JPH10239534A - プラスチック光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバ用母材の製造方法

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JPH10239534A
JPH10239534A JP9047841A JP4784197A JPH10239534A JP H10239534 A JPH10239534 A JP H10239534A JP 9047841 A JP9047841 A JP 9047841A JP 4784197 A JP4784197 A JP 4784197A JP H10239534 A JPH10239534 A JP H10239534A
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JP
Japan
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tube
polymerizable material
optical fiber
plastic optical
polymerization
Prior art date
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Application number
JP9047841A
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English (en)
Inventor
Maki Ikechi
麻紀 池知
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
Takashi Fujii
隆志 藤井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック光ファイバの光伝送特性を向上
させることができるプラスチック光ファイバ用母材の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、円筒状の重合管10をその中
心軸C回りに回転させながら、重合性材料3aを重合管
10の内面に塗布しかつ重合せしめる工程を繰り返すこ
とによって、重合管10の内面側から中心部にかけて重
合体層3bを順次積層してグレーテッド型の屈折率分布
を有するプラスチック光ファイバ用母材の製造方法であ
って、重合性材料3aを重合管10の内面に塗布しかつ
重合せしめる工程において、重合管10内に内部加熱手
段7を挿入し、内部加熱手段7により重合性材料3aを
加熱しかつ重合せしめて重合体層3bを形成することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光フ
ァイバ用母材の製造方法に係り、特に、径方向に沿って
屈折率が変化するグレーテッドインデックス型のプラス
チック光ファイバ用母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック光ファイバには、
そのコア径方向で屈折率が一定となったステップインデ
ックス型(以下、SI型という)と、コアの外側から中
心部にかけて屈折率が変化するグレーテッドインデック
ス型(以下、GI型という)とがあり、このうち、グレ
ーテッドインデックス型のプラスチック光ファイバは、
SI型のプラスチック光ファイバに比べて単位時間当た
りの情報伝達量が多いという点から、通信用光伝送路と
して使用されるようになっている。
【0003】このようなGI型のプラスチック光ファイ
バは、その母材となるGI型の屈折率分布をもったプラ
スチック光ファイバ用母材を線引きすることで得られ、
このようなGI型プラスチック光ファイバ用母材の製法
は例えば特開昭57−185001号公報に開示されて
いる。
【0004】すなわち、GI型プラスチック光ファイバ
用母材は、パイプ状の重合容器を加熱浴中で回転させな
がら、重合容器中に単量体混合物を、重合容器の内面側
から中心部に向けて次第に高屈折率の重合体を与える単
量体成分が多くなるように混合比率を変更しつつ注入
し、重合容器の内面に、単量体混合物の重合により形成
された合成樹脂層を順次積層させて製造されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の製造方法は、以下に示す問題点を有している。
【0006】すなわち、前述の方法にあっては、重合容
器内に順次合成樹脂層が形成されて合成樹脂層の厚みが
増すと、その合成樹脂層の内面に注入された単量体混合
物が加熱浴によって加熱される場合に、合成樹脂層の厚
みによりその単量体混合物に熱が伝わり難くなり、単量
体混合物の重合を均一に制御することが困難となる。こ
の結果、プラスチック光ファイバ母材からプラスチック
光ファイバを得た場合に、そのプラスチック光ファイバ
の光伝送特性に悪影響を与えるおそれがある。
【0007】一方、プラスチック光ファイバ用母材の製
造にかける時間を短縮すべく、外部ヒータを更に高温に
すると、重合時に発泡が生じたり、合成樹脂層が好まし
くない熱履歴(例えば、熱劣化)を受ける場合があり、
ひいてはプラスチック光ファイバ用母材から得られるプ
ラスチック光ファイバにつき、その光伝送特性に悪影響
を与える場合がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、プラスチック光ファイバの光伝送特性を向上
させることができるプラスチック光ファイバ用母材の製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、円筒状の重合管をその中心軸回りに回転
させながら、重合性材料を重合管の内面に塗布しかつ重
合せしめる工程を繰り返すことによって、重合管の内面
側から中心部にかけて重合体層を順次積層してグレーテ
ッド型の屈折率分布を形成するプラスチック光ファイバ
用母材の製造方法であって、重合性材料を重合管の内面
に塗布しかつ重合せしめる工程において、重合管内に内
部加熱手段を挿入し、内部加熱手段により重合性材料を
加熱しかつ重合せしめて重合体層を形成することを特徴
とする。
【0010】この方法によれば、重合管の内面に順次重
合体層が形成されて重合管の厚みが増加する場合でも、
重合管の内部に挿入される内部加熱手段により、重合管
の内面上に塗布された重合性材料に、重合体層の形成に
必要な熱が均一に与えられ、重合体層の形成を制御する
ことが容易となる。
【0011】ここで、円筒状の反応管をその中心軸回り
に回転させながら、重合性材料を反応管の内面に供給し
かつ重合せしめることによって、反応管の内側に重合管
を形成する工程を更に含んでもよい。
【0012】また、重合性材料を重合管の内面に塗布し
かつ重合せしめる工程を繰り返すにあたって、重合管の
内面側から中心部にかけて重合体層の屈折率が高くなる
ように重合性材料を変更しつつ塗布しかつ重合させても
よい。
【0013】また、重合性材料を重合管の内面に塗布し
かつ重合せしめる工程において、重合管内に材料供給管
を挿入し、材料供給管を重合管の延び方向に沿って往復
運動させながら重合性材料を該材料供給管の材料供給口
を通して重合管の内面に塗布することが好ましい。この
方法によれば、材料供給管の往復運動により重合管内に
おいて材料供給口が移動され、重合性材料が重合管の延
び方向に亘って均一に供給される。
【0014】また、重合性材料を重合管の内面に塗布し
かつ重合せしめる工程において、重合管内を不活性ガス
雰囲気とすることが好ましい。この方法によれば、重合
性材料を内部加熱手段により加熱するにあたって、重合
性材料の酸化が防止されることとなる。
【0015】また、重合性材料を重合管の内面に塗布し
かつ重合せしめる工程において、重合管の外側に配置さ
れた外部加熱手段によって付加的に重合性材料を加熱す
ることが好ましい。この方法によれば、重合管内の重合
性材料が、内部加熱手段と外部加熱手段とにより重合管
の内側と外側とから加熱されるため、重合速度を更に大
きくすることが可能となる。
【0016】また、重合性材料が、α−フルオロアクリ
ル酸を50重量パーセント以上含むことが好ましい。こ
の方法によれば、重合性材料が重合して重合体層が形成
される場合に、その重合体層内でのC−H結合が減少す
る分、材料固有の損失要因が低減され、低ロス化を達成
することができる。また、重合性材料にα−フルオロア
クリル酸が含まれることでそのα−フルオロアクリル酸
が共添加され、重合体層のガラス転移温度の低下が防止
される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるプ
ラスチック光ファイバ用母材の製造方法の好適な実施形
態について詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明によるプラスチック光ファ
イバ用母材の製造方法を実施するための母材製造装置の
一例を示す断面図である。
【0019】同図に示すように、この母材製造装置1
は、両端に開口をもった円筒状の反応管(例えばガラス
管)2を有し、この反応管2は保持手段(図示せず)に
よって水平方向に保持されている。反応管2の各開口
は、それぞれ凸状の閉塞栓4a,4bにより塞がれ、反
応管2は、一方の閉塞栓4aに回転軸を介して接続され
たモータ(図示せず)によってその中心軸線Cの回りに
回転されるようになっている。
【0020】また、母材製造装置1には、反応管2と同
心状に円筒状の外部ヒータ(外部加熱手段)6が配設さ
れ、この外部ヒータ6により反応管2が加熱される。ま
た、母材製造装置1には、材料供給源(図示せず)にバ
ルブ11を介して接続された材料供給管5が設けられ、
この材料供給管5は、反応管2の中心軸線Cに沿って反
応管2内に往復移動可能となっている(材料供給管の駆
動装置は図示せず)。材料供給管5には、その先端に材
料供給口9が形成され、この材料供給口9を通して重合
性材料が噴霧される。また、この材料供給管5は、その
途中から分岐する分岐管5aから、不活性ガスで構成さ
れるパージガスを導入可能となっている。
【0021】ここで、重合性材料とは、プラスチック光
ファイバ用母材のコア部(線引きして光ファイバとした
際にコアとなるべき部分)又はクラッド部(線引きして
光ファイバとした際にクラッドとなるべき部分)を構成
すべき材料をいい、必要に応じて連鎖移動剤および/ま
たは重合開始剤が添加される。コア部又はクラッド部を
構成すべき材料としては、例えばα−フルオロアクリル
酸類、メタクリル酸アルキル類又はこれらの混合物が用
いられる。α−フルオロアクリル酸類としては、例えば
2−フルオロアクリル酸メチル(MFA)、2−フルオ
ロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル(3FF
A)、2−フルオロアクリル酸1,1−ジハイドロパー
フルオロプロピル(5FFA)、2−フルオロアクリル
酸ヘキサフルオロイソプロピル(HFIP2−FA)又
は2−フルオロアクリル酸ノナフルオロt−ブチルが挙
げられる。他方、メタクリル酸アルキル類としては、メ
タクリル酸アルキルのアルキル基がメチル基、エチル基
若しくはプロピル基など又はこれらに含まれる水素の一
部若しくは全部をフッ素で置換したもの(例えばメタク
リル酸2,2,2−トリフルオロエチル)が挙げられ
る。
【0022】また、連鎖移動剤としては、例えばメルカ
プト基含有化合物(例えばn−ブチルメルカプタンな
ど)が用いられ、重合開始剤としては、例えばラジカル
重合開始剤(ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパー
オキサイド、パーオキシケタール又はパーオキシエステ
ル系過酸化物など)が用いられる。このうち、プラスチ
ック光ファイバとして使用されるときの光伝送損失を低
下させる観点から、特にパーオキシエステル系過酸化物
が好適に用いられる。
【0023】また、母材製造装置1は、内部加熱手段と
しての棒状の内部ヒータ7を有し、この内部ヒータ7
は、閉塞栓4bを貫通して反応管2内に出し入れ可能と
なっている(内部ヒータ7の駆動装置は図示せず)。ま
た、内部ヒータ7の長さは、反応管2の延び方向の長さ
の90%より大きいことが好ましく、この場合、内部ヒ
ータ7は、反応管2内に挿入される場合に、反応管2内
でほぼ全長に亘って延ばすことができる。なお、内部ヒ
ータ7は、プラスチック光ファイバ用母材の延び方向に
おける重合度の均質性を向上させる観点から、少なくと
もクラッド管3内に挿入される部分について、例えば円
柱状となって真っ直ぐに延びていることが好ましい。ま
た、内部ヒータ7の直径は3〜20mm程度が好まし
い。
【0024】このような母材製造装置1を用いて、GI
型プラスチック光ファイバ用母材は以下のように製造さ
れる。
【0025】すなわち、まず、図1に示すように、反応
管2をその中心軸Cの回りに回転させながら、反応管2
内に閉塞栓4aを貫通させて材料供給管5を挿入し、こ
の材料供給管5を通して反応管2内にクラッド部形成用
の重合性材料を注入し、外部ヒータ6により重合性材料
を加熱し、反応管2の内面全体に亘って重合体層を形成
し、クラッド管(重合管)3を形成する。ここで、クラ
ッド部形成用の重合性材料は、例えば2−フルオロアク
リル酸ヘキサフルオロイソプロピル、連鎖移動剤である
n−ブチルメルカプタン及びラジカル重合開始剤である
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン等で構成されている。
【0026】次いで、回転するクラッド管3内に材料供
給管5を挿入し、材料供給管5の材料供給口9を通して
コア部形成用の重合性材料3aを噴霧する。図2は、ク
ラッド管3内に重合性材料3aを噴霧する工程を示して
いる。ここで、コア部形成用の重合性材料3aは、低屈
折率の重合体を与える単量体成分として用いられるα−
フルオロアクリル酸類(例えば、2−フルオロアクリル
酸ヘキサフルオロイソプロピル)と、高屈折率の重合体
を与える単量体成分として用いられるメタクリル酸アル
キル類(例えば、メタクリル酸2,2,2−トリフルオ
ロエチル)との混合物、並びに連鎖移動剤(例えばn−
ブチルメルカプタン)および重合開始剤(例えば1,1
−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン)等で構成されている。
【0027】重合性材料3aは、はじめ低屈折率の重合
体を与える単量体成分を多くした混合比率でクラッド管
3内に噴霧される。ここで、重合性材料3aには、プラ
スチック光ファイバ用母材から得られるプラスチック光
ファイバの光伝送損失を低下させる観点から、α−フル
オロアクリル酸類が50重量パーセント以上含まれてい
ることが好ましい。
【0028】また、重合性材料3aの噴霧にあたって
は、材料供給管5をその材料供給口9がクラッド管3の
一端から他端まで移動されるように図2の双方向矢印A
に沿ってクラッド管3内に往復移動させることが好まし
く、このようにすることで、重合性材料3aがクラッド
管3の延び方向において均一に供給される。
【0029】そして、重合性材料3aをクラッド管3内
に噴霧したならば、材料供給管5をクラッド管3から退
かせ、その後、図3に示すように、内部ヒータ7の先端
を閉塞栓4b側から反応管2の中心軸線Cに沿って挿入
し、クラッド管3内に噴霧されたばかりの重合性材料3
aを適当な時間だけ加熱して重合せしめ、クラッド管3
の内面に重合体層3bを形成する(以下、重合管として
のクラッド管3の内面に、重合体層3bを積層して構成
されるものも「重合管10」ということとする)。な
お、内部ヒータ7により重合性材料3aを加熱するに当
たっては、重合性材料3aの酸化防止を図る観点から、
材料供給管5の分岐管5aから不活性ガス(例えば窒
素)で構成されるパージガスを導入することが好まし
い。図3において、波状矢印は内部ヒータ7から発せら
れる熱の移動を示すものである。
【0030】その後、内部ヒータ7を重合管10から退
かせ、以後、前述の重合性材料3aを噴霧する工程と内
部ヒータ7により重合性材料3aを加熱して重合せしめ
る工程とを交互に繰り返し行い、重合管10の内面に重
合体層3bを順次形成する。このとき、重合性材料3a
は、次第に高屈折率の重合体を与える単量体成分が多く
なるように混合比率を変更しつつ噴霧する。
【0031】前述の内部ヒータ挿入工程は、重合管10
の内面が重合体層3bの積層によって内部ヒータ7に接
触しそうになるまで行い、最後にその重合管10内に、
高屈折率の重合体を与える単量体成分の混合比率を多く
した重合性材料3aを充填し、重合させる。このように
して、クラッド管3内にグレーテッド型の屈折率分布を
もったコア部が形成され、GI型のプラスチック光ファ
イバ用母材の製造が完了する。
【0032】このようなプラスチック光ファイバ用母材
の製造方法によれば、重合管10の厚みが増加する場合
でも、重合管10の内部に挿入される内部ヒータ7によ
り、重合管10内に噴霧される重合性材料3aに必要な
熱が均一に与えられ、重合性材料3aに与える温度の調
節が容易となる。この結果、重合性材料3aの重合を制
御することが容易となり、ひいてはプラスチック光ファ
イバ用母材から得られる光ファイバの光伝送特性を向上
させることができる。
【0033】また、内部ヒータ7を重合管10内に挿入
することで、内部ヒータ7は、重合管10の内面に噴霧
される重合性材料3aと直接対峙することになる。すな
わち、内部ヒータ7は、外部ヒータ6によって重合性材
料3aを加熱する場合のように重合管10を介在させる
ことがない。このため、重合性材料3aの重合スピード
が増加し、ひいては重合管10内に重合体層3bが形成
されるサイクルが短縮される。特に、重合性材料3aが
外部ヒータ6によっても加熱される場合、その重合スピ
ードは、内部ヒータ7のみによって加熱する場合に比べ
て増加することになる。
【0034】このような内部ヒータ7を挿入する工程
は、外径の大きいプラスチック光ファイバ用母材、好ま
しくは外径が30mm以上の母材、を作製しようとする
場合に特に有効である。すなわち、重合管10の厚みが
増加して外部ヒータ6のみによっては重合管10内に噴
霧される重合性材料3aに熱が伝達され難くなる場合で
も、内部ヒータ7を重合管10内に挿入することで、重
合性材料3aの重合に必要な熱を与えることができる。
【0035】更に、本発明によれば、内部ヒータ7の
み、あるいは内部ヒータ7及び付加的に外部ヒータ6に
よっても重合性材料3aが加熱されるため、重合管10
の厚みが増加しても従来のように外部ヒータ6を過度に
加熱させる必要がなくなる。この結果、外部ヒータ6の
過度な加熱により重合管10が熱劣化を起こすことがな
くなり、ひいてはプラスチック光ファイバ用母材から得
られるプラスチック光ファイバにつき、その光伝送特性
の向上を図ることができる。
【0036】なお、本発明は、前述の実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、材料供給管5の先端に形成
された材料供給口9から重合性材料3aを重合管10の
内面に噴霧し、材料供給管5を重合管10内に出し入れ
するようにしたが、図4に示すように、材料供給管5の
側面に、その延び方向に沿って複数個の材料供給口9を
形成し、各材料供給口9から一気に重合性材料3aを噴
霧するようにすることもできる。この場合、重合性材料
3aを供給するにあたって、重合性材料3aが、重合管
10の内面に均一に噴霧されると共に材料供給管5を移
動させる工程も省かれることとなる。
【0037】また、重合性材料3aにあっては、コア部
又はクラッド部を構成すべき材料として、ワニス状とし
たポリマー材(例えば、2−フルオロアクリル酸ヘキサ
フルオロイソプロピルとメタクリル酸2,2,2−トリ
フルオロエチルとの混合物を重合させたもの)を揮発溶
媒(例えば、ジオキサン)に溶解させたポリマー溶液を
用いることもできる。すなわち、重合管10内に単量体
を供給して重合させるのではなく、予め重合させたポリ
マー材を使用するのである。この場合、内部ヒータ7に
よる加熱は、重合性材料3a中の揮発溶媒を除去するの
に利用される。
【0038】
【実施例】以下、実施例により、本発明の内容を具体的
に説明する。
【0039】(実施例1)水平に保持したガラス管(外
径:28mm、肉厚:1.5mm、長さ:60cm)2
を60rpmで回転させながら、材料供給管5をガラス
管2内に挿入し、クラッド部形成用の重合性材料3aと
して2−フルオロアクリル酸ヘキサフルオロイソプロピ
ル(以下、HFIP2−FAという)100重量部と、
ラジカル重合開始剤である1,1−ジ(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)
0.5重量部と、連鎖移動剤であるn−ブチルメルカプ
タン(以下、n−BMという)0.20重量部との混合
物168mlをガラス管2内に注入した。そして、この
重合性材料3aを、80℃に設定した外部ヒータ(内
径:15cm、長さ:80cm)6で1時間プレ重合さ
せた後、1500rpmで回転させながら9時間重合さ
せ、ガラス管2の内面に肉厚3.5mmのクラッド管3
を得た。
【0040】続いて、ガラス管2を100rpmで回転
させながら、重合性材料3aとして、HFIP2−FA
100重量部と、重合開始剤であるジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド(パーブチルD)0.2重量部と、連
鎖移動剤であるn−BM0.15重量部との混合物を噴
霧した。このとき、材料供給管5は、ガラス管2内で往
復移動させ、材料供給管5の先端に設けた材料供給口9
を通してガラス管2の内面全体に亘って重合性材料3a
を均一に噴霧するようにした。この際、クラッド管3内
を窒素でパージしながら行った。
【0041】次いで、ガラス管2を500rpmで回転
させながら、直径3mm、長さ58cmの棒状の内部ヒ
ータ7を閉塞栓4bを通してクラッド管3内に挿入し、
重合性材料3aを、90℃に設定した内部ヒータ7と9
0℃に設定した外部ヒータ6とによって加熱して重合さ
せ、重合体層3bを得た。このとき、内部ヒータ7は、
その先端が閉塞栓4aの近傍位置まで挿入した。また、
重合性材料3aを噴霧するにあたっては、材料供給管5
の材料供給口9からクラッド管3内に窒素を送り込みク
ラッド管3内をパージしつつ行った。
【0042】以後、クラッド管3の内面に重合体層3b
を積層させて構成される重合管10内に重合性材料を3
a噴霧する工程と、重合管10内に内部ヒータ7により
重合性材料3aを加熱し重合せしめる工程とを交互に繰
り返し行った。このとき、重合性材料3aを噴霧する毎
に、前述のHFIP2−FAに対して、メタクリル酸
2,2,2−トリフルオロエチル(以下、3FMAとい
う)の混合量を次第に大きくした。具体的には、HFI
P−FA100重量部に対し、3FMAの混合量を0重
量部から100重量部まで25重量部ずつ変更し、60
回に分けて行った。また、重合性材料3aは、1回につ
き約10ml噴霧した。
【0043】このようにして外径50mm、内径8mm
の重合管10を得た。そして、この重合管10内に、H
FIP2−FA100重量部に対し3FMA100重量
部を混合させた重合性材料3aを充填し、この重合性材
料3aを90℃に設定した外部ヒータ6で加熱して重合
させ、GI型の屈折率分布をもったプラスチック光ファ
イバ用母材を得た。
【0044】このようにして得られたプラスチック光フ
ァイバ用母材を線引き装置で線引きし、両端をカットし
て直径0.6mm、長さ3600mのプラスチック光フ
ァイバを得た。このプラスチック光ファイバの伝送損失
を、白色光源(安藤電気社製、AQ−4303B)及び
スペクトルアナライザ(安藤電気社製、AQ−6315
B)を用いて測定した。その結果、その伝送損失は波長
650nmの光に対し100dB/kmであった。
【0045】(比較例1)内部ヒータ7を使用せず、か
つ外部ヒータ6の設定温度を90℃にした以外は実施例
1と同様にして、直径0.6mm、長さ3600mのプ
ラスチック光ファイバを作製し、このプラスチック光フ
ァイバにつき、実施例1と同様の方法で伝送損失を測定
した。その結果、その伝送損失は、波長650nmの光
に対し130dB/kmであった。
【0046】(実施例2)水平に保持したガラス管2内
に、実施例1と同様の方法で肉厚6mmのクラッド管3
を作製した。そして、共重合比の異なる4種類のHFI
P2−FAおよび3FMAをそれぞれ重合させて、ワニ
ス状ポリマー材を作製し、これらをそれぞれ揮発溶媒に
溶かした4種類のポリマー溶液を用意した。具体的に
は、ポリマー材として、HFIP2−FAと3FMAと
の共重合比が4/1、3/1、2/1、3/2のものを
用意した。そして、中心軸回りに100rpmで回転す
るガラス管2内に、材料供給管5を閉塞栓4aを通して
挿入し、まず、HFIP2−FAと3FMAとの共重合
比が4/1のポリマー溶液を、クラッド管3の内面に2
0mlずつ10回に分けて噴霧した。このとき、材料供
給管5は、実施例1の場合と同様クラッド管3内で往復
移動させ、クラッド管3の内面全体に亘ってほぼ均一に
ポリマー溶液が噴霧されるようにした。
【0047】次いで、材料供給管5をクラッド管3から
退かせ、その後、ガラス管2を500rpmで回転させ
ながら、直径3mm、長さ58cmの棒状の内部ヒータ
7を閉塞栓4bを通して挿入し、120℃に設定した内
部ヒータ7と80℃に設定した外部ヒータ6とによって
クラッド管3内のポリマー溶液を加熱し、クラッド管3
の内面に重合体層3bを形成し、重合管10を形成し
た。このとき、クラッド管3内を窒素でパージしながら
行った。
【0048】以後、前述のワニス状のポリマー溶液を重
合体層3bの内面に噴霧する工程と、内部ヒータ7によ
りポリマー溶液を加熱して重合せしめる工程とを繰り返
し行った。ポリマー溶液を噴霧する工程においては、H
FIP2−FAと3FMAとの共重合比を3/1,2/
1,3/2としたポリマー溶液を順次用い、各ポリマー
溶液は、20mlずつ20回に分けて非連続的に噴霧し
た。このようにして、重合管10の内面に重合体層3b
を順次積層し、外径50mm、内径8mmの重合管10
を得た。そして、この重合管10内に、HFIP2−F
A100重量部と3FMA100重量部との混合物を含
む重合性材料3aを充填して90℃に設定した外部ヒー
タ6によって熱重合させ、GI型の屈折率分布をもった
プラスチック光ファイバ用母材を得た。
【0049】このようにして得られたプラスチック光フ
ァイバ用母材を線引き装置で線引きし、両端をカットし
て直径0.6mm、長さ3600mのプラスチック光フ
ァイバを得た。このプラスチック光ファイバの伝送損失
を、白色光源(安藤電気社製、AQ−4303B)及び
スペクトルアナライザ(安藤電気社製、AQ−6315
B)を用いて測定した。その結果、その伝送損失は波長
650nmの光に対し120dB/kmであった。
【0050】(比較例2)内部ヒータ7を使用せず、か
つ外部ヒータ6の設定温度を100℃にした以外は実施
例2と同様にして、直径0.6mm、長さ3600mの
プラスチック光ファイバを作製し、このプラスチック光
ファイバにつき、実施例2と同様の方法で伝送損失を測
定した。その結果、その伝送損失は、波長650nmの
光に対し180dB/kmであった。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、重
合性材料を回転する重合管の内面に塗布しかつ重合せし
める工程において、その重合管内に内部加熱手段を挿入
し、この内部加熱手段により重合性材料を加熱して重合
せしめるようにしたので、重合管の内面に順次重合体層
が形成されて重合管の厚みが増加する場合でも、重合管
の内面上に塗布された重合性材料に、重合体層の形成に
必要な熱が均一に与えられ、重合体層の形成を制御する
ことが容易となる。この結果、プラスチック光ファイバ
用母材から得られるプラスチック光ファイバの光伝送特
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラスチック光ファイバ用母材の
製造方法に好適な母材製造装置を示す縦断面図である。
【図2】重合性材料を塗布する工程における母材製造装
置の縦断面図である。
【図3】内部ヒータにより重合性材料を加熱する工程に
おける母材製造装置の縦断面図である。
【図4】図1の材料供給管の変形例を示す拡大側面図で
ある。
【符号の説明】 3…クラッド管(重合管)、3a…重合性材料、3b…
重合体層、6…外部ヒータ(外部加熱手段)、7…内部
ヒータ(内部加熱手段)、10…重合管、C…中心軸。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の重合管をその中心軸回りに回転
    させながら、重合性材料を前記重合管の内面に塗布しか
    つ重合せしめる工程を繰り返すことによって、前記重合
    管の内面側から中心部にかけて重合体層を順次積層して
    グレーテッド型の屈折率分布を形成するプラスチック光
    ファイバ用母材の製造方法であって、 前記重合性材料を前記重合管の内面に塗布しかつ重合せ
    しめる工程において、前記重合管内に内部加熱手段を挿
    入し、前記内部加熱手段により前記重合性材料を加熱し
    かつ重合せしめて前記重合体層を形成することを特徴と
    するプラスチック光ファイバ用母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 円筒状の反応管をその中心軸回りに回転
    させながら、前記重合性材料を前記反応管の内面に供給
    しかつ重合せしめることによって、前記反応管の内側に
    前記重合管を形成する工程を更に含むことを特徴とする
    請求項1記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重合性材料を前記重合管の内面に塗
    布しかつ重合せしめる工程を繰り返すにあたって、前記
    重合管の内面側から中心部にかけて前記重合体層の屈折
    率が高くなるように前記重合性材料を変更しつつ塗布し
    かつ重合させることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のプラスチック光ファイバ用母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記重合性材料を前記重合管の内面に塗
    布しかつ重合せしめる工程において、前記重合管内に材
    料供給管を挿入し、前記材料供給管を前記重合管の延び
    方向に沿って往復運動させながら前記重合性材料を該材
    料供給管の材料供給口を通して前記重合管の内面に塗布
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
    載のプラスチック光ファイバ用母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記重合性材料を前記重合管の内面に塗
    布しかつ重合せしめる工程において、前記重合管内を不
    活性ガス雰囲気とすることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項に記載のプラスチック光ファイバ用母材の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記重合性材料を前記重合管の内面に塗
    布しかつ重合せしめる工程において、前記重合管の外側
    に配置された外部加熱手段によって付加的に前記重合性
    材料を加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載のプラスチック光ファイバ用母材の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記重合性材料が、α−フルオロアクリ
    ル酸を50重量パーセント以上含むことを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか一項に記載のプラスチック光ファ
    イバ用母材の製造方法。
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