JP2017013804A - 内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーン度5個/ml以下、耐薬品性や機械的強度などに優れ、紫外線遮断性、酸素バリアー性や酸化防止性に優れ、安全・安心に使用でき、環境に易しく、環境問題や健康問題にも貢献する、低コストで経済性に優れている、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器の提供。【解決手段】容器の内側から外側に順に、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下などの特性を有する高密度ポリエチレンを使用した内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む外層を少なくとも積層してなる、各層が透明性を有する、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器により課題を解決できる。【選択図】図1

Description

本発明は、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器に関するものであり、さらに詳しくは、耐薬品性や機械的強度などに優れ、保管貯蔵している超高純度薬品などの中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下と非常に少ない吹込み成形(ブロー成形)積層容器であって、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性、酸素バリアー性などにも優れており、低コストで経済性に優れた、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器に関するものである。
一般に、薬品を保存する容器としてガラス容器やプラスチック製の容器が用いられていたが、特に半導体分野では、貯蔵している超高純度薬品類を超高純度のまま保存することが必要である。
すなわち、電子デバイスの急速な進歩により、集積回路などの微細加工に用いられるレジスト液などの超高純度薬品に微細な不純微粒子が容器側から浸出するなどして混入すると、集積回路の断線などの大きなトラブルを引き起したり、不純微粒金属などの混入により感光成分の変質が起こる問題がある。
ポリエチレン系樹脂が内層となる単層または多層積層容器は取り扱い時に割れにくく、軽量であるという長所があるが、半導体製造においてエッチングや洗浄に使用される高純度薬品、例えば硫酸、硝酸、過酸化水素水など、および半導体プロセス用、液晶ディスプレイ用等に使用される高純度な溶剤系レジストや希釈溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、ブチルセロソルブなど、および殺菌、消毒、製剤原料などの医薬用に使用される高純度な溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどは保管貯蔵している間に、容器を形成している樹脂組成物や添加剤から貯蔵している薬品中へ不純微粒子が浸出し、薬品の純度を損なうという問題がある。
このために半導体自体や、液晶の品質などおよび歩留りに著しい悪影響を及ぼす問題を解決する必要がある他に、薬品が変質して保存期間が短くなるという問題を解決するために紫外線遮断性、酸素バリアー性などを備えた容器が求められている。
集積回路などの微細加工に用いられるレジスト液などの超高純度薬品液には微細な不純微粒子の浸出を極限まで少なくする必要があり、現在、使用される容器の大部分はガラス瓶である。
しかしガラス容器は容器自体が重いため取り扱いが不便である上、落下などにより割れてしまう問題があり、安全性に劣り、割れて薬品が漏れると環境汚染や健康問題も発生する。
薬品を容器中に長期間貯蔵している間に、容器側から内容物である薬品中に不純微粒子が浸出し、この不純微粒子が内容物を不純化する度合いを示す指数としてクリーン度がある。
クリーン度は、一旦、検査容器を成形し、その検査容器に一定期間超純水を貯蔵した後、容器が貯蔵していた水1ml中に粒径0.2μm以上の微粒子がいくつ存在するかを示すものである。次に不純微粒子(パーティクル)の測定法を示す。
(不純微粒子(パーティクル)の測定法)
1.測定装置:(株)リオン製パーティクルカウンター「KL−26」を使用する。
2.測定検体:容器に超純水を呼び容量の80%充填し、横倒しにしてミルで前方に1回転ころがし、後方に1回転ころがすという1サイクルを3サイクル行った後、元の位置に戻して30分静止後に容器から測定試料を採取したものを測定検体とする。
3.測定検体の超純水を容器から10ml採取してパーティクルカウンターに注入して、0.2μm以上のパーティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパーティクル数の平均値(B)を求める。
4.測定値から1ml中のパーティクル値を次式で計算して求める。
(B(個))÷10ml=個/ml
従来は、前記測定法で測定されたクリーン度(不純微粒子(パーティクル)個/ml)が500個/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上することができるとされていた。
しかし、現在はさらに厳しくなり、5個/ml以下が要求される場合が多くなっている。
ポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる原料樹脂の重量平均分子量が一定の範囲にあり、樹脂組成物中の遮光性顔料と分散剤の含有量が一定の範囲にあり、樹脂組成物中の低分子量の重合体、添加剤の含有量を一定重量未満にしたポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物より成形された容器が、機械的強度に優れ、取り扱いが容易で、保管貯蔵している薬品中への不純微粒子の浸出が極めて少ない、遮光性を有した高純度薬品用遮光容器(特許文献1参照)が提案されている。
しかし、この容器は、クリーン度500個/ml未満を満足するが、クリーン度5個/ml以下とならない上、収容した内容液の変質を防止するための酸素バリアー性などを有していないなどの問題があった。
また、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテートまたはブチルセロソルブの高純度溶剤を収容する容器であって、前記容器の少なくとも内側表面が密度940〜970Kg/m3のポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン共重合体の樹脂からなり、液体クロマトグラフィーにより定量される該樹脂中の中和剤、酸化防止剤および耐光安定剤の含有量が該樹脂の全重量に対して、夫々0.01重量%以下であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される該樹脂の重量平均分子量が12万〜26万であり、前記樹脂中の分子量1,000以下の重合体が前記樹脂の全重量に対して2.5 重量%未満である高純度溶剤用容器(特許文献2参照)が提案されている。
しかし、特許文献2の高純度溶剤用容器は、クリーン度500個/ml未満を満足するが、クリーン度が5個/ml以下とならない上、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性などにも劣るという問題がある。
また、密度940〜970Kg/m3のポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン共重合体の樹脂に、少なくとも酸化チタンやカーボンブラックなどの遮光性顔料0.01重量%〜5重量%および液体また気体バリアー性樹脂の4重量%〜25重量%が添加された樹脂組成物からなる高純度薬品用容器であって、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される該樹脂の重量平均分子量が12万〜26万、重量平均分子量1,000以下の重合体が該樹脂の5重量%未満、該α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1の中から選ばれる少なくとも一種類である高純度薬品用容器(特許文献3参照)が提案されている。
しかし、特許文献3の高純度薬品用容器は、やはりクリーン度500個/ml未満を満足するものであり、クリーン度が5個/ml以下とならないという問題がある。
また、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、またはオクテン−1のオレフィンの重合体、およびエチレンとそれ以外のオレフィンの共重合体の中から選ばれる少なくとも1種類を含み、中和剤、酸化防止剤及び耐光安定剤の夫々の含有量を最大でも0.01重量%とする高純度樹脂からなる内層と、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)を含む溶剤バリアー性樹脂の中間層と、遮光性物質を含む樹脂組成物からなる外層とがブロー成形された容器であり、分光光度計により測定される容器の全層の波長400nm以下における最低吸光度が2.0以上で、かつ容器の全層の吸光度を該全層の厚みで除した波長400nmにおける吸光係数が1.5mm−1以上、同じく波長600nmにおける吸光係数が1.5mm−1以下であることを特徴とする高純度薬品液用容器(特許文献4参照)が提案されている。
しかし、特許文献4の高純度薬品液用容器は、クリーン度100個/ml未満を満足するものであり、クリーン度が5個/ml以下とならないという問題がある。
本出願人は先に、容器の内側から外側に順に、下記の内層、バリアー兼接着樹脂層、接着層、バリアー層、接着層および外層を積層してなる耐薬品性吹込み成形積層容器であって、前記各層が透明性を有する透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器を提案した(特許文献5参照)。
内層:フッ素樹脂
バリアー兼接着樹脂層:特殊ポリアミド樹脂
接着層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
バリアー層:エチレンビニルアルコール共重合樹脂
接着層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
外層:超高分子量高密度ポリエチレン樹脂
本出願人が先に提案した透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器は、耐薬品性や機械的強度などに優れ、保管貯蔵している薬品や香料などの中への不純粒子の浸出が少なく、クリーン度が5個/ml以下であり、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、紫外線遮断性、酸素バリアー性にも優れているものであるが、内層としてテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体などのフッ素樹脂およびバリアー兼接着樹脂層として添加剤や潤滑剤などの添加物を含有しない特殊ポリアミド樹脂など高価な樹脂を使用するので、コストアップとなり経済性が劣るという問題があった。
特許第2805723号公報 特許第2749513号公報 特許第2805188号公報 特許第4167745号公報 特許第5706512号公報
本発明の目的は、内層として前記テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体などのフッ素樹脂およびバリアー兼接着樹脂層として添加剤や潤滑剤などの添加物を含有しない特殊ポリアミド樹脂など高価な樹脂を使用することなく、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリ−ン度5個/ml以下を達成した超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性、酸素バリアー性や酸化防止性に優れている、低コストで経済性に優れた、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器を提供することである。
本発明者らは、従来の問題を解決するために、鋭意研究の結果、容器の内側から外側に順に、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下などの特性を有する高密度ポリエチレンを使用し、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む外層を少なくとも積層してなり、これらの層を含む各層がそれぞれ視認性を有する、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上である超高純度薬品用吹込み成形積層容器が、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリーン度5個/ml以下を達成でき、かつ耐薬品性や機械的強度などに優れ、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性に優れており、かつ酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応でき、低コストで経済性に優れた、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器を提供できることを見いだし、本発明を成すに到った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、容器の内側から外側に順に、下記の内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む外層を少なくとも積層してなる各層が透明性を有する超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上であり、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、かつ貯蔵している薬品中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下であることを特徴とする内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器である。
内層:エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1から選択される少なくとも1種類を含む単独重合体あるいは共重合体から成る下記の特性を有する高密度ポリエチレン。
(特性)
中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、
クリーン度:5個/ml以下
密度:950〜962Kg/m3
重量平均分子量:18万〜25万
分子量1,000以下の成分:0.4質量%以下
分子量分布(Mw/Mn):12以下
HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):6.5〜9.5
本発明の請求項2は、請求項1記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記内層と酸素バリアー層および前記酸素バリアー層と外層を無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなることを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記バリアー層が、下記の特性を有する酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とする。
(特性)
MFR(210℃、2.16Kg荷重 g/10min):2〜5
密度(Kg/m):1.1〜1.3
融点(℃):170〜200
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記外層が、下記特性を有する高密度ポリエチレンと、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を各0.05〜0.30質量%と、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を0.5〜2.5質量%と、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤を0.05〜0.30質量%とを少なくとも含む樹脂組成物からなることを特徴とする。
(特性)
密度:940〜962Kg/m
重量平均分子量:22万〜26万
分子量分布(Mw/Mn):12以下
溶融張力:20〜30g
HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):5〜7
本発明の請求項1は、容器の内側から外側に順に、前記の内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む外層を少なくとも積層してなる各層が透明性を有する超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上であり、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、かつ貯蔵している薬品中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下であることを特徴とする内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器であり、
各層がいずれも高い透明性を有する構成とすることによって、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を付与でき、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤などの添加物を意図的には添加せず、最大含有量0.005質%以下であり、かつクリーン度が5個/ml以下であり、密度が950〜962Kg/m3、重量平均分子量:18万〜25万、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下、(Mw/Mn):12以下、HL-MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min)が6.5〜9.5である特定の高密度ポリエチレンを使用することによって、耐薬品性や機械的強度などに優れる上、分子量分布(Mw/Mn)が12以下と狭いために、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の内層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上するとともに、内層自体のクリーン度が確実に5個/ml以下となり、例え隣接する層から移行する不純微粒子があったとしても内容液へ浸出するのを内層が防止できるので容器のクリーン度を5個/ml以下に維持でき、酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂からなるバリアー層を設けることによって酸素バリアー性を改善でき、外層に、例えば波長320〜400nmの紫外線吸収に効果的なベンゾトリアゾール系耐光安定剤と波長200〜320nmの紫外線吸収に効果的なトリアジン系耐光安定剤を併用することによって、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性を向上させ、前記造核剤と耐光安定剤、あるいは更に酸化防止剤の配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性を付与できるなど、特定の機能を有する各層を積層してなる構成としたことによって、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリ−ン度5個/ml以下を達成でき、かつ耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性、酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応できるという顕著な効果を奏する。
そして、内層として前記テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体などのフッ素樹脂およびバリアー兼接着樹脂層として添加剤や潤滑剤などの添加物を含有しない特殊ポリアミド樹脂など高価な樹脂を使用していないので、低コストで経済性に優れているという顕著な効果を奏する。
重く、破損し易く、安全性に欠ける硝子瓶と対比して、破損し難く、優れた機械的強度を有し、クリ−ン度5個/ml以下であり、紫外線遮断性、酸素バリアー性に優れているので、その他種々の内容物に対しても使用できるプラスチック容器として、安全・安心に使用でき、環境に易しく、環境問題や健康問題に貢献するものであり、また歩留まりを向上して経費削減にもなるので経済的であるという顕著な効果を奏する。
ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層を備えているので、酸素バリアー性が確実に改善され、収容した内容液の変質を防止できる。
本発明の請求項2は、請求項1記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記内層と酸素バリアー層および前記酸素バリアー層と外層を無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなることを特徴とするものであり、
同じあるいはそれぞれ異なる無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなるので、確実にそれぞれの層を良好に積層でき、破損し難く、優れた機械的強度を付与できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の吹込み成形積層容器において、前記バリアー層が、前記の特性を有する酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とするものであり、
酸素バリアー性が確実に改善され、収容した内容液の変質を防止できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記外層が、前記特性を有する高密度ポリエチレンと、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を各0.05〜0.30質量%と、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を0.5〜2.5質量%と、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤を0.05〜0.30質量%とを少なくとも含む樹脂組成物からなることを特徴とするものであり、ドローダウンしないなどの加工特性、耐薬品性や機械的強度などに優れる上、特定の耐光安定剤と酸化防止剤とを配合したので、収容した内容液の変質を確実に防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、分子量分布(Mw/Mn)が12以下と狭いために、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上するとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性をより向上させ、これらの相乗効果により前記耐光安定剤と酸化防止剤配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性を付与し維持できるというさらなる顕著な効果を奏する。
図1は、本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器の壁断面を模式的に説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器の壁断面を説明する説明図である。
1は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1から選択される少なくとも1種類を含む単独重合体あるいは共重合体からなる、下記特性を有する高密度ポリエチレンからなる内層、2は無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着層、3はエチレンビニルアルコール共重合樹脂を含む酸素バリアー性樹脂からなるバリアー層、4は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着層、5は、耐光安定剤を含む外層をそれぞれ示す。6は本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器、7は超高純度薬品を示す。各層はそれぞれ優れた透明性を有する。
本発明で内層に使用する樹脂は、下記特性を有する高密度ポリエチレンである。
(特性)
中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、
クリーン度が5個/ml以下
密度:950〜962Kg/m3
重量平均分子量:18万〜25万
分子量1,000以下の成分:0.4質量%以下
分子量分布(Mw/Mn):12以下
HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):6.5〜9.5
本発明で内層に使用する高密度ポリエチレン樹脂は、市販品を用いることができる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が使用される。共重合体中のα−オレフィンの含有量は15質量%以下が好ましい。重合法は、940〜962Kg/m高密度の重合体が得られれば、低圧法あるいは中圧法のいずれによってもよい。
中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、好ましくは0.003質量%以下であり、0.005質量%を超えるとクリーン度を5個/ml以下にできない恐れがある。
密度は950〜962Kg/m3が好ましく、さらに好ましくは955〜960Kg/m3であり、密度が950Kg/m3未満では強度不足の恐れがあり、密度が962Kg/m3を超えると接着性不足の恐れがある。
重量平均分子量は18万〜25万が好ましく、さらに好ましくは19万〜22万であり、重量平均分子量が18万未満では分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下にならない恐れがあり、25万を超えると成形性が劣る恐れがある。
分子量1,000以下の成分0.4質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以下であり、0.4質量%を超えるとクリーン度を5個/ml以下にできない恐れがある。
(Mw/Mn)は12以下が好ましく、さらに好ましくは11であり、12を超えると分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下にならない恐れがあるとともに、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の内層の結晶が大きくなったり、ばらついたりして緻密な小結晶集合体から構成されない恐れがあり、その結果、良好な視認性が得られない恐れがある。
HL-MFRは、JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重21.6Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したものであり、本発明で内層に使用する高密度ポリエチレン樹脂のHL-MFRは、6.5〜9.5、好ましくは7.5〜9.0であり、6.5未満では加工特性が低下してボトル内表面にメルトフラクチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがあり、9.5を超えるとクリーン度を5個/ml以下にできない恐れがある。
本発明で使用する接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、内層とバリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)とに対して優れた接着性を有しており、さらに接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、バリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)と外層とに対して優れた接着性を有しており、両者を接着して接着性層および接着層を形成するものであり、溶融成形可能であればよく、通常市販されている市販品を用いることができる。
前記接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂には、その接着性を損なわない範囲において、内層、接着層(無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂)、バリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)、接着層(無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂)および外層を含む回収物を配合することができる。
前記接着層の前記回収物を配合した無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、接液面となる内層の前記高密度ポリエチレンから離れているので、クリーン度が損なわれる恐れがないからである。
本発明においては、前記回収物のみからなる回収物層を前記接着層と外層との間に設ける構成とすることもできる。
内層とバリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)とに対して優れた接着性を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と、バリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)と外層とに対して優れた接着性を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂とは同じでもよく、あるいは異なるものでもよく、予め試験することによって決めることが好ましい。
本発明で使用するバリアー層のエチレンビニルアルコール共重合樹脂(エチレン24〜44モル%共重合)とは、エチレンビニルアルコール共重合を加水分解してほぼ完全にケン化した樹脂であり、保香性に優れるなど、酸素バリアー性など優れたガスバリアー性を有するので薬品、化粧品などの容器包装材に広く用いられており、油類、有機溶剤などへの抵抗性が高く、特に下記の特性を有するエチレンビニルアルコール共重合樹脂を用いることにより酸素バリアー性を確保できとともに、MFR、融点などが外層に好ましく使用する高密度ポリエチレン樹脂などと近く安定成形性に優れるので好ましく使用できる。
バリアー層のエチレンビニルアルコール共重合樹脂の例としては、具体的には、例えば、(株)クラレ製のF171B(エチレン32モル%共重合、融点183℃、ケン化率99.99%)を挙げることができる。
(特性)
MFR(210℃、2.16Kg荷重 g/10min):2〜5
密度(Kg/m):1.1〜1.3
融点(℃):170〜200
MFRは、JIS K7210に準拠し、測定温度210℃、荷重2.16Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したものである。
MFRは好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは3〜5であり、密度は好ましくは1.1〜1.3であり、さらに好ましくは1.2〜1.3であり、融点(℃)は好ましくは170〜200であり、さらに好ましくは180〜200である。MFR、密度、融点が前記範囲内にあるとガスバリアー性、強度、安定成形性などいずれも優れるが、前記範囲外ではこれらの特性の少なくとも1つが損なわれる恐れがある。
本発明で使用する外層は、好ましくは波長320〜400nmの紫外線吸収に効果的なベンゾトリアゾール系耐光安定剤および波長200〜320nmの紫外線吸収に効果的なトリアジン系耐光安定剤を併用し、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤と、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤とを少なくとも所定量含むポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなり、外層に、特定の耐光安定剤と酸化防止剤とを配合することにより、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性を向上させ、前記耐光安定剤と酸化防止剤配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性を付与し維持できる。
本発明で使用する外層には、不純微粒子となり得る耐光安定剤、造核剤、酸化防止剤などを存在させることができるが、外層などは接液面となる内層から離れているのでこれらの耐光安定剤、造核剤、酸化防止剤などは容器中に保管貯蔵している薬品などの中へ浸出しない。
本発明においては外層を形成するポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体として、前記特性を有する高密度ポリエチレン樹脂を用いることがより好ましい。
すなわち、密度(測定法:JIS K7112)が好ましくは940〜962、さらに好ましくは944〜946Kg/m、重量平均分子量(測定法:後述する)が好ましくは22万〜26万、さらに好ましくは24万〜26万、分子量分布(Mw/Mn)(測定法:後述する)が好ましくは12以下、さらに好ましくは11以下、溶融張力(測定方法:日本ポリエチレン法、東洋精機製作所製キャピログラフを用い210℃で測定)が好ましくは18〜30g、さらに好ましくは22〜26g、HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min)が好ましくは5〜7、さらに好ましくは5.5〜6.5である高密度ポリエチレン樹脂を外層に用いることによって成形性や機械的強度などが改善され、ドローダウンなどの問題がなくなり、歩留まりなども向上する。
本発明において、外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)が12以下と狭いために、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上するとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性をより向上させ、これらの相乗効果により前記耐光安定剤と酸化防止剤配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性をより確実に付与し維持できる。
本発明において、外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の(Mw/Mn)は12以下が好ましく、さらに好ましくは11以下であり、(Mw/Mn)が12を超えると溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層の結晶が大きくなったり、ばらついたりして緻密な小結晶集合体から構成されない恐れがあり、その結果、優れた視認性が得られない恐れがある。
外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量が22万未満の場合、機械的強度が不足する恐れがあり、重量平均分子量が26万を越える場合、樹脂の溶融粘度が高いため成形性が悪化し、シェアストレスによる分子切断なども起こる恐れがある。
外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の密度および溶融張力が下限値未満では、ドローダウンして肉厚コントロールが困難となる恐れがあり、一方、上限値を越えると、ボトル表面にメルトフラクチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがある。
外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の前記HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min)が5未満では加工特性が低下しボトル外表面にメルトフラクチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがあり、7を超えるとドローダウンを防止できない恐れがある。
本発明で外層に使用する高密度ポリエチレン樹脂は、市販品を用いることができる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が使用される。共重合体中のα−オレフィンの含有量は15質量%以下が好ましい。重合法は、940〜962Kg/m高密度の重合体が得られれば、低圧法あるいは中圧法のいずれによってもよい。
前記外層が、前記特性を有する高密度ポリエチレン樹脂と、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を好ましくは各0.05〜0.30質量%、さらに好ましくは各0.06〜0.30質量%と、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を好ましくは0.5〜2.5質量%、さらに好ましくは0.6〜2.5質量%、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤0.05〜0.30質量%を少なくとも含む樹脂組成物からなることにより、収容した内容液を外部から確実に目視確認できるようなレベルまで、視認性が著しく改善され透明硝子瓶に匹敵する視認性を本発明の吹込み成形積層容器に付与するとともに、紫外線遮断性が著しく改善されて、例えばフォトレジスト液などのように紫外線によって変質して硬化するような薬品や香料などの超高純度薬品容器としても使用可能となる。
外層に、特定の耐光安定剤と酸化防止剤とを配合することにより、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性を向上させることができる。
本発明で使用する外層には、さらに遮光性顔料としてジスアゾイエロー、アゾイエローなどの遮光性顔料を0.001〜0.030質量%の範囲で、視認性などを損なわずに紫外線遮断性をさらに向上させるために添加することができる。
ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を併用したのは、UV−B(200〜320nm)とUV−A(320〜400nm)の両方を遮断するためであり、両者を特定量併用することにより他の特性を損なわずに紫外線遮断性を著しく改善することができる。
前記耐光安定剤および造核剤が下限値未満では、視認性および紫外線遮断性が著しく改善されない恐れがあり、上限値を超えると、視認性が損なわれる恐れがある。
耐光安定剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール)、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾール)−6−t−ブチル−クレゾール、2−(3,5−ジ−t−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)ベンドトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールなどのベンゾトリアゾール系耐光安定剤、2−[4,6−ジ(2,4キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5、2、4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイロキシ)エトキシ]フェノールなどのトリアジン系耐光安定剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕のヒンダードアミン系耐光安定剤が挙げられる。
樹脂に含まれる添加剤の含有量は、テトラヒドロフラン(THF)を用いて、ソックスレー抽出器で8時間抽出した抽出液を液体クロマトグラフィーで分離、定量した値である。その測定条件は、装置がGULLIVER(日本分光株式会社製)、カラムがFinepak GEL 101(日本分光株式会社製)、溶媒がTHF、検出器がUV−970(日本分光株式会社製)と830−RI(日本分光株式会社製)である。
容器の樹脂の分子量の測定方法は、容器より切り取った樹脂組成物を溶媒(オルトジクロルベンゼン)に溶かして試料溶液とし、GPCで分子量および分子量分布を測定する。重量平均分子量および数平均分子量は次式により算出される。
重量平均分子量Mw=Σ(M×w)/Σw ・・・(2)
数平均分子量Mn=Σw/Σ(w/M) ・・・(3)
分子量分布=重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)
ただし、Mは分子量、wは重量分率である。
尚、GPCの測定条件は、装置が150CV(Waters社製)、カラムがTSKgel GMH−HT(東ソー株式会社製)、溶媒がオルトジクロルベンゼン、温度が138℃、検出器は示差屈折計である。容器の分子量分布を前記範囲に制御するためには、原料樹脂も一定範囲の分子量分布を持つものでなければならない。
成形方法は吹込み成形方法により、本発明の透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器を成形できるものであれば特に限定されるものではなく、市販されている吹込み成形積層容器の成形機から選択して使用することもできる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR8g/10min、密度956Kg/m3、重量平均分子量19万、(Mw/Mn)11、分子量1,000以下の成分0.2質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、後述する測定法で測定したクリーン度が5個/ml以下、東ソー(株)製09D01A)を使用し、バリアー樹脂として(エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂F171B:(株)クラレ製)を使用し、前記内層とバリアー樹脂との接着機能を有する接着層として無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)を使用し、回収層として前記内層、バリアー樹脂、接着層、下記最外層からの回収物を等量ずつ混合した混合物を使用し、前記バリアー樹脂からなるバリアー層と前記回収層との接着機能を有する接着層として前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)を使用し、前記回収層の上方に前記回収層と接着機能を有する最外層として高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R、HL−MFR6g/10min、密度946Kg/m3、重量平均分子量25万、(Mw/Mn)11、溶融張力25g)に顔料ジスアゾイエロー0.025質量%、モノアゾイエロー0.007質量%、造核剤としてナトリウムビス(4−ターシャリーブチルフェニル)ホスフェート((株)ADEKA製、アデカスターブNA11)1.5質量%、耐光安定剤としてベンゾトリアゾール系(UVA)((株)ADEKA製、LA32)0.1質量%、トリアジン系(UVB)((株)ADEKA製、LA−F70)0.1質量%,酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を合計0.1質量%添加した高密度ポリエチレン樹脂を使用した。
下記の成形条件でドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形した。
(成形条件)
ブロー成形機((株)ブレンズ製6種6層)(6種の押出機を用い1個のダイヘッドで6層に積層するタイプ)を使用した。
内層の高密度ポリエチレン樹脂:スクリュウ径40mmΦ 設定温度:200℃
接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:210℃
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:230℃
接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:210℃
回収層:スクリュウ径40mmΦ 設定温度:210℃
外層の高密度ポリエチレン樹脂:スクリュウ径50mmΦ 設定温度:210℃
ダイヘッド温度:設定温度:220℃
なお、吸湿性のあるバリアー樹脂は乾燥機を用いて80℃で乾燥して水分除去したものを使用した。
このようにして得られた本発明の積層容器10個について、下記試験法によりクリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定し、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度の平均値の結果を総合して総合判定を行なった。
(試験法)
クリーン度(個数/ml):
1.測定装置:(株)リオン製パーティクルカウンター「KL−26」を使用する。
2.測定検体:容器に超純水を呼び容量の80%充填し、横倒しにしてミルで前方に1回転ころがし、後方に1回転ころがすという1サイクルを3サイクルさせた後、元の位置に戻して30分静止後に容器から測定試料を採取したものを測定検体とする。
3.測定検体の超純水を容器から10mlをパーティクルカウンターに注入して、0.2μm以上のパーティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパーティクル数の平均値(B)を求める。
4.測定値から1ml中のパーティクル値を次式で計算して求める。
(B(個))÷10ml=個/ml
従来は、クリーン度が500個/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上することができるとされていた。しかし現在はさらに厳しくなり、5個/ml以下が要求される場合が多くなっている。
内層に使用した高密度ポリエチレン樹脂のクリーン度は、内層に使用した高密度ポリエチレン樹脂のみを使用して前記容器を成形して、前記試験法によりクリーン度(個数/ml)を測定したものである。
酸素透過率(ml/容器1本)
容器をJIS K7126−2に準拠し、OX−TRAN2/21)(MOCON社製)測定装置を用いて、容器外側から内側への酸素透過を測定した。温湿度:外側:1気圧、23℃、50%RH空気、内側23℃、ドライ窒素。
紫外線透過率:
容器の平滑部分を4cm角に切り取り、外層側に紫外線を当てて測定する。測定器は日本分光(株)V−670を使用し、200〜400nmの範囲で、走査速度400nm/minで測定した。
可視光線透過率、
容器の平滑部分を4cm角に切り取り、外層側に可視光線を当てて測定する。測定器は日本分光(株)V−670を使用し、400〜800nmの範囲で、走査速度400nm/minで測定した。
落下強度(1.2m高さ):
容器に水を容量の80%充填し、高さ1.2mからコンクリート面に容器底部を下にして5回落下させ、容器側部を下にして1回落下させ、割れや漏れを目視で判定する。
総合判定:
クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を総合して判定する。
○:超高純度薬品用吹込み成形積層容器として市場性がある。
△:○よりやや劣るが、超高純度薬品用吹込み成形積層容器として市場性がある。
×:超高純度薬品用吹込み成形積層容器としては市場性がない。
(測定結果)
クリーン度:1.9個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:○
なお、比較のために、透明硝子瓶(AZエレクトロニックマテリアルズマニュファクチャリング(株)製、容量2,500ml)について、実施例1と同様にして試験した結果、次のような結果が得られた。
(測定結果)
クリーン度:1.5個/ml
紫外線透過率:3%
可視光線透過率:50%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れた
以上の結果、透明硝子瓶は紫外線透過率や落下強度などが劣るが、それに対して実施例1の積層容器は全ての点で優れていることが判った。
また、実施例1の積層容器に超純水を満水に充填し、1ケ月間常温、常圧のクリーンルームに放置した後、同様にしてクリーン度を測定した。測定結果はクリーン度:1.5個/mlであった。
(実施例2)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR8g/10min、密度957Kg/m3、重量平均分子量19万、(Mw/Mn)12、分子量1,000以下の成分0.4質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、東ソー(株)製09D01C)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:4.9個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:○
(実施例3)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR8g/10min、密度958Kg/m3、重量平均分子量20万、(Mw/Mn)12、分子量1,000以下の成分0.2質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、東ソー(株)製13D01A)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:1.0個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:40%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:○
(比較例1)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR7g/10min、密度957Kg/m3、重量平均分子量19万、(Mw/Mn)12、分子量1,000以下の成分0.9質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が10個/ml、東ソー(株)製8D01A)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる比較のための吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:11個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:×
(比較例2)
内層として高密度ポリエチレン(JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重2.16Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したMFRが0.35g/10min、密度958Kg/m3、重量平均分子量15万、(Mw/Mn)11、分子量1,000以下の成分1.5質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が20個/ml、東ソー(株)製8022)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる比較のための吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:25個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:×
(比較例3)
内層として高密度ポリエチレン(JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重2.16Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したMFRが0.30g/10min、密度957Kg/m3、重量平均分子量15万、(Mw/Mn)16、分子量1,000以下の成分2.0質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が30個/ml、日本ポリエチレン(株)製HB534N)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる比較のための吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:31個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:×
以上のように、比較例1〜3の吹込み成形積層容器は、クリーン度が、5個/mlを超えているので、超高純度薬品用吹込み成形積層容器としては市場性のないものである。
それに対して、実施例1〜3の本発明の内容物の視認性に優れた吹込み成形積層容器は、クリーン度が、5個/ml以下と低いので、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、かつ紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度においても優れ、耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性に優れており、かつ酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応でき、しかも低コストで経済性に優れているので、市場性の高いものであることが判る。
本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器は、容器の内側から外側に順に、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下などの特性を有する高密度ポリエチレンを使用した内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む外層を少なくとも積層してなり、各層がいずれも高い透明性を有する構成とすることによって、収容した内容液を外部から目視確認できるという内容物の視認性に優れるとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリーン度5個/ml以下を達成でき、かつ耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性に優れており、かつ酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応でき、安全・安心に使用でき、環境に易しく、環境問題や健康問題にも貢献するものであり、また低コストで経済性に優れるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 内層
2 接着層
3 バリアー層
4 接着層
5 外層
6 内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器
7 超高純度薬品
本発明は、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器に関するものであり、さらに詳しくは、耐薬品性や機械的強度などに優れ、保管貯蔵している超高純度薬品などの中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下と非常に少ない吹込み成形(ブロー成形)積層容器であって、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性、酸素バリアー性などにも優れており、低コストで経済性に優れた、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器に関するものである。
一般に、薬品を保存する容器としてガラス容器やプラスチック製の容器が用いられていたが、特に半導体分野では、貯蔵している超高純度薬品類を超高純度のまま保存することが必要である。
すなわち、電子デバイスの急速な進歩により、集積回路などの微細加工に用いられるレジスト液などの超高純度薬品に微細な不純微粒子が容器側から浸出するなどして混入すると、集積回路の断線などの大きなトラブルを引き起したり、不純微粒金属などの混入により感光成分の変質が起こる問題がある。
ポリエチレン系樹脂が内層となる単層または多層積層容器は取り扱い時に割れにくく、軽量であるという長所があるが、半導体製造においてエッチングや洗浄に使用される高純度薬品、例えば硫酸、硝酸、過酸化水素水など、および半導体プロセス用、液晶ディスプレイ用等に使用される高純度な溶剤系レジストや希釈溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、ブチルセロソルブなど、および殺菌、消毒、製剤原料などの医薬用に使用される高純度な溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどは保管貯蔵している間に、容器を形成している樹脂組成物や添加剤から貯蔵している薬品中へ不純微粒子が浸出し、薬品の純度を損なうという問題がある。
このために半導体自体や、液晶の品質などおよび歩留りに著しい悪影響を及ぼす問題を解決する必要がある他に、薬品が変質して保存期間が短くなるという問題を解決するために紫外線遮断性、酸素バリアー性などを備えた容器が求められている。
集積回路などの微細加工に用いられるレジスト液などの超高純度薬品液には微細な不純微粒子の浸出を極限まで少なくする必要があり、現在、使用される容器の大部分はガラス瓶である。
しかしガラス容器は容器自体が重いため取り扱いが不便である上、落下などにより割れてしまう問題があり、安全性に劣り、割れて薬品が漏れると環境汚染や健康問題も発生する。
薬品を容器中に長期間貯蔵している間に、容器側から内容物である薬品中に不純微粒子が浸出し、この不純微粒子が内容物を不純化する度合いを示す指数としてクリーン度がある。
クリーン度は、一旦、検査容器を成形し、その検査容器に一定期間超純水を貯蔵した後、容器が貯蔵していた水1ml中に粒径0.2μm以上の微粒子がいくつ存在するかを示すものである。次に不純微粒子(パーティクル)の測定法を示す。
(不純微粒子(パーティクル)の測定法)
1.測定装置:(株)リオン製パーティクルカウンター「KL−26」を使用する。
2.測定検体:容器に超純水を呼び容量の80%充填し、横倒しにしてミルで前方に1回転ころがし、後方に1回転ころがすという1サイクルを3サイクル行った後、元の位置に戻して30分静止後に容器から測定試料を採取したものを測定検体とする。
3.測定検体の超純水を容器から10ml採取してパーティクルカウンターに注入して、0.2μm以上のパーティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパーティクル数の平均値(B)を求める。
4.測定値から1ml中のパーティクル値を次式で計算して求める。
(B(個))÷10ml=個/ml
従来は、前記測定法で測定されたクリーン度(不純微粒子(パーティクル)個/ml)が500個/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上することができるとされていた。
しかし、現在はさらに厳しくなり、5個/ml以下が要求される場合が多くなっている。
ポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる原料樹脂の重量平均分子量が一定の範囲にあり、樹脂組成物中の遮光性顔料と分散剤の含有量が一定の範囲にあり、樹脂組成物中の低分子量の重合体、添加剤の含有量を一定重量未満にしたポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物より成形された容器が、機械的強度に優れ、取り扱いが容易で、保管貯蔵している薬品中への不純微粒子の浸出が極めて少ない、遮光性を有した高純度薬品用遮光容器(特許文献1参照)が提案されている。
しかし、この容器は、クリーン度500個/ml未満を満足するが、クリーン度5個/ml以下とならない上、収容した内容液の変質を防止するための酸素バリアー性などを有していないなどの問題があった。
また、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテートまたはブチルセロソルブの高純度溶剤を収容する容器であって、前記容器の少なくとも内側表面が密度940〜970Kg/m3のポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン共重合体の樹脂からなり、液体クロマトグラフィーにより定量される該樹脂中の中和剤、酸化防止剤および耐光安定剤の含有量が該樹脂の全重量に対して、夫々0.01重量%以下であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される該樹脂の重量平均分子量が12万〜26万であり、前記樹脂中の分子量1,000以下の重合体が前記樹脂の全重量に対して2.5重量%未満である高純度溶剤用容器(特許文献2参照)が提案されている。
しかし、特許文献2の高純度溶剤用容器は、クリーン度500個/ml未満を満足するが、クリーン度が5個/ml以下とならない上、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性などにも劣るという問題がある。
また、密度940〜970Kg/m3のポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン共重合体の樹脂に、少なくとも酸化チタンやカーボンブラックなどの遮光性顔料0.01重量%〜5重量%および液体また気体バリアー性樹脂の4重量%〜25重量%が添加された樹脂組成物からなる高純度薬品用容器であって、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される該樹脂の重量平均分子量が12万〜26万、重量平均分子量1,000以下の重合体が該樹脂の5重量%未満、該α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1の中から選ばれる少なくとも一種類である高純度薬品用容器(特許文献3参照)が提案されている。
しかし、特許文献3の高純度薬品用容器は、やはりクリーン度500個/ml未満を満足するものであり、クリーン度が5個/ml以下とならないという問題がある。
また、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、またはオクテン−1のオレフィンの重合体、およびエチレンとそれ以外のオレフィンの共重合体の中から選ばれる少なくとも1種類を含み、中和剤、酸化防止剤及び耐光安定剤の夫々の含有量を最大でも0.01重量%とする高純度樹脂からなる内層と、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)を含む溶剤バリアー性樹脂の中間層と、遮光性物質を含む樹脂組成物からなる外層とがブロー成形された容器であり、分光光度計により測定される容器の全層の波長400nm以下における最低吸光度が2.0以上で、かつ容器の全層の吸光度を該全層の厚みで除した波長400nmにおける吸光係数が1.5mm−1以上、同じく波長600nmにおける吸光係数が1.5mm−1以下であることを特徴とする高純度薬品液用容器(特許文献4参照)が提案されている。
しかし、特許文献4の高純度薬品液用容器は、クリーン度100個/ml未満を満足するものであり、クリーン度が5個/ml以下とならないという問題がある。
本出願人は先に、容器の内側から外側に順に、下記の内層、バリアー兼接着樹脂層、接着層、バリアー層、接着層および外層を積層してなる耐薬品性吹込み成形積層容器であって、前記各層が透明性を有する透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器を提案した(特許文献5参照)。
内層:フッ素樹脂
バリアー兼接着樹脂層:特殊ポリアミド樹脂
接着層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
バリアー層:エチレンビニルアルコール共重合樹脂
接着層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
外層:超高分子量高密度ポリエチレン樹脂
本出願人が先に提案した透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器は、耐薬品性や機械的強度などに優れ、保管貯蔵している薬品や香料などの中への不純粒子の浸出が少なく、クリーン度が5個/ml以下であり、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、紫外線遮断性、酸素バリアー性にも優れているものであるが、内層としてテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体などのフッ素樹脂およびバリアー兼接着樹脂層として添加剤や潤滑剤などの添加物を含有しない特殊ポリアミド樹脂など高価な樹脂を使用するので、コストアップとなり経済性が劣るという問題があった。
特許第2805723号公報 特許第2749513号公報 特許第2805188号公報 特許第4167745号公報 特許第5706512号公報
本発明の目的は、内層として前記テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体などのフッ素樹脂およびバリアー兼接着樹脂層として添加剤や潤滑剤などの添加物を含有しない特殊ポリアミド樹脂など高価な樹脂を使用することなく、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリ−ン度5個/ml以下を達成した超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性、酸素バリアー性や酸化防止性に優れている、低コストで経済性に優れた、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器を提供することである。
本発明者らは、従来の問題を解決するために、鋭意研究の結果、容器の内側から外側に順に、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下などの特性を有する高密度ポリエチレンを使用し、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む高密度ポリエチレン樹脂組成物の外層を少なくとも積層してなり、これらの層を含む各層がそれぞれ視認性を有する、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上である超高純度薬品用吹込み成形積層容器が、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリーン度5個/ml以下を達成でき、かつ耐光安定剤を含む特定の高密度ポリエチレンの外層を設けたので、ドローダウンしないなどの加工特性に優れ、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上し、耐薬品性や機械的強度などに優れ、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性に優れており、かつ酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応でき、低コストで経済性に優れた、内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器を提供できることを見いだし、本発明を成すに到った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、容器の内側から外側に順に、下記の内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む下記の外層を少なくとも積層してなる各層が透明性を有する超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上であり、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、かつ貯蔵している薬品中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下であることを特徴とする内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器である。
内層:エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1から選択される少なくとも1種類を含む単独重合体あるいは共重合体から成る下記の特性を有する高密度ポリエチレン。
中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、
クリーン度:5個/ml以下
密度:950〜962Kg/m3
重量平均分子量:18万〜25万
分子量1,000以下の成分:0.4質量%以下
分子量分布(Mw/Mn):12以下
HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):6.5〜9.5
外層:下記特性を有する高密度ポリエチレンと、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を各0.05〜0.30質量%と、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を0.5〜2.5質量%と、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤を0.05〜0.30質量%とを少なくとも含む樹脂組成物からなる。
(特性)
密度:940〜962Kg/m
重量平均分子量:22万〜26万
分子量分布(Mw/Mn):12以下
溶融張力:20〜30g
HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):5〜7
本発明の請求項2は、請求項1記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記内層と酸素バリアー層および前記酸素バリアー層と外層を無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなることを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記バリアー層が、下記の特性を有する酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とする。
(特性)
MFR(210℃、2.16Kg荷重 g/10min):2〜5
密度(Kg/m):1.1〜1.3
融点(℃):170〜200
(削除)
(削除)
本発明の請求項1は、容器の内側から外側に順に、前記の内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む前記の外層を少なくとも積層してなる各層が透明性を有する超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上であり、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、かつ貯蔵している薬品中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下であることを特徴とする内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器であり、
各層がいずれも高い透明性を有する構成とすることによって、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を付与でき、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤などの添加物を意図的には添加せず、最大含有量0.005質%以下であり、かつクリーン度が5個/ml以下であり、密度が950〜962Kg/m3、重量平均分子量:18万〜25万、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下、(Mw/Mn):12以下、HL-MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min)が6.5〜9.5である特定の高密度ポリエチレンを使用することによって、耐薬品性や機械的強度などに優れる上、分子量分布(Mw/Mn)が12以下と狭いために、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の内層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上するとともに、内層自体のクリーン度が確実に5個/ml以下となり、例え隣接する層から移行する不純微粒子があったとしても内容液へ浸出するのを内層が防止できるので容器のクリーン度を5個/ml以下に維持でき、酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂からなるバリアー層を設けることによって酸素バリアー性を改善できるという顕著な効果を奏する。
そして外層に、前記特性を有する高密度ポリエチレンと、波長320〜400nmの紫外線吸収に効果的なベンゾトリアゾール系耐光安定剤と波長200〜320nmの紫外線吸収に効果的なトリアジン系耐光安定剤を各0.05〜0.30質量%と所定量併用することによって、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を0.5〜2.5質量%を配合することにより外層の樹脂の視認性を向上させ、前記造核剤と耐光安定剤、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤0.05〜0.30質量%の配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性を付与できるとともに、
ドローダウンしないなどの加工特性、耐薬品性や機械的強度などに優れる上、特定の耐光安定剤と酸化防止剤とを配合したので、収容した内容液の変質を確実に防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、分子量分布(Mw/Mn)が12以下と狭いために、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上するという顕著な効果を奏する。
特定の機能を有する各層を積層してなる構成としたことによって、収容した内容液を外部から目視確認できるという、透明硝子瓶に匹敵する視認性を有するとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリ−ン度5個/ml以下を達成でき、かつ耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性、酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応できるという顕著な効果を奏する。
そして、内層として前記テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/単量体(α)共重合体などのフッ素樹脂およびバリアー兼接着樹脂層として添加剤や潤滑剤などの添加物を含有しない特殊ポリアミド樹脂など高価な樹脂を使用していないので、低コストで経済性に優れているという顕著な効果を奏する。
重く、破損し易く、安全性に欠ける硝子瓶と対比して、破損し難く、優れた機械的強度を有し、クリ−ン度5個/ml以下であり、紫外線遮断性、酸素バリアー性に優れているので、その他種々の内容物に対しても使用できるプラスチック容器として、安全・安心に使用でき、環境に易しく、環境問題や健康問題に貢献するものであり、また歩留まりを向上して経費削減にもなるので経済的であるという顕著な効果を奏する。
ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層を備えているので、酸素バリアー性が確実に改善され、収容した内容液の変質を防止できる。
本発明の請求項2は、請求項1記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器において、前記内層と酸素バリアー層および前記酸素バリアー層と外層を無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなることを特徴とするものであり、
同じあるいはそれぞれ異なる無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなるので、確実にそれぞれの層を良好に積層でき、破損し難く、優れた機械的強度を付与できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の吹込み成形積層容器において、前記バリアー層が、前記の特性を有する酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とするものであり、
酸素バリアー性が確実に改善され、収容した内容液の変質を防止できるというさらなる顕著な効果を奏する。
(削除)
図1は、本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器の壁断面を模式的に説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器の壁断面を説明する説明図である。
1は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1から選択される少なくとも1種類を含む単独重合体あるいは共重合体からなる、下記特性を有する高密度ポリエチレンからなる内層、2は無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着層、3はエチレンビニルアルコール共重合樹脂を含む酸素バリアー性樹脂からなるバリアー層、4は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる接着層、5は、耐光安定剤を含む高密度ポリエチレン樹脂組成物からなる外層をそれぞれ示す。6は本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器、7は超高純度薬品を示す。各層はそれぞれ優れた透明性を有する。
本発明で内層に使用する樹脂は、下記特性を有する高密度ポリエチレンである。
(特性)
中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、
クリーン度が5個/ml以下
密度:950〜962Kg/m3
重量平均分子量:18万〜25万
分子量1,000以下の成分:0.4質量%以下
分子量分布(Mw/Mn):12以下
HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):6.5〜9.5
本発明で内層に使用する高密度ポリエチレン樹脂は、市販品を用いることができる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が使用される。共重合体中のα−オレフィンの含有量は15質量%以下が好ましい。重合法は、90〜962Kg/m高密度の重合体が得られれば、低圧法あるいは中圧法のいずれによってもよい。
中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、好ましくは0.003質量%以下であり、0.005質量%を超えるとクリーン度を5個/ml以下にできない恐れがある。
密度は950〜962Kg/m3が好ましく、さらに好ましくは955〜960Kg/m3であり、密度が950Kg/m3未満では強度不足の恐れがあり、密度が962Kg/m3を超えると接着性不足の恐れがある。
重量平均分子量は18万〜25万が好ましく、さらに好ましくは19万〜22万であり、重量平均分子量が18万未満では分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下にならない恐れがあり、25万を超えると成形性が劣る恐れがある。
分子量1,000以下の成分0.4質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以下であり、0.4質量%を超えるとクリーン度を5個/ml以下にできない恐れがある。
(Mw/Mn)は12以下が好ましく、さらに好ましくは11以下であり、12を超えると分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下にならない恐れがあるとともに、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の内層の結晶が大きくなったり、ばらついたりして緻密な小結晶集合体から構成されない恐れがあり、その結果、良好な視認性が得られない恐れがある。
HL-MFRは、JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重21.6Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したものであり、本発明で内層に使用する高密度ポリエチレン樹脂のHL-MFRは、6.5〜9.5、好ましくは7.5〜9.0であり、6.5未満では加工特性が低下してボトル内表面にメルトフラクチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがあり、9.5を超えるとクリーン度を5個/ml以下にできない恐れがある。
本発明で使用する接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、内層とバリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)とに対して優れた接着性を有しており、さらに接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、バリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)と外層とに対して優れた接着性を有しており、両者を接着してそれぞれ接着層を形成するものであり、溶融成形可能であればよく、通常市販されている市販品を用いることができる。
前記接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂には、その接着性を損なわない範囲において、内層、接着層(無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂)、バリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)、接着層(無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂)および外層を含む回収物を配合することができる。
前記接着層の前記回収物を配合した無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、接液面となる内層の前記高密度ポリエチレンから離れているので、クリーン度が損なわれる恐れがないからである。
本発明においては、前記回収物のみからなる回収物層を前記接着層と外層との間に設ける構成とすることもできる。
内層とバリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)とに対して優れた接着性を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と、バリアー層(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)と外層とに対して優れた接着性を有する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂とは同じでもよく、あるいは異なるものでもよく、予め試験することによって決めることが好ましい。
本発明で使用するバリアー層のエチレンビニルアルコール共重合樹脂(エチレン24〜44モル%共重合)とは、エチレンビニルアルコール共重合を加水分解してほぼ完全にケン化した樹脂であり、保香性に優れるなど、酸素バリアー性など優れたガスバリアー性を有するので薬品、化粧品などの容器包装材に広く用いられており、油類、有機溶剤などへの抵抗性が高く、特に下記の特性を有するエチレンビニルアルコール共重合樹脂を用いることにより酸素バリアー性を確保できとともに、MFR、融点などが外層に好ましく使用する高密度ポリエチレン樹脂などと近く安定成形性に優れるので好ましく使用できる。
バリアー層のエチレンビニルアルコール共重合樹脂の例としては、具体的には、例えば、(株)クラレ製のF171B(エチレン32モル%共重合、融点183℃、ケン化率99.99%)を挙げることができる。
(特性)
MFR(210℃、2.16Kg荷重 g/10min):2〜5
密度(Kg/m):1.1〜1.3
融点(℃):170〜200
MFRは、JIS K7210に準拠し、測定温度210℃、荷重2.16Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したものである。
MFRは好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは3〜5であり、密度は好ましくは1.1〜1.3であり、さらに好ましくは1.2〜1.3であり、融点(℃)は好ましくは170〜200であり、さらに好ましくは180〜200である。MFR、密度、融点が前記範囲内にあるとガスバリアー性、強度、安定成形性などいずれも優れるが、前記範囲外ではこれらの特性の少なくとも1つが損なわれる恐れがある。
本発明で使用する外層は、好ましくは波長320〜400nmの紫外線吸収に効果的なベンゾトリアゾール系耐光安定剤および波長200〜320nmの紫外線吸収に効果的なトリアジン系耐光安定剤を併用し、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤と、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤とを少なくとも所定量含むポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体からなり、外層に、特定の耐光安定剤と酸化防止剤とを配合することにより、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性を向上させ、前記耐光安定剤と酸化防止剤配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性を付与し維持できる。
本発明で使用する外層には、不純微粒子となり得る耐光安定剤、造核剤、酸化防止剤などを存在させることができるが、外層などは接液面となる内層から離れているのでこれらの耐光安定剤、造核剤、酸化防止剤などは容器中に保管貯蔵している薬品などの中へ浸出しない。
本発明においては外層を形成するポリエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体として、前記特性を有する高密度ポリエチレン樹脂を用いることがより好ましい。
すなわち、密度(測定法:JIS K7112)が好ましくは940〜962、さらに好ましくは944〜946Kg/m、重量平均分子量(測定法:後述する)が好ましくは22万〜26万、さらに好ましくは24万〜26万、分子量分布(Mw/Mn)(測定法:後述する)が好ましくは12以下、さらに好ましくは11以下、溶融張力(測定方法:日本ポリエチレン法、東洋精機製作所製キャピログラフを用い210℃で測定)が好ましくは18〜30g、さらに好ましくは22〜26g、HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min)が好ましくは5〜7、さらに好ましくは5.5〜6.5である高密度ポリエチレン樹脂を外層に用いることによって成形性や機械的強度などが改善され、ドローダウンなどの問題がなくなり、歩留まりなども向上する。
本発明において、外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)が12以下と狭いために、溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層は緻密な小結晶集合体から構成されるので、視認性が一層向上するとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性をより向上させ、これらの相乗効果により前記耐光安定剤と酸化防止剤配合に起因する視認性の低下を防止して外層に視認性をより確実に付与し維持できる。
本発明において、外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の(Mw/Mn)は12以下が好ましく、さらに好ましくは11以下であり、(Mw/Mn)が12を超えると溶融加工・急冷却するという通常の成形加工条件で多層成形された吹込み成形積層容器の外層の結晶が大きくなったり、ばらついたりして緻密な小結晶集合体から構成されない恐れがあり、その結果、優れた視認性が得られない恐れがある。
外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量が22万未満の場合、機械的強度が不足する恐れがあり、重量平均分子量が26万を越える場合、樹脂の溶融粘度が高いため成形性が悪化し、シェアストレスによる分子切断なども起こる恐れがある。
外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の密度および溶融張力が下限値未満では、ドローダウンして肉厚コントロールが困難となる恐れがあり、一方、上限値を越えると、ボトル表面にメルトフラクチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがある。
外層を形成する高密度ポリエチレン樹脂の前記HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min)が5未満では加工特性が低下しボトル外表面にメルトフラクチャー(肌荒れ)の問題が発生する恐れがあり、7を超えるとドローダウンを防止できない恐れがある。
本発明で外層に使用する高密度ポリエチレン樹脂は、市販品を用いることができる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が使用される。共重合体中のα−オレフィンの含有量は15質量%以下が好ましい。重合法は、940〜962Kg/m高密度の重合体が得られれば、低圧法あるいは中圧法のいずれによってもよい。
前記外層が、前記特性を有する高密度ポリエチレン樹脂と、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を好ましくは各0.05〜0.30質量%、さらに好ましくは各0.06〜0.30質量%と、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を好ましくは0.5〜2.5質量%、さらに好ましくは0.6〜2.5質量%、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤0.05〜0.30質量%を少なくとも含む樹脂組成物からなることにより、収容した内容液を外部から確実に目視確認できるようなレベルまで、視認性が著しく改善され透明硝子瓶に匹敵する視認性を本発明の吹込み成形積層容器に付与するとともに、紫外線遮断性が著しく改善されて、例えばフォトレジスト液などのように紫外線によって変質して硬化するような薬品や香料などの超高純度薬品容器としても使用可能となる。
外層に、特定の耐光安定剤と酸化防止剤とを配合することにより、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性を付与できるとともに、特定の造核剤を配合することにより外層の樹脂の視認性を向上させることができる。
本発明で使用する外層には、さらに遮光性顔料としてジスアゾイエロー、アゾイエローなどの遮光性顔料を0.001〜0.030質量%の範囲で、視認性などを損なわずに紫外線遮断性をさらに向上させるために添加することができる。
ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を併用したのは、UV−B(200〜320nm)とUV−A(320〜400nm)の両方を遮断するためであり、両者を特定量併用することにより他の特性を損なわずに紫外線遮断性を著しく改善することができる。
前記耐光安定剤および造核剤が下限値未満では、視認性および紫外線遮断性が著しく改善されない恐れがあり、上限値を超えると、視認性が損なわれる恐れがある。
耐光安定剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール)、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾール)−6−t−ブチル−クレゾール、2−(3,5−ジ−t−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)ベンドトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールなどのベンゾトリアゾール系耐光安定剤、2−[4,6−ジ(2,4キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5、2、4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイロキシ)エトキシ]フェノールなどのトリアジン系耐光安定剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕のヒンダードアミン系耐光安定剤が挙げられる。
樹脂に含まれる添加剤の含有量は、テトラヒドロフラン(THF)を用いて、ソックスレー抽出器で8時間抽出した抽出液を液体クロマトグラフィーで分離、定量した値である。その測定条件は、装置がGULLIVER(日本分光株式会社製)、カラムがFinepak GEL 101(日本分光株式会社製)、溶媒がTHF、検出器がUV−970(日本分光株式会社製)と830−RI(日本分光株式会社製)である。
容器の樹脂の分子量の測定方法は、容器より切り取った樹脂組成物を溶媒(オルトジクロルベンゼン)に溶かして試料溶液とし、GPCで分子量および分子量分布を測定する。重量平均分子量および数平均分子量は次式により算出される。
重量平均分子量Mw=Σ(M×w)/Σw ・・・(2)
数平均分子量Mn=Σw/Σ(w/M) ・・・(3)
分子量分布=重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)
ただし、Mは分子量、wは重量分率である。
尚、GPCの測定条件は、装置が150CV(Waters社製)、カラムがTSKgel GMH−HT(東ソー株式会社製)、溶媒がオルトジクロルベンゼン、温度が138℃、検出器は示差屈折計である。容器の分子量分布を前記範囲に制御するためには、原料樹脂も一定範囲の分子量分布を持つものでなければならない。
成形方法は吹込み成形方法により、本発明の透明性に優れた耐薬品性吹込み成形積層容器を成形できるものであれば特に限定されるものではなく、市販されている吹込み成形積層容器の成形機から選択して使用することもできる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR8g/10min、密度956Kg/m3、重量平均分子量19万、(Mw/Mn)11、分子量1,000以下の成分0.2質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、後述する測定法で測定したクリーン度が5個/ml以下、東ソー(株)製09D01A)を使用し、バリアー樹脂として(エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂F171B:(株)クラレ製)を使用し、前記内層とバリアー樹脂との接着機能を有する接着層として無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)を使用し、回収層として前記内層、バリアー樹脂、接着層、下記最外層からの回収物を等量ずつ混合した混合物を使用し、前記バリアー樹脂からなるバリアー層と前記回収層との接着機能を有する接着層として前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)FT71A)を使用し、前記回収層の上方に前記回収層と接着機能を有する最外層として高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製HB111R、HL−MFR6g/10min、密度946Kg/m3、重量平均分子量25万、(Mw/Mn)11、溶融張力25g)に顔料ジスアゾイエロー0.025質量%、モノアゾイエロー0.007質量%、造核剤としてナトリウムビス(4−ターシャリーブチルフェニル)ホスフェート((株)ADEKA製、アデカスターブNA11)1.5質量%、耐光安定剤としてベンゾトリアゾール系(UVA)((株)ADEKA製、LA32)0.1質量%、トリアジン系(UVB)((株)ADEKA製、LA−F70)0.1質量%,酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を合計0.1質量%添加した高密度ポリエチレン樹脂を使用した。
下記の成形条件でドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形した。
(成形条件)
ブロー成形機((株)ブレンズ製6種6層)(6種の押出機を用い1個のダイヘッドで6層に積層するタイプ)を使用した。
内層の高密度ポリエチレン樹脂:スクリュウ径40mmΦ 設定温度:200℃
接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:210℃
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:230℃
接着層の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂層:スクリュウ径20mmΦ 設定温度:210℃
回収層:スクリュウ径40mmΦ 設定温度:210℃
外層の高密度ポリエチレン樹脂:スクリュウ径50mmΦ 設定温度:210℃
ダイヘッド温度:設定温度:220℃
なお、吸湿性のあるバリアー樹脂は乾燥機を用いて80℃で乾燥して水分除去したものを使用した。
このようにして得られた本発明の積層容器10個について、下記試験法によりクリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定し、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度の平均値の結果を総合して総合判定を行なった。
(試験法)
クリーン度(個数/ml):
1.測定装置:(株)リオン製パーティクルカウンター「KL−26」を使用する。
2.測定検体:容器に超純水を呼び容量の80%充填し、横倒しにしてミルで前方に1回転ころがし、後方に1回転ころがすという1サイクルを3サイクルさせた後、元の位置に戻して30分静止後に容器から測定試料を採取したものを測定検体とする。
3.測定検体の超純水を容器から10mlをパーティクルカウンターに注入して、0.2μm以上のパーティクル数を測定する。この操作を2回して、0.2μm以上のパーティクル数の平均値(B)を求める。
4.測定値から1ml中のパーティクル値を次式で計算して求める。
(B(個))÷10ml=個/ml
従来は、クリーン度が500個/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上することができるとされていた。しかし現在はさらに厳しくなり、5個/ml以下が要求される場合が多くなっている。
内層に使用した高密度ポリエチレン樹脂のクリーン度は、内層に使用した高密度ポリエチレン樹脂のみを使用して前記容器を成形して、前記試験法によりクリーン度(個数/ml)を測定したものである。
酸素透過率(ml/容器1本)
容器をJIS K7126−2に準拠し、OX−TRAN2/21)(MOCON社製)測定装置を用いて、容器外側から内側への酸素透過を測定した。温湿度:外側:1気圧、23℃、50%RH空気、内側23℃、ドライ窒素。
紫外線透過率:
容器の平滑部分を4cm角に切り取り、外層側に紫外線を当てて測定する。測定器は日本分光(株)V−670を使用し、200〜400nmの範囲で、走査速度400nm/minで測定した。
可視光線透過率、
容器の平滑部分を4cm角に切り取り、外層側に可視光線を当てて測定する。測定器は日本分光(株)V−670を使用し、400〜800nmの範囲で、走査速度400nm/minで測定した。
落下強度(1.2m高さ):
容器に水を容量の80%充填し、高さ1.2mからコンクリート面に容器底部を下にして5回落下させ、容器側部を下にして1回落下させ、割れや漏れを目視で判定する。
総合判定:
クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を総合して判定する。
○:超高純度薬品用吹込み成形積層容器として市場性がある。
△:○よりやや劣るが、超高純度薬品用吹込み成形積層容器として市場性がある。
×:超高純度薬品用吹込み成形積層容器としては市場性がない。
(測定結果)
クリーン度:1.9個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:○
なお、比較のために、透明硝子瓶(AZエレクトロニックマテリアルズマニュファクチャリング(株)製、容量2,500ml)について、実施例1と同様にして試験した結果、次のような結果が得られた。
(測定結果)
クリーン度:1.5個/ml
紫外線透過率:3%
可視光線透過率:50%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れた
以上の結果、透明硝子瓶は紫外線透過率や落下強度などが劣るが、それに対して実施例1の積層容器は全ての点で優れていることが判った。
また、実施例1の積層容器に超純水を満水に充填し、1ケ月間常温、常圧のクリーンルームに放置した後、同様にしてクリーン度を測定した。測定結果はクリーン度:1.5個/mlであった。
(実施例2)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR8g/10min、密度957Kg/m3、重量平均分子量19万、(Mw/Mn)12、分子量1,000以下の成分0.4質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、東ソー(株)製09D01C)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:4.9個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:○
(実施例3)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR8g/10min、密度958Kg/m3、重量平均分子量20万、(Mw/Mn)12、分子量1,000以下の成分0.2質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、東ソー(株)製13D01A)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる本発明の吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:1.0個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:40%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:○
(比較例1)
内層として高密度ポリエチレン(HL−MFR7g/10min、密度957Kg/m3、重量平均分子量19万、(Mw/Mn)12、分子量1,000以下の成分0.9質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が10個/ml、東ソー(株)製8D01A)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる比較のための吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:11個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:×
(比較例2)
内層として高密度ポリエチレン(JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重2.16Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したMFRが0.35g/10min、密度958Kg/m3、重量平均分子量15万、(Mw/Mn)11、分子量1,000以下の成分1.5質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が20個/ml、東ソー(株)製8022)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる比較のための吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:25個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:×
(比較例3)
内層として高密度ポリエチレン(JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重2.16Kgで測定し、測定結果を(g/10min)で表したMFRが0.30g/10min、密度957Kg/m3、重量平均分子量15万、(Mw/Mn)16、分子量1,000以下の成分2.0質量%、中和剤、酸化防止剤、耐光安定剤が意図的に添加されておらず、0.005質量%以下、クリーン度が30個/ml、日本ポリエチレン(株)製HB534N)を使用した以外は実施例1と同様にして、ドローダウンなどの問題がなく、6層からなる比較のための吹込み成形積層容器(質量330g、内層300μm、接着層50μm、バリアー樹脂層50μm、接着層50μm、回収層550μm、外層1,000μm、全肉厚2,000μm、容量3,750ml)を成形し、実施例1と同様にして、クリーン度、紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度を測定した。
測定結果を次に示す。
(測定結果)
クリーン度:31個/ml
紫外線透過率:0.1%以下
可視光線透過率:45%
酸素透過率:0.01(ml/容器1本)以下
落下強度:割れなし
総合判定:×
以上のように、比較例1〜3の吹込み成形積層容器は、クリーン度が、5個/mlを超えているので、超高純度薬品用吹込み成形積層容器としては市場性のないものである。
それに対して、実施例1〜3の本発明の内容物の視認性に優れた吹込み成形積層容器は、クリーン度が、5個/ml以下と低いので、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、かつ紫外線透過率、可視光線透過率、酸素透過率、落下強度においても優れ、耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性に優れており、かつ酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応でき、しかも低コストで経済性に優れているので、市場性の高いものであることが判る。
本発明の内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器は、容器の内側から外側に順に、接液面となる内層として中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、クリーン度が5個/ml以下、分子量1,000以下の成分が0.4質量%以下などの特性を有する高密度ポリエチレンを使用した内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む前記の外層を少なくとも積層してなり、各層がいずれも高い透明性を有する構成とすることによって、収容した内容液を外部から目視確認できるという内容物の視認性に優れるとともに、保管貯蔵している超高純度薬品などの中への容器側からの不純粒子の浸出が非常に少なく、クリーン度5個/ml以下を達成でき、かつ耐薬品性や機械的強度などに優れ、収容した内容液の変質を防止できる紫外線遮断性に優れており、かつ酸素バリアー性や酸化防止性に優れており、高価で危険性の高い化学物質も多い超高純度薬品の容器として対応でき、安全・安心に使用でき、環境に易しく、環境問題や健康問題にも貢献するものであり、また低コストで経済性に優れるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 内層
2 接着層
3 バリアー層
4 接着層
5 外層
6 内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器
7 超高純度薬品

Claims (4)

  1. 容器の内側から外側に順に、下記の内層、ポリビニルアルコールを含む酸素バリアー層および耐光安定剤を含む外層を少なくとも積層してなる各層が透明性を有する超高純度薬品用吹込み成形積層容器であって、波長500〜800nmの可視光の透過率が35%以上であり、波長200〜400nmの紫外線透過率が1%以下であり、かつ貯蔵している薬品中へ容器側から浸出する不純微粒子の個数を示す指数としてのクリーン度が5個/ml以下であることを特徴とする内容物の視認性に優れた超高純度薬品用吹込み成形積層容器。
    内層:エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1から選択される少なくとも1種類を含む単独重合体あるいは共重合体から成る下記の特性を有する高密度ポリエチレン。
    (特性)
    中和剤、酸化防止剤、および耐光安定剤を意図的には添加せず、最大含有量0.005質量%以下、
    クリーン度:5個/ml以下
    密度:950〜962Kg/m3
    重量平均分子量:18万〜25万
    分子量1,000以下の成分:0.4質量%以下
    分子量分布(Mw/Mn):12以下
    HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):6.5〜9.5
  2. 前記内層と酸素バリアー層および前記酸素バリアー層と外層を無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層により積層してなることを特徴とする請求項1記載の超高純度薬品用吹込み成形積層容器。
  3. 前記バリアー層が、下記の特性を有する酸素バリアー性に優れたエチレンビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の吹込み成形積層容器。
    (特性)
    MFR(210℃、2.16Kg荷重 g/10min):2〜5
    密度(Kg/m):1.1〜1.3
    融点(℃):170〜200
  4. 前記外層が、下記特性を有する高密度ポリエチレンと、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤とトリアジン系耐光安定剤を各0.05〜0.30質量%と、カルボン酸系造核剤、燐酸エステル金属塩系造核剤およびソルビトール系造核剤からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を0.5〜2.5質量%と、フェノール系、リン系、サルファー系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤を0.05〜0.30質量%とを少なくとも含む樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吹込み成形積層容器。
    (特性)
    密度:940〜962Kg/m
    重量平均分子量:22万〜26万
    分子量分布(Mw/Mn):12以下
    溶融張力:20〜30g
    HL−MFR(190℃、21.6Kg荷重 g/10min):5〜7
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