JP2010018524A - 歯科用ツーペースト型自己接着性レジンセメント - Google Patents

歯科用ツーペースト型自己接着性レジンセメント Download PDF

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Abstract

【課題】 さまざまな被着体に対して、プライマーで前処理することなく、臨床上許容できる接着性を有する歯科用自己接着性レジンセメントを提供すること。
【解決手段】 (a)ラジカル重合性単量体、(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、(d)充填材、および(e)重合触媒を含有する歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
【選択図】なし

Description

本発明は、自己接着性レジンセメントに関する。さらに詳しくは、本発明は、従来使用されていた歯質用プライマー、陶材用プライマー、セラミックス用プライマーあるいは金属用プライマーで前処理することなく、生体硬組織の、特に天然歯牙のエナメル質や象牙質等の基体にセラミックス、コンポジットレジンまたは金属材料からなる歯科用補綴修復材を接着させる場合に、各被着体に対して接着性を付与したレジンセメントである。さらに、レジンセメントペーストが優れた物理的特性を有する、コンポジットタイプの自己接着性レジンセメントに関する。
一般に歯科で用いられるレジンセメントはコンポジットタイプとPMMAタイプに大別されるが、本発明はレジンセメント本体の物理的特性に優れるコンポジットタイプに限られる。近年では、レジンセメントは、審美性を有する歯科用補綴修復材の接着用としての要望が高く、有機質、無機質およびまたは有機無機複合材料からなる充填剤と重合性単量体やオリゴマーからなり、高い材料強度を達成するため、該フィラーの充填率は、およそ50重量%以上である。また、光の到達しない部位においても重合硬化するため、光重合に加えて、化学重合機能を有するデュアルキュアー型が主流となっている。
齲蝕等により比較的大きな損傷を受けた歯の修復には、セラミックス、コンポジットレジンまたは金属材料からなるクラウン、ブリッジ、インレーまたはアンレー等をレジンセメントを用いて接着させる手法が一般的である。この時、レジンセメントの歯の硬組織への接着性を強固にするため、いわゆるプライマーと称される前処理材が用いられる。このレジンセメントには十分な接着力とその材料強度が要求される。さもないと過酷な口腔環境下での長期使用により当該修復物が脱落に至る可能性があるのみならず、レジンセメントと歯質の界面で間隙を生じ、そこから細菌が侵入して歯髄に悪影響を与えるおそれがあるためである。
歯の硬組織はエナメル質と象牙質からなり、臨床的には双方へのレジンセメントの接着が要求される。従来、接着性の向上を目的として、レジンセメントの適用に先立ち歯質の表面を前処理するプライマーが用いられてきた。このようなプライマーの働きは、歯の表面を脱灰し、微小な粗造面へ、レジンセメントが浸入することを容易にする。その後、レジンセメントが化学重合や光重合により硬化するという接着機構が考えられる。
一方、レジンセメントは従来、粉液タイプであったが、練和操作の煩雑さを回避するため、予めペースト化し、その2形態を練和するレジンセメントの要求が高まっている。このようなペーストとペーストを練和する操作は粉液練和と比較し、練和時間の短縮や術者の個人差が少ないため、臨床家にとって好ましい形態といえる。さらに、このようなレジンセメントは、歯科用合金などの光透過性の低い補綴修復材料に加え歯科用陶材などの光透過性に富む補綴修復材料にも用いることが出来るよう、光重合に加えて化学重合による、すなわちデュアルキュアーの重合硬化機能を有することが望まれる。
しかしながら、レジンセメントでの接着に先立ち、歯質、セラミックス、コンポジットレジンおよび金属の各種被着体に、予め、各々の被着体専用のプライマーで処理しなければならなかった。臨床術式上、かかる種々の被着体に対しても、プライマー処理を必要としない、簡単な接着操作が望まれる。
特許文献1には、酸を含有している少なくとも1つの多官能性の単量体を約10重量%から約85重量%の濃度範囲で、非反応性の充填剤を約1重量%から約80重量%の濃度範囲で、重合系を約1.5重量%から25重量%の濃度範囲で、ならびに水を約0.1重量%から25重量%の濃度範囲で含んでいる重合可能な複合材料である、プライマーを必要としない自己接着性のレジンセメントが開示されているが、かかる組成物は単一の酸性モノマーを使用しているため、無機成分の多いエナメル質および有機成分や水分の多い象牙質の双方に十分な接着性を得ることは出来ない。
特許文献2には、酸基を有する重合性単量体と、酸基を有しない重合性単量体と微粒子充填剤と還元剤と酸化剤とからなり、2ペーストの自己接着性の歯科用組成物を供給する方法が開示されている。具体的には、2つに分配された、酸性基を有する重合性単量体の含有量が多いペーストと、酸性基を有するモノマーの含有量が少ないペーストとの比率が1:1より大きいとしている。かかるペーストの割合を変えると、ペーストの供給装置が煩雑となる。
特許文献3および特許文献5には、液剤と粉剤とからなる自己接着性の歯科用セメント組成物が開示されているが、液剤と粉剤、すなわち粉液タイプのレジンセメントは、ペースト&ペーストタイプよりも練和時の操作性に劣る。
特許文献4には、接着成分として、特殊なカルボン酸基を含有する重合性単量体として、芳香族に結合した(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基を各々1個有するカルボン酸化合物を必須とする歯科用接着剤組成物が開示されているが、かかるカルボン酸基を含有する重合性単量体では、臨床に耐える十分なエナメル質への接着性を付与することができない。
特許文献6には、バルビツール酸の金属塩と有機過酸化物およびアミンを硬化剤とするレジンセメントが開示されている。しかしながら、このレジンセメントは歯質には予め専用のプライマーで前処理する必要性がある。
特表2006−512466 欧州特許出願公開番号1502569A1 特開2000−53518 特開2005−65902 国際公開番号WO 02/092021A1 PCT/JP2006/301845明細書
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、エナメル質および象牙質の双方の歯質、ジルコニアやアルミナなどのセラミックス、陶材、金属など性質を異にする、さまざまな被着体に対して、プライマーで前処理することなく、臨床上許容できる接着性を有する歯科用自己接着性レジンセメントを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、プライマーを必要としないレジンセメントペーストに関して鋭意研究を重ねた結果、次の成分、
(a)ラジカル重合性単量体、
(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、
(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、
(d)充填剤、および
(e)重合触媒
を含有し、かつ、水を含まない、歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメントが従来技術の問題を解決し、生体硬組織、特にエナメル質や象牙質の基体および、セラミックス、コンポジットレジン、金属に対して、プライマーの処理を行なうことなく、強固な接着性を付与し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、接着性モノマーといわれる接着を促進する酸基を有する重合性単量体において、ホスホン酸やリン酸エステルの官能基を有する重合性単量体と2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体を組み合わせて配合した場合に各々単独の場合よりも、さらに優位な接着性を示すこと、すなわち、相乗効果が発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、
(1)(a)ラジカル重合性単量体、
(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、
(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、
(d)充填剤、および
(e)重合触媒
を含有する歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(2)第一のペーストと第二のペーストからなる歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメントであって、
第一のペーストが
(a)ラジカル重合性単量体、
(d)充填剤、および
(e)−(1)重合促進剤
を含み、
第二のペーストが
(a)ラジカル重合性単量体、
(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、
(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、
(d)充填剤、および
(e)−(2)重合開始剤
を含み、かつ、いずれのペーストも水を含まない、前記(1)記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(3)成分(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体が、一般式〔I〕:
Figure 2010018524
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素原子数5〜10のアルキレン基を示し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を示す)
で示されるホスホン酸基を有する重合性単量体である前記(1)または(2)記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(4)第一のペーストの成分(e)−(1)がバルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩および/または芳香族第二級または第三級アミンである前記(2)または(3)記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(5)第二のペーストの成分(e)−(2)が化学重合開始剤および/または光重合開始剤である前記(2)ないし(4)のいずれか1に記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(6)前記(1)ないし(5)のいずれか1に記載の組成物が、歯質、歯科用陶材、ジルコニア、コンポジットレジンおよび金合金のすべてに対して有効な剪断接着強度または引張接着強度を示す歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(7)さらに、成分(f)棚寿命安定剤を含む前記(6)記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
(8)第一のペーストが、第一のペースト50重量%に対して
(a)ラジカル重合性単量体8.0〜22.5重量%、
(d)充填剤27.45〜40.0重量%、および
(e)−(1)バルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩0.025〜2.0重量%および/または芳香族第二級または第三級アミン0.025〜0.5重量%
を含み、
第二のペーストが、第二のペースト50重量%に対して
(a)ラジカル重合性単量体5.0〜22.5重量%、
(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体0.05〜3.0重量%、
(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体0.05〜3.0重量%、
(d)充填剤27.3〜40.0重量%、および
(e)−(2)化学重合開始剤および/または光重合開始剤0.1〜1.0重量%
を含み、かつ、いずれのペーストも水を含まない、歯質、歯科用陶材、ジルコニア、コンポジットレジンおよび金合金のすべてに対して有効な剪断接着強度または引張接着強度を示す歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント;
を提供する。
本発明の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメントは、被着体に特有のプライマーを使用することなく、エナメル質や象牙質などの歯質や歯科用のセラミックス、コンポジットレジンおよび金属に対して十分な接着性を有する。
本発明の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント(以下、「レジンセメント」という)に使用する成分(a)ラジカル重合性単量体としては、酸基を含まないラジカル重合性単量体が全て用いられ、例えば、(メタ)アクリル酸エステル誘導体やアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキルジ(メタ)アクリレート類、エポキシジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA―アルキルジ(メタ)アクリレート類、ウレタンジ(メタ)アクリレート類、ウレタントリ(メタ)アクリレート類、ウレタンテトラ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、Si基を有する(メタ)アクリレート類、SH基または―S―S―基を有する(メタ)アクリレート類、スチレン誘導体が挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ−2−メタクリロイロキシエチル−2,2,4−トリメチルへキサメチレンジカルバメート、2,2’−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、ジ(メタ)アクリロキシイソホロンジカルバメート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、γ―メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が例示される。特に好適なラジカル重合性単量体はエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチル−2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジウレタン、ジ(メタ)アクリロキシイソホロンジウレタン、2,2’−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート等であり、中でもとりわけエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ−2−メタクリロイロキシエチル−2,2,4−トリメチルへキサメチレンジカルバメート、2,2’−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパンおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが特に好適である。これらのラジカル重合性単量体は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のレジンセメントにおける成分(a)ラジカル重合性単量体の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常13.0〜45.0重量%、好ましくは15.0〜40.0重量%、さらに好ましくは20.0〜35.0重量%であり、13.0重量%未満ではペーストの粘性が高くなりすぎ、一方45.0重量%を超えるとペーストの粘性が低くなりすぎ、レジンセメントとしての使用に適したペースト性状が得られない。
本発明のレジンセメントに使用する成分(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体としては、例えば、一般式〔I〕:
Figure 2010018524

(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素原子数5〜10のアルキレン基を示し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を示す)
で示される重合性単量体が挙げられる。
上記一般式〔I〕で示される具体的な化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2010018524
Figure 2010018524
Figure 2010018524
Figure 2010018524
また、本発明のレジンセメントにおいて使用する成分(b)としては、化合物〔I〕に加え、2−(メタクリロキシ)エチルホスフェートやビス〔2−(メタクリロキシ)エチル〕ホスフェートなどのリン酸エステル基を有する重合性単量体も有効である。
本発明のレジンセメントにおける成分(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常0.05〜3.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量%、さらに好ましくは、0.3〜2.0重量%であり、0.05重量%未満ではすべての被着体に対する接着性が低下し、一方3.0重量%を超えると象牙質に対する接着性が低下する。
本発明のレジンセメントに使用する成分(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、例えば、1,4−ジ(メタ)アクリロキシエチルピロメリット酸、4−(メタ)アクリロキシブチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸、4−アクリロキシブチルトリメリット酸、11−(メタ)アクリロキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸等が挙げられるが、特に4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸および4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸無水物が好ましい。
本発明のレジンセメントにおける成分(c)2塩基酸のカルボキシル基および酸無水物残基を有する重合性単量体の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常0.05〜5.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量%、さらに好ましくは0.3〜2.0重量%であり、0.05重量%未満ではすべての被着体に対する接着性が低下し、一方5.0重量%を超えるとこの重合性単量体の溶解性が低下する。
本発明のレジンセメントに使用する成分(d)充填材としては、例えば、公知の有機質フィラー、無機質フィラーおよびまたは有機・無機複合フィラー等が挙げられる。
例えば、公知の無機質フィラーであるフルオロアルミノシリケートガラスフィラーは公知のガラス製造法により製造することができるが、好ましくは溶融法またはゾル−ゲル法により製造する。
溶融法としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硅酸アルミニウム、ムライト、硅酸カルシウム、硅酸ストロンチウム、硅酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム、フッ化ストロンチウム、リン酸アルミニウム、リン酸ナトリウム等から選択されたガラス原料を1000℃以上の高温で溶解し冷却後、粉砕して製造することができる。
本発明のレジンセメントに使用し得るフルオロアルミノシリケートガラスとして好ましい組成は次のものである:
Figure 2010018524
これらのガラス中に含まれるフッ素量は好ましくは5から60モル%である。
上記組成物においては酸化カルシウムとしているが、いずれのアルカリ土類金属の酸化物も使用できる。アルカリ土類金属の少なくとも一部はランタン、ガドリニウムまたはイッテルビウム等のランタニド金属で置き換えてもよい。さらに、これらのガラスのうち、一部またはすべてのアルミナをアルミニウム以外のIII族の金属で置き換えてもよい。同様にして、ガラス中のシリカの一部を酸化ジルコニウムまたは酸化チタニウムで置き換えてもよい。ガラスにストロンチウム、ランタン、ガドリニウム、イッテルビウムまたはジルコニウムを含有する場合、ガラスはX線不透過性となる。
また、ゾル−ゲル法としては、例えば、可溶性アルミニウム化合物と可溶性シリコン化合物とを含有する第1溶液を、II族金属の可溶性化合物を含有する第2溶液と反応させ、得られたゲルを熱乾燥または凍結乾燥により乾燥させて回収する方法が挙げられる。この方法を使用すると、フラックス剤のごとき通常のガラスの製造に用いられる添加剤の使用を避け、比較的低い温度を用いることができることになる。このため、今までより透明度の高いガラスが得られる。
また、有機金属類または無機塩のアルコール溶液のごとき他の化合物をゾルの段階で添加して2価または3価金属イオンを含むガラスを得てもよい。
また、ゲル化速度を速めるために、酸性または塩基性溶媒をこのゾル−ゲル反応混合物へ添加してもよい。この方法により比較的低温にて均質な耐火性ガラスが得られる。
このゾル−ゲル法は、特にガドリニウムを導入したガラスの製造および以下の5成分の製造に特に適している:
−CaO−Al−SiO−F
(式中XはX線不透過性物質の酸化物、例えばGdである)
このような5成分ガラスは製造するのが難しい。しかしながらゾル−ゲル法によればガラスを容易に製造することが可能となる。CaO源としてイソブチルアルコールとエタノール中のアルミニウム第2ブトキシド(Asb)、SiO源としてテトラエチルシリケート、F源として40%フッ化水素酸、Gd源としてエタノール易溶性のGd(NOまたはメタノール溶液と置換してもよい。
さらに、酸化カルシウムは50℃でエタノールに溶解させた無水Ca(NOと置換してもよい。これらの溶液は50℃でかきまぜながら混合する。これをその後70℃で還流してもよい。乾燥後、物質を柔らかいうちに粉砕し、その後400から500℃の温度で乾燥させる。これを必要なサイズとなるようさらに粉砕する。
成分(d)充填材は、平均粒径が0.1〜10μmのものが使用できる。好ましくは0.1〜5μmのものである。また、充填材は、重合性単量体などのレジン成分との親和性を向上させる目的から、常法によりシラン処理を施すことが望ましい。用いるシラン処理剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明のレジンセメントにおける成分(d)充填材の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常54.75〜80.0重量%、好ましくは57.0〜77.0重量%である。54.75重量%未満ではフィラーの沈降を生じ、いわゆる液浮き現象を生じ、一方80.0重量%を超えると、該ペーストの流動性が著しく乏しくなり、セメントとしての機能が低下する。
本発明のレジンセメントに使用する成分(e)重合触媒は、重合促進剤((e)−(1))と重合開始剤((e)−(2))とからなり、さらに重合開始剤は、化学重合開始剤と光重合開始剤とからなる。
このうち重合促進剤としては、例えば、バルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩および芳香族第二級アミンまたは第三級アミン等が挙げられる。
バルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、例えば、5−n−ブチルバルビツール酸ナトリウム塩、5−n−ブチルバルビツール酸カルシウム塩、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸ナトリウム塩、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸カルシウム塩、1,3,5−トリメチルバルビツール酸ナトリウム塩、1,3,5−トリメチルバルビツール酸カルシウム塩等が挙げられる。
本発明のレジンセメントにおける成分(e)−(1)バルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常0.025〜3.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.7〜1.5重量%である。0.025重量%未満の場合は硬化が不十分となり、一方3.0重量%を超えると硬化が急速に進行するため、適当な作業時間が得られない。
また、本発明のレジンセメントにおける成分(e)−(1)芳香族第二級アミンまたは第三アミンとしては、例えば、N−ジメチルアニリン、N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N−メチル−p−トルイジン等が挙げられる。
本発明のレジンセメントにおける成分(e)−(1)芳香族第二級アミンまたは第三アミンの配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常0.025〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.8重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。0.025重量%未満の場合は硬化が不十分となり、一方1.0重量%を超えると硬化が急速に進行するため、適当な作業時間が得られない。
また、本発明のレジンセメントにおける成分(e)−(2)重合開始剤のうち化学重合開始剤としては、例えば、下記の有機過酸化物:過酸化ベンゾイル、4,4’−ジクロロ過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロ過酸化ベンゾイル、ジラウリルペルオキシド、過酸化メチルエチルケトン、t−ブチルペルオキシマレイン酸およびコハク酸およびペルオキシド等が挙げられるが、特に好適なものはt−ブチルペルオキシマレイン酸、ペルオキシコハク酸、および4,4’−ジクロロ過酸化ベンゾイルである。
また、本発明のレジンセメントにおける成分(e)−(2)重合開始剤のうち光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアルミニウムクロリド、9,10−アントラキノン、カンファーキノン、ベンジル、4,4′−ジシクロベンジル、ジアセチル、(ビス)アシルホスフィンオキシド、モノアシルホスフィンオキシド類等の紫外線増感剤または可視光線増感剤等が挙げられる。
本発明のレジンセメントにおける成分(e)−(2)重合開始剤の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常0.05〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。0.05重量%未満の場合は硬化が不十分となり、一方2.0重量%を超えると硬化が急速に進行するため、適当な作業時間が得られない。
本発明のレジンセメントは、第一のペーストと第二のペーストを混合して使用するが、混合した後、好ましくは100〜600秒で硬化するものである。硬化時間が100秒未満では作業に必要な時間がとれず、一方600秒を超えると患者の負担が大きくなる。
本発明のレジンセメントに使用する成分(f)棚寿命安定剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンまたはブチル化ヒドロキシトルエン等が挙げられる。
本発明のレジンセメントにおける成分(f)棚寿命安定剤の配合量は、2のペーストを混合した組成物の全量に対して、通常0.02〜0.2重量%、好ましくは0.03〜0.06重量%である。0.02重量%未満の場合はペーストの棚寿命が不十分となり、一方0.2重量%を超えると十分な硬化が得られない。
本発明のレジンセメントは、ツーペースト型であり、第一のペーストと第二のペーストからなり、使用時に両者を混合することによってレジンセメントの効果を奏功し得るものである。第一のペーストと第二のペーストとの混合比は重量比にて通常1:7〜7:1、好ましくは1:4〜4:1、より好ましくは1:2〜2:1、最も好ましくは1:1である。
本発明のレジンセメントは、これら重合促進剤((e)−(1))と重合開始剤((e)−(2))とが混合すると硬化が始まるため、使用するまで分離したツーペースト形態とする必要がある。
よって、前記した成分を第一または第二のいずれかまたは両者に配合する場合は、両者の混合比に応じた割合の前記した配合量を配合することができる。
したがって、本発明は、1の形態において、
第一のペーストが
(a)ラジカル重合性単量体、
(d)充填剤、および
(e)−(1)重合促進剤
を含み、
第二のペーストが
(a)ラジカル重合性単量体、
(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、
(c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、
(d)充填剤、および
(e)−(2)重合開始剤
を含む、上記レジンセメントも提供する。
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。尚、実施例中に示した略称、略号、接着強さ測定方法は以下の通りである。
〔ラジカル重合性単量体〕
・UDMA: ジ−2−メタクリロイルオキシエチル−2,2,4−トリメチルへキサメチレンジカルバメート
・3G: トリエチレングリコールジメタクリレート
・Bis-GMA: 2,2’−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン
・2−HEMA
〔下記の一般式〔I〕で示される、ホスホン酸基を含む重合性単量体〕
一般式〔I〕:
Figure 2010018524
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素原子数5〜10のアルキレン基を示し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を示す)
・6−MHPA: (6−メタクリロキシ)ヘキシルホスホノアセテート
上記の一般式〔I〕で示される重合性単量体は特許公報第2865794号に記載の方法にて、製造される。
〔リン酸エステル基を有する重合性単量体〕
・2−MEP: 2−(メタクリロキシ)エチルホスフェート
・Bis−MEP: ビス〔2−(メタクリロキシ)エチル〕ホスフェート
〔2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体〕
・4−AET: 4−アクリロキシエチルトリメリット酸
・4−MET: 4−メタクリロキシエチルトリメリット酸
〔充填剤〕
・FASGフィラー: フルオロアルミノシリケートガラスフィラー
平均粒径1.8μm、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン8%シラン処理フィラー
・R−711: 超微粒子シリカフィラー
〔重合促進剤〕
・BBA・Na: 5−n−ブチルバルビツール酸ナトリウム塩
・BPBA・Ca: 1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸カルシウム塩
・DEPT: N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
〔重合開始剤〕
・BPO:過酸化ベンゾイル
・CQ: カンファーキノン
〔棚寿命安定剤〕
・BHT: ブチル化ヒドロキシトルエン
(1)TG(熱重量)/DTA(示差熱分析)の測定方法:
熱重量/示差熱分析装置(セイコー電子工業社製)を用い、下記の条件で測定した。
試料容器: アルミパン
窒素ガス: 200mL/min
昇温 : 10℃/min
レファレンス:アルミナ
(2)接着強度の測定方法
(i)エナメル質および象牙質接着強度測定
歯質は人歯に換えて新鮮抜去牛前歯を用い、その歯根部を除去後エポキシ樹脂包埋して用いた。同牛歯の唇面を、耐水研磨紙を用いて流水下にて研磨し、エナメル質および象牙質を露出させ、SiC600番研磨後、水洗・エアー乾燥を行った。一方、接着試験用の治具、ステンレスロッド(直径4.15mm)は、その接着面を粒径約50μmのアルミナを用いてサンドブラスト処理し、水洗・エアー乾燥後、金属用プライマー「メタルリンク」〔株式会社松風製〕を塗布、10秒間自然乾燥させたものを用いた。SULZURMIXPAC社製ダブルシリンジに各々等量充填されたレジンセメントの第一のペーストと第二のペーストは、付属のスタティックミキサーを通過させることにより、練和されて押し出される。押し出されたペーストを歯質とステンレスロッドの間に介在させ、200gの荷重を加え接着させる。余剰ペーストを、マイクロブラシを用いて除去後、セメントラインに沿って、10秒間光照射を行う。光照射器は「グリップライトII」〔株式会社松風製〕を用いた。光照射の10分後荷重を除去し、同接着試験体(n=6)を37℃蒸留水中24時間浸漬後、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い、クロスヘッドスピード1mm/minにて、歯質に対する剪断接着強度の測定を行った。
(ii)陶材接着強度測定
歯科用陶材「ヴィンテージハロー」〔株式会社松風製〕焼成物(φ11mm×8.5mm)の片方の平面をSiC600番研磨後、水洗・エアー乾燥し、粒径約50μmのアルミナを用いてサンドブラスト処理(0.1〜0.2MPa)後、水洗・エアー乾燥した。一方、接着試験用の治具、ステンレスロッド(直径4.55mm)は、接着面を粒径約50μmのアルミナを用いてサンドブラスト処理し、水洗・エアー乾燥後、金属用プライマー「メタルリンク」〔株式会社松風製〕を塗布、10秒間自然乾燥させたものを用いた。接着試験用の治具、ステンレスロッド(直径4.55mm)を用い、以下、(i)と同様の方法で、陶材に対する引張接着強度の測定を行った。
(iii)ジルコニア接着強度測定
日本ファインセラミックス株式会社製ジルコニア平板(15mm×15mm×1.8mm)の片方の平面をSiC600番研磨後、水洗・エアー乾燥、その後、粒径約50μmのアルミナを用いてサンドブラスト処理(0.2〜0.3MPa)後、水洗・エアー乾燥した。(ii)陶材の引張接着強度測定と、以下、同一の方法にて、ジルコニアに対する引張接着強度の測定を行った。
(iv)コンポジットレジン接着強度測定
カバーグラス上に内径15mm、高さ2mmの金枠を置き、コンポジットレジン「セラマージュ」〔株式会社松風製〕のペーストを充填し、上下両面にカバーグラスを介して圧接後、一方のカバーグラス面を上にし、「ツイン重合器」〔株式会社松風製〕にて、3分間光照射した。底面をサンドブラスト処理(0.1〜0.2MPa)後、水洗・エアー乾燥した。(ii)陶材の引張接着強度測定と、以下、同一の方法で、コンポジットレジンに対する引張接着強度の測定を行った。
(v)金合金接着強度測定
金合金「スーパーゴールドタイプ4」〔株式会社松風製〕の平板(15mm×15mm×2.1mm)片面をSiC600番研磨後、水洗・エアー乾燥、その後、粒径約50μmのアルミナを用いてサンドブラスト処理(0.4〜0.5MPa)し、水洗・エアー乾燥した。(ii)陶材の引張接着強度測定と、以下、同様の方法にて、金合金に対する引張接着強度の測定を行った。
(3)硬化時間の測定
第1ペーストおよび第2ペーストの練和物の硬化時間はISO4049:2000Eに準じて測定した。
具体的には、熱電対を取り付けた試料ウエル(4mmφ×6mm)に、練和したペースト0.8gを充填し、硬化反応による発熱曲線を記録する。ペーストの練和開始から発熱曲線のピークに達するまでの時間を硬化時間とし、3回の測定値を平均した。
製造例1:5−n−ブチルバルビツール酸ナトリウムの製造
100mL三角フラスコに蒸留水25gを入れ、撹拌しながら、無水炭酸ナトリウム3.11g(29.34mmol)を加え、30℃湯浴中で溶解させて、NaCO水溶液を得た。
別に、200mLビーカーに蒸留水20gを秤量し、撹拌しながら、5−n−ブチルバルビツール酸(BBA)10.82g(58.74mmol)を加え、均一に分散させて、BBA懸濁液を得た。
NaCO水溶液をBBA懸濁液にゆっくりと加え、約30℃湯浴中で、撹拌しながら1時間反応させた。その後、40℃〜50℃の湯浴中で70cmHgにて、エバポレーターにより、約40gまで濃縮した。その残渣に約200mLのアセトンを加え、結晶化させた後、吸引ろ過により、固液分離した。未反応BBAを除去するため、得られた白色結晶をアセトンで十分に洗浄し、残った結晶を真空乾燥して、5−n−ブチルバルビツール酸のナトリウム塩(BBA・Na)を得た。
熱重量分析(TG)および熱示差分析(DTA)により、得られた塩の融点および分解温度を測定した。また、得られた塩の2重量%水溶液のpHを測定した。これにより、純粋なバルビツール酸塩が生成されていることを確認した。
製造例2:1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸ナトリウムの製造
100mL三角フラスコに蒸留水25gを入れ、撹拌しながら、無水炭酸ナトリウム3.11g(29.34mmol)を加え、30℃湯浴中で溶解させて、NaCO水溶液を得た。
別に、200mLビーカーに蒸留水40gおよびアセトン6gを入れ、撹拌しながら、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸(BPBA)17.29g(58.74mmol)を加え、均一に分散させて、BPBAアセトン水溶液を得た。
NaCO水溶液をBPBAアセトン水溶液にゆっくりと加え、約30℃湯浴中で、撹拌しながら1時間反応させた。その後、40℃〜50℃の湯浴中で70cmHgにて、エバポレーターにより、約40gになるまで濃縮した。その残渣に約200mLのアセトンを加え、結晶化させた後、吸引ろ過により、固液分離した。未反応BPBAを除去するため、得られた白色結晶をアセトンで十分に洗浄し、残った結晶を真空乾燥して、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸のナトリウム塩(BPBA・Na)を得た。
熱重量分析(TG)および熱示差分析(DTA)により、得られた塩の融点および分解温度を測定した。また、得られた塩の2重量%水溶液のpHを測定した。これにより、純粋なバルビツール酸塩が生成されていることを確認した。
これら製造例1および2の測定結果を表1に示す。
Figure 2010018524
実施例1:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(1)
(1)レジンセメントの製造
表2の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント1〜5を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント1〜5について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント1は成分(c)である4−AETを含むが、成分(b)が無く、レジンセメント2は成分(c)が無く、成分(b)である2−MEPを含み、レジンセメント3は成分(c)と(b)の両成分(4−AETと2−MEP)を含む。この場合、エナメル質に対する接着強度において、成分(c)と(b)に顕著な相乗効果を認めた。
同様に、レジンセメント4は成分(c)である4−METを含むが、成分(b)が無く、レジンセメント2は成分(c)が無く、成分(b)である2−MEPを含み、レジンセメント5は成分(c)と(b)の両成分(4−METと2−MEP)を含む。この場合、ジルコニアに対する接着強度において、成分(c)と(b)に相乗効果を認めた。
実施例2:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(2)
(1)レジンセメントの製造
表4の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント6〜10を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント6〜10について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント6は成分(c)である4−AETを含むが、成分(b)が無く、セメント7は成分(c)が無く、成分(b)であるBis−MEPを含み、セメント8は成分(c)と(b)の両成分(4−AETとBis−MEP)を含む。この場合、エナメル質接着強さにおいて、成分(c)と(b)に顕著な相乗効果を認めた。
同様に、セメント9は成分(c)である4−METを含むが成分(b)が無く、セメント6は成分(c)が無く成分(b)であるBis−MEPを含み、セメント10は成分(c)と(b)の両成分(4−METとBis−MEP)を含む。この場合も、エナメル質接着強さにおいて、成分(c)と(b)に顕著な相乗効果を認めた。
実施例3:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(3)
(1)レジンセメントの製造
表6の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント11〜15を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント11〜15について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表7に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント11は成分(c)として4−AETを含むが成分(b)が無く、レジンセメント12は成分(c)が無く、成分(b)である6−MHPAを含み、レジンセメント13は成分(c)と(b)の両成分(4−AETと6−MHPA)を含む。この場合、象牙質接着強さにおいて、成分(c)と(b)に相乗効果を認めた。
同様に、レジンセメント14は成分(c)である4−METを含むが成分(b)が無く、レジンセメント12は成分(c)が無くて成分(b)である6−MHPAを含み、レジンセメント15は成分(c)と(b)の両成分(4−METと6−MHPA)を含む。この場合、エナメル質および象牙質接着強さにおいて、成分(c)と(b)に顕著な相乗効果を認めた。
実施例4:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(4)
(1)レジンセメントの製造
表8の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント16〜21を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント16〜21について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表9に示す。
〔硬化時間〕
レジンセメント16〜21の硬化時間を測定した。測定結果を表9に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント16の特性評価から、成分(e)−(1)のバルビツール酸の塩が欠けると接着強度が低下し、硬化時間が長くなってしまうことが分かった。
また、レジンセメント17ないし21の比較により、いずれのレジンセメントにおいても、接着強度、および硬化時間が良好であることが分かった。
これにより、成分(e)−(1)のバルビツール酸の塩の含有量の最適範囲が、0.1重量部〜2.0重量部であることが確認された。
実施例5:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(5)
(1)レジンセメントの製造
表10の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント22〜27を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント22〜27について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表11に示す。
〔硬化時間〕
レジンセメント22〜27の硬化時間を測定した。測定結果を表11に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント22の特性評価から、成分(e)−(1)のアミンが欠けると、接着強度が低下し、硬化時間が極端に長くなってしまうことが分かった。
また、レジンセメント23〜27の比較により、成分(e)−(1)のアミンの含有量が多くなると硬化時間が短くなり、十分な接着操作性が得られないことが分かった。
なお、レジンセメント26は硬化時間が短く、十分な接着操作性が得られなかった。また、レジンセメント27においても、硬化時間が短いため、接着強度および硬化時間の測定データが得られなかった。
これにより、成分(e)−(1)のアミンの含有量の最適範囲が、0.1重量部〜0.5重量部であることが確認された。
実施例6:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(6)
(1)レジンセメントの製造
表12の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント28〜33を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント28〜33について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表13に示す。
〔硬化時間〕
レジンセメント28〜33の硬化時間を測定した。測定結果を表13に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント28の特性評価から、成分(e)−(2)の有機過酸化物が欠けると、接着強度が低下し、硬化時間が極端に長くなってしまうことが分かった。
レジンセメント29〜33の比較により、成分(e)−(2)の有機過酸化物の含有量が多くなると、硬化時間が短くなる傾向を示したが、十分な接着強度が得られることが分かった。
これにより、成分(e)−(2)の有機過酸化物の含有量の最適範囲が、0.1重量部〜1.0重量部であることが確認された。
実施例7:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(7)
(1)レジンセメントの製造
表14の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント34〜38を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント34〜38について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表15に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント34〜38の比較により、成分(b)のホスホン酸およびまたはリン酸エステル基を有する単量体の含有量が0.2〜3.0重量部において、十分な接着強度が得られることが分かった。
これにより、成分(b)のホスホン酸およびまたはリン酸エステル基を有する単量体の含有量の適正範囲が、0.2重量部〜3.0重量部であることが確認された。
実施例9:レジンセメント特性に対するレジンセメント組成の影響(8)
(1)レジンセメントの製造
表16の組成に基づき、第一のペーストおよび第二のペーストからなるツーペースト型のレジンセメント39〜43を製造した。この実施例において、レジンセメント組成全体に対して成分(f)である棚寿命安定剤以外の第一のペーストおよび第二のペーストの各々の合計を50重量部とし、各ペーストに適量の成分(f)を添加した。
Figure 2010018524
(2)レジンセメントの特性評価
〔接着強度〕
レジンセメント39〜43について、歯牙(エナメル質および象牙質)試験体に対する剪断接着強度およびジルコニア、陶材、コンポジットレジンおよび金合金の各試験体に対する引張接着強度を測定した。測定結果を表17に示す。
Figure 2010018524
レジンセメント39〜43の比較により、成分(c)の2塩基酸のカルボキシル基を有する単量体の含有量が0.2〜3.0重量部において、十分な接着強度が得られることが分かった。
これにより、成分(c)の2塩基酸のカルボキシル基を有する単量体の含有量の適正範囲が、0.2重量部〜3.0重量部であることが確認された。
本発明によれば、種々の被着体に応じたプライマーで処理することなく、接着強度に優れた歯科材料を提供することができる。

Claims (8)

  1. (a)ラジカル重合性単量体、
    (b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、
    (c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、
    (d)充填剤、および
    (e)重合触媒
    を含有する歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  2. 第一のペーストと第二のペーストからなる歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメントであって、
    第一のペーストが
    (a)ラジカル重合性単量体、
    (d)充填剤、および
    (e)−(1)重合促進剤
    を含み、
    第二のペーストが
    (a)ラジカル重合性単量体、
    (b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体、
    (c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体、
    (d)充填剤、および
    (e)−(2)重合開始剤
    を含み、かつ、いずれのペーストも水を含まない、請求項1記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  3. 成分(b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体が、一般式〔I〕:
    Figure 2010018524

    (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素原子数5〜10のアルキレン基を示し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を示す)
    で示されるホスホン酸基を有する重合性単量体である請求項1または2記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  4. 第一のペーストの成分(e)−(1)がバルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩および/または芳香族第二級または第三級アミンである請求項2または3記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  5. 第二のペーストの成分(e)−(2)が化学重合開始剤および/または光重合開始剤である請求項2ないし4のいずれか1項に記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物が、歯質、歯科用陶材、ジルコニア、コンポジットレジンおよび金合金のすべてに対して有効な剪断接着強度または引張接着強度を示す歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  7. さらに、成分(f)棚寿命安定剤を含む請求項6記載の歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
  8. 第一のペーストが、第一のペースト50重量%に対して
    (a)ラジカル重合性単量体8.0〜22.5重量%、
    (d)充填剤27.45〜40.0重量%、および
    (e)−(1)バルビツール酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩0.025〜2.0重量%および/または芳香族第二級または第三級アミン0.025〜0.5重量%
    を含み、
    第二のペーストが、第二のペースト50重量%に対して
    (a)ラジカル重合性単量体5.0〜22.5重量%、
    (b)ホスホン酸基および/またはリン酸エステル基を有する重合性単量体0.05〜3.0重量%、
    (c)2塩基酸のカルボキシル基を有する重合性単量体0.05〜3.0重量%、
    (d)充填剤27.3〜40.0重量%、および
    (e)−(2)化学重合開始剤および/または光重合開始剤0.1〜1.0重量%
    を含み、かつ、いずれのペーストも水を含まない、歯質、歯科用陶材、ジルコニア、コンポジットレジンおよび金合金のすべてに対して有効な剪断接着強度または引張接着強度を示す歯科用ツーペースト型自己接着性コンポジットレジンセメント。
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