JP2001004728A - 磁気検出装置 - Google Patents
磁気検出装置Info
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- JP2001004728A JP2001004728A JP11248387A JP24838799A JP2001004728A JP 2001004728 A JP2001004728 A JP 2001004728A JP 11248387 A JP11248387 A JP 11248387A JP 24838799 A JP24838799 A JP 24838799A JP 2001004728 A JP2001004728 A JP 2001004728A
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Abstract
なくして高い磁界分解能により、残留磁化の微弱な磁気
媒体から磁気情報を高感度に読取ることができると共
に、装置の小形化を可能にした磁気検出装置を提供する
ものである。 【解決手段】金属磁性材料で形成されたミアンダ形状の
薄膜状磁気センサ1を、シート状磁気媒体8の進行方向
と平行に、磁気シールド材となる軟磁性材料6で形成さ
れた支持台7の上面に並設し、磁気センサ1の磁気媒体
侵入側に、磁極の方向が磁気媒体8の進行方向と直交す
るようにバイアス磁化を印加する永久磁石13を取付け
たことを特徴とするものである。
Description
媒体とが相対的に移動して、磁気媒体の磁気を検出する
磁気検出装置の改良に関するものである。
微細ピンホールの検査など非破壊検査や、ロータリーエ
ンコーダーの回転角モニタ、リニヤスケールの位置モニ
タ等の制御や位置情報、あるいは磁気インクで印刷した
シート類からの不均一かつ微弱な漏れ磁界の検出、ID
カードやプリペイドカード、電子キーの磁気情報の読取
りなど様々な分野で利用されている。
IDカード、プリペイドカードなどカード状の磁気媒体
から磁気情報を読取る磁気検出装置は、コイルを用いた
磁気センサが用いられている。この磁気センサは上下の
ローラで搬送されてきた磁気媒体がセンサヘッドに接触
して、磁気によりコイルに誘導電流が発生し、この電流
量の変化から磁気情報を読取るようになっている。
磁気媒体と接触するのでセンサヘッドにゴミが付着して
読取り不良を起こし、定期的にセンサヘッドをクリーニ
ングしなければならずメンテナンスが必要であった。ま
た変形したカードや異物が接触するとヘッドが損傷する
問題もあった。
なえる磁気センサの開発が要望されているが、特に磁気
インクで印刷したような残留磁化の小さいシート類を非
接触状態で読取るのは難しかった。磁気センサとして
は、コイル型の他に、ホール効果、磁気抵抗(MR)効
果を利用したセンサ素子や、フラックスゲート型磁気セ
ンサが一般的でこれらは全て、被検出量を磁界を介して
電気的信号に変換する電子デバイスである。
解能は10-1〜105 Oe(エルステッド)程度で、微
弱な残留磁化の媒体から信号を検出することは非常に困
難であった。またフラックスゲートセンサーの磁界分解
能は10-6〜10 Oeの高い分解能を持ち感度として
問題はないが、センサヘッドの寸法が数十mmと長く、
微弱な残留磁化しか持たず、微小空間に限定された記録
媒体の表面磁界を局部的に検出することは困難であっ
た。
ワイヤや軟磁性薄膜を用いた磁気インピーダンス(M
I)効果を利用した素子の開発が近年、進められてい
る。このMI効果は、外部印加磁界によって磁性材料の
透磁率が変化することに伴い、磁性材料の電気的インピ
ーダンスが変化する現象であり、これを利用したものが
各種提案されている。このMI効果を利用した素子はフ
ラックスゲートセンサーと同等の10-6〜10 Oeの
磁界分解能をもち、かつMR効果でいうところの、電気
抵抗変化率に相当するインピーダンス変化率もMR素子
の数十倍の変化率を持つという特性がある。
題点を解決して、非接触状態においても外部磁気雑音の
影響を少なくして高い磁界分解能により、残留磁化の微
弱な磁気媒体から磁気情報を高感度に読取ることができ
ると共に、装置の小形化を可能にした磁気検出装置を提
供するものである。
磁気検出装置は、磁気センサと磁気媒体とが相対的に移
動して、磁気媒体の磁気を検出する磁気検出装置におい
て、金属磁性材料で形成されたミアンダ形状の薄膜状磁
気センサを、磁気媒体の進行方向と平行に支持台に配置
し、この磁気センサの少なくとも磁気媒体との対向面を
除いて、軟磁性材料で形成した磁気シールド材を設けた
ことを特徴とするものである。
は、磁気センサと磁気媒体とが相対的に移動して、磁気
媒体の磁気を検出する磁気検出装置において、金属磁性
材料で形成されたミアンダ形状の薄膜状磁気センサを、
磁気媒体の進行方向と平行に支持台に配置し、この磁気
センサの少なくとも磁気媒体との対向面を除いて、軟磁
性材料で形成した磁気シールド材を設けると共に、磁気
センサの磁気媒体侵入側に、磁極の方向が磁気媒体の進
行方向と直交するように磁石を取付けたことを特徴とす
るものである。
は、磁気センサの磁気媒体侵入側と退出側に、磁極の方
向が磁気媒体の進行方向と直交するように磁石を取付け
たことを特徴とするものである。また本発明の請求項4
記載の磁気検出装置は、磁石の磁気センサ側に帰磁路を
設けたことを特徴とするものである。
薄膜状磁気センサが磁気インピーダンス効果を利用した
磁気センサまたは磁気抵抗効果を利用した磁気センサで
形成されていることを特徴とするものである。更に本発
明の請求項6記載の磁気検出装置は、磁気センサが、磁
気媒体の進行面と平行に複数個並設されていることを特
徴とするものである。
ないし図4を参照して詳細に説明する。図において1は
磁気インピーダンス(MI)効果を利用した金属磁性材
料で形成された薄膜状磁気センサで、これはガラスなど
の基板2の上にツヅラ折れのミアンダ形状に形成され、
この両端に端子3、3が形成されている。
波数が一定で磁性体の透磁率μの変化が一定であるとす
れば、素子の表皮深さδならびに、素子の幅、長さ、厚
さといった形状によりインピーダンスの比例定数が決定
される。また特に素子の厚さと表皮深さの比が重要とな
り素子厚さと表皮深さの2倍の比が1である場合にMI
効果は最も効率的なものとなる。したがって、MI効果
を最も効率よく利用するためには、通電する高周波電流
の周波数により、素子となる金属磁性体は、素子の厚さ
を調整する。
うことで結晶系軟磁性材料によるMI素子を作成する場
合、結晶系軟磁性材料で生じる垂直異方性などによる透
磁率の減少を抑えるため、薄膜状磁気センサ1の断面構
造は、図2に示すように軟磁性材料4とTiなどの非磁
性材料5を交互に重ねた多層構造とすることが好まし
い。また薄膜状磁気センサ1は、厚さ数μmの軟磁性材
料4と非磁性材料5をスパッタ法にて作成し、イオンミ
リングによりミアンダ形状に形成したものである。
同等の抵抗率を有し、磁性材料4の結晶構造を乱さない
材料を選択し、高周波電流の流れる抵抗素子として考え
た場合、高周波電流はセンサ素子内を均一に流れている
と考えることができるように設計する。またこの場合の
異方性容易軸は素子作製時に磁石により図1に示すミア
ンダ形状の幅方向A−A' の方向に付与している。
磁気センサ1、1を図3に示すように、軟磁性材料6を
用いてH形に形成した支持台7の水平部7aの上面に2
個並列して取付ける。この場合、ミアンダ形状の薄膜状
磁気センサ1、1は図4に示すようにシート状磁気媒体
8に対向して、その移動方向に沿って並設されている。
組込み、シート状磁気媒体8が搬送されて来ると、この
外部信号磁界12を非接触の状態で磁気センサ1により
検出する。この磁気センサ1の磁気インピーダンス(M
I)効果は、端子3、3に高周波電流を通電すると、外
部信号磁界12によって磁性材料4の透磁率が変化する
ことに伴い、磁性材料4の電気的インピーダンスが変化
する現象を利用したもである。
成分Rとインダクタンス成分Lが高周波電源11に直列
に接続された構成となる。このMI効果により磁気セン
サ1は、10-6〜10 Oeの磁界分解能をもち、かつ
MR効果でいうところの、電気抵抗変化率すなわちイン
ピーダンス変化率もMR素子の数十倍の変化率を有する
特性がある。
料4と非磁性材料5を交互に重ねた多層構造とし、非磁
性材料4は軟磁性材料5と同等の抵抗率を有し、磁性材
料の結晶構造を乱さない材料を選択すれば、高周波電流
の流れる抵抗素子として考えた場合、高周波電流はセン
サ素子内を厚さ方向に均一に流れて、結晶系軟磁性材料
で生じる垂直異方性による透磁率の減少を低く抑えるこ
とができる。
ほどインピーダンスの変化量が大きくなるので、素子形
状をミアンダ形状とすることにより検出時のインピーダ
ンス出力を大きくすることができる。
磁性材料6でH形に形成した支持台7の水平部7aの上
面に取付けられているので、支持台7を構成する軟磁性
材料6が磁気シールド材9となり、磁気センサ1の背
面、前面および後面が磁気シールドされ、センサ面以外
のあらゆる方向からの磁気的雑音が排除され、シート状
磁気媒体8と対向するセンサ面のみで磁気媒体8からの
漏洩磁界を有効に検出すことができる。この場合、磁気
シールド材9として軟磁性材料6を用いているので地磁
気や低い周波数の磁気雑音を有効にシールドすることが
できる。
幅方向に異方性容易軸を付与してあるので、シート状磁
気媒体8からの外部信号磁界12は、軟磁性材料4の長
手方向から感受される。またこの磁気センサ1は図4の
ように、シート状磁気媒体8の移動方向に対して2個並
設してあるので、2個の磁気センサ1、1に同時に入る
ような磁気雑音はインピーダンス検波後、電気的に差動
を取ることにより除去し、またある勾配を持つ磁界が磁
気センサ1に感受された場合のみ、その信号だけを差動
により取り出すことにより、磁気センサ全面でシート状
磁気媒体8から漏洩する外部信号磁界12を高感度に感
受することができる。
を示すもので、ミアンダ形状の薄膜状磁気センサ1、1
を、軟磁性材料6を用いてH形に形成した支持台7の水
平部7aの上面に2個並列して取付けると共に、シート
状磁気媒体8の侵入側に、磁極の方向が磁気媒体8の進
行方向と直交するように永久磁石13を取付けたもので
ある。この場合、永久磁石13は軟磁性材料6で凹型の
ヨーク14を組み、このヨーク14と前記支持台7の垂
直部7bとの間にスぺーサー15を設けて一体に構成し
たものである。
漏洩する磁界により、この近傍を通過する微小残留磁化
のシート状磁気媒体8に着磁させて残留磁化を大きくす
ると共に、磁気センサ1にバイアス磁化を印加して高感
度化させたものである。
Oeの磁界を外部から印加した場合、図8に示すよう
なインピーダンスの変化を示す。これから1 Oe当た
りのインピーダンスの変化量は18.6Ω/Oeと良好
なインピーダンス特性を示し、この最大値は約±3.5
Oe付近にあり、これは磁気センサ1に用いた軟磁性
材料4の異方性磁界HKとほぼ一致する。このため、永
久磁石13から漏洩する磁界により、磁気センサ1に予
め数Oeのバイアス磁場を印加させておくことにより、
最も高感度な状態で外部信号磁界12を検出することが
できる。
を磁気センサ1の付近で数Oe程度にするために図7に
示すように、軟磁性材料6で形成したヨーク14の内側
に永久磁石13を支持して、磁気センサ1側の軟磁性材
料6を帰磁路として作用させて、磁気センサ1側へ漏洩
する磁束を少なくすると共に、スぺーサー15を設けて
その大きさを調整できるようになっている。なお永久磁
石13の磁極の方向に沿った上端は、凹型のヨーク14
から露出しているので、ここから上方に漏洩する磁束は
多くなり、シート状磁気媒体8の微弱な残留磁化を増大
させることができる。
磁石13の漏洩磁束により、残留磁化の微弱なシート状
磁気媒体8の信号を増大させると同時に、バイアス磁化
を印加することにより磁気センサ1の検出感度を最適条
件に設定することができ、シート状磁気媒体8の磁気を
非接触状態で高感度に検出することが可能となった。
施の形態を示すもので、図6の構成に加えて支持台7の
シート状磁気媒体退出側にも、スぺーサー15を介して
ヨーク14で保持した永久磁石13を一体に取付けたも
のである。
両側に永久磁石13、13が設けられているので図10
に示すように、この間を流れる磁束が均一になり、並設
した磁気センサ1、1に均等なバイアス磁化を印加する
ことができる。このため両者の電気的な差動を取ること
により磁気雑音を除去する場合に、両者のバイアス磁化
は均等になるので外部信号磁界12を更に高感度に感受
することができる。
示すもので、支持台7を軟磁性材料6では角筒状に形成
し、この上部側に水平に設けた水平部7aの上面に磁気
センサ1、1が並設して取付けられている。また支持台
7のシート状磁気媒体8の侵入側と退出側の垂直部7
b、7cの上部を細く形成して、ここにコイル16、1
6を巻回して電磁石17、17が形成されている。
の両側に電磁石17、17が設けられているので、この
間を流れる磁束が均一になり、並設した磁気センサ1、
1に均等なバイアス磁化を印加することができる。
料4と非磁性材料5をスパッタ法にて作成し、イオンミ
リングによりミアンダ形状に形成した薄膜状磁気センサ
1について示したが、磁気インピーダンス(MI)効果
を有するアモルファスワイヤをミアンダ形状に加工した
ものでも良い。また上記説明では、磁気センサ1として
磁気インピーダンス(MI)効果を利用したセンサを取
付けた構造について示したが、磁気抵抗(MR)効果を
利用したセンサを用いても良い。
で形成し、支持台自体が磁気シールド作用をなす構造に
ついて示したが、支持台7の表面に磁気シールド板を貼
付した構造でも良い。更に上記説明ではシート状磁気媒
体8を非接触状態で検出する装置について説明したが、
接触形の装置にも適用することができる。
ーNbを用い、非磁性材料5としてTtを用いて、スパ
ッタ法にて交互に積層して厚さ2μmに形成し、これを
イオンミリングにより幅100μm、長さ8mmの短冊
状に形成し、これを直列に接続してミアンダ形状に形成
した磁気センサ1を作成した。この2個の磁気センサ
1、1ガラス基板2の上に並設して、軟磁性材料6とし
てMnーZnフライトを用いてH形に形成した支持台7
の上面に取付けて図3に示す磁気検出装置10を作成し
た。これに磁気インクを印刷したシート状磁気媒体8を
非接触状態で通過させてその磁気を検出した。この結
果、シート状磁気媒体8の残留磁化が作り出す磁界10
-4Oeのものまで検出することができた。
横にアルミニウウム板で形成したスぺーサー15を介し
て、パーマロイで形成した凹型のヨーク14に支持し
た、SmーCo永久磁石13を取付けて、図6に示す磁
気バイアスを付加した構造の磁気検出装置10を作成し
た。これに磁気インクを印刷したシート状磁気媒体8を
非接触の状態で通過させてその磁気を検出した。この結
果、シート状磁気媒体8の残留磁化が作り出す磁界10
-6Oeのものまで検出することができた。
記載の磁気検出装置によれば、金属磁性材料で形成され
たミアンダ形状の薄膜状磁気センサを、磁気媒体の進行
方向と平行に支持台に配置し、この磁気センサの磁気媒
体との対向面を除いて、軟磁性材料で形成した磁気シー
ルド材を設けたので、非接触状態においても外部磁気雑
音の影響を少なくして高い磁界分解能により高感度に読
取ることができると共に、装置の小形化を図ることがで
きる。
センサの磁気媒体侵入側に、磁極の方向が磁気媒体の進
行方向と直交するように磁石を取付けることにより、残
留磁化の微弱なシート状磁気媒体に着磁させて信号を増
大させると共に、磁気センサにバイアス磁化を印加して
検出感度を最適条件に設定することにより、磁気媒体を
非接触状態で高感度に検出することができる。
センサの磁気媒体侵入側と退出側に、磁極の方向が磁気
媒体の進行方向と直交するように磁石を取付けて、磁気
センサの両側からバイアス磁化を印加するので、複数の
磁気センサを並設した場合に、均等なバイアス磁化が印
加され、外部信号磁界を高感度に感受することができ
る。
の磁気センサ側に帰磁路を設けたので、磁石からセンサ
側に漏洩する磁束を小さくして磁気センサを最適な状態
に保持できると同時に、シート状磁気媒体に対しては大
きな磁束を印加させて残留磁化を増大させることができ
る。
状磁気センサが磁気インピーダンス効果を利用したも
の、または磁気抵抗効果を利用した磁気センサで形成さ
れているので磁気分解能に優れており、残留磁化の微弱
なシート状磁気媒体の信号でも検出することができる。
媒体の進行面と平行に複数個並設されているので、これ
らの磁気センサに同時に入るような磁気雑音は、電気的
に差動を取ることにより除去して、信号磁界だけを高感
度に感受することができる。
気センサを示す平面図である。
視図である。
る。
の等価回路図である。
斜視図である。
した特性図である。
装置の斜視図である。
出装置の斜視図である。
3)
媒体とが相対的に移動して、磁気媒体の磁気を検出する
磁気検出装置の改良に関するものである。
微細ピンホールの検査など非破壊検査や、ロータリーエ
ンコーダーの回転角モニタ、リニヤスケールの位置モニ
タ等の制御や位置情報、あるいは磁気インクで印刷した
シート類からの不均一かつ微弱な漏れ磁界の検出、ID
カードやプリペイドカード、電子キーの磁気情報の読取
りなど様々な分野で利用されている。
IDカード、プリペイドカードなどカード状の磁気媒体
から磁気情報を読取る磁気検出装置は、コイルを用いた
磁気センサが用いられている。この磁気センサは上下の
ローラで搬送されてきた磁気媒体がセンサヘッドに接触
して、磁気によりコイルに誘導電流が発生し、この電流
量の変化から磁気情報を読取るようになっている。
磁気媒体と接触するのでセンサヘッドにゴミが付着して
読取り不良を起こし、定期的にセンサヘッドをクリーニ
ングしなければならずメンテナンスが必要であった。ま
た変形したカードや異物が接触するとヘッドが損傷する
問題もあった。
なえる磁気センサの開発が要望されているが、特に磁気
インクで印刷したような残留磁化の小さいシート類を非
接触状態で読取るのは難しかった。磁気センサとして
は、コイル型の他に、ホール効果、磁気抵抗(MR)効
果を利用したセンサ素子や、フラックスゲート型磁気セ
ンサが一般的でこれらは全て、被検出量を磁界を介して
電気的信号に変換する電子デバイスである。
解能は10-1〜105 Oe(エルステッド)程度で、微
弱な残留磁化の媒体から信号を検出することは非常に困
難であった。またフラックスゲートセンサーの磁界分解
能は10-6〜10 Oeの高い分解能を持ち感度として
問題はないが、センサヘッドの寸法が数十mmと長く、
微弱な残留磁化しか持たず、微小空間に限定された記録
媒体の表面磁界を局部的に検出することは困難であっ
た。
ワイヤや軟磁性薄膜を用いた磁気インピーダンス(M
I)効果を利用した素子の開発が近年、進められてい
る。このMI効果は、外部印加磁界によって磁性材料の
透磁率が変化することに伴い、磁性材料の電気的インピ
ーダンスが変化する現象であり、これを利用したものが
各種提案されている。このMI効果を利用した素子はフ
ラックスゲートセンサーと同等の10-6〜10 Oeの
磁界分解能をもち、かつMR効果でいうところの、電気
抵抗変化率に相当するインピーダンス変化率もMR素子
の数十倍の変化率を持つという特性がある。
題点を解決して、非接触状態においても外部磁気雑音の
影響を少なくして高い磁界分解能により、残留磁化の微
弱な磁気媒体から磁気情報を高感度に読取ることができ
ると共に、装置の小形化を可能にした磁気検出装置を提
供するものである。
磁気検出装置は、磁気センサとシート状磁気媒体とが相
対的に移動して、磁気媒体の磁気を検出する磁気検出装
置において、金属磁性材料で形成されたミアンダ形状の
薄膜状磁気センサを、シート状磁気媒体の進行面と平行
に複数個並設して支持台に配置し、この磁気センサの少
なくともシート状磁気媒体との対向面を除いて、軟磁性
材料で形成した磁気シールド材を設けると共に、薄膜状
磁気センサの磁気媒体侵入側に、磁極の方向が磁気媒体
の進行方向と直交するように磁石を取付けると共に、こ
の磁石と磁気センサとの間に帰磁路を設けて磁石から磁
気センサ側へ漏洩する磁束を少なくしたことを特徴とす
るものである。
は、磁気センサとシート状磁気媒体とが相対的に移動し
て、磁気媒体の磁気を検出する磁気検出装置において、
金属磁性材料で形成されたミアンダ形状の薄膜状磁気セ
ンサを、シート状磁気媒体の進行面と平行に複数個並設
して支持台に配置し、この磁気センサの少なくともシー
ト状磁気媒体との対向面を除いて、軟磁性材料で形成し
た磁気シールド材を設けると共に、磁気センサの磁気媒
体侵入側に、軟磁性材料で形成した帰磁路となる凹型の
ヨークを設けて、この内側に磁極の方向が磁気媒体の進
行方向と直交するように磁石を取付けて、この磁石の少
なくともシート状磁気媒体との対向面を除いて磁気シー
ルドして磁気センサ側へ漏洩する磁束を少なくしたこと
を特徴とするものである。
は、薄膜状磁気センサの磁気媒体侵入側と退出側に、磁
極の方向が磁気媒体の進行方向と直交するように磁石を
取付けると共に、この磁石と磁気センサとの間に帰磁路
を設けて薄膜状磁気センサに均等なバイアス磁化を印加
することを特徴とするものである。
ないし図6を参照して詳細に説明する。図において1は
磁気インピーダンス(MI)効果を利用した金属磁性材
料で形成された薄膜状磁気センサで、これはガラスなど
の基板2の上にツヅラ折れのミアンダ形状に形成され、
この両端に端子3、3が形成されている。
波数が一定で磁性体の透磁率μの変化が一定であるとす
れば、素子の表皮深さδならびに、素子の幅、長さ、厚
さといった形状によりインピーダンスの比例定数が決定
される。また特に素子の厚さと表皮深さの比が重要とな
り素子厚さと表皮深さの2倍の比が1である場合にMI
効果は最も効率的なものとなる。したがって、MI効果
を最も効率よく利用するためには、通電する高周波電流
の周波数により、素子となる金属磁性体は、素子の厚さ
を調整する。
いうことで、結晶系軟磁性材料によるMI素子を作成す
る場合、結晶系軟磁性材料で生じる垂直異方性などによ
る透磁率の減少を抑えるため、薄膜状磁気センサ1の断
面構造は、図2に示すように軟磁性材料4とTiなどの
非磁性材料5を交互に重ねた多層構造とすることが好ま
しい。また薄膜状磁気センサ1は、厚さ数μmの軟磁性
材料4と非磁性材料5をスパッタ法にて作成し、イオン
ミリングによりミアンダ形状に形成したものである。
同等の抵抗率を有し、磁性材料4の結晶構造を乱さない
材料を選択し、高周波電流の流れる抵抗素子として考え
た場合、高周波電流はセンサ素子内を均一に流れている
と考えることができるように設計する。またこの場合の
異方性容易軸は素子作製時に磁石により図1に示すミア
ンダ形状の幅方向A−A' の方向に付与している。
磁気センサ1、1を図3および図4に示すように、軟磁
性材料6を用いてH形に形成した支持台7の水平部7a
の上面に2個並列して取付ける。この場合、ミアンダ形
状の薄膜状磁気センサ1、1は図5に示すようにシート
状磁気媒体8に対向して、その移動方向に沿って並設さ
れている。
の方向が磁気媒体8の進行方向と直交するように永久磁
石13が取付けられている。この場合、永久磁石13は
軟磁性材料6で凹型のヨーク14を組み、このヨーク1
4と前記支持台7の垂直部7bとの間にスぺーサー15
を設けて一体に構成し、この磁石12の少なくともシー
ト状磁気媒体8との対向面を除いて磁気シールドして薄
膜状磁気センサ8側へ漏洩する磁束を少なくしたもので
ある。
組込み、シート状磁気媒体8が搬送されて来ると、永久
磁石13から漏洩する磁界により、この近傍を通過する
微小残留磁化のシート状磁気媒体8に着磁させて残留磁
化を大きくすると共に、磁気センサ1にバイアス磁化を
印加する。シート状磁気媒体8が磁気センサ1に近接し
てこれと平行に移動すると、シート状磁気媒体8からの
外部信号磁界12を非接触の状態で磁気センサ1により
検出する。この磁気センサ1の磁気インピーダンス(M
I)効果は、端子3、3に高周波電流を通電すると、外
部信号磁界12によって磁性材料4の透磁率が変化する
ことに伴い、磁性材料4の電気的インピーダンスが変化
する現象を利用したもである。
成分Rとインダクタンス成分Lが高周波電源11に直列
に接続された構成となる。このMI効果により磁気セン
サ1は、10-6〜10 Oeの磁界分解能をもち、かつ
MR効果でいうところの、電気抵抗変化率すなわちイン
ピーダンス変化率もMR素子の数十倍の変化率を有する
特性がある。
料4と非磁性材料5を交互に重ねた多層構造とし、非磁
性材料4は軟磁性材料5と同等の抵抗率を有し、磁性材
料の結晶構造を乱さない材料を選択すれば、高周波電流
の流れる抵抗素子として考えた場合、高周波電流はセン
サ素子内を厚さ方向に均一に流れて、結晶系軟磁性材料
で生じる垂直異方性による透磁率の減少を低く抑えるこ
とができる。
ほどインピーダンスの変化量が大きくなるので、素子形
状をミアンダ形状とすることにより検出時のインピーダ
ンス出力を大きくすることができる。
磁性材料6でH形に形成した支持台7の水平部7aの上
面に取付けられているので、支持台7を構成する軟磁性
材料6が磁気シールド材9となり、磁気センサ1の背
面、前面および後面が磁気シールドされ、センサ面以外
のあらゆる方向からの磁気的雑音が排除され、シート状
磁気媒体8と対向するセンサ面のみで磁気媒体8からの
漏洩磁界を有効に検出すことができる。この場合、磁気
シールド材9として軟磁性材料6を用いているので地磁
気や低い周波数の磁気雑音を有効にシールドすることが
できる。
幅方向に異方性容易軸を付与してあるので、シート状磁
気媒体8からの外部信号磁界12は、軟磁性材料4の長
手方向から感受される。またこの磁気センサ1は図5の
ように、シート状磁気媒体8の移動方向に対して2個並
設してあるので、2個の磁気センサ1、1に同時に入る
ような磁気雑音はインピーダンス検波後、電気的に差動
を取ることにより除去し、またある勾配を持つ磁界が磁
気センサ1に感受された場合のみ、その信号だけを差動
により取り出すことにより、磁気センサ全面でシート状
磁気媒体8から漏洩する外部信号磁界12を高感度に感
受することができる。
から漏洩する磁界により、この近傍を通過する微小残留
磁化のシート状磁気媒体8に着磁させて残留磁化を大き
くすると共に、磁気センサ1にバイアス磁化を印加して
高感度化させることができる。
Oeの磁界を外部から印加した場合、図7に示すよう
なインピーダンスの変化を示す。これから1Oe当たり
のインピーダンスの変化量は18.6Ω/Oeと良好な
インピーダンス特性を示し、この最大値は約±3.5
Oe付近にあり、これは磁気センサ1に用いた軟磁性材
料4の異方性磁界HKとほぼ一致する。このため、永久
磁石13から漏洩する磁界により、磁気センサ1に予め
数Oeのバイアス磁場を印加させておくことにより、最
も高感度な状態で外部信号磁界12を検出することがで
きる。
を磁気センサ1の付近で数Oe程度にするために図4に
示すように、軟磁性材料6で形成したヨーク14の内側
に永久磁石13を支持して、磁気センサ1側の軟磁性材
料6を帰磁路として作用させて、磁気センサ1側へ漏洩
する磁束を少なくすると共に、スぺーサー15を設けて
その大きさを調整できるようになっている。しかも永久
磁石13の磁極の方向に沿った上端は、凹型のヨーク1
4から露出しているので、ここから上方に漏洩する磁束
は多くなり、シート状磁気媒体8の微弱な残留磁化を増
大させることができる。
磁石13の漏洩磁束により、残留磁化の微弱なシート状
磁気媒体8の信号を増大させると同時に、バイアス磁化
を印加することにより磁気センサ1の検出感度を最適条
件に設定することができ、シート状磁気媒体8の磁気を
非接触状態で高感度に検出することが可能となった。
の形態を示すもので、図3の構成に加えて支持台7のシ
ート状磁気媒体退出側にも、スぺーサー15を介してヨ
ーク14で保持した永久磁石13を一体に取付けたもの
である。
両側に永久磁石13、13が設けられているので図9に
示すように、この間を流れる磁束が均一になり、並設し
た磁気センサ1、1に均等なバイアス磁化を印加するこ
とができる。このため両者の電気的な差動を取ることに
より磁気雑音を除去する場合に、両者のバイアス磁化は
均等になるので外部信号磁界12を更に高感度に感受す
ることができる。
料4と非磁性材料5をスパッタ法にて作成し、イオンミ
リングによりミアンダ形状に形成した薄膜状磁気センサ
1について示したが、磁気インピーダンス(MI)効果
を有するアモルファスワイヤをミアンダ形状に加工した
ものでも良い。また上記説明では、磁気センサ1として
磁気インピーダンス(MI)効果を利用したセンサを取
付けた構造について示したが、磁気抵抗(MR)効果を
利用したセンサを用いても良い。
で形成し、支持台自体が磁気シールド作用をなす構造に
ついて示したが、支持台7の表面に磁気シールド板を貼
付した構造でも良い。また磁石は永久磁石に限らずコイ
ルを巻回した電磁石を用いても良い。更に上記説明では
シート状磁気媒体8を非接触状態で検出する装置につい
て説明したが、接触形の装置にも適用することができ
る。
い、非磁性材料5としてTtを用いて、スパッタ法にて
交互に積層して厚さ2μmに形成し、これをイオンミリ
ングにより幅100μm、長さ8mmの短冊状に形成
し、これを直列に接続してミアンダ形状に形成した磁気
センサ1を作成した。この2個の磁気センサ1、1をガ
ラス基板2の上に並設して、軟磁性材料6としてMnー
Znフライトを用いてH形に形成した支持台7の上面に
取付けた。
したスぺーサー15を介して、パーマロイで形成した凹
型のヨーク14に支持した、SmーCo永久磁石13を
取付けて、図3に示す磁気バイアスを付加した構造の磁
気検出装置10を作成した。これに磁気インクを印刷し
たシート状磁気媒体8を非接触の状態で通過させてその
磁気を検出した。この結果、シート状磁気媒体8の残留
磁化が作り出す10-6 Oeのものまで検出することがで
きた。
記載の磁気検出装置によれば、金属磁性材料で形成され
たミアンダ形状の薄膜状磁気センサを、シート状磁気媒
体の進行方向と平行に支持台に配置し、この磁気センサ
のシート状磁気媒体との対向面を除いて、軟磁性材料で
形成した磁気シールド材を設けたので、磁気センサのシ
ート状磁気媒体とを近接させて、非接触状態においても
外部磁気雑音の影響を少なくして高い磁界分解能により
高感度に読取ることができると共に、装置の小形化を図
ることができる。
に複数個並設されているので、これらの磁気センサに同
時に入るような磁気雑音は、電気的に差動を取ることに
より除去して、信号磁界だけを高感度に感受することが
できる。
の方向が磁気媒体の進行方向と直交するように磁石を取
付けることにより、残留磁化の微弱なシート状磁気媒体
に着磁させて信号を増大させると共に、磁気センサにバ
イアス磁化を印加して検出感度を最適条件に設定するこ
とにより、磁気媒体を非接触状態で高感度に検出するこ
とができる。また磁石の磁気センサ側に帰磁路を設けた
ので、磁石からセンサ側に漏洩する磁束を小さくして磁
気センサを最適な状態に保持できると同時に、シート状
磁気媒体に対しては大きな磁束を印加させて残留磁化を
増大させることができる。
性材料で形成したヨークの内側に磁石を支持し、磁極の
方向に沿った上端を、凹型のヨークから露出させている
ので、ここから上方に漏洩する磁束は多くなり、シート
状磁気媒体の微弱な残留磁化を増大させることができる
と共に、磁気センサ側へ漏洩する磁束を少なくして、検
出感度を最適条件に設定することができる。
台に取付けた磁気センサの両側に磁石が設けられている
ので、この間を流れる磁束が均一になり、並設した磁気
センサに均等なバイアス磁化を印加することができ、両
者の電気的な差動を取ることにより磁気雑音を除去する
場合に、両者のバイアス磁化は均等になるので外部信号
磁界を更に高感度に感受することができる。
気センサを示す平面図である。
斜視図である。
る。
の等価回路図である。
した特性図である。
装置の斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 磁気センサと磁気媒体とが相対的に移動
して、磁気媒体の磁気を検出する磁気検出装置におい
て、金属磁性材料で形成されたミアンダ形状の薄膜状磁
気センサを、磁気媒体の進行方向と平行に支持台に配置
し、この磁気センサの少なくとも磁気媒体との対向面を
除いて、軟磁性材料で形成した磁気シールド材を設けた
ことを特徴とする磁気検出装置。 - 【請求項2】 磁気センサと磁気媒体とが相対的に移動
して、磁気媒体の磁気を検出する磁気検出装置におい
て、金属磁性材料で形成されたミアンダ形状の薄膜状磁
気センサを、磁気媒体の進行方向と平行に支持台に配置
し、この磁気センサの少なくとも磁気媒体との対向面を
除いて、軟磁性材料で形成した磁気シールド材を設ける
と共に、磁気センサの磁気媒体侵入側に、磁極の方向が
磁気媒体の進行方向と直交するように磁石を取付けたこ
とを特徴とする磁気検出装置。 - 【請求項3】 磁気センサの磁気媒体侵入側と退出側
に、磁極の方向が磁気媒体の進行方向と直交するように
磁石を取付けたことを特徴とする請求項2記載の磁気検
出装置。 - 【請求項4】 磁石の磁気センサ側に帰磁路を設けたこ
とを特徴とする請求項2または3記載の磁気検出装置。 - 【請求項5】 薄膜状磁気センサが磁気インピーダンス
効果を利用した磁気センサまたは磁気抵抗効果を利用し
た磁気センサで形成されていることを特徴とする請求項
1または2記載の磁気検出装置。 - 【請求項6】 磁気センサが、磁気媒体の進行面と平行
に複数個並設されていることを特徴とする請求項1また
は2記載の磁気検出装置。
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