JP3360172B2 - 磁気インピーダンスヘッドモジュール - Google Patents

磁気インピーダンスヘッドモジュール

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JP3360172B2 JP2000141454A JP2000141454A JP3360172B2 JP 3360172 B2 JP3360172 B2 JP 3360172B2 JP 2000141454 A JP2000141454 A JP 2000141454A JP 2000141454 A JP2000141454 A JP 2000141454A JP 3360172 B2 JP3360172 B2 JP 3360172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気センサに関し、
特に高感度磁気センサである磁気インピーダンスセンサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の情報機器や計測・制御機器の急速
な発展にともない小型・低コストで高感度・高速応答の
磁気センサの要求がますます大きくなっている。たとえ
ば、カードリーダー、交通機関の自動改札装置及び紙幣
検査装置等における磁気印刷や磁気記録の密度が高くな
っていること、及び非接触で読取りたいという要求があ
ることから、磁気抵抗効果(MR)センサに代わり微弱な
表面磁束を感度良く検出できる小型の磁気検出素子の需
要が大きくなっている。
【0003】現在、用いられている代表的な磁気検出素
子として誘導型再生磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)素
子、フラックスゲートセンサ、ホール素子等がある。ま
た、最近、アモルファスワイヤーの磁気インピーダンス
効果(特開平6-176930号公報、特開平7-181239号公報、
特開平7-333305号公報)や、磁性薄膜の磁気インピーダ
ンス効果(特開平8-75835 号公報、日本応用磁気学会誌
vol.20,553(1996)参照)を利用した高感度の磁気センサ
が提案されている。
【0004】誘導型再生磁気ヘッドは、コイル巻線が必
要であるため磁気ヘッド自体が大型化するという問題が
ある。また、仮に小型化しようとしても磁気ヘッドと媒
体の相対速度が低下して検出感度が著しく低下するとい
う問題がある。これに対して、強磁性膜による磁気抵抗
効果(MR)素子が用いられるようになってきた。MR素
子は磁束の時間変化ではなく磁束そのものを検出するも
のであり、これにより磁気ヘッドの小型化が進められて
きた。
【0005】しかし、現在のMR素子、たとえばスピン
バルブ素子を用いたMR素子でさえ電気抵抗の変化率が
最大6%以下と小さく、また数%の抵抗変化を得るのに
必要な外部磁界は1.6kA/m 以上と大きい。従って磁気
抵抗感度は0.001 %/(A/m)以下の低感度である。ま
た、最近、磁気抵抗変化率が数10%を示す人工格子によ
る巨大磁気抵抗効果(GMR) が見いだされてきた。し
かし、数10%の抵抗変化を得るためには数十A/m の外
部磁界が必要である。
【0006】フラックスゲートセンサはパーマロイ等の
高透磁率磁心の対称なB-H 特性が外部磁界によって変化
することを利用して磁気の測定を行うものであり、高分
解能と±1°の高指向性を有する。しかし、検出感度を
あげるために大型の磁心を必要としセンサ全体の寸法を
小さくすることが難しく、また、消費電力が大きいとい
う問題点がある。
【0007】ホール素子を用いた磁界センサは電流の流
れる面に垂直に磁界を印加すると、電流と印加磁界の両
方向に対して垂直な方向に電界が生じてホール素子に起
電力が誘起される現象を利用したセンサである。ホール
素子はコスト的には有利であるが磁界検出感度が低く、
また、SiやGaAsなどの半導体で構成されるため温度変化
に対して半導体内の格子の熱振動による散乱によって電
子、または正孔の移動度が変化するため磁界感度の温度
特性が悪いという欠点を持つ。
【0008】上述したように特開平6-176930号公報、特
開平7-181239号公報、特開平7-333305号公報により磁気
インピーダンス素子が提案され、この磁気インピーダン
ス素子により大幅な磁界感度の向上が図られている。こ
の磁気インピーダンス素子は、時間的に変化する電流を
磁性線に印加することによって生じる円周磁束の時間変
化に対する電圧のみを、外部印加磁界による変化として
検出することを基本原理としている。
【0009】図14はその磁気インピーダンス素子の例
を示したものである。図14の磁気インピーダンス素子
1では、磁性線2としてFeCoSiB 等の零磁歪の直径30μ
m 程度のアモルファスワイヤ(線引後、張力アニールし
たワイヤ)が用いられている。図15はワイヤ(例えば
図14の磁性線2)のインピーダンス変化の印加磁界依
存性を示したものである。長さ1mm 程度の微小寸法のワ
イヤでも10MHz程度の高周波電流を通電するとワイヤの
電圧の振幅がMR素子の100 倍以上である約0.1%/(A
/m)の高感度で変化する。図15は、バイアス磁界を加
えることによりインピーダンス変化の印加磁界依存性の
直線性が改善されること、及びアモルファスワイヤに負
帰還コイルを巻き、アモルファスワイヤの両端の電圧に
比例した電流をコイルに通電し負帰還を施すことによ
り、直線性が優れたしかもセンサ部の温度変化に対して
磁界検出感度の不変なセンサを提供できることを示して
いる。
【0010】しかしながら、この高感度磁気インピーダ
ンス素子は直径30μm 程度のアモルファスワイヤからな
るため微細加工には適しておらず、超小型の磁気検出素
子を提供することは困難であった。また、バイアスコイ
ルおよび負帰還コイルはともに細い銅線を巻き回して作
製しなければならず小型化するには限界があり、かつ、
生産性の面でも問題があった。
【0011】また、局所磁界を検出するためには被測定
物3に対してアモルファスワイヤ4を図16に示すよう
に縦方向もしくは横方向(図17)として使わなければ
ならないため、アモルファスワイヤ4の端子部分、バイ
アスコイル(図示省略)または負帰還コイル(図示省
略)の巻き回し部分の厚みが生じ、被測定物3との距離
Lが生じる。そのため、カードリーダー、交通機関の自
動改札装置、紙幣検査装置など、被測定物3に接触する
可能性のある使用方法に問題がある。図16及び図17
において、5は銅板、6は半田、7は磁界感度範囲を示
す。
【0012】ところで、紙幣検出装置に用いられる紙幣
用磁気検出センサでは、例えば図18に示すMR素子を
使用している。この紙幣用磁気検出センサ8では、図1
9に示すように、2つのMR素子9を使用して紙幣検出
を行っている。MR素子9の特性は、図20に示すよう
になり、磁石10の磁界(バイアス磁界)で線形性が得
られるように基準点を移動させている。また、磁石10
は紙幣に印刷されている磁気インクの着磁にも使用され
ている。
【0013】この紙幣用磁気検出センサ8の構造では、
紙幣(被測定物3)とMR素子9の間にケース11の厚
み( 250μm程度)分の距離があり、紙幣の磁気検出が
低下する。また、MR素子9の検出感度が低い分、紙幣
と磁気検出センサを密着させる必要がある。一方、発明
者らは特願平9-269084号において薄膜コイルを薄膜磁気
コアの周囲に立体的に巻き回し、バイアスコイルと負帰
還コイルを具備した小型の磁気インピーダンス素子を提
案している。
【0014】この磁気インピーダンス素子を使用した磁
気センサは、図21に示すように、負帰還コイル12及
びバイアスコイル13を磁気コア14に巻回して設けた
2つの薄膜磁気インピーダンス素子15を備えた磁気イ
ンピーダンスヘッドスライダーと、2つの薄膜磁気イン
ピーダンス素子15を駆動する駆動回路18とから大略
構成されている。駆動回路18は、2つの薄膜磁気イン
ピーダンス素子15に高周波電流を供給する発振回路1
9と、2つの薄膜磁気インピーダンス素子15からの信
号を検波する検波回路20と、検波回路20からの電流
を差動増幅して出力する増幅回路21と、増幅回路21
の出力部と負帰還コイル12との間に介装されて増幅回
路21からの出力信号を負帰還コイル12に負帰還させ
る負帰還部22(負帰還抵抗)とから大略構成されてい
る。
【0015】そして、発振回路19の出力を薄膜磁気イ
ンピーダンス素子15に高周波通電し、薄膜磁気インピ
ーダンス素子15の出力を検波回路20(検波回路20
に設けた図示しないピークホールド回路)で差動検波
し、増幅回路21で増幅している。図22に、薄膜磁気
インピーダンス素子15を2つ使用した他のタイプの磁
気センサ回路を示す。この磁気センサ回路は、図23に
示すように、0.025V/(A/m)の感度を有する直線性に優
れた出力特性を示す。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】磁気センサとしては、
小型で低コスト、かつ、検出磁界に対する出力の直線
性、温度特性に優れた高感度磁気センサであり、かつ、
微細で微小磁界を検出するために被測定物3との距離を
極力、近づける必要がある。磁気センサとしてMR素子
9では磁界感度が低いため、被測定物3を近づける必要
があるが、現状の紙幣検出用磁気センサとして用いた場
合、ケース11の厚み( 250μm程度)分の距離を生じ
る。また、アモルファスワイヤ4を使用した高感度磁気
センサでは、被測定物3との距離が大きいことから、微
細な磁界検出を十分には行えない上、生産性の面で問題
がある。
【0017】発明者らは特願平9-269084号において薄膜
コイルを薄膜磁気コアの周囲に立体的に巻き回し、バイ
アスコイルと負帰還コイルを具備した小型の磁気インピ
ーダンス素子(薄膜MI素子)を提案している。しか
し、図24及び図25に示すように、磁気センサとして
動作させるため、回路基板上に薄膜磁気インピーダンス
素子15A(薄膜MI素子15A)を搭載し、薄膜MI
素子15Aと回路(駆動回路など)を金のワイヤーボン
ディング23を用いて接続し、樹脂でコーティング24
を施す必要がある。この図24及び図25に示す磁気セ
ンサでは、薄膜磁気素子と被測定物3との距離が大きく
なり、微小で微細な磁界を検出するのには適していな
い。また、上記従来技術では、被測定物3との接触をス
ムーズに行えず、その分、良好な測定が阻害され信頼性
が低下しているというのが実情であった。
【0018】本発明は上記事情を鑑みてなされたもので
あり、被測定物に円滑に接触して被測定物のスムーズな
動きが確保され、良好な磁界検出を行なえひいては信頼
性の向上を図ることができる磁気インピーダンスヘッド
モジュールを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
非磁性体からなる基板と、該基板上に薄膜磁気コアと、
該薄膜磁気コアの長手方向両端に設けられた第1の電極
及び第2の電極と、前記薄膜磁気コアに絶縁体を介して
設けた薄膜バイアスコイル及び薄膜負帰還コイルとを
一面側に形成した磁気インピーダンスセンサヘッドスラ
イダーと、発振回路及び検波・増幅回路を有する駆動回
と、からなる磁気インピーダンスヘッドモジュールで
あって、前記駆動回路すべてが、前記同一面側に搭載さ
れ、前記基板における薄膜磁気コアが形成された面と反
対側の面部の角部及び辺部はエッジブレンドされてお
り、前記面部を被測定物との接触面としたことを特徴と
する。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成において、前記基板の厚さは、 100μm以下である
とを特徴とする。
【0021】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2に記載の構成において、駆動回路及び磁気インピ
ーダンスセンサヘッドスライダーをボールグリッドアレ
イにより接続し、一体化したことを特徴とする。請求項
4記載の発明は、請求項3に記載の構成において、ボー
ルグリッドアレイは半田ボールからなることを特徴とす
【0022】請求項5記載の発明は、請求項3に記載の
構成において、ボールグリッドアレイはAuボールからな
ことを特徴とする
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
の磁気インピーダンスヘッドモジュールを図1ないし図
3に基づいて説明する。この磁気インピーダンスヘッド
モジュールは、ガラス、セラミックス、シリコン等の非
磁性体からなる略矩形の基板30と、基板30上に搭載
された薄膜磁気インピーダンス素子15A(薄膜MI素
子15A)とを備えた磁気インピーダンスセンサヘッド
スライダー(MIセンサヘッドスライダー31)と、薄
膜MI素子15Aを駆動する図示しない駆動回路18
(図22参照)とから大略構成されている。
【0024】駆動回路18は、薄膜MI素子15Aに高
周波電流を供給する発振回路19(図22参照)と、薄
膜MI素子15Aからの信号を検波する検波回路20
(図22参照)と、検波回路20からの電流を差動増幅
して出力する増幅回路21(図22参照)と、増幅回路
21の出力部と負帰還コイル12との間に介装されて増
幅回路21からの出力信号を負帰還コイル12に負帰還
させる負帰還部22(負帰還抵抗)〔図22参照〕とか
ら大略構成されている。
【0025】薄膜MI素子15Aは、矩形薄板状の薄膜
磁気コア14を有している。薄膜磁気コア14には図示
しない絶縁体を介して負帰還コイル12及びバイアスコ
イル13が巻回されている。負帰還コイル12及びバイ
アスコイル13は交互に巻回されている。負帰還コイル
12の両端には負帰還コイル端子32が接続されてい
る。バイアスコイル13の両端にはバイアスコイル端子
33が接続されている。薄膜磁気コア14の両端は第1
の電極及び第2の電極(符号省略)を構成し、当該両端
には、薄膜MIセンサ端子34が接続されている。前記
各端子32,33,34の先端には幅広部(符号省略)
が形成されており、当該幅広部が外部配線用の接続パッ
ドを構成している。
【0026】MIセンサヘッドスライダー31には薄膜
MI素子15Aを覆うように、シリコン、エポキシ、フ
ェノール、ポリイミド、ノルボック系樹脂、またはセラ
ミックスからなる図示しないコーティング24が施され
ている。また、MIセンサヘッドスライダー31におけ
る薄膜MI素子15Aを搭載した側(請求項1の同一面
側に相当する。)に前記駆動回路18が搭載されてい
る。薄膜磁気コア14は、NiFe、CoFe、NiFeP 、FeNiP
、FeCoP 、FeNiCoP 、CoB、NiCoB 、FeNiCoB 、FeCoB
、CoFeのめっき膜、あるいはCoZrNb、FeSiB 、CoSiB
のアモルファススパッタ膜、NiFeスパッタ膜により形成
されている。
【0027】この実施の形態の磁気インピーダンスヘッ
ドモジュールは、紙幣や磁気カードなどの被測定物3の
検出などに用いられ、前記基板30における薄膜磁気コ
ア14が形成された面と反対側の面部(以下、裏面部3
0aという。)を、後述する段落「0032」及び図2
に示すように、被測定物3と接触させるようにしてい
る。基板30の厚さは 100μm以下に設定されている。
また、基板30の裏面部30aにおける角部及び辺部は
エッジブレンドが施されており、湾曲した形状(丸み3
5をもった形状)とされている。
【0028】上述したように構成された磁気インピーダ
ンスヘッドモジュールでは、薄膜磁気コア14に負帰還
コイル12及びバイアスコイル13を巻回して薄膜MI
素子15Aを構成しており、薄膜MI素子15Aが、上
述したように薄膜コイルを薄膜磁気コア14の周囲に立
体的に巻き回し、バイアスコイル13と負帰還コイル1
2を具備した小型の磁気インピーダンス素子(図21及
び図22参照)と同様に小型化を図ることができると共
に、この小型化に伴い装置の低廉化を図ることが可能と
なる。
【0029】また、MI素子の一例である薄膜MI素子
15Aは、図14及び図15を用いて説明したように、
感度特性が優れ、大きな出力を得ることができ、ひいて
は微細な磁界検出を行えることになる。図18及び図1
9を用いて説明した従来技術(紙幣用磁気検出センサ
8)では、微細な磁界検出を行う上で感度の面で問題が
あったが、本実施の形態では、上述したように感度特性
が優れ、微細な磁界検出を行えることから、図18及び
図19の従来技術(紙幣用磁気検出センサ8)が惹起す
る問題を改善することができる。
【0030】また、基板30の裏面部30aを被測定物
3と接触させるように構成したので、その分、被測定物
3との距離が短くなって被測定物3をより検出しやすく
なると共に、装置のコンパクト化を図ることができる。
本実施の形態では、基板30の厚さを 100μm以下に設
定しており、薄膜MI素子15Aと被測定物3との間の
距離が100μm以下となり、被測定物3を検出しやすいも
のになっている。すなわち、図18及び図19の紙幣用
磁気検出センサ8では、紙幣(被測定物3)とMR素子
9の間にケース11の厚み( 250μm程度)分の距離が
あり、磁界検出を行う上で問題があったが、本実施の形
態では、基板30の裏面部30aを被測定物3と対向さ
せ、基板30の厚さを 100μm以下に設定して上述した
ように良好な感度が確保されることから、図18及び図
19の従来技術が惹起する被測定物3との間の距離から
生ずる感度の問題を改善することができる。
【0031】また、本実施の形態では、基板30の厚さ
を 100μm以下に設定し、この基板30の裏面部30a
に被測定物3を接触するようにしているので、紙幣(被
測定物3)とMR素子9の間にケース11の厚み( 250
μm程度)分の距離が必要とされた図18及び図19の
従来技術に比して、装置の小型化を図ることができる。
【0032】また、基板30の裏面部30aにおける角
部及び辺部にはエッジブレンドが施され、丸み35が付
けられているので、前記表面部24aが被測定物3に円
滑に接触して〔すなわち、裏面部30a(基板における
薄膜磁気コアが形成された面と反対側の面部)が被測定
物との接触面とされ〕、被測定物3のスムーズな動きが
確保され、良好な検出ひいては信頼性の向上を図ること
ができる。また、薄膜磁気コア14にバイアスコイル1
3を巻回しているため、印加電圧に対するインピーダン
ス変化特性における基準点(図20参照)の移動をバイ
アスコイル13の発生する磁界で行うことができ、前記
基準点の移動のために前記MR素子9で必要とされた磁
石10が不要となると共に、基準点の移動の調整が磁石
10の場合に比して行いやすくなる。
【0033】また、本実施の形態では、MIセンサヘッ
ドスライダー31における薄膜MI素子15Aを搭載し
た側に駆動回路18を搭載しており、金のワイヤーボン
ディング23を用いて接続する従来技術(図24及び図
25参照)に比して、構成を簡易にできる。
【0034】本実施の形態では、基板30の裏面部30
aに被測定物3を接触するようにし、薄膜MI素子15
A(MIセンサヘッドスライダー31)を横方向にして
被測定物3の検出を行うようにしているが、これは次の
ように検出能力の向上を図ることができるからである。
すなわち、紙幣や磁気カードなどの被測定物3では図9
に示すような磁気分布を呈する。そして、図10に示す
ように、被測定物3(磁界分布)に対して薄膜MI素子
15Aを縦方向にして使用する場合、磁気を検出できな
い範囲40が100μm以上存在し、その分、検出能力が低
下する。これに対して、図11に示すように薄膜MI素
子15Aを横方向にして使用する場合、磁気を検出でき
ない範囲40が100μm以下に抑えられ、その分、磁気検
出できる範囲(磁気検出範囲)7が拡大することにな
り、上述したように検出能力が向上する。
【0035】本実施の形態のMIセンサヘッドスライダ
ー31を図22の回路に用いて磁気センサを構成し、そ
の出力を求めたところ、図23に示す良好な結果が得ら
れた。また、本実施の形態を用いて紙幣の磁気検出を行
ったところ、図12に示す紙幣の磁界検出結果を得るこ
とができた。この場合、紙幣と薄膜MI素子15Aとの
距離は600μmとしているが、その距離を100μmに近づけ
た場合、図13に示されるようになり、距離が600μm
(0.6mm)である場合に比して検出能力を6倍程度まで
向上できることを確認できた。
【0036】上記第1実施の形態では、基板30に1つ
の薄膜MI素子15Aを搭載した場合を例にしたが、こ
れに代えて、図4及び図5に示すように、基板30に2
つの薄膜MI素子15Aを搭載してMIセンサヘッドス
ライダー31を作製し、このMIセンサヘッドスライダ
ー31を用いて磁気インピーダンスヘッドモジュール
(第2実施の形態)を構成してもよい。
【0037】この第2実施の形態では、2つの薄膜MI
素子15Aの温度特性による同相成分を排除でき、安定
性の向上を図ることができる。また、感度特性が良い薄
膜MI素子15Aが2つあることから、さらに感度の向
上が図れる。
【0038】次に、本発明の第3実施の形態の磁気イン
ピーダンスヘッドモジュールを図6に基づいて説明す
る。この第3実施の形態では、MIセンサヘッドスライ
ダー31の接続端子と駆動回路18を半田ボールまたは
Auボールからなるボールグリッドアレイ41で接続し
て、磁気インピーダンスヘッドモジュールを構成してい
る。
【0039】この第3実施の形態では、MIセンサヘッ
ドスライダー31と駆動回路18との間にボールグリッ
ドアレイ41を介装して、MIセンサヘッドスライダー
31の接続端子に駆動回路18を接続しており、駆動回
路18の接続を容易に行えることになる。駆動回路18
のすべては、図6に示すように、基板30の裏面部30
aと反対側の面部(請求項1の同一面側に相当する。段
落「0026」参照)に搭載されている。また、基板3
0における薄膜MI素子15Aを設けた側に駆動回路1
8を配置していることから、基板30の裏面部30aを
被測定物3に接触させることが可能になる。
【0040】次に、本発明の第4実施の形態を図7及び
図8に基づいて説明する。この第4実施の形態は、略正
方形の基板30の中央部を空けて2つの薄膜MI素子1
5Aを配置し、基板30の中央部に半導体で集積した駆
動回路18を配置し、駆動回路18及びMIセンサヘッ
ドスライダー31をワイヤーボンディング23で接続
し、一体化した磁気インピーダンスヘッドチップ(磁気
インピーダンスヘッドモジュール)を構成している。こ
の第4実施の形態では、駆動回路18及びMIセンサヘ
ッドスライダー31が集約されて配置されているので、
その分、磁気インピーダンスヘッドチップ(磁気インピ
ーダンスヘッドモジュール)を小型化することができ
る。
【0041】
【発明の効果】請求項1または請求項2に記載の発明に
よれば、基板における薄膜磁気コアが形成された面と反
対側の面部を被測定物と接触させるので、被測定物との
間にケースを設けることから被測定物とセンサとの間に
ケース分の厚み分の距離が生じる従来技術に比して、磁
界検出を良好に行うことができる。また、基板における
薄膜磁気コアが形成された面と反対側の面部の角部及び
辺部はエッジブレンドされているので、被測定物に円滑
に接触して被測定物のスムーズな動きが確保され、良好
な検出ひいては信頼性の向上を図ることができる。さら
に、駆動回路すべてが、前記同一面側に搭載されている
ので、磁気インピーダンスセンサヘッドスライダーと駆
動回路が近傍に配置され装置をコンパクト化できる。請
求項3から請求項5までのいずれかに記載の発明によれ
ば、磁気インピーダンスセンサヘッドスライダーと駆動
回路との接続を容易に行えると共に、両者の一体化が可
能となり小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態の磁気インピーダンス
素子の駆動回路及び絶縁体を除いた要部を示す平面図で
ある。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の裏面図である。
【図4】本発明の第2実施の形態の磁気インピーダンス
素子の駆動回路及び絶縁体を除いた要部を示す平面図で
ある。
【図5】図4の側面図である。
【図6】本発明の第3実施の形態を模式的に示す正面図
である。
【図7】本発明の第3実施の形態を模式的に示す平面図
である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】被測定物3の磁界分布を示す模式図である。
【図10】薄膜MI素子を被測定物(磁界分布)に対し
て縦方向に配置した例を示す模式図である。
【図11】薄膜MI素子を被測定物(磁界分布)に対し
て横方向に配置した例を示す模式図である。
【図12】図1のMIセンサヘッドスライダーを図22
の回路に用いて構成した磁気センサによる紙幣の磁界検
出結果を示す図である。
【図13】紙幣と薄膜MI素子との距離を近づけた場合
に検出能力が向上することを説明するための図である。
【図14】従来の磁気インピーダンス素子を模式的に示
す図である。
【図15】図14の磁性線のインピーダンス変化の印加
磁界依存性を示す図である。
【図16】局所磁界を検出するためにアモルファスワイ
ヤを縦方向に配置した図である。
【図17】局所磁界を検出するためにアモルファスワイ
ヤを横方向に配置した図である。
【図18】紙幣用磁気検出センサの一例を示す斜視図で
ある。
【図19】図18の配線状態を示す回路図である。
【図20】図18のMR素子の特性を示す図である。
【図21】2つの薄膜磁気インピーダンス素子を設けた
磁気センサを示すブロック図である。
【図22】2つの薄膜磁気インピーダンス素子を用いて
構成した他の磁気センサを示す回路図である。
【図23】図22の磁気センサの出力特性を示す図であ
る。
【図24】薄膜MI素子と回路を金のワイヤーボンディ
ングを用いて接続した他の磁気センサを示す平面図であ
る。
【図25】図24の磁気センサを示す正面図である。
【符号の説明】
18 駆動回路 30 基板 30a 裏面部 31 MIセンサヘッドスライダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英樹 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネ ベア株式会社 浜松製作所内 (56)参考文献 特開2000−55996(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/02 G01R 33/032 - 33/09

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体からなる基板と、該基板上に 薄膜磁気コアと、該薄膜磁気コアの長手方向
    両端に設けられた第1の電極及び第2の電極と、前記薄
    膜磁気コアに絶縁体を介して設けた薄膜バイアスコイル
    及び薄膜負帰還コイルとを同一面側に形成した磁気イン
    ピーダンスセンサヘッドスライダーと、 発振回路及び検波・増幅回路を有する駆動回路と、から
    なる磁気インピーダンスヘッドモジュールであって、前記駆動回路すべてが、前記同一面側に搭載され、 前記基板における薄膜磁気コアが形成された面と反対側
    の面部の角部及び辺部はエッジブレンドされており、
    記面部を被測定物との接触面としたことを特徴とする磁
    気インピーダンスヘッドモジュール。
  2. 【請求項2】 前記基板の厚さは、 100μm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気インピーダンスヘ
    ッドモジュール。
  3. 【請求項3】 駆動回路及び磁気インピーダンスセンサ
    ヘッドスライダーをボールグリッドアレイにより接続
    し、一体化したことを特徴とする請求項1または請求項
    記載の磁気インピーダンスヘッドモジュール。
  4. 【請求項4】 ボールグリッドアレイは半田ボールから
    なることを特徴とする請求項3記載の磁気インピーダン
    スヘッドモジュール。
  5. 【請求項5】 ボールグリッドアレイはAuボールからな
    ことを特徴とする請求項3記載の磁気インピーダンス
    ヘッドモジュール。
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