JP4726464B2 - 光学部材形成用重合性組成物、光学部材、および、光学部材の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)下記一般式(1)で表される重合性モノマーと、下記一般式(2)で表される重合性モノマーを含む光学部材形成用重合性組成物。
一般式(1)
一般式(2)
(2)さらに、フッ素置換されたチオール類を含む連鎖移動剤を含む(1)に記載の光学部材形成用重合性組成物。
(3)前記フッ素置換されたチオール類のフッ素含有率が、質量換算で20%以上である(2)に記載の光学部材形成用重合性組成物。
(4)前記フッ素置換されたチオール類が、下記一般式(3)、(4)および(5)で表される化合物の少なくとも1種である、(2)または(3)に記載の光学部材形成用重合性組成物。
一般式(3)
一般式(4)
一般式(5)
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物を重合させる工程を含む光学部材の製造方法。
(6)円筒状容器内で(1)〜(4)のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物の重合を行い、漸進的に増加する屈折率を有するコア部を形成する工程を含む、光学部材の製造方法。
(7)水平に保持された軸を中心として回転する円筒状容器内に、(1)〜(4)のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物を注入して重合を行って、前記円筒状容器の壁面から中心方向に一定な屈折率を有するクラッド部を形成する工程と、前記クラッド部との界面から中心部まで漸進的に、(1)〜(4)のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物であって、前記一般式(2)で表されるモノマーの前記一般式(1)で表されるモノマーに対する組成比が漸進的に増加している組成物を注入して重合を行って漸進的に増加する屈折率を有するコア部を形成する工程とを含む、光学部材の製造方法。
(8)(5)または(6)に記載の製造方法によって製造されてなる光学部材。
(9)屈折率の大きさに分布がある屈折率分布領域を有する(8)に記載の光学部材。
(10)下記一般式(1)で表される重合性モノマーと、下記一般式(2)で表される重合性モノマーとの共重合体を含む光学部材。
一般式(1)
(11)前記一般式(1)で表される重合性モノマーと、前記一般式(2)で表される重合性モノマーとの共重合体を含み、共重合比の異なる共重合体が層状に積層されてなる(10)記載の光学部材。
(12)共重合比の異なる共重合体の積層が同心円状に行われ、外周部から中心部に向かって共重合比が単調変化するように配置されてなる(11)に記載の光学部材。
本発明において、特に断わらない限り、「H」は水素原子を示し、「D」は重水素原子を示す。また、本発明における「重合」は、特に断わらない限り、「共重合」を含む趣旨である。
まず、本発明の光学部材形成用重合性組成物について説明する。
本発明の光学部材形成用重合性組成物は、構造が限定された複数種類の重合性モノマーを含む。本発明の光学部材形成用重合性組成物は、好ましくはフッ素置換されたチオール類からなる連鎖移動剤を含有する。本発明の光学部材形成用重合性組成物は、光学部材、特に、屈折率の大きさに分布を有する屈折率分布型光学部材の製造に好ましく用いることができる。以下、各々の材料について詳細に説明する。
本発明の光学部材形成用重合性組成物は、下記一般式(1)で表される重合性モノマーと一般式(2)で表される重合性モノマーをそれぞれ少なくとも1種類以上含有する。まず、下記一般式(1)で表される重合性モノマーについて説明する。
一般式(1)
R1、R2は、Dであることが好ましい。R3は、H、D、CH3、CD3、フッ素原子または塩素原子が好ましく、CD3またはフッ素原子、塩素原子がより好ましく、CD3がさらに好ましい。R4は炭素原子数2〜6のフッ素置換されたアルキル基が好ましく、炭素原子数2〜4のフッ素置換されたアルキル基がさらに好ましい。フッ素置換されたアルキル基については分岐や環構造をとっても良いが、直鎖のものが好ましい。さらにフッ素置換されたアルキル基中に存在するC−H結合は、その一部または全部がC−D結合に置換されていることが好ましい。すなわち、一般式(1)は、重水素化フルオロアルキルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
一般式(2)
すなわち、一般式(2)は、重水素化ハロゲン化フェニルメタクリレートを有していることが好ましく、その重水素化置換率は95%以上100%未満であるのが好ましい。
本発明の光学部材形成用重合性組成物は、前記重合性モノマーの重合を開始させる重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、用いるモノマーの種類や重合方法に応じて適宜選択することができるが、例えば国際公開WO93/08488号公報に記載されている様な、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物が挙げられる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。
もちろん、本発明で用いる重合開始剤は、これらに限定されるものではなく、また、2種類以上を併用してもよい。
本発明の光学部材形成用重合性組成物は、連鎖移動剤を含有していてもよい。前記連鎖移動剤は、主に重合体の分子量を調整するために用いられる。連鎖移動剤は、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、その種類および添加量を選択することができる。連鎖移動剤として、好ましくは、チオール類であり、より好ましくは、フッ素置換されたチオール類である。フッ素置換されたチオール類を採用することにより、伝送損失をより軽減し、光伝送能をより向上させることができる。また、屈折率分布型光学部材を作製する場合は、屈折率分布差を大きく確保でき、屈折率分布構造を形成し易いのでさらに好ましい。
一般式(4)
なお、本発明における、少なくとも一部がフッ素置換されたアルキル基とは、アルキル基の置換基部分のみがフッ素原子で置換されているものも含む趣旨である。
また、フッ素原子またはCF3基で置換されたアリール基はさらに置換されていてもよい。これらの置換基としても、上記フルオロアルキル基に用いられる置換基が好ましい。
本発明の光学部材形成用重合性組成物は、上記重合性モノマーからなるホモポリマーと異なる屈折率を有する化合物(以下、「ドーパント」という場合がある)を含有していてもよい。本発明の光学部材形成用重合性組成物にドーパントを含有させることによって、光学部材に屈折率の分布を容易に導入することができる。ドーパントは、国際公開WO93/08488号公報や、特開平5−173026号公報に記載されているような、モノマーの合成によって生成されるポリマーとの比較において溶解性パラメータの差が7(cal/cm3)1/2以内であると共に、これを含有する組成物が無添加の組成物と比較して、屈折率が異なる(高くても低くても良い)性質を有するものをいい、その屈折率差が、0.001以上を示すことを特徴とする。この性質を有し、重合性モノマーの重合条件(加熱、光照射、および加圧等)の下において安定で、重合後の重合体と共存可能且つ重合体を構成するモノマーに対して非重合性である材料を用いることができる。例えば、ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,3−ジプロポキシシクロヘキサン)、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジルnブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)などが挙げられ、中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOが好ましい。なお、ドーパントは以上に挙げた低分子の有機化合物以外に、2〜10のオリゴマー(例えばトリフルオロエチレンオリゴマー)も含まれるものとする。なお、屈折率を調整する低分子有機化合物は2種類以上併用してもよい。本発明の場合、光が通るコア部(またはインナーコア部)には上記ドーパントは添加しないほうが好ましく、クラッド部に低屈折率のドーパント(例えばパーフルオロデカリンなど)を添加するのが好ましい。ただし本発明の場合上記ドーパントを添加しなくてもよい。
コア材料は、一般式(1)で表される重合性モノマーと一般式(2)で表される重合性モノマーの共重合体が用いられ、その他に散乱損失を悪化させない程度に高いガラス転移温度Tgを有するような重合性モノマーを共重合させたものでもよい。例えば、イソプロピルメタクリレート(IPMA)、t−ブチルメタクリレート(tBMA)、イソボルニルメタルリレート(IBMA)、ノルボルニルメタクリレート(NBMA)、トリシクロデカニルメタクリレート(TCDMA)等が挙げられる。本発明においては、一般式(1)で表される重合性モノマーと、一般式(2)で表される重合性モノマーの共重合だけの組み合わせポリマーからなるコア材料が好ましい。特に、一般式(1)で表されるモノマー(例えば、例示化合物のFA−1)に対し、一般式(2)で表されるモノマー(例えば、例示化合物のFP−1)を漸進的に組成比を変化させて共重合させることで屈折率分布の付与と、Tgの向上の双方が見込める点でより好ましい。
図2はコア部が一般式(1)で表される重合性モノマーと一般式(2)で表される重合性モノマーの組成比を連続的に変化させた場合のプリフォームの断面図である。プリフォーム62はクラッド部213とコア部232を有しているが、コア部には明確な層は存在していない。
内径18.5mm、長さ17cmの内面がポリフッ化ビニリデンからなる重合容器を用意し、本発明の化合物FA−8(トリフルオロエチルメタクリレート)を80重量部、本発明の化合物FP−31(ペンタフルオロフェニルメタクリレート)を20重量部からなる混合溶液に重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレートを0.1mol%、連鎖移動剤としてラウリルチオールを総モノマーに対し0.09mol%添加した混合溶液を調製した。調整した溶液は5分間、窒素気流にて置換を行い、WHATMAN製のPTFEメンブランフィルター(WHATMAN製、型番6784−1302、以下同じ)にて濾過した後、重合容器中へ注入し、テフロン材質(テフロン:登録商標)よりなる栓にて密封した。その後、重合容器を水平に保持し、2000rpmの回転を与え95℃にて2時間加熱重合し、これをクラッド部とした。次にFA−8が76.2重量部、FP−31が23.8重量部からなる混合溶液に重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレートを0.1mol%、連鎖移動剤としてラウリルチオール(フッ素置換されていない)を0.09mol%添加した混合溶液を調整した。調整した溶液は5分間、窒素気流にて置換を行い、PTFEメンブランフィルターにて濾過した後、クラッド部が付与された中空間内部に注入し、その後、重合容器を水平に保持し、2000rpmの回転を与え95℃にて2時間加熱重合し、これを第1層目のコア層とした。その後、表1に従う処方により第一コア層の形成と同様の手順にてコア層を積層させ、第10コア層まで形成させた後にさらに95℃にて6時間の熱処理を施し、最終的に外径18.5mm、穴径3mmのプリフォームを得た。なお、クラッド部の厚みは1.5mm、コア各層の厚みは一定の0.625mmとなるように仕込量を調整した。得られたプリフォームは25℃雰囲気下にて−0.1Mpaの減圧度にて100時間の減圧乾燥処理を行なった後に、中空部を減圧装置に接続し、200℃の内温を有する電気炉にて−4MPaの減圧度にて減圧させながら加熱延伸を行う事で中空部を潰し、外径470μmのPOFを130m得た。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡(溝尻光学(株)製、型番TD−20、以下同じ)にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFの伝送損失の測定を行なったところ、650nmで120dB/km、780nmで450dB/km、850nmで1200dB/kmであった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで122dB/km、780nmで460dB/km、850nmで1250dB/kmであった。
内径19.5mm、長さ17cmの内面がポリフッ化ビニリデンからなる重合容器を用意し、MMAが100重量部からなる混合溶液に重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレートを0.1mol%、連鎖移動剤としてラウリルチオールを0.09mol%添加した混合溶液を調整した。調整した溶液は5分間、窒素気流にて置換を行い、PTFEメンブランフィルターにて濾過した後、重合容器中へ注入し、テフロン材質よりなる栓にて密封した。その後、重合容器を水平に保持し、2000rpmの回転を与え95℃にて2時間加熱重合し、これをクラッド部とした。次に、MMAが96.2重量部、ベンジルメタクリレート(BzMA)3.8重量部からなる混合溶液に重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレートを0.1mol%、連鎖移動剤としてラウリルチオールを0.09mol%添加した混合溶液を調整した。調整した溶液は5分間、窒素気流にて置換を行い、PTFEメンブランフィルターにて濾過した後、クラッド部が付与された中空間内部に注入し、その後、重合容器を水平に保持し、2000rpmの回転を与え95℃にて2時間加熱重合し、これを第1層目のコア層とした。その後、表2に従う処方により第一コア層の形成と同様の手順にてコア層を積層させ、最終的に外径19.5mm、穴径3mmのプリフォームを得た。得られたプリフォームは中空部を減圧装置に接続し、200℃の内温を有する電気炉にて−4MPaの減圧度にて減圧させながら加熱延伸を行う事で中空部を潰し、外径470μmのPOFを130m得た。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布のg乗近似を行なったところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFの伝送損失の測定を行なったところ、650nmで190dB/km、780nmで780dB/km、850nmで2870dB/kmであった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで200dB/km、780nmで930dB/km、850nmで3200dB/kmとなり、吸水によるOH振動吸収損失による大きな伝送損失の悪化が認められた。
用いるモノマーとしてFA−8とFP−31の代わりにイソボルニルメタクリレートを用いる以外は実施例1と同様の方法にてPOFを作製した。得られたPOFの伝送損失測定を行なったところ、650nmで380dB/km、780nmで770dB/km、850nmで1750dB/kmであった。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで390dB/km、780nmで780dB/km、850nmで1850dB/kmであった。
用いるモノマーとしてt−ブチルメタクリレートと、FP−31を用いる以外は実施例1と同様の方法にてPOFを作製した。得られたPOFの伝送損失測定を行なったところ、650nmで610dB/km、780nmで810dB/km、850nmで1750dB/kmであった。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで615dB/km、780nmで820dB/km、850nmで1850dB/kmであった。
用いるモノマーとしてFA−1と、フェニルメタクリレートを用いる以外は実施例1と同様の方法にてPOFを作製した。得られたPOFの伝送損失測定を行なったところ、650nmで660dB/km、780nmで850dB/km、850nmで1850dB/kmであった。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで670dB/km、780nmで860dB/km、850nmで1980dB/kmであった。
用いる連鎖移動剤としてラウリルチオールの代わりにSH−8を用いる以外は実施例1と同様の方法にてPOFを作製した。得られたPOFの伝送損失測定を行なったところ、650nmで117dB/km、780nmで445dB/km、850nmで1180dB/kmであった。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで122dB/km、780nmで450dB/km、850nmで1250dB/kmであった。
用いるモノマーとして本発明の化合物FA−1とFP−1を用いる以外は実施例1と同様の方法にてPOFを作製した。得られたPOFの伝送損失測定を行なったところ、650nmで80dB/km、780nmで110dB/km、850nmで120dB/kmであった。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで100dB/km、780nmで122dB/km、850nmで160dB/kmであった。
連鎖移動剤として本発明の化合物SH−16を用いる以外は実施例3と同様の方法にてPOFを作製した。得られたPOFの伝送損失測定を行なったところ、650nmで78dB/km、780nmで105dB/km、850nmで114dB/kmであった。得られたPOFの屈折率分布を2光束透過型干渉顕微鏡にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFを25℃/95%相対湿度下にて100時間放置した後、伝送損失を測定したところ、650nmで80dB/km、780nmで118dB/km、850nmで150dB/kmであった。
62 プリファーム
212 グラッド部
213 グラッド部
231 コア部
232 コア部
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表される重合性モノマーと、下記一般式(2)で表される重合性モノマーと、フッ素置換されたチオール類を含む連鎖移動剤を含む光学部材形成用重合性組成物。
一般式(1)
一般式(2)
- 前記フッ素置換されたチオール類のフッ素含有率が、質量換算で20%以上である請求項1に記載の光学部材形成用重合性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物を重合させる工程を含む光学部材の製造方法。
- 円筒状容器内で請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物の重合を行い、漸進的に増加する屈折率を有するコア部を形成する工程を含む、光学部材の製造方法。
- 水平に保持された軸を中心として回転する円筒状容器内に、請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物を注入して重合を行って、前記円筒状容器の壁面から中心方向に一定な屈折率を有するクラッド部を形成する工程と、前記クラッド部との界面から中心部まで漸進的に、請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材形成用重合性組成物であって、前記一般式(2)で表されるモノマーの前記一般式(1)で表されるモノマーに対する組成比が漸進的に増加している組成物を注入して重合を行って漸進的に増加する屈折率を有するコア部を形成する工程とを含む、光学部材の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されてなる光学部材。
- 屈折率の大きさに分布がある屈折率分布領域を有する請求項7に記載の光学部材。
- 下記一般式(1)で表される重合性モノマーと、下記一般式(2)で表される重合性モノマーと、フッ素置換されたチオール類を含む連鎖移動剤とを含む重合性組成物を重合してなる光学部材。
一般式(1)
一般式(2)
- 前記一般式(1)で表される重合性モノマーと、前記一般式(2)で表される重合性モノマーと、フッ素置換されたチオール類を含む連鎖移動剤を含む重合性組成物を重合してなる共重合体を含み、共重合比の異なる共重合体が層状に積層されてなる請求項9に記載の光学部材。
- 共重合比の異なる共重合体の積層が同心円状に行われ、外周部から中心部に向かって共重合比が単調変化するように配置されてなる請求項10に記載の光学部材。
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