示す概念図である。 搬送方向に対して複数の帯磁部が形成されている被検出体の帯磁部群を検出した場合の出力信号レベルを示した波形図である。
符号の説明
10,20,30−磁気検出回路、11,21,31−基板、32−保護膜、1211,1221,1231,1312,1322,1332,1311,1321,1212,1222−感磁部、1411,1421,1431,1441,1512,1522,1532,1542,1511,1521,1441,1412,1422,1542−接続用ライン電極、1911,1912−電圧入力用電極、1921,1922−グランド接続用電極、1931,1932−電圧出力用電極、MR1,MR2,R1,R2−磁気抵抗素子、M−被検出体

Claims (4)

  1. 通過磁束により抵抗値の変化する感磁部を基板表面に形成してなる複数の磁気抵抗素子を電圧入力端子とグランド端子との間に直列接続し、該直列接続された複数の磁気抵抗素子の接続部に接続された電圧出力端子から、前記複数の磁気抵抗素子によって分圧される電圧を出力信号とする磁気検出部を備えた磁気センサ装置であって、
    前記磁気検出部を構成する複数の磁気抵抗素子は、前記通過磁束による抵抗値変化の特性が異なるとともに、それぞれが長尺状に形成された複数の感磁部を有し、
    前記複数の磁気抵抗素子における複数の感磁部は、一方向に並んで配列されるとともに、一つの磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての磁気抵抗素子の感磁部が配置され、
    前記磁気検出部を複数備えて前記電圧入力端子と前記グランド端子との間に並列接続し、
    前記複数の磁気検出部の出力信号を入力して差動増幅処理を行う差動増幅回路を備えた、磁気センサ装置。
  2. 前記感磁部の長尺方向が被検出体の帯磁部の配列方向に垂直である、請求項1に記載の磁気センサ装置。
  3. 前記複数の磁気抵抗素子における前記通過磁束による抵抗値の変化が大きい高感度な磁気抵抗素子をそれぞれ構成する複数の感磁部は、前記長尺方向に垂直な方向に沿って長尺方向が平行になるように配置されるとともに、一つの高感度な磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての高感度な磁気抵抗素子の感磁部が配置され、
    前記複数の磁気検出部を構成する第1の磁気検出部は前記電圧出力端子と前記グランド端子との間に前記高感度な磁気抵抗素子が接続され、第2の磁気検出部は前記電圧入力端子と前記電圧出力端子との間に前記高感度な磁気抵抗素子が接続されている、請求項1または請求項2に記載の磁気センサ装置。
  4. 前記一つの磁気検出部を構成する前記複数の磁気抵抗素子のうち低感度な磁気抵抗素子を構成する複数の感磁部も、一つの低感度な磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの低感度な磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、前記一つの磁気検出部を構成する前記複数の磁気抵抗素子のうち前記高感度な磁気抵抗素子の感磁部とともに配列されている、請求項3に記載の磁気センサ装置。
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