JP2010026322A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃力が作用した場合にカムフォロアとカム溝との係合が外れにくく、鏡枠の大型化が避けられるレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒1は、光軸方向の前方側に第一のテーパ角θ1を有した前方側テーパ面16c1と、光軸と直交する方向に該第一のテーパ面と同一の位置の光軸方向の後方側に第二のテーパ角θ2を有する後方側テーパ面16c2とをもつカムフォロア16cを有する後移動枠16と、互いに対向する一対の側壁面を有し、上記カムフォロアと係合し摺接するカム溝であって、光軸方向前方側カム面である前方側テーパ面16c1と摺接する前方側カム斜面13c1と、光軸方向後方側カム面である後方側テーパ面16c2と摺接する後方側カム斜面13c2とでなるカム溝13cを有するカム枠13とを具備しており、角度θ1は、角度θ2より小さい。
【選択図】図13

Description

本発明は、カムフォロアとカム溝を適用した枠部材進退駆動機構を備えるレンズ鏡筒に関する。
従来のカメラ等の撮像装置に組み込まれるレンズ鏡筒であって、対となる枠部材に設けられるカムフォロアとカム溝を適用する枠部材進退駆動機構を備えたものに対して落下等による衝撃力が作用した場合、係合状態にある上記カムフォロアとカム溝が上記衝撃力を受ける。一方、上記カム溝の摺接面(カム面)は、通常、枠部材の成形時の型抜きのためにレンズ光軸と直交する方向(ラジアル方向)に対して傾斜角が付けられている。カムフォロアの摺接面も上記カム溝の傾斜角に対応した面を有している。従って、上述のように衝撃力が作用した場合、カムフォロア、または、カム溝を支持する枠部材が径方向に変形し、上記衝撃力の大きさによっては、その係合が外れ、カムフォロアとカム溝とが離脱するおそれがあった。
そこで、上記カムフォロアとカム溝との離脱を防止するものとして特許文献1に開示されたレンズ鏡筒には、カム溝として光軸方向前側と後側で傾斜角度の異なるカム面を形成、衝撃力が作用しやすい側のカム面を傾斜角を急峻とする。対応するカムフォロアには、二段に形成された傾斜角の異なる摺接面を形成する。このようなカム溝とカムフォロアを適用することにより、カム溝とカムフォロアとの離脱を防止している。
また、特許文献2に開示されたレンズ鏡筒のカム溝とカムフォロアからなる枠進退機構においては、カムフォロアの摺接面下部にエッジ部をもつV字溝が設けらている。衝撃力が作用した場合、該V字溝のエッジ部がカム溝の摺接面に食い込むことによってカム溝からのカムフォロアの離脱が防止される。
特開2003−015013号 特開2000−131588号
しかし、上記特許文献1に開示されたレンズ鏡筒の上記カム溝は、上記カムフォロアの二段に形成された傾斜角の異なる摺接面に対応して鏡筒の径方向に深い摺接面を必要とすることから上記カム溝が形成される枠部材の外径が大きくなることが避けられない。
また、上記特許文献2に開示されたレンズ鏡筒の場合、上記カムフォロアの上記カム溝への食い込みが可能である必要である。言い換えると、例えば、カムフォロア側が金属製であって、カム溝側が合成樹脂で成形されている必要があって、枠部材の材料に制限がある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、カムフォロアとカム溝を適用する進退駆動機構を備えたレンズ鏡筒において、衝撃力が作用した場合にカムフォロアとカム溝との係合が外れにくく、鏡枠の大型化が避けられるレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載のレンズ鏡筒は、光軸方向の前方側に第一のテーパ角を有した第一のテーパ面と、光軸と直交する方向に該第一のテーパ面と同一の位置の光軸方向の後方側に第二のテーパ角を有する第二のテーパ面とを有したカムフォロアを有する第一の枠と、互いに対向する一対の側壁面を有し上記カムフォロアと係合し摺接するカム溝であって、一対の側壁面の一方の光軸方向前方側カム面は上記第一のテーパ面と摺接する第一のカム斜面と、一対の側壁面の他方の光軸方向後方側カム面は上記第二のテーパ面と摺接する第二のカム斜面とでなるカム溝を有する第二の枠とを具備する。
本発明の請求項2記載のレンズ鏡筒は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、上記第一のテーパ角は、上記第二のテーパ角より小さい。
本発明の請求項3記載のレンズ鏡筒は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、上記第二のテーパ角は、上記第一のテーパ角より小さい。
本発明の請求項4記載のレンズ鏡筒は、請求項1乃至3のいづれかに記載のレンズ鏡筒において、上記第二のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さは、上記第一のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さより長い。
本発明の請求項5記載のレンズ鏡筒は、カムフォロアを有する第一の枠と、互いに対向する一対の側壁面を有し上記カムフォロアと係合し摺接するカム溝であって、一対の側壁面の一方の光軸方向前方側カム面である第一のカム斜面と、一対の側壁面の他方の光軸方向後方側カム面である第二のカム斜面とでなり、上記第二のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さは、上記第一のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さより長いカム溝を有する第二の枠とを具備する。
本発明の請求項6記載のレンズ鏡筒は、請求項4に記載のレンズ鏡筒において、上記カムフォロアは、光軸方向の前方側に第一のテーパ角を有した第一のテーパ面と、光軸と直交する方向に該第一のテーパ面と同一の位置の光軸方向の後方側に第二のテーパ角を有する第二のテーパ面とを有しており、上記第一のテーパ角は、上記第二のテーパ角より小さい。
本発明によれば、カムフォロアとカム溝を適用する進退駆動機構を備えたレンズ鏡筒において、衝撃力が作用した場合にカムフォロアとカム溝との係合が外れにくく、鏡枠の大型化も避けられるレンズ鏡筒を提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるレンズ鏡筒の正面図(被写体側から見た図)である。図2は、上記レンズ鏡筒のワイド状態における図1のA−O−A断面図であり、図3は、同じくワイド状態での図1のB−O−B断面を示し、図4は、同じくワイド状態での図1のC−O−C断面(C−O−B断面)を示している。図5は、上記レンズ鏡筒のマウントおよび電装部材を外した状態を結像側から見た図である。図6は、図5のD−O−D断面図である。図7は、上記レンズ鏡筒の主要部材の分解斜視図である。図8は、上記レンズ鏡筒の後一群枠と駆動環とを結像側から見た分解斜視図である。図9は、上記レンズ鏡筒の前カバー、後カバーおよび外枠を結像側から見た斜視図である。図10は、上記レンズ鏡筒の前カバー、後カバーと外枠と分解状態の後移動枠とを前方から見た斜視図である。図11は、上記レンズ鏡筒の前一群枠と外一群枠の分解斜視図である。図12は、上記レンズ鏡筒の外一群枠と前移動枠の分解斜視図である。
なお、本実施形態のレンズ鏡筒の撮影レンズ群の光軸を図中「O」で示し、以下の説明において、光軸O方向の被写体側Z0を前方とし、結像側Z1を後方とする。回転方向は、被写体側(前方側)から見た回転方向で示す。また、以下の説明で径嵌合状態とは、当該する部材の内、外径部を嵌合させて上記当該部材を固定支持、または、摺動可能に支持する状態である。
本実施形態のレンズ鏡筒1は、図2,7等に示すように固定枠2と、該固定枠2に対して後端側外周部に径嵌合状態で固定支持される外枠3と、外枠3の外周部に径嵌合状態で固定支持される枠部材として前カバー4、中カバー5、後カバー6と、固定枠2の後端部に固着されるマウント7と、外枠3の外周部に径嵌合し、回転操作可能に支持されるズーム環11と、外枠3と中カバー5に径嵌合し、回転操作可能に支持される距離環12と、固定枠2の外周部に径嵌合し、回転可能に支持されるカム枠13とを備えている。
さらに、レンズ鏡筒1は、固定枠2の外周部に径嵌合し、回転規制状態で光軸O方向に進退移動する前移動枠15と、前移動枠15と径嵌合し、一体結合される後移動枠16と、固定枠2の内周部に径嵌合し、回転可能で光軸O方向の移動が規制された駆動環23と、固定枠2の内周部に径嵌合し、回転および光軸O方向移動可能な後一群枠19と、後一群枠19に径嵌合し、回転規制状態で光軸O方向に進退可能な外一群枠18と、外一群枠18と径嵌合し、一体係合される前一群枠17と、固定枠2の内周部に径嵌合し、回転規制状態で光軸O方向に進退可能な二群枠25と、二群枠25の前面部に装着される絞りユニット26と、絞り駆動モータ27と、フォーカス駆動モータ28と、撮影光学系である撮影レンズとして前一群枠17に保持される前一群レンズ41、後一群枠19に保持される後一群レンズ42、二群枠25に保持される二群レンズ43とを備えている。
マウント7は、固定枠2の後端部にビス65により固着されるが、その接合面には補正座金35が挿入される。補正座金35の厚みを調整することによりレンズ鏡筒1と該レンズ鏡筒1が装着される一眼レフカメラ(以下、カメラと記載する)の撮像素子の光電変換面(結像面)との間隔が適正距離に調整される。
前カバー4は、外枠3の先端部外周に径嵌合して飾りリング51を挟んだ状態で固着される。前カバー4の前方には凹部4aが設けられており、リング状の防塵モルト32が装着されている。
距離環12には内周部にスリット板(図示せず)が固着されており、また、該スリット板の回転を検出するフォトリフレクタ(図示せず)が外枠3に支持されている。距離環12の回転は、上記フォトリフレクタで検出され、その検出信号は、レンズ鏡筒1が装着されたカメラに伝達される。上記カメラ側の制御部は、上記検出信号に基づいた距離環の操作によるフォーカシング駆動信号、または、AF合焦のためのフォーカシング駆動信号をレンズ鏡筒1側に出力し、フォーカス駆動モータ28を駆動し、フォーカシングを行わせる。
カム枠13は、円筒形状の枠部材であり、固定枠2に対して円周方向および径方向の一部に盛り上がったリブ形状の凸部2bと、カム枠13の後端内周面に設けられた円周溝である凹部13bを係合させた状態でバヨネット結合しており、固定枠2によって光軸O方向の移動が規制され、かつ、光軸Oまわりに回転可能に支持されている。カム枠13の内周部に3本のカム溝13cと3本の二群枠用カム溝13dとが設けられている。また、カム枠13の後端部外周にはビス63によりズームピン36が固着されている。
ズームピン36はズーム環11の係合穴に嵌合しており、ズーミング動作時におけるズーム環11の回転操作によってズームピン36を介してカム枠13が回転駆動される。
カム枠13と固定枠2との光軸O方向接合部には、ズームバネ22が挿入されている。ズームバネ22は、リング状板バネ部材であり、僅かに光軸O方向に湾曲した形状を有しており、組み付け状態では、ズームバネ22によりカム枠13を固定枠2に対して光軸O方向に押圧し、カム枠13を光軸O方向にガタのない状態に保持する。同時にカム枠13を介してズーム環11に適正な回転摩擦力が与える。
前移動枠15は、リング状の枠部材であり、後方内周部に3つのカムフォロア15dと、光軸O方向に挿通する3つのビス挿通穴15aと、3つの切り欠き状ガイド溝15eとが設けられている。
後移動枠16は、リング状の枠部材であり、後方外周部に3つのカムフォロア16cと、外周部に突出する3つの突起16bと、前面部に3つのビス穴(ネジ穴)16aとが設けられている。
前移動枠15の後方外周部と後移動枠16の内周部とを径嵌合させて組み付け、後移動枠16と前移動枠15の光軸O方向接合部、すなわち、各ビス挿通穴15aとビス穴16aとの間に後述する3つのZP補正座金34を介在させた状態とし、3本のビス62をビス挿通穴15aに挿通させ、ビス穴16aに螺着して後移動枠16と前移動枠15とを一体化する。なお、前移動枠15の前面側凹部には、後述する前飾り板29との隙間からの塵埃の侵入を防止するための防塵ゴム31が挿入されている。
後移動枠16は、後方部が外枠3の内周部に挿入され、組み立てのための突起16bを外枠3の直進溝3cに嵌入させ、さらに、カムフォロア16cをカム枠13の内周部のカム溝13cに係合させ、同時に固定枠2の被写体側(光軸O前方側)に開放され、光軸Oと平行に設けられたキー溝2fと、前移動枠15に設けられたカムフォロアの根本部に形成されたキー部15fとを嵌合して取り付ける(図7,10)。従って、後移動枠16は、前移動枠15とともに固定枠2、外枠3により回転規制された状態でカム枠13の回転にともない光軸O方向に進退駆動される。
なお、ZP補正座金34は、異なる厚みを有する座金であり、その厚さを選択して組み付けることによりカム枠13に対する前一群レンズ41および後一群レンズ42の光軸O方向の位置を調整して、ズーミングによる合焦位置のずれを最小限にするためのものである。
また、カム枠13のカム溝13cとそれに係合する後移動枠16のカムフォロア16cとは耐衝撃性を改善する形状構造を有しており、その詳細な形状については後で説明する。
前一群枠17は、リング状枠の部材であって、前一群レンズ41を保持しており、前面部には、両面テープ52により前飾り板29が固着される。また、光軸O方向に挿通する3つのビス挿通穴17aと位置決めピン17bを有している。
外一群枠18は、リング状の枠部材であって、外方部に3つのビス穴(ネジ穴)18aと、前面部に3つのピン穴18bとを有し、内周部に3つのカムフォロア18cを有し、後面部に回転規制ピン18eを有している。
前一群枠17の後方外周部と外一群枠18の内周部とを径嵌合させ、位置決めピン17bをピン穴18bに嵌入させて組み付け(図11)、前一群枠17と外一群枠18の光軸O方向接合部、すなわち、各ビス挿通穴17aとビス穴18aとの間に後述する3つの湾曲補正座金33を挟み込む。そして、3本のビス61をビス挿通穴17aに挿通させ、ビス穴18aに螺着して前一群枠17と外一群枠18とを一体化する。
なお、湾曲補正座金33は、異なる厚みを有する座金であり、その厚さを選択して組み付けることにより後一群レンズ42に対する前一群レンズ41の光軸O方向の位置を調節して、湾曲補正および像面の傾きに起因する片ぼけの補正を行うための座金である。
また、前一群枠17と外一群枠18とは位置決めピン17bをピン穴18bに嵌入させているので、ビス61挿入前、前一群枠17と外一群枠18との回転位置ずれがなく、組み立てが容易である。
後一群枠19は、リング状の枠部材であって、後一群レンズ42を保持しており、後方に突出する突起部19aを有し、突起部19aにはキー溝19bが設けられる。また、外周部前方側に3本の外一群枠用カム溝19cと、外周部後方側に3本の前移動枠用カム溝19dとが設けられる。
後一群枠19の組み付け状態では、後一群枠19の外一群枠用カム溝19cに外一群枠18のカムフォロア18cを係合させ、前移動枠用カム溝19dには前移動枠15のカムフォロア15dを係合させる。さらに、後述する駆動キー24がキー溝19bに摺動可能に嵌入し、駆動キー24により回転駆動される状態で進退可能に支持される。
なお、カム溝19cとカムフォロア18c、および、カム溝19dとカムフォロア15dとは、耐衝撃性を改善する形状構造を有しており、その詳細な形状については後で説明する。
前一群枠17と一体結合された外一群枠18は、後方内周部を後一群枠19の外周部に径嵌合させ、かつ、回転規制ピン18eを前移動枠15のガイド溝15eに嵌入させ、光軸O方向進退可能で回転規制された状態で支持される(図12)。
一群バネ21は、圧縮コイルバネであり、固定枠2の前端面と外一群枠18の後面部間に圧縮状態で挿入される。従って、一群バネ21の付勢力によって外一群枠18のカムフォロア18cと後一群枠19のカム溝19cとの係合ガタ、後一群枠19のカム溝19dと前移動枠15のカムフォロア15dとの係合ガタ、さらに、後移動枠16のカムフォロア16cとカム枠13のカム溝13cとの係合ガタがそれぞれ取り除かれる。
駆動環23は、リング形状の枠部材であり、前方突起部23aに光軸O方向前方に延出する駆動キー24がビス64により固着される。駆動環23は、固定枠2の後方部にて光軸O方向の移動規制状態、かつ、回転可能に支持されており、フォーカシング時にはフォーカス駆動モータ28によって回転駆動される。
駆動キー24の先端部は、後一群枠19のキー溝19bにガタなく摺動可能に嵌入する。従って、駆動環23が回転駆動されると、後一群枠19が回転駆動され、後一群枠19と前移動枠15との相対位置が変化するとともに、後一群枠19に対する前一群枠17および外一群枠18の相対位置も変化する。
二群枠25は、径方向の三方に突出する腕部をもつ円筒形状の枠部材からなり、二群レンズ43を保持しており、前面部には絞り駆動モータ27を有し、開閉可能な絞り羽根を備えた絞りユニット26が装着されている。二群枠25の外方に突出する3つの腕部にカムフォロア25dが配されている。
カムフォロア25dは、固定枠2の直進溝2aを挿通し、カム枠13の二群枠用カム溝13dに係合する。従って、カム枠13が回転駆動されると、二群枠25は、カムフォロア25dのカムフォロア根元ガイド部が固定枠2の直進溝2aによって直進ガイドされた状態のもとでカムフォロア25dを介してカム溝13dにより光軸O方向に進退駆動される。
ここで、枠部材の進退機構として設けられるカム溝と該カム溝に係合するカムフォロアの形状について説明する。
まず、カム枠13のカム溝13cとそのカム溝に係合する後移動枠16のカムフォロア16cの形状について、図13、図16〜18を用いて説明する。
図13は、カム枠13のカム溝13cと後移動枠16のカムフォロア16cの係合部分のカム筋直交断面に沿った断面上の断面図である。図16は、カム枠13のカム溝部内周面を型抜き方向から見た断面図である。図17は、カム枠13のカム溝13cに係合する後移動枠16のカムフォロア16cの斜視図である。図18は、後移動枠16のカムフォロア16cの形状を示す図であって、図18(A)は、カムフォロア16cを外周側から見た図であり、図18(B)は、図18(A)のE矢視図である。
なお、上記カム筋直交断面とは、カム溝13cのカム溝軌跡であるカム筋13c0に直交し、係合するカムフォロア16cのテーパ面に関する円錐軸16c0(後述)を含む面である。
カム溝13cは、レンズ鏡筒1のズーミング進退特性から図16に示すようにズーミング範囲の中央部が光軸Oの後方側に凸となるカム筋13c0を有している。従って、カム溝13cのための型割線L1とL2の間でカム溝13cの前方側カム斜面13c1側は、中心部が最も抜き勾配が小さくなり、全体的に後方側カム斜面13c2に比較してカム面を立てる(すなわち、抜き勾配を小さくする)ことができる。
そこで、本実施形態では、後述するようにカム溝13cの第一のカム斜面である前方側カム斜面13c1と第二のカム斜面である後方側カム斜面13c2の傾斜角を異なった形状とし、さらに、カム枠13の構造上からカム斜面13c1,13c2の壁面長さも変える。このような構造を採用することによって上記カム溝とカムフォロアとが衝撃を受けた場合でもカムフォロアをカム溝から外れにくくして耐衝撃性を向上させている。
詳しくは、カム枠13のカム溝13cは、カムフォロア16cの前方側テーパ面16c1および後方側テーパ面16c2と係合し、摺接(摺動)可能な断面を有している。そして、図13に示すように光軸O方向前面側と後面側の一対の摺接面である前方側カム斜面13c1と後方側カム斜面13c2とは、カム筋13c0直交断面上、後述する後移動枠16のカムフォロア16cのテーパ面に対応した異なる第一の傾斜角θ1、第二の傾斜角θ2を有しており、傾斜角θ1とθ2は、θ1<θ2とする。具体的に例えば、θ1=5°とし、θ2=15°とする。
また、カム溝13cの前面側カム斜面13c1と後面側カム斜面13c2の光軸Oに向かう方向に沿った壁面長さH1とH2が異なっている。すなわち、前方側カム斜面13c1の光軸Oに向かう方向への壁面長さH1は、カムフォロア16cの高さに対応した後移動枠16の外周までの長さとする。後方側カム斜面13c2の光軸Oに向かう方向への壁面長さH2は、後移動枠16の外周と干渉しないのでカムフォロア16cの高さ、すなわち、摺接面高さよりも長く(深く)、壁面長さH1よりも長くなっている。
後移動枠16のカムフォロア16cは、カム溝13cのカム斜面に係合可能な形状を有しており、図17,18に示すように摺接面として異なる円錐面からなる光軸O方向前方側の第一のテーパ面である前方側テーパ面16c1と光軸O方向後方側の第二のテーパ面である後方側テーパ面16c2とを有している。すなわち、前方側テーパ面16c1と後方側テーパ面16c2とは、光軸Oに直交する円錐軸16c0を共有し、頂角および頂点位置が異なる部分円錐面からなる。円錐軸16c0と前方側テーパ面16c1とがなす第一のテーパ角である傾斜角θ1と、円錐軸16c0と後方側テーパ面16c2とがなす第二のテーパ角である傾斜角θ2とは、上述したカム溝13cのカム斜面の傾斜角に一致し、θ1<θ2とし、具体的に例えば、θ1=5°とし、θ2=15°とする。上述のようにθ1とθ2とが異なることにより前方側テーパ面16c1と後方側テーパ面16c2のカムフォロア周方向接合部に外周段差部16c3が両側に形成される。
外周段差部16c3は、カム溝13cが図16に示すように両回転方向にカム筋13c0が光軸O方向に凹状対称形状であることからカムフォロアの外周上にて後移動枠周方向の両側に配される。
また、前方側テーパ面16c1と後方側テーパ面16c2のカムフォロア上端面における曲率半径R1とR2は、それぞれの円錐面の頂点の位置をずらすことによってR1>R2とする。このようにR1>R2とすることによってカムフォロア16cの摺接面根元部での円錐軸からの偏りをなくす。なお、カムフォロア上端面における曲率半径R1とR2は、上述のように必ずしもR1>R2にする必要はない。
なお、上述したように本実施形態におけるカムフォロア16cには周方向の両側に外周段差部16c3が形成されている。この段差部16c3が存在することにより成形のための金型の製作が面倒であり、また、製品としてもエッヂ部が形成されることから取り扱いに難点がある。そこで、カムフォロア16cの変形例として図19,20に示すカムフォロア16Acを提案する。
図19は、本変形例のカムフォロア16Acの斜視図である。図20は、後移動枠16Aのカムフォロア16Acの形状を示す図であって、図20(A)は、カムフォロア16Acを外周側から見た図であり、図20(B)は、図20(A)のF矢視図である。
本変形例のカムフォロア16Acは、カムフォロア16cの外周段差部16c3に替えて外周突部16Ac3を設けたものである。その他の形状として前方側テーパ面16Ac1、後方側テーパ面16Ac2、また、上端面の曲率半径R1とR2、さらに、円錐軸16Ac0等は、カムフォロア16cと同一とする。
本変形例のカムフォロア16Acの外周突部16Ac3は、所定の曲率の部分円柱面(または、円錐面)からなる。従って、カムフォロア16Ac部を成形する金型部は、面倒、または、煩雑な加工を必要としない簡単な金型部となる。また、製品としてもエッジ部がなく取り扱いが容易になる。
次に、後一群枠19のカム溝19dとそのカム溝に係合する前移動枠15のカムフォロア15dの形状について、図14、図21〜23を用いて説明する。
図14は、後一群枠19のカム溝19dと前移動枠15のカムフォロア15dの係合部分のカム筋直交断面に沿った断面上の断面図である。図21は、後一群枠19の外周面を型抜き方向から見た図である。図22は、前移動枠15のカムフォロア15dの斜視図である。図23(A),(B)は、前移動枠15のカムフォロア15dの形状を示す図であって、図23(A)は、カムフォロア15dを外周側から見た図であり、図23(B)は、図23(A)のG−G断面図である。
なお、上記カム筋直交断面とは、カム溝19dのカム溝軌跡であるカム筋19d0に直交し、係合するカムフォロア15dのテーパ面に関する円錐軸15d0(後述)を含む面である。
後一群枠19のカム溝19dは、レンズ鏡筒1のフォーカシング進退特性から図21に示すように時計回り(前方から見て)に回転したとき、常に前方側に変位するカム筋19d0を有している。さらに、図21に示すように後一群枠19の型抜き中心線(光軸Oに重なる)から光軸O方向の後方側カム斜面19d2の反時計回り側(前方から見て、フォーカシング範囲の至近側)の端部までの距離(図21上にて下方向)K2は、光軸O方向の前方側カム斜面19d1の時計回り側(前方から見て、フォーカシング範囲の無限遠側)の端部までの距離(図21上で上方向)K1よりも短い。
本実施形態の場合、後方側カム斜面19d2の抜き勾配は、ある程度の抜き勾配があれば成形上の不都合は無く、金型からの離型は問題がない。しかし、カム筋19d0のK1部分の終端部が型抜き中心線から遠く、該終端部の前方側カム斜面19d1の抜き勾配は該中心線の型抜き勾配より大きくしなければ金型からの型抜き(離型)上のアンダーカットを生じてしまう。従って、後方側カム斜面19d2の抜き勾配に比べ、前方側カム斜面19d1の抜き勾配を大きくしなければならないため、ここでは、第1の傾斜角というべき前方側カム斜面19d1のカム斜面(抜き勾配)は、第2の傾斜角というべき後方側カム斜面19d2のカム斜面(抜き勾配)より大きい。
そこで、本実施形態では、後述するようにカム溝19dの前方側カム斜面19d1と後方側カム斜面19d2の傾斜を異なった形状を採用して、上記カム溝と上記カムフォロアとが衝撃を受けた場合、上記カムフォロアが上記カム溝から外れにくい構造としている。
詳しくは、後一群枠19のカム溝19dは、前移動枠15のカムフォロア15dと係合するが、図14に示すように光軸O方向前面側と後面側の一対の摺接面である前方側カム斜面19d1と後方側カム斜面19d2とのカム筋19d0直交断面上の第一の傾斜角θ3と第二の傾斜角θ4とが異なり、θ3>θ4とする。具体的に例えば、θ3=20°とし、θ4=15°とする。
前移動枠15のカムフォロア15dは、上述したカム溝19dのカム斜面に係合可能な形状を有しており、図22,23に示すように摺接面として異なる円錐面からなる光軸O方向前方側の第一のテーパ面である前方側テーパ面15d1と光軸O方向後方側の第二のテーパ面である後方側テーパ面15d2とを有している。すなわち、前方側テーパ面15d1と後方側テーパ面15d2とは、光軸Oと直交する円錐軸15d0を共有し、頂角および頂点位置が異なる部分円錐面からなる。円錐軸15d0と前方側テーパ面15d1とがなす第一のテーパ角である傾斜角θ3と、円錐軸15d0と後方側テーパ面15d2とがなす第二のテーパ角である傾斜角θ4とは、上述したカム溝19dのカム斜面の傾斜角に一致し、θ3>θ4とする。
また、前方側テーパ面15d1と後方側テーパ面15d2のカムフォロア上端面における曲率半径R3とR4は、R3=R4とするが、上述したように傾斜角(テーパ角)が異なるために前方側テーパ面15d1と後方側テーパ面15d2のカムフォロア上端から根元部に向けて外周段差部15d3が両側に存在する(図22,23)。両側の外周段差部15d3は、カム溝19dが図21に示すようにカム筋19d0が周方向に関して一方に傾くことから上記傾きに合わせた方向にカムフォロア外径の両側に前移動枠周方向に対してわずかに傾いて形成される。
なお、上述したように本実施形態におけるカムフォロア15dには両側に外周段差部15d3が形成されている。この段差部15d3が存在することのより成形のための金型の製作が面倒になり、また、製品としてもエッジ部が形成されることから取り扱いに難点がある。そこで、カムフォロア15dの変形例として図24,25に示すカムフォロア15Adを提案する。
図24は、図22のカムフォロア15dに対する変形例のカムフォロア15Adの斜視図である。図25は、図24のカムフォロア15Adの形状を示す図であって、図25(A)は、カムフォロア15Adを内周側から見た図であり、図25(B)は、図25(A)のH−H断面図である。
本変形例である前移動枠15Aのカムフォロア15Adは、カムフォロア15dの外周段差部15d3をカットした形状の外周平面部15Ad3を設けたものである。その他の形状として前方側テーパ面15Ad1、後方側テーパ面15Ad2、また、上端面の曲率半径R3とR4、さらに、円錐軸15Ad0等は、カムフォロア15dの場合と同一とする。
本変形例のカムフォロア15Adの両側面が段差部ではなく外周平面部15Ad3であることからカムフォロア15Ad部分を成形する金型部は、煩雑な加工を必要とせず、簡単な金型部となる。また、製品としてもエッヂ部がなく取り扱いが容易になる。
次に、後一群枠19のカム溝19cとそのカム溝に係合する外一群枠18のカムフォロア18cの形状について、図15および図21(前述)を用いて説明する。
図15は、後一群枠19のカム溝19cと外一群枠18のカムフォロア18cの係合部分のカム筋直交断面に沿った断面図である。
なお、上記カム筋直交断面とは、カム溝19cのカム筋19c0に直交し、係合するカムフォロア18cのテーパ面に関する円錐軸18c0(後述)を含む面である。
後一群枠19のカム溝19cは、レンズ鏡筒1のフォーカシング進退特性から図21に示すように時計回り(前方から見て)に回転したとき、常に前方側に変位するカム筋19c0を有し、また、後一群枠19の型抜き中心線(光軸Oに重なる)から反時計回り側と時計回り側とで略同一距離範囲に形成されている。第一のカム斜面である前方側カム斜面19c1と第二のカム斜面である後方側カム斜面19c2とは、同一の抜き勾配を設けることができる。すなわち、前方側カム斜面19c1の傾斜角θ5と後方側カム斜面19c2の傾斜角θ6とを等しくする。具体的に例えば、θ3=θ4=15°とする。
一方、後一群枠19の構造上、前方側カム斜面19c1の光軸Oに向かう方向の壁面長さH5は、外一群枠18の内径までの寸法であって、カムフォロア18cの外一群枠18の内径側への高さと略同一である。一方、後方側カム斜面19c2の光軸Oに向かう方向の壁面長さH6は、外一群枠18の外径に干渉しないのでカムフォロア18cの外一群枠18の径方向の長さよりも長く(深く)することができ、H6>H5となっている。
外一群枠18のカムフォロア18cは、上述したカム溝19cのカム斜面に係合可能な形状を有しており、図15に示すように摺接面として光軸Oと直交する円錐軸18d0をもつ単一の円錐台の円錐面からなるテーパ面18c1を有している。すなわち、カムフォロアの全周面一定の傾斜角(テーパ角)θ5(=θ6)を有している。
上述した構成を有するレンズ鏡筒1におけるズーミング動作およびフォーカシング動作について説明する。ズーミング動作時、ズーム環11を回転操作すると、ズームピン36を介してカム枠13が回転する。カム枠13の回転により二群枠25が絞りユニット26とともに回転規制状態で二群枠用カム溝13dにより光軸O方向に移動し、二群レンズ43がズーム操作対応のズーミング位置に移動する。
さらに、上記カム枠13の回転に伴って、後移動枠16が前移動枠15ともに回転規制状態でカム溝13cにより光軸O方向に移動する。駆動環23が静止しており、駆動キー24により回転規制された状態の後一群枠19は、前移動枠15の進退によりカムフォロア15dを介して光軸O方向に移動する。後一群枠19の進退に伴って、回転規制状態の外一群枠18および一体結合の前一群枠17は、カムフォロア18cを介して光軸O方向に移動する。これらの枠移動によって前一群レンズ41と後一群レンズ42がともにズーム操作対応のズーミング位置に移動する。
図26は、レンズ鏡筒1の無限遠合焦状態におけるワイド(ZW)からズーム標準(ZS)を経てテレ(ZT)までの各ズーミング状態における前一群レンズ、後一群レンズ、二群レンズの繰り出し状態を示す図である。ズーム環11を時計回り(前方からみて)に回動操作し、本図に示すようにZW状態からZS状態にズーミングすると、前一群枠17に保持される前一群レンズ41および後一群枠19に保持される後一群レンズ42は、光軸O方向に僅かに後退し、二群レンズ43は、光軸O方向に前進する。さらに、ZS状態からZT状態にズーミングすると、前一群レンズ41および後一群レンズ42は、光軸O方向に僅かに前進し、二群レンズ43は、光軸O方向にさらに前進する。
一方、フォーカシング動作時において、レンズ鏡筒1が装着されたカメラの制御部より出力されるフォーカシング駆動信号、すなわち、マニュアル動作時、距離環12を回転操作したときの距離環回転操作信号が上記フォトインタラプタを介してカメラ側制御部に取り込まれ、フォーカシング駆動信号が出力される。また、AF動作時にはカメラ側制御部よりフォーカシング駆動信号が出力される。上記フォーカシング駆動信号は、レンズ鏡筒1側に取り込まれ、フォーカス駆動モータ28が回転駆動される。フォーカス駆動モータ28により駆動環23が回転駆動され、駆動キー24を介して後一群枠19が回転する。後一群枠19の回転に伴って、後一群枠19自体がカム溝19dによって前移動枠15に対して光軸O方向に移動する。同時に後一群枠19のカム溝19dとカム溝19cの差分により外一群枠18および前一群枠17とは後一群枠19に対して光軸O方向に相対移動し、固定枠2に対する絶対的な移動量は、後一群枠19の移動量に上記相対移動量を加えた移動量となる。
図27は、レンズ鏡筒1のワイド無限遠合焦状態(ZW)からワイド至近合焦状態(ZWN)にフォーカシングしたときの前一群レンズ、後一群レンズ、二群レンズの繰り出し状態を示す図である。本図に示すようにワイド状態において無限遠合焦状態から至近合焦状態にフォーカシングした場合、前一群枠17に保持される前一群レンズ41は、僅かに光軸O方向に後退し、後一群枠19に保持される後一群レンズ42は、光軸O方向に前進する。なお、二群レンズ43は、カム枠3が回転しないので光軸O方向に進退しない。
なお、本実施形態のレンズ鏡筒1において、前カバー4の前方には凹部4aに装着された防塵モルト32は、柔らかい発泡体からなる弾性変形可能な柔らかい部材であり、図2に示すようにその先端部が後述する前移動枠15の後方凹部15eの円周部に当接した状態に保持されることから前カバー4と前移動枠15との間の隙間を覆い、該隙間からの塵埃の侵入が防止される。
上述した前カバー4と前移動枠15との間の隙間からの塵埃の侵入を防止するために防塵モルト32に替えて図28の前カバー4と前移動枠15の先端部部分断面図に示すように防塵テープ71を前移動枠15の後面側凹部15eに貼付した変形例を提案することもできる。
防塵テープ71は、不織布等に粘着剤を含浸もしくは塗布して両面に粘着性を持たせた、所謂、両面テープからなり、前移動枠15の後面側凹部15eに貼付した状態で後面側は露呈している。従って、前カバー4と前移動枠15との間の隙間CLから侵入した塵埃が防塵テープ71に吸着するので、防塵モルト32を適用する場合と異なり、摺動部のない状態で塵埃の侵入を防止することができる。
上述した本実施形態のレンズ鏡筒1によれば、枠部材を進退駆動するためのカム溝およびカムフォロアの摺接面が上述した形状を有していることからレンズ鏡筒1に衝撃力が作用して場合、上記カム溝とカムフォロアの係合が外れにくく、耐衝撃性が向上し、しかも、レンズ鏡筒の小型化も可能となる。
詳しくは、まず、外部に露呈する前移動枠15に対して光軸O方向前方への外力、または、衝撃力が作用した場合、その力は、後移動枠16のカムフォロア16cの前方側テーパ面16c1と、カム枠13のカム溝13cの前方側カム斜面13c1の間の当接力として作用する。しかし、前述したように前方側カム斜面13c1(前方側テーパ面16c1)の傾斜角θ1が小さく、言い換えると、従来のカムフォロア、カム溝の摺接面よりも立っているのでカムフォロア16cがカム溝13cから外れにくい。
また、レンズ鏡筒1を落下させ、前移動枠15に光軸O方向後方への衝撃力が作用した場合、その衝撃力は、後移動枠16のカムフォロア16cの後方側テーパ面16c2と、カム枠13のカム溝13cの後方側カム斜面13c2との間の当接力として作用する。しかし、前述したように後方側カム斜面13c2の光軸O方向の壁面長さH2が長く、言い換えると、カムフォロア摺接面よりも長く、溝が深いのでカムフォロア16cが外れにくい。
また、前一群枠17に光軸O方向後方への衝撃力が作用した場合、その衝撃力は、外一群枠18のカムフォロア18cのテーパ面18c1と、後一群枠19のカム溝19cの後方側カム斜面19c2の間の当接力として作用する。しかし、後方側カム斜面19c2の光軸O方向の壁面長さH6が長く、言い換えるとカムフォロア摺接面よりも長く、溝が深いのでカムフォロア18cが外れにくい。
さらに、前一群枠17に光軸O方向前方への衝撃力が作用した場合、その衝撃力は、外一群枠18を経て後一群枠19に伝達され、後一群枠19のカム溝19dの後方側カム斜面19d2と、前移動枠15のカムフォロア15dの後方側テーパ面15d2との間の当接力として作用する。しかし、前述したように後方側カム斜面19d2(後方側テーパ面15d2)の傾斜角θ4が小さく、言い換えると、従来のカムフォロア、カム溝の摺接面よりも立っているのでカムフォロア15dがカム溝19dから外れにくい。
そして、上述したカム溝とカムフォロアとは、摺接面の傾斜を変えたり、あるいは、枠部材の径方向の余分の厚みを増やすことなくカム溝の深さを深くすることで衝撃力に対応していることからレンズ鏡筒の大型化が避けられる。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
本発明のレンズ鏡筒は、カムフォロアとカム溝を適用する進退駆動機構を備えたレンズ鏡筒において、衝撃力が作用した場合にカムフォロアとカム溝との係合が外れにくく、鏡枠の大型化も避けられるレンズ鏡筒として利用が可能である。
本発明の一実施形態のレンズ鏡筒の正面図(被写体側から見た図)である。 図1のレンズ鏡筒のワイド状態におけるA−A断面図である。 図1のレンズ鏡筒のワイド状態におけるB−B断面図である。 図1のレンズ鏡筒のワイド状態におけるC−C断面図である。 図1のレンズ鏡筒のマウントおよび電装部材を外した状態を結像側から見た図である。 図5のD−D断面図である。 図1のレンズ鏡筒の主要部材の分解斜視図である。 図1のレンズ鏡筒の後一群枠と駆動環とを結像側から見た分解斜視図である。 図1のレンズ鏡筒の前カバー、後カバーおよび外枠を結像側から見た斜視図である。 図1のレンズ鏡筒の前カバー、後カバーと外枠と分解状態の後移動枠とを前方から見た斜視図である。 図1のレンズ鏡筒の前一群枠と外一群枠の分解斜視図である。 図1のレンズ鏡筒の外一群枠と前移動枠の分解斜視図である。 図1のレンズ鏡筒におけるカム枠のカム溝と後移動枠のカムフォロアの係合部分のカム筋直交断面に沿った断面図である。 図1のレンズ鏡筒における後一群枠のカム溝と前移動枠のカムフォロアの係合部分のカム筋直交断面に沿った断面図である。 図1のレンズ鏡筒における後一群枠のカム溝と外一群枠のカムフォロアの係合部分のカム筋直交断面に沿った断面図である。 図1のレンズ鏡筒におけるカム枠のカム溝部内周面を型抜き方向から見た断面図である。 図1のレンズ鏡筒におけるカム枠のカム溝に係合する後移動枠のカムフォロアの斜視図である。 図17のカムフォロアの形状を示す図であって、図18(A)は、上記カムフォロアを外周側から見た図であり、図18(B)は、図18(A)のE矢視図である。 図17のカムフォロアに対する変形例のカムフォロアの斜視図である。 図19の変形例のカムフォロアの形状を示す図であって、図20(A)は、上記カムフォロアを外周側から見た図であり、図20(B)は、図20(A)のF矢視図である。 図1のレンズ鏡筒における後一群枠の外周面を型抜き方向から見た図である。 図1のレンズ鏡筒における前移動枠のカムフォロアの斜視図である。 図22のカムフォロアの形状を示す図であって、図23(A)は、上記カムフォロアを外周側から見た図であり、図23(B)は、図23(A)のG−G断面図である。 図22のカムフォロア15dに対する変形例のカムフォロア15Adの斜視図である。 図24の変形例のカムフォロアの形状を示す図であって、図25(A)は、上記カムフォロアを内周側から見た図であり、図25(B)は、図25(A)のH−H断面図である。 図1のレンズ鏡筒1の無限遠合焦状態におけるワイド(ZW)からスタンダード(ZS)を経てテレ(ZT)までの各ズーミング状態における前一群レンズ、後一群レンズ、二群レンズの繰り出し状態を示す図である。 レンズ鏡筒1のワイド無限遠合焦状態(ZW)からワイド至近合焦状態(ZWN)にフォーカシングしたときの前一群レンズ、後一群レンズ、二群レンズの繰り出し状態を示す図である。 図2に示したレンズ鏡筒に適用される防塵モルトの変形例として防塵テープを適用した場合の前カバーと前移動枠の先端部部分断面図である。
符号の説明
13…カム枠(第二の枠)
13c…カム溝
13c1…前方側カム斜面(第一のカム斜面)
13c2…後方側カム斜面(第二のカム斜面)
15…前移動枠(第一の枠)
15d…カムフォロア
15d1…前方側テーパ面(第一のテーパ面)
15d2…後方側テーパ面(第二のテーパ面)
16…後移動枠(第一の枠)
16c…カムフォロア
16c1…前方側テーパ面(第一のテーパ面)
16c2…後方側テーパ面(第二のテーパ面)
18…外一群枠(第一の枠)
18c…カムフォロア
19…後一群枠(第二の枠)
19c,19d…カム溝
19c1,19d1…前方側カム斜面
(第一のカム斜面)
19c2,19d2…後方側カム斜面
(第二のカム斜面)
H1,H5…第一のカム斜面の壁面長さ
H2,H6…第二のカム斜面の壁面長さ
θ1,θ3…第一のテーパ角、または、傾斜角
θ2,θ4…第二のテーパ角、または、傾斜角

Claims (6)

  1. 光軸方向の前方側に第一のテーパ角を有した第一のテーパ面と、光軸と直交する方向に該第一のテーパ面と同一の位置の光軸方向の後方側に第二のテーパ角を有する第二のテーパ面とを有したカムフォロアを有する第一の枠と、
    互いに対向する一対の側壁面を有し上記カムフォロアと係合し摺接するカム溝であって、一対の側壁面の一方の光軸方向前方側カム面である上記第一のテーパ面と摺接する第一のカム斜面と、一対の側壁面の他方の光軸方向後方側カム面である上記第二のテーパ面と摺接する第二のカム斜面とでなるカム溝を有する第二の枠と、
    を具備することを特徴としたレンズ鏡筒。
  2. 上記第一のテーパ角は、上記第二のテーパ角より小さいことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 上記第二のテーパ角は、上記第一のテーパ角より小さいことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  4. 上記第二のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さは、上記第一のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さより長いことを特徴とする請求項1乃至3のいづれかに記載のレンズ鏡筒。
  5. カムフォロアを有する第一の枠と、
    互いに対向する一対の側壁面を有し上記カムフォロアと係合し摺接するカム溝であって、一対の側壁面の一方の光軸方向前方側カム面である第一のカム斜面と、一対の側壁面の他方の光軸方向後方側カム面である第二のカム斜面とでなり、上記第二のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さは、上記第一のカム斜面の光軸に向かう方向への壁面長さより長いカム溝を有する第二の枠と、
    を具備することを特徴としたレンズ鏡筒。
  6. 上記カムフォロアは、光軸方向の前方側に第一のテーパ角を有した第一のテーパ面と、光軸と直交する方向に該第一のテーパ面と同一の位置の光軸方向の後方側に第二のテーパ角を有する第二のテーパ面とを有しており、上記第一のテーパ角は、上記第二のテーパ角より小さいことを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒。
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