JP2010020183A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鏡筒本体の小型化を図りつつ、多機能化に伴う機構の大型化の要請を満たす。
【解決手段】鏡筒本体10と、鏡筒本体10の端部に取り付けられ、撮像装置本体2との接続部が形成されたマウント71と、マウント71の鏡筒本体10との取付け面71a上に設けられ、鏡筒本体10の動作を制御する制御部が形成された基板72とを備え、マウント71は、取付け面71aに、鏡筒本体10内の機構を操作する操作部材73を係止する係止部材85が突設され、基板72は、係止部材85との干渉を避ける回避部91が形成されている。
【選択図】図10

Description

本発明は、ズームレンズ等のレンズ鏡筒に関し、特にカメラボディとの接続を図るマウントの小型化が図られたレンズ鏡筒に関する。
一眼レフカメラ等の撮像装置に用いられるレンズ鏡筒には、鏡筒本体内に光量調節や被写界深度の調節を行う絞り機構が搭載されている。この種の絞り機構には、鏡筒本体内に搭載したアクチュエータによって絞りを開閉操作するレンズ内駆動タイプと、撮像装置本体側に搭載したアクチュエータの駆動力をマウント部分に構成した伝達機構を介して鏡筒本体内に取り込み、絞りを開閉操作する外部駆動タイプとに大別される。
外部駆動タイプの絞り機構としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものがある。特許文献1に記載のレンズ鏡筒では、カメラボディ側からの駆動力がマウント部のレンズ側伝達機構に作用し、このレンズ側伝達機構と一体に設けられた絞り駆動部材が回転されることで絞りの開閉操作を行っている(特許文献1 図10)。この絞り駆動部材は、雄マウントの内径側に嵌合するとともに、鏡筒本体によって光軸方向が位置決めされて保持されている。また、特許文献2に記載のレンズ鏡筒では、絞りを操作するリング状の絞り伝達部材がレンズマウントの内径部に嵌合するとともに、光軸方向に対してはレンズマウントと固定枠との間に固定されたリング状の止板によって規制されている(特許文献2 図1)。しかし、これら従来の絞り駆動部材は、光軸方向への位置規制を別部材によって行っているため、部品点数の増加や、鏡筒本体の光軸方向への大型化を招いていた。
一方で、レンズ鏡筒は、高倍率化の要請からレンズ径や厚さ、ズームレンズ群の可動領域といった機構は、レンズ鏡筒の機能に直結することから、小型化、軽量化の要請といった側面からの設計変更が困難であり、鏡筒本体において、小型化、軽量化を図るために設計変更が可能な機構は限られている。
また、レンズ鏡筒や撮像装置本体の多機能化の要請に応じて、鏡筒本体内に搭載される回路基板も電子部品の実装領域や回路パターンの形成領域を確保するために大型化が求められている。さらに、ズームレンズ群等の可動ブロックの高速化と高精度の位置合わせを行うモータ等の駆動系を搭載するスペースも確保する必要がある。
特開昭60−53912号公報 特開昭60−258524号公報
本発明は、鏡筒本体の小型化を図りつつ、多機能化に伴う機構の大型化の要請を満足させるレンズ鏡筒及び撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にかかるレンズ鏡筒は、鏡筒本体と、上記鏡筒本体の端部に取り付けられ、撮像装置本体との接続部が形成されたマウントと、上記マウントの上記鏡筒本体との取付け面上に設けられ、鏡筒本体の動作を制御する制御部が形成された基板とを備え、上記マウントは、上記取付け面に、上記鏡筒本体内の機構を操作する操作部材を係止する係止部材が突設され、上記基板は、上記係止部材との干渉を避ける回避部が形成されている。
また、本発明にかかる撮像装置は、装置本体とレンズ鏡筒とを備え、上記レンズ鏡筒は、鏡筒本体と、上記鏡筒本体の端部に取り付けられ、撮像装置本体との接続部が形成されたマウントと、上記マウントの上記鏡筒本体との取付け面上に設けられ、鏡筒本体の動作を制御する制御部が形成された基板とを備え、上記マウントは、上記取付け面に、上記鏡筒本体内の機構を操作する操作部材を係止する係止部材が突設され、上記基板は、上記係止部材との干渉を避ける回避部が形成されている。
本発明によれば、マウント上に形成された係止部材との干渉を回避する回避部を設けることにより、基板は、これら係止部材が形成されたマウント上に取り付けることができる。したがって、マウントは、操作部材を光軸方向に係止する係止部材の高さを基板によって吸収することができ、係止部材と基板とを重畳させて支持する構成に比して光軸方向に対する小型化を図ることができる。
以下、本発明が適用されたレンズ鏡筒及び撮像装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用された撮像装置1は、図1及び図2に示すように、カメラボディ2と、交換レンズ3とを備える。
交換レンズ3は、複数の環状体が組み付けられることにより全体を略円筒形状に形成された鏡筒本体10を有する。図3及び図4に示すように、鏡筒本体10は、長手方向の前面側にフォーカスレンズ群及びフォーカスレンズ群を光軸方向へ移動させるフォーカスレンズ移動機構を備えたフォーカスレンズブロック5が形成されている。また、鏡筒本体10は、長手方向の背面側にズームレンズ群及び絞りユニットが一体化された可動ブロック30と、可動ブロック30を光軸方向へ移動させるズームレンズ移動機構を備えたズームレンズブロック6が形成されている。鏡筒本体10は、フォーカスレンズ移動機構によってフォーカスレンズ群が送り操作されることによりフォーカス動作を行い、またズームレンズ移動機構によってズームレンズ群及びフォーカスレンズ群が送り操作されることによりズーム動作を行っている。
また、鏡筒本体10は、背面にカメラボディ2に取り付けられるレンズマウントとなるマウント71と、各種駆動回路が形成された基板72を備えたマウントブロック7が形成され、カメラボディ2に対して着脱自在とされている。なお、撮像装置1のマウント71は、いわゆるバイヨネット式のレンズマウントが採用されている。
先ず、鏡筒本体10の前面側に設けられたフォーカスレンズブロック5について説明する。図4に示すように、フォーカスレンズブロック5は、複数のフォーカスレンズ11a,11b及び11cと、これら複数のフォーカスレンズ11a〜11cを、各光軸を一致させて保持するフォーカスレンズ保持枠12と、フォーカスレンズ保持枠12を鏡筒本体10の前後方向へ送り出すフォーカスレンズ移動機構13とを備える。
フォーカスレンズ保持枠12は、鏡筒本体10の前端部を構成するものであり、内部に複数のフォーカスレンズ11a〜11cを保持するとともに、フォーカスレンズ移動機構13を構成するフォーカス操作環16にビス止めされている。また、フォーカスレンズ保持枠12は、外周部にフォーカスリング15が嵌合されている。フォーカスリング15は、ユーザが手動でフォーカス制御を行う場合に使用されるもので、操作性を高めるために全周に亘ってローレット加工が施されている。
フォーカスレンズ保持枠12に保持されたフォーカスレンズ11を光軸方向に沿って移動させるフォーカスレンズ移動機構13は、フォーカスレンズ保持枠12が取り付けられるフォーカス操作環16と、フォーカス操作環16の内側に係合するフォーカス作動環17と、フォーカス操作環16へ駆動力を付与するオートフォーカスモータ18(図5参照)と、オートフォーカスモータ18の駆動力をフォーカス操作環16へ伝達するフォーカス用伝達環19とを有する。
フォーカス操作環16は、略円筒形状をなし、後述するズーム操作環37の前面開口37aより進退可能に支持されている。また、フォーカス操作環16は、内周面に螺旋状の溝が形成され、外周面に同様の螺旋状の溝が形成されているフォーカス作動環17との間にヘリコイド部20が形成されている。したがって、フォーカス操作環16は、ヘリコイド部20に沿って、移動可能とされ、これによりフォーカスレンズ11を光軸方向に沿って移動させることができる。
フォーカス作動環17は、略円筒形状をなし、外周面に上述したヘリコイド部20を構成する螺旋状溝が形成され、内周面に、後述するカム環36の外周面に形成されたカムフォロア(図示せず)と係合するカム部22が周回方向に沿って所定間隔毎に複数突設されている。また、フォーカス作動環17は、内周面に、後述する固定環35の外周に形成された直進ガイド溝(図示せず)に係合される図示しないガイドリブが周回方向に沿って所定間隔毎に複数突設されている。かかるフォーカス作動環17は、ズーム操作においてカム環36が回転されると、固定環35の直進ガイド溝に沿って移動され、カム環36のカムフォロアとカム部22との係合位置に応じて移動位置が決まる。また、フォーカス作動環17は、フォーカス操作においては、ヘリコイド部20を介してフォーカス操作環16を前後に送り出す固定部となる。
フォーカス操作環16に駆動力を付与するオートフォーカスモータ18は、後述するマウント71に取り付けられている。オートフォーカスモータ18は、減速ギヤ列23及びフォーカス用伝達環19を介してフォーカス操作環16と連結され、マウント71の基板72に設けられた制御部を構成するマイコン95により駆動が制御される。
フォーカス用伝達環19は、略円筒形状をなし、後述するマウント固定部材70の内周にバイヨネット結合され、回転自在に支持されている。またフォーカス用伝達環19は、減速ギヤ列23及びフォーカス操作環16と連結され、オートフォーカスモータ18が駆動されると、減速ギヤ列23によって回転されるとともに、フォーカス操作環16に回転力を伝達する。フォーカス用伝達環19より駆動力が伝達されたフォーカス操作環16は、フォーカス作動環17の外周面に形成されたヘリコイド部20に沿って送り出される。これによりフォーカスレンズ移動機構13は、フォーカスレンズ11を適切な位置へ移動させて、フォーカス動作を行うことができる。
次いで、鏡筒本体10の背面側に設けられたズームレンズブロック6について説明する。図4及び図5に示すように、ズームレンズブロック6は、複数のズームレンズ25a、25b及び25cと、複数のズームレンズ25a〜25cを、各光軸を一致させて保持する複数のズームレンズ保持枠26a、26b及び26cと、各ズームレンズ保持枠26a〜26cが取り付けられるズーム作動環27と、ズーム作動環27を鏡筒本体10の前後方向に移動させてズーム動作を行うズームレンズ移動機構28とを備える。ズームレンズ25a〜25c、レンズ保持枠26a〜26cは、後述する絞りユニット50及び遮光板60とともにズーム作動環27に取り付けられることにより一体化され、図6a及び図6bに示すように、ズームレンズ移動機構28によって光軸方向に移動される可動ブロック30を構成する。
第1のズームレンズ保持枠26aは、第1のズームレンズ25aを保持するものであり、ズーム作動環27の前面側に絞りユニット50を介してビス等によって固着されている。また、第1のズームレンズ保持枠26aは、鏡筒本体10の前面側に、後述する遮光板60が装着する装着部29が突出されている。装着部29には、遮光板60を係止する係止凸部29aが所定間隔毎に例えば3つ形成されている。
第2のレンズ保持枠26bは、第2のズームレンズ25bを保持するものであり、ズーム作動環27の前面に嵌合され、ビス等によって固着されている。第3のレンズ保持枠26cは、第3のズームレンズ25cを保持するものであり、ズーム作動環27の背面にビス等によって固着されている。
ズーム作動環27は、ズームレンズ25、ズームレンズ保持枠26及び絞りユニット50が取り付けられるとともに、ズームレンズ移動機構28によって移動操作されるものであり、外周部にズームレンズ移動機構28のカム環36に係合するカムフォロア31が所定間隔毎に例えば3つ形成されている。ズーム作動環27は、カム環36が回転されることにより、カム環36に形成されたカム凸部40と係合するカムフォロア31がカム凸部40に沿って移動される。また、ズーム作動環27は、外周部に、固定環35の内周面に形成されたガイド突条39にガイドされるガイド片32が形成されている。ガイド片32は、ガイド突条39に摺動可能に係止する上下一対の係止片を有し、ズーム作動環27の外周部に所定間隔毎に例えば3つ形成されている。
かかる可動ブロック30は、ズーム作動環27のカムフォロア31がカム環36のカム凸部40に係合するとともに、ガイド片32が固定環35のガイド突条39に係止されることにより鏡筒本体10内において位置決めされ、カム環36が回転されることによりガイド突条39にガイドされながら移動される。
可動ブロック30を移動させることによりズーム動作を行うズームレンズ移動機構28は、図4に示すように、固定環35と、固定環35の外周に回転可能に嵌合され、ズーム作動環27を摺動自在に支持するカム環36と、カム環36の外側に回転可能に設けられるズーム操作環37とを備える。
固定環35は、マウントブロック7が固定されるマウント固定部材70に取り付けられることにより、カム環36及びズーム操作環37の回転を支える固定部となるものであり、円筒形状の外周面にカム環36が嵌合されている。また、固定環35は、内周面に可動ブロック30の移動をガイドするガイド突条39が周回方向に亘って所定間隔毎に例えば3つ形成されている。なお、固定環35は、外周面に上述したフォーカス作動環17のガイドリブが係合する図示しない直進ガイド溝が形成されている。
カム環36は、ズーム操作環37の回転に連動することにより可動ブロック30を固定環35のガイド突条39にそって移動させるものである。カム環36は、固定環35にバイヨネット係合されることにより、固定環35に対する前後方向の位置が規定された状態で回転可能に嵌合されている。また、カム環36は、内周面にズーム作動環27の外周部に形成されたカムフォロア31と係合するカム凸部40が形成されている。カム凸部40は、カム環36の周回方向に亘って所定間隔毎に例えば3つ形成されている。
そして、カム環36は、ズーム操作環37の回転操作に連動して固定環35の外周を回転されると、カム凸部40によってズーム作動環27を前後に移動させる。また、カム環36は、上述したフォーカス作動環17のカム部22と係合する図示しないカムフォロアが形成され、ズーム操作環37の回転操作に連動して回転されると、フォーカス作動環17を前後方向へ移動させる。このとき、フォーカス作動環17は、ガイドリブが固定環35に形成された直進ガイド溝にガイドされながら前後に移動される。
カム環36の外側に設けられるズーム操作環37は、鏡筒本体10の略中間部を構成するものであり、略円筒形状をなし、回転可能に支持されている。また、ズーム操作環37は、前面開口37aからフォーカス操作環16が進退される。ズーム操作環37は、詳細を省略する伝達機構を介してカム環36と連結されており、回転操作されることによりカム環36に回転力を伝達する。また、ズーム操作環37は、外周部にズームリング41が嵌合されている。ズームリング41は、ユーザが手動でズーム制御を行う場合に使用されるもので、操作性を高めるために全周に亘ってローレット加工が施されている。
次いで、レンズ保持枠26とともにズーム作動環27に取り付けられる絞りユニット50について説明する。図5及び図7に示すように、絞りユニット50は、開口径に応じて入射光量を増減させる複数の絞り羽根51と、絞り羽根51を回動させる絞り操作板52と、絞り羽根51を絞り操作板52とともに回動自在に支持する押さえ板53とを有する。絞りユニット50は、絞り操作板52が押さえ板53に対して回転自在に取り付けられており、絞り操作板52がマウント71に支持された絞り操作リング73の操作アーム75によって回転されることにより、絞り羽根51を回動させて開口径を調整する。
絞り羽根51は、鏡筒本体10内に入射した光を遮る遮光面部を有し、遮光面部の一端に押さえ板53に回動支持される支持凸部と絞り操作板52の回動ガイド溝に係合するガイドピンとが立設されている。かかる、絞り羽根51は、絞り操作板52と押さえ板53とに挟持されることにより、遮光面部を重畳させて支持され、回動角に応じて拡径、縮径が自在な開口を形成する。そして、絞り羽根51は、絞り操作板52の回転操作に応じてガイドピンがガイド溝にガイドされ、支持凸部を支軸として回動される。
絞り操作板52は、中央に光入射孔52aが開口された円板形状をなし、主面に絞り羽根51のガイドピンが係合するガイド溝54が複数形成されている。絞り操作板52は、ガイド溝54に沿って絞り羽根51を回動させることにより、光入射孔52aの開口径が調整される。また、絞り操作板52は、外周面に、押さえ板53の係止ピン58に係止される係止縁部55が形成されている。絞り操作板52は、係止縁部55に係止ピン58の先端が係止されることにより、押さえ板53に回転自在に取り付けられている。さらに、絞り操作板52は、外周面の一部に絞り操作リング73の操作アーム75が挿通する挿通部56が形成されている。挿通部56は、操作アーム75の幅と略同一幅だけ離間して相対向する一対の支持壁56a,56aが立設され、操作アーム75が回転されると、同方向に絞り操作板52を回転させる。また、挿通部56は、可動ブロック30が光軸方向へ移動されることにより、操作アーム75が支持壁56a,56a間を相対移動する。
また絞り操作板52は、後述する遮光板60に開口された係合孔63に挿通係合する係合片57が形成されている。係合片57は、可動ブロック30が鏡筒本体10の前面側に移動された場合において、第1のレンズ保持枠26aの装着部29に嵌合されている遮光板60の脱落を防止するものであり、絞り操作板52の外周の一部より鏡筒本体10の前面側に突出形成されて、遮光板60の係合孔63に挿通されている。
すなわち、可動ブロック30は、広角側となる鏡筒本体10の背面側に移動されている場合は、図8aに示すように、遮光板60と操作アーム75との係合が維持されている。そして可動ブロック30は、望遠側となる鏡筒本体10の前端に移動されると、図8bに示すように、それまで係合していた操作アーム75が遮光板60から外れてしまう。しかし、可動ブロック30は、この場合にも、絞り操作板52の係合片57と遮光板60の係合孔63との係合は維持されているため、遮光板60の可動ブロック30からの脱落を防止することができる。
この係合片57は、先端に鉤状部57aが膨出形成されている。これにより、係合片57は、係合孔63からの抜け止めが図られている。なお、係合片57は、絞り操作板52に1つだけ形成され、遮光板60の係合孔63も1つだけ開口されている。したがって、交換レンズ3は、遮光板60に形成される開口部を必要最低限に抑え、不要光の入射を抑制することができる。
絞り操作板52とともに絞り羽根51を挟持する押さえ板53は、中央部が開口された円板形状をなし、主面に絞り羽根51の支持凸部が回動可能に係合する支持孔が絞り羽根51の数に応じて形成されている。また、押さえ板53は、外周面に、絞り操作板52の係止縁部55に摺動可能に係止する係止ピン58が形成されている。係止ピン58は、押さえ板53の外周面に例えば3つ形成され、これに対応して形成されている絞り操作板52の係止縁部55に係止される。また、係止ピン58は、先端が内側に突出することにより係止縁部55上に係止する係止部が形成されている。絞りユニット50は、押さえ板53に対して絞り操作板52が回転すると、係止縁部55が係止部を摺動する。
次いで、可動ブロック30に取り付けられる遮光板60について説明する。遮光板60は、鏡筒本体10内の不要光がカメラボディ2側へ入射するのを防止するものであり、固定環と略同一径の円板形状をなす。また、遮光板60は、中央に、第1のズームレンズ保持枠26aの装着部29に挿通される開口61が形成されている。開口61は、装着部29の外径と略同一径を有し、不要光の入射を防止しつつ、装着部29の外周面との摩擦などによるストレスが発生することなく回転可能に装着される。この開口61には、装着部29の外周に形成された係止凸部29aが挿通する凹部61aが、係止凸部29aに対応して例えば3つ形成されている。遮光板60は、凹部61aより係止凸部29aが挿通されることにより装着部29に装着される。
また、遮光板60は、外周の一部に後述する絞り操作リング73の操作アーム75が挿通する切欠き部62が形成されている。切欠き部62は、操作アーム75の幅と略同一幅を有し、不要光の入射を防止しつつ、可動ブロック30の移動時には操作アーム75との摩擦などによるストレスが発生しないように形成されている。
また、遮光板60は、絞りユニット50の絞り操作板52に突設された係合片57が挿通係合する係合孔63が形成されている。係合孔63は、係合片57が挿通するために必要な大きさを有し、かつ不要光の入射を防止できる大きさを有し、また係合片57の先端に形成された鉤状部57aに係止されている。
このように、切欠き部62に操作アーム75が挿通するとともに、係合孔63に係合片57が挿通されることにより、遮光板60は、操作アーム75によって絞り操作板52が回転操作されると、係合片57及び操作アーム75によって絞り操作板52と同方向へ回転される。したがって、遮光板60は、操作アーム75を挿通させるのに必要な最小幅だけ開口された切欠き部62を設ければよく、操作アーム75の回動領域に亘って開口させる必要がない。したがって、遮光板60は、より多くの不要光の入射を防止することができ、ゴーストやフレアの発生を確実に防止することができる。
また、図8bに示すように、遮光板60は、可動ブロック30が望遠側となる鏡筒本体10の前端に移動されたときにも、係合片57との係合は維持されるため、装着部29からの脱落が防止されている。
また、遮光板60は、可動ブロック30が望遠側となる鏡筒本体10の前端に移動された場合以外には、操作アーム75と係合片57とによって係合されているため、剛性の高い材料でなくとも装着部29の回転や操作アーム75の摺動性を確保することができ、材料選択の幅も広い。また、遮光板60は、剛性を確保するために厚く形成する必要がなく、薄型化、軽量化を図ることができる。
次いで、絞りユニット50の絞り操作板52を回転させる絞り操作リング73が設けられたマウントブロック7について説明する。図9及び図10に示すように、マウントブロック7は、固定環35に取り付けられるマウント固定部材70と、カメラボディ2に装着されるマウント71と、各種駆動回路やコネクタが実装される基板72と、絞りユニット50の絞り操作板52を操作する絞り操作リング73とを備える。そして、マウントブロック7は、マウント固定部材70にマウント71が取り付けられることにより鏡筒本体10と一体化される。また、マウント71には基板72及び絞り操作リング73が取り付けられている。
先ず、上述した絞りユニット50の絞り操作板52を操作する絞り操作リング73について説明する。図10及び図11に示すように、絞り操作リング73は、金属製の環状部材であり、内周の一部に、絞り操作板52を回転させる操作アーム75が取り付けられる操作アーム取付部76と、絞り操作リング73を一方向へ回転付勢するコイルバネ77の一端が係止されるバネ係止部78が形成されている。そして、絞り操作リング73は、マウント71の一面71aに設けられた支持凹部84に嵌合されることにより、支持凹部84の側壁に沿って回転自在に支持されている。
操作アーム75は、固定環35内に挿通されることにより絞り操作板52の挿通部56に挿通されるアーム部75aと、絞り操作リング73の操作アーム取付部76に取り付けられる基端部75bと、カメラボディ2側に設けられた絞り駆動レバー79と連結される連結片75cとを有する(図9参照)。操作アーム75は、基端部75bが操作アーム取付部76に取り付けられることにより絞り操作リング73と一体とされ、またアーム部75aが固定環35内を挿通して絞り操作板52の挿通部56及び遮光板60の切欠き部62を挿通する。これにより、操作アーム75は、絞り操作リング73の回転に従ってアーム部75aが固定環35内を周回方向に回転され、絞り操作板52及び遮光板60を一体に回転させることができる。
また、アーム部75aは、可動ブロック30が望遠側となる鏡筒本体10の前面側に移動された場合にも、絞り操作板52の挿通部56との係合が外れない長さを有する(図8a)。したがって、操作アーム75は、可動ブロック30の可動領域の全範囲において絞り操作板52を回転させることができる。
なお、アーム部75aは、可動ブロック30が望遠側となる鏡筒本体10の前端に移動されると、遮光板60の切欠き部62から外れる(図8b)。この場合にも遮光板60は絞り操作板52の係合片57が係合孔63に係合しているため、操作アーム75の回転に応じて絞り操作板52及び遮光板60は回転されることから、アーム部75aと切欠き部62との相対位置に変動はなく、再度、切欠き部62への挿通は可能とされている。また、このとき、遮光板60は、係合孔63に係合片57が挿通係合しているため、第1のズームレンズ保持枠26aの装着部29から脱落することもない。
絞り操作リング73のバネ係止部78に係止されるコイルバネ77は、一端をバネ係止部78に係止され、他端をマウント71に係止されることにより、常時、絞り操作リング73を絞り羽根51の縮径方向へ付勢している。
図2に示すように、絞り操作リング73は、操作アーム75の連結片75cがカメラボディ2に設けられた絞り駆動レバー79と連結され、同じくカメラボディ2内に設けられた絞りアクチュエータ80の駆動力を受けた絞り駆動レバー79によって連結片75cが駆動される。これにより、絞り操作リング73は、コイルバネ77の付勢力に対抗してマウント71を回転し、絞り羽根51の開口径を調整することができる。
次いで、絞り操作リング73が嵌合されるマウント71について説明する。マウント71は、中央に可動ブロック30が挿通される円形の開口部が形成された略円板状の部材である。マウント71は、鏡筒本体10内に臨まされる一面71aに絞り操作リング73及び基板72が装着され、カメラボディ2に取り付けられる他面71bにバイヨネット式の差し込み爪が形成されている。
マウント71は、外周部74にマウント固定部材70の取付部81に取り付けられる取付孔82が形成されている。取付孔82は、マウント71の外周部74に所定間隔毎に例えば3つ形成されている。また、マウント71の一面71aは、取付孔82の周囲に取付部81を支持する支持壁83が突設されている。支持壁83は、取付部81の形状に応じて円弧状に形成され、また、マウント71の内周側に設けられている。マウント71は、取付孔82とマウント固定部材70の取付部81とを連続させた後、止めビス87が他面71b側から挿通されることにより、マウント固定部材70に取り付けられる。
また、マウント71の一面71aは、内周側に上述した絞り操作リング73が嵌合される支持凹部84が形成されている。支持凹部84は、絞り操作リング73の外径と略同一の径を有する円形をなし、側面によって絞り操作リング73の回動をガイドする。絞り操作リング73は、支持凹部84に嵌合されることによりマウント71の外周部74と略面一とされる。
また、支持凹部84は、絞り操作リング73の抜け止めを図る係止爪85が張り出し形成されている。係止爪85は、取付孔82の周囲に立設されている支持壁83から、マウント71の内側に向かって形成され、これにより円板状に形成されたマウント71の外周部74上に、取付孔82及び支持壁83と放射状に連続されている。絞り操作リング73は、係止爪85に対応する切欠き部86が形成され、この切欠き部86を係止爪85に合わせることにより支持凹部84に嵌合される。そして、絞り操作リング73は、マウント71の外周部74上に突設された係止爪85によって光軸方向に対する位置決めがなされている。
支持凹部84のさらに内周側には、コイルバネ77が配設される円形凹部88が形成されている。円形凹部88は、コイルバネ77が伸張された状態で係止される係止壁89がマウント71の中央に形成された円形開口に沿って円弧状に立設されている。また円形凹部88は、係止壁89の一端側に、コイルバネ77の他端が係止される係止凸部90が立設されている。
そして、円形凹部88は、支持凹部84に嵌合された絞り操作リング73のバネ係止部78が係止壁89の他端側に位置され、一端をバネ係止部78に係止させたコイルバネ77が係止壁89に沿って伸張され他端を係止凸部90に係止させることにより配設されている。これにより、絞り操作リング73は、コイルバネ77によって一方に回動付勢され、絞り羽根51による開口を絞る方向に絞り操作板52を回動付勢する。
次いで、マウント71の一面71aに取り付けられる基板72について説明する。基板72は、鏡筒本体10の各部を制御する制御回路が構成され、マウント71の外径と略同一の径を有する略C字状に形成されている。そして、図10に示すように、基板72は、マウント71の外周部74上にビス等により取り付けられている。
基板72は、外周部74に取り付けられたとき、外周部74上に形成された取付孔82、支持壁83及び係止爪85との干渉を避ける回避部91が形成されている。回避部91は、取付孔82、支持壁83及び係止爪85の形成箇所と基板72の外周部74上の取付箇所とが干渉する位置、本実施例においては基板72の周回方向の略中間及び周回方向の一端部に形成されている。基板72の周回方向の略中間に形成された第1の回避部91aは、放射状に連続して形成されている取付孔82、支持壁83及び係止爪85を囲むように、外側が開放された矩形状に形成されている。また、基板72の周回方向の一端部に形成された第2の回避部91bは、取付孔82、支持壁83及び係止爪85の左側面から内周側にかけて略L字状に形成されている。
このように、マウント71の外周部74上に形成された取付孔82、支持壁83及び係止爪85との干渉を回避する回避部91を設けることにより、基板72は、これら取付孔82、支持壁83及び係止爪85が形成されたマウント71の外周部74上に取り付けることができる。したがって、マウントブロック7は、絞り操作リング73を光軸方向に係止する係止爪85の高さを基板72によって吸収することができ、係止爪85と基板72とを重畳させて支持する構成に比して光軸方向に対する小型化を図ることができる。このとき、基板72は、絞り操作リング73を光軸方向に位置決めする係止爪85と、光軸方向に略同一高さに配設されることとなるため、マウント71とマウント固定部材70との取り付けにおいて、基板72や係止爪85がマウント固定部材70に対して障害となることもない。
また、基板72は、マウント71の外周部74上に係止爪85と取付孔82とが近接して配設され、一つの回避部91で退避することができる。したがって、基板72は、分散して形成された取付孔82や係止爪85の形成箇所に応じて回避部91を数多く設ける必要がなく、また係止爪85と取付孔82とが近接されているため大きく形成する必要もないため、スペースを効率よく活用することができ、鏡筒本体10の各部を制御する制御回路の形成領域を大きく確保することができる。
さらに、マウント71の外周部74上に取付孔82、支持壁83及び係止爪85が放射状に連続して形成されているため、基板72は、取付孔82、支持壁83及び係止爪85との干渉を放射状に回避するように回避部91を形成することができる。このため、図12に示すように、基板72は、第1の回避部91aを介して周回方向の一端側と他端側の領域を広く確保することができ、例えば、第1の回避部91aを介して周回方向の一端側をカメラボディ2側との電気的な接続を図る接続ピン94の形成領域R1とし、第1の回避部91aを介して周回方向の他端側を主にマイコン95やモータドライバ96、コネクタ97等の電子部品等が実装される制御回路の形成領域R2として活用することができる。このように、基板72は、面積を有効に活用することで制御回路の形成領域を大きく確保することにより、外周部74上の全領域に亘って設けられる必要がない。したがって、マウント71は、外周部74上の基板が設けられていない領域R3をフォーカスレンズ移動機構13を構成するオートフォーカスモータ18及び減速ギヤ列23の実装領域として活用することができる。
なお、図5に示すように、オートフォーカスモータ18及び減速ギヤ列23は、フォーカス用伝達環19へ駆動力を付与する一つの駆動ユニットを構成し、マウント71の外周部74上の領域R3にビス等により取り付けられている。また、この駆動ユニットには、ユーザがマニュアルでフォーカス制御を行うマニュアルフォーカスモードと、自動的にフォーカス制御を行うオートフォーカスモードとを切り換えるモード切替スイッチ98が組み付けられている。
本発明が適用された撮像装置を示す外観斜視図である。 本発明が適用された撮像装置を示す概略構成図である。 交換レンズの外観斜視図である。 交換レンズの断面図である。 ズームレンズブロック及びマウントブロックの分解斜視図である。 可動ブロックを前面側から示す斜視図である。 可動ブロックを背面側から示す斜視図である。 遮光板が装着された絞りユニットを背面側から示す斜視図である。 可動ブロックが広角側に移動された鏡筒本体内を示す斜視図である。 可動ブロックが望遠側に移動された鏡筒本体内を示す斜視図である。 マウントブロックを鏡筒本体の背面側から示す分解斜視図である。 マウントブロックを示す斜視図である。 絞り操作リングが装着されたマウントを一面側から示す斜視図である。 マウントを一面側から示す平面図である。
符号の説明
1 撮像装置、2 カメラボディ、3 交換レンズ、5 フォーカスレンズブロック、6 ズームレンズブロック、7 マウントブロック、10 鏡筒本体、11 フォーカスレンズ、12 フォーカスレンズ保持枠、13 フォーカスレンズ移動機構、16 フォーカス操作環、17 フォーカス作動環、18 オートフォーカスモータ、19 フォーカス用伝達環、20 ヘリコイド部、22 カム部、23 減速ギヤ列、25 ズームレンズ、26 ズームレンズ保持枠、27 ズーム作動環、28 ズームレンズ移動機構、29 装着部、30 可動ブロック、31 カムフォロア、32 ガイド片、35 固定環、36 カム環、37 ズーム操作環、39 ガイド突条、40 カム凸部、50 絞りユニット、51 絞り羽根、52 絞り操作板、53 押さえ板、54 ガイド溝、56 挿通部、57 係合片、58 係止ピン、60 遮光板、61 開口、62 切欠き部、63 係合孔、70 マウント固定部材、71 マウント、72 基板、73 絞り操作リング、74 外周部、75 操作アーム、76 操作アーム取付部、77 コイルバネ、78 バネ係止部、81 取付部、82 取付孔、83 支持壁、84 支持凹部、85 係止爪、86 切欠き部、87 止めビス、91 回避部、94 接続ピン、95 マイコン、96 モータドライバ、97 コネクタ

Claims (8)

  1. 鏡筒本体と、
    上記鏡筒本体の端部に取り付けられ、撮像装置本体との接続部が形成されたマウントと、
    上記マウントの上記鏡筒本体との取付け面上に設けられ、鏡筒本体の動作を制御する制御部が形成された基板とを備え、
    上記マウントは、上記取付け面に、上記鏡筒本体内の機構を操作する操作部材を係止する係止部材が突設され、
    上記基板は、上記係止部材との干渉を避ける回避部が形成されているレンズ鏡筒。
  2. 上記係止部材は、上記取付け面に形成された上記鏡筒本体との取付け部近傍に突設され、
    上記回避部は、上記取付け部及び上記係止部材との干渉を避ける請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 上記取付け部及び上記係止部材は、円形に形成された上記取付け面に放射状に連続して形成されている請求項2記載のレンズ鏡筒。
  4. 上記取付部及び上記係止部材は、上記取付け面に、所定間隔毎に複数形成されている請求項3記載のレンズ鏡筒。
  5. 上記基板は、上記回避部によって、回路形成領域が分割されている請求項4記載のレンズ鏡筒。
  6. 上記基板は、上記係止部材と光軸方向に略同一高さとされる請求項1記載のレンズ鏡筒。
  7. 上記係止部材は、上記鏡筒本体内に設けられた絞りユニットを操作する操作板を、上記取付け面に回転可能に係止している請求項1記載のレンズ鏡筒。
  8. 装置本体とレンズ鏡筒とを備え、
    上記レンズ鏡筒は、
    鏡筒本体と、
    上記鏡筒本体の端部に取り付けられ、撮像装置本体との接続部が形成されたマウントと、
    上記マウントの上記鏡筒本体との取付け面上に設けられ、鏡筒本体の動作を制御する制御部が形成された基板とを備え、
    上記マウントは、上記取付け面に、上記鏡筒本体内の機構を操作する操作部材を係止する係止部材が突設され、
    上記基板は、上記係止部材との干渉を避ける回避部が形成されている撮像装置。
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