JP2009524075A - プラスチック光ファイバ及びその製造方法、並びに光伝送システム - Google Patents

プラスチック光ファイバ及びその製造方法、並びに光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】伝送特性に優れた光ファイバ及び伝送システムを提供する。
【解決手段】POF12は、半径R1を有するコア65と外殻66と最外殻67を備える。コア65は、同心円状の層構造を有する。第1層はコア65の外周側であり、第n層はコア65の中心部である。第1層61から第n層64になるにつれて、その屈折率は高くなる。コア65の断面円形の中心部の屈折率をN1とし、コア65の外周部の屈折率をN2とし、屈折率分布係数をgとしたときに、半径R1を有するコア65の中心から放射状にrだけ離れた位置における屈折率N(r)は下記の式(1)(2)を満たす:

式(1) N(r)=N1[1−2Δ(r/R1)]1/2
式(2) Δ=(N1−N2)/(2N1
【選択図】図4

Description

本発明は、プラスチック光ファイバ及びその製造方法、並びに光伝送システムに関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大しており、情報伝送量の高い伝送システムが求められている。2002年6月には、IEEE(商標登録)802.3aeとして10ギガビット・イーサネット(登録商標)の標準化が完了している。そこで、情報伝送量の高い伝送システムを構成する情報伝送機器や情報伝送媒体の製品化が待ち望まれており、情報伝送機器ベンダーや情報伝送媒体メーカにおいて、情報伝送機器や情報伝送媒体の情報伝送量の向上化が検討されている。
このため、情報伝送媒体としては、従来のメタルケーブルから光ファイバケーブルへシフトしつつある。光信号を処理するこの光ファイバケーブルは、電気信号を流して通信するメタルケーブルと比べて信号の減衰が少なく、超長距離でのデータ通信が可能である。また、電気信号の漏れと比べて光信号の漏れは遮断しやすいため、光ファイバケーブルは相互に干渉することなく大量に束ねることができる。
この光ファイバケーブルには、石英系光ファイバケーブルやプラスチック光ファイバケーブルなどがある。特にプラスチック光ファイバケーブルは、石英系光ファイバケーブルと比較して、製造及び加工が容易であること、並びに低価格であるなどの利点がある。
このプラスチック光ファイバケーブルには、導光路となるプラスチック光ファイバ(POF)を備えている。POFは、光を伝播するコアと、コアの周囲に配され、光を閉じ込める外殻とを含む。このコアに入射した光は、コアと外殻との間にある屈折率の異なる界面で全反射を繰り返すことでPOF内を伝播することができる。最近では、このPOFの中でも、コアの外周から中心に向かって屈折率が徐々に増加する屈折率分布を備えるGI(Grated Index)型POFが注目されている。このGI型POFは、その特有の屈折率分布(プロファイル)により、中心を通る光と周辺を経由する光とがほぼ同時に伝播される。そのため、入力信号に歪が発生しないので、高い伝送容量を発現させて大幅な高速通信を実現することができる。
このPOFの製造方法としては、例えば、POFの前駆体(プリフォーム)を作製した後、このプリフォームを加熱延伸させて所望の径を有するPOFとする方法がある。特許文献1(本発明者による出願)では、プリフォーム製造工程において、重合性組成物をパイプの中に注入して、パイプを回転させながら重合性組成物を重合させることにより、パイプの内部に重合体からなる重合体層を形成する。この工程を複数回繰り返すことにより、同心円状に積層する重合体層を備えるプリフォームを形成する。各層が互いに異なる屈折率の層からなる重合性組成物が使用されることで、所望の屈折率分布を備えたGI型POFが製造可能となる。
一方、伝送機器の情報伝送量の向上化の手段として、波長分割多重方式(WDM)や高密度波長分割多重方式(DWDM)なども提案されている。これらWDMやDWDMは、波長の異なる光ビームは互いに干渉しない光の特性を利用している。光ファイバでは波長の異なる複数の光信号が同時に送られるので、光ファイバ内の情報伝送量を飛躍的に増大させることができる。

特開平10−96825号公報
しかしながら、WDMやDWDMを備える伝送システムの普及は特定の分野に留まっており、この理由として、WDMやDWDMを備える伝送機器が高価であることが挙げられる。よって、安価に、且つ優れた伝送特性を有する伝送システムを提供するためには、優れた伝送特性を有するPOFが必要となる。しかし、10Gbpsといった広い帯域特性を有するPOFの製造方法や、POFの屈折率分布については、いまだ開示されていない。
本発明の目的は、伝送特性に優れたPOF、及びこのPOFの製造方法を提供することである。更に、本発明の別の目的は、このPOFを用いた伝送システムについて提供することである。
上記目的、その他の目的を達成するために、本発明のプラスチック光ファイバは、光を伝播するコアと、前記コアの外周に配され、前記光を前記コア内に閉じ込める外殻とを備える。コアは、下記一般式(1)で表される第1化合物と、下記一般式(2)で表される第2化合物との共重合体を含む。前記コアの中心部の屈折率をN1とし、前記コアの外周部の屈折率をN2とし、前記コアの半径をR1とし、中心から半径rだけ離れた前記コアの屈折率をN(r)とし、屈折率分布係数をgとするときに、前記コアが、下記式(1)及び(2)で表される屈折率分布を備える。
式(1) N(r)=N1(1−2Δ(r/R1)1/2
式(2) Δ=(N1−N2)/(2N1
一般式(1)
Figure 2009524075
一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDのいずれかを表し、RはH、D、CH、CDまたはハロゲン原子のいずれかを表し、Rは少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭素原子数2〜8のアルキル基を表す。R、Rは、Dであることが好ましい。Rは、H、D、CH、CD、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CDまたはフッ素原子、塩素原子がより好ましく、CDがさらに好ましい。Rは炭素原子数2〜6のフッ素置換されたアルキル基が好ましく、炭素原子数2〜4のフッ素置換されたアルキル基がさらに好ましい。フッ素置換されたアルキル基については分岐や環構造をとっても良いが、直鎖のものが好ましい。さらにフッ素置換されたアルキル基中に存在するC−H結合は、その一部または全部がC−D結合に置換されていることが好ましい。特に、一般式(1)は、重水素化フルオロアルキルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
一般式(2)
Figure 2009524075
一般式(2)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDのいずれかを表し、RはH、D、CH、CDまたはハロゲン原子のいずれかを表し、X〜XはH、D、ハロゲン原子またはCFのいずれかを表し、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子またはCFを表す。R、Rは、Dが好ましい。Rは、H、D、CH、CD、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CD、がより好ましい。X〜Xはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子またはCFが好ましく、フッ素原子または塩素原子がより好ましい。一般式(2)中の、フェニル基のハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)置換数は2以上がさらに好ましく、3以上が最も好ましい。特に、一般式(2)は、重水素化ハロゲン化フェニルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
また、前記屈折率分布係数が、下記式(3)を満足することが好ましい。
式(3) 2≦g≦2.3
前記コアの外径が60μm以上250μm以下であることが好ましい。また、曲率半径10mmで360°曲げた際の損失の増加量が、1.0dB未満であることが好ましい。更に、伝送損失が、20dB/km以上200dB/km以下であることが好ましい。
本発明の光伝送システムは、前記プラスチック光ファイバと、光送信機と光受信機から構成されている。前記光送信機はプラスチック光ファイバの一端に接続されており、10Gbpsの変調信号を発生する変調器と、変調信号に基づいて光信号を出力する波長が850nmの光源とを備える。前期光受信機は、光信号を検知してその光信号に基づいて変調信号を出力する光検知器、変調信号を復調する復調器とを備える。プラスチック光ファイバの長さは0.03m以上50m以下であることが好ましい。
また、本発明のプラスチック光ファイバの製造方法は下記の工程から構成される。まず、重合性組成物をパイプの中空部分に注入し、この重合性組成物は一般式(3)で表される第3化合物と、下記一般式(4)で表される第4化合物とから構成される。次に、パイプを断面円形の中心を回転軸として回転させながら前記重合性組成物を重合させて前記パイプの内周に重合体層を形成する。第4重合性組成物から第3重合性組成物への屈折率を徐々に高くしながら、前記注入及び重合のペアを繰り返し、前記パイプ内部に複数の前記重合体層が同心円状に積層されたコア前駆体を形成する。さらに、嵌合孔を有する外郭前駆体が形成される。外郭前駆体は、コア前駆体よりも屈折率の低い重合体から形成される。そして、ファイバー前駆体は外殻前駆体の嵌合孔にコア前駆体を嵌め合わせて形成される。最後に、ファイバー前駆体を加熱延伸処理することで、光を伝播するコアと、コアの外周に配され、前記光をコア内に閉じ込める外殻とを備えるプラスチック光ファイバが形成される。前記コアの中心部の屈折率をN1とし、コアの外周部の屈折率をN2とし、コアの半径をR1とし、中心から半径rだけ離れたコアの屈折率をN(r)とし、屈折率分布係数をgとするときに、前記コアが、下記式(4)及び式(5)を満足する屈折率分布を備える。
式(4) N(r)=N1[1−2Δ(r/R1)1/2
式(5) Δ=(N1−N2)/(2N1
一般式(3)
Figure 2009524075
一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDのいずれかを表し、RはH、D、CH、CDまたはハロゲン原子のいずれかを表し、Rは少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭素原子数2〜8のアルキル基を表す。R、Rは、Dであることが好ましい。Rは、H、D、CH、CD、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CDまたはフッ素原子、塩素原子がより好ましく、CDがさらに好ましい。Rは炭素原子数2〜6のフッ素置換されたアルキル基が好ましく、炭素原子数2〜4のフッ素置換されたアルキル基がさらに好ましい。フッ素置換されたアルキル基については分岐や環構造をとっても良いが、直鎖のものが好ましい。さらにフッ素置換されたアルキル基中に存在するC−H結合は、その一部または全部がC−D結合に置換されていることが好ましい。特に、一般式(3)は、重水素化フルオロアルキルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
一般式(4)
Figure 2009524075
一般式(4)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDのいずれかを表し、RはH、D、CH、CDまたはハロゲン原子のいずれかを表し、X〜XはH、D、ハロゲン原子またはCFのいずれかを表し、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子またはCFを表す。R、Rは、Dが好ましい。Rは、H、D、CH、CD、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CD、がより好ましい。X〜Xはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子またはCFが好ましく、フッ素原子または塩素原子がより好ましい。一般式(4)中の、フェニル基のハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)置換数は2以上がさらに好ましく、3以上が最も好ましい。特に、一般式(4)は、重水素化ハロゲン化フェニルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
また、前記屈折率分布係数が、下記式(6)を満足することが好ましい。
式(6) 2≦g≦2.3
本発明のプラスチック光ファイバによれば、前記コアが、一般式(1)で表される第1化合物と、一般式(2)で表される第2化合物との共重合体を含み、前記コアの中心部の屈折率をN1とし、前記コアの外周部の屈折率をN2とし、前記コアの半径をR1とし、屈折率分布係数をgとするときに、前記コアが、式(1)及び式(2)で表される屈折率分布を備えるため、低伝送損失と広帯域特性とを共に発揮することが可能になる。
第1化合物及び第2化合物の共重合体は、屈折率の波長依存性が小さいため、コアの材料分散は小さくなると同時に、光透過性が高く、吸湿時における低伝送損失の維持が可能である。更に、これらの第1化合物及び第2化合物の共重合体からなるコアは、プラスチック光ファイバの製造において従来から用いられている加熱延伸処理が適用可能であるため、容易且つ安価にプラスチック光ファイバを製造することができる。
一般式(1)で表される第1化合物からなるポリマーの屈折率と前記一般式(2)で表される第2化合物からなるホモポリマーの屈折率とは異なるため、上記一般式(1)で表される第1化合物と一般式(2)で表される第2化合物の組成比を変える事により種々の屈折率のコポリマーを得ることができる。すなわち、重合工程において、屈折率の異なる複数の層状のコポリマーを逐次形成することにより、式(1)〜(2)を満足する屈折率分布をコア前駆体に形成することができる。
上記コアに、式(1)ないし(3)で表される屈折率分布を適用することにより、モード分散や材料分散を有するプラスチック光ファイバが作られる。このようなGI型プラスチック光ファイバの優れた帯域特性により、1つの光源波長(850nm)を用いて10Gbpsのデータ転送が可能となる。なお、帯域特性に関して、式(3)におけるgの値が、2.05以上2.25以下であることがより好ましく、2.1以上2.2以下であることが最も好ましい。
前記コアの外径が小さすぎると、伝送機器とプラスチック光ファイバとの接続時における軸ずれが生じやすくなる。この軸ずれによりによる伝送特性が低下する。一方、前記コアの外径が大きすぎると、プラスチック光ファイバに接続する伝送機器の受光部における光結合効率が低下する。すなわち、これら伝送特性を低下させる要因を低減させるべく、前記コアの外径が60μm以上250μm以下であることが好ましく、外径が100μm以上220μm以下であることがより好ましく、外径が120μm以上220μm以下であることが最も好ましい。
また、本発明のプラスチック光ファイバは、曲率半径10mmで360°曲げた際の伝送損失の増加量が、1.0dB未満であるため、配線時などにおけるプラスチック光ファイバの屈曲による伝送特性の劣化が抑制される。
プラスチック光ファイバは、前記コアの伝送損失が200dB/kmを超えると、入射光の伝送可能な距離が短くなる。一方、前記コアの伝送損失が20dB/kmを下回ると、入射光の入射条件(例えば、光源のモード雑音など)がコア内部にそのまま伝播され、この光源のモード雑音などがコア内部に伝播することにより、プラスチック光ファイバの伝送特性が低減される。上記問題を考慮すると、本発明のプラスチック光ファイバは、伝送損失は、好ましくは20dB/km以上200dB/km以下であり、20dB/km以上150dB/km以下であることがより好ましく、20dB/km以上100dB/km以下であることが最も好ましい。
本発明の光伝送システムによれば、光伝送システムは10Gbpsの優れた帯域を安価に有することができる。さらに、光送信機と光受信機が波長分割多重方式(WDM)や高密度波長分割多重方式(DWDM)を使用する場合、光伝送システムはより高い伝送帯域特性を有する。
プラスチック光ファイバの長尺化によってモード分散と伝送損失の影響が増大する。この長尺化により、プラスチック光ファイバが10Gbpsといった広い帯域特性を維持できないケースが考えられる。一方、プラスチック光ファイバの短尺化により、光源と光検知器の距離が短くなり、前記コア中を伝播する光にノイズがのりやすい。上記を考慮すると、このプラスチック光ファイバの長さが、0.03m以上50m以下であることが好ましく、この長さが0.2m以上50m以下であることがより好ましく、この長さが5m以上20m以下であることが最も好ましい。
本発明のプラスチック光ファイバの製造方法によれば、一般式(3)で表される第3化合物と、一般式(4)で表される第4化合物とを含む重合性組成物をパイプの中に注入し、前記パイプを回転させながら重合性組成物を重合させて前記パイプの内周に重合体層を形成させ、第4化合物から第3化合物の屈折率を徐々に高くしながら、前記注入及び重合のペアを繰り返し、前記パイプ内部に複数の前記重合体層が同心円状に積層されたコア前駆体を形成し、嵌合孔を備え、前記コア前駆体よりも屈折率の低い重合性組成物である外殻前駆体を形成し、前記外殻前駆体の前記嵌合孔に前記コア前駆体を嵌め合わせてプリフォームを形成し、前記プリフォームの加熱延伸処理により、光を伝播するコアと、前記コアの外周に配され、前記光を前記コア内に閉じ込める外殻とを備えるプラスチック光ファイバ本体を形成し、前記プリフォームの加熱延伸処理により、光を伝播するコアと、前記コアの外周に配され、前記光を閉じ込める外殻とを備えるプラスチック光ファイバ本体を形成し、前記コアの中心部の屈折率をN1とし、前記コアの外周部の屈折率をN2とし、前記コアの半径をR1とし、中心から半径rだけ離れた前記コアの屈折率をN(r)とし、屈折率分布係数をgとするときに、前記コアが、下記式(4)及び式(5)を満足する屈折率分布を備えるため、広い帯域特性を有するプラスチック光ファイバを製造することが可能になる。
一般式(3)で表される第3化合物と、一般式(4)で表される第4化合物との共重合により前記コアを形成するため、優れた帯域特性を有するプラスチック光ファイバを製造することができる。また、この第3化合物及び第4化合物の共重合体のコアは、吸湿時でも低伝送損失の維持が可能であると同時に、光透過性が高く、光学異方性を生じないため、優れた伝送特性を備える。更に、プラスチック光ファイバの製造において、これらの共重合体からなるコアには、従来から用いられている加熱延伸処理が適用可能であるため、容易且つ安価にプラスチック光ファイバを製造することができる。
本発明の実施形態について図を引用しながら説明する。ただし、本発明は本実施形態に限定されるものではない。図1に、POF(プラスチック光ファイバ)ケーブル製造工程10を示す。
POF12は、第1部材13と第2部材14と第3部材15とを組合せてなるプリフォーム16を加熱延伸させることにより得られる。したがって、POFケーブル製造工程10は、一定の屈折率分布(プロファイル)を有する第1部材13を形成させる第1部材形成工程18と、円筒状の第2部材14を形成させる第2部材形成工程19と、円筒状の第3部材15を形成させる第3部材形成工程20と、第1〜第3部材13〜15を組合せてプリフォーム16とする組合せ工程23と、プリフォーム16を加熱延伸させてPOF12とする加熱延伸工程24とを有する。
第1部材形成工程18では、パイプ28の中空部に重合性組成物及び所定の添加剤を注入し、パイプ28の軸を中心に回転させながら重合させるポリメリゼーション(回転重合法)を行う。この回転重合法を繰り返し行うことにより、パイプ28の中空部の内周面から中心に向かって、第1〜第n層(nは少なくとも3の整数)が順次形成される。この第1部材形成工程18の詳細は、後述する。
本実施形態では、パイプ28から取り除いたn層構造を第1部材13として用いる。しかし、パイプ28の内側にn層構造が形成された部材を第1部材13とてもよい。また、第1部材形成工程18においては、パイプ28への各重合性組成物の注入量を、内側の層に向かうにしたがい次第に減らす。よって、各層の厚みが略同等であるように調整する。
また、第2部材形成工程19および第3部材形成工程20において、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライド三元系コポリマーであるTHV樹脂製の第2部材14及びメタクリル樹脂(PMMA)製の第3部材15をそれぞれ形成させる。なお、第2部材14および第3部材15は、市販の溶融押出成形(押し出し器)によりそれぞれ円筒状のポリマーを形成させればよく、また、重合化合物から円筒状のその製造方法は特に限定はされない。なお、第2部材14及び第3部材15を形成する材料の詳細については、後述する。
次に、組合せ工程23において、第1〜第3部材13〜15を組合せてプリフォーム16を形成させる。組合せ工程23では、第2部材14の中空部に第1部材13を挿入する(第1組合せ工程23a)。次いで、第1組合せ工程23aで形成させた部材を第3部材15の中空部に挿入する(第2組合せ工程23b)。よって、プリフォーム16が形成される。まずは第2部材14と第3部材15を組み合わせて、それから第1部材13をその組み合わせた部材に挿入してもよい。
続いて、加熱延伸工程24において、プリフォーム16を加熱溶融しながら延伸させることにより所望の径のPOF12が形成される。なお、円柱状のプリフォーム16は、加熱された状態で長手方向に過熱延伸される。なお、延伸されてPOF12とされる前に、プリフォーム16はその状態のまま光伝送媒体としての機能を備える。
更に、被覆工程30において、POF12の外周に被覆材を被覆する。この工程では、一次被覆を実施した後に二次被覆を実施する方法が一般的である。ただし、被覆層の数については1層または2層に限定されるものではない。被覆工程を経たPOF12は、POFコード31と称される。
最後に、組立工程32において、単一のPOFコード31、あるいはPOFコード31の束を、所望の長さに切断し、鏡面研磨が施されたPOFコード31の両端面にコネクタ33a(図6参照)を取り付ける。こうして、POFケーブル33を製造することができる。
次に、第1部材形成工程18の詳細について図2を参照しながら説明する。
第1層形成工程41では、第1層51用の第1の重合性組成物をパイプ28に注入する(第1注入工程41a)。そして、第1の重合性組成物を重合することでパイプ28の内周面上に円筒状の第1層51ができる(第1重合工程41b)。次に、第2層形成工程42では、パイプ28内の第1層51に第2の重合性組成物を注入し(第2注入工程42a)、第2の重合性組成物を重合し、第2の重合性組成物が重合されて、第1層51の内側に円筒状の第2層52が形成される(第2重合工程42b)。このような層形成処理を所望の層数が得られるまで繰り返し連続して行う。最も内側の層(第n層54)の外側である第(n−1)層53を形成させる際には、第1及び第2層と同じように、第(n−1)層形成工程43において、第(n−1)の重合性組成物が注入され(第(n−1)層形成工程43a)、第(n−1)重合性組成物が重合される(第(n−1)重合工程43b)。最後に、第n層形成工程44として、パイプ28内の第(n−1)層53に、第nの重合性組成物を注入し(第n注入工程44a)、これを重合させて第n層54を形成させる(第n重合工程44b)。パイプ28の内側にはn層の同心円状の積層構造を有する第1部材13を得ることができる(図3参照)。なお、各重合工程において、重合性組成物を含んだパイプの軸を中心に回転させることにより重合性組成物を重合させる回転重合法を用いる。
第1〜第nの重合性組成物は、第1化合物及び第2化合物を含む。本実施形態において、第1化合物は、重合体の屈折率が1.41である重水素置換した2,2,2トリフルオロエチルメタクリレート(3FMd7)であり、第2化合物は、重合体の屈折率が1.49である重水素置換したペンタフルオロフェニルメタクリレート(PFPMAd5)である。3FMd7とPFPMAd5を所望の混合比で調製することにより、第1〜第nの重合性組成物を得ることができる。重合性組成物の重合体は、混合比に応じた屈折率を有する。このようにして調製される第1〜第nの重合性組成物及び所定の添加剤を用いることにより、第1部材13に所望の屈折率分布を形成することができる。なお、第1〜第nの重合性組成物、第1化合物及び第2化合物の詳細については後述する。
次に、図3を参照しながら、本発明により得られるプリフォーム16について説明する。ただし、本発明は本実施形態に限定されるものではない。図3に示すように、プリフォーム16は、最外殻としての第3部材15と、その内側に設けられた第2部材14を配し、さらにその内側に設けられた第1部材13を含む。第1部材13は第1層51から第n層54を含む複数の層を有する。なお、図3では、径の中央に空洞部58が形成されている形態を示している。しかし、この空洞部58の有無、ならびに断面円形の径とプリフォーム16の外径との比率とは、図3に示す様態に限定されるものではなく製造条件に応じて変動する。また、図3では、説明の便宜上、第1部材13を構成する第1〜第n層51〜54の各層間の境界を示しているが、製造条件などにより境界の明確さは異なり、必ずしも確認できるものでなくてもよい。例えば、第1層51と第2層52とを形成する重合性組成物同士が接触することにより、互いにしみ込むなどして界面が認められない場合がある。なお、光の伝播を考慮すると光学的には境界は存在しないことが好ましい。
また、第1〜第3部材13〜15における外径および内径は、部材が組み合わされる際に隙間59が各部材間に形成されることが好ましい。これにより、組み合せ工程23は各部材を傷つけることなく容易に行うことができ,POF12は、光の発散などが防止されて低伝送損失であるなど優れた光学特性を発現する。
次に、プリフォーム16を加熱延伸して得られるPOF12について図4を参照しながら説明する。プリフォーム16を加熱延伸して得られるPOF12の横断面形状は、プリフォーム16の横断面形状と略相似形の関係を有する。POF12は、第1〜第n層61〜64のn層構造を有するコア65と、その外周に配される外殻66と、さらにその外周に配される最外殻67とを有する。
コア65の外径D1が60μm以上250μm以下であることが好ましく、外径D1が100μm以上220μm以下であることがより好ましく、外径D1が120μm以上220μm以下であることが最も好ましい。また、このようなコア65と外殻66を備えるPOF12を曲率半径10mmで360°伝送の増加量が、1.0dB未満である。よって、配線時などにおけるプラスチック光ファイバの屈曲による伝送特性の劣化が抑制される。
図5に、POF12の屈折率分布を示す。横軸は、光学材料の半径方向を示し、縦軸は屈折率を示す。上方に向かうにつれて屈折率が高くなることを表す。なお、(A)で表される領域は、外殻66(図4参照)及び最外殻67(図4参照)に等しく、(B)で表される領域は、コア65に等しい(図4参照)。
図4に示すように、第1層61はコア65の最外周に位置し、その第1層61の内周に円筒状の第2層62が配される。コア65は、同心円状のn層積層構造を有する。円筒状に形成される第1層61は、コア65の最外周に位置し、その第1層61の内周に円筒状の第2層62が配される。 こうしてコア65の中心に近づくにつれて次々と別の層が形成され、コア65の中心部には、第n層64が配される。更に、この第1〜第n層61〜64の屈折率は、コア65の外周から中心に行くに従って、徐々に高くなっている。すなわち、コア65は、GI型の屈折率分布を備える(図5)。
半径R1のコア65の中心から半径rだけ離れた位置の屈折率分布N(r)は、支部65の中心部(r=0)及び外周部(r=R1)の屈折率をN1、N2としたときに、下記式(1)ないし(3)を満足する。
式(1) N(r)=N1[1−2Δ(r/R1)]1/2
式(2) Δ=(N1−N2)/(2N1
式(3) 2≦g≦2.3
GI型POFの帯域特性は、モード分散と材料分散に支配的である。モード分散とは、異なる入射角でコアに同時に入射した2つの入射光が、コア内の伝播により時間的なずれを生じる現象をいう。材料分散とは、POF12の屈折率の波長依存性をいう。すなわち、POF12に最も広い伝送特性を与えるためには、屈折率の波長依存性の観点よりPOF12の形成材料を選択することと、POF12の形成材料に応じた式(1)の屈折率分布係数gを選択する必要がある。
本実施形態において、コア65は、屈折率の波長依存性が小さい3FMd7とPFPMAd5と共重合体からなる。このようなコア65に、式(1)及び式(2)を満足するような屈折率分布を形成することにより、モード分散及び材料分散が低減され、帯域特性が広いPOF12を製造することが可能になる。
更に、式(3)を満たす屈折率分布をコア65に形成することにより、モード分散及び材料分散が更に低減される。こうして、POF12の帯域特性が著しく向上するため、POF12は優れた伝送特性を発揮する。なお、この屈折率分布係数gが、2.05以上2.25以下であることが好ましく、2.1以上2.2以下であることが特に好ましい(この範囲において、POD12の帯域特性の向上が最もよく発現する)。このようなコア65を備えるPOF12は、10Gbps(光源波長850nm)といった広い帯域特性を発揮することができる。なお、コア65を形成する重合性組成物については、後述する。
図6に示すように、光伝送システム70は、光送信機71と、光受信機72と、これら光送信機71及び光受信機72の間を接続するプラスチック光ファイバケーブル33から構成される。
光送信機71は、コネクタ71aと、10Gbpsの周波数変調が可能な変調部74と、光源(波長850nm)であるレーザダイオード75とを備える。コネクタ71aは、光送信機71の筐体表面に設けられる。この光送信機71は、図示しないパーソナルコンピュータなどの情報端末に接続している。図示しない制御部は、この情報端末から送信されるデータを所定のフォーマットに変換し、この変換したデータを変調部74へ出力する。変調部74は、図示しない制御部から送信されたデータに10Gbpsの周波数変調処理を施し、電気変調信号を生成する。さらに、変調部74は、この電気変調信号をレーザダイオード75に出力する。レーザダイオード75は、変調部74からの電気変調信号を読み取る。更に、レーザダイオード75は、光源を用いて、読み取った電気変調信号から光パルス信号を生成する光電変換処理を行う。そして、レーザダイオード75は、この光パルス信号を、コネクタ71aを介して、外部へ出力する。なお、レーザダイオード75としては、高速応答が可能な公知のものを用いても良い。また、高速応答性やビーム広がり角などの観点から、面発光型半導体レーザー(VCSEL)をレーザダイオードとして用いることが好ましい。
光受信機72は、コネクタ72aと、受光部であるフォトダイオード76と、10Gbpsの変調信号の復調が可能な復調器77とを備える。コネクタ72aは、光受信機72の筐体表面に設けられる。フォトダイオード76は、コネクタ72aを介して入力される光変調信号をとして受信する。更に、フォトダイオード76は、この光変調信号から電気変調信号を生成する光電変換処理を行い、この電気変調信号を復調器77に出力する。復調器77は、この電気変調信号に復調処理を施し、データを生成する。この復調処理では、変調部74の変調処理で用いられる変調方法に対応した復調方法が用いられる。復調器77は、このデータを図示しない制御部へ出力する。この制御部は、情報端末で読み取り可能なデータに変換し、このデータを所定の端末に送信する。
なお、変調部74としては、本実施例では、電気変調信号に基づいて、レーザダイオード75から出力される出力光のオン/オフを行い、これより生成する光変調信号を用いる直接変調方式を用いる。、しかしながら、本発明はこれに限らない。、例えば、電気変調信号に基づいて、レーザダイオード75からの出力光の位相、振幅、偏波面などを変化させる外部変調方式でもよい。また、変調部74が行う変調方法は、アナログ変調であるAM、FM、PM、デジタル変調であるASK、PSK、FSK、QAM、DM、MSK、CCK、PCMや、パルス変調であるPWM、PAM、PDM、PPMなど公知のものでよい。
POFケーブル33のコネクタ33aは、コネクタ71a、72bに接続されることにより、POFケーブル33は光送信機71から光受信機72へ光変調信号を送信する。これにより、光送信機71と光受信機72との間のデータの送受信を可能にする。この光伝送システムの構成により、10Gbpsの高い伝送帯域が低コストで可能となる。
本発明のPOF12は単一の帯域幅で10Gbpsの優れた伝送帯域を有する。また、波長分割多重方式(WDM)や高密度波長分割多重方式(DWDM)が使用されると、光伝送システムはより優れた伝送帯域特性を有する。
このコア65の伝送損失が大きいと、入射光の伝送可能な距離が短くなる。一方、コア65の伝送損失が小さいと、コア65の内部を伝播する入射光の光学特性が、入射状態に依存して変化しやすくなる。すなわち、本発明において、伝送損失が20dB/km以上200dB/km以下であることが好ましく、20dB/km以上150dB/km以下であることがより好ましく、20dB/km以上100dB/km以下であることが最も好ましい。
なお、POFケーブル33の長尺化によってモード分散と伝送損失の影響が増大する。この長尺化により、POFケーブル33が10Gbpsといった広い帯域特性を維持できないケースが考えられる。一方、POFケーブル33の短尺化により、光源と受光部の距離が短くなり、コア65内部を伝播する光にノイズがのりやすい。すなわち、POFケーブル33に高い伝送特性を発揮させるためには、このプラスチック光ファイバケーブル73の長さが、0.03m以上50m以下であることが好ましい。また、この長さが0.2m以上50m以下であることがより好ましく、この長さが5m以上20m以下であることが最も好ましい。
(第1部材)
次に、コア65の前駆体である第1部材13を形成する材料について説明する。第1部材13は、第1〜第n層を備えている。これら第1〜第n層は、第1〜第nの重合性組成物の共重合体を含む。第1、第2・・・第(n−1)、第nの重合性組成物になるにつれて、第1化合物に対する第2化合物の混合割合が徐々に高くなるように調整されている。第2化合物の屈折率は第1化合物の屈折率よりも高い。このため、各重合工程41b〜44bにおいて形成される各層の屈折率は、第1層51から第n層54になるにつれて高くなる。このように第1〜第n層形成工程41〜44を行うことにより、所望の屈折率分布を備える第1部材13を形成することができる。
また、これらの第1化合物と第2化合物との共重合から形成されるPOF12は、吸湿時でも低伝送損失の維持が可能になる。また、このPOF12は、光透過性が高く、光学異方性を生じないため、優れた伝送特性を備える。更に、このようなPOF12の製造には、従来から用いられている加熱延伸処理が適用可能であるため、容易且つ安価にプラスチック光ファイバを製造することができる。
この第1化合物及び第2化合物の最も好ましい具体例として、重合体の屈折率が1.41である重水素置換した2,2,2トリフルオロエチルメタクリレート(3FMd7)と、重合体の屈折率が1.49である重水素置換したペンタフルオロフェニルメタクリレート(PFPMAd5)とが挙げられる。第1部材13において所望の屈折率分布を形成するために、これら2種類の重合性組成物が第1部材13の各層ごとに適当な混合比で混合される。本実施例において、この水素原子の一部が重水素原子に置き換わった3FMd7とPFPMAd5が各層を形成するために使用される。重水素化された重合体を光送信部に使用することでPOF12の伝送損失を低下させることが好ましい。なお、第1化合物及び第2化合物の詳細については後述する。
このとき、各層間の親和性やポリマーの調整および製造におけるハンドリング性の観点から、第1化合物と第2化合物との配合比を調整して製造することが好ましい。最終製品の光学的特性及び/または機械的性能向上を考慮して、3種類以上の重合性組成物を用いてもよい。その際には、各重合性組成物の成分や配合比を層ごとに変えてもよい。このように、異なる屈折率を示すホモポリマーのモノマーを異なる配合比で共重合させることにより、各層ごとに異なる屈折率を有することが可能となる。
また、各層は同じ重合性組成物を用いて形成されるので、2層で形成される界面での親和性を向上させることができ、界面における散乱を低減させることができる。なお、水素置換化合物と重水素置換化合物との親和性は同一とみなす事が出来る。このため、水素置換化合物及び重水素置換化合物を同一の重合性組成物として取り扱うことができる。一方、各層を異なる重合性組成物により形成させると、隣接する層で形成される界面の親和性を向上させるのが困難であり、光の散乱により伝送損失が上昇してしまう。
なお、各層に屈折率分布を付与させる方法としては、上記の他に、各層51〜54を形成させる重合性組成物に各層ごとに添加量が異なるよう屈折率調整剤を添加する。この場合には、径の内側にしたがい屈折率調整剤の添加量を高くする。これにより、外側から径の中心に向かうにしたがい次第に屈折率を高くすることができる。
(重合性組成物)
次に、第1〜第nの重合性組成物の詳細について説明する。第1〜第n重合性組成物には非晶質のポリマーが用いられることが好ましい。非晶質ポリマーから形成される共重合体は、光散乱が発現しにくく、更に、互いの層の間における密着性が向上する。より好ましくは、機械的特性や耐湿熱性に優れているポリマーとすることである。
本実施例では、第1〜第nの重合性組成物用の重合化合物として、前述した3FMd7やPFPMAd5が使用される。しかし、第1重合性組成物がホモポリマーを、第2重合性組成物が第1重合性組成物で生成されたものと異なる屈折率のホモポリマーを生成する限り、第1化合物及び第2化合物の混合体も使用可能である。。次にこの第1化合物及び第2化合物の詳細について説明する。なお、本明細書において、特に断わらない限り、「H」は水素原子を示し、「D」は重水素原子を示す。また、本発明における「重合」は、特に断わらない限り、「共重合」を含む趣旨である。
第1〜第nの重合性組成物には、下記一般式(1)で表される第1化合物と、下記一般式(2)で表される第2化合物と、所定の重合開始剤などの添加剤とからなる混合体である。
一般式(1)
Figure 2009524075
一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDのいずれかを表し、RはH、D、CH、CDまたはハロゲン原子のいずれかを表し、Rは少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭素原子数2〜8のアルキル基を表す。R、Rは、Dであることが好ましい。Rは、H、D、CH、CD、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CDまたはフッ素原子、塩素原子がより好ましく、CDがさらに好ましい。Rは炭素原子数2〜6のフッ素置換されたアルキル基が好ましく、炭素原子数2〜4のフッ素置換されたアルキル基がさらに好ましい。フッ素置換されたアルキル基については分岐や環構造をとっても良いが、直鎖のものが好ましい。さらにフッ素置換されたアルキル基中に存在するC−H結合は、その一部または全部がC−D結合に置換されていることが好ましい。すなわち、一般式(1)は、重水素化フルオロアルキルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
一般式(2)
Figure 2009524075
、Rはそれぞれ独立にHまたはDのいずれかを表し、RはH、D、CH、CDまたはハロゲン原子のいずれかを表し、X〜XはH、D、ハロゲン原子またはCFのいずれかを表し、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子またはCFを表す。R、Rは、Dが好ましい。Rは、H、D、CH、CD、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CD、がより好ましい。X〜Xはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子またはCFが好ましく、フッ素原子または塩素原子がより好ましい。一般式(2)中の、フェニル基のハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)置換数は2以上がさらに好ましく、3以上が最も好ましい。すなわち、一般式(2)は、重水素化ハロゲン化フェニルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の具体的な第1化合物の例を以下に示す。本発明はこれらの化合物に限定されるものでないことは言うまでもない。
Figure 2009524075
前記一般式(2)で表される第2化合物の具体的な化合物例を以下に示す。本発明はこれらの化合物に限定されるものでないことは言うまでもない。
Figure 2009524075
前記一般式(1)で表される第1化合物からなるポリマーの屈折率と前記一般式(2)で表される第2化合物からなるホモポリマーの屈折率とは異なる。上記一般式(1)で表される第1化合物と一般式(2)で表される第2化合物の組成比を変える事により種々の屈折率のコポリマーを得ることができる。具体的には、例えば、上記FA−1からなるホモポリマーの屈折率は1.42であり、上記FP−1からなるホモポリマーの屈折率は1.50である。またその組成比を漸進的に変化させて重合させることにより屈折率分布を有する光学樹脂を製造することが可能である。
本発明の重合性組成物に熱および/または光等が供与されると、添加剤である重合開始剤から発生するラジカル等によって前記含フッ素系重合性モノマーの重合が開始される。本発明の重合性組成物は、連鎖移動剤としてフッ素置換された化合物を用いているので、重合体(含フッ素マトリックス)中に残留した場合に、該重合体からなる光学部材の伝送損失を軽減し、光伝送能を向上させることができる。さらに、一般式(1)で表される第1化合物と一般式(2)で表される第2化合物の組成比を漸進的に変化させることで、組成物は、その中に導入し易い屈折率プロファイルを有する屈折率プロファイル光学部材を形成してもよい。また、組成物内の重合性モノマーの重合速度および重合度は、前記重合開始剤および前記連鎖移動剤によって制御され、重合体の分子量を所望の分子量を有することができる。例えば、得られた重合体を延伸により線引きして、光ファイバとする場合は、分子量を調整することによって延伸時における機械的特性を所望の範囲とすることができる。これにより生産性の向上にも寄与する。
例えば、第1〜第n層を形成する1の重合化合物として(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。なお、各層の重合性組成物を選択する際には、隣り合う層の間における屈折率や親和性などの関係を考慮することが好ましい。
フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。もちろん、これらに限定されるものではなく、重合性組成物の種類や組成比は、重合性組成物からの共重合体が光伝送体において所定の屈折率分布を有するよう選択されることが好ましい。
また、各層の好ましい重合化合物について、上記の第1及び第2化合物の他、例えば、メチルメタクリレート(MMA)とフッ化(メタ)アクリレートとの共重合体がある。以下のものを第1〜第nの重合性組成物として添加しても良い。フッ化(メタ)アクリレートとしては、トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)やヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートなどがある。また、MMAと(メタ)アクリレートとの共重合体がある。脂環式(メタ)アクリレートとしては、分岐を有するtert−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート等の(メタ)アクリレートがある。さらには、ポリカーボネート(PC)、ノルボルネン系樹脂(例えば、ZEONEX(登録商標:日本ゼオン(株)製))、ファンクショナルノルボルネン系樹脂(例えば、ARTON(登録商標:JSR製)など)、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)を用いることもできる。また、フッ素樹脂の共重合体(例えば、PVDF系共重合体)やテトラフルオロエチレンパーフルオロ(アルキルビニルエーテル(PFA))ランダム共重合体、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体などを用いることもできる。また、POF12を近赤外光用途に用いるためには、特許3332922号公報や特開2003−192708号公報などに記載されているようなポリマーが用いられる。C−H結合の水素原子を重水素原子やフッ素などで置換したポリマーを用いることで、伝送信号光の損失を軽減することができる。このポリマーを使用することで、伝送損失を引き起こす波長域はより長波長へとシフトする、そして伝送信号光の損失を減らすことができる。このようなポリマーとしては、例えば、重水素化ポリメチルメタクリレート(PMMA−d8)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソプロピル2−フルオロアクリレート(HFIP 2−FA)などを例示することができる。ただし、これら添加成分が増加すると伝送性能や製造適性が変わってしまい、本発明の効果を消失する。添加による効果を享受できる最低限に抑えることが好ましく、添加成分を加えないことが特に好ましい。なお、重合後のPOFの透明性を損なわないために、重合前に、不純物や散乱源となる異物の除去処理を、重合性組成物の原料に施すことが望ましい
(添加剤)
本発明において、第1〜第nの重合性組成物に添加剤を添加し、第1〜第nの重合性組成物を共重合させてコポリマーとする。この添加剤としては、重合開始剤及び連鎖移動剤などがある。
(重合開始剤)
本発明に用いられる重合開始剤としては、例えば、ラジカルを生成するものが各種ある。ラジカルを生成する重合開始剤として、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物が挙げられる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などがある。
上記以外にも、特開2003−192714号公報や特開2003−246813号公報に開示されるように、ニトリル基を含まないアゾ化合物を重合開始剤として用いることができる。アゾ系化合物は、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合開始剤として好ましいが、ニトリル基を有するアゾ化合物は、加熱による着色が著しく、光ファイバ等の光学部材に要求される光伝送能を満足しない。特に連鎖移動剤として添加するメルカプタン類を併用する際には顕著である。前記ニトリル基不含のアゾ化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
一般式(5)
Figure 2009524075
、RおよびRは各々独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、−COOR、または−CONRを表し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、RおよびRは各々独立して、炭素数1〜9のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基を表す。RおよびRが結合して環を形成してもよい。R〜Rがそれぞれ表すアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。R〜Rがそれぞれ表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、nープロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基およびネオペンチル基等が挙げられる。好ましくはメチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基等であり、さらに好ましくはメチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基等である。R〜R、RおよびRがそれぞれ表すシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。
前記一般式(5)で表される化合物の具体例としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は、これらに限定されるものではない。また、前述したもののうち2種類以上を併用してもよい。
(連鎖移動剤)

共重合体の機械特性や熱物性等の物理的特性を保つために、連鎖移動剤を用いて、重合度の調整を行うことが好ましい。連鎖移動剤については、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択できる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、該連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなど)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオールなど)などを用いることが好ましい。特に、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は勿論これらに限定されるものではない。2種類以上の連鎖移動剤を併用してもよい。
上記に挙げたもの以外の連鎖移動剤も、本発明に適用することが可能である。例えば、フッ素置換されたメルカプタン類は、構造内にフッ素を質量換算で50%以上含有しているのが好ましく、60%以上含有しているのがより好ましい。フッ素置換されたメルカプタン類としては、下記一般式(6)または一般式(7)で表される化合物が好ましい。
一般式(6)
Figure 2009524075
一般式(7)
Figure 2009524075
一般式中、Aは水素原子、重水素原子またはフッ素原子を表す。一般式中、p、qおよびrは、15>p>r≧0、15>q>r≧0の関係を満足する整数を各々表す。上式の関係を満足しつつ、pは1〜15のいずれかの整数であるのが好ましく、2〜12のいずれかの整数であるのがより好ましく、qは1〜15のいずれかの整数であるのが好ましく、2〜12のいずれかの整数であるのがより好ましく、rは0〜4のいずれかの整数であるのが好ましく、0〜2のいずれかの整数であるのがより好ましい。
前記一般式(6)および(7)で表される化合物の具体的な化合物例を以下に示す。前記連鎖移動剤は、2種類以上併用してもよい。
Figure 2009524075
前述した重合開始剤や連鎖移動剤の各添加量は、使用する第1〜第n層用モノマーである重合性組成物の種類などに応じて、好ましい範囲を適宜決定することができる。本実施形態においては、重合開始剤は、第1〜第n重合性組成物に対して、0.005〜0.5モル%となるように添加しているが、この添加率を0.010〜0.1モル%とすることがより好ましい。また、前記連鎖移動剤は、第1〜第n重合性組成物に対して、0.005〜0.5モル%となるように添加しているが、この添加率を0.01〜0.1モル%とすることがより好ましい。
(屈折率調製剤)
所望の屈折率分布を付与するために、非重合性の化合物である屈折率調整剤を、添加剤として用いても良い。このような屈折率制御剤を用いることにより、屈折率分布係数gの値を所望の範囲に制御しやすくなる。なお、屈折率調整剤は、第1〜第n重合性組成物に対して、0.01〜25重量%添加することが好ましく、1〜20重量%添加することがより好ましい。
屈折率調整剤として、高屈折率で分子体積が大きく、重合に関与せず、溶融状態のポリマー中で所定の拡散速度を有する低分子化合物を用いることが好ましい。なお、屈折率調整剤は、モノマーに限定されず、オリゴマー(ダイマー,トリマーなどを含む)であってもよい。
また、屈折率調整剤としては、例えば、安息香酸ベンジル(BEN),硫化ジフェニル(DPS),リン酸トリフェニル(TPP),フタル酸ベンジル−n−ブチル(BBP),フタル酸ジフェニル(DPP),ジフェニル(DP),ジフェニルメタン(DPM),リン酸トリクレジル(TCP),ジフェニルスルホキシド(DPSO)などの非重合性低分子化合物を用いてもよく、中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOを使用することが好ましい。このような屈折率調整剤を、第1部材13や第2部材14あるいは第3部材15を形成させるホモポリマーに添加し、さらに、屈折率調整剤の濃度分布を調整することにより各部材の屈折率を所望の値に制御する。
(その他添加物)
その他にも、コア内部に形成される各層に、光伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。例えば、各層もしくはその一部の層に耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。
また、光伝送性能の向上を目的として、誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上する。よって、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として用いることができる。これらの添加剤を各種重合性組成物とともに重合することにより、各層或いは一部の層に誘導放出機能化合物を添加することができる。
(第2部材及び第3部材)
また、外殻66の前駆体である第2部材14及び最外殻67の前駆体である第3部材15は、ポリマーや第1部材13の屈折率よりも低いモノマーを生成する、重合性組成物により形成させてもよい。また、第1層51の屈折率と略同等となるように形成してもよいが、第2部材14は第1部材13の第1層51の屈折率よりも低い方が好ましい。後述する実施例では、第2部材14が第1層51の屈折率より低く、第3部材15は第2部材14の屈折率より高くなるように調整したコア65が確実に伝播する限りは、屈折率は特に限定はされない。すなわち、本実施形態のように径の中心から第1部材13の外側に向かって次第に屈折率が低くなるように調整する場合には、第1部材13よりも第2部材14の屈折率が低くなるように調整すれば、第3部材15は光の伝播に寄与しない。第3部材15の屈折率は限定しない。このとき、第2部材14、第3部材15の屈折率は、少なくとも2種類以上の部材の混合比率を変えたり、前述した屈折率調整剤を添加することで制御される。
第2部材14を形成する材料としては、タフネスに優れ、耐湿熱性にも優れているものを用いることが好ましい。この具体的な材料としては、フッ素含有モノマーの単独重合体または共重合体が挙げられる。フッ素含有モノマーの中では、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライド三元系コポリマー(THV)樹脂を用いることが好ましい。このTHV樹脂以外の材料としては、フッ化ビニリデン(PVDF)樹脂,四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合(FEP)樹脂,テトラフルオロエチレンパーフルオロ(アルキルビニルエーテル(PFA)樹脂などがあり、これらを用いて第2部材14を形成してもよい。
第3部材を形成する材料としては、強靭性に優れたものを用いることが好ましい。この具体的な材料としては、メタクリル樹脂(PMMA)が挙げられる。メタクリル樹脂から形成させた第3部材15を用いると、POF12に優れた強靭性を付与することができるため、生産性や取り扱い性を向上させることができる。さらに、曲げや側圧などの変形などによる伝送損失の低下を防止することができる。また、PMMAは優れた透明性を有する。なお、本発明の説明中では第3部材15が上記理由により本実施例において提供されているが、第1部材13と第2部材14とからなるプリフォームを加熱延伸したものをPOFとしてもよい。
(回転重合法)
図7から図10を参照して、回転重合法について説明する。ただし、本実施形態は、本発明の一様態としての例示であり、限定されるものではない。図7に示すように、重合容器85は、円筒管状の容器本体85aとこの容器本体85aの両端をそれぞれ塞ぐ蓋85bとを有する。円筒管状の容器本体85aと蓋85bはSUS製とされる。また、重合容器85は、その内径が中に収容されるパイプ28の外径よりもわずかに大きいものであり、重合容器85の回転に伴ってパイプ28が回転することができるようにされている。Th
まず、この重合容器85に、あらかじめ、市販の溶融押出成形により成型したパイプ28を収容する。次に、栓86でパイプ28の片端部を塞ぐ。この栓86は第1〜第n層用モノマーに溶解しない素材からなり、可塑剤などを溶出させるような化合物も含まないものとする。このような素材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
片端部を栓86で塞いだ後、第1層51を形成させる第1層用モノマー87をパイプ28の中に注入する。そして、他方の端部を栓86で塞いでから、重合容器85を回転させることにより第1層用モノマー87を重合させて第1層51を形成させる。なお、パイプ28が重合容器85の回転に応じることができるように、重合容器85の内面などにパイプ28を支持する支持部材を設けてもよい。
上記のように重合容器85を回転させる際には、回転重合装置を利用する。図8に、回転重合装置91の概略図を示す。回転重合装置91は、装置本体92の中に設けられた複数の回転部材93と駆動部94と装置本体92内の温度を検知してその検知結果に応じて内部温度を制御するための温度コントローラ95とを有している。
回転部材93は、円柱形状であり、2本の周面で少なくともひとつの重合容器85を支持することができるように、長手方向が互いに概ね平行かつ略水平となっている。各回転部材93は、その一端が装置本体92の側面に回動自在に取り付けられており、駆動部94によりそれぞれ独立した条件で回転駆動される。なお、駆動部94には、駆動部94の駆動を制御するためにコントローラ(図示しない)が備えられている。
図9に示すように、重合反応時においては、隣り合う回転部材93の周面により形成される谷部に重合容器85がセットされた後、回転部材93の回転に応じて重合容器85は回転させられる。図9では、回転部材93の回転軸を符号93aで示している。このように、回転重合装置91に重合容器85をセットさせて回転させることにより、第1層用モノマー87を重合させることができる。なお、本実施形態では、重合容器85の回転をサーフェスドライブ式としているが、重合容器85の回転方式は、特に限定されるものではない。
図9に示すように、重合容器85の両端の蓋85bに磁石85cを備えるとともに、隣り合う2本の回転部材93の間の下方に磁石96を備えていることにより、回転時において重合容器85が回転部材93から浮くことを防止することができる。例えば、回転部材93と同様な回転手段を、セットされた重合容器85の上部に接するように設けて、同様に回転させることにより重合容器85の浮きを防止する方法や重合容器85の上方に押さえ手段を設けて、重合容器85に所定の荷重をかけることにより浮きを防止する方法などが挙げられる。なお、重合容器85の浮きを防止する方法としては、本形態に限定されるものではない。
また、回転重合の前に、パイプ28を立てた状態で第1層51を予備重合させてもよい。予備重合を行う際には、必要に応じて所定の回転機構によりパイプ28の円管軸を回転中心として回転させる。このようにパイプ28の長手方向を概ね水平に保ちながら回転させると、パイプ28の内面全体に第1層51が生成しやすくなるため好ましい。なお、本発明では、第1層51の重合時において、パイプ28の長手方向を水平とすることが、パイプ28の内面全体に第1層51を形成する上でもっとも好ましい。ただし、略水平であればよい。パイプ28の回転軸の許容される角度は水平に対して概ね5°以内である。
なお、第1〜第n重合性組成物は濾過や蒸留などを行うことにより、重合禁止剤や水分および不純物などをあらかじめ除去してから用いることが好ましい。なお、モノマーや重合開始剤を混合した後に、この混合物を超音波処理して溶存気体や揮発成分を除去することが好ましい。さらに、必要に応じて、第1層形成工程の前後において、公知の減圧装置によりパイプ28や第1層用モノマー87を減圧処理してもよい。
以上のようにして第1層51が形成されたパイプ28を、回転重合装置91から取り出した後、本実施形態では、所定温度に設定された恒温槽などの加熱手段により所定時間の加熱処理をしている。
次に、第2〜第n層52〜54を形成させる。図10に、第1層51の形成に用いられる重合容器85が示されており、第2重合性組成物98を第1層51の中空部に注入する。パイプ28は重合容器85内にその両端が栓86によって塞がれている状態にあり、パイプ28の長手方向を水平状態とする。パイプ28の中心が回転軸となるように回転させながら、第2重合組成物は重合化されて第2層52を形成する。第1層51を作製する際に使用する回転重合装置91(図8参照)を用いて、第2〜第n重合組成物を重合させる。なお、必要に応じては、第2層用モノマー98をはじめとする第2〜第n重合性組成物を注入する前後において、公知の減圧装置によりパイプ28や第2〜n重合性組成物物を減圧処理してもよい。
このとき、第2層用モノマー98が重合を開始すると、第1層51の内壁が第2層用モノマー98により膨潤し、重合初期段階において膨潤層を形成する。この膨潤層は、ゲル状態となっているため、重合速度が加速(ゲル効果と称する)する。 このような現象から、本発明では、あらかじめ作製された管状部材を回転させながら、この管状部材と注入された重合性組成物との反応により膨潤層を形成させて重合性組成物を重合させる反応方法を回転ゲル重合法と称する。なお、この重合反応は、本実施形態のように、管状部材の長手方向が水平とされることがより好ましい。
なお、各重合反応の反応速度は、適宜調整されることが好ましい。例えば、各重合性組成物の反応度合いを表す転化率が、1時間あたり5〜90%となるように反応速度を調整することが好ましく、より好ましくは、1時間あたりの転化率が10〜85%となるように調整することであり、さらに好ましくは20〜80%である。この反応速度の制御は、重合開始剤の種類や重合温度の調整などにより制御することができる。なお、重合性組成物の転化率の求め方は周知の方法を用いればよい。例えば、ガスクロマトグラフィによる残留モノマーの定量分析と目視評価とを実施して両者の関係をあらかじめ求めておき、この関係をもとに目視観察にて評価すればよい。なお、回転ゲル重合法における反応温度は重合性組成物の沸点以下とすることが好ましい。また、各層51〜54の転化率や他の特性を制御するよう回転速度を調整することが好ましい。
(加熱延伸工程)
次に、本実施形態で行われる加熱延伸工程24の詳細について説明する。図11に示すように、加熱延伸工程24では、プリフォーム16を加熱炉100内に配置する(図11)。加熱によりプリフォーム16の下部は溶融する。なお、加熱設定温度は特に限定されるものではないが、150℃〜300℃の温度であることが好ましく、より好ましくは180℃〜240℃であり、最も好ましくは190℃〜220℃とすることである。溶融したプリフォーム16の先端部16aを始点として線引きを行う。POF12は、巻取装置102の芯材103に巻き取られる。線引きしている際には、線径モニタ101でPOF12の外径をモニタリングして加熱炉100内のプリフォーム16の位置や加熱炉100の温度、巻取装置102の巻取速度などを適宜調整する。このように、一定の径を有するPOF12はプリフォーム16から得られる。なお、プリフォーム16の延伸方法は、特開平07−234322号公報などに記載される各種延伸方法を適用することができる。
この加熱延伸処理24により、第1〜第3部材13〜15は互いに密着し、プリフォーム16の横断面と略相似形の横断面を備えるPOF12となる。この状態において、空洞部58及び隙間59(図3参照)は消失する。なお、加熱延伸工程24が行われている間に空洞部58を減圧すると、気泡の発生が抑制されたPOF12を得ることができる。
POF12の外径は、プリフォーム16の延伸の程度により決定される。このとき、最外殻67の外径は、コア65の量を変えないように調整されることが好ましい。このように光伝送能力を低下させることなく、POF12を大口径とすることができる。さらに、POF12の径の変更を、低コストで実現することができる。
(被覆工程及び組立工程)
なお、プラスチック光ファイバケーブル製造工程10において、被覆工程30や組立工程32を行わない場合もある。例えば、シングルファイバケーブルと製造する場合には、第2の被覆工程を経ることなく、第1被覆工程における被覆層を外表としたままで光ケーブルとして用いることもある。被覆の形態としては、被覆がPOFコードの表面全体と接触した密着型と、被覆材とPOFコードとの間に空隙を有するルース型がある。ルース型被覆の被覆層がコネクタとの接続するために剥離された場合、POFコードと被膜層の間の空隙から水分が浸入してPOFケーブルの長手方向に拡散されるおそれがある。よって、密着型が好ましい。
しかし、ルース型は、被覆材とPOFコードとの間の隙間のおかげで光ケーブルにかかる応力や熱などのダメージの多くを、被覆層により緩和させることができるという利点を有する。POFコードへのダメージが減るため、ルース型皮膜は使用目的によっては好ましく用いることができる。空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することにより、POFケーブルの外側縁からの水分の伝播を防止することができる。さらに、これらフィルターとしての半固体や粉粒体に対して耐熱や機械的機能の向上などの他の異なる機能を付与させることにより、多機能な被覆層が実現できる。クロスヘッドダイの押出し口ニップルの位置を調整し減圧装置による減圧度を加減することにより、ルース型の被覆層を形成することができる。このPOFコードと被膜層との間の空隙層の厚みはニップルの厚みと空隙層への圧力の調整により制御することができる。なお、第1、第2の被覆工程で設けられる被覆材には、難燃剤や紫外線吸収剤,酸化防止剤,昇光剤,滑材などをPOFの光伝送特性に影響を及ぼさない条件範囲で添加してもよい。
この難燃剤としては、臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤、リン含有のものがある。燃焼時における毒性ガス低減のため、難燃剤としては水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物の使用が好ましい。ただし、このような金属水酸化物は、その内部に水分を結晶水として有しており、POFの製造では除去されない。したがって、金属水酸化物による難燃性付与は、POF12に直接接する被覆層に対してではなく、光ケーブルとしての外表となる被覆層に対してのみ行うことが望ましい。
また、プラスチック光ファイバケーブル33に複数の機能を付与させるために、さらに、適宜機能性層となる被覆層を積層させてもよい。難燃化層以外の機能層としては、例えば、POF12の吸湿を抑制するためのバリア層や、POF12に含有された水分を除去するための吸湿材料層などが挙げられる(例えば、被覆層内や被覆層間への吸湿テープや吸湿ジェル)。
さらに、その他の機能性層としては、柔軟性素材層や、緩衝材として機能してPOFを曲げる際に応力緩和するスチレン形成層、剛性を向上させるための強化層などが挙げられる。被膜層としての熱可塑性樹脂はPOFケーブルの強度を高める構造材料を含んでも良い。また、構造材料には、高い弾性率を有する抗張力繊維および/または剛性の高い金属線がある。このような材料を用いると、POF33の力学的強度を補強することができるために好ましい
なお、抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維,ポリエステル繊維,ポリアミド繊維が挙げられる。そして、金属線としては、ステンレス線,亜鉛合金線,銅線などが挙げられる。構造材料は、これらに限定されるものではない。POFケーブル33の保護をする金属パイプ、POFケーブル55を保持する支持ワイヤといった他の部材を提供することが可能である。配線の作業効率を高める機能をPOFケーブル33に適用することも可能である。
用途に応じて、POFケーブル33はプラスチック光ファイバコード31を同心円上にまとめた集合型のものや一列に並べたテープ型のもの、さらに、それらを押え巻やラップシースなどでまとめたものなどが選択的に使用される。
本発明のプリフォーム16から得られたPOFケーブル33は、従来品と比べて軸ずれに対する許容度が高いために、POFケーブル33は直接接合されてもよい。ただし、より好ましくは、光コネクタを用いて本発明によりPOFケーブルの接続部を確実に固定することが好ましい。また、コネクタは、一般に知られているPN型,SMA型,SMI型などの市販の各種コネクタを利用することが可能である。そのため、本発明のPOFケーブル33は、種々の発光素子や受光素子や光スイッチ,光アイソレータ,光集積回路,光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置を用いた光信号送信システムに適用されても良い。この際、必要に応じて他の光ファイバなどと組合せてもよい。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用することができる。例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。
また、前記文献に記載の技術にPOFケーブル33を組み合わせることによって、POFケーブル33は、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御に適した短距離光伝送システムに好適に用いることができる。具体的には、POFケーブル33はコンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線(DVIやHDMIなど),車両や船舶などの内部配線,光端末とデジタル機器,デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LANなどに適用可能である。また、本発明のPOFケーブル33は、優れた高速伝送特性や、吸湿しても低損失性を維持し屈曲や側圧などの物理変形に対して伝送特性が劣化しないといった光学特性がある。よって、本発明のPOFは、常に圧力がかかるような場所や、屈曲や繰り返し曲がるような光配線システムにも用いる事ができる。例えば、POFは携帯電話内の光配線やノートPC内の光リンクシステムにも好適に用いる事ができる。
さらに、IEICE TRANS. ELECTRON.,VOL.E84−C,No.3,MARCH 2001,p.339−344 「High−Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3,No.6,2000 476頁〜480頁「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開2003−152284号公報に記載の導波路面に対する発光素子の配置;特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号などの各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号などの各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号などの公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号などの各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号などに記載の光信号処理装置;特開2001−86537号などに記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号などに記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号などの各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などと組み合わせることで、多重化した送受信などを使用したより高度な光伝送システムを構築することができる。以上の光伝送用途以外にも、照明やエネルギー伝送,イルミネーション、レンズ、センサ分野にも用いることができる。
以下、本発明に関する実施例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に示すプラスチック光ファイバケーブル製造工程10にしたがいPOF12を作製した。まず、溶融押出成形により、内径18.5mm、外径19.5mm、長さ27cmの中空状のPVDF管のパイプ28が形成される。この中空部に第1の重合性組成物を、孔径が0.2μmのPTFEメンブランフィルターを介して注入した。第1の重合性組成物としては、重合性組成物として3FMd7(以下、Aと称する)を21.73mlおよび重合性組成物としてPFPMAd5(以下、Bと称する)を4.56ml混合してから、重合開始剤として2,2ジメチルアゾビス(イソブチレート)を0.1モル%と3−メルカプトプロピオン酸エチルを0.05モル%とを添加したものを調製した。同様にして、表1に示すように、それぞれの注入量に応じて、第2〜第11の重合性組成物を準備する。
次に、第1の重合性組成物が注入されたパイプ28を、回転重合装置の重合器本体85aに長手方向が水平となるようにセットする。SUSの重合容器85を2000rpmで回転させながら90℃の雰囲気下で2時間の加熱重合を行った。。このとき、回転する重合容器85の近傍、(重合容器85から1〜2cm離れた位置)に非接地型熱電対を設けて、温度を測定し、この測定温度を重合反応による温度としてみなした。また、この方法により測定された重合反応の発熱における温度ピークは、重合開始から約1時間20分経過したときに67℃だった。以上により、パイプ28の内周面に第1層を形成させた。なお、得られた重合体の転化率は90%であった。
次に、重合容器85から第1層が形成されたパイプ28を取り出し、パイプ28の中空部に第2の重合性組成物を注入した。回転重合させることにより第2層を形成させた。このとき、第1層を形成したときと同じ条件及び方法を用いた。同様にして、(表1に示すような)所定量の第3〜第11の重合性組成物をパイプ28内に注入し、回転重合することによって、第3層〜第11層を形成した。
第1〜第11層の3FMd7及びPFPMAd5の配合量、及び第1〜第11の重合性組成物からなる共重合体の屈折率を表1に示す。
Figure 2009524075
第11の重合性組成物を重合させた後、パイプ28を90℃に加熱させた状態で6時間保持し残存している重合性組成物を反応させた。その後、パイプ28を除去して第1部材13を得た。このとき、第1部材13の外径は18.5mmであった。
第2部材形成工程19では、溶融押出成形により市販のDyneonTHV500G(登録商標;住友スリーエム(株)製)ペレットから第2部材14を形成した。第2部材14は、内径が18.8mm、外径が19.8mmの円筒状に形成された。また、第2部材14の屈折率は1.36であった。第1組合せ工程23aでは、この第2部材14の中空部に第1部材13を挿入し、嵌合体を得た。
第3部材形成工程20では、アクリペットの溶融押出成形により(アクリペット(登録商標);三菱レイヨン(株)製)第3部材15を形成した。第3部材は、内径が20.5mm,外径が64.5mmの円筒状に形成された。また、第3部材15の屈折率は、1.49であった。第2組み合わせ工程23bでは、(第1組み合わせ工程23aで得た)嵌合体を第3部材15の中空部に挿入し、プリフォーム16を得た。
このプリフォーム16を200℃で加熱延伸し、空洞部を減圧させた。この加熱延伸により、プリフォーム16の空洞部が閉塞されるとともに、各部材13〜15が密着してPOF12を得た。このPOF40の最外殻67の外径は500μmであり、コア65の外径D1は125μmであった。そしてPOF12の長さが4000mであった。このとき、POF12の外径の変動は±15μmであった。得られたPOF12の屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡(型番;TD−20,溝尻光学(株)製)により測定したところ、図12に示す屈折率分布N1(r)を得た。また、上記式(1)〜(3)において、コア65の中心部及び外周部の屈折率をN1,N2とし、屈折率分布係数gを2.2として算出された屈折率分布N2(r)を併せて図12に示す。これらN1(r)及びN2(r)がほぼ同一のプロファイルを有していた。すなわち、このPOF12に、上記式(1)〜(3)を満足する屈折率分布(屈折率分布係数g=2.2)が形成されていることを確認した。
得られたPOF12の伝送損失を測定したところ、光源波長650nmにて90dB/km、光源波長780nmにて54dB/km、光源波長850にて75dB/kmであった。
また、このPOF12を所定の曲率半径で360°に屈曲させる曲げ試験を行った。この曲げ試験において、POF12の屈曲による損失の増加量を測定した。曲率半径を10mmのとき、この損失の増加量は0.02dBであった。曲率半径が15、18、23mmの場合では、この損失の増加量は0.01dBである。曲率半径が25mm以上の場合、損失の増加量はほとんど見られなかった(図13)
POF12について繰り返し曲げ試験を行った。繰り返し曲げ試験では、POF12を曲率半径15mmで90°に2回屈曲したときに、繰り返し曲げ回数を1回として数えた。この繰り返し曲げ試験を10000回行ったときの、POF12の損失の増加量は0.04dBであった(図14)。また、このPOF12の長さ方向100mmの範囲におけるPOF12の側面から25kgの荷重を加えた際、損失の増加量は0.02dBであった(図15)。
3FMd7とPFPMAd5からなる共重合体の屈折率の波長依存性を測定し、その結果より上記式(1)の屈折率分布係数gの値と伝送帯域の関係をWKB法により理論計算した。各波長(650nm、780nm、850nm)における理論計算の結果を図16に示す。実施例1で得られたPOF12の長さ100mについて、タイムドメイン法により伝送帯域を測定したところ、伝送帯域は7.3Gbps(850nm)であった(図16)。このPOF12の結果は50m以下の長さで10Gbpsのデータ転送を可能であることを示すものである。更に、実施例1で得られたPOF12を有し、長さ50mのプラスチック光ファイバケーブル33を、10Gbpsの変調が可能な光送信機71と10Gbpsの復調が可能な光受信機72との間に接続した。光送信機71に接続する第1端末から、所定のデータ光送信機71を送信したところ、光送信機72に接続する第2端末において、このデータを受信することができた。また、この第1端末と第2端末との間のデータ伝送において、光送信機71と光受信機72との間で10Gbpsのデータ転送が行われていることを確認した。また、オシロスコープを用いた通信波形の観察より、良好なアイパターンが形成されていることを確認した。これらは、POF12に形成された屈折率分布が、優れた伝送特性を発揮することを示すものである。
<比較例1>
内径22mmおよび長さ600mmの円筒状の重合容器に、水分を100ppm以下に除去したメチルメタクリレート(MMA)の液体を所定量注入した。重合開始剤として脱水精製した過酸化ベンゾイルをMMAに対して0.5質量%を配合した。また、連鎖移動剤(分子量調整剤)としてn−ブチルメルカプタンをMMAに対して0.28質量%配合した。重合容器を70℃湯浴中に入れ、MMA溶液を注入して2時間予備重合を行った。その後、重合容器を70℃下にて水平状態(円筒の高さ方向が水平となる状態)に保持し、回転数3000rpmで回転させて、3時間加熱重合した。その後、90℃で24時間の熱処理し、ポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる円筒管を得た。
次に、コア部の原料であるMMA(水分を100ppm以下に除去したもの)を屈折率調整剤としての硫化ジフェニルと混合する。硫化ジフェニルの量はをMMAに対して12.5質量%である。混合液を、精度0.2μmの四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過しつつ、濾液を直接円筒管の中空部に注入した。重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキサイド(10時間半減期温度は123.7℃)を混合液に対し0.016質量%配合した。連鎖移動剤としてドデシルメルカプタンを混合液に対し0.27重量%配合した。この混合液が入った円筒管を、円筒管に対し9%だけ広い内径を持つガラス管内に挿入した状態で、加圧重合容器に垂直に静置した。その後、加圧重合容器内を窒素雰囲気に置換した後、0.6Mpaまで加圧し、48時間加熱重合した。この重合時の加熱温度は、TbをMMAの沸点(100℃)とし、TgをPMMAのガラス転移温度(110℃)としたときに、(Tb−10)℃以上、且つTg以下の条件を満たす100℃に設定した。その後、加圧状態を維持しながら、PMMAのTg℃以上、且つ(Tg+40)℃以下の条件を満たす120℃で、24時間加熱重合を行った。加熱重合の後、熱処理を行いプリフォームを得た。なお、100℃におけるジ−tert−ブチルパーオキサイドの半減期は180時間で、120℃における半減期は15時間である。
プリフォームには、重合完了時に体積収縮による気泡の混入はなかった。このプリフォームを230℃の熱延伸により線引きを行い、直径約700〜800μmのプラスチック光ファイバを製造した。得られたPOFの伝送損失値を測定したところ、波長650nmにて165dB/kmであった。また、このプラスチック光ファイバの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡(型番;TD−20,溝尻光学(株)製)により測定して、この測定結果に式(1)を外挿したところ、gの値は2.8であった。更に、長さ100mのプラスチック光ファイバの伝送帯域を、650nmのレーザ光源を用いてタイムドメイン法により測定したところ、伝送帯域は1.5GHzであった。これはPOFの長さが0.03m以上、50m以下の範囲で安定的に10Gbpsの伝送が不可能である事を示すものである。
本発明は、光伝送などに利用されるプラスチック光ファイバ、特に高い情報伝送量を要求する機器に接続されて光伝送を行うプラスチック光ファイバ、及びこのプラスチック光ファイバを用いた光伝送システムに好ましく適用される。
本発明のプラスチック光ファイバケーブルの工程図である。 第1部材形成工程の流れを示す工程図である。 プリフォームの径方向の断面図である。 POFの径方向の断面図である。 本実施形態でのPOFの径方向における屈折率分布についての説明図である。 本発明の光伝送システムの概要を示す説明図である。 回転重合用の重合容器の概略を示す断面図である。 回転重合装置の概略を示す斜視図である。 回転重合装置内の重合容器の回転についての説明図である。 第1層形成後の重合容器の概略を示す断面図である。 加熱延伸工程の概略を示す説明図である。 プラスチック光ファイバの屈折率分布を示すグラフである。 曲げ試験における、プラスチック光ファイバの損失増加量とその曲率半径との相関図である。 繰り返し折り曲げ試験によるプラスチック光ファイバの伝送損失増加量と、繰り返し曲げ回数との相関図である。 プラスチック光ファイバの側面から所定の荷重を加えたときの損失増加量と、荷重との相関図である。 屈折率分布係数gと伝送帯域との相関図である。
符号の説明
100 加熱炉
101 線径モニタ
102 巻取装置

Claims (9)

  1. 光を伝播するコアと、前記コアの外周に配され、前記光を前記コア内に閉じ込める外殻とを備えるプラスチック光ファイバにおいて、
    前記コアは、下記一般式(1)で表される第1化合物と、下記一般式(2)で表される第2化合物との共重合体を含むとともに、
    前記コアの断面円中心の屈折率をN1とし、前記コアの外周部の屈折率をN2とし、前記コアの半径をR1とし、前記中心から径方向にrだけ離れた前記コアの屈折率をN(r)とし、屈折率分布係数をgとするときに、前記コアが、下記式(1)及び(2)で表される屈折率分布をもつことを特徴とするプラスチック光ファイバ。
    式(1) N(r)=N1[1−2Δ(r/R1)1/2
    式(2) Δ=(N1−N2)/(2N1
    一般式(1)
    Figure 2009524075
    (一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDを表し、RはH、D、CH、CD、ハロゲン原子のいずれかひとつを表し、Rは少なくとも一部の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
    一般式(2)
    Figure 2009524075
    (一般式(2)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDを表し、RはH、D、CH、CD、ハロゲン原子のいずれかひとつを表し、X〜XはH、D、ハロゲン原子、CFのいずれかひとつを表し、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子またはCFを表す。)
  2. 前記屈折率分布係数が、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバ。
    式(3) 2≦g≦2.3
  3. 前記コアの外径が60μm以上250μm以下の範囲で一定であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバ。
  4. 曲率半径10mmで360°曲げた際の伝送損失の増加量が、1.0dB未満であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 伝送損失が20dB/km以上200dB/km以下であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバと、
    前記プラスチック光ファイバの一端に接続され、10Gbpsの変調信号を生成する変調器と、波長が850nmであり、前記変調信号に基づく光信号を出力する光源とを有する送信機と、
    前記光信号を検知する光検知器を含み、前記光信号に基づく前記変調信号を出力する受光部と、前記変調信号を復調する復調手段とを備えることを特徴とする光伝送システム。
  7. 前記プラスチック光ファイバの長さが0.03m以上50m以下であることを特徴とする請求項6記載の光伝送システム。
  8. パイプの中空部内に下記一般式(3)で表される第3化合物と、下記一般式(4)で表される第4化合物とを含む重合性組成物を注入する工程と、
    前記パイプを断面円形の中心を回転軸として回転させながら前記重合性組成物を重合させ、前記パイプの内側に重合体層を形成する工程と、
    前記第4化合物の前記第3化合物に対する割合を徐々に高くしながら、前記注入工程と前記重合工程のペアを繰り返し、前記パイプ内部に複数の前記重合体層が同心円状に積層されたコア前駆体を形成する工程と、
    前記コア前駆体と嵌合可能な嵌合孔を備え、前記コア前駆体以下の屈折率をもつ重合体である外殻前駆体を形成する工程と、
    前記外殻前駆体の前記嵌合孔に前記コア前駆体を嵌め合わせてプリフォームを形成する工程と、
    前記プリフォームの加熱延伸処理により、光を伝播するコアと、前記コアの外周に配され、前記光を前記コア内に閉じ込める外殻とを備えるプラスチック光ファイバを形成する工程とを備え、
    前記コアの断面円中心の屈折率をN1とし、前記コアの外周部の屈折率をN2とし、前記コアの半径をR1とし、前記中心から径方向にrだけ離れた前記コアの屈折率をN(r)とし、屈折率分布係数をgとするときに、前記コアが、下記式(4)及び式(5)を満足する屈折率分布を備えていることを特徴とするプラスチック光ファイバの製造方法。
    式(4) N(r)=N1[1−2Δ(r/R1)1/2
    式(5) Δ=(N1−N2)/(2N1
    一般式(3)
    Figure 2009524075
    (一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDを表し、RはH、D、CH、CD、ハロゲン原子のいずれかひとつを表し、Rは少なくとも一部の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
    一般式(4)
    Figure 2009524075
    (一般式(4)中、R、Rはそれぞれ独立にHまたはDを表し、RはH、D、CH、CD、ハロゲン原子のいずれかひとつを表し、X〜XはH、D、ハロゲン原子、CFのいずれかひとつを表し、X〜Xの少なくとも一つはハロゲン原子またはCFを表す。)
  9. 前記屈折率分布係数が、下記式(6)を満足することを特徴とする請求項8記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
    式(6) 2≦g≦2.3
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