JP5877728B2 - 磁気検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、磁性体を検出するための磁気検出装置に関し、特に、磁性体の磁気量を検出することができる磁気検出装置に関する。
従来、様々な分野で磁性体を検出するための磁気検出装置が利用されている。例えば、紙葉類処理装置で、紙葉類の真偽や種類を識別するために磁気検出装置が利用される。紙葉類の中には、真偽や種類を識別できるように磁気インクを利用して印刷されたものや磁気スレッドを含むものが存在する。磁気検出装置を利用して、このような紙葉類の磁気特性を計測することにより紙葉類を識別することができる。
例えば、特許文献1には、磁気検出装置で利用する磁気センサが開示されている。この磁気センサは、2列4個の異方性磁気抵抗素子(AMR)によって構成される。永久磁石によってバイアス磁界を印加して、バイアス磁界を磁性体が通過するときに生ずる磁界の変化をこの磁気センサによって検出する。これにより磁性体を検出することができる。
複数の磁気センサを利用するライン型の磁気検出装置では、磁界を発生するための複数の磁石をライン状に配置して利用する。そして、これらの磁石の上方で、2列に配置された異方性磁気抵抗素子の列方向を磁石の配列方向と合わせるように、複数の磁気センサが配置される。磁気センサは、磁石列を側面から見た場合に、全ての異方性磁気抵抗素子の配置位置が、磁界強度が0(ゼロ)、最小値及び最大値を示す位置と一致することがないようにその配置位置が設定されている。また、磁石列を列方向から見た場合には、2列の異方性磁気抵抗素子間の中心線と、磁石列間の中心線とが一致するように配置される。すなわち、2列の磁石列間の中心線に対して対称な位置となるように、異方性磁気抵抗素子が配置される。なお、磁石列が1列である場合も同様に、この磁石列の中心線に対して対称な位置となるように、異方性磁気抵抗素子が配置される。
米国特許出願公開第2011/0148408号明細書
しかしながら、上記従来技術によれば、磁気センサによりバイアス磁界を通過する磁性体を検出することは可能であるが、磁性体の磁気量を計測することができないという問題がある。
複数の異方性磁気抵抗素子を利用する磁気センサでは、通常、複数の異方性磁気抵抗素子によりブリッジ回路を形成して、その中点電圧の変化に基づいて磁界の変化を検出する。ところが、磁性体を検出した際に各異方性磁気抵抗素子の抵抗値は、異方性磁気抵抗素子の配置位置におけるバイアス磁界の磁界強度によって変化する。異方性磁気抵抗素子を2列に配置して列間の中点電圧を計測する場合に、磁界強度が変化すると、各列の異方性磁気抵抗素子から出力される電圧値の関係が変化するため、中点電圧として出力される電圧波形も複雑に変化する。
バイアス磁界を発生する磁石に対する異方性磁気抵抗素子の配置位置は設計上固定されているが、製造誤差によるばらつきが含まれる。また、バイアス磁界を発生する磁石の磁力のばらつき、磁石の配置位置のばらつきもあるため、異方性磁気抵抗素子の配置位置における磁界強度がばらつく場合がある。
この結果、同じ磁性体が通過した場合でも磁気センサによって出力電圧の波形が異なることになり、電圧波形の変化に基づき磁性体が通過したことを検出することはできるが、電圧波形に基づき通過した磁性体の磁気量を計測することは困難である。
これを解決するには、2列に配置される異方性磁気抵抗素子の配置位置における磁界強度を一定にすればよいが、バイアス磁界を発生する永久磁石の磁力を揃えることは困難である。また、磁気センサから出力される電圧波形を、磁界強度を考慮して補正したり、異方性磁気抵抗素子の配置位置を磁界強度に合わせて変更することも困難である。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたもので、磁性体の検出に加えて、この磁性体の磁気量をも計測可能な磁気検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、バイアス磁界中を移動する磁性体を磁界の変化に基づいて検出する磁気検出装置であって、前記バイアス磁界を発生させる磁石ユニットと、前記磁性体が前記バイアス磁界中を移動する方向と感磁方向とが一致し、かつ、前記バイアス磁界の前記感磁方向成分の磁束密度が0(ゼロ)近傍となる位置に配置されて、前記磁性体の通過による前記磁界の変化を検出するための異方性磁気抵抗素子とを備え、前記磁石ユニットは、複数の同極性の磁極を、前記異方性磁気抵抗素子が配置されている側に向けて、前記感磁方向に並べて配置して、前記バイアス磁界を発生させることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、複数の前記異方性磁気抵抗素子がアレイ状に1列に配置されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記磁石ユニットは、同極性の磁極を前記異方性磁気抵抗素子が配置されている側に向けて前記感磁方向に並べて配置された2列以上の磁石によって形成されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記磁石ユニットは、1列の磁石と、該磁石による磁界分布を制御して、複数の同極性の磁極を、前記異方性磁気抵抗素子が配置されている側に向けて、前記感磁方向に並べて配置した状態を実現するためのヨークによって形成されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記異方性磁気抵抗素子を固定抵抗と直列に接続して電圧を印加することによりハーフブリッジ回路を形成し、その中点電圧の変化に基づいて前記磁性体を検出することを特徴とする。
本発明によれば、異方性磁気抵抗素子の感磁方向を検出対象となる磁性体の移動方向に合わせて、かつ、この素子をバイアス磁界の磁性体移動方向の成分が0(ゼロ)近傍となる位置に配置することにより、バイアス磁界の磁界強度のばらつきによる影響を受けずに磁性体を正確に検出すると共に、この磁性体の磁気量を計測することができる。
また、本発明によれば、異方性磁気抵抗素子を1列のアレイ状に配置することによって、紙葉類等の磁気特性を計測することができる。
また、本発明によれば、バイアス磁界を発生する磁石ユニットを、例えば、N極を上方に向けて配置された2列以上の磁石によって構成することにより、計測位置における磁束の方向及び密度が計測に有利な状態となるように異方性磁気抵抗素子を配置することができる。
また、本発明では、バイアス磁界を発生する磁石ユニットを1列にする場合にヨークを用いる。これにより計測位置における磁束の方向及び密度が計測に有利な状態となるように異方性磁気抵抗素子を配置することができる。
また、本発明によれば、異方性磁気抵抗素子と固定抵抗を利用したハーフブリッジ回路を形成してバイアス磁界の変化を計測することにより、磁性体の磁気量を計測することができる。
図1は、本発明に係る磁気検出装置の構成概略を示す図である。 図2は、本実施形態に係る磁気センサの構成及び該磁気センサを利用した計測回路の構成を示す図である。 図3は、本実施形態に係る磁気センサの出力電圧の電圧波形を模式的に示す図である。 図4は、磁気センサの構成が異なる磁気検出装置の例を示す図である。 図5は、図4に示す磁気センサの構成及び該磁気センサを利用した計測回路の構成を示す図である。 図6は、本実施形態に係るバイアス磁界の解析面を示す図である。 図7は、本実施形態に係るバイアス磁界のベクトル分布を示す図である。 図8は、本実施形態に係るバイアス磁界の磁束密度の強度分布を示す図である。 図9は、本実施形態に係るバイアス磁界用磁石と磁気センサの配置位置を示す図である。 図10は、本実施形態に係るバイアス磁界の解析を行う複数の解析面を示す図である。 図11は、複数の解析面におけるバイアス磁界の磁束密度の強度分布を重ね合わせた図である。 図12は、バイアス磁界用磁石の構成が異なる磁気検出装置の例を示す図である。 図13は、図12に示す磁気検出装置のバイアス磁界の解析例を示す図である。 図14は、図12に示すバイアス磁界用磁石と磁気センサの配置位置を示す図である。 図15は、バイアス磁界を磁石とヨークによって発生する本磁気検出装置の例を示す図である。 図16は、図15に示す磁気検出装置のバイアス磁界の解析例を示す図である。 図17は、図15に示すバイアス磁界用磁石と磁気センサの配置位置を示す図である。 図18は、従来の磁気検出装置の構成概略を示す図である。 図19は、従来の磁気センサの構成及び該磁気センサを利用したセンサ回路の構成を示す図である。 図20は、従来の磁気センサの出力電圧の電圧波形のばらつき原因を模式的に示す図である。 図21は、従来の磁気センサのセンサ感度のばらつき原因を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る磁気検出装置について詳細に説明する。本実施形態に係る磁気検出装置の特徴を明らかにするために、関連技術として、従来の磁気検出装置について説明を行った後、本実施形態に係る磁気検出装置について説明する。なお、以下の説明では、本実施形態に係る装置や構成要素には200より小さい符号を付して、関連技術に係る装置や構成要素には200以上の符号を付すことにより、これらを区別している。
まず、本実施形態に関連する技術として、従来利用されている磁気検出装置について図18〜図21を参照しながら説明する。図18は、従来利用されている磁気検出装置201の一例を示す図である。図18(a)は、磁気検出装置201を正面(X軸負方向)から見た図であり、同図(b)は上方(Z軸正方向)から見た図であり、同図(c)は側面(Y軸正方向)から見た図である。
磁気検出装置201は、感磁素子である異方性磁気抵抗素子211及び212を含む磁気センサ210と、磁気センサ210による磁性体の検出に利用するバイアス磁界を発生するための磁石221及び222と、磁気センサ210を実装するための実装基板230とを有している。磁気センサ210は、上方(Z軸正方向)で、Y軸方向に磁性体が通過した場合のバイアス磁界の変化を検出するように、異方性磁気抵抗素子211及び212の感磁方向がY軸方向となるように配置されている。
磁気検出装置201では、複数の磁石221及び222がX軸方向を列方向として各々アレイ状に配置され、2列の磁石列を形成している。また、同じくX軸方向を列方向として複数の磁気センサ210が1列にアレイ状に配置される。2列に配置された複数の磁石221及び222の上面(Z軸正方向)側に、1枚の実装基板230が配置され、この実装基板230の上面側に磁気センサ210が配置される。このとき、磁気センサ210は、2列の異方性磁気抵抗素子211及び212の間の中心線220と、2列の磁石221及び222の間の中心線220とが一致するように組み付けられる。すなわち、2列の磁石列の中心線220に対して対称な位置に異方性磁気抵抗素子211及び212が配置される。
図19は、磁気センサ210の内部構成を示す図である。図19(a)に示すように、磁気センサ210では、Y軸方向に並ぶように配置された2つの異方性磁気抵抗素子211及び212が、各端子213a〜213cと同図に示すように接続されている。そして、各磁気センサ210で、図19(b)に示すようにハーフブリッジ型の回路を形成する。端子213aに電圧(+V)を印加し、端子213cを接地(GND)して、磁性体を検出した場合の異方性磁気抵抗素子211及び212の中点電圧を出力電圧(Vout)として端子213bで計測する。なお、これらの回路は、実装基板230を利用して形成されるか、磁気センサ210又は磁気検出装置201の外部に設けられる。
図20は、磁気センサ210からの出力電圧(Vout)の計測例を示す図である。図20では、上段及び中段の図の縦軸が磁気抵抗素子の抵抗値を示し、下段の図の縦軸が電圧値を示している。横軸はいずれの図でも時間を示している。磁気センサ210は、2列の異方性磁気抵抗素子211及び212の間の中心線220と、2列の磁石221及び222の間の中心線220とが一致するように配置されるが、この配置位置は異方性磁気抵抗素子211及び212に印加されるバイアス磁界の強度が等しくなるように設定されたものである。磁性体が磁気センサ210の上方を図18に示すY軸正方向に通過すると、一方の異方性磁気抵抗素子211の抵抗値Rcが、図20(a)上段に示すように変化する。そして、移動する磁性体が他方の異方性磁気抵抗素子212の上方を通過するときには、この異方性磁気抵抗素子212の抵抗値Rdが、図20(a)中段に示すように変化する。このとき、それぞれの抵抗値は同じように変化するが、この変化は2つの素子間の距離分だけずれて現れる。この結果、異方性磁気抵抗素子211と212の中点では、図20(a)下段に示すようにRcとRdの抵抗値の差分として出力電圧Voutが計測される。
ところが、磁気センサ210の組立誤差、磁石221及び222の組立誤差、磁石221及び222の磁力のばらつき等によって、各異方性磁気抵抗素子211及び212の配置位置におけるバイアス磁界の強度に差異が生じると、異方性磁気抵抗素子211及び212のセンサ感度に差が生ずることになる。
図21は、横軸を磁界強度、縦軸を異方性磁気抵抗素子の出力電圧として、バーバーポール型の異方性磁気抵抗素子の感度の例を示した図である。異方性磁気抵抗素子211及び212の配置位置での磁界強度(図21上の左右方向の位置)が異なると、例えば、図21に示すように、同じ磁性体が通過して磁界強度がΔHy変化した場合でも、異方性磁気抵抗素子211の感度Δrcが、異方性磁気抵抗素子212の感度Δrdよりも小さくなる。このため、図20(a)に示す計測結果が得られた同じ磁性体が、同じ位置を通過した場合でも、同図(b)に示すように、異方性磁気抵抗素子211の抵抗値Rcが、異方性磁気抵抗素子212の抵抗値Rdよりも低い値を示す。この結果、同じ磁性体が通過したにも拘わらず、図20(a)及び(b)に示すように、計測される出力電圧Voutは異なる検知波形を示す。
また、異方性磁気抵抗素子211及び212の配置位置における磁界強度の関係から、異方性磁気抵抗素子211の抵抗値が異方性磁気抵抗素子212の抵抗値より大きくなった場合も、図20(c)に示すように、同図(a)及び(b)とは異なる出力電圧Voutが計測されることになる。
このように、図18及び図19に示す磁気検出装置201では、組立誤差や磁石の磁力のばらつきによって各異方性磁気抵抗素子211及び212の配置位置での磁界強度が異なると、同じ磁性体を検出した場合でも、図20(a)〜(c)に示すように出力電圧Voutの検知波形が変化する。このため、出力電圧Voutの検知波形の変化に基づいて磁性体の通過を検出することはできるが、出力電圧Voutの電圧値と磁性体の磁気量との関係を特定することができず磁気量を計測することができない。
次に、本実施形態に係る磁気検出装置1について説明する。図1は、磁気検出装置1の構成概略を示す図である。図1(a)は、磁気検出装置1を正面(X軸負方向)から見た図であり、同図(b)は上方(Z軸正方向)から見た図であり、同図(c)は側面(Y軸正方向)から見た図である。磁気検出装置1は、感磁素子である異方性磁気抵抗素子11を含む磁気センサ10と、磁気センサ10による磁性体検出及び磁気量計測に利用するバイアス磁界を発生するための磁石21及び22と、磁気センサ10を実装するための実装基板30とを有している。磁気センサ10は、上方(Z軸正方向)で、Y軸方向に磁性体が通過した場合のバイアス磁界の変化を検出するように、異方性磁気抵抗素子11の感磁方向がY軸方向となるように配置されている。なお、磁気センサ10から出力される信号の処理は、磁気検出装置1内に別途設けられた信号処理基板によって行われる。
磁気検出装置1では、複数の磁石21及び22がX軸方向を列方向として各々アレイ状に配置され、2列の磁石列を形成している。また、同じくX軸方向を列方向として複数の磁気センサ10が1列にアレイ状に配置される。2列に配置された複数の磁石21及び22の上面(Z軸正方向)側に、1枚の実装基板30が配置され、この実装基板30の上面側に磁気センサ10が配置される。このとき、磁気センサ10は、異方性磁気抵抗素子11の位置が、2列の磁石21及び22の間の中心線20上となるように組み付けられる。
このように、本実施形態に係る磁気検出装置1では、磁気センサ10が感磁素子である異方性磁気抵抗素子11を1つだけ有し、この異方性磁気抵抗素子11の位置が2列の磁石列の間で中心線上となるように、磁気センサ10を配置する点が、従来の磁気検出装置201と異なっている。なお、正確には、異方性磁気抵抗素子11の配置位置は、バイアス磁界の磁界分布に基づいて決定されるものであるが、これについての詳細は後述する。
図2は、磁気センサ10の内部構成を示す図である。図2(a)に示すように、磁気センサ10では、1つの異方性磁気抵抗素子11が、Y軸方向略中央に配置され、各端子13a及び13bと接続されている。磁気センサ10の端子13a及び13bは、実装基板30に含まれる固定抵抗12を利用して、図2(b)に示すハーフブリッジ型の回路を形成するように接続される。具体的には、端子13aに電圧(+V)を印加して、端子13bを実装基板30に設けられた固定抵抗12の一端に接続する。そして、固定抵抗12の他端を接地(GND)して、磁性体を検出した際の異方性磁気抵抗素子11と固定抵抗12からなるハーフブリッジの中点電圧を出力電圧(Vout)として端子13bで計測する。
このように、本実施形態に係る磁気検出装置1では、不感磁素子である固定抵抗12を利用して、これを感磁素子である異方性磁気抵抗素子11と直列に接続してハーフブリッジ回路を形成する点が従来の磁気検出装置201と異なっている。
図3は、磁気センサ10からの出力電圧(Vout)の計測例を示す図である。図3では、上段および中段の図の縦軸が磁気抵抗素子の抵抗値を示し、下段の図の縦軸が電圧値を示している。横軸はいずれの図も時間を示している。磁性体が異方性磁気抵抗素子11の上方を図1に示すY軸正方向に通過した場合には、磁性体の磁気量に応じて、異方性磁気抵抗素子11の抵抗値Raは図3上段に示すように変化する。これに対して、固定抵抗12の抵抗値Rbは、同図中段に示すように一定で磁性体による影響を受けない。この結果、RaとRbの中点では、図3下段に示すようにRaとRbの抵抗値の差分として出力電圧Voutが計測される。
異方性磁気抵抗素子11の配置位置のずれ(組立誤差)や磁石の磁力ばらつきによってバイアス磁界の強度が設計値よりずれた場合でも、異方性磁気抵抗素子11の抵抗値Raは変化するが、固定抵抗12の抵抗値Rbは変化しない。このため、バイアス磁界強度の変化により出力電圧Voutは変化するが、図20に示す従来の磁気検出装置201のように出力電圧Voutの検知波形が複雑に変化することはない。
このように、本実施形態に係る磁気検出装置1では、感磁素子である異方性磁気抵抗素子11を1つしか含まないため、組立誤差や磁石の磁力のばらつき等があった場合でも、異方性磁気抵抗素子11の抵抗値が変化するに留まる。出力電圧Voutの値が変化するのみで、検知波形には影響がない。また、この電圧の変化は、例えばソフト処理によるゲイン調整によって、容易に調整することができる。このため、出力電圧Voutの増幅器のゲイン調整を行って、磁性体の磁気量に応じた出力電圧Voutを得ることが可能となる。すなわち、本実施形態に係る磁気検出装置1では、磁性体を検出するだけではなく、これに加えて検出した磁性体の磁気量を計測することが可能となる。このように、磁気検出装置1は、ゲイン調整を行う機能を有している。なお、このゲイン調整手段は、磁気センサ10をアレイ化した場合に、チャンネル間の感度のばらつきを補正するための手段としても利用することができる。
なお、本実施形態に係る磁気検出装置1が、図1及び図2に示すように不感磁素子として利用する固定抵抗12を実装基板30上に設ける態様に限定されるものではない。例えば、磁気センサが固定抵抗を含む態様であっても構わない。磁気センサが固定抵抗を含む場合の構成を図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、磁気検出装置1の異なる態様を示す図である。このように、磁気検出装置1が、感磁素子である異方性磁気抵抗素子111及び不感磁素子である固定抵抗112の両方を含む磁気センサ110を利用する態様であっても構わない。この場合も、磁気センサ110を、異方性磁気抵抗素子111の位置が、2列の磁石21及び22の間の中心線20上となるように配置して、図5に示すように計測回路を構成すればよい。
図5は、図4に示す磁気センサ110の内部構成を示す図である。図5(a)に示すように磁気センサ110内部で異方性磁気抵抗素子111と固定抵抗112とを接続して、同図(b)に示すようにハーフブリッジ回路を形成する。これにより、図1及び図2に示す磁気センサ10の場合と同様に、磁性体の通過によって抵抗値の変化が生じ、図3に示すように出力電圧Voutを計測することができる。
次に、磁気検出装置1における感磁素子の配置位置の設定方法について詳細を説明する。図6は、異方性磁気抵抗素子11の配置位置を決定するために磁界分布の解析を行う解析面40を示す模式図である。解析面40は、異方性磁気抵抗素子11及び磁石(21及び22)の上方で、磁性体300が通過する位置を含むように設定される。なお、図6には、従来の磁気検出装置201との比較のため、従来の異方性磁気抵抗素子211及び212の配置位置を破線で示している。
異方性磁気抵抗素子11は、感磁方向がY軸方向と一致するように配置される。そして、その上方をY軸方向に通過する磁性体300の検出及び磁気量の計測を行う。磁気検出装置1では、2列の磁石21及び22の上方(Z軸正方向)で中心線20上に異方性磁気抵抗素子11が配置されるが、この配置位置は、磁石21及び22によるバイアス磁界の磁界分布に基づいて設定される。
具体的には、Y軸方向のバイアス磁界の変化を正確に計測するため、感磁素子である異方性磁気抵抗素子11を、バイアス磁界のYZ成分ベクトルの向きがZ軸に略平行となる位置、言い換えればY軸方向の磁界強度が0(ゼロ)近傍となる位置に配置することが好ましい。
図7は、バイアス磁界のYZ成分ベクトルを表示した図である。この分布図は、図6に示すように、磁石21及び22の上方に設定した解析面40内のベクトル分布を示している。図7では、本実施形態に係る磁気検出装置1の異方性磁気抵抗素子11の配置位置51と、従来装置の異方性磁気抵抗素子211及び212の配置位置251及び252とを示している。
このように、従来装置では、2つの異方性磁気抵抗素子211及び212が、磁界ベクトルの方向がZ軸に対して角度を有する位置251及び252に配置されていた。これに対して、本実施形態に係る磁気検出装置1では、磁界ベクトルの方向がZ軸に略平行となる位置51に異方性磁気抵抗素子11が配置される。
図8は、Y軸方向の磁束密度の強度分布を示す図である。組立誤差を考慮すると、従来装置の異方性磁気抵抗素子211及び212が配置される位置251及び252は、例えば、各々が図8に示す矩形領域261及び262内のいずれかの位置を取り得ることになる。従来装置では、2つの異方性磁気抵抗素子211及び212が、磁束密度の分布が密になる位置251及び252に配置するよう設定されていたので、矩形領域261及び262内での配置位置が異なると磁界強度が大きく変化することになる。これが、図20及び図21に示すように、異方性磁気抵抗素子211及び212の感度や磁気センサ210の出力電圧Voutがばらつくことの原因となっていた。
これに対して、本実施形態に係る磁気検出装置1では、磁束密度が0(ゼロ)近傍となる位置51に異方性磁気抵抗素子11を配置する。このため、従来装置と同様の組立誤差を考慮した矩形領域61内で、配置位置51が変化した場合でも、磁束密度の変化による影響は小さい。また、磁石21及び22の磁力が変化した場合でも、同様に磁束密度の変化による影響は小さい。
このように、感磁方向がY軸方向である異方性磁気抵抗素子11を、YZ平面における磁界ベクトルの方向がZ軸方向と略平行となる位置、すなわちY軸方向の磁界強度が0(ゼロ)近傍となる位置51に配置することにより、組立誤差や磁石21及び22の磁力のばらつきによる影響を抑制できる。このため、Y軸方向に移動する磁性体の検出及び磁気量の計測を行うことができる。なお、具体的には、異方性磁気抵抗素子11が配置される感磁方向の磁界強度が±1mT以下であることが好ましい。
図9は、2列の磁石21及び22によるバイアス磁界の分布と、磁石21及び22に対する異方性磁気抵抗素子11の配置位置51の例を示す図である。バイアス磁界を考慮して異方性磁気抵抗素子11の配置位置51が決定されると、この位置51に異方性磁気抵抗素子11を配置するため、磁気センサ10と磁石21及び22の位置が調整される。磁気センサ10の位置は、磁石21及び22との間にある実装基板30によって調整されるが、実装基板30のみによって位置調整ができない場合には、実装基板30下面にスペーサを設けたり、実装基板30の板厚を変更することによって位置調整を行う。
なお、異方性磁気抵抗素子11の配置位置51は、1つの解析面による磁界分布を考慮して設定される態様に限らず、複数の解析面における磁界分布を考慮して設定される態様であっても構わない。例えば、図10に示すように、異方性磁気抵抗素子11が配置される位置で複数の解析面41a〜41cを設定して、これらの設定面での解析結果を考慮して異方性磁気抵抗素子11の配置位置を決定する。具体的には、図11に示すように、複数の解析面41a〜41cにおけるY軸方向の磁束密度分布を合成して、この結果から、磁束密度が0(ゼロ)近傍となる位置を異方性磁気抵抗素子11の配置位置51とする。
また、磁気検出装置1が、2列の磁石21及び22を利用してバイアス磁界を発生する場合を示したが、本実施形態がこれに限定されるものではない。例えば、バイアス磁界を発生する磁石ユニットとして、2列の磁石を利用する態様の他、3列以上の磁石を利用してもよいし、1列の磁石とヨークを利用する態様であっても構わない。
具体的には、図12に示すように、3列の磁石21〜23を利用してもよい。この場合でも、図13に示すようにY軸方向の磁束密度分布を考慮して異方性磁気抵抗素子11の配置位置51を設定する。そして、異方性磁気抵抗素子11と磁石21〜23との位置関係が図14に示す関係となるように異方性磁気抵抗素子11を配置すればよい。
また、図15に示すように、1列の磁石25とX軸方向から見た側面が凹型形状のヨーク70を利用してもよい。この場合でも、図16に示すようにY軸方向の磁束密度分布を考慮して異方性磁気抵抗素子11の配置位置51を設定する。そして、異方性磁気抵抗素子11と磁石25及びヨーク70との位置関係が図17に示す関係となるように異方性磁気抵抗素子11を配置すればよい。なお、図13及び図16に示す異方性磁気抵抗素子11の配置位置51は、同一の組立誤差を考慮して設定したものであるが、図16では異方性磁気抵抗素子11を配置可能な領域が、図13よりも広くなっている。すなわち、図15に示すように磁石25とヨーク70を利用した場合には、異方性磁気抵抗素子11を配置可能な範囲が広くなる。
上述してきたように、本実施形態によれば、磁気センサ10で利用する感磁素子である異方性磁気抵抗素子11を1つとして、この異方性磁気抵抗素子11の感磁方向を検出対象となる磁性体の移動方向に合わせると共に、異方性磁気抵抗素子11の配置位置を感磁方向の磁束密度が0(ゼロ)近傍となる位置とすることで、通過する磁性体の検出に加えて、磁性体の磁気量を計測することができる。異方性磁気抵抗素子11がバイアス磁界の変化による影響を受け難い位置に配置されるので、組立誤差により異方性磁気抵抗素子11の配置位置がずれた場合でも、正確な計測を行うことが可能となる。
また、磁性体の位置と磁気量とを正確に検出することが可能となるので、例えば、磁気インク等の磁性体を利用して紙葉類上に文字や記号が形成されている場合に、これらの文字や記号を認識することが可能となる。
以上のように、本発明は、磁性体の検出及び該磁性体の磁気量を検出するために有用な技術である。
1、201 磁気検出装置
10、110、210 磁気センサ
11、111、211、212 異方性磁気抵抗素子
12、112 固定抵抗
21〜25、221、222 磁石
30、230 実装基板
70 ヨーク
300 磁性体

Claims (5)

  1. バイアス磁界中を移動する磁性体を磁界の変化に基づいて検出する磁気検出装置であって、
    前記バイアス磁界を発生させる磁石ユニットと、
    前記磁性体が前記バイアス磁界中を移動する方向と感磁方向とが一致し、かつ、前記バイアス磁界の前記感磁方向成分の磁束密度が0(ゼロ)近傍となる位置に配置されて、前記磁性体の通過による前記磁界の変化を検出するための異方性磁気抵抗素子と
    を備え
    前記磁石ユニットは、複数の同極性の磁極を、前記異方性磁気抵抗素子が配置されている側に向けて、前記感磁方向に並べて配置して、前記バイアス磁界を発生させることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 複数の前記異方性磁気抵抗素子がアレイ状に1列に配置されることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 前記磁石ユニットは、同極性の磁極を前記異方性磁気抵抗素子が配置されている側に向けて前記感磁方向に並べて配置された2列以上の磁石によって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記磁石ユニットは、1列の磁石と、該磁石による磁界分布を制御して、複数の同極性の磁極を、前記異方性磁気抵抗素子が配置されている側に向けて、前記感磁方向に並べて配置した状態を実現するためのヨークによって形成されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の磁気検出装置。
  5. 前記異方性磁気抵抗素子を固定抵抗と直列に接続して電圧を印加することによりハーフブリッジ回路を形成し、その中点電圧の変化に基づいて前記磁性体を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
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