JP4369675B2 - 半導体膜、半導体膜の形成方法、及び光電極 - Google Patents

半導体膜、半導体膜の形成方法、及び光電極 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性等の性質に優れた半導体膜を提供する半導体膜、その製造方法及び光電極に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来から酸化チタンなどの半導体微粒子は、光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性の用途に有用なものである。特に、太陽電池、光電変換材料などは、地球環境に悪影響を与えないで動力、熱などのエネルギーを得る手段として注目されている。
【0003】
上記した用途に使用される半導体膜を形成する塗布剤として、加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマー及び/又はその低縮合物を過酸化水素水と反応させて得られる無機膜形成用塗布剤が、特開平13-58825号公報に記載されている。該公報に記載の塗布剤をプラスチック等の基材に塗装したものにおいては、緻密な塗膜が形成されるので表面積が小さくなるために上記したチタン膜による性質が充分に発揮できないこと、また塗膜の表面積を大きくするために通常200℃以上の加熱が行われるが、この加熱によりプラスチック基材が変形、変質し目的とするものが得られない。
【0004】
また、酸化チタンなどの半導体微粒子をポリエチレングリコールに分散した分散液(特開平10-212120号公報、特開平14-8741号公報など)は、プラスチック基材に塗装した酸化チタン膜が剥がれ落ち易いといった問題点があった。
【0005】
本発明は、特に従来からの問題点である、基材に対する付着性を向上させるとチタン膜の性質が有効に発揮できず、一方、基材に対する付着性を上げるとチタン膜の性質が低下するといった相反する性質の改良を行った半導体膜、その形成方法、及び光電極を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開平13-58825号公報
【特許文献2】
特開平10-212120号公報
【特許文献3】
特開平14-8741号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記した問題点を解消するために、特に特定のチタンゾルを使用して半導体微粒子同士を焼結させた半導体膜が、上記した問題点を全て解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本願は、
1、基材表面に、
(1)半導体微粒子層を形成させる工程
(2)前記工程(1)の後に加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタンゾル(A)又はペルオキソチタンゾル(A1)を塗布する工程、
次いで、エージングを行う工程、
次いで、(3)水洗を行う工程、
次いで、(4)水を除去する工程、
を含むことを特徴とする半導体膜の形成方法、
2、前記エージングを行う工程が、40℃〜100℃の温度でエージングを行う工程である1項記載の半導体膜の形成方法、
3、前記工程(2)の塗布が浸漬塗装であることを特徴とする1又は2項記載の半導体膜の形成方法
4、前記工程(4)が、40℃〜150℃の温度範囲の加熱により水を蒸発させる工程である1〜3項のいずれか1項に記載の半導体膜の形成方法、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明について以下に詳細に説明する。
【0010】
本発明半導体膜は、基材表面に複数個の半導体微粒子から形成された半導体微粒子層を有し、且つ該半導体微粒子の接触部の一部もしくは全部が焼結されており、その接触部が加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタンのゾル(A)により形成された半導体膜である。
【0011】
本発明半導体膜が形成される基材としては、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には、例えば、高分子フィルム(シート、加工部品、成型材など)、金属、陶磁器、繊維、ガラス、コンクリート等の用途に応じた基材が適宜選択できる。また、光電極などに使用される透明電極基材としては、例えばガラス板や高分子フィルムなどの透明基板上に、金、銀、アルミニウム、インジウム、酸化インジウムスズ(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO膜)、酸化スズの何れかを蒸着することによって形成されたものが使用できる。
【0012】
本発明半導体膜の半導体微粒子層を構成する半導体微粒子としては、従来から公知の半導体微粒子が特に制限なしに使用できる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化カドミニウム、酸化インジウム、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化銅、酸化水銀、酸化銀、酸化マンガン、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化ガリウム、酸化けい素、酸化クロムなどの如き金属酸化物類、SrTiO3、CaTiO3のようなペロブスカイト類、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、硫化鉛、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス、硫化カドミニウム亜鉛、硫化銅などの如き金属硫化物類、CdSe、InSe3、WSe、HgS、PbSe、CdTeの金属カルコゲナイド類、その他GaAs、Si、Se、Cd3、Zn3、InP、AgBr、PbI、HgI、BiI3が挙げられる。また、前記半導体から選ばれる少なくとも一種以上を含む複合体も使用することができる。
【0013】
これらに中でも特に安価で性能に優れたアナターゼ型酸化チタン微粒子が好ましい。酸化チタンの商品名としては、例えば、AMT−600(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、平均粒子径30nm)、AMT−100(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径6nm)、ST−01(石原テクノ製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径7nm)、ST−21(石原テクノ製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径20nm)、P−25(日本エアロジル株式会社製、商品名、ルチル・アナタース型結晶、1次平均粒径約30nm)などが挙げられる。
【0014】
半導体微粒子の1次平均粒子径としては、例えば、1nm〜1000nm、15nm〜100nmの範囲である。半導体微粒子の粒子径が1nmより小さいと、光電極などで使用する場合に色素増感半導体層の空孔径が小さくなり、電解質溶液中の酸化還元物質の移動が困難になって、光変換後の電流値が低くなるので好ましくない。また、半導体微粒子の1次平均粒子径が1000nmより大きくなると、半導体層の表面積が大きくないため、充分な増感色素の担持量を得ることができないので、光変換後の電流値が高くならないため好ましくない。半導体微粒子は通常2次凝集しているので分散機を使用して1次平均粒子径もしくは1次平均粒子径近くまで分散することが好ましい。分散機を使用して分散した後の平均粒子径は100nm以下が好ましい。
【0015】
本発明半導体膜において、半導体微粒子の接触部の一部もしくは全部がチタンゾル(A)により焼結された構成を有する。
【0016】
焼結に使用されるチタンゾル(A)としては、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタンゾル(A)である。
【0017】
チタンゾル(A)において、加水分解性チタン及びその縮合物とは水などによりチタン化合物が加水分解して水酸化チタンになるものである。
【0018】
該加水分解性チタンとしては、特に一般式 Ti(OR)4 (式中、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜5のアルキル基を示す)のテトラアルコキシチタンが好ましい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
また、加水分解性チタンとしては、上記した以外に塩化チタン、フッ化チタン、硫酸チタン等が使用できる。
加水分解性チタン低縮合物は、上記した加水分解性チタン同士の低縮合物である。
【0019】
該低縮合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であっても、もしくはその1部が加水分解された水酸基であってもどちらでも構わない。
また、塩化チタンや硫酸チタン等の水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液との反応により得られるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)も低縮合物として使用できる。
【0020】
また、加水分解性チタンの低縮合物は、縮合度2〜30の化合物が使用可能で、特に縮合度2〜10の範囲内のものを使用することが好ましい。
【0021】
これらチタンゾル(A)は1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。またチタンの分散媒としては、水、親水性溶媒(アルコールなど)、水・親水性溶媒との混合液、及び疎水性溶媒などを使用することができる。
【0022】
本発明において、ペルオキソチタンゾル(A1)としては、上記したチタンゾル(A)又はそのゲルと過酸化水素水とを反応させることにより得られる液体であれば、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。
【0023】
具体的には下記のものを挙げることができる。
▲1▼含水酸化チタンのゲルあるいはゾルに過酸化水素水を添加して得られるチタニルイオン過酸化水素錯体あるいはチタン酸(ペルオキソチタン水和物)水溶液(特開昭63-35419号及び特開平1-224220号公報参照)。
【0024】
▲2▼塩化チタンや硫酸チタン水溶液と塩基性溶液から製造した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ、合成することで得られるチタニア膜形成用液体(特開平9-71418号及び特開平10-67516号公報参照)。
また、上記したチタニア膜形成用液体において、チタンと塩を形成する基を有する塩化チタンや硫酸チタン水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液とを反応させることによりオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させる。
【0025】
次いで水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲルを分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え、余分な過酸化水素を分解除去することにより、黄色透明粘性液体を得ることができる。
上記、沈殿した該オルトチタン酸はOH同志の重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、このままではチタンを含む水性液としては使用できない。
【0026】
このゲルに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になりペルオキソチタン酸イオンとして溶解、あるいは、高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、無機膜形成用のチタンを含む水性液として使用できるようになる。
このゾルはチタン原子以外に酸素原子と水素原子しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合、水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩等の熱分解に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、従来より低温でも比較的密度の高い結晶性の酸化チタン膜を作成することができる。
▲3▼塩化チタンや硫酸チタンの無機チタン化合物水溶液に過酸化水素を加えてぺルオキソチタン水和物を形成させ、これに塩基性物質を添加して得られた溶液を放置もしくは加熱することによってペルオキソチタン水和物重合体の沈殿物を形成させた後、少なくともチタン含有原料溶液に由来する水以外の溶解成分を除去し、さらに過酸化水素を作用させて得られるチタン酸化物形成用溶液(特開2000-247638号及び特開2000-247639号公報参照)。
ペルオキソチタンゾル(A1)は、上記公知の方法で得られるチタンを含む水性液を用いることができるが、さらに、過酸化水素水中にチタン(A)を添加して製造する方法により得られるチタンを含む水性液を用いることができる。
【0027】
チタンゾル(A)と過酸化水素水との混合割合は、チタンゾル(A)固形分10重量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100重量部、特に1〜20重量部の範囲内が好ましい。
【0028】
過酸化水素換算で0.1重量部未満になるとキレート形成が十分でなく白濁沈殿してしまう。
【0029】
一方、100重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出するので好ましくない。
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが3〜30重量%の範囲内であることが取り扱いやすさ、塗装作業性の点から好ましい。
【0030】
更に、これらチタンゾル(A)及びペルオキソチタンゾル(A1)は、酸性化合物を含有していることが好ましい。
【0031】
酸性化合物としては、従来から公知の酸性化合物を使用することができるが、特にリン酸系化合物、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩、有機酸、及び有機塩基性化合物、無機酸などが好ましい。
上記リン酸系化合物としては、例えば、亞リン酸、強リン酸、三リン酸、次亞リン酸、次リン酸、トリメタリン酸、二亞リン酸、二リン酸、ピロ亞リン酸、ピロリン酸、メタ亞リン酸、メタリン酸、リン酸(オルトリン酸)、及びリン酸誘導体等のモノリン酸類及びこれらの塩類、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸、及び縮合リン酸誘導体等の縮合リン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる。
さらに、リン酸系化合物として水に溶解性のあるものを使用することが好ましい。
リン酸系化合物としては、特に、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸などが挙げられる。
チタンゾル(A)又は(A1)とリン酸系化合物との配合物は、該リン酸系化合物に結合する酸性リン酸基イオンがチタンイオンに配位することにより両者間で錯体構造を形成していると考えられる。
また、この様な反応は両者の成分を単に混合することにより容易に反応を行うことができ、例えば、常温(20℃)で約5分間〜約1時間放置することにより、また混合物を強制的に過熱する場合には、例えば、約30〜約70℃で約1分間〜約30分間加熱することができる。
上記、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩としては、例えば、ジルコニウム弗化水素酸、チタン弗化水素酸、珪弗化水素酸などを挙げることができる。
【0032】
有機酸としては、例えば、酢酸、シュウ酸、グリコ−ル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等の有機カルボン酸、有機スルフォン酸、有機スルフィン酸、フェノ−ル、チオフェノ−ル、有機ニトロ化合物、有機リン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、N,Nッビス(2−ホスホエチル)ヒドロキシアミン、N,Nッビス(2−ホスホメチル)ヒドロキシアミン、2−ヒドロキシエチルホスホン酸ジメチルエーテルの加水分解物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機リン酸が挙げられる。
【0033】
また無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などが挙げられる。
上記した酸性化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができ、酸性化合物の配合割合は、チタンゾル(A)又は(A1)の固形分100重量部に対して、0.1〜400重量部、特に1〜200重量部の範囲内が好ましい。
【0034】
チタンゾル(A)又は(A1)は、中性もしくは酸性領域で安定な液体となるので、特にPH1〜9、特に1〜7の範囲が好ましい。
【0035】
本発明半導体膜は、基材表面に、(1)半導体微粒子層を形成させた後、(2)上記チタンゾル(A)又はペルオキソチタンゾル(A1)を塗布し、(3)更に、水洗を行った後、(4)必要に応じて加熱により水を蒸発させることにより半導体膜が形成される。
【0036】
該基材としては、上記したものと同じものを使用することができる。
【0037】
半導体微粒子層(1)を形成する方法としては、例えば、上記した半導体微粒子を水及び/又は有機溶媒及び必要に応じて分散樹脂に分散したものが使用できる。
【0038】
有機溶媒としては、従来から公知の有機溶媒、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ポリアルキレングリコールなどのアルコール系;ジエチレングリコール、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール誘導体(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルなど)などのエーテル系;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系などが挙げられる。
【0039】
分散樹脂としては、ポリアルキレン構造に酸基、アミノ基、エポキシ基、水酸基、加水分解性シリル基、ヒドロキシシリル基などの活性基を含有してもよい有機樹脂が挙げられる。ポリアルキレン構造としては、ポリエチレン結合、ポリプロピレン結合、ポリブチレン結合、これらの結合が2種以上が組合わさったものが包含される。これらの結合はランダム結合、もしくはブロック結合のいずれの結合であっても、また、直鎖状であっても分岐していてもどちらでも構わない。ポリアルキレン構造としては、特にポリエチレン構造が好ましい。
【0040】
ポリアルキレン構造に結合される酸基、アミノ基、エポキシ基、加水分解性シリル基、ヒドロキシシリル基は、ポリアルキレン構造の主骨格に分岐して結合していても、もしくは分子末端に結合していてもどちらでも構わない。上記した活性基としては、特にカルボキシル基が好ましい。また、酸基を有する場合には酸価として1〜30mgKOH/g(分散樹脂)、特に5〜20mgKOH/g(分散樹脂)が好ましい。塩基性基を有する場合にはアミン価として5〜40mgKOH/g(分散樹脂)、特に10〜30mgKOH/g(分散樹脂)が好ましい。
【0041】
分散樹脂の配合割合は、半導体微粒子100重量部に対して50重量部以下、好ましくは1〜50重量部(固形分)、特に好ましくは10〜40重量部(固形分)の範囲である。分散樹脂の配合割合が1重量部未満になると、半導体微粒子の分散性が低下し、光変換効率が低下するので好ましくない。一方分散樹脂の配合割合が50重量部を超えると、光変換効率の向上効果があまり認められないとともに価格も高くなり経済的に不利である。
【0042】
本発明の半導体微粒子分散液には、必要に応じて錯化剤(アセチルアセトンなど)を配合することができる。
【0043】
半導体微粒子分散液を基材に塗装させた後、加熱もしくは常温乾燥により半導体膜を形成させる。加熱の条件は基板の種類に応じて適宜設定することができる。具体的には、例えば、ガラス板や高分子フィルムが使用できる。
【0044】
上記したガラス板としては、低コストと強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス板が挙げられる。
【0045】
半導体微粒子分散液が塗装される高分子フィルムとしては、屈曲性や透明性があるものが好適に使用できる。
【0046】
高分子フィルムの膜厚は、通常、1μm〜10mm、特に5μm〜5mmの範囲が好ましい。
【0047】
また、半導体微粒子分散液が塗装される高分子フィルムの大きさとしては、例えば、幅1cm〜10m、好ましくは5cm〜5m、更に好ましくは10cm〜2mの範囲である。また、長さは1cm以上、好ましくは5cm以上、更に好ましくは10cm以上の範囲である。高分子フィルムの形状は長方形、正方形の何れの形状であっても構わない。また帯状(巻物)の高分子フィルムに例えば、半導体微粒子分散液を塗装、焼結した後に必要な大きさに切断することも可能である。
【0048】
また、上記した高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、シンジオタクチックポリステレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等も使用することができる。
【0049】
次いでチタンゾル(A)又はペルオキソチタンゾル(A1)の塗布(2)は、上記したチタンゾル(A)又はペルオキソチタンゾル(A1)を、例えば、ディッピング塗装、スプレー塗装(静電又は非静電)、ローラー塗装、スクリーン印刷、刷毛塗装、バーコーター塗装、ナイフコーター塗装、スピンコーターなどの従来から公知の手段で塗装させることができる。
【0050】
これらの塗装手段の中でも特にスプレー塗装が好ましい。次に特に好ましいスプレー塗装について以下詳細に述べる。
【0051】
スプレー塗装する際に、塗装機から吐出される該分散液粒子の平均粒子径が20μm以下でスプレー塗装することが特に好ましい。
【0052】
スプレー塗装される分散液の粘度は0.001〜1Pa・sec、特に0.001〜0.1Pa・secの範囲が好ましい。粘度が0.001Pa・sec未満になると、スプレーによる分散液に与えるエネルギーが小さくなり、半導体微粒子に与える初期エネルギーが劣り、良好な付着力を有した半導体薄膜が得られない。一方、1Pa・secを超えると、分散液の微粒化が困難になる。
【0053】
本発明方法で使用されるスプレー塗装の種類としては、例えば、従来から公知のスプレー塗装機、例えば、静電スプレー塗装機、非静電スプレー塗装機、回転スプレー塗装機、磁場スプレー、超音波微粒化塗布器などが挙げられる。上記した塗装機の中でも特に静電スプレー、超音波微粒化塗布器が好ましい。使用するノズルとしては分散液微粒子径の分布がシャープな二流体スプレーノズルが好ましい。
【0054】
また、上記した塗装機で使用される塗装機の塗装条件、例えば、ノズル種類、霧化エアー圧、パターン幅、吐出量、吐出圧、塗装スピード、ステージ数(塗り重ね回数)、ノズルと基材との距離等は夫々使用する塗装機により最適条件が異なるので使用する塗装機により適宜塗装条件を選択して塗装すればよい。上記した最適条件はスプレー塗装機から吐出される該分散液粒子の平均粒子径が20μm以下、特に1〜20μm、更に1〜15μmの範囲である。平均粒子径が20μmを超えると基材表面に塗着した分散液粒子同士が凝集して固まりとなり、ラフネスファクターが小さくなり、その結果として基材に対する付着性や光変換効率に優れた半導体膜が得られない。また、平均粒子径が大きいと、溶剤の揮発速度が遅くなり、塗着時の固形分の低下、さらに、本発明の特徴である分散液中の半導体微粒子の運動エネルギーの失活時間が長くなり、十分な結合エネルギーが得られない、といった欠点がある。
【0055】
上記した塗装条件の一例を挙げると、霧化エアー圧:0.5〜5.0kgf/cm、好ましくは1.0〜3.0kgf/cm、吐出量:1〜500g/min、好ましくは10〜100g/min、ガン距離:5〜100cm、好ましくは、10〜50cm、ガンスピード:1〜200m/min、好ましくは10〜100m/min、重ねピッチ:5〜100mm、好ましくは10〜30mm、ステージ数:1〜100回、好ましくは1〜10回である。
【0056】
本明細書において、スプレー塗装機から吐出される該分散液粒子の平均粒子径は、2600型パーテクルサイザー(マルバーン社製)を使用して測定した値である。塗装ガンの横方向から飛散部分の中心部分に合わせ、ノズル先からの距離は、実際塗装時の基板までの距離と同じにして測定した。
【0057】
上記したスプレー塗装は、ローラーなどの塗装方法と比較して平均細孔径が大きくなり、多孔質な半導体微粒子膜や比表面積の大きな半導体膜が形成できる。(該平均細孔径及び比表面積は、例えば、JIS R 1625により測定できる。)
塗装(2)により、半導体膜がチタンゾル溶液に接している間に、半導体膜中の微粒子表面および粒子間に酸化チタンが析出する。すなわち半導体微粒子同士が接触する粒子界面に存在する該チタンゾル(A)、(A1)(二酸化チタン前駆体)がチタン結晶相(アナタース型またはルチル型)を形成し、この結晶相が半導体粒子同士を焼結(ネッキング)させ半導体粒子層を安定化(基材との付着性を向上)させる。
次いで水洗(3)が行われる。
【0058】
該水洗(3)は、半導体粒子同士が焼結(ネッキング)していない部分(その他の半導体粒子表面に存在する余分なチタンゾルを除去する工程である。
【0059】
該水洗(3)は、例えば、シャワー水洗、ディッピング水洗などにより行うことができる。
【0060】
加熱(4)は、水洗(3)により付着した水を除去する工程である。この工程は水が除去できればいかなる方法でも構わないが、常温乾燥では時間が掛かるので150℃以下程度の温度で加熱することが好ましい。
【0061】
また、本発明において、必要に応じて電気炉、ガス加熱炉による加熱や紫外線、可視光線、赤外線、超音波、プラズマ、コロナ放電、マイクロ波等の電磁波等により半導体微粒子にエネルギーを与えて焼結させることができる。好ましい電磁波としては紫外線、可視光線、赤外線あるいはマイクロ波が挙げられる。紫外線、可視光線、赤外線(遠赤外、近赤外など)、超音波、各種ランプ(キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、ネルンストランプ、グローバー燈、水銀灯、蛍光灯など)、LED、レーザー(ArF、KrF又はXeClエキシマレーザー、Nd:YAGレーザー)、シンクロトロン放射光、太陽光などにより得ることができる。また、マイクロ波はマグネトロン装置等によって得ることができる。
【0062】
上記したマイクロ波による焼結は、誘電損失を利用して半導体微粒子に選択的にエネルギーを与えて焼結が可能となるので、通常の電気炉などによる加熱焼結に比較して基材からの伝熱ロスや基材の熱変質などがなく短時間に焼結が行えるといった利点がある。
【0063】
マイクロ波による焼結は、半導体微粒子分散液の組成(例えば、分散媒の種類、半導体微粒子の種類、性質、粒子径、形状、固形分など)により誘電率が異なるので、これらの組成に応じて適した発信周波数、電波出力、照射時間などの条件を定めることができる。
【0064】
マイクロ波による焼結の条件は、上記したように適宜、半導体微粒子分散液の種類に応じて適宜決定すれば良いが、通常、周波数は、300MHz〜300GHz、好ましくは600MHz〜200GHz、更には1GHz〜100GHzの範囲である。また、電波出力は、0.01KW〜10KW、好ましくは0.1KW〜5KW、更に好ましくは0.2KW〜1.0KWの範囲である。また、照射時間は、1秒〜60分、好ましくは2秒〜30分、更に好ましくは30秒〜20分の範囲である。
【0065】
マイクロ波装置としては、例えば、富士電波工業株式会社製の電磁波加熱焼結装置(FMS−10−28、発信周波数28GHz、電波出力 〜10KW)などが使用できる。
【0066】
上記したマイクロ波は、発信周波数28GHzで波長10.7cmであって、従来から家庭用電子レンジで使用されている2.45GHzで波長が12cmよりも短いので、加熱によるバラツキが少なく均一な半導体微粒子膜が形成される、出力を上げてもスパーク(端部など)する恐れがないといった効果があるので、特に大面積の高分子フィルム表面の半導体微粒子の焼結に有利である。
【0067】
半導体微粒子の焼結時において、上記電磁波の照射を行うだけでなく、加熱を併用することが好ましい。また、半導体微粒子プレカーサー(粒径10nm未満のナノ粒子を含む)を半導体微粒子層に共存させることが好ましい。更には、焼結時に不要な有機物等を除去するため、減圧、気流(空気、酸素、窒素、不活性ガス等)の吹付け、オゾン雰囲気に晒す、酸化あるいは還元雰囲気下に晒す等を併用することも好ましい。
【0068】
このマイクロ波を使用して、比較的低融点のポリエチレンテレフタレートなどの高分子フィルムに塗装した半導体微粒子を焼結する場合には、ポリエチレンテレフタレートが変形、変質しない温度、例えば、200℃以下、特に150〜180℃の温度になるように焼結することが好ましい。
【0069】
また、マイクロ波を照射して焼結する際に、必要に応じて高分子フィルムの裏面(半導体膜を形成させる反対の面、マイクロ波を照射させる反対の面)に鉄、ステンレス、銅などの熱伝導性の良い金属板、ガラスなどの無機板などを設置して、高分子フィルムにかかる熱を放熱させることが可能な放熱板などを設けておくことができる。
【0070】
また、高分子フィルムの表面に塗装された半導体微粒子膜の面積が大きい場合に、マイクロ波による半導体微粒子膜の焼結が不均一となりやすいので、例えば、下記方法により焼結を均一にすることができる。
【0071】
▲1▼ まず、マイクロ波を半導体微粒子膜の一部に照射し、次いで未照射部分の半導体微粒子膜にマイクロ波を照射する操作を必要に応じて数回繰り返し、最終的に半導体微粒子膜全面に照射するようにして、照射による熱の放散を行う。
【0072】
▲2▼ 高分子フィルムの表面に塗装される半導体微粒子膜をストライプ状にパターニング(部分塗装)しておくことにより、不必要な発熱を防止する。
【0073】
▲3▼ 高分子フィルムに配線される電極をポリイミドなどの耐熱性に優れたフィルムでマスキングしておき、そしてマスキング以外の部分に半導体微粒子分散液を塗布して半導体微粒子膜を形成させ、次いで、マイクロ波を照射して焼結させる。
【0074】
▲4▼ マイクロ波が放射される方向に対して、例えば、半導体微粒子分散液が塗装された帯状の高分子フィルムの面が垂直方向になるように移動させる。
【0075】
また、高分子フィルム基材の表面に塗装された半導体微粒子膜の上からマイクロ波を全面もしくは部分的に照射して焼結する際に、必要に応じて半導体微粒子膜の上部方向にマイクロ波を透過する基材、例えば、ガラス板、テトラフルオロエチレン板などを設置することにより、着火(スパーク)などを防止したり、高分子フィルムを下地に押し付けて密着させることによりマイクロ波焼結時に掛かる余分な熱を下地に放熱させて均一加熱を行うことができるといった効果がある。
【0076】
加熱の条件は基板の種類に応じて適宜設定することができる。具体的には、例えば、ガラス板の場合には、300℃以上の温度で焼付けることが可能であり、また高分子フィルム(ポリエチレンテレフタレート)を使用した場合には200℃以下、好ましくは150〜180℃の温度で焼付けることができる。
【0077】
本発明によって得られた酸化チタン膜の中には、光照射によって活性になる物が多いのでこの性質を利用した従来から公知の用途に使用することが出来る。該用途としては、例えば、光活、抗菌、親水、耐汚染、防曇、ガス分解性、脱臭、水処理又はエネルギー変換として用いることができる。
【0078】
本発明の半導体膜の一応用例として、色素増感型太陽電池で使用する光電極について、以下に説明する。
【0079】
色素増感型太陽電池は、ガラス板や高分子フィルムなどの透明基板の片面に透明導電層が積層(電極)された透明電極層及び半導体層が被着された光電極と、この電極の半導体層と対面する対電極との間に配置された電解質層を有するものが一般的である。
【0080】
また、該半導体層は、通常、半導体微粒子により形成され、その形成層は細孔を有し、そしてその粒子表面又はその細孔内に光増感色素が担持されたものが使用されている。
【0081】
上記した透明電極層は、上記したガラス板や高分子フィルムなどの透明基板上に、金、銀、アルミニウム、インジウム、酸化インジウムスズ(ITO膜)、酸化スズの何れかを蒸着することによって形成される。
【0082】
また、半導体層は、本発明の半導体膜を使用することができる。半導体層の膜厚は、1〜100μm、特に4〜20μmが好ましい。
【0083】
光増感色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ従来から公知のものを適宜選択して用いることができる。
【0084】
光増感色素の具体例としては、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素である。その中でも、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素のような金属錯体色素は、高い量子収率を有し、光に対する耐久性がよいため、光電変換材料には適している。
【0085】
該金属錯体色素としては、銅、ニッケル、鉄、コバルト、バナジウム、スズ、けい素、チタン、ゲルマニウム、コバルト、亜鉛、ルテニウム、マグネシウム、アルミニウム、鉛、マンガン、インジウム、モリブデン、ジルコニウム、アンチモン、タングステン、白金、ビスマス、セレン、銀、カドミウム、白金などの金属が用いられる。この中でも、銅、チタン、亜鉛、アルミニウム、鉄、バナジウム、けい素等の金属錯体色素は高い量子効率を有する。
【0086】
半導体微粒子への光増感色素の担持量としては、10−8〜10−6mol/cm、特に0.1〜9.0×10−7mol/cmが好ましい。光増感色素の担持量が10−8mol/cm未満の場合、光電変換効率向上効果が不十分となる。一方、光増感色素の担持量が10−6mol/cmを超える場合、光電変換効率向上効果が飽和し、光励起電子とホ−ルの再結合の割合が増し、不経済となるだけである。
【0087】
上記した電解質層で使用される電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体及び還元体の形で存在する一対の物質である。このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知である。該酸化還元系構成物質は、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。言うまでもなく、その他の酸化還元系構成物質も使用できる。中でも、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化銀ルビジウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
【0088】
電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解しイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ガンマーブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチルーテトラヒドラフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド等の非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物が特に好ましい。
【0089】
電解質層としては、液体、固体、もしくはゲル状電解質のいずれも使用することができる。
【0090】
上記した色素増感型太陽電池において、ガラス板や高分子フィルムなどの透明基板の片面に透明導電層が積層(電極)された透明電極層及び半導体層が被着された光電極層、電解質層、光電極層と対面する対電極層を有する上記した光電極において、更に光電極層と対面する反対の対電極層面に粘着剤層や接着剤層を設けることができる。
【0091】
該粘着剤や接着剤層を設けることにより、光電極が必要とされる被着基材に自由に貼付けて使用することができる。
【0092】
被着基材として、好ましくは、例えば、車両、建築物、建造物、道路、道路標識、温室など太陽光線が当たる基材に適用できる。
【0093】
また、被着基材として、上記した様な現物に貼付けることも可能であるが、それ以外に、例えば、プラスチック板、金属板などの被着基材面と光電極の粘着剤層面や接着剤層面とを面接し、そして熱、又は圧力又は熱をかけながら圧力により接合させることも可能である。そして接合された光電極板は必要に応じて、成型加工、もしくは適当な大きさに切断し、必要に応じて切断部をシールし、モジュール化を行って使用することもできる。
【0094】
この様に光電極板を切断して使用する場合には電解質として固体、もしくはゲル状電解質が使用される。
【0095】
かかる粘着剤や接着剤としては、従来から公知の感圧性粘着剤、感熱接着剤、硬化タイプの接着剤を使用することができる。具体的には、例えば、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、レゾ−ル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、(イソ)ブチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共共重合体、合成ゴム、天然ゴムなどから選ばれた1又は2種以上の樹脂を含む熱硬化性又は熱可塑性のものがあげられる。
【0096】
粘着剤層や接着剤層の膜厚は、通常1μm〜1mm、特に5μm〜500μmの範囲が好ましい。
【0097】
【発明の効果】
本発明は、次の如く顕著な効果を発揮するものである。
【0098】
1、半導体微粒子同士が接触する粒子界面がチタンゾル(A)、(A1)によるチタン結晶相(アナタース型またはルチル型)により形成されており、この結晶相が半導体粒子同士を焼結(ネッキング)させているので半導体粒子層が安定化され、その結果として、基材との付着性が優れるといった顕著な効果を発揮する。
【0099】
2、従来、半導体粒子の焼結は、通常、半導体粒子層に焼結助剤を加えて450℃以上の温度で加熱することにより行われているが、本発明の方法によると、40℃〜100℃程度の温度で焼結(ネッキング)できるので、熱により変形、変質する基材(プラスチックなど)、また焼結助剤としての不純物を嫌う系に適用が可能となった。
3、本発明において、チタンゾルによる該ネッキングの理由は明確ではないが次のような理由によるものと推察される。
基材に被覆されたチタンゾルの膜は、水酸化チタンによる物理的な架橋ゲル構造を形成し、束縛力(物理的な力)でもって(水酸化)チタン同士がゆるく固定化される。元来、水酸化チタンの縮合速度は速く、分子が配列しない状態で非晶質な粒子の析出が起こりやすい。これに対して本願のチタンゾルではゲル構造の束縛により水酸化チタンの縮合速度は遅くなるため、水酸化チタン分子は特定の配列をしながら縮合し、結晶性の酸化チタンが析出する。核となる酸化チタン粒子を最初から含有させることで、不均一核生成が起こり、結晶はより析出しやすくなる。さらに、核として投入する粒子がナノサイズの場合、粒子自体がその表面エネルギーを減らすために粒子間にネッキングを生じさせようとする。そのため析出が粒子間界面で特に起こりやすくなり、高熱をかけなくても粒子間のネッキングが起こると考えられる。
【0100】
4、半導体微粒子同士が接触する粒子界面のみがチタンゾル(A)、(A1)によるチタン結晶相(アナタース型またはルチル型)により形成されているので、多孔質膜を形成することができる。
【0101】
5、スプレー塗装機を用いて半導体微粒子分散液をPETなどの基材に塗着させると、スプレー塗装により半導体微粒子の小さな凝集体が半導体膜として形成されるので基材に対する付着性が優れ、且つ多孔質な半導体膜が形成できるといった利点がある。
【0102】
6、スプレー塗装時に半導体微粒子分散液に大きなせん断応力が掛かり、半導体微粒子の微粒子化が進行し、表面積の大きな半導体膜が形成されるといった利点がある。
【0103】
7、PETなどの基材に塗装された半導体微粒子膜をマイクロ波による焼結方法を採用することにより、大面積でも均一な半導体微粒子の焼結膜が形成できる。
【0104】
【実施例】
本発明について、実施例及び比較例を掲げて詳細に説明する。実施例、製造例及び比較例中の部、%は重量基準である。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0105】
酸化チタン微粒子ゾル1製造例
P−25(日本エアロジル株式会社製、ルチル・アナタース(R/A=23/77)結晶、平均粒径30nm)30部、エタノール120部をガラスビーズを使用しスキャンディクスで3時間分散させ、酸化チタンゾルとした。
【0106】
ペルオキソチタンゾル1の製造例
イソプロポキシチタン3部を30%過酸化水素水12部と脱イオン水100部の混合物中に15℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後15℃で1時間半熟成し黄色透明の少し粘性のあるペルオキソチタンゾル1を得た。
【0107】
ペルオキソチタンゾル2の製造例
上記したペルオキソチタンゾル1の50部に、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸 2部、脱イオン水 46 部配合してペルオキソチタンゾル2を得た。
【0108】
実施例1
導電性ガラスFTOに上記酸化チタン微粒子ゾル1をバーコーターを用いて塗布し、150℃で60分加熱乾燥して酸化チタン微粒子膜を得た。
【0109】
次いで、得られた酸化チタン微粒子膜をペルオキソチタンゾル1(固形分3%)に浸漬した後、40℃でエージングし、脱イオン水でシャワー水洗を行い、次いで150℃で加熱して水を揮発させた。浸漬時の微粒子膜の(*1)引掻き強度試験機トライボギアによる膜強度は6.1gfであった。その後、膜強度は7日エージング(20℃、放置、以下同様の意味を示す。)により7.7gf(1.3倍)、14日エージングで16.7gf(2.7倍)となり良好となった。
【0110】
実施例1において、エージングにより粒子間のネッキングが起こり、膜強度(付着性)が上昇したものと推察される。
【0111】
実施例2
導電性ガラスFTOに上記酸化チタン微粒子ゾル1をバーコーターを用いて塗布し、150℃で60分加熱乾燥して酸化チタン微粒子膜を得た。
【0112】
次いで、得られた酸化チタン微粒子膜をペルオキソチタンゾル1(固形分0.5%)に浸漬した後、40℃でエージングし、脱イオン水でシャワー水洗を行い、次いで150℃で加熱して水を揮発させた。浸漬時の微粒子膜の(*1)引掻き強度試験機トライボギアによる膜強度は6.1gfであった。その後、膜強度は7日エージングにより6.8gf(1.1倍)、14日エージングで10.7gf(1.8倍)となり良好となった。
【0113】
実施例2において、エージングにより粒子間のネッキングが起こり、膜強度(付着性)が上昇したものと推察される。
【0114】
比較例1
導電性ガラスFTOに上記酸化チタン微粒子ゾル1をバーコーターを用いて塗布し、150℃で60分加熱乾燥して酸化チタン微粒子膜を得た。(*1)引掻き強度試験機トライボギアによる膜強度は6.1gfであった。その後、膜強度は7日エージングにより6.1gf(1.0倍)、14日エージングで6.1gf(1.0倍)であり膜強度は変化なく劣っていた。
【0115】
(*1)引掻き強度;トライボギア、タイプ18L型、新東科学株式会社製)を使用して引掻針(サファイア針1.2mm)に垂直荷重0〜100gをかけ移動速度600mm/minで移動距離100mmとした時の耐荷重(ガラス板が見えた時の荷重量)を測定した。数値が大きいほど耐傷性が良く、特に6.5以上が良い。

Claims (4)

  1. 基材表面に、
    (1)半導体微粒子層を形成させる工程
    (2)前記工程(1)の後に加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタンゾル(A)又はペルオキソチタンゾル(A1)を塗布する工程、
    次いで、エージングを行う工程、
    次いで、(3)水洗を行う工程、
    次いで、(4)水を除去する工程、
    を含むことを特徴とする半導体膜の形成方法。
  2. 前記エージングを行う工程が、40℃〜100℃の温度でエージングを行う工程である請求項1記載の半導体膜の形成方法。
  3. 前記工程(2)の塗布が浸漬塗装であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体膜の形成方法。
  4. 前記工程(4)が、40℃〜150℃の温度範囲の加熱により水を蒸発させる工程である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体膜の形成方法。
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