JP5417968B2 - 被検出体の検出方法 - Google Patents

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この発明は、被検出体に形成された異なる磁化率または飽和磁束密度を有する複数の磁気情報を検出する磁気センサを用いた被検出体の検出方法に関するものである。
現在、被検出体に形成された磁気スレッド等を検出する磁気センサが、用途に応じて各種利用されている。このような各種の磁気センサは、特許文献1や特許文献2に示すように、筐体の天面近傍に磁気抵抗素子を配置し、当該筐体の天面に沿って被検出体を搬送させる。磁気抵抗素子は、被検出体の通過による当該磁気抵抗素子へ印加される磁束密度の変化によって抵抗値が変化する素材からなり、搬送される被検出体の磁気スレッドにより磁気抵抗素子の抵抗値が変化することを例えば出力電圧信号のレベル変化で検出することで、被検出体の磁気スレッドを検出する。
このような磁気抵抗素子を用いた磁気センサでは、磁気抵抗素子に印加される磁束密度が低すぎると検出性能が大幅に劣化する。したがって、検出性能を向上させるため、磁石を配置し、磁気抵抗素子および搬送される被検出体の磁気スレッドに対してバイアス磁界を印加している。
特開2000−39472号公報 特開平5−332703号公報
ところで、従来の磁気センサでは、次のような理由により、バイアス磁界を決定していた。
例えば磁気抵抗素子の素材としてInSbを用いると、図4に示すような磁気抵抗特性となる。図4(A)は磁気抵抗素子に印加される磁束密度に応じた磁気抵抗素子の抵抗値変化を示す特性図であり、図4(B)はバイアス磁界に応じた出力電圧Voutの出力レベル変化を示す特性図である。図4(C)は2つの磁気抵抗素子MR1、磁気抵抗素子MR2による直列回路の等価回路を示す。図4(B)の出力電圧Voutは磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との直列回路の分圧電圧で得られたものであり、搬送される被検出体の磁気スレッドにより、磁気抵抗素子に印加される磁束密度が変化する場合を示す。また、式(1)は、図4(B)に示す出力電圧Voutの特性を理論的に示す式である。
Vout[V]=
2・(MR1’(B)・ΔB・Vin)/(MR1(B)+MR2(B))[V]
−(1)
式(1)において、MR1(B)およびMR2(B)は磁束密度Bの時点での磁気抵抗素子の抵抗値、MR1’(B)は図4(A)から得られる磁束密度Bの時点での抵抗値の傾き、ΔBは、磁束密度Bの時点での磁気抵抗素子に対する被検出体の磁気スレッドによる通過磁束密度の変化分を示す。また、MR2(B)もMR1(B)と同様に、抵抗変化するため、MR2(B)の変化分も考慮して、分子を2倍にしている。
図4および式(1)に示すように、従来では磁気抵抗素子に印加させる磁束密度によって決定される出力電圧Voutの増加飽和点となる150mTよりもバイアス磁界の磁束密度を高く設定すると、出力電圧Voutが低下してしまう。このため、従来の磁気センサでは、出力電圧Voutの増加飽和点である150mT以下にバイアス磁界の磁束密度を設定していた。
しかしながら、バイアス磁界の磁束密度をこのように150mT以下に設定した場合、上述の磁気スレッドのような低いバイアス磁界であっても強い磁性を有する磁気情報であれば、上述の理論および図4にも示したように、検出に適する出力電圧Vout1を得ることができるが、磁気インク等で印刷された磁気パターンのように磁性が低い磁気情報では、出力電圧Voutを検出可能なレベルで得ることが困難である。
したがって、本発明の目的は、バイアス磁界が印加された状態で磁性の高い磁気情報のみでなく、磁性の低い磁気情報も、確実に検出することができる磁界センサを用いた被検出体の検出方法を実現することにある。
この発明は、磁気パターンを備える被検出体によって印加される磁束密度の変化に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子と、該磁気抵抗素子にバイアス磁界を印加する磁石とを備え、磁気抵抗素子を含む直列回路の出力電圧が最大となる磁束密度よりも、被検出体の磁気パターンの飽和磁束密度が高い場合に磁気パターンを検出する磁気センサを用いた被検出体の検出方法に関するものである。そして、この被検出体の検出方法では、磁気抵抗素子を含む直列回路の出力電圧が最大となる磁束密度よりも高い磁束密度が磁気抵抗素子に対して印加される。
この構成では、被検出体の磁気パターンの飽和磁束密度が、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度よりも高い場合に、従来考えられていた上述の図4(B)の特性や式(1)で与えられる特性ではなく、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度よりも被検出体の磁気パターンの飽和磁束密度に近い磁束密度が印加されれば、磁気パターンがより強く磁化されて、検出レベルが高くなることを利用している(後述の図2および式(2)参照)。したがって、本発明のように磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度よりも大きい磁束密度が印加させることで、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度の場合よりも検出レベルを高くすることができる。これにより、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度では検出レベルが低い磁気パターンであっても検出可能になる。
また、この発明の被検出体の検出方法ではバイアス磁界による磁化率または飽和磁束密度が異なる複数の磁気パターンを有する被検出体を検出する。この際、バイアス磁界は、複数の磁気パターンの磁化率または飽和磁束密度に基づく磁界強度である。
この構成は、異なる特性を有する複数の磁気パターンが被検出体に形成された場合に適用される。例えば、被検出体としては紙幣であり、バイアス磁界による磁化率が高く、飽和磁束密度が相対的に低い磁気スレッドと、バイアス磁界による磁化率が低く飽和磁束密度が相対的に高い磁気インクによる磁気パターンの組の場合に適用される。そして、このような複数の磁気パターンを有する場合には、それぞれの特性に応じた磁束密度が印加されるように、例えばバイアス磁界を設定することで、各磁気パターンを確実に検出することができる。すなわち、紙幣における磁気スレッドと磁気インクによる磁気パターンとを確実に検出することができる。
また、この発明の磁気線センサでは、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度における磁気パターンでの検出レベルを基準とし、当該基準の検出レベル以上の検出レベルが得られる範囲の磁束密度となる得るバイアス磁界が印加されることが好ましい。
この構成では、バイアス磁界から得られる磁束密度範囲を設定する。この際、磁束密度範囲は、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度における磁気パターンでの検出レベルを基準として、当該検出レベル以上の検出レベルが得られる磁束密度範囲が設定される。これにより、バイアス磁界をより適切に設定することができる。
また、この発明の被検出体の検出方法では、バイアス磁界の磁束密度が150mTより高く450mT以下である。この際、この発明の被検出体の検出方法では、磁気抵抗素子は、フェライト基板上に形成されたInSbの半導体薄膜によって形成されている。
これらの構成は、磁気抵抗素子の具体的構成およびバイアス磁界の具体的数値範囲を設定する。このような範囲に設定することで、後述の図2および図3に示すように、磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度での検出レベルよりも高い検出レベルが得られる。
この発明の被検出体の検出方法では、バイアス磁界が印加されている状態で磁性の強い磁気スレッド等の磁気情報のみでなく、磁性の低い磁気インクによる磁気パターン等の磁気情報も、確実に検出することができる。
第1の実施形態の磁気センサの回路構成を示す図および当該磁気センサ1の磁気検出部10の構成を示す側面図である。 バイアス磁界の設定概念を説明するためのバイアス磁界による出力電圧特性および磁化特性による出力電圧特性を示すグラフである。 被検出体900の磁気パターン901として磁気スレッドを用い、磁気パターン902として磁気インクパターンを用いた場合の出力電圧特性を示すグラフである。 印加される磁束密度に応じた磁気抵抗素子の抵抗値変化を示す特性図、および、バイアス磁界に応じた出力電圧Voutの出力レベル変化を示す特性図である。
本発明の実施形態に係る磁界センサを用いた被検出体の検出方法について図を参照して説明する。
図1(A)は本実施形態の磁気センサ1の回路構成の一例を示す図であり、図1(B)は磁気センサ1の磁気検出部10の構成を示す側面図である。
磁気センサ1は、磁気検出部10、および増幅部30を備える。
磁気検出部10は、印加される磁束密度に応じて抵抗値が大幅に変化する磁気抵抗素子MR1および磁気抵抗素子MR2との直列回路101を備える。磁気抵抗素子MR1,MR2は、例えばフェライト等の絶縁性基板表面にInSbからなる半導体薄膜を形成することで実現され、印加される磁束密度による抵抗値の変化、すなわち感度は、InSbの半導体薄膜上に形成された短絡電極によって調整されている。そして、これらInSbの半導体薄膜を絶縁性基板上に形成した導電性電極で接続することで、直列回路101が実現される。
直列回路101は、検出用電圧Vin入力端子とグランド端子との間に接続されており、直列回路101の磁気抵抗素子MR1側の端部がグランド端子に接続し、直列回路101の磁気抵抗素子MR2側が検出用電圧Vin入力端子に接続している。また、直列回路101の磁気抵抗素子MR1,MR2の接続点は、電圧レベルによる信号である磁気検出信号Vout1の出力端子となっている。
増幅部20は、磁気検出部10からの磁気検出信号Vout1を、例えば1000倍に増幅し、センサ出力信号VoutSとして出力する。
このような回路構成の磁気センサ1の磁気検出部10は、構造的には、図1(B)に示すような構造からなる。磁気センサ1の磁気検出部10は、絶縁性材料で長尺形からなる略直方体の筐体11を有する。筐体11は、図1(B)に示す側面視の状態で略矩形状であり、その内部に長尺方向に沿って長い磁石12を備える。筐体11の天面付近には、上述の磁気抵抗素子MR1,MR2が配置されており、この天面にはカバー15が設置されている。そして、このカバー15上を磁化率または飽和磁束密度の異なる磁気パターン901,902が設けられた被検出体900が搬送される。この際、被検出体900は、筐体11の長尺方向に直交する方向(図1(B))の横方向に沿って搬送される。
また、筐体11には、天面側に配置された磁気抵抗素子MR1,MR2をグランドGNDに接続したり、印加電圧Vinを印加したり、磁気検出信号Vout1を出力するためのピン端子13が設置されており、これらピン端子13は、フレーム端子14により磁気抵抗素子MR1,MR2に接続されている。
このような構成の磁気センサ1では、次に示す方法で被検出体900の磁気パターン901,902が検出される。
まず、磁気抵抗素子MR1,MR2からなる直列回路101には、検出用電圧Vinが印加される。この状態で、磁気抵抗素子MR1,MR2の配置領域には、磁石12によって後述する概念で決定されたバイアス磁界が与えられる。
次に、このような検出用電圧Vinおよびバイアス磁界が印加された状態で、被検出体900が搬送されると、磁気パターン901および磁気パターン902の通過のタイミングで、磁気抵抗素子MR1,MR2に印加される磁束密度が変化し、磁気抵抗素子MR1,MR2の抵抗値が変化する。これにより、磁気抵抗素子MR1,MR2の分圧電圧からなる磁気検出信号Vout1のレベルが変化する。この変化を観測することで、磁気パターン901,902を検出する。
次に、磁石12により印加されるバイアス磁界の設定方法に図2および図3を用いて説明する。
上述のように、従来では磁気抵抗素子MR1,MR2の磁界感度(印加される磁束密度による抵抗値の変化特性)によってバイアス磁界の磁束密度が決定されており、本実施形態の構成の磁気センサであれば150mTに設定されていた。これは、磁気抵抗素子MR1の感度により、バイアス磁界の磁束密度が所定値(本実施形態の例では150mT)まで達すると、出力電圧である磁気検出信号Vout1のレベルが極大値となり、バイアス磁界をこれ以上増加させると磁気検出信号Vout1のレベルが低下してしまうからである。
しかしながら、本願の発明者はシミュレーションおよび実験を繰り返した結果、磁気パターンの磁化率または飽和磁束密度によっても、上述の磁気検出信号Vout1の極大値が変化することを判明した。
磁気パターンの磁化による磁気検出信号Vout1の変動は、次式により得られる。
Vout1[V]=
2・(MR1’(B)・ΔB・Vin)/(MR1(B)+MR2(B))+K・B[V] −(2)
式(2)において、MR1(B),MR2(B)は磁束密度Bの時点での磁気抵抗素子の抵抗値、MR1’(B)は図4(A)から得られる磁束密度Bの時点での抵抗値の傾き、ΔBは、磁束密度Bの時点での磁気抵抗素子に対する被検出体の磁気スレッドによる磁束密度の変化分、Kは磁気パターンの磁化による電圧変動係数を示す。また、MR2(B)も、MR1(B)と同様に、抵抗値変化するため、MR2の変化分も考慮して式(2)の分子を2倍としている。
図2はバイアス磁界の設定概念を説明するための出力電圧特性およびバイアス磁界による磁化特性を示すグラフである。ここでは、磁気検出部として磁気抵抗素子MR1,MR2に代えて、磁気抵抗素子MR1と抵抗素子R1とを用いてシミュレーションを行った。図2において、特性Aは従来考えられていた上述の図4に示した出力電圧特性を示し、上述の「発明が解決しようとする課題」の式(1)に基づき、式(1)の分母のMR2をRに置き換え、式(1)の分子の2倍の項を1倍の項として計算する。特性Bは磁気パターン901の出力電圧特性を示し、特性Cは磁気パターン902の出力電圧特性を示し、上述の式(2)に基づき、式(2)の分母のMR2をRに置き換え、式(2)の分子の2倍の項を1倍の項として計算する。また、特性b’は磁気パターン901の磁化による出力増大量を示し、特性c’は磁気パターン902の磁化による出力増大量を示し、上述の式(2)における電圧変動係数Kを定義する特性である。
図2の特性b’,c’に示すように、特性b’で表される磁気パターン901は、バイアス磁界による磁化率(磁化変化率)及び飽和磁束密度が相対的に低い磁気パターンであり、一方、特性c’で表される磁気パターン902は、磁気パターン901に対して、バイアス磁界による磁化率(磁化変化率)及び飽和磁束密度が相対的に高い磁気パターンである。そして、これら磁気パターン901,902の飽和磁束密度は、従来の磁気抵抗素子MR1の感度のみによって出力電圧Vout(磁気検出信号Vout1)のレベルが極大となる磁束密度よりも高い。
このような状況の場合、磁気パターン901の磁化の影響を受ける出力電圧特性(特性B=特性A+特性b’)および磁気パターン902の磁化の影響を受ける出力電圧特性(特性C=特性A+特性c’)では、磁気抵抗素子MR1の感度のみで設定された出力電圧特性(特性A)と比較して、磁気検出信号Vout1が極大となる磁束密度は高くなる。すなわち、従来よりも高いバイアス磁界を印加しても磁気検出信号Vout1のレベルが単調減少するのではなく、極大を有する。この際、この極大の電圧レベルは従来の磁気検出信号Vout1のレベル(上述の例では150mTでの出力電圧レベル)よりも高くなる。
この際、磁気パターン901の磁化によって遷移する極大と磁気パターン902によって遷移する極大の位置は異なり、これらは、磁気パターン901,902の飽和磁束密度が生じるバイアス磁束密度に依存する。したがって、磁気パターン901,902の飽和磁束密度が生じるバイアス磁界を磁石12により印加するように設定すれば、従来よりも高いレベルの磁気検出信号Vout1を出力することができる。
次に、上述の理論を実証する実験結果を示す。
図3は被検出体900の磁気パターン901として磁気スレッドを用い、磁気パターン902として磁気インクパターンを用いた場合の出力電圧特性を示すグラフである。ここで、図3(A)は増幅後の出力電圧値の絶対値表示であり、図3(B)はバイアス磁界の磁束密度が150mTの時点を基準レベルとした出力電圧値の相対値表示(出力電圧比表示)である。なお、図3の磁気センサの回路構成は、図1(A)のものである。
図3に示すように、磁気パターン901(磁気スレッド)および磁気パターン902(磁気インクパターン)が存在する場合、出力電圧である磁気検出信号Vout1の極大となるバイアス磁界の磁束密度は200mT〜300mT程度となり、従来の磁気抵抗素子MR1の感度のみを考慮した磁気検出信号Vout1の極大となるバイアス磁界の磁束密度である150mTよりも高くなる。さらに、磁気パターン901(磁気スレッド)よりも元々の磁化率または飽和磁束密度が低い磁気パターン902(磁気インクパターン)の方が、磁気検出信号Vout1のレベルの変化率がより高くなる。例えば、図3(B)に示すように、150mTのバイアス磁界の磁束密度における磁気検出信号Vout1のレベルを基準にした場合、200mT〜300mT程度のバイアス磁界の磁束密度において、磁気パターン901(磁気スレッド)では140%程度にレベルが向上するのに対して、磁気パターン902(磁気インクパターン)では180%程度までレベルが向上する。これにより、図3(A)に示すように、従来では検出困難な程度に磁性が低かった磁気パターン902(磁気インクパターン)に対する磁気検出信号Vout1のレベルを、検出可能なレベルまで向上させることができる。この際、磁気パターン901(磁気スレッド)に対する磁気検出信号Vout1のレベルも向上する。
これにより、本実施形態の磁気センサ1は、それぞれに異なる磁化率または飽和磁束密度を有する磁気パターン901,902をともに確実に検出することができる。
この際、バイアス磁界を増加させると、磁気検出信号Vout1のレベルが極大値となった後に低下する。これは、各磁気パターン901,902の飽和磁束密度を超えることにより発生するものである。そして、バイアス磁界を増加させすぎると、磁気検出信号Vout1は、図3(B)に示すように、150mTのバイアス磁界の磁束密度における磁気検出信号Vout1のレベルを下回るようになる。したがって、バイアス磁界を設定する場合には、このように磁気抵抗素子MR1の感度のみにより設定したバイアス磁界で得られる磁気検出信号Vout1のレベルよりも下回るレベルとなるバイアス磁界にはならない範囲に設定すると良い。例えば、本実施形態の例であれば、バイアス磁界の磁束密度は、150mTから450mTの範囲内に設定すると良い。
なお、上述の説明では、二つの磁気抵抗素子の直列回路を一つ備えた構成の磁気センサについて説明したが、当該直列回路を複数備え、それぞれの出力電圧レベルを差分増幅する磁気センサに対しても、上述のバイアス磁界の設定を適用することができる。さらには、感度の異なる磁気抵抗素子または磁気抵抗素子と固定抵抗素子とが直列接続してなる磁気センサに対しても、上述のバイアス磁界の設定を適用することができる。
また、上述の説明では、磁化率または飽和磁束密度の異なる磁気パターンを二つ有する被検出体を例に説明したが、磁気抵抗素子の感度に基づく磁気検出信号の極大となる磁束密度よりも飽和磁束密度が高い磁気パターンを一つでも有する被検出体に対する磁気センサであれば、上述のバイアス磁界の設定を適用することができる。
1−磁気センサ、10−磁気検出部、11−筐体、12−磁石、13−ピン端子、14−リード端子、15−カバー、20−増幅部

Claims (5)

  1. 磁気パターンを備える被検出体によって印加される磁束密度の変化に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子と、該磁気抵抗素子にバイアス磁界を印加する磁石とを備え、前記磁気抵抗素子を含む直列回路の出力電圧が最大となる磁束密度よりも、被検出体の磁気パターンの飽和磁束密度が高い場合に、前記磁気パターンを検出する磁気センサを用いた被検出体の検出方法であって、
    前記磁気抵抗素子を含む直列回路の出力電圧が最大となる磁束密度よりも高い磁束密度が前記磁気抵抗素子に対して印加される、被検出体の検出方法
  2. 前記被検出体の磁気パターンは、前記バイアス磁界による磁化率または飽和磁束密度が異なる複数の磁気パターンを有し、
    前記バイアス磁界は、前記複数の磁気パターンの磁化率または飽和磁束密度に基づく磁束密度を発生させる、請求項1に記載の被検出体の検出方法
  3. 前記バイアス磁界は、前記磁気抵抗素子の感度が最大となる磁束密度における前記磁気パターンでの検出レベルを基準とし、当該基準の検出レベル以上の検出レベルが得られる範囲の磁束密度を発生させる、請求項1または請求項2に記載の被検出体の検出方法
  4. 前記バイアス磁界の磁束密度は、150mTより高く450mT以下である、請求項3に記載の被検出体の検出方法
  5. 前記磁気抵抗素子は、フェライト基板上に形成されたInSbの半導体薄膜によって形成される、請求項3または請求項4に記載の被検出体の検出方法
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