JP4735686B2 - 磁気センサ - Google Patents

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Description

この発明は、被検出体に備えられた磁気パターン等の磁気情報を検出する磁気センサに関するものである。
従来、紙幣等の被検出体に組み込まれた磁気パターンや磁気情報を検出する磁気センサが各種考案されている。
例えば、特許文献1には、基板上にミアンダ形状の磁気抵抗効果膜が形成されてなる一般的な差動型の磁気センサが示されている。また、特許文献2にも、磁気抵抗素子を複数備えた差動型の磁気センサが示されている。ここで、より具体的に特許文献2の図24に示すように、各磁気抵抗素子は、長尺状からなる複数の感磁部を有し、該複数の感磁部は被検出体の検知範囲において一方向に並んで配置されるとともに直列接続されている。
そして、このように磁気抵抗素子を直列接続して分圧した電圧を出力すること、すなわち差分出力することで、磁気抵抗素子の有する温度により抵抗値が変化する抵抗温度特性の影響を抑制している。
特開2002−84015号公報 特開2005−37337号公報
しかしながら、上述のような従来の磁気センサでは、差分出力に利用する複数の磁気抵抗素子の形成位置が離間している。ここで、磁気センサは、例えば、当該磁気センサが搭載される機器内に設置されており、当該機器内の熱源で発生する熱等が磁気センサ全体に均一に伝達されるとは限らない。このため、各磁気抵抗素子の形成位置で温度が異なってしまい、上述のような抵抗温度特性による影響の抑制効果が得られなくなる。その結果、温度が異なることにより、複数の磁気抵抗素子間で抵抗値の変化が大きくなり、差分出力が変動してしまう。
したがって、本発明の目的は、複数の磁気抵抗素子の温度を均一にできる構造の磁気センサを実現することにある。
通過磁束により抵抗値の変化する感磁部を基板表面に形成してなる複数の磁気抵抗素子を直列接続し、該直列接続された複数の磁気抵抗素子によって分圧される電圧を出力信号とする磁気検出部を備えた磁気センサに関するものである。そして、この磁気センサの磁気抵抗素子のそれぞれは、長尺状に形成された複数の感磁部と、該複数の感磁部を直列接続する接続導体部と、を有する。全ての磁気抵抗素子の感磁部は、長尺方向が一致し且つ長尺方向に直交する方向に配列して形成されている。さらに、複数の磁気抵抗素子は異なる感度を有する。複数の磁気抵抗素子を構成する一つの磁気抵抗素子の一つの感磁部と、一つの磁気抵抗素子と感度の異なる別の磁気抵抗素子の一つの感磁部とが隣り合うように配置された一対の配列が複数形成されるように、一つの磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての磁気抵抗素子の感磁部が配置される。複数の磁気抵抗素子をそれぞれ構成する複数の感磁部は、前記長尺方向に垂直な方向に沿って平行に配置され、且つ、前記被検出体に対する前記複数の磁気抵抗素子は前記被検出体の搬送時に磁束の変化に応じた全ての磁気抵抗素子の抵抗値変化が時間軸上で一致するように前記長尺方向が被検出体の搬送方向に平行になるように配置される。さらに、一つの磁気抵抗素子を構成する配列方向に隣り合い中間に他の磁気抵抗素子の感磁部を挟まない感磁部の間隔よりも、感度の異なる各磁気抵抗素子を構成する配列方向に隣り合う感度の異なる感磁部同士の間隔の方が狭くなっている。
この構成では、全ての磁気抵抗素子に対して、単体の磁気抵抗素子を構成する全ての感磁部が一箇所に集合して形成されない。例えば、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子とからなる二つの磁気抵抗素子がそれぞれ第1感磁部、第2感磁部の二つを有する場合、第1磁気抵抗素子の第1感磁部、第2磁気抵抗素子の第1感磁部、第1磁気抵抗素子の第2感磁部、第2磁気抵抗素子の第2感磁部の順に並んで形成される。このため、従来のように各磁気抵抗素子をそれぞれ構成する感磁部群が異なる領域にそれぞれ設置される場合と比較して、各磁気抵抗素子の感磁部で感温される温度の差が低減される。
この構成では、異なる感度からなる複数の磁気抵抗素子を構成する感磁部同士が、隣り合うことで一つの感磁部対として構成される。そして、これら異なる感度の感磁部の組からなる感磁部対が順次配列される構成になることで、それぞれに異なる磁気抵抗素子を構成する感度の異なる各感磁部群間での温度差がより一層低減される。
この構成では、隣り合う感磁部同士での最も離れた部分間の距離が、長尺方向に沿って並ぶ場合よりも短くなる。すなわち、長尺方向に並ぶ場合では感磁部の長尺方向の長さの約2倍であるのに対して、長尺方向に垂直な方向に並ぶ場合では感磁部の短い幅の約2倍でしかない。このような構成とすることで、異なる磁気抵抗素子の隣り合う感磁部同士での感温は略同じとなる。これにより、複数の磁気抵抗素子の温度が略均一になる。
この構成では、各磁気抵抗素子での被検出体からの磁気検出タイミングが一致する。このため、例えば、磁気抵抗素子間で感度が異なるように設定されていれば、感度が低い側の磁気抵抗素子の出力が、感度の高い側の磁気抵抗素子の出力に打ち消され、単純な波形の出力が得られる。この際、各磁気抵抗素子の抵抗温度特性は異ならず、温度も同じであるので、抵抗温度特性の影響を抑圧することができる。
また、上記磁気センサは、感磁部を接続する接続電極が、基板の感磁部を有する面とともに、当該面に対して感磁部を覆うように形成された絶縁層の表面にも形成されている。
この構成では、感磁部が形成された基板の表面に、全ての接続電極を形成しなくても良いので、基板表面での感磁部の密集率を向上させることができる。これにより、複数の磁気抵抗素子の温度をより均一にできる。また、感磁部や接続電極の引き回しが容易になる。
また、上記磁気センサは、磁気検出部を複数備え、該複数の磁気検出部に対して、一つの磁気抵抗素子を構成する一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての磁気抵抗素子の感磁部を配置している。
この構成では、複数の磁気検出部を構成する各磁気抵抗素子の感磁部が、磁気抵抗素子毎に集中せず、上述のように各磁気抵抗素子の感磁部が配列方向に沿って交代しながら順に配置される。これにより、複数の磁気検出部を有する構成であっても、各磁気検出部を構成する磁気抵抗素子の感磁部の温度が均一になる。
この発明によれば、磁気センサを構成する複数の磁気抵抗素子の温度を均一にすることができるので、磁気抵抗素子が有する抵抗温度特性の影響を抑制することができる。これにより、抵抗温度特性による出力信号の変化を補正する必要が無く、高精度な磁気検知を実現することができる。
本発明の前提となる第1の構成の磁気センサについて図を参照して説明する。
図1(A)磁気センサの磁気検出部10の構成を示す平面図であり、図1(B)は磁気検出部10の等価回路図である。
磁気検出部10は、図1(A)に示すように、感磁部と、該感磁部を接続する接続ライン電極と、電圧入出力やグランドへの接続に用いる外部接続用電極とを、基板11上に形成することで、図1(B)に示すような回路を構成する。すなわち、磁気抵抗素子MR1,MR2が電圧入力端子Vinとグランド端子GNDとの間に直列接続され、磁気抵抗素子MR1,MR2の接続点に電圧出力端子Voutが接続される回路を構成する。以下に、具体的な構成について示す。
基板11は、例えばSi基板からなり、当該Si基板の表面に上述の回路を構成する感磁部(半導体膜)や電極が形成される。なお、基板としては、Si基板等の絶縁性基板の他に、GaAs:SiO2等の半絶縁性基板を用いることができる。基板11における磁気検出部10の形成領域の第一方向(図1(A)における縦方向)に沿った一方端には、電圧入力端子Vinに対応する電圧入力用電極191、グランド端子GNDに対応するグランド接続用電極192が形成されており、他方端には、電圧出力端子Voutに対応する電圧出力用電極193が形成されている。これら電圧入力用電極191、グランド接続用電極192、および電圧出力用電極193は導電性材料からなる。また、電圧入力用電極191、グランド接続用電極192、および電圧出力用電極193は、形成領域の第一方向に垂直な第二方向(図1(A)における横方向)に延びる形状からなる。
基板11における電圧入力用電極191およびグランド接続用電極192と、電圧出力用電極193との間の領域には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部121〜124および接続ライン電極141〜145と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部131〜134および接続ライン電極151〜155とが形成されている。
磁気抵抗素子MR1の感磁部121〜124は、例えば、InSbを材質とする半導体膜により形成され、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンからなる。感磁部121〜124は、長尺方向に沿って、半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されており、これら短絡電極の形成パターンにより磁界に対する感度が設定されている。ここで磁界に対する感度とは、感磁部を通過する磁束密度に応じて変化する抵抗値を意味し、磁束密度が所定量変化する場合に抵抗値が大きく変化するほど、高感度であると定義される。
感磁部121〜124は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。感磁部121と感磁部122は第一方向において近接して配置され、感磁部123と感磁部124も第一方向において近接して配置される。また、第一方向において、感磁部121,122が平行して形成された領域と、電圧入力用電極191およびグランド接続用電極192が形成された領域との間は、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部131,132が形成可能な距離だけ離間されている。さらに、第一方向において、感磁部121,122が平行して形成された領域と感磁部123,124が平行して形成された領域との間は、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部133,134が形成可能な距離だけ離間されている。そして、感磁部123,124が平行して形成された領域は、電圧出力用電極193に近接している。
磁気抵抗素子MR1の接続ライン電極141〜145は、電圧入力用電極191、グランド接続用電極192および電圧出力用電極193と同じ導電性材料により基板11表面に形成されており、例えば、電圧入力用電極191、グランド接続用電極192および電圧出力用電極193と同時にパターン形成されている。
接続ライン電極141は、互いに離間されたグランド接続用電極192と感磁部121とを電気的に接続するパターンからなり、接続ライン電極142は、互いに近接する感磁部121と感磁部122とを電気的に接続するパターンからなる。接続ライン電極143は、互いに離間された感磁部122と感磁部123とを電気的に接続するパターンからなり、接続ライン電極144は、互いに近接する感磁部123と感磁部124とを電気的に接続するパターンからなる。さらに、接続ライン電極145は、互いに近接する感磁部124と電圧出力用電極193とを接続するパターンからなる。これら接続ライン電極141〜145は、感磁部121〜124の長尺方向の両端に存在する領域に形成されている。
磁気抵抗素子MR2の感磁部131〜134は、例えば、InSbを材質とする半導体膜からなり、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンである。感磁部131〜134は、半導体膜上に短絡電極が形成されていない。これにより、感磁部131〜134は、感磁部121〜124よりも磁束に対して低感度に設定されている。
感磁部131〜134は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。感磁部131と感磁部132は第一方向において近接して配置され、感磁部133と感磁部134も第一方向において近接して配置される。
感磁部131,132は、第一方向において、上述の電圧入力用電極191およびグランド接続用電極192が形成された領域と磁気抵抗素子MR1の感磁部121,122が形成された領域との間に、配置されている。この際、磁気抵抗素子MR2の感磁部131,132と磁気抵抗素子MR1の感磁部121〜124は長尺方向が平行となるように配置される。さらに、磁気抵抗素子MR2の感磁部132と磁気抵抗素子MR1の感磁部121とは、第1方向において近接して配置される。
感磁部133,134は、第一方向において、上述の磁気抵抗素子MR1の感磁部121,122が形成された領域と磁気抵抗素子MR1の感磁部123,124が形成された領域との間に配置されている。この際、磁気抵抗素子MR2の感磁部133,134と磁気抵抗素子MR1の感磁部121〜124は、長尺方向が平行となるように配置される。さらに、磁気抵抗素子MR2の感磁部133と磁気抵抗素子MR1の感磁部122は、第1方向において近接して配置されるとともに、磁気抵抗素子MR2の感磁部134と磁気抵抗素子MR1の感磁部123も、第1方向において近接して配置される。
接続ライン電極151は、互いに近接する電圧入力用電極191と感磁部131とを電気的に接続するパターンからなり、接続ライン電極152は、互いに近接する感磁部131と感磁部132とを電気的に接続するパターンからなる。接続ライン電極153は、互いに離間された感磁部132と感磁部133とを電気的に接続するパターンからなり、接続ライン電極154は、互いに近接する感磁部133と感磁部134とを電気的に接続するパターンからなる。さらに、接続ライン電極155は、互いに離間された感磁部134と電圧出力用電極193とを接続するパターンからなる。これら接続ライン電極151〜155は、感磁部131〜134の長尺方向の両端に存在する領域に形成されている。
以上のように、第1の構成では、基板11上の磁気センサ10の形成領域において、第一方向に沿って、一方端(図1(A)の上端)から順に、(i)電圧入力用電極191およびグランド接続用電極192の電極群、(ii)磁気抵抗素子MR2の感磁部131,132、(iii)磁気抵抗素子MR1の感磁部121,122、(iv)磁気抵抗素子MR2の感磁部133,134、(v)磁気抵抗素子MR1の感磁部123,124、(vi)電圧出力用電極193が互いに近接して形成された構造となる。これは、すなわち、磁気抵抗素子MR1の感磁部の形成領域と、磁気抵抗素子MR2の感磁部の形成領域とが、第一方向に沿って、交互に配置されるとともに、これらが近接して配置されていることを意味する。これにより、磁気抵抗素子MR1の形成領域と磁気抵抗素子MR2の形成領域とが集中して離間されないので、磁気抵抗素子MR1の温度と磁気抵抗素子MR2の温度とが略同等になる。特に、本構成のように、磁気抵抗素子MR1の感磁部と磁気抵抗素子MR2の感磁部とが交互に複数回繰り返されて配置されることで、単に磁気抵抗素子MR1の感磁部と磁気抵抗素子MR2の感磁部とが隣接して配置されるよりも、さらに温度を同等にすることができる。そして、このような構成とすることで、図1(B)に示すような差動型の出力電圧信号を得る場合に、磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間での温度差を無くすことができるので、磁気抵抗素子MR1,MR2の抵抗温度特性に影響されることなく、磁気抵抗素子MR1,MR2の感磁量に応じた正確な出力電圧信号を得ることができる。
さらに、上述の第二方向を被検出体の搬送方向とすることで、磁気抵抗素子MR1,MR2を構成する感磁部121〜124、131〜134の配列方向が、被検出体の搬送方向に直交する。これにより、被検出体による通過磁束の変化に応じた磁気抵抗素子MR1の抵抗値変化と磁気抵抗素子MR2の抵抗値変化とが時間軸上で一致する。ここで、上述のように、磁気抵抗素子MR2の感度を磁気抵抗素子MR1の感度よりも低くすることで、磁気抵抗素子MR2の抵抗値変化が、磁気抵抗素子MR1の抵抗値変化により打ち消される。
図2は第1の構成の磁気センサの磁気検出部10と従来の構成(上述の特許文献2の図24の構成)の磁気センサの磁気検出部との出力電圧信号の波形を説明するための図であり、図2(A)が本構成の磁気センサの磁気検出部10の場合を示し、図2(B)が従来の構成の磁気センサの磁気検出部の場合を示す。
図2(A)に示すように、本構成を用いることで、出力電圧信号は、被検出体Mの通過に伴い発生するピーク(P0)が一つのみの波形となり、被検出体Mを正確に検知することができる。この際、上述のように磁気抵抗素子MR1,MR2の温度(T°)が一致するので、抵抗温度特性の影響を相殺でき、被検出体Mの磁束密度の大きさに応じた正確な出力電圧信号レベルが得られる。一方で、図2(B)に示すように、従来の構成を用いると、出力電圧信号は被検出体Mが磁気抵抗素子MR1を通過した際のピーク(P1)と、被検出体が磁気抵抗素子MR2を通過した際のピーク(P2)との二つのピークを有することになる。このため、一つの被検出体に対して二つのピークが検知されることになってしまう。そして、これらのピークは、それぞれの磁気抵抗素子MR1,MR2の形成位置の温度に依存するので、これら形成位置の温度が相違すれば、これらを単に加減算や乗除算しても、抵抗温度特性の影響を相殺することができず、被検出体の磁束密度の大きさに応じた出力電圧信号レベルを正確に検知することができない。
次に、本発明の実施形態である第2の構成に係る磁気センサについて図を参照して説明する。
図3(A)は本実施形態の磁気センサの磁気検出部20の構成を示す平面図であり、図3(B)は磁気センサの磁気検出部20の等価回路図である。
本実施形態に示す磁気検出部20も、第1の構成に示した磁気検出部10と同様に、基板21上に感磁部や導電性の電極を形成することで、図3(B)に示す回路を構成する。そして、基板21、感磁部、導電性の電極の材質も第1の構成と同じである。
基板21における磁気検出部20の形成領域の第二方向(図3(A)における横方向)に沿った一方端には、電圧入力用電極291、グランド接続用電極292が形成されており、他方端には、電圧出力用電極293が形成されている。
基板21における電圧入力用電極291およびグランド接続用電極292と、電圧出力用電極293との間の領域には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部221〜225および接続ライン電極241〜246と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部231〜235および接続ライン電極251〜256とが形成されている。
磁気抵抗素子MR1の感磁部221〜225は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、長尺方向に沿って、半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されている。感磁部221〜225は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
感磁部221と感磁部222は第一方向において近接して配置され、感磁部222と感磁部223は第一方向において磁気抵抗素子MR2の感磁部232,233が形成可能な距離だけ離間されている。感磁部223と感磁部224は第一方向において近接して配置され、感磁部224と感磁部225は第一方向において磁気抵抗素子MR2の感磁部234,235が形成可能な距離だけ離間されている。
感磁部221とグランド接続用電極292は、接続ライン電極241により電気的に接続され、感磁部221,222は接続ライン電極242により電気的に接続される。感磁部222,223は接続ライン電極243により電気的に接続され、感磁部223、224は接続ライン電極244により電気的に接続される。感磁部224,225は接続ライン電極245により電気的に接続され、感磁部225と電圧出力用電極293は接続ライン電極246により電気的に接続される。
磁気抵抗素子MR2の感磁部231〜235は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、短絡電極が形成されていない。感磁部231〜235は、感磁部221〜225と同様に、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
感磁部231は、磁気抵抗素子MR1の感磁部221に対して感磁部222と対向する側で、感磁部221に近接して配置されている。
感磁部232と感磁部233は第一方向において近接するように、上述の磁気抵抗素子MR1の感磁部222と感磁部223との間の領域に配置されている。感磁部234と感磁部235は第一方向において近接するように、上述の磁気抵抗素子MR1の感磁部224と感磁部225との間の領域に配置されている。
感磁部231と電圧入力用電極291は、接続ライン電極251によりに電気的に接続され、感磁部231,232は接続ライン電極252により電気的に接続される。感磁部232,233は接続ライン電極253により電気的に接続され、感磁部233、234は接続ライン電極254により電気的に接続される。感磁部234,235は接続ライン電極255により電気的に接続され、感磁部235と電圧出力用電極293は接続ライン電極256により電気的に接続される。
このような構成とすることで、二つの磁気抵抗素子MR1の感磁部221〜225と磁気抵抗素子MR2の感磁部231〜235は、第一方向に沿って、感磁部231、感磁部221、感磁部222、感磁部232、感磁部233、感磁部223、感磁部224、感磁部234、感磁部235、感磁部225の順に配列される。
ここで、本実施形態では、構成する磁気抵抗素子が異なる組み合わせからなる隣り合う感磁部間の距離、例えば感磁部231と感磁部221との距離が、構成する磁気抵抗素子が同じ組み合わせからなる隣り合う感磁部間の距離、例えば感磁部221と感磁部222との距離よりも、さらに短く設定されている。
このような構成により、磁気抵抗素子MR2の感磁部231と磁気抵抗素子MR1の感磁部221と組み合わせのように、異なる磁気抵抗素子を構成する感磁部同士が極近接された位置に配置される。これにより、第1の構成よりも、さらに磁気抵抗素子MR1,MR2間での温度差が無くなり、抵抗温度特性の影響をより効果的に抑制した出力電圧信号を得ることができる。
また、本実施形態においても感磁部の配列方向を被検出体搬送方向に直交させることで、被検出体の検知を正確に行うことができる。
次に、第3の構成に係る磁気センサについて図を参照して説明する。
図4(A)は第3の構成の磁気センサの磁気検出部30の構成を示す平面図であり、図4(B)は磁気センサの磁気検出部30の等価回路図である。
本磁気センサの磁気検出部30は、上述の第1、第2の構成に示したような出力電圧信号が一つ得られる構成ではなく、一つの電圧入力に対して、二つの出力電圧信号が得られる構成である。すなわち、図4(B)に示すように等価回路としては、電圧入力端子Vinとグランド端子(GND)との間に、磁気抵抗素子MR3,MR1の直列回路と、磁気抵抗素子MR2,MR4の直列回路とが並列接続され、磁気抵抗素子MR3,MR1の接続点が電圧出力端子Vout−Aに接続され、磁気抵抗素子MR2,MR4の接続点が電圧出力端子Vout−Bに接続される。
また、本構成に示す磁気検出部30も、第1、第2の構成に示した磁気検出部10,20と同様に、基板31上に感磁部や導電性の電極を形成することで、図4(B)に示す回路を構成する。そして、基板31、感磁部、導電性の電極の材質も第1、第2の構成と同じである。
基板31における磁気検出部30の形成領域の第二方向(図4(A)における横方向)に沿った一方端には、電圧入力端子Vinに対応する二つの電圧入力用電極3911,3912と、電圧出力端子Vout−Aに対応する一つ電圧出力用電極3931が形成されており、他方端には、グランド端子GNDに対応する二つのグランド接続用電極3921,3922と、電圧出力端子Vout−Bに対応する一つ電圧出力用電極3932が形成されている。
基板31における第二方向の一方端と他方端との間の領域には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部3211,3221,3231および接続ライン電極3411,3421,3431,3441と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部3312,3322,3332および接続ライン電極3512,3522,3532,3542と、磁気抵抗素子MR3を構成する感磁部3311,3321および接続ライン電極3511,3521,3441と、磁気抵抗素子MR4を構成する感磁部3212,3222および接続ライン電極3412,3422,3542とが形成されている。ここで、電圧出力用電極3931に接続する接続ライン電極3441は磁気抵抗素子MR1,MR3で共通であり、電圧出力用電極3932に接続する接続ライン電極3542は磁気抵抗素子MR2,MR4で共通である。
磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部3211,3221,3231は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、長尺方向に沿って、半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されている。感磁部3211,3221,3231は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
感磁部3211と感磁部3221は、第一方向において、磁気抵抗素子MR2の感磁部3332、3322、磁気抵抗素子MR4の感磁部3222,3212が形成可能な距離だけ離間されている。感磁部3221と感磁部3231は、第一方向において磁気抵抗素子MR3の感磁部3311,3321が形成可能な距離だけ離間されている。
感磁部3211とグランド接続用電極3921は接続ライン電極3411により電気的に接続され、感磁部3211,3221は接続ライン電極3421により電気的に接続され、感磁部3221,3231は接続ライン電極3431により電気的に接続され、感磁部3231と電圧出力用電極3931は接続ライン電極3441により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部3312,3322,3332は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、長尺方向に沿って、半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されている。感磁部3312,3322,3332は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
感磁部3332は、磁気抵抗素子MR1の感磁部3211,3221間における、磁気抵抗素子MR1の感磁部3211に近接して設置されている。感磁部3322は、磁気抵抗素子MR1の感磁部3211,3221間における、磁気抵抗素子MR1の感磁部3221に近接して設置されている。この際、磁気抵抗素子MR2の感磁部3332,3322は、第一方向において磁気抵抗素子MR4の感磁部3212,3222が形成可能な距離だけ離間されている。
感磁部3312は、第一方向において磁気抵抗素子MR1の感磁部3231に対して感磁部3221,3322と反対側で且つ感磁部3231に近接して配置されている。
感磁部3312と電圧入力用電極3912は接続ライン電極3512により電気的に接続され、感磁部3312,3322は接続ライン電極3522により電気的に接続され、感磁部3322,3332は接続ライン電極3532により電気的に接続され、感磁部3332と電圧出力用電極3932は、接続ライン電極3542により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子MR3を構成する感磁部3311,3321は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、半導体膜上に導電体からなる短絡電極は形成されていない。感磁部3311,3321は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
感磁部3311,3321は、第一方向における磁気抵抗素子MR1の感磁部3221,3231間に、近接するように配置されている。
感磁部3311と電圧入力用電極3911は接続ライン電極3511により電気的に接続され、感磁部3311,3321は接続ライン電極3521により電気的に接続され、感磁部3321と電圧出力用電極3931は、接続ライン電極3441により電気的に接続されている。
磁気抵抗素子MR4を構成する感磁部3212,3222は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、半導体膜上に導電体からなる短絡電極は形成されていない。感磁部3212,3222は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
感磁部3212,3222は、第一方向における磁気抵抗素子MR2の感磁部3332,3322間に、近接するように配置されている。
感磁部3212とグランド接続用電極3922は接続ライン電極3412により電気的に接続され、感磁部3212,3222は接続ライン電極3422により電気的に接続され、感磁部3222と電圧出力用電極3932は、接続ライン電極3542により電気的に接続されている。
このような構成とすることで、基板31上の第一方向に沿って、磁気抵抗素子MR1の感磁部3211、磁気抵抗素子MR2の感磁部3332、磁気抵抗素子MR4の感磁部3222,3212、磁気抵抗素子MR2の感磁部3322、磁気抵抗素子MR1の感磁部3221、磁気抵抗素子MR3の感磁部3311,3321、磁気抵抗素子MR1の感磁部3231、磁気抵抗素子MR2の感磁部3312が順に近接して配置される。
これにより、磁気抵抗素子MR1〜MR4の感磁部は、磁気抵抗素子MR1〜MR4毎に集中せず、入り組んだ構成となる。この結果、一つの入力電圧で二つの出力電圧が得られる磁気センサであっても、上述の各構成のように、磁気抵抗素子MR1〜MR4の抵抗温度特性による影響を抑制することができる。
なお、このような磁束変化に対する応答が時間軸上で一致する二つの出力電圧信号が得られることを利用し、これら二つの出力電圧信号の一方を極性反転処理して、二つの出力電圧信号を加算することで、よりピークレベルが高く、ピークが一つとなる検出信号を得ることができる。これにより、磁束密度の差に応じた検出信号のレベル差も大きくなるので、磁束密度に対する検出分解能を向上させることができ、より高精度な磁気センサを実現することができる。
次に、第4の構成に係る磁気センサについて図を参照して説明する。
図5(A)は本構成の磁気センサの磁気検出部40の構成を示す平面図であり、図5(B)は磁気センサの磁気検出部40の等価回路図である。
上述の第1〜第3の構成の各磁気センサの磁気検出部では接続ライン電極の全てを基板の表面に直接形成した例を示したが、本構成の磁気センサの磁気検出部40は、接続ライン電極の一部が感磁部等の上面に形成された保護膜42の表面に形成されているものである。
具体的には、磁気検出部40は以下の構成からなる。
基板41における磁気検出部40の形成領域の第一方向(図5(A)における縦方向)に沿った一方端には、電圧入力用電極491、グランド接続用電極492が形成されており、他方端には、電圧出力用電極493が形成されている。
基板41における電圧入力用電極491およびグランド接続用電極492と、電圧出力用電極493との間の領域には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部421〜424と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部431〜434とが形成されている。
磁気抵抗素子MR1の感磁部421〜424は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、長尺方向に沿って、半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されている。感磁部421〜424は、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
磁気抵抗素子MR2の感磁部431〜434は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、短絡電極が形成されていない。感磁部431〜434は、感磁部421〜424と同様に、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
そして、これら感磁部421〜424,431〜434は、第一方向に沿って、構成する磁気抵抗素子が順に交代するように、近接して配置されている。すなわち、電圧入力用電極491、グランド接続用電極492の形成領域側から順に、磁気抵抗素子MR2の感磁部431、磁気抵抗素子MR1の感磁部421、磁気抵抗素子MR2の感磁部432、磁気抵抗素子MR1の感磁部422、磁気抵抗素子MR2の感磁部433、磁気抵抗素子MR1の感磁部423、磁気抵抗素子MR2の感磁部434、磁気抵抗素子MR1の感磁部424が配置されている。
また、基板41上には、接続ライン電極441,442,443,445,451,455が形成されている。接続ライン電極441はグランド接続用電極492と感磁部421とを電気的に接続し、接続ライン電極442は感磁部421,422を電気的に接続し、接続ライン電極443は感磁部422,423を電気的に接続し、接続ライン電極445は感磁部424と電圧出力用電極493とを電気的に接続する。接続ライン電極451は電圧入力用電極491と感磁部431とを電気的に接続し、接続ライン電極455は感磁部434と電圧出力用電極493とを電気的に接続する。
このような感磁部群と接続ライン電極群との表面には、絶縁性を有する保護膜42が形成されている。保護膜42の表面には、接続ライン電極452,453,454,444が形成されている。接続ライン電極452は保護膜42に形成された図示しないビアホールを介して感磁部431,432を電気的に接続し、接続ライン電極453は保護膜42に形成された図示しないビアホールを介して感磁部432,433を電気的に接続し、接続ライン電極454は保護膜42に形成された図示しないビアホールを介して感磁部433,434を電気的に接続する。また、接続ライン電極444は保護膜42に形成された図示しないビアホールを介して感磁部423,424を電気的に接続する。
このような構成とすることで、異なる磁気抵抗素子MR1,MR2をそれぞれに構成する複数の感磁部が、一本毎に第一方向に沿って順次交代しながら配置される。これにより、磁気抵抗素子MR1,MR2での温度を、さらに正確に一致させることができる。
また、接続ライン電極を二層に分けて配置することで、電極の引き回しパターンを容易にすることができる。
次に、さらに第5の構成に係る磁気センサについて図を参照して説明する。
図6(A)は本構成の磁気センサの磁気検出部50の構成を示す平面図であり、図5(B)は磁気センサの磁気検出部50の等価回路図である。
本構成の磁気センサの磁気検出部50は、図4の構成で示したような一入力二出力の磁気センサに対して、図5の構成で示した接続ライン電極の二層構造を適用したものである。
具体的には、磁気検出部50は以下の構成からなる。
基板51における磁気検出部50の形成領域の第二方向(図6(A)における横方向)に沿った一方端には、電圧入力用電極5911,5912、グランド接続用電極5921,5922が形成されており、他方端には、電圧出力用電極5931,5932が形成されている。
また、基板51には、磁気抵抗素子MR1を構成する感磁部5211,5221,5231と、磁気抵抗素子MR2を構成する感磁部5312,5322,5332と、磁気抵抗素子MR3を構成する感磁部5311,5321,5331と、磁気抵抗素子MR4を構成する感磁部5212,5222,5232とが形成されている。
磁気抵抗素子MR1,MR2の感磁部5211,5221,5231、5312,5322,5332は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、短絡電極が形成されておらず、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
磁気抵抗素子MR3,MR4の感磁部5311,5321,5331,5212,5222,5232は、長さが幅よりも大きい長尺状のパターンであり、長尺方向に沿って半導体膜上に所定間隔で導電体からなる短絡電極が形成されており、長尺方向が前記第二方向に平行になるように配置されている。
そして、これらの感磁部は、第一方向に沿って、構成する磁気抵抗素子が順に一本ずつ交代するように、近接して配置されている。すなわち、磁気検出部50の形成領域における第一方向の一方端(図6(A)の上端)から順に、磁気抵抗素子MR4の感磁部5232、磁気抵抗素子MR3の感磁部5311、磁気抵抗素子MR2の感磁部5332、磁気抵抗素子MR1の感磁部5211、磁気抵抗素子MR4の感磁部5222、磁気抵抗素子MR3の感磁部5231、磁気抵抗素子MR2の感磁部5322、磁気抵抗素子MR1の感磁部5221、磁気抵抗素子MR4の感磁部5212、磁気抵抗素子MR3の感磁部5331、磁気抵抗素子MR2の感磁部5312、磁気抵抗素子MR1の感磁部5231が配置されている。
また、基板51上には、磁気抵抗素子MR1〜MR4と電圧入力用電極、電圧出力用電極、グランド接続用電極とを接続する接続ライン電極5411,5412,5441,5442,5511,5512,5541,5542が形成されている。
接続ライン電極5411は磁気抵抗素子MR1の感磁部5211とグランド接続用電極5921とを接続し、接続ライン電極5412は磁気抵抗素子MR4の感磁部5212とグランド接続用電極5922とを接続する。接続ライン電極5441は磁気抵抗素子MR1の感磁部5231と電圧出力用電極5931とを接続し、接続ライン電極5442は磁気抵抗素子MR4の感磁部5232と電圧出力用電極5932とを接続する。接続ライン電極5511は磁気抵抗素子MR3の感磁部5311と電圧入力用電極5911とを接続し、接続ライン電極5512は磁気抵抗素子MR2の感磁部5312と電圧入力用電極5912とを接続する。接続ライン電極5541は磁気抵抗素子MR3の感磁部5331と電圧出力用電極5931とを接続し、接続ライン電極5542は磁気抵抗素子MR2の感磁部5332と電圧出力用電極5932とを接続する。
このような感磁部群と接続ライン電極群との表面には、絶縁性を有する保護膜52が形成されている。保護膜52の表面には、各磁気抵抗素子MR1〜MR4内における複数の感磁部を接続する接続ライン電極5421,5431,5522,5532,5521,5531,5422,5432が形成されている。
接続ライン電極5421は磁気抵抗素子MR1の感磁部5211,5221を接続し、接続ライン電極5431は磁気抵抗素子MR1の感磁部5221,5231を接続する。接続ライン電極5522は磁気抵抗素子MR2の感磁部5312,5322を接続し、接続ライン電極5532は磁気抵抗素子MR2の感磁部5322,5332を接続する。接続ライン電極5521は磁気抵抗素子MR3の感磁部5311,5321を接続し、接続ライン電極5531は磁気抵抗素子MR3の感磁部5321,5331を接続する。接続ライン電極5422は磁気抵抗素子MR4の感磁部5212,5222を接続し、接続ライン電極5432は磁気抵抗素子MR4の感磁部5222,5232を接続する。なお、図示していないが、これらの接続ライン電極は、保護膜52に形成されたビアホールを介して各感磁部へ接続している。
このような構成とすることで、異なる磁気抵抗素子MR1〜MR4をそれぞれに構成する複数の感磁部が、一本毎に第一方向に沿って順次交代しながら配置される。これにより、磁気抵抗素子MR1〜MR4での温度を、さらに正確に一致させることができる。
また、接続ライン電極を二層に分けて配置することで、電極の引き回しパターンを容易にすることができる。
なお、本発明の磁気センサにおいては、上述の磁気検出部の他に、バイアス磁界を印加する磁石(図示せず)を備えてもよい。このようにバイアス磁界を印加することで、磁気センサの通過磁束変化による抵抗値変化をより高感度な領域へシフトさせることができるので、上述の各作用効果と組み合わせることで、さらに高感度且つ高精度な温度依存性の低い磁気センサを構成することができる。
第1の構成の磁気センサ10の構成を示す平面図および等価回路図である。 第1の構成の磁気センサ10と従来の構成の磁気センサとの出力電圧信号の波形を説明するための図である。 第2の構成の磁気センサ20の構成を示す平面図および等価回路図である。 第3の構成の磁気センサ30の構成を示す平面図および等価回路図である。 第4の構成の磁気センサ40の構成を示す平面図および等価回路図である。 第5の構成の磁気センサ50の構成を示す平面図および等価回路図である。
10,20,30,40,50−磁気センサの磁気検出部、11,21,31,41,51−基板、42,52−保護膜、121〜124,131〜134,221〜225,231〜235−感磁部、141〜145,151〜155,241〜246,251〜256−接続用ライン電極、191,291−電圧入力用電極、192,292−グランド接続用電極、193,293−電圧出力用電極、MR1〜MR4−磁気抵抗素子、M−被検出体

Claims (2)

  1. 通過磁束により抵抗値の変化する感磁部を基板表面に形成してなる複数の磁気抵抗素子を直列接続し、該直列接続された複数の磁気抵抗素子によって分圧される電圧を出力信号とする磁気検出部を備え、前記複数の磁気抵抗素子は被検出体の搬送時に被検出体による磁束変化を検出する磁気センサであって、
    前記磁気抵抗素子のそれぞれは、長尺状に形成された複数の前記感磁部と、該複数の前記感磁部を直列接続する接続導体部と、を有し、
    全ての磁気抵抗素子の感磁部は、前記長尺方向が一致し且つ長尺方向に直交する方向に配列して形成され、
    前記複数の磁気抵抗素子は異なる感度を有し、
    前記複数の磁気抵抗素子を構成する一つの磁気抵抗素子の一つの感磁部と、前記一つの磁気抵抗素子と感度の異なる別の磁気抵抗素子の一つの感磁部とが隣り合うように配置された一対の配列が複数形成されるように、前記一つの磁気抵抗素子を構成する少なくとも一つの感磁部が当該一つの磁気抵抗素子を構成する他の複数の感磁部に対して両側から隣り合わないように、全ての磁気抵抗素子の感磁部が配置されており、
    前記複数の磁気抵抗素子をそれぞれ構成する複数の感磁部は、前記長尺方向に垂直な方向に沿って平行に配置され、且つ、前記被検出体に対する前記複数の磁気抵抗素子は前記被検出体の搬送時に磁束の変化に応じた全ての磁気抵抗素子の抵抗値変化が時間軸上で一致するように前記長尺方向が被検出体の搬送方向に平行になるように配置され、
    前記一つの磁気抵抗素子を構成する配列方向に隣り合い中間に他の磁気抵抗素子の感磁部を挟まない感磁部の間隔よりも、感度の異なる各磁気抵抗素子を構成する配列方向に隣り合う感度の異なる感磁部同士の間隔の方が狭くなっている、磁気センサ。
  2. 配列方向に並ぶ全ての感磁部を等間隔で配置した間隔よりも、前記感度の異なる各磁気抵抗素子を構成する配列方向に隣り合う感度の異なる感磁部同士の間隔の方が狭くなっている、請求項1に記載の磁気センサ。
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