JP2008511011A - 光結合方法及び光送受信装置 - Google Patents

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Abstract

プラスチック光ファイバ11はコア12とクラッド13とを有する。クラッド13は、アウタークラッド14とインナークラッド15を備える。コア12の屈折率は中心に向かって連続的に大きくなっている。インナークラッド15の屈折率はコア12の屈折率の最小値と等しく、アウタークラッド14の屈折率はインナークラッド15の屈折率よりも小さい。プラスチック光ファイバ11と発光デバイス又は受光デバイスとの間の伝送損失を低減するために、コア12の直径d1とインナークラッド15の外径d2とは、
100(μm)≦d1≦700(μm)
200(μm)≦d2≦1000(μm)
d1<d2
の条件を満たす。

Description

本発明は、プラスチック光ファイバ等の伝送媒体を介して光信号を伝送するための光結合方法及び光送受信装置に関する。
光ファイバは、光が通るコアと、このコアを覆うクラッドとからなる。クラッドは、コアよりも屈折率が低い。一般的に、この光ファイバには、グラス光ファイバとプラスチック光ファイバ(POF)がある。グラス光ファイバのコアは、石英またはガラスからなる。グラス光ファイバの例としては、コアとクラッドとが共に石英である全石英光ファイバや、コアが石英でありクラッドがシリコーンやフッ素系ポリマー等であるポリマークラッド光ファイバ、コアとクラッドとが共にガラスである多成分光ファイバが挙げられる。一方、POFのコアとクラッドはプラスチック材料からなる。
石英系光ファイバ、POFのいずれにおいても光の伝送損失を減らすために、様々な構造が提案されている。例えば、クラッドを2層構造(コアとクラッド)とし、コアの屈折率をコアの中心から離れるにつれて連続的に変化させ、コアとクラッドの屈折率と、クラッドの直径とを調整して伝送損失を減らす光ファイバや、コアとクラッドの屈折率と、コアの直径とが所定の関係式を満たす光ファイバ(例えば、非特許文献1参照)等が提案されている。
光伝送体としてのプラスチック系材料は、石英系材料に比べ、成型性、重量、低コスト化、可撓性、耐衝撃性等における優位性を有している。プラスチック光ファイバは、グラス光ファイバと較べると、光の伝送損失が大きいために長距離の光信号伝送には向いていないが、コア部の大口径化(例えば、数マイクロメートル以上)を可能にする。従って、プラスチック光ファイバを用いることにより、光ファイバの分岐や接続に用いる光学機器の、光ファイバとの接続精度を上げる必要がなくなる。そのため、プラスチック光ファイバは、接続容易性、端末加工容易性、高精度の調芯が不要になる等のメリットを有する。その他にもプラスチック光ファイバは、人体への突き刺し災害等の危険性の低さ、簡易構造、高い耐振動性、そして低価格等のメリットがある。これにより、プラスチック光ファイバは、家庭や、車載用途だけでなく、高速データ処理装置の内部配線や、DVI(digital Video Interface)リンクなどの短距離かつ大容量のケーブルとしても、利用が検討されている。
ところで、POFは民生用途においては着脱式の結合形態を用いる事が多く、結合時の位置ズレへの許容度を増すために、大口径のプラスチック光ファイバが用いられる。大口径のプラスチック光ファイバの場合、開口数の大きな光源(発光素子、発光デバイス)に対しての結合の許容度は増すが、ファイバ端面からの信号光の出射角も広がってしまう。出射角を小さくするために、光ファイバ端面から受光素子(受光デバイス)までの距離を近づける方法が考えられるが、これは高精度の位置調整が求められるため、結合の簡便性というPOFの利点が失われてしまう。この様な問題に対して、集光要素を光ファイバ端面と受光素子の間に配置したり、受光素子を大面積化したりする方法が知られている(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。
特開2002−311260号公報 特開2002−350654号公報 「光ファイバーの使い方と留意点」(株)オプトロニクス社、1992年、p.87
しかしながら、上記の集光要素は、光学系の界面においてフレネル損失を発生させ、光学部品の増加によるコスト増を招く。また、受光素子の大型化によりコスト増を招いたり、暗電流が増加して感度を低下させたりする。そこで、光ファイバの大口径化による利点を損ねず、低価格で光送受信を実現することが求められている。
そこで、本発明は、大口径のプラスチック光ファイバと受光素子間で良好な結合を実現し、プラスチック光ファイバを介して発光素子から受光素子までの伝送特性を向上させる光結合方法と、光送受信装置とを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、発光デバイスと受光デバイスとがグレイデッドインデックス型プラスチック光ファイバを介して結合され、発光デバイスからの光線がグレイデッドインデックス型プラスチック光ファイバの一端から入射して他端から出射し、受光デバイスに入射する。プラスチック光ファイバは、略円形の断面を有し、中心に向かうにつれて屈折率が高くなる屈折率分布を有するコアと、コアの外周に設けられ、コアと同じか、それよりも低い屈折率を有する第1クラッドと、第1クラッドの外周に設けられ、第1クラッドよりも低い屈折率を有する第2クラッドとを備える。
プラスチック光ファイバは、以下の条件を満たす;
100(μm)≦d1≦700(μm)
200(μm)≦d2≦1000(μm)
d1<d2
ここで、d1はコアの直径、d2は第1クラッドの外径である。
発光デバイスの開口数が0.05以上0.35以下であることが好ましい。コアと第1クラッドは、
0.5×d2≦d1
300(μm)≦d1≦700(μm)
350(μm)≦d2≦1000(μm)
の条件を満たすことが好ましい。
第1クラッドの外径は、プラスチック光ファイバへの入射光線の径と同じか、それよりも大きいことが好ましく、発光デバイスの開口数は、コアの開口数よりも小さいことが好ましい。プラスチック光ファイバと受光デバイスとを、集光要素を用いることなく、1μm以上1000μm以下の間隔で接続することが好ましい。
また、発光デバイスが光共振器を備えていることが好ましい。
本発明によれば、発光素子と受光素子とが大口径のプラスチック光ファイバを介して結合されるから、発光素子から受光素子までの伝送特性を向上させることができる。
本発明の実施の形態について図を引用しながら説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。まず、製造されるプラスチック光ファイバの構造とその性状について説明する。プリフォームを延伸することによりプラスチック光ファイバを製造する方法については後述するものとする。
図1において、POF(プラスチック光ファイバ)11は、光を通すコア12と、POFの外殻部であるクラッド13とを備える。クラッド13は、インナークラッド15とアウタークラッド14を有する。インナークラッド15はアウタークラッド14の内壁に接しており、コア12はインナークラッド15の内側に形成されている。図1に示すように、コア12の直径と、インナークラッド15の外径と、アウタークラッド14の外径とをそれぞれd1(μm)、d2(μm)、d3(μm)とする。外径d2は、アウタークラッド14の内径に等しく、コア12の直径d1はインナークラッド15の内径に等しい。
アウタークラッド14は、厚みが均一の管形状であり、外径d3及び内径が長手方向で一定である。アウタークラッド14は、例えば、溶融押出成型によりポリフッ化ビニリデン(PVDF)から形成される。アウタークラッド14は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の、後で詳細に述べるような他の材料から形成されてもよい。インナークラッド15は、管形状であり、外径d2及び内径が長手方向で一定である。インナークラッド15はPMMA等の重合体からなる。アウタークラッド14とインナークラッド15は、溶融押出成型により同時に形成されてもよいし、アウタークラッド14を溶融押出成型で形成した後、この中にメチルメタクリレート(MMA)等の重合性化合物を注入して、アウタークラッド14を回転させながら化合物を重合反応させ、内側にインナークラッド15を形成する、というように逐次的に形成されてもよい。
図2はPOFの屈折率分布を示す図である。なお、図2において、横軸はPOFの中心からの径方向での距離を示し、縦軸は屈折率を示す。屈折率は、上方向に行くほど値が高い。図2において、範囲(C)はアウタークラッド14の屈折率であり、範囲(D)はインナークラッド15の屈折率であり、範囲(E)はコア12の屈折率である。
コア12は、図2に示されるように、外側から中心に向けて屈折率が連続的に高くなっている。アウタークラッド14はインナークラッド15よりも屈折率が低く、インナークラッド15の屈折率はコア12の屈折率と同じか、それよりも低くなっている。本実施形態によると、コア12の屈折率の最小値は、インナークラッド15の屈折率と同じである。本実施形態においては、コア12の屈折率が、径の外側から中心に向けて連続的に高くなるように、コア12は後述の界面ゲル重合法により形成される。なお、コア12の径方向において、屈折率の最大値と最小値との差が0.001以上0.3以下であることが好ましい。この構造によりPOF11は、光伝送体としての機能を発現する。また、インナークラッド15とコア12との境界(図1参照)は明瞭なことが好ましいが、POF11において境界は、必ずしも確認できるものでなくともよい。
POF11への入射光は、図2に示す屈折率関係を有するコア12とインナークラッド15との端面から入射する。インナークラッド15に入射した光の一部はコア12に伝播して、コア12の内部を通過する。これにより、入射光の大部分がコア12の端面より出射する。従って、図2に示すような屈折率分布とすることにより、光の入射面積を大きくして、POF11から出射する光の広がりを小さくすることができる。
インナークラッド15の外径d2は200μm以上1000μm以下であるので、アウタークラッド14の外径d3は200μmよりも大きくなる。さらに、コア12の直径d1(外径d2よりも小さい)は100μm以上700μm以下である。これにより、LEDを発光素子とし、PD(photo diode)を受光素子とするときに、POFの入射側と出射側とにおける伝送損失を低減することができ、POF両端での各光学素子との結合位置における伝送損失が低減される。
インナークラッド15の外径d2が200μmよりも小さいと、受光面積が小さくなり(コア12)、コア12は発光素子であるLEDの光を十分に受けることができない。一方、外径d2が1000μmよりも大きい場合には、コア12は必要とされる受光面積よりも大きくなりすぎる。また、コア12の直径d1が100μmよりも小さい場合には、出射光の光軸のズレに対する許容度が小さくなる。直径d1がインナークラッドの外径d2より小さくても、700μmよりも大きい場合には、POFと受光素子間の結合効率が低下する。入射した光はグレイデッドインデックス(GI)型POFにおいて収束して、その光束の面積は入射位置からある距離(概ね20〜30m)で出射光の面積となるので、POFがこの収束距離よりも長い場合には径d1、d2を上記範囲内とすることが望ましい。
コア12の直径d1は、300μm以上700μm以下であることがより好ましく、450μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。また、インナークラッド15の外径d2は、350μm以上1000μm以下であることがより好ましく、700μm以上750μm以下であることがさらに好ましい。また、コア12の直径d1は、インナークラッド15の外径d2の1/2より大きいことが好ましい。
また、インナークラッド15は、図2に示すように屈折率が径方向において概ね一定となっているが、インナークラッドの屈折率はアウタークラッド側からコア側にいくにつれて段階的に、又は連続的に大きくなってもよい。ただし、その屈折率の最大値と最小値との差はできるだけ小さいことが好ましい。
コア12とインナークラッド15との境界が明確でない場合には、直径d1と外径d2を以下のように決定することができる。コア12とインナークラッド15とは前述のような屈折率関係を有するので、コア12からの出射光の光強度と、インナークラッド15からの出射光の光強度が互いに異なる。したがって、POFの径方向における光強度のグラフでは、急激な立ち上がりや降下が確認される。この大きな変化をみせる箇所がコア12とインナークラッド15との境界であるとみなされる。したがって、この大きな変化が見られる箇所間の距離がコア12の直径d1であり、上記の方法によって得られた境界から光強度がゼロの位置までの距離がインナークラッド15の外径d2である。
また、本発明は2層以上の構造のコアにも適用することができる。なお、コアの屈折率が段階的に変化する擬似的なGI型POF(いわゆるマルチステップ型POF)に関しても、同様な効果が発現される可能性はあるが、マルチステップ型POFはGI型POF(屈折率が連続的に変化する)と比べて伝送性能の面で効果が小さい。コア12が2層以上の構造であるときには、POFからの出射光の最大強度の5%の強度を示す位置をコア12の範囲とみなし、出射光の強度がゼロとなる箇所をインナークラッド15の範囲とみなすとよい。
上記のコア12とインナークラッド15との好ましい値は、アウタークラッド14の外径d3に依存するものではない。例えば、500μm以上1200μm以下の範囲内の異なる外径d3を有する複数のPOFのサンプルを作製し、これらPOFサンプルの光学特性を測定したところ、本発明の目的達成が可能であった。そのデータの一部に関しては後述の実施例にて示す。なお、本実施形態ではクラッド13が2層構造(アウタークラッド14及びインナークラッド15)とされているが、1層構造でも、3層以上の構造でもよい。
図3は、POF及びこのPOFを使用した光ファイバケーブルの製造工程図である。製造工程の詳細については後述する。POF11は、プリフォーム21を長手方向に延伸することにより得られる。したがって、POF11の径はプリフォーム21の径より小さい。プリフォーム21はアウタークラッド、インナークラッド、及びコアを有し、その基本構造は、径を除いてはPOF11とほぼ同じである。プリフォーム21のコアとクラッドとはPOF11のコア12とクラッド13とにそれぞれ該当する。
まず、アウタークラッドパイプ作製工程22において、プリフォーム21のアウタークラッドパイプ23が製造される。このアウタークラッドパイプ23は、POF11のアウタークラッド14(図1参照)と同様に、プリフォーム21の外殻となる。そして、インナークラッド重合工程25において、インナークラッドは、プリフォーム21の断面中央が中空となるようにアウタークラッドパイプ23の内壁に形成される。アウタークラッドパイプ23とインナークラッドとが、溶融押出等により、一体に成型されてもよい。次に、プリフォーム21の中空部にコアを生成するコア重合工程26を経て、プリフォーム21が得られる。POF11は、延伸工程27においてプリフォーム21を延伸することにより作製される。プリフォーム21自身も、光伝送体としての機能を発現する。この延伸工程27では、円柱状のプリフォーム21が加熱されて長手方向に延伸され、POF11が形成される。そして、POF11は、その外周を被覆材により被覆される被覆工程28を経て、プラスチック光ファイバケーブル29となる。
以下に製造工程について詳細に説明する。アウタークラッドパイプ23は、所定のポリマーを溶融押出により管状に成型して得ることもできるし、あるいは重合性モノマーを含む重合性化合物を、回転する管状容器内で重合させる回転重合法等により作製することもできる。本実施形態では、ポリマー原料(アウタークラッド形成ポリマー)としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、溶融押出によりアウタークラッドパイプを形成した。溶融押出工程には、市販の各種混練押出成型機を用いることができる。次に、アウタークラッドパイプ23の内壁にインナークラッドを形成した。インナークラッドを形成するポリマー原料としてはポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いた。インナークラッド形成方法は、アウタークラッドと同様(回転重合法)でもよいし、アウタークラッドを溶融押出により形成する場合には、共押出等でアウタークラッドと同時形成する方法でもよい。
回転重合法によりインナークラッドを形成する場合、アウタークラッドパイプ23の一方の端部をフッ素系樹脂を用いた栓等により塞ぐ。そして、アウタークラッドパイプの中空部に、インナークラッドの原料である重合性化合物(インナークラッド用モノマー)を注入する。本実施形態においては、メチルメタクリレート(MMA)をインナークラッド用モノマーとして用いているが、他のモノマーでもよい。インナークラッド用モノマーの例は後述するものとする。インナークラッド用モノマー注入後、Arガス等の不活性ガスにてアウタークラッドパイプ23の中空部を置換し、反対側の端部をフッ素系樹脂を用いた栓で塞ぐ。そして、アウタークラッドパイプ23は、ステンレス管でできた保護管に保護される。アウタークラッドパイプ23を収容した保護管を回転させながら過熱し、インナークラッド用モノマーの重合反応を行う。この際、必要に応じ、回転速度、加熱温度をコントロールする。回転速度は、アウタークラッドパイプ23の外径にしたがって選択することが好ましいが、300rpmから8000rpmが好ましい。加熱温度は、モノマー種、重合開始剤種、量、連鎖移動剤種、量などに基づき選択されるが、35℃から140℃の間で選択されるのが好ましい。また、加熱温度は、重合工程開始期から終了期にしたがって、段階的あるいは連続的に上げていくことが好ましく、重合反応により重合性モノマーが発熱ピークを示す場合は、その発熱ピーク直前又は直後で上昇させることが好ましい。また、重合工程直後に、減圧し、未反応モノマー等を除去することも好ましい。減圧、及び未反応モノマー等の除去を、常温で行うか加熱下で行うかは、重合するモノマーの種類によって適宜選択することが好ましい。
インナークラッドの前記中空部にコアを形成してプリフォームとした後、POFを製造する。図4は、コアを形成するための重合装置を示す図である。図2に示した屈折率分布を有するPOFを得るために、コアを界面ゲル重合法により形成する。界面ゲル重合法を用いたコア部の形成方法は特許3332292号公報記載のように、長手方向が縦となるように重合容器を静置して重合させる方法や、特開平8−262240号公報記載のように重合容器を回転させながら重合させる方法などがある。
本実施形態では、長手方向が縦となるように重合容器を静置してコア用モノマーを重合させる。まず、アウタークラッドパイプ23の一方の端部を、フッ素系樹脂で形成された栓により塞ぐ。そして、インナークラッドの中空部に、コアの原料である重合性化合物(コア用モノマー)を注入する。本実施形態においては、MMAをコア用モノマーとして用いているが、他のものでもよい。コア用モノマーの例は後述するものとする。
なお、コア用モノマーが充填される前のアウタークラッドパイプ23を、所定時間減圧下におくことが好ましい。この減圧処理を行わないと、アウタークラッド形成ポリマーやインナークラッド形成ポリマー、およびその中に含まれる水や空気が、コア用モノマーの重合時に加熱された際体積膨張しやすい。従って、この減圧処理により、アウタークラッドやインナークラッドに歪みやひび割れ等が発生する現象や、プリフォームの内部の分子密度がばらついてしまうという現象を抑制することができる。
また、コア用モノマー(MMA)をインナークラッドの中空部に注入するときには、重合開始剤、連鎖移動剤、および屈折率調整剤(ドーパント)等がともに注入される。これらの重合開始剤や連鎖移動剤、ドーパントの各添加量については、後述する。なお、ドーパントを用いずに、例えばコア用モノマーを2種以上用いることによっても、コアの径方向における屈折率を変化させることができる。本実施形態においては、コア内の屈折率を変化させるために、コア用モノマーと重合しないドーパントが使用されている。ドーパントは、高屈折率で分子体積が大きく、低分子の化合物である。
コア用モノマーの重合は、図4に示すような重合装置40により行う。重合装置40は、重合容器41と、圧力計44と、圧力コントローラ45と、温度計47と、温度コントローラ48とを備えている。さらに、重合容器41には、不活性ガスとしての窒素を供給する窒素供給元51が備えられている。そして、重合容器41は容器本体41aと蓋41bとを有しており、容器本体41aと蓋41bとは、ネジ(図示せず)で固定される。ただし、本発明は、重合容器の構造には依存せず、重合容器41とは異なるものを用いてもよい。
圧力計44は、重合容器41の内部の圧力を検知する。圧力コントローラ45は、圧力計44の検知結果に応じて、窒素供給元51からの窒素供給量を調節して、重合容器41の内部の圧力を制御する。窒素供給元51により、重合容器41の内部空気は窒素に置換される。容器本体41aと蓋41bとがネジ留めされることにより、内部の圧力と、窒素の供給量とを精巧に制御することが可能となっている。重合容器41に供給されるガスは、他の不活性ガス(アルゴン等)でもよい。また、温度計47は、重合容器41の内部の温度を測定する。温度コントローラ48は、温度計47の測定温度に応じて、容器本体41に備えられる加熱線を流れる電流を制御する。
アウタークラッドパイプ23は、コア用モノマー及び重合開始剤、連鎖移動剤、ドーパント等の混合物がインナークラッドの中空部に注入された状態で、治具としてのガラス管52に挿入される。アウタークラッドパイプ23を収容したガラス管52は、重合容器41内に垂直に静置される。なお、コア用モノマーが注入された状態のアウタークラッドパイプ23には、ガラス管52に挿入される前、あるいは、挿入された状態で、脱気処理が施されることが好ましい。この脱気処理方法としては、簡便さならびに効果の点で、減圧チャンバ等による減圧処理が好ましい。減圧チャンバ内では、アウタークラッドパイプ23に超音波を作用させることが好ましい。減圧処理は、30分以上行うことが好ましい。
アウタークラッドパイプ23が挿入されたガラス管52が容器本体41aにセットされ、蓋41bが容器本体41aにネジ留めされると、窒素供給元51から重合容器41の内部へ窒素が供給されるとともに、バルブV1を開状態とすることにより重合容器41の内部の空気が出される。これにより重合容器の内部の空気は窒素に置換される。窒素置換した後、重合容器41の内部圧力は、所定の値となるように圧力コントローラ45により制御される。そして、コア用モノマーの重合は、温度コントローラ48により、所定の温度下で所定の時間加熱された状態で行う。重合工程における圧力は、気圧より高くすることが好ましい。
コア用モノマーが重合を開始すると、インナークラッドの内壁がコア用モノマーにより膨潤し、重合初期段階ではゲル状の膨潤層を形成する。この膨潤層は、コア用モノマーの重合反応を促進する。この重合工程は、インナークラッドの側面から開始し、アウタークラッドパイプ23の軸方向に対して中心に向かって進行する。このとき、膨潤層の内部へは、分子体積の小さい化合物ほど優先的に入り込むため、分子体積の大きなドーパントはアウタークラッドパイプ23の中心方向へと押し出される。この結果、重合工程の進行と共に、アウタークラッドパイプ23の中心部における、高屈折率のドーパントの濃度が高くなるため、インナークラッド側から中心に向かって屈折率が高くなるような屈折率分布を有するプリフォーム21(図3参照)を得ることができる。プリフォーム21は、膨潤層を形成しながら作成されるので、インナークラッドとコア間で明確な境界がない。インナークラッド用モノマーとコア用モノマーの種類、及び相互の親和性、または膨潤層形成等の製造条件に応じて、インナークラッドとコアとの境界の明確度は異なる。
重合容器41内でのコア用モノマーの重合時には、コア用モノマーが注入されたアウタークラッドパイプ23を、ガラス管52等の治具により支持することが好ましい。前記治具は、アウタークラッドパイプ23の挿入が可能な中空部を有する管形状であることが好ましい。そして、加圧下での重合時に治具が中空部の変形を抑制できるように、前記治具は、アウタークラッドパイプ23を固定せずに支持する形状であることが好ましく、また加圧下で重合が進むに従い、アウタークラッドパイプ23がコアの収縮に応じることができるように、アウタークラッドパイプ23を支持することが好ましい。アウタークラッドパイプ23が治具に固定されていると、重合中のコアの収縮に対してアウタークラッドパイプ23が応じることができずに、コアの中央部にボイドが発生し易くなってしまう。このような理由により、治具の中空部の内径はアウタークラッドパイプ23の外径より大きいことが好ましい。前記中空部は、アウタークラッドパイプ23の外径に対して0.1%〜40%だけ大きい径を有しているのが好ましく、10%〜20%だけ大きい径を有しているのがより好ましい。治具は、アウタークラッドパイプ23を垂直に立てることができ、重合工程中もアウタークラッドパイプ23を支持するものであれば好ましく用いられ、管状である必要はない。
重合時の加圧の好ましい範囲については、用いるコア用モノマーによって適宜決定される。加圧度が大きすぎると、コア用モノマー中に加圧気体が溶解する、または、コア用モノマーに存在する溶存気体が脱離せず、延伸工程27でこれが気泡となるという問題がある。一方、加圧度が小さすぎると、重合時に、アウタークラッドパイプ23がコアの収縮に対応できず、コアに気泡が発生しやすいという問題がある。本実施形態では、重合時の加圧の好ましい範囲は、0.05MPa〜1.0MPaである。このように、重合工程時の圧力を制御することにより、プリフォームのコア(POF11のコア)に空隙や気泡が発生することを抑制できる。
重合工程は加熱下でなされることが好ましい。その温度は、コア用モノマーの種類等に応じて決定されるものであり、特にその重合速度と変質温度とを考慮して決定される。例えば、コア用モノマーとして代表的なメタクリレート系低分子化合物を用いた場合には、その温度は50℃〜150℃とすることが好ましく、80℃〜140℃とすることがさらに好ましい。また、重合時間は、4時間〜48時間であることが好ましいが、これもコア用モノマーの種類等に応じて決定される。しかしながら、重合時の各条件は前述したものに限定されるものではない。また、上記のコア用モノマーの重合方法も本発明を限定するものではない。例えば、前述の特開平8−262240のように中空管を回転させながら重合反応を行い中空のプリフォームを形成してもよいし、熱拡散等によって屈折率調整剤を拡散させることによりコアに屈折率分布を付与することも可能である。
この様にして、コアおよびクラッドがプラスチックからなる円柱状プリフォームを作製することができ、得られたプリフォームは延伸工程に供される。そして、延伸により、所望の直径、例えば500μm以上1000μm以下のPOFを得ることができる。
クラッドの材料は、アウタークラッドが光伝送機能に悪影響を及ぼさない(例えば、クラッドがコアの屈折率よりも低い屈折率を発現するなど)限りにおいて特に限定されるものではないが、アウタークラッドの材料としては、屈折率が低い点と、POFの光学特性にほぼ影響がないという点で、フッ素系ポリマーが好ましい。クラッド材料用のフッ素系ポリマーとしては、コア用モノマーの重合性を考慮すると、PVDFが好ましい。
POFのコアの材料は、コアがPOFの光伝送特性に悪影響を及ぼさない限りにおいて特に限定されるものではない。好ましく用いられるものとしては、有機材料として光透過性が高いものである。ただし、信号光がコアとクラッドとの界面で全反射するように、コアの材料は、クラッドよりも高い屈折率を有するものとし、光学的異方性が小さくなるように、非晶性のポリマーとすることが好ましい。さらに、コアとクラッドとは、互いに密着性に優れるポリマーとし、これらがタフネス等に示される機械的特性に優れ、耐湿熱性にも優れていることがより好ましい。
コアの材料例としては、(メタ)アクリル酸エステル類(フッ素不含(メタ)アクリル酸エステル(a)、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(b))、スチレン系化合物(c)、ビニルエステル類(d)、ポリカーボーネート類の原料であるビスフェノールA等を重合性モノマーとして用いたポリマーが挙げられる。これらのモノマーのうち1種からなるホモポリマー、これらのモノマーのうち2種以上を組み合わせて重合させた共重合体、あるいは上記のホモポリマーや共重合体の各種組み合わせによる混合物からコアを形成できる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル類及び含フッ素ポリマーを成分として含むものが光伝送体として好ましい。
上記の(a)フッ素不含(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル(BzMA)、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジフェニルメチル、トリシクロ[5・2・1・02.6]デカニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
また、(b)含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、(c)スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。さらには、(d)ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等が挙げられる。重合性モノマーは、これらに限定されるものではない。コアに含まれるホモポリマーあるいは共重合体が、光伝送体に成型されたときに所定の屈折率分布を有するように、モノマーの種類や組成比を決定することが好ましい。
POFを近赤外光用途に用いる場合は、構成するC−H結合に起因した吸収損失が起こるために、特許3332922号公報(米国特許第5541247号に対応)や特開2003−192708号公報などに記載されているような、C−H結合の水素原子(H)を重水素原子(D)やフッ素(F)などで置換したポリマーを用いることで、この伝送損失を生じる波長域を長波長化することができる。このようなポリマーとしては、例えば、重水素化ポリメチルメタクリレート(PMMA−d8)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソプロピル−2−フルオロアクリレート(HFIP 2−FA)などがある。これにより、伝送光の損失を軽減することができる。なお、原料となる化合物は、重合後の透明性を損なわないためにも、不純物や散乱源となる異物は重合前に十分に除去されることが望ましい。
モノマーを重合させてコアやアウタークラッドを形成する場合においては、重合開始剤を使用する場合がある。ラジカルを生成する重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物が挙げられる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は、これらに限定されるものではなく、また、2種類以上を併用してもよい。
製造されるプラスチック光ファイバの、機械特性や熱物性といった各種物性値を全体にわたって均一に保つために、連鎖移動剤を使って重合度の調整を行うことが好ましい。連鎖移動剤については、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択できる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、該連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、1972年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)などを用いることが好ましい。特に、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子(D)やフッ素原子(F)で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は勿論これらに限定されるものではなく、これら連鎖移動剤は2種類以上を併用してもよい。
プラスチック光ファイバは、コア部が径方向において屈折率分布を有するグレイデッドインデックス(GI)型プラスチック光ファイバでもよい。GI型POFは、伝送性能が高いため、より広帯域の光通信を行うことができ、高性能通信用途に好ましく用いることができる。POFに屈折率の分布を付与する方法としては、ポリマーマトリクスに屈折率分布を付与するための添加剤(以下、ドーパントと称する)を添加してもよい。または、コアを形成するポリマーとして、屈折率が異なる複数のポリマーを用いたり、それらのポリマーをさらに組み合わせた共重合体を用いたりしてもよい。
ドーパントは、上記のような重合性モノマーとは異なる屈折率を有する化合物である。ドーパントと重合性モノマーとの屈折率差は0.005以上であることが好ましい。ドーパントは、これを含有するポリマーの屈折率が、不含のポリマーと比較して、高くなる性質を有する。これらは、特許3332922号公報や特開平5−173026号公報に記載されているようなモノマーの合成によって生成されるポリマーとの比較において、溶解性パラメータとの差が7(cal/cm1/2以内であると共に、屈折率の差が0.001以上であり、ポリマーと安定して共存可能で、かつ前述の重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等)下において安定しているものならば、いずれもドーパントとして用いることができる。
上記性質を有し、屈折率を変化させ、ポリマーと安定した共存が可能で、かつ前述の重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等)下において安定しているものならば、ドーパントとして用いることができる。本実施の形態では、重合性化合物にドーパントを含有させ、コアを形成する工程において界面ゲル重合法により重合の進行方向を制御し、屈折率調整剤の濃度に傾斜を持たせ、コアに屈折率分布構造を形成する方法を例示しているが、それ以外にもプリフォーム形成後に屈折率調整剤を拡散させる方法でも、コアに屈折率分布構造を形成することができる。以下、屈折率の分布を有するコアを「グレイデッドインデックスコア」と称する。グレイデッドインデックスコアは、広い伝送帯域を有するGI型プラスチック光学部材に用いられる。
前記ドーパントとしては、例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジル−n−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)などが挙げられ、中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOが好ましい。また、ドーパントは、例えばトリブロモフェニルメタクリレートのように重合性化合物でもよく、その場合、重合性モノマーと重合性ドーパントとを共重合させるので、種々の特性(特に光学特性)の制御がより困難となるが、耐熱性の面では有利となる可能性がある。コアに含有される屈折率調整剤の濃度および分布を調整することによって、POFの屈折率を調整することができる。
前述した重合開始剤や連鎖移動剤、屈折率調整剤(ドーパント)の各添加量については、用いるコア用モノマーの種類等に応じて、適宜決定することができる。重合開始剤の添加量は、コア用モノマーに対して、0.005重量%〜0.05重量%とすることが好ましく、0.01重量%〜0.02重量%とすることがより好ましい。連鎖移動剤の添加量は、コア用モノマーに対して、0.10重量%〜0.40重量%とすることが好ましく、0.15重量%〜0.30重量%とすることがより好ましい。ドーパントの添加量は、コア用モノマーに対して、1重量%〜50重量%とすることが好ましい。
コア及びクラッドには、光伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を含有させることができる。例えば、耐候性や耐久性を向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物をモノマーに添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤は、モノマーと重合することによって、コア及び/又はクラッドに含有させることができる。
POFは、曲げ、耐候性の向上、吸湿による性能低下抑制、引張強度の向上、耐踏付け性付与、難燃性付与、薬品による損傷からの保護、外部光線によるノイズ防止、着色などによる商品価値の向上などを目的として、通常、その表面を少なくとも1層の保護層で被覆する。
保護層形成用材料としては、高い弾性や、曲げなどの機械的な特性を有する周知の材料を用いることができる。例えば、ポリオレフィン系材料やウレタン系材料、各種エラストマがある。
POFは、上記の保護層を1次被覆層とし、外周にさらに2次(または多層)被覆層を設けても良い。1次被覆層がPOFへの熱ダメージを低減するのに充分な厚みを有している場合には、2次被覆層の硬化温度の制限は、1次被覆層に比べて緩くすることができる。2次被覆層には、難燃剤や、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、滑剤などを導入してもよい。なお、難燃剤については臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤や燐含有のものがあるが、毒性ガス低減の目的で金属水酸化物を使うことが好ましい。金属水酸化物はその内部に結晶水を有しており、製法過程でPOFにその水が付着すると除去するのが困難である。よって、金属水酸化物による難燃性被覆は、1次被覆層の外層に耐湿性被覆を設けてその外層にさらに被覆層として設けることが望ましい。
また、POFに、様々な機能を有する被覆層を複数積層させてもよい。例えば、前述の難燃性被覆以外に、吸湿を抑制するためのバリア層、被覆層間または被覆層内に設けられる吸湿材料(例えば吸湿テープや吸湿ジェル)、POF屈曲時の応力緩和のための柔軟性素材層や緩衝材、剛性を向上させるための強化層などを設けることができる。被覆層となる熱可塑性樹脂に光ファイバケーブルの強度を増す構造材を含有させてもよい。構造材は、高い弾性率を有する抗張力繊維及び/又は剛性の高い金属線である。抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。構造材は前述したものに限定されるものではない。その他に、保護のための金属管や光ファイバケーブル架空用の支持線を設けてもよい。また、配線時の作業性を向上させるための機構を組み込むこともできる。以上の様な被覆を施すことにより、機械特性などの様々な機能を付与したプラスチック光ファイバコードもしくはプラスチック光ファイバケーブルを得ることができる。
上記製造条件を満たすPOFまたはこれに被覆を施したプラスチック光ファイバコードは、光学機器とPOFや、POF同士を接続する光学コネクタに固定される。光学コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA型、SMI型、F05型、F07型、MU型、FC型、SC型などがある。通常POFは、フェルールに固定され、フェルールに固定された端面が平滑化される。そして、POFは、プラグとして光学コネクタのハウジングに接続される。ガラス光ファイバの場合、融点が高いので精密な研磨を要するが、プラスチック光ファイバの場合、比較的低温で軟化することから平滑面を有する加熱器(ホットプレートなど)、あるいは溶剤を用いてPOFの端面を軟化して平滑化することができる。そして、フェルールがレセプタクルによってPOF端面に固定され、ファイバ端面からの出射光が受光素子に入射する。このようにして、POFと受光素子は、光学コネクタにより結合される。
光送受信装置(光送受信ユニット)は、発光素子と受光素子と上記のようなPOFとを備えるものであり、このPOFは大口径で出射端面からの光が一定距離までその径を一定に保つ。このような光送受信装置を用いることにより、発光素子とPOF、あるいはPOFと受光素子との接続に精密な位置あわせや集光要素を必要としないので、精密なフェルールや集光機能を付与したアダプタを使用することなく光結合を行うことができる。なお、本発明において光結合方法とは、発光素子とPOF間、POF同士間、POFと受光素子間で光結合させる方法を意味する。また、上記のような従来のアダプタを使用することにより、柔軟かつ確実に光結合を行うことも可能である。一般的にはフェルールを取り付けたプラグは、受光素子を取り付けたアダプタに精密に固定される必要がある。しかし、本実施形態によるPOFは1000μmの大口径を有するため、プラグはアダプタに精密に固定されなくてもよい。ファイバ端面と受光素子間に集光要素を設ける場合、ファイバ端面の位置が変化すると集光性能は変化するが、本実施形態による光送受信ユニットは、集光要素を設ける必要がないので、ファイバ端面の位置変化による送受信性能への影響はほとんどない。よって、着脱の容易な光学コネクタを提供することができる。なお、ファイバ端面と受光素子との間には、光量や波長を調節するフィルターや、POFや受光素子の空気界面でのフレネル損失を防止するため空気より高い屈折率を有する素材(マッチングオイルやシリコーンゲルパッドなど)などの集光機能の無い光学要素を組み込んでもよい。また、出射光の焦点を受光素子に合わせる集光要素をアダプタに設けても良い。
発光素子は、電気信号を光信号に変えてからこの光信号をPOFに入射して送る。POFから出射される光信号は、受光素子により電気信号に変えられる。発光素子は、例えば発光ダイオード(LED)や半導体レーザー(LD)であり、受光素子は、例えばフォトダイオード(PD)である。高速データ通信を行うためには発光素子として、位相の揃った直進性に優れたLDが好ましい。発光ダイオードは出射光線の開口数が大きく、光線が拡散しやすいため、コア径を大きくしたPOFを用いた低速、短距離データ伝送用として用いられることが多い。しかし、LEDは高寿命、周囲の環境(高温など)に対する高耐性、コストの面で優位性がある。また、最近ではデータ通信用として、共振器を有する発光ダイオード(RCLED)の使用が検討されている。RCLEDは、自然放出を行うため、スペクトル幅、開口数などの点で、誘導放出を行うLDには及ばない。しかし、LEDに比べると、RCLEDは、スペクトル幅、可干渉性、開口数などの点において優れている。つまり、RCLEDから出射された光線の拡散は、従来のLEDに比べて低減されるため、RCLEDは高速データ通信に好適である。一方、受光素子としてのPDは、PINフォトダイオードとアバランシェ型フォトダイオード(APD)が知られている。受光面積が大きくなるにつれて暗電流が増えるため、受光面積を有するPDは、受光感度が鈍く、高速データ通信に適していない。この対策としては、APDの使用が有効である。または、小受光面積のフォトダイオードを配列してLEDアレイを形成することも有効である。しかし、どちらも光送受信ユニットのコスト増の要因となるので、LEDアレイもAPDも高速データ通信用の用途で使われることが多い。本実施形態による光送受信ユニットは、出射光線の拡散を抑えるため、PDにおいて受光面積を大きく取る必要がない。
図5は、POFの端面からの距離とPOFから出射されたときの出射光線(ビーム)の径の測定グラフである。縦軸は出射されたときのビームの径であり、横軸はPOFの端面からの距離を示す。このグラフからわかるように、本実施形態による光送受信装置は、ビームの径の広がりを抑制する。
以下、本発明の具体例及び比較例としての実施例(1)〜(6)を示して本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料の種類、それらの割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
コア直径d1が異なるプラスチック光ファイバを多種作製した。POF11の外径はすべて750μmとした。
溶融押出成形により作製した内径19mm、長さ60cmのPVDFの中空管をアウタークラッド12とし、このアウタークラッド12の中空部に、インナークラッド用の原料を注入した。インナークラッド用の原料は、ラジカル重合性化合物としてのMMA114gと、重合開始剤としての2,4−ジメチルバレロニトリル(商品名;V−65、和光純薬(株)製)(70℃での半減期時間:1時間)と、連鎖移動剤としてのn−ラウリルメルカプタンとの混合物である。MMAは、蒸留によって水分を100ppm以下に除去した。インナークラッド用の原料としての混合物は所定温度に調整してから注入された。2,4−ジメチルバレロニトリルとしては、水分を200ppm以下に除去したものを用いた。2,4−ジメチルバレロニトリルとn−ラウリルメルカプタンとのMMAに対する添加率は、それぞれ0.04モル%と0.20モル%とした。インナークラッド用の原料が注入されたアウタークラッド12を、回転重合装置35の重合器本体44aに長手方向が水平となるようにセットした。そして、重合容器38を2000rpmで回転しながら、インナークラッド用の原料を70℃の雰囲気下で2時間加熱重合した。重合容器38から1〜2cm離れたところに非接地型熱電対を設け、測定された温度を、重合反応による温度とみなした。重合反応時の温度ピークは、熱電対により測定された。本実施例1においては、重合開始から約80分経過したときに67℃の温度ピークが認められた。インナークラッド用モノマーの重合後、アウタークラッド12の内面にPMMAからなるインナークラッド32が形成された。
インナークラッド32の中空部に、コア用の原料を常温常圧下で注入した。インナークラッド用の原料は、水分を100ppm以下に除去したMMA67.5gと、重合開始剤としての2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65)と、連鎖移動剤としてのn−ラウリルメルカプタンと、非重合性ドーパントとしてのジフェニルスルフィド(DPS)との混合物である。2,4−ジメチルバレロニトリルとn−ラウリルメルカプタンとDPSとのMMAに対する添加率は、それぞれ0.04モル%、0.20モル%、7重量%(DPS、MMAに対して10重量%)とした。
コア用の原料が注入されたアウタークラッド12は、長手方向が水平となるように、回転重合装置35の重合器本体44aに再びセットされた。そして、重合容器38を2000rpmで回転しながら、インナークラッド用の原料を70℃の雰囲気下で2時間加熱重合した。重合開始から約80分経過したときに67℃の温度ピークが認められた。2時間の重合後のコア用原料の転化率は90%であった。その後、重合容器38を500rpmで回転しながら、120℃で24時間、コア用モノマーの熱処理を行い、転化率が99%以上であるコアが生成された。その後、重合容器38を回転しながらアウタークラッド12を自然冷却し、プリフォーム21を得た。そして、このプリフォーム21を延伸してPOF25を得た。
プリフォーム21は、コア33の断面の中央部に中空部を有している。コア33の屈折率分布係数は2.7であった。そして、中空部を減圧しながらプリフォームを延伸することにより得られたPOFは、アウタークラッド外径d3が750μmであった。
このPOFは、インナークラッド径d2が712μmの中空部のない形状である。アウタークラッドの外径d3は、750μmである。インナークラッド径d2は一定(712μm)であり、コア径d1は、インナークラッドの厚みを変え、同時にコア重合に用いる重合液量を変えることにより調整した。得られたサンプル(A)〜(F)の各コア径d1は、80μm(サンプル(A))、130μm(サンプル(B))、200μm(サンプル(C))、340μm(サンプル(D))、470μm(サンプル(E))、650μm(サンプル(F))、710μm(サンプル(G))である。サンプル(F)は、プリフォーム中のインナークラッドの厚みをできる限り小さくする(0.7mm以下) ことで得られた。なお、アウタークラッドの屈折率n3は1.420であり、インナークラッドの屈折率n2は1.492、コアの最大屈折率は1.517であった。
長さが25mのサンプル(A)〜(G)の光学特性を、650nmの発光デバイスを使って測定した。実施例で用いた発光デバイスは、LD(VCSEL)、RCLED、LEDである。受光素子はPH(型式;AQ2741、浜松ホトニクス製)である。測定結果を表1に示す。表1において、“平行領域”とは、出射光線の平行領域の長さを示し、“ビーム径”とは、POF端面から1000μmの位置での出射光線の径を示す。他の測定項目は、伝送損失と、曲げ損失とである。伝送損失は、POFへの入射光の光量に対して、POF端面から1000μmの位置での出射光の減衰から算出したものであり、POFとPDとの結合損失とを含んでいる。なお、具体的測定方法は、特願2004−093274号に記載されている。
開口数NAは、発光素子としてのLD(VCSEL)が0.05、RCLEDが0.27、LEDが0.33であった。また、実施例1では、光学系を調整し、LD(VCSEL)からのレーザービームのスポット径を200μm、発光デバイスの開口数NAを0.2とした。
Figure 2008511011
本実施例2では発光デバイスとしてRCLED(商品名・型式;Panasonic RLED、ENQD353D5、松下電器産業製)を用い、光学系を調整し、POFへ入射するレーザービームのスポット径を300μm、発光デバイスの開口数NAを0.1とした。測定結果については表2に示す。本実施例では、曲げ損失については測定していない。
Figure 2008511011
本実施例3では発光デバイスとしてRCLED(商品名・型式;Panasonic RLED、ENQD353D5、松下電器産業製)を用い、光学系を調整し、POFへ入射するレーザービームのスポット径を650μm、発光デバイスの開口数NAを0.33とした。測定結果については表3に示す。本実施例では、曲げ損失については測定していない。
Figure 2008511011
本実施例4では発光デバイスとしてLED(商品名・型式;トスリンク・TODX2402、東芝製)を用い、光学系を調整し、POFへ入射するレーザービームのスポット径を900μm、発光デバイスの開口数NAを0.33とした。測定結果については表4に示す。
Figure 2008511011
本実施例5では発光デバイスとしてLED(商品名・型式;トスリンク・TODX2402、東芝製)を用い、光学系を調整し、POFへ入射するレーザービームのスポット径を900μm、発光デバイスの開口数NAを0.4とした。測定結果については表5に示す。本実施例では、曲げ損失については測定していない。
Figure 2008511011
実施例6ではインナークラッドを形成させずにコアモノマーの重合を行うことにより、コアに屈折率分布がない、ステップインデックス型のPOFを作製した。サンプル(H)のアウタークラッドのクラッド外径d3は750μm、コア径(d1=d2) は712μmである。サンプル(I)のアウタークラッドのクラッド外径d3は750μm、コア径(d1=d2) は650μmである。測定結果の記載方法は実施例(1)〜(5)と同じである。発光デバイスは実施例3と同様のものを使用した。
Figure 2008511011
LEDからの出射光線の開口数NAを0.27とした場合、平行領域、ファイバ端面から1000μmの位置でのビーム径、出射光の広がり角は、RCLEDを使用した実施例での結果とほぼ同じであった。さらに、サンプル(E)に替えて、インナークラッドの屈折率差を調整した、サンプル(E2)及び(E3)を新たに製造し、これらを用いて同様の実験を行った。サンプル(E2)の屈折率差は0.013、構造開口数は0.20である。サンプル(E3)の屈折率差は0.023、構造開口数は0.26である。屈折率差が大きくなるにつれて、出射ビームの平行領域長さがやや長くなる傾向はあるが、サンプル(E2)、(E3)の光学特性は、サンプル(E)とほぼ同じであった。また、上記サンプル(E)、(E1)、(E2)の伝送帯域は、いずれも125Mbps以上(LED)、500Mbps以上(RCLED)、1.25Gbps以上(LD)であった。
開口数NAが0.35以下の発光デバイス用いた場合には、コア径d1が100μm以上700μm以下で、POF端面から1000μmの位置での出射ビーム径の広がりを抑えることができる。ただし、コア径d1とインナークラッド径d2の差が大きくなるにつれて、光学損失が増す傾向にあることが、サンプル(A)〜(D)とサンプル(E)、(F)との結果比較からわかる。
本発明は、プラスチック光ファイバ等の伝送媒体と、発光デバイスまたは受光デバイス間での結合に関するものである。
プラスチック光ファイバの断面図である。 プラスチック光ファイバの径方向における屈折率分布を示す図である。 プラスチック光ファイバの製造工程を示すフローチャートである。 コアを形成するための重合装置を示す概略図である。 プラスチック光ファイバの光出射端からの距離とビーム径のグラフである。

Claims (10)

  1. 発光デバイスと受光デバイスとをグレイデッドインデックス型プラスチック光ファイバを介して結合させる光結合方法であり、発光デバイスからの光線はグレイデッドインデックス型プラスチック光ファイバの一端から入射し他端から出射して前記受光デバイスに入る光結合方法において、
    前記プラスチック光ファイバは、断面が略円形に形成され、中心に向かうにつれて屈折率が高くなる屈折率分布を有するコアと、前記コアの外周に設けられ、前記コアと同じか、それよりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドの外周に設けられ、前記第1クラッドよりも低い屈折率を有する第2クラッドとを備える、前記プラスチック光ファイバは、以下の条件を満たす;
    100(μm)≦d1≦700(μm)
    200(μm)≦d2≦1000(μm)
    d1<d2
    ここで、d1は前記コアの直径、d2は前記第1クラッドの外径である。
  2. 前記発光デバイスの開口数が0.05以上0.35以下であることを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  3. 前記コアと前記第1クラッドは、
    0.5×d2≦d1
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  4. 前記コアと前記第1クラッドは、
    300(μm)≦d1≦700(μm)
    350(μm)≦d2≦1000(μm)
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  5. 前記第1クラッドの外径は、前記プラスチック光ファイバへの入射光線の径と同じか、それよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  6. 前記発光デバイスの開口数は、前記コアの開口数よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  7. 前記プラスチック光ファイバと前記受光デバイスとを、集光要素を用いることなく、1μm以上1000μm以下の間隔で接続することを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  8. 伝送光を発する発光デバイスと、前記伝送光をその一端から他端へ通過させるグレイデッドインデックス型プラスチック光ファイバと、このプラスチック光ファイバの他端から出射された伝送光を受光する受光デバイスとを有する光送受信装置において、
    前記プラスチック光ファイバは、断面が略円形に形成され、中心に向かうにつれて屈折率が高くなる屈折率分布を有するコアと、前記コアの外周に設けられ、前記コアと同じか、それよりも低い屈折率を有する第1クラッドと、前記第1クラッドの外周に設けられ、前記第1クラッドよりも低い屈折率を有する第2クラッドとを備える、前記プラスチック光ファイバは、以下の条件を満たす;
    100(μm)≦d1≦700(μm)
    200(μm)≦d2≦1000(μm)
    d1<d2
    ここで、d1は前記コアの直径、d2は前記第1クラッドの外径である。
  9. 前記発光デバイスの開口数が0.05以上0.35以下であることを特徴とする請求項8記載の光送受信装置。
  10. 前記発光デバイスは光共振器を有することを特徴とする請求項8記載の光送受信装置。
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