JP2010042824A - 収容薬品視認性紫外線遮断多層容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器に付与した紫外線遮断性、クリーン性、ガスバリア性、視認性の各々の機能が互いに悪影響を及ぼし合うこと無く、内容物である感光性薬品の変色、変質、分解等の品質低下防止に対し最大限の効果を発現させる容器を提供する。
【解決手段】収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は添加剤不含有の高密度ポリエチレン樹脂で形成された最内層と、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素含有樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種類の樹脂で形成されたガスバリア層を有する中間層と、平均粒子径が10nm〜100nmである酸化亜鉛を、0.01〜5.0重量%含有する紫外線遮断樹脂層とが、その順で積層されており、感光性薬品を収容する容器であり、その容器全層において1nm〜380nmの紫外波長領域での吸光度を少なくとも3.0であり400nm〜800nmの波長領域での全波長光での透過率を少なくとも25%である。
【選択図】なし
【解決手段】収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は添加剤不含有の高密度ポリエチレン樹脂で形成された最内層と、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素含有樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種類の樹脂で形成されたガスバリア層を有する中間層と、平均粒子径が10nm〜100nmである酸化亜鉛を、0.01〜5.0重量%含有する紫外線遮断樹脂層とが、その順で積層されており、感光性薬品を収容する容器であり、その容器全層において1nm〜380nmの紫外波長領域での吸光度を少なくとも3.0であり400nm〜800nmの波長領域での全波長光での透過率を少なくとも25%である。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体を製造する際に使用されるフォトレジストのような感光性薬品を収容する容器であり、その感光性薬品を、品質低下させることなく安定して貯蔵しつつ、開封しなくとも外部からその残留量を視認できる収容薬品視認性紫外線遮断多層容器に関するものである。
フォトレジストのような感光性高純度薬品は、ガラス製容器やプラスチック製容器に充填して貯蔵される。ガラス製容器は、割れ易く、重量であるから、輸送の際に取扱が不便であるうえ、その内壁から金属イオンを薬品へ溶出して薬品を汚染してしまう。一方、プラスチック製容器は、落下や振動によっても割れ難く、軽量であるから、輸送の際に、ガラス製容器よりも扱い易いため、汎用されている。このようなプラスチック製容器の多くは、安価で成形し易い光透過性のポリエチレン製のものである。
このような容器が曝される自然光の中でも、特に紫外線は、C、H、Oの結合のエネルギー(70〜110kcal/mol)と同等のエネルギーを有する光である。そのような結合を有するプラスチック製容器、特にポリエチレン製容器は、紫外線の曝露、収容薬品からの溶媒ガスの透過により、容器の樹脂の劣化、変色、機械的強度の低下、収容薬品の濃度変化を、引き起こす。その結果、それに収容されている感光性薬品を劣化樹脂由来の不純微粒子により汚染させたり変質させたりしてしまう。さらに、その容器に収容された感光性薬品自体も、容器を透過した紫外線や可視光線の曝露により、品質の劣化・変質・分解を引き起こしてしまう。
そこで、感光性薬品収容用のプラスチック製容器は、容器自体やそれに収容された感光性薬品を紫外線や可視光線から保護するために、有機系又は無機系紫外線遮断剤が添加されたポリエチレン樹脂で成形されている。しかし、有機系紫外線遮断剤は、時間経過とともにブリードアウトする結果、紫外線遮断効果が低下するばかりか、かえって感光性薬品を汚染してしまう。無機系紫外線遮断剤は、容器を着色させて光透過性を低下させて紫外線遮断効果を発現するものであるから、容器を不透明にして収容薬品を見えなくしてしまう。また、プラスチック製容器壁面から感光性薬品中の溶剤の透過を抑制するために、ガスバリア性樹脂が添加されたポリエチレン樹脂で形成された容器も、このガスバリア性樹脂が感光性薬品に溶出してしまう所為で感光性薬品を汚染してしまう。
特許文献1に、紫外線遮断性、クリーン性を有する容器が開示されており、特許文献2に、紫外線遮断性、クリーン性、ガスバリア性を有する容器が開示されている。
これらの容器は、紫外線遮断性を発現させるために顔料が添加されているものであるので、不透明であり、外部から感光性薬品を視認できない。その所為で、感光性薬品、特に半導体製造に用いられるフォトレジストのような高価な感光性高純度薬品の残量を確認するには、随時容器を開封して目認しなければならず面倒なうえ、感光性薬品を外光によって劣化させてしまう恐れがある。また、外部から一見して確認できないことから、残留したまま長期放置して劣化させてしまったり、残存しているのに容器ごと誤って廃棄してしまったりする恐れがある。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、感光性薬品を収容でき、優れた紫外線遮断性、クリーン性、ガスバリア性を有することによりその感光性薬品の変色、変質、分解、不純微粒子混入などの品質低下を防止しつつ、開封することなく感光性薬品の残存量を確認できる優れた視認性を有する容器を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は、添加剤不含有の高密度ポリエチレン樹脂で形成された最内層と、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素含有樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種類の樹脂で形成されたガスバリア層を有する中間層と、平均粒子径が10nm〜100nmである酸化亜鉛を、0.01〜5.0重量%含有する紫外線遮断樹脂層とが、積層されており、感光性の薬品を収容する容器であって、その容器全層において1nm〜380nmの紫外波長領域での吸光度が少なくとも3.0であり400nm〜800nmの波長領域での全波長光での透過率が少なくとも25%であることを特徴とする。
請求項2に記載の収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は、請求項1に記載されたものであって、前記積層されて、ブロー成形されていることを特徴とする。
収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は、紫外線遮断剤、クリーン性、及びガスバリア性を有するから収容薬品を劣化させず安定して長期間保存できるという機能に加え、更に収容薬品を外部から確認できる優れた視認性を有するものである。この容器によれば、開封しなくとも収容薬品を目視できるから、その残留量を素早く確認でき、また残存薬品の誤廃棄等の人的ミスが回避可能となる。そのため収容薬品を使い切ることができ、作業を簡略化できるから、経費の削減に資する。
以下、本発明を実施するための好ましい形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は、添加剤不含有の高密度ポリエチレン樹脂製の最内層、ガスバリア性樹脂製の中間層、酸化亜鉛が含有された高密度ポリエチレン樹脂製の最外層と、各々の層を接着する接着樹脂層とからなる積層であってブロー成形されて、感光性薬品を収容する中空が形成されているものである。
最内層は、添加剤不含有の高密度ポリエチレン樹脂で形成されているから、容器に収容される感光性薬品へ添加剤由来の不純物粒子を溶出させない。そのため、不純物粒子が感光性薬品を汚染したりさらに化学反応して変質させたりするという直接的な悪影響を及ぼす恐れがなく、またその感光性薬品を用いて製造した製品の品質を低下させたり歩留まりを低下させたりして間接的に悪影響を及ぼす恐れもない。
高純度フォトレジストのような感光性薬品を用いてサブミクロンからナノオーダーまでのスケールの超微細なパターニングを行う半導体の製造過程で、このような不純物粒子が混入していると、半導体の品質や歩留まりに深刻な悪影響を及ぼす。感光性薬品を貯蔵するこの容器は、不純物粒子の溶出による薬品の汚染度合いを数値化したクリーン度が500個/ml未満であり、また添加剤由来の不純物粒子を溶出させないため長期間の保管においてもクリーン性を維持することが可能であるため、安定して長期間保存できる。
クリーン度は、以下のようにして求められる。クリーン度は検査容器を成形し、検査容器内に超純水を一定期間充填する。その充填していた超純水1.0ml中に0.1μmの粒子が幾つ存在するかを算出する。
式(1)でのaは検査対象の容器の容量、bは検査対象の容器からサンプリングした超純水の量である。サンプリング水は次のようにして採取される。容量a mlの検査対象の容器に容積の半分、a/2 mlの超純水を入れ、その都度15秒間振とうして排出し、容器内を洗浄する。振とう洗浄を5回繰り返した後、改めてそのa mlの容器に超純水をa/2 ml入れ、常温で1週間放置し、更に15秒間振とうした容器内の水を20分間静置する。サンプリング水は20分間静置させたその水から採取される。cはサンプリング水全量中に含まれる粒径0.1μm以上の微粒子をパーティクルカウンターで計測した値である。その数値をもとに式(1)でクリーン度を求める。クリーン度が500個/ml未満であると半導体、液晶の品質及び歩留まりを向上させる事が出来る。
高密度ポリエチレン樹脂製の最内層が添加剤不含有であるというのは、ポリエチレン合成反応に必要な触媒を除き、その他の添加剤、例えば中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤などを一切含有しないことをいう。ポリエチレン系樹脂が添加剤を含有していると、添加剤由来の不純物粒子が収容薬品へ溶出してしまいクリーン性が低下するため、添加剤を全く含有しないことが好ましい。
最内層の高密度ポリエチレン樹脂の厚さは0.1mm〜1.0mmであることが好ましい。
揮発性の高い薬品を充填した場合、ガスバリア性の機能が重要となる。最内層を覆う中間層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素含有樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種類の樹脂で形成されたガスバリア層である。
前記ガスバリア層の厚さは0.03mm〜0.2mmであることが好ましい。
ガスバリア性の樹脂層を有することにより、ガスバリア性が悪いポリエチレンを原料としたプラスチック製容器であっても、薬品が気化し容器を透過して遺漏することを防ぐことができ、また内容量の減少による薬品の組成変化や変質を防止することができる。さらにガスバリア性を有することで、容量の減少を防ぐことができるため、容器を密閉しても、容器内部の負圧による容器の変形を生じる恐れがない。
また中間層にガスバリア性樹脂層を用いることで、外部から外層を介し収容薬品へ不純物粒子や外部ガスが透過するのを防ぐことができ収容薬品のクリーン性を維持することが可能となる。
最外層は紫外線遮断剤として平均粒子径が10nm〜100nmである酸化亜鉛を含有する樹脂から形成される。
最外層の紫外線遮断樹脂層の厚さは0.09mm〜0.5mmであることが好ましい。
含有される酸化亜鉛は主となる結晶構造が六方晶であり、1次粒子径が10nm〜100nmの範囲にあり、平均粒子径が約20nm程度であることが好ましい。
紫外線遮断層への酸化亜鉛の配合率を0.01〜5.0重量%とすることにより、紫外領域である1nm〜380nm波長域、好ましくは157nm〜380nmでの吸光度において少なくとも3.0であり、さらに可視領域である400〜800nm波長において、全波長光の透過率が25%以上となる。これより、紫外線の遮断且つ容器内の感光性薬品の視認が可能となる。
酸化亜鉛を紫外線遮断剤として含有することで、感光性薬品の視認が可能な程度の透過性を有しながら、紫外線を遮断し感光性薬品の光による変色、変質、劣化等の防止が可能となり、従来の遮光性顔料を含有した容器に比べ有用である。
視認性を有する容器は開封しなくても収容薬品を目視できることで、残液量の確認作業、薬品の誤廃棄などがなくなり、作業効率の向上又経費削減に資する。
また最外層を紫外線遮断層とすることによって、最外層はもとより最内層で使用されているポリエチレン樹脂が、紫外線により劣化したり変色したり機械的強度の低下を引き起こしたりするのを防ぐ。その結果、劣化樹脂由来の不純物粒子の溶出による収容薬品への汚染の恐れがない。
この為、紫外線遮断層を中間層に用いても紫外線遮断効果を十分に得ることは可能であるが、紫外線による容器成形樹脂の劣化、変性などを防止する為には最外層にすることが望ましい。
最外層となる酸化亜鉛を含有する樹脂は高密度ポリエチレンが好ましい。
各層を接着させる樹脂には、市販の変性ポリオレフィン樹脂などの接着樹脂を適当な厚さで使用することが好ましい。
収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は最内層、中間層、外層の3層構造に限定されず、ガスバリア樹脂層、紫外線遮断樹脂層が積層された容器であればよく、最内層、接着剤層、中間層、接着剤層、外層高密度ポリエチレン樹脂層が順次積層された多層構造となっていてもよい。
本発明を適用する実施例として、最内層から最外層へ順に、高密度ポリエチレン層/接着樹脂層/ガスバリア樹脂層/接着樹脂層/紫外線遮断剤配合高密度ポリエチレン層の4種5層で積層された多層ブロー成形容器を試作した例を示す。
(実施例1)
多層ブロー成形容器中の最内層には密度0.951g/cm3、メルトフローレイトが0.15g/10分であり、添加剤不含有である高密度ポリエチレンを使用した。ガスバリア層には密度1.19g/cm3、メルトフローレイト1.3g/10分であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた。最内層とガスバリア層及び外層とガスバリア層とを接着する接着樹脂として、密度0.914g/cm3、メルトフローレイトが1.4g/10分であるポリエチレンに無水マレイン酸がグラフト重合した樹脂を用いた。最外層には密度0.946g/cm3、メルトフローレイトが0.30g/10分の高密度ポリエチレンに、平均粒子系30μm、粒子系分布10〜100μmの範囲内に90%以上含まれる酸化亜鉛粒子を1重量部配合した。最内層より高密度ポリエチレン/接着樹脂/ガスバリア樹脂/接着樹脂/高密度ポリエチレン+紫外線遮断剤の4種5層からなる多層のパイプ状のパリソンを押出機で成形した。押出されたパリソンを金型で挟み、ブローピンより圧縮空気を吹き込んで冷却し多層容器を成形した。
多層ブロー成形容器中の最内層には密度0.951g/cm3、メルトフローレイトが0.15g/10分であり、添加剤不含有である高密度ポリエチレンを使用した。ガスバリア層には密度1.19g/cm3、メルトフローレイト1.3g/10分であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた。最内層とガスバリア層及び外層とガスバリア層とを接着する接着樹脂として、密度0.914g/cm3、メルトフローレイトが1.4g/10分であるポリエチレンに無水マレイン酸がグラフト重合した樹脂を用いた。最外層には密度0.946g/cm3、メルトフローレイトが0.30g/10分の高密度ポリエチレンに、平均粒子系30μm、粒子系分布10〜100μmの範囲内に90%以上含まれる酸化亜鉛粒子を1重量部配合した。最内層より高密度ポリエチレン/接着樹脂/ガスバリア樹脂/接着樹脂/高密度ポリエチレン+紫外線遮断剤の4種5層からなる多層のパイプ状のパリソンを押出機で成形した。押出されたパリソンを金型で挟み、ブローピンより圧縮空気を吹き込んで冷却し多層容器を成形した。
(実施例2)
ガスバリア層に密度1.36g/cm3であるポリエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
ガスバリア層に密度1.36g/cm3であるポリエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
(比較例1)
比較例1として、最内層に密度0.960g/cm3、メルトフローレイト0.3g/10分である高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名サンテックB870)を用いる以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
比較例1として、最内層に密度0.960g/cm3、メルトフローレイト0.3g/10分である高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名サンテックB870)を用いる以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
(比較例2)
比較例2として、密度0.960g/cm3、メルトフローレイト0.3g/10分である高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名サンテックB870)のに酸化亜鉛を1重量部添加した容器を、実施例1と同様の成形方法で試作した。
比較例2として、密度0.960g/cm3、メルトフローレイト0.3g/10分である高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名サンテックB870)のに酸化亜鉛を1重量部添加した容器を、実施例1と同様の成形方法で試作した。
(比較例3)
比較例3として、内層に密度0.951g/cm3、メルトフローレイト0.15g/10分である添加剤不含有の高密度ポリエチレンを用い、外層に密度0.960g/cm3、メルトフローレイト0.3g/10分である高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名サンテックB870)へ酸化亜鉛を1重量部添加した樹脂を用い、それらを積層した2層からなる容器を、実施例1と同様の成形方法で試作した。
比較例3として、内層に密度0.951g/cm3、メルトフローレイト0.15g/10分である添加剤不含有の高密度ポリエチレンを用い、外層に密度0.960g/cm3、メルトフローレイト0.3g/10分である高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名サンテックB870)へ酸化亜鉛を1重量部添加した樹脂を用い、それらを積層した2層からなる容器を、実施例1と同様の成形方法で試作した。
(比較例4)
比較例4として、密度0.951g/cm3、メルトフローレイト0.15g/10分である全くの無添加の高密度ポリエチレンを用いた単層容器を、実施例1と同様の成形方法で試作した。
比較例4として、密度0.951g/cm3、メルトフローレイト0.15g/10分である全くの無添加の高密度ポリエチレンを用いた単層容器を、実施例1と同様の成形方法で試作した。
(比較例5)
比較例5として、最外層に密度0.946g/cm3、メルトフローレイト0.30g/10分の高密度ポリエチレンを用いたこと以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
比較例5として、最外層に密度0.946g/cm3、メルトフローレイト0.30g/10分の高密度ポリエチレンを用いたこと以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
(比較例6)
比較例6として、最外層へ添加する酸化亜鉛を20重量部としたこと以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
比較例6として、最外層へ添加する酸化亜鉛を20重量部としたこと以外は、実施例1と同様の層構成、成形方法で試作した。
以上の6種の比較例に対し、クリーン度、ガスバリア性、吸光度測定、全波長光透過率の評価を行った。以下に評価方法、評価基準を示す。
(クリーン度)
超純水製造装置(東レ株式会社製、商品名トレピュアLV−608)で調製した超純水を成形した容器に500ml充填し、キャップを締めて密封した後1ヶ月放置した。パーティクルカウンター(リオン株式会社製、商品名KL-26)を使用して超純水中の微粒子の数を計測した。超純水中の微粒子数 個/mlを式(1)と同等の式(2)で計算しクリーン度とした。
クリーン度(クリーン性)評価基準は、500個/ml未満の場合を○とし、500個/ml以上の場合を×とする2段階評価としたものである。
超純水製造装置(東レ株式会社製、商品名トレピュアLV−608)で調製した超純水を成形した容器に500ml充填し、キャップを締めて密封した後1ヶ月放置した。パーティクルカウンター(リオン株式会社製、商品名KL-26)を使用して超純水中の微粒子の数を計測した。超純水中の微粒子数 個/mlを式(1)と同等の式(2)で計算しクリーン度とした。
(ガスバリア性)
成形した容器にキシレンを充填、キャップで密封した後40℃恒温槽で1ヶ月放置した。1ヶ月経過後、電子天秤で重量を測定し式(3)より重量減少率を算出した。
ガスバリア性評価基準は、重量減少率が0.01%未満の場合を○とし、0.01%以上の場合を×とする2段評価としたものである。
成形した容器にキシレンを充填、キャップで密封した後40℃恒温槽で1ヶ月放置した。1ヶ月経過後、電子天秤で重量を測定し式(3)より重量減少率を算出した。
(紫外線遮断性及び視認性)
成形した容器の胴体部より2×4cm角、厚さ1.5mmの測定サンプルを切り抜き、分光光度計((日本分光株式会社(Jasco)製、商品名Ubest−55)により波長200〜900nmの吸光度を測定した。測定の結果より380nm以下の波長における吸光度を求めた。また、同測定サンプルを積分球式光線透過率測定装置(日本電色工業株式会社製、商品名A300)を用いて400〜800nmの可視領域における全波長光の透過率を測定した。
紫外線遮断性評価基準は、吸光度が3.0以上の場合を○とし、3.0未満の場合を×とする2段階評価としたものである。
視認性評価基準は、全波長光透過率が25%以上の場合を○とし、25%未満の場合を×とする2段階評価としたものである。
成形した容器の胴体部より2×4cm角、厚さ1.5mmの測定サンプルを切り抜き、分光光度計((日本分光株式会社(Jasco)製、商品名Ubest−55)により波長200〜900nmの吸光度を測定した。測定の結果より380nm以下の波長における吸光度を求めた。また、同測定サンプルを積分球式光線透過率測定装置(日本電色工業株式会社製、商品名A300)を用いて400〜800nmの可視領域における全波長光の透過率を測定した。
紫外線遮断性評価基準は、吸光度が3.0以上の場合を○とし、3.0未満の場合を×とする2段階評価としたものである。
視認性評価基準は、全波長光透過率が25%以上の場合を○とし、25%未満の場合を×とする2段階評価としたものである。
本発明の収容薬品視認性紫外線遮断多層容器は、半導体を製造する際に使用されるフォトレジストなどの感光性薬品を収容して、長期間貯蔵したり保管したり輸送したりする容器であり、紫外線遮断性、クリーン性、及びガスバリア性の機能によりその感光性薬品の変色、変質、分解などの品質低下を防止すると共に、感光性薬品の残存量を確認できる視認性が付加されていることで、着色された従来の不透明性遮光容器に代えて使用されるものである。
Claims (2)
- 添加剤不含有の高密度ポリエチレン樹脂で形成された最内層と、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素含有樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種類の樹脂で形成されたガスバリア層を有する中間層と、平均粒子径が10nm〜100nmである酸化亜鉛を、0.01〜5.0重量%含有する紫外線遮断樹脂層とが、積層されており、感光性の薬品を収容する容器であって、その容器全層において1nm〜380nmの紫外波長領域での吸光度が少なくとも3.0であり400nm〜800nmの波長領域での全波長光での透過率が少なくとも25%であることを特徴とする収容薬品視認性紫外線遮断多層容器。
- 前記積層されて、ブロー成形されていることを特徴とする請求項1に記載の収容薬品視認性紫外線遮断多層容器。
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