JP2010040172A - 光電気セルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光電気セルは、表面に電極層1を有し、必要に応じて該電極層1上に酸化チタン薄膜7を有し、電極層1上、あるいは酸化チタン薄膜7上に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜2が形成されてなる基板5と、表面に電極層3を有する基板6とが、電極層1および電極層3が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜2と電極層3との間に電解質4が封入されている。多孔質金属酸化物半導体膜2は、平均粒子径0.5〜10μm、細孔容積0.1〜0.8ml/gの範囲にある多孔質酸化チタン微粒子集合体と酸化チタン微粒子とを含む塗料を、電極層1表面に塗布し、100〜200℃で加熱処理される。
【選択図】図1
Description
さらに詳しくは、加熱温度が低くても硬化し、このため耐熱性の低い樹脂基板を用いることができ、生産性、経済性に優れるとともに光電変換効率に優れた光電気セルの製造方法に関する。
このうち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。このような光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。このエネルギー変換は連続であるため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
材に樹脂製のものが多く使用されている。しかしながら、従来の半導体膜では、伝導性酸化錫被覆ガラス基板上にチタニアゾルを塗布して半導体膜を形成する場合、400〜500℃で加熱処理して半導体膜を形成されていた(特公平8−15097号公報、特許文献3)
体膜(1)を形成したのち、
次に、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、該基材(1)とを前記電極層(1)および電極層(2)が対向し、かつ離間するように配置させ、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を封入する光電気セルの製造方法において、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、細孔
容積が0.1〜0.8ml/gの範囲にある多孔質酸化チタン微粒子集合体、と酸化チタン微粒子とを含む光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を、電極層(1)表面
に、塗布し、ついで、100〜200℃で加熱処理することにより形成される光電気セルの製造方法。
[2]前記多孔質酸化チタン微粒子集合体が、平均粒子径が5〜400nmの範囲にある粒
状酸化チタン微粒子(1)からなる[1]の光電気セルの製造方法。
[3]前記多孔質酸化チタン微粒子集合体の平均粒子径が、半導体膜(1)厚の1/10〜1の範囲
にある[2]の光電気セルの製造方法。
[4]多孔質酸化チタン微粒子集合体が、200〜400℃で加熱処理されたものである[1]〜[3]の光電気セルの製造方法。
[5]前記多孔質酸化チタン微粒子集合体がチタン化合物処理されている[1]〜[4]の光電気
セルの製造方法。
[6]前記酸化チタン微粒子の平均粒子径が5〜400nmの範囲にある[1]〜[5]の光電気
セルの製造方法。
を吸着している[1]〜[6]の光電気セルの製造方法。
[8]多孔質酸化チタン微粒子集合体が、粒状酸化チタン微粒子分散液を噴霧乾燥して得ら
れたものである[1]〜[7]の光電気セルの製造方法。
[9]前記光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料がさらに、ペルオキシチタン
酸またはペルオキシチタン酸を加熱熟成して得られたチタニアゾルをバインダーとして含む[1]〜[8]の光電気セルの製造方法。
[10]前記光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を塗布した後、紫外線照射すること[9]の光電気セルの製造方法。
[11]前記基板(1)が樹脂フィルムである[1]〜[10]の光電気セルの製造方法。
[12]前記多孔質金属酸化物半導体膜(1)中の多孔質酸化チタン微粒子集合体の含有量が3
0〜70重量%の範囲にあり、前記酸化チタン微粒子の含有量が30〜70重量%の範囲にある[1]〜[11]の光電気セルの製造方法。
[13]前記電極層(1)表面に、ペルオキシチタン酸水溶液を塗布、乾燥して酸化チタン薄膜(1)を形成したのち、該酸化チタン薄膜(1)表面に多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成する[12]の光電気セルの製造方法。
[14]前記酸化チタン薄膜(1)の膜厚が10〜70nmの範囲にあり、細孔容積が0.01
〜0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5〜5.0nmの範囲にある[13]の光電気セルの製造方法。
本発明では、表面に電極層(1)を有する基材(1)表面に、光増感材が吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成したのち、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、該基材(1)とを前記電極層(1)および電極層(2)が対向し、かつ離間するように配置させ、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を封入する光電気セルの製造方法において、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)に特定の塗布液を使用することを特徴とするものである
。
本発明に用いる光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料は、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、細孔容積が0.1〜0.8ml/gの範囲にある多孔質酸化チタン微粒子集合体と酸化チタン微粒子とを含んでいる。
多孔質酸化チタン微粒子集合体は粒状酸化チタン微粒子の集合体である。
粒状酸化チタン微粒子は、平均粒子径が5〜500nm、さらには10〜100nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が前記範囲の下限未満のものは得ることが困難であり、仮に得られたとしても、これを用いて得られる酸化チタン微粒子集合体の細孔容積が小さくなるとともに表面積が低下するため光増感材の吸着量が低下し、また、電解質の拡散性が低下してバックカレントを引き起こすことがあり、光電変換効率が不充分となることがある。平均粒子径が大きすぎると、得られる多孔質酸化チタン微粒子集合体の強度が不充分となり、容易に集合体がほぐれやすくなり、また、粒状酸化チタン微粒子の粒子径が大きいことにより比表面積が低下し、光増感材の吸着が低下することから、光電変換効率が不充分となることがある。
しい。大きいもののみでは、得られる集合体の強度が弱く、小さい粒子だけでは細孔容積が小さくなることがある。このように併用することで、小さい粒子がバインダーとして作用し、強度が強く、細孔容積の大きい集合体が得られる。
このような粒状酸化チタン微粒子としては、平均粒子径が前記範囲に有れば特に制限はなく従来公知の酸化チタン微粒子を用いることができる。また結晶型も特に制限されず、たとえばアナタース、ルチル、ブルッカイト、無定形などの公知の結晶型が挙げられる。
多孔質酸化チタン微粒子集合体の平均粒子径は0.5〜10μm、さらには1〜5μmの範囲にあることが好ましい。
多孔質酸化チタン微粒子集合体の細孔容積が前記範囲の下限未満の場合は、多孔質酸化チタン微粒子集合体の比表面積が低くなり、このため光増感材の吸着量が低下し、また、電解質の拡散性が低下してバックカレントを引き起こすことがあり、光電変換効率が不充分となることがある。
噴霧乾燥条件としては、用いる粒状酸化チタン微粒子の大きさ、分散液の濃度等によって異なるが、例えば、噴霧乾燥雰囲気温度が概ね10〜150℃、好ましくは40〜120℃、湿度が3〜13vol%、好ましくは5〜9vol%の気流中に噴霧して乾燥することによって得ることができる。この様な条件で噴霧乾燥すると球状の多孔質酸化チタン微粒子集合体が得られ、容易に均一で厚膜の多孔質金属酸化物半導体膜が得られ、色素の吸着量が十分であり、かつ、電子移動性が良好な多孔質金属酸化物半導体膜を得ることができる。
らには5.0〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
粒状酸化チタン微粒子分散液の固形分濃度が低い場合、多孔質酸化チタン微粒子集合体を得ることが困難であり、得られたとしても平均粒子径が0.5μm未満となり、本願の目的を達成することが困難でとなることがある。粒状酸化チタン微粒子(1)分散液の固形
分濃度が高すぎると、分散液の粘度が高く噴霧乾燥することができない場合がある。
ン微粒子集合体を容易に得ることができ、得られた多孔質酸化チタン微粒子集合体は容易に壊れることがなくなり、さらに、得られた多孔質酸化チタン微粒子集合体を必要に応じて焼成することによってアナタース型酸化チタンとすることができ、光増感材の吸着にも寄与し、光電変換効率を低下させることがないので好適に用いることができる。このようなバインダーの使用は、使用する粒状酸化チタン微粒子(1)が大きい場合に、粒状酸化チ
タン微粒子同士を結着させるので、有効である。
比率(バインダー/粒状酸化チタン微粒子(1))が1/100〜30/100、さらには
2/100〜20/100の範囲にあることが好ましい。
子集合体の細孔容積が小さくなりすぎ、光増感材の吸着量が不充分となる場合がある。
なお、バインダーを添加する場合も、粒状酸化チタン微粒子(1)分散液の濃度は、バイ
ンダーを含めた合計の固形分濃度が、前記したような0.5〜40重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
5〜8重量%の四塩化チタン水溶液に、前記多孔質酸化チタン微粒子集合体を分散させ、20〜95℃、好ましくは30〜85℃の温度範囲で攪拌し、ついで洗浄する。この処理によって、多孔質酸化チタン微粒子集合体の表面に微細な酸化チタン前駆体が担持される。
ることが好ましい。焼成温度は200〜800℃、さらには300〜700℃の範囲にあることが好ましい。この加熱処理によって、前記酸化チタン前駆体がアナタース型酸化チタンとなり、より光電変換効率を高くすることができる。
可視光吸収光増感材としては、可視光領域(波長=480〜600)の光を吸収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
ラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム
、ルテニウム-シス-ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-ジアクア-ビピリジル錯体などの錯体を挙げることができる。
れた銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム、ルテニウム-シ
ス-ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-
ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体を挙
げることができる。これらの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
以上、さらには150μg以上であることが望ましい。多孔質酸化チタン微粒子集合体の光増感材の吸着量が少ないと光電変換効率が不充分となる。
光増感材溶液の光増感材の濃度は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり
100μg以上、さらには200μg以上となる濃度が好ましい。
本発明に用いる光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料には、前記多孔質酸化チタン微粒子集合体とともに酸化チタン微粒子を含んでいる。
このような酸化チタン微粒子は、特開昭63-229139号公報などの公知の製造方法で調製
されたものであれば特に制限なく使用できる。
光増感材としては、前記多孔質酸化チタン微粒子集合体に用いたと同様の光増感材を用
いることができ、光増感材の吸着量および吸着方法も同様である。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中の多孔質酸化チタン微粒子集合体および酸化チタン微粒子の合計濃度は酸化チタンとして1〜40重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
化チタン微粒子の含有量が30〜70重量%、さらには50〜65重量%の範囲となるように、これらの成分は塗料中に含まれていることが望ましい。
ない回数で所望の厚さの多孔質金属酸化物半導体膜を形成できない場合があり、繰り返し操作が必要となる。また、多孔質酸化チタン微粒子集合体の含有量が多すぎると、相対的に、酸化チタン微粒子が割合がすくなってしまうことがあり、多孔質半導体膜の強度が不充分となったり、光電変換効率が不充分となる場合がある。
塗料の分散媒としては水、アルコール類、ケトン類、グリコール類、エーテル類から選ばれる1種または2種以上が用いられる。
本発明の塗料には増粘剤が含まれていてもよく、増粘剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポリアセチレン、ポリビニルピロリドン、ポリピロール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。このような増粘剤が多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中に含まれていると、塗料の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができる。
増粘剤の濃度が多すぎると乾燥・焼成後に増粘剤がチタニア膜内に残存し、電子の移動を妨げるなどの理由より、充分な光電変換効率の向上効果が得られないことがある。
前記多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料にはペルオキシチタン酸が含まれていてもよい。ペルオキシチタン酸は、塗料中で、低温で分解して酸化チタンとなり、多孔質酸化チタン微粒子集合体の粒子間、粒子表面上に存在し、バインダーとして基材(薄膜)との接着剤として機能する。その結果、ペルオキシチタン酸が含まれていると緻密で強度に優れるとともに電子移動性に優れた多孔質金属酸化物半導体膜が得られ、さらに光増感材の吸着量が増加し、この結果、光電変換効率が向上する場合がある。塗料中のペルオキシチタン酸の使用量は酸化チタンとして前記多孔質酸化チタン微粒子集合体および酸化チタン微粒子との合計量の1〜30重量%、さらには2〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
変換効率を向上させる効果等が不充分となることがある。ペルオキシチタン酸の使用量が多すぎると前記効果が更に向上することもなく、光電変換効率が低下することがある。
なおペルオキシチタン酸については後述する。
本発明に係る光電気セルの製造方法では、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を電極層上または必要に応じて設ける酸化チタン薄膜上に塗布し、必要に応じて乾燥し、ついで、100〜200℃、好ましくは150〜195℃で概ね1〜120時間加熱処理する。
間程度照射すればよい。
形成された多孔質金属酸化物半導体膜に、光増感材を吸着させても良い。光増感剤の吸着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液を半導体膜に塗布し、次いで乾燥する等の一般的な方法が採用される。
本発明に係る光電気セルの製造方法は、表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、多孔質金属酸化物半導体膜(1)を、前記塗料を塗布して形成するものである。
図1は、本発明によって得られる光電気セルの1例を示す概略断面図であり、表面に電極層(1)を有し、必要に応じて該電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を有し、電極層(1)上、あるいは酸化チタン薄膜(1)上に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間
に電解質が封入されている。
なお、本発明によって得られる光電気セルは図示した光電気セルに限定されるものではなく、半導体膜を2層以上有し、この間に別の電極層および電解質層を設けた光電気セルであってもよい。
一方の基板としてはガラス基板、PET等の樹脂フィルム基板等の透明でかつ絶縁性を
有する基板を用いることができる。
を用いることができる。
基板が樹脂フィルムであると、ガラス基盤を用いる場合より、基材自体が安価であることに加え、連続生産が可能であることから経済性に優れており、さらに、軽量の太陽電池がとなり、持運びが容易となるため、モバイル用等に適している。
樹脂フィルムとしては、PENフィルム、PETフィルム等従来公知の樹脂フィルムが挙げられる。また、基板は少なくとも一方が透明であればよい。
基板(1)表面に形成された電極層(1)としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等などの従来公知の電極を使用することができる。
とができる。
また、他の一方の基板(2)表面に形成された電極層(2)としては、還元触媒能を有するものであれば特に制限されるものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。
層(1)と同様に透明電極であってもよい。さらに、基板(2)は基板(1)と同じものであって
もよく、電極層(2)は電極層(1)と同じものであってもよい。
い。電極層の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなること
がある。
本発明において、必要に応じて電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を形成されていてもよく、この酸化チタン薄膜(1)は増粘剤を含むペルオキシチタン酸水溶液を用いて形成され
たものであり、緻密な膜である。酸化チタン薄膜が形成された場合、該薄膜の表面に前記半導体膜が形成される。
あることが好ましい。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が薄いと、酸化チタン膜(1)による暗電流の抑制、電子の再結合の抑制が不充分となる。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が厚すぎると、
エネルギー障壁が大きくなりすぎて電子の移動が抑制され、逆に光電変換効率が低下することがある。
2〜0.15ml/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が前記上限よりも多いと、緻密性が低下してしまい、電解液と電極との接触が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑制効果が不充分となることがある。なお、スパッタリングなどの方法でも、緻密な酸化チタン薄膜を得ることは可能であるが、緻密すぎて電子の移動を阻害したり、後に形成する多孔質金属酸化物半導体膜との密着性が不充分となることがある。
の範囲にあることが好ましい。酸化チタン薄膜(1)の平均細孔径が前記上限よりも大きい
ものは、電解液と電極との接触が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑制効果が不充分となることがある。
硬化させることにより形成することができる。
.1〜2.0重量%、さらには0.3〜1.0重量%の範囲にあることが好ましい。ペルオキシチタン酸水溶液の濃度が薄いと、所望の膜厚の酸化チタン薄膜(1)が得られないこ
とがあり、繰返し塗布、乾燥を行う必要が生じる。ペルオキシチタン酸水溶液の濃度が薄いと、乾燥時にクラックが生じたり、緻密な膜を形成できないことがあり、暗電流の抑制、電子の再結合の抑制効果が得られないことがある。
水素との反応が容易となる。得られたゲルまたはゾル中のオルソチタン酸粒子は、非晶質であることが好ましい。
ペルオキシチタン酸水溶液を調製するに際しては、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物を、必要に応じて約50℃以上に加熱したり、攪拌したりすることが好ましい。また、この際、オルソチタン酸の濃度が高くなるすぎると、その溶解に長時間を必要とし、さらに未溶解のゲルが沈殿したり、あるいは得られるペルオキシチタン酸水溶液が粘調になることがある。このため、TiO2濃度としては、約10重量%以下であることが好ましく、さらに約5重量%以下であることが望ましい。
チタン酸水溶液は溶解後、50〜90℃で熟成することが好ましい。この熟成を行うと実質的に非晶質であるがアナターゼ類似のX線回折パターンを示し、平均粒子径が10〜50nmの範囲にある粒子が生成し、前記細孔容積および平均細孔径を有する酸化チタン薄膜を再現性よく得ることができる。
また、本発明に用いるペルオキシチタン酸水溶液は増粘剤を含んでいるが、増粘剤としてはエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノール等が含まれていてもよい。このような増粘剤がペルオキシチタン酸水溶液中に含まれていると、塗布液の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができ、クラックのない均一な膜厚の酸化チタン薄膜が得られ、下層の電極層、上層の多孔質金属酸化物半導体膜との密着性の高い酸化チタン薄膜を得ることができる。
密着性に優れ、膜厚が均一で、クラックがなく、かつ強度に優れた酸化チタン薄膜(1)を
形成することができ、特に工業的にはフレキソ印刷法が好適に採用することができる。
塗布して半導体膜を形成することができるが、乾燥後硬化させた後、前記半導体膜を形成してもよい。
射し、ついで加熱処理によってアニーリングする。
紫外線の照射はペルオキシチタン酸が分解して硬化するに必要な量照射すればよい。
加熱処理は、通常、100〜500℃、さらには300〜450℃で概ね1〜48時間処理する。
なお、基板が樹脂フィルムである場合の酸化チタン薄膜(1)の形成方法は、100〜2
00℃、さらには150〜195℃で概ね1〜72時間加熱処理すればよい。
本発明に係る光電気セルでは、多孔質金属酸化物半導体膜(1)が光増感材を吸着してい
る。
光増感材は前記したとおりであり、多孔質金属酸化物半導体膜の光増感材の吸着量は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり100μg以上、さらには150μg
以上であることが好ましい。
このような光増感材の吸着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の方法により多孔質金属酸化物半導体膜に吸収させ、次いで乾燥する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じて前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を多孔質金属酸化物半導体膜に吸着させることもできる。なお、すでに、多孔質酸化チタン微粒子集合体、酸化チタン微粒子に光増感材を吸着させている場合、かかる吸着処理は行わなくともよい。
なお、本発明では、多孔質金属酸化物半導体膜中に含まれる多孔質酸化チタン微粒子集合体および酸化チタン微粒子が光増感材を吸着したものである場合は必ずしも多孔質金属酸化物半導体膜を形成した後に光増感材を吸着させる必要はないが、多孔質金属酸化物半導体膜を形成した後に光増感材を吸着させることもできる。
孔質金属酸化物半導体膜を有する基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、電
極層(1)および電極層(2)が対向するように配置し、側面を樹脂にてシールし、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質を封入し、さらに電極間をリード線で接続することによって光電気セルを製造することができる。
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物が使用される。
、概ね0.1〜5モル/リットルの範囲にあることが好ましい。
電解質層には、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに実施例により限定されるものではない。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(1)の調製
酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)350gと酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)150gを混合した溶液にTiO2
としての濃度4.0重量%のペルオキシチタン酸水溶液250gを混合し、これに水を加えて希釈し、TiO2濃度8重量%の酸化チタン微粒子分散液を調製した。ついで、分散液を対向式2流体ノズルに供給し、処理液量60L/Hr、空/液比=2000、空気流速マッハ1.1、乾燥雰囲気温度120℃、湿度7.2Vol%の条件下で噴霧乾燥した。
した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(1)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に示
した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(1)20gを、酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製
:HPW−18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)120gと、混合した溶液にエタノールを120g添加し、攪拌した後遠心分離機により上澄みを除去し、TiO2濃度25%となるように、tert−ブタノールで回収した後、超音波により分散
させた。さらに、その溶液に、ポリエチレンオキサイドの濃度が10%となるようにエタノールに溶解した溶液を10g添加し混合した分散液190gに、半導体膜形成助剤としてエチルセルロース14gを10%濃度となるようにエタノールで溶解した溶液を10g加えよく混合した後、超音波により分散させて、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(1)を調製した。
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として1.0重量%含有する水溶
液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の
水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃で2時間加熱して溶解し、TiO2として濃度1.0重量%のペルオキ
シチタン酸水溶液(1)を得た。さらに、TiO2濃度0.5%、エチレングリコール濃度20%となるように水およびペルオキシチタン酸水溶液にエチレングリコールを加えペルオキシチタン酸コーティング液を得た。
ペルオキシチタン酸コーティング溶液(1)を酸化インジウムがドープされた酸化スズを電
極としてコーティングされた形成したPEN基板にフレキソ印刷法で塗布し、自然乾燥し
、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ
酸を分解させ、膜を硬化させた。さらに、150℃で30分間加熱処理して酸化チタン薄膜(1)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(1)の膜厚は40nm、窒素吸着法によって求めた細孔容積は0
.12ml/g、平均細孔径は2nmであった。
酸化チタン薄膜(1)を形成したPEN基板上に多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(1)を印刷膜厚が約100μmとなるようにドクターブレード法により塗布を行い、その後120℃で2時間乾燥し、ついで、低圧水銀ランプを用い600mJ/cm2の紫外線を2
時間照射し、ついで、170℃で2時間加熱処理して多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形
成した。
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(1)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷
を付け100個の升目を作り、これにセロハンテ−プを接着し、ついで、セロハンテ−プを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することにより密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数90〜99個 :○
残存升目の数85〜89個 :△
残存升目の数84個以下 :×
光増感材としてDYESOL社製B2色素を濃度0.1%となるようにエタノール溶液を調製した。この溶液に多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成したPENフィルムを5時
間漬込み、取り出した後エタノール水溶液で洗浄し、色素を吸着させた。
先ず、溶媒としてアセトニトリルと炭酸エチレンの体積比が1:4の比でを混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオダイドとヨウ素とを、それぞれの濃度が0.46
モル/L、0.06モル/Lとなるように溶解して電解質溶液を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜(2)の形成
実施例1において、150℃で2時間加熱処理を行った以外は同様にして多孔質金属酸
化物半導体膜(2)を形成した。
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(2)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成したPEN基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(2)を用いた以外は同
様にして光電気セル(2)を作成した。
光電気セル(2)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質金属酸化物半導体膜(3)の形成
実施例1において190℃で1時間加熱処理を行った以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した。
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(3)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成したPEN基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(3)を用いた以外は同
様にして光電気セル(3)を作成した。
光電気セル(3)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(4)の調製
酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)200gと酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)80gを混合した溶液にTiO2と
しての濃度4.0重量%のペルオキシチタン酸水溶液300gを混合し、これに水を加えて希釈し、TiO2濃度8重量%の酸化チタン微粒子分散液を調製した。ついで、分散液を対向式2流体ノズルに供給し、処理液量60L/Hr、空/液比=2000、空気流速マッハ1.1、乾燥雰囲気温度120℃、湿度 7.2Vol%の条件下で噴霧乾燥した。
した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(4)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に
示した。
実施例1において、多孔質酸化チタン微粒子集合体(4)を用いた以外は同様にして多孔
質金属酸化物半導体膜形成用塗料(4)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(4)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(4)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を
評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成したPEN基板を用いた以外
は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(4)を用いた以外は同
様にして光電気セル(4)を作成した。
光電気セル(4)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(5)の調製
酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)280gと酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)100gを混合した溶液にTiO2
としての濃度4.0重量%のペルオキシチタン酸水溶液100gを混合し、これに水を加えて希釈し、TiO2濃度8重量%の酸化チタン微粒子分散液を調製した。ついで、分散液を対向式2流体ノズルに供給し、処理液量60L/Hr、空/液比=2000、空気流速マッハ1.1、乾燥雰囲気温度120℃、湿度7.2Vol%の条件下で噴霧乾燥した。
した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(5)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に
示した。
実施例1において、多孔質酸化チタン微粒子集合体(5)を用いた以外は同様にして多孔
質金属酸化物半導体膜形成用塗料(5)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(5)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(5)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を
評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成したPEN基板を用いた以外
は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(5)を用いた以外は同
様にして光電気セル(5)を作成した。
光電気セル(5)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)の調製
実施例1と同様にして調製した多孔質酸化チタン微粒子集合体(1)20gを酸化チタン
ゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW−18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)185gに混合した溶液にエタノールを150g添加し、攪拌した後、遠心分離機により上澄みを除去し、TiO2濃度25%となるように、tert−ブタノールで回
収した後、超音波により分散させた。さらに、その溶液に、ポリエチレンオキサイドの濃度が10%となるようにエタノールに溶解した溶液を10g添加し混合した分散液190gに、半導体膜形成助剤としてエチルセルロース14gを10%濃度となるようにエタノールで溶解した溶液を10g加えよく混合した後、超音波により分散させて、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(6)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を
評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成したPEN基板を用いた以外
は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(6)を用いた以外は同
様にして光電気セル(6)を作成した。
光電気セル(6)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)の調製
実施例1と同様にして調製した多孔質酸化チタン微粒子集合体(1)40gを酸化チタン
ゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW−18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)108gに混合した溶液にエタノールを100g添加し、攪拌した後、遠心分離機により上澄みを除去し、TiO2濃度25%となるように、tert−ブタノールで回
収した後、超音波により分散させた。さらに、その溶液に、ポリエチレンオキサイドの濃度が10%となるようにエタノールに溶解した溶液を10g添加し混合した分散液190gに、半導体膜形成助剤としてエチルセルロース14gを10%濃度となるようにエタノールで溶解した溶液を10g加えよく混合した後、超音波により分散させて、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(7)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を
評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成したPEN基板を用いた以外
は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(7)を用いた以外は同
様にして光電気セル(7)を作成した。
光電気セル(7)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(8)の調製
実施例1において、酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW−10R、平均粒子径10nm、TiO2濃度20重量%)を(日揮触媒化成(株)製:HPW−18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)の代わりに用いた以外は同様にして多孔質酸化チタン微粒子集合体(8)を調製した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(8)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に
示した。
実施例1において、多孔質酸化チタン微粒子集合体(8)を用いた以外は同様にして多孔
質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(8)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を
評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成したPEN基板を用いた以外
は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(8)を用いた以外は同
様にして光電気セル(8)を作成した。
光電気セル(8)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(9)の調製
実施例1において、酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)150gと酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)350gを混
合した溶液を用いた以外は同様にして多孔質酸化チタン微粒子集合体(9)を調製した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(9)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に
示した。
実施例1において、多孔質酸化チタン微粒子集合体(9)を用いた以外は同様にして多孔
質金属酸化物半導体膜形成用塗料(9)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(9)を用いた以外は同様にし
て多孔質金属酸化物半導体膜(9)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(9)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を
評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(9)を形成したPEN基板を用いた以外
は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(9)を用いた以外は同
様にして光電気セル(9)を作成した。
光電気セル(9)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した
。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(10)の調製
実施例1と同様にして多孔質酸化チタン微粒子集合体(1)を調製した。
四塩化チタン水溶液(TiO2濃度が0.5重量%)2000gに多孔質酸化チタン微粒
子集合体(1)50gを分散させ、80℃で1時間撹拌し、ついで、濾過し、純水ついでエ
タノールによる洗浄を行い、ついで、120℃で2時間乾燥して酸化チタン前駆体を担持した多孔質酸化チタン微粒子集合体(10)を調製した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(10)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に示した。このときの酸化チタン前駆体の担持量はTiO2として28重量%であった。
実施例1において、多孔質酸化チタン微粒子集合体(10)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(10)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(10)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(10)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(10)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(10)を形成したPEN基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(10)を用いた以外は同様にして光電気セル(10)を作成した。
光電気セル(10)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(11)の調製
酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)350gと酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW―400C、平均粒子径400nm、TiO2濃度20重量%)150gを混合した溶液に水を加
えて希釈し、TiO2濃度8重量%の酸化チタン微粒子分散液を調製した。ついで、分散液を対向式2流体ノズルに供給し、処理液量60L/Hr、空/液比=2000、空気流速マッハ1.1、乾燥雰囲気温度120℃、湿度7.2Vol%の条件下で噴霧乾燥した。
多孔質酸化チタン微粒子集合体(11)の平均粒子径および細孔容積を測定し、結果を表に示した。
実施例1において、多孔質酸化チタン微粒子集合体(11)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(11)を調製した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(11)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(11)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(11)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(11)を形成したPEN基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(11)を用いた以外は同様にして光電気セル(11)を作成した。
光電気セル(11)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)の調製
酸化チタンゾル(日揮触媒化成(株)製:HPW−18NR、平均粒子径20nm、TiO2濃度20重量%)100gに、半導体膜形成助剤としてエチルセルロース8gを10%濃度となるようにエタノールで溶解した溶液を加えよく混合した後、スクリーン印刷用の溶媒としてテルピネオールを73g加えたよく混合した溶液を、ロータリーエバポレータにてTiO2濃度20重量%となるように濃縮し、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)を調製した。
フッ素ドープした酸化スズが電極層として形成された透明ガラス基板上に、実施例1と同様にして酸化チタン薄膜(1)を形成し、ついで、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)をスクリーン印刷および乾燥を膜厚が12μmになるまで4回繰り返し、その後45
0℃で1時間の焼成アニーリングを行って多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成したガラスを用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を用いた以外は同様にして光電気セル(R1)を作成した。
光電気セル(R1)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の形成
比較例1において、透明ガラス基板に代えてPEN基板を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した。
しかしながら、PEN基板が変形したので多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の特性評価、光増感材の吸着および光電気セル作成は実施しなかった。
多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の形成
実施例1において、PEN基板に代えて透明ガラス基板を用いて多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(1)をスクリーン印刷および乾燥を膜厚が12μmになるまで2回繰り返
し、その後450℃で1時間加熱処理した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の膜厚、細孔容積、平均細孔径および密着性を評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成したガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1において、色素を吸着させた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を用いた以外は同様にして光電気セル(R3)を作成した。
光電気セル(R3)について、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の形成
実施例1において、250℃で2時間加熱処理を行った以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R4)を形成した。
しかしながら、PEN基板が変形したので多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の特性評価、光増感材の吸着および光電気セル作成は実施しなかった。
2・・・・・半導体膜(1)
3・・・・・電極層(2)
4・・・・・電解質層(2)
5・・・・・基板(1)
6・・・・・基板(2)
7・・・・・酸化チタン薄膜
Claims (14)
- 表面に電極層(1)を有する基材(1)表面に、光増感材が吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成したのち、
次に、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、該基材(1)とを前記電極層(1)および電極層(2)が対向し、かつ離間するように配置させ、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を封入する光電気セルの製造方法において、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、細孔
容積が0.1〜0.8ml/gの範囲にある多孔質酸化チタン微粒子集合体と、酸化チタン微粒子とを含む光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を、電極層(1)表面
に、塗布し、ついで、100〜200℃で加熱処理することにより形成されることを特徴とする光電気セルの製造方法。 - 前記多孔質酸化チタン微粒子集合体が、平均粒子径が5〜400nmの範囲にある粒状酸化チタン微粒子(1)からなることを特徴とする請求項1に記載の光電気セルの製造方法
。 - 前記多孔質酸化チタン微粒子集合体の平均粒子径が、半導体膜(1)厚の1/10〜1の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の光電気セルの製造方法。
- 多孔質酸化チタン微粒子集合体が、200〜400℃で加熱処理されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
- 前記多孔質酸化チタン微粒子集合体がチタン化合物処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
- 前記酸化チタン微粒子の平均粒子径が5〜400nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
- 前記多孔質酸化チタン微粒子集合体および/または前記酸化チタン微粒子が光増感材を吸着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
- 多孔質酸化チタン微粒子集合体が、粒状酸化チタン微粒子分散液を噴霧乾燥して得られたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
- 前記光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料がさらに、ペルオキシチタン酸またはペルオキシチタン酸を加熱熟成して得られたチタニアゾルをバインダーとして含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。
- 前記光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を塗布した後、紫外線照射することを特徴とする請求項9に記載の光電気セルの製造方法。
- 前記基板(1)が樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
の光電気セルの製造方法。 - 前記多孔質金属酸化物半導体膜(1)中の多孔質酸化チタン微粒子集合体の含有量が30
〜70重量%の範囲にあり、前記酸化チタン微粒子の含有量が30〜70重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光電気セルの製造方法。 - 前記電極層(1)表面に、ペルオキシチタン酸水溶液を塗布、乾燥して酸化チタン薄膜(1)を形成したのち、該酸化チタン薄膜(1)表面に多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成することを特徴とする請求項12に記載の光電気セルの製造方法。
- 前記酸化チタン薄膜(1)の膜厚が10〜70nmの範囲にあり、細孔容積が0.01〜
0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5〜5.0nmの範囲にあることを特徴とする請求項13に記載の光電気セルの製造方法。
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