JP4160918B2 - 光通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信方式に関し、特にプラスチック光ファイバ等の光伝送路を用いて通信する方式に関するものである。
光ファイバや光導波路、光レンズ等の光伝送体においては、プラスチック系材料は、石英系材料に比べて、一般には成型加工性、部材の軽量化、低コスト化、可撓性、耐衝撃性等の点で優れている。例えばプラスチック光ファイバ(POF)は、石英系光ファイバと較べると、光の伝送損失が大きいために長距離の光伝送には向いていないが、上記のプラスチックの性質により、光ファイバのコア部を数10μm以上とするような大口径化を低コストで図ることができる。また、この大口径化により、光ファイバの分岐や接続に用いる各種周辺部品や機器の、光ファイバとの接続精度を上げる必要がなくなる。そのため、POFは、周辺部品や機器との接続容易性、端末加工容易性、高精度の調芯が不要になるメリットを有する。その他にもPOFは、上記のようなコネクタ部分の低コスト化の他に、上記のプラスチックの性質により、人体への突き刺し災害等の危険性の低さ、高い柔軟性による易加工性や易敷設性や耐振動性、そして低価格等のメリットがある。これにより、POFは、家庭や、車載用途に注目されているだけでなく、高速データ処理装置の内部配線や、DVI(digital Video Interface)リンクなどの極短距離かつ大容量のケーブルとしても、利用が検討されている。
また、近年では、780nmや850nm等の波長における通信が可能な石英系光ファイバに対応すべく、近赤外領域の波長領域でも伝送損失が低いPOFとして、含フッ素系POFや水素を重水素に置換したPOF等が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
POFは、コア部とクラッド部とから構成され、プラスチック光ファイバ素線とも呼ばれる。一般には、コア部は重合体をマトリックスとする有機化合物からなる芯材の部分であり、クラッド部はコア部より屈折率が低い外殻部分である。
このPOFの製法としては、ポリマーを引き出してコア部またはクラッド部を同時に繊維状に成形する方法や、光ファイバ母材(以下、プリフォームと称する)を製作してからこのプリフォームを180℃〜250℃程度の雰囲気中で溶融延伸する方法などがある。
プリフォームの製造に関しては様々な方法が提案されている。まず、クラッド部の製造方法としては、樹脂を溶融押出により製造する方法や、メチルメタクリレート等のモノマーを充分な剛性のある容器に入れてその容器を回転させつつモノマーを重合させる方法などがある。
次に、円筒管であるクラッド部の中空部に屈折率分布を有するコア部を形成する。コア部に屈折率分布を付与する方法としては、屈折率またはその変化状態の異なる2種以上のポリマーの積層状物を同心円状に押出して形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、コア部を重合により得る方法としては、例えば、重合してポリマーとなったときにその屈折率がクラッド部のポリマーとは異なるモノマーと重合開始剤等とを含む混合物を、クラッド部の内部に滴下しながら加熱重合する方法(例えば、特許文献4,5参照)や、クラッド内にモノマーや重合性の屈折率上昇剤、重合開始剤からなる混合物を充填した後、加熱重合してコア部を形成し、コア部に含有される屈折率調整剤等の濃度分布によって屈折率の分布を生じされる方法(例えば、特許文献6)、また、屈折率が異なる重合体の配合比を連続的に変化させる方法(例えば、特許文献7参照)等が提案されている。
特開平5−224033号公報(第3頁) 特開平8−5848号公報(第3−7頁) 特開平2−16504号公報(第2−3頁) 特開平5−181023号公報(第3−6頁) 特開平6−194530号公報(第3−7頁) 国際公開第03/08488号パンフレット 特開平6−297596号公報
しかしながら、上記のPOFのような光伝送体は、吸水すると伝送損失が大きくなり、特に近赤外の波長領域においてはこの現象が著しい。これは、POFの導光部を構成するPMMAやPC等のポリマー自体の吸水性によるものであり。これをゼロとすることは不可能である。このように、POFを用いると、近赤外波長領域においては、安定した通信ができなくなってしまうという問題がある。
そこで、本発明は、POFが吸水した際にも伝送損失が増加しない光通信方式を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、プラスチック光伝送体の乾燥時における第1伝送損失P1(単位;dB/km)と500nmから900nmまでの領域の波長との第1の関係を求める第1工程と、プラスチック光伝送体の飽和吸水時における第2伝送損失P2(単位;dB/km)と前記領域の波長との第2の関係を求める第2工程と、第2伝送損失P2から第1伝送損失P1を減じた伝送損失増加量L(単位;dB/km)と前記領域の波長との第3の関係を求める第3工程と、伝送損失増加量を前記第1伝送損失で除した伝送損失増加比L/P1と前記領域の波長との第4の関係を求める第4工程と、前記第1〜第4の各関係から、0≦L/P1≦1と、0<L≦100と、0<L+P1≦200とを満たす波長を求めることにより、プラスチック光伝送体に含まれる水の水酸基(−OH)の振動吸収波長x(単位;nm)を前記領域から除く第5工程とを有し、前記プラスチック光伝送体と前記前記第5工程で求められる波長の光源を用いることを特徴として構成されている。なお、前記水酸基の振動吸収波長とは、倍音吸収による原子吸収波長を含んでいる。そして、このような原子吸収は、物質に光が照射されたときに、ある原子間の結合の伸縮振動や変角振動と共鳴する波長の光が、その物質に吸収される現象であり、倍音吸収は、基本振動吸収波長よりも短波長側に間隔をもって現れるものである。
そして、前記光源の波長は、550nm以上705nm以下、または、794nm以上805nm以下の範囲であることがより好ましい。
そして、そのプラスチック伝送体の少なくとも導光部を構成するプラスチックが水素原子を含む非晶質ポリマーであり、その水素が重水素であることが好ましい。これら非晶質ポリマーの吸水率が0.01%以上5%以下であるときは特に大きな効果が得られる。そして、プラスチック光伝送体が、光を伝送する第1部材と第1部材よりも小さな屈折率を有する第2部材とを有し、少なくとも第1部材が、光の伝送方向に垂直な方向において異なる屈折率を有することが好ましく、このプラスチック光伝送体が光ファイバであることがより好ましい。
本発明の光通信方式は、POF等の光伝送体が吸水しても、特に近赤外の波長領域における伝送損失が増加せず、安定した通信を連続した実施することができる。
本発明の実施の形態について図を引用しながら説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。そして、本実施形態では、プラスチック光ファイバ(以降、POFと称する)を用いる場合を例示するが、本発明は、POFを使用する通信方式に限定されるものではなく、各種の光伝送体を使用する場合にも適用することができる。他の光伝送体としては、光導波路等があり、ここでは平面レンズ、球面レンズ、非球面レンズ、ファイバレーザ、ファイバアンプ、フィルタなども例示され、さらに、これらを複合的に組み合せて構成されるものも含まれる。組み合わせの例としては、光ファイバとレンズとファイバレーザとファイバアンプとの組み合わせ等が挙げられる。
図1は、POF及び光ファイバーケーブルの製造工程図である。それぞれの工程については後で詳細に説明するものとし、ここでは工程の流れについてのみ説明する。まず、クラッド作成工程11により、管形状のクラッド12を作成する。クラッド12は、後で生成するプリフォームの外殻部分をなす部分である。その後、このクラッド12の内部にコアを生成させるため、コア重合工程を経る。コアの生成により、プリフォーム15が得られる。プリフォーム15は、延伸工程16により延伸されて、POF17となる。この延伸工程16では、円柱状のプリフォーム15が、加熱されて、長手方向に延伸される。プリフォーム15は、POF17とされなくとも、この状態のままで光伝送体としての機能を有するものである。そして、POF17は、その外周を被覆材により被覆される被覆工程21を経て、プラスチック光ケーブル22となる。
次に、本実施形態としてのPOF及びその製造方法を、図2〜図4を参照しながら説明する。図2は、プリフォームの断面図であり、図3はプリフォーム15の断面の径方向における屈折率を示す図である。そして図4は、クラッドの中にコアを生成するための重合装置の断面図である。ただし、本発明はPOFの製造方法に依存するものではなく公知の方法により製造された各種公知のPOFについても適用することができる。
図2に示すプリフォーム15は、外殻部であるクラッド12と、クラッド12の中のコア30とを有している。これらのクラッド12とコア30とは、延伸によりPOFとされた際に、それぞれ、POFのコアとクラッドとになる。クラッド12は、外径及び内径が長手方向に一定で、厚みが均一の管形状となっており、一方の端部はふさがれている。クラッド12は、本実施形態ではすべての水素が重水素となっている全重水素化ポリメチルメタクリレート(以降、PMMA−d8と称することもある。)としており、回転重合法により製造している。クラッド12は、このように、重合性化合物を重合した重合体からなる。以下の説明においては、このクラッド12を形成するための上記重合性化合物をクラッド用モノマーと称し、クラッド用モノマーを重合して生成した重合体をクラッド形成ポリマーと称することとする。本実施形態におけるクラッド12の製造は、全重水素化MMA(以降、MMA−d8と称することもある。)からPMMA−d8を生成するときのように、その重合反応を行いながら管状に形成する回転重合法でおこなう場合もあるし、他のクラッド用モノマーから重合体を作ってからその重合体を溶融押出成型により管状に形成する場合もある。なお、クラッドの材料及び製造方法についての詳細は後で説明する。
図3において、横軸はプリフォームの断面径方向を示し、縦軸は屈折率を示す。屈折率は、上方向が高い値であることを意味している。横軸の符号(A)で示される範囲は、図2におけるクラッド12の屈折率であり、符号(B)で示される範囲は図2におけるコア30の屈折率である。コア30は、図3に示されるように、クラッド12との境界から中心に向けて屈折率が連続的に高くなっている。そして、クラッド12の屈折率は、コア30の屈折率より低くなっている。なお、断面円形の径方向において、屈折率の最大値と最小値との差が0.001以上0.3以下であることが好ましい。この構造によりプリフォーム15は、光伝送体としての機能を発現し、これを延伸させたものが光ファイバとなる。このように、外殻部のクラッド12から中心に向けて屈折率が連続的に変化するプリフォーム15を長手方向に延伸して作られるPOFは、グレーデッドインデックス(GI)型POFと称される。そして、本発明においては、製造されたプリフォーム15のコア30の屈折率が、図3に示すように、断面円形の径の外側から中心に向けて連続的に屈折率が高くなるように、コア30の生成方法として、以下に説明するような界面ゲル重合法を適用している。
クラッド12は、クラッド形成用モノマーであるMMA−d8を、所定の温度に調整した後所定の大きさの円筒状重合容器に入れて、重合させて形成する。重合容器へは、モノマーをMMA−d8とするときには、例えば重合開始剤や連鎖移動剤(分子量調整剤)等をMMA−d8とともに所定量入れる。重合に際しては、重合容器内部を減圧等により脱気することが好ましく、予備重合を経た後に容器を水平状態にしてから回転させて重合を進めるとクラッド12が得られる。
得られたクラッド12を、重合容器から取り出して所定温度に設定された恒温槽等の加熱手段により、所定時間の加熱処理をする。そして、クラッド12の中に、コア30を生成するための原料である重合性化合物を注入する。以降の説明において、コア30を生成するための前記重合性化合物を、コア用モノマーと称するものとする。本実施形態においては、コア用モノマーをMMA−d8(水素が重水素に置換されたメチルメタクリレート)としている。本発明は、このコア用モノマーに依存するものではないが、コア用モノマーが重合したあとのポリマーが軽水素を含有しないことが好ましく、水素原子を有するときにはその水素原子が重水素であることが好ましい。コアのポリマーの水素が重水素であることにより、伝送損失をより抑制することができる。好適なコア用モノマーは、クラッド12の材料とともに後述するものとする。
なお、本発明では、コア用モノマーが充填される前のクラッド12を、所定時間減圧下におくことがさらに好ましく、この減圧処理により、クラッド形成ポリマー内部に含まれている水や空気がコア用モノマーの重合時等に加熱されて体積膨張したりするなどして、クラッド12の内面に歪みやひび割れ等が発生したり、あるいはプリフォーム15の内部の分子密度がばらついてしまうという現象を抑制することができる。
また、コア用モノマーであるMMA−d8をクラッド12の中に注入するときには、重合開始剤、連鎖移動剤、および適宜屈折率調整剤(ドーパント)等がコア用モノマーとともに注入される。これらは例えばコア用モノマーと注入前に予め混合して、この混合液を濾過手段で濾過した後、クラッド12に注入される。注入前には濾過工程を設けて、その濾液を注入することが好ましい。重合開始剤や連鎖移動剤、ドーパントの各添加量については、後述する。なお、ドーパントを用いずに、例えばコア用モノマーを2種以上用いる等によっても、コア30の断面の径方向における屈折率を変化させることもできる。本実施形態においては、ドーパントとして、高屈折率で分子体積が大きく、重合に関与しない低分子化合物としての硫化ジフェニルを用い、これを添加することによりコア30の径方向における屈折率を変化させている。
コア用モノマーの重合は、図4に示すような重合装置40により行う。重合装置40は、重合容器41と、圧力計44と、圧力コントローラ45との他に、温度計47と温度コントローラ48とを備えている。さらに、重合容器41には、不活性ガスとしての窒素を供給する窒素供給元51が備えられている。そして、重合容器41は容器本体41aと蓋41bとを有しており、容器本体41aと蓋41bとは、ネジ(図示せず)で固定される。ただし、本発明は、重合装置の構造には依存せず、図2に示される重合装置40とは異なるものを用いてもよい。
圧力計44は、重合容器41の内部の圧力を検知する。圧力コントローラ45は、圧力計44の検知結果に応じて、窒素供給元51からの窒素供給量を調節して、重合容器41の内部の圧力を制御する。また、温度計47は、重合容器41の内部の温度を検知する。容器本体41aには加熱線(図示なし)が備えられており、温度コントローラ48は、温度計47の検知結果に応じて、加熱線を流れる電流を制御する。これにより、重合容器41の内部の温度は制御される。なお供給されるガスは不活性ガスであれば窒素に限定されず、アルゴン等でもよい。このガス供給により、重合容器41の内部空気は窒素に置換される。重合容器41は、容器本体41aと蓋41bとがネジ留めされることにより、内部の圧力と、内部への窒素の供給量とを精巧に制御することが可能となっている。
クラッド12は、コア用モノマー及び重合開始剤、連鎖移動剤、ドーパント等の混合物が注入された状態で、治具としてのガラス管52に挿入されて、容器本体41aに入れられる。このとき、ガラス管52は、垂直に静置される。なお、コア用モノマー等が注入された状態のクラッド12は、ガラス管52に挿入される前、あるいは、挿入された状態で、脱気処理を施されることが好ましい。この脱気処理方法としては、簡便さならびに効果の点で、減圧チャンバ等による減圧処理が好ましく、本実施形態では5分間実施している。また、この減圧処理において超音波を作用させることがさらに好ましい。減圧処理は、減圧チャンバ等で30分以上行うことがより好ましい。
クラッドが挿入されたガラス管52が容器本体41aにセットされ、蓋41bが容器本体41aにネジ留めされると、窒素供給元51から重合容器41の内部へ窒素が供給されるとともに、バルブV1を開状態とすることにより重合容器41の内部の空気が出されて、重合容器41の内部の空気は窒素に置換される。窒素置換した後、重合容器41の内部圧力は、所定の値となるように圧力コントローラ45により制御される。そして、コア用モノマーの重合は、温度コントローラ48により加熱された状態で行う。重合は所定の温度下で所定の時間行う。重合反応中における圧力は、圧力コントローラ45により所定値となるように制御されており、常圧より高くすることが好ましい。
コア用モノマーが重合を開始すると、クラッド12の内壁がコア用モノマーにより膨潤し、重合初期段階では膨潤層を形成する。この膨潤層は、ゲル状態となっており、そのため、重合速度が加速(ゲル効果と称する)する。そして、重合は、クラッド12の内面から開始し、クラッド12の断面円形の中心に向かって進行する。このとき、膨潤層の内部へは、分子体積の小さい化合物ほど優先的に入り込むため、重合の進行と共に、分子体積の大きなドーパントが膨潤層から前記中心方向へと押し出される。この結果、形成されたコアの中心部は、高屈折率のドーパントの濃度が高くなり、図3に示すように、断面円形の径方向における中心に向かって屈折率が徐々に高くなったプリフォームを得ることができる。なお、本実施形態においては、クラッド12とコア30とは、ともに全重水素化PMMAとからなり、上記のように膨潤層を形成しながらプリフォーム15が作成されることから、クラッド12とコア30とは明確な境界を有するものではない。つまり、図2では説明の便宜上クラッド12とコア30との境界を示しているが、このように、クラッド12とコア30との材料及びその親和性、または膨潤層形成の有無等の製造条件に応じて、得られたプリフォーム15におけるクラッド12とコア30との境界の明確度は異なったものとなる。
また、コア用モノマーの重合時においては、コア用モノマーが注入されたクラッド12を、図4に示すようにガラス管52等の治具により支持して重合容器41にセットすることが好ましい。前記治具は、クラッド12の挿入が可能な中空部を有する管形状であることが特に好ましい。そして、加圧下で重合が進むに従い、コア30となる領域が徐々に収縮しようとする力が増すが、これに応じてクラッドが微小な範囲で寸法変化することができるように、前記治具は、クラッド12の外面を固定等せずにクラッド12を支持することが好ましい。例えば、クラッド12が治具に固定されて支持されている場合には、重合中のコア30の収縮に対してクラッド12が応じることができずに、コア30の中央部にボイドが発生し易くなってしまう。このような理由により、治具が管状である場合には、前記クラッド32の外径より大きい内径を有することが好ましい。前記管状治具の内径は、前記クラッド12の外径に対して0.1%〜40%だけ大きい径を有しているのが好ましく、10〜20%だけ大きい径を有しているのがより好ましく、本実施形態では9%だけ大きい径を有しているものとした。ただし、前記クラッド12を垂直に立てることができ、クラッドの寸法変化に応じてこれを支持するものであれば好ましく用いられ、管状である必要はない。
重合時の加圧の好ましい範囲については、用いるコア用モノマーによって適宜決定される。加圧度が大きすぎると、コア用モノマー中に加圧気体が溶解する、または、コア用モノマーに存在する溶存気体が脱離せず、加熱による延伸工程16(図1参照)でこれが気泡となるという問題がある。一方、加圧度が小さすぎると、コア用モノマーの重合工程におけるポリマー生成時の体積収縮に対して応答性が低くなり、空隙や気泡が発生しやすいという問題がある。本実施形態では、0.01MPa〜1.0MPa程度が好ましい範囲であった。このように、重合時の圧力を制御することにより、プリフォーム15のコア30あるいはPOFのコア部に空隙や気泡が発生することを抑制することができる。
重合は加熱下でなされることが好ましい。その温度は、コア用モノマーの種類等に応じて決定されるものであり、主にその重合速度と変質温度とを考慮して決定される。例えば、コア用モノマーとして、典型的なメタクリレート系低分子化合物を用い、これをコア30の主成分とした場合には、その温度は50℃〜150℃とすることが好ましく、80℃〜140℃とすることがさらに好ましい。また、重合時間は、4時間〜48時間であることが好ましいが、これもコア用モノマーの種類等に応じて決定される。
また、本実施形態では、上記のように加圧下で加熱重合を実施した後、さらに、所定条件での熱処理をして重合を進め、さらに、この重合完了後には、加圧したまま所定の冷却速度で冷却する。
この様にして、コア30およびクラッド12がプラスチックからなる、円柱状の光伝送体であるプリフォーム15を作製することができ、得られたプリフォーム15は延伸工程に供される。そして、延伸により、所望の直径、例えば200μm以上1000μm以下のPOFを得ることができる。
ところで、物質に光を照射すると、ある原子間の結合の伸縮振動や変角振動と共鳴する波長の光が、その物質に吸収される。したがって、乾燥したPOFは伝送損失が600nm〜900nmの波長領域では低いことから、素材自体における光の吸収量が少ないことを意味している。一方、水を吸収したPOFは、伝送損失が大きくなる波長領域が600〜900nmの範囲に存在し、その波長領域の光は、吸収された水の水酸基OHの振動のために吸収されてしまい、伝送損失が著しく増加するので不適である。
ここで、POFに吸収された水のOH振動吸収波長をxとおく。本発明においては、OH振動吸収波長xとは、その倍音吸収による原子振動吸収波長も含んだ波長とする。なお、xは、POFの素材及び水の存在状態により、高波長側または低波長側にシフトする場合がある。本発明では、POFに吸収された水のOH振動吸収波長x以外の波長領域を通信波長とする。これにより、光伝送体であるPOFが水を吸収しても伝送損失が増えず、また、水の吸収量の変化による伝送損失の変化も少ないために、安定した通信を連続して実施することができる。なお、OHの倍音吸収については、750nmに現れる4倍音よりも長波長側に現れる倍音、その中でも低倍音での吸収の影響が、OHの基本振動吸収よりも強いため、750nm以上の波長領域においては、これらの倍音吸収帯を除く波長領域で光通信を実施することが、吸水前後の伝送損失の変化量が小さく、良好な光伝送を実施することができるという点で特に好ましい。また、近年では、光発信器については様々な提案が為されており、発振波長領域が広がるとともに、所定の波長領域の光を選択的に決定することができるものが増えていることから、本発明の有効性が向上する。このように、600〜900nmの範囲で通信波長として好ましいとされる波長領域は、POFに吸収された水のOHの振動吸収xを除いた領域である。
ここで、乾燥時の1kmあたりの伝送損失をP1(単位;dB/km)、飽和吸水時の1kmあたりの伝送損失をP2(単位;dB/km)とし、P2−P1で求められた吸水による伝送損失増加量をL(単位;dB/km)とする。そして、より好ましい通信領域は、伝送損失増加量Lまたは伝送損失比Lが0≦L/P1≦1、0<L≦100、10≦L+P1≦200のうち少なくともいずれかひとつを満たす領域である。
L/P1が0よりも低い場合には水の影響で伝送損失が小さくなったことになるので原理上は起こり得ないことであり、また、1よりも大きい場合には伝送損失が吸水量に応じて大きく変動するために、様々な環境下での使用が想定される光伝送体としては実用性に問題がある。
またLについては、素材の化学構造中の水素をフッ素に置換することにより、材料の透明性を高め、理論上はゼロに限りなく近い値にまで下げることが可能である。一方、Lが100よりも大きい場合には、特に水の影響を大きく受ける波長700nm以上の光源を用いると、吸水により光の吸収量が大きくなるので、吸水した状態での光透過性が悪くなり問題となることがある。
L+P1については、吸水の影響を無視することができる波長領域が存在するためにその下限値はゼロよりも大きい。一方、L+P1が200よりも大きい値であると、100m以下の短距離通信に使用する場合であっても光源の光強度を非常に大きくものとする必要があるために安全性の点で問題があり、安全な光強度の範囲では例えば100mの伝送後の光は伝送前に比べて1/1020に減衰してしまい十分な通信を実施することができないという問題がある。
上記の好ましい波長領域について、先に得られたPOFの乾燥時と飽和吸水時における伝送損失を測定し、さらに詳細に説明する。伝送損失の測定波長は500nm〜900nmとし、その測定は市販のスペクトラムアナライザで測定することができる。乾燥時測定用のPOFサンプルは、減圧下で所定時間所定温度で十分に乾燥して得ることが好ましく、特にこの乾燥条件は限定されないが、例えば、概ね25℃に設定された恒温槽で、減圧度9×104 Paとし100時間POFを静置する方法等があり、いかなる方法であっても水分がPOFから十分に除去されればよい。一方、飽和吸水状態に関しては、飽和に達したことを実際には計測等により確認することは困難であるので、POFの素材の吸水速度と大きさとに応じて決定し、例えば、温度40℃、相対湿度95%の恒温槽にて240時間等の十分な吸水処理を実施する。
伝送損失の測定方法に関しては、JIS C6823に例示されるような(1)カットバック法、(2)挿入損失法、(3)OTDR法、(4)損失波長特性モデルによる方法、等の各種のものがあるが、本実施形態においてはカットバック法を用いている。カットバック法とは、POFを所定の第1の長さL1(単位;m)に切断してPOFサンプルとし、このPOFサンプルに白色光を入射し、スペクトルアナライザにより第1長さL1における透過後の所定波長λの光強度Li1を測定する。次に第1長さL1のPOFサンプルから第2の長さL2(単位;m)分を切断して、(L−P)の長さのPOFサンプルで第1長さL1のときと同様に所定波長の光強度Li2を測定する。その結果、このPOFの所定波長λにおける伝送損失(単位;dB/km)は次の式で求めることができる。
伝送損失={−10×Log(Li1/Li2)}/L2 ×1000
そして、図5〜図8には、上記で得られたPOFの上記波長領域における伝送損失データを示す。図5は乾燥時における伝送損失、図6は飽和吸水時における伝送損失の各データであり、縦軸はそれぞれ1kmあたりの伝送損失P1と同伝送損失P2、横軸は波長(単位;nm)としている。また、図7は、伝送損失増加量Lを表すグラフであり、ここでは縦軸を伝送損失増加量L(単位;dB/km)とし、横軸を波長(単位;nm)としている。また、図8は、乾燥時に対する飽和吸水時の伝送損失増加比L/P1を表すグラフであり、縦軸を伝送損失増加比L/P1(単位は無次元)とし、横軸を波長(単位;nm)としている。
上記実施形態で得られたPOFは、図5に示すように、乾燥時における伝送損失が550〜850nmの波長領域では概ね200dB/km以下であり、この値は実用上好ましい範囲の値であることがわかる。しかし、850〜880nmの波長領域では、ドーパントとして用いた硫化ジフェニルに含まれる軽水素の影響により、この波長領域におけるCH振動吸収の影響が大きく、伝送損失が200dB/km以上となっており、この値では実用上好ましくないことが確認できる。そして、図7によると、波長が概ね730〜760nmと830〜870nmと890〜900nmの波長領域では、飽和吸水時の伝送損失が乾燥時よりも概ね300dB/km以上増加している。そして、伝送損失増加量Lが100dB/km以下である波長領域は、500〜713nmと788〜807nmとなっている。
また、図8によると、概ね730〜760nmと840nmの波長領域では伝送損失増加比L/P1が3以上となっており、この伝送損失増加比L/P1が1以下であるのは、500〜720nmと、790〜812nmと、854〜900nmとの波長領域となっている。また、飽和吸水時の伝送損失であるP2(=L+P1)の値については、測定値からの計算により550〜702nm、785〜805nmの範囲で0<L+P1≦200となっている。
これらの結果より、ドーパントとして硫化ジフェニルを用いた場合には、伝送損失増加比L/P1が0≦L/P1≦1、伝送損失増加量Lが0<L≦100、飽和吸湿時の伝送損失L+P1が0<L+P1≦200の少なくともいずれかひとつを満たす波長域として、500〜720nm、785〜812nm、854〜900nmが求められ、これらのうちのいずれかの波長の光源を用いることが好適であることがわかる。そして、これらの3条件を全て満たす波長領域である550〜702nm、790〜805nmの波長領域の光源を用いることがより好適である。550〜720nm、785〜812nmの波長領域の光源を用いることが好適である。そして、特に好ましい波長領域は使用する光源の安定性と高速変調性、光伝送体としての寿命等を考慮すると790〜805nmである。なお、ここで、高速変調性とは、所定時間内に発振することができる光信号の数を意味するものであり、高速伝送を光ファイバで実現する上で、光源における重要な特性のひとつである。
また、第2の実施形態としてドーパントを全重水素化ブロモベンゼンに代えて前記実施形態と同様の方法でPOFを作製し、上記と同様にこのPOFの伝送損失測定を実施した。図9〜図12にその結果を示す。図9は乾燥時における伝送損失(dB/km)、図10は飽和吸水時における伝送損失の各データであり、縦軸はそれぞれ1kmあたりの伝送損失P1と同伝送損失P2、横軸は波長(単位;nm)としている。また、図12は、乾燥時に対する飽和吸水時の伝送損失増加比L/P1を表すグラフであり、縦軸を伝送損失増加比L/P1(単位は無次元)とし、横軸を波長(単位;nm)としている。また、図11は伝送損失増加量Lを表すグラフであり、ここでは縦軸を伝送損失増加量L(単位;dB/km)とし、横軸を波長(単位;nm)としている。
本実施形態で得られたPOFは、図9に示すように、乾燥時における伝送損失が550〜880nmの波長領域では概ね200dB/km以下であり、この値は実用上好ましい範囲の値であることが確認されている。図9及び図10の結果より求められた図11によると、例えば波長が概ね730〜765nmと825〜865nmとの波長領域では、飽和吸水時の伝送損失が乾燥時よりも概ね300dB/km以上増加している。そして、伝送損失増加量Lが100dB/km以下である波長領域は、550〜713nmと792〜805nmとなっている。
また、図12によると、例えば、概ね725〜760nmと825〜860nmとの波長領域では伝送損失増加比L/P1が3以上となっており、伝送損失増加比L/P1が1以下であるのは、500〜705nmと、795〜810nmとの波長領域となっている。また、飽和吸水時の伝送損失であるP2(=P1+L)の値については、測定値からの計算により550〜715nm、785〜805nmの範囲で0<L+P1≦200となっている。これらの結果より、ドーパントとして全重水素化ブロモベンゼンを用いた場合には、伝送損失増加比L/P1が0≦L/P1≦1、伝送損失増加量Lが0<L≦100、飽和吸湿時の伝送損失L+P1が0<L+P1≦200の少なくともいずれかひとつを満たす波長領域としての500〜715nm、785〜810nmであり、これたの領域の光源を用いることが好適であることがわかる。そして、これらの3条件を全て満たす波長領域であるのは550〜705nm、794〜805nmの波長領域であるので、この領域の光源を用いることがより好適である。
上記のように伝送損失増加量Lや伝送損失増加比L/P1が大きい波長は、吸収された水のOHの振動吸収波長である。そして、本実施形態で得られているPOFは、乾燥時では550〜880nmの波長領域における伝送損失が低いことから光の吸収量が少ないが、水を吸収した場合には、550〜880nmの波長領域内で上記に示した以外の波長領域の光は、吸収された水の水酸基OHの振動のために吸収されてしまい、伝送損失が著しく増加するので好ましくない。
したがって、本発明では、POFに吸収された水のOH振動吸収波長x以外の波長領域を通信波長とする。これにより、光伝送体であるPOFが水を吸収しても伝送損失が増えず、また、水の吸収量の変化による伝送損失の変化も少ないために、安定した通信を連続して実施することができる。
そして、この第2の実施形態において、特に好ましい波長領域は使用する光源の安定性と高速変調性、光伝送体としての寿命を考慮すると794〜805nmである。
以上のように、POF等のプラスチック光伝送体を用いる場合には、その吸水によるOH振動吸収波長xを測定し、通信波長をx以外の波長領域とすることにより伝送損失の増加を抑制することができる。なお、通信波長の決定に際しては、プラスチック光伝送体を構成するポリマー成分のみならず、例えば上記に説明したようにドーパント等の他の構成成分の化学構造に起因したOH振動吸収波長を考慮することが好ましい。そして、以上の結果より、通信波長としてより好ましい波長領域は500〜720nm、785〜810nmであり、特に好ましい波長領域は785〜810nmであることがわかる。
なお、本発明は、図2に示されるようなプリフォーム15を使用する場合に限定されるものではなく、例えば、クラッドまたはコアが複層構造である場合にも適用可能である。この場合には、少なくともコアの屈折率は上記実施形態におけるコアのように、光伝送路としての光の伝送方向と垂直な方向である、断面円形の径方向において変化することが好ましい。
本発明においては、プリフォームを構成するクラッド及びコアの材料は、光伝送の機能を損なわない限りにおいて特に限定されるものではない。特に好ましく用いられるものとしては、有機材料として光透過性が高いものである。ただし、コアを伝送する光がコアとクラッドとの界面で全反射するように、クラッドの材料は、コアの屈折よりも低い屈折率を有するようなポリマーとする。また、クラッド及びコアの材料は、光散乱を生じないように、非晶性のポリマーとすることが好ましい。コアの材料として用いた非晶性のポリマーが、0.01%以上5%以下の吸水率を有する材料であるときには、本発明の効果は特に大きい。さらに、コアとクラッドとは、互いに密着性に優れるポリマーとし、これらがタフネス等に示される機械的特性に優れ、耐湿熱性にも優れていることがより好ましい。
例としては、(メタ)アクリル酸エステル類(フッ素不含(メタ)アクリル酸エステル(a),含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(b)),スチレン系化合物(c),ビニルエステル類(d)、ポリカーボーネート類の原料であるビスフェノールA等を重合性化合物として用いて重合させたものとすることができる。そして、クラッド形成ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)も好ましい。これらを原料として、各々を重合させたホモポリマー、あるいはこれらのうち2種以上を組み合わせて重合させた共重合体、および上記のホモポリマーや共重合体の各種組み合わせによる混合物も例として挙げることができる。混合物を用いる場合においては、上記沸点Tbは、混合物を構成する複数の原料化合物の沸点の中で最も低い温度、もしくは共沸混合物を成すことにより沸点が下がるときには沸点下降後の温度として定義される。また、混合物を原料として得られた共重合体及びブレンドポリマーの場合には、各共重合体またはブレンドポリマーのガラス転移点を上記Tgとして定義する。そして、これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル類または含フッ素ポリマーを成分として含むものが光伝送体を構成する上でより好ましい。次に、上記の例について、より詳細に示す。
上記の(a)フッ素不含メタクリル酸エステルおよびフッ素不含アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジフェニルメチル、トリシクロ[5・2・1・02,6 ]デカニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボニルメタクリレート等が挙げられ、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
また、(b)含フッ素アクリル酸エステルおよび含フッ素メタクリル酸エステルとしては、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1 −トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、(c)スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。さらには、(d)ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等が挙げられる。もちろん、これらに限定されるものではなく、重合性化合物の単独あるいは共重合体からなるポリマーの屈折率が、光伝送体に成型されたときに所定の屈折率分布を成型体のなかで有するように、種類や組成比を決定することが好ましい。
また、クラッドを形成する好ましいポリマーとしては、上記の各種化合物の他に以下のものを例示することができる。例えば、メチルメタクリレート(MMA)とトリフルオロエチルメタクリレート(FMA)やヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート等のフッ化(メタ)アクリレートとの共重合体を挙げることができる。また、MMAと,tert−ブチルメタクリレートなどの分岐を有する(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレートなどとの共重合体がある。さらにはポリカーボネート(PC)、ノルボルネン系樹脂(例えば、ZEONEX(登録商標:日本ゼオン(株)製))、ファンクショナルノルボルネン系樹脂(例えば、ARTON(登録商標:JSR製)など)、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)を用いることもできる。また、フッ素樹脂の共重合体(例えば、PVDF系共重合体)や、テトラフルオロエチレンパーフルオロ(アルキルビニルエーテル(PFA)ランダム共重合体、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体などを用いることもできる。
なお、これらのポリマーが水素原子(H)を含んでいる場合には、その水素原子が重水素原子(D)に置換されていることが好ましく、これにより伝送損失の低減、特に近赤外領域の波長における伝送損失の低減を図ることができる。
さらに、近赤外光用途に用いるためには、ポリマーを構成するC−H結合に起因した吸収損失が起こるために、特許3332922号公報や特開2003−192708号公報などに記載されているような、C−H結合の水素原子を重水素原子やフッ素などで置換したポリマーを用いることで、この伝送損失を生じる波長域を長波長化することができ、伝送信号光の損失を軽減することができる。このようなポリマーとしては、例えば、重水素化ポリメチルメタクリレート(PMMA−d8)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソプロピル2−フルオロアクリレート(HFIP 2−FA)などを例示することができる。なお、原料となる化合物は、重合後の透明性を損なわないためにも、不純物や散乱源となる異物は重合前に十分に除去されることが望ましい。
重合させてポリマーとする場合においては、重合開始剤を使用する場合がある。重合開始剤としては、例えば、ラジカルを生成するものが各種ある。例えばラジカルを生成するものとして、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物が挙げられる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は、これらに限定されるものではなく、また、2種類以上を併用してもよい。
ポリマーとしたときの機械特性や熱物性などの各種物性値を全体にわたって均一に保つために、重合度の調整を行うことが好ましい。重合度の調整のためには、連鎖移動剤を使うことができる。連鎖移動剤については、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択できる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、該連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)などを用いることが好ましい。特に、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子やフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は勿論これらに限定されるものではなく、これら連鎖移動剤は2種類以上を併用してもよい。
ドーパントは、上記のような重合性化合物とは異なる屈折率を有する化合物である。その屈折率差は0.005以上であることが好ましい。ドーパントは、これを含有するポリマーが無添加のポリマーと比較して、屈折率が高くなる性質を有する。これらは、特許3332922号公報や特開平5−173026号公報に記載されているような、モノマーの合成によって生成されるポリマーとの比較において、溶解性パラメータとの差が7(cal/cm3 1/2 以内であると共に、屈折率の差が0.001以上であり、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して屈折率が変化する性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、いずれも用いることができる。
また、ドーパントは重合性化合物であってもよい。重合性化合物のドーパントを用いた場合には、これを共重合成分として含む共重合体が、これを含まない重合体と比較して、屈折率が上昇する性質を有するものを用いることが好ましい。上記性質を有し、重合体と安定した共存が可能で、かつ、前述のコア用モノマーあるいはクラッド原料である重合性化合物の各種重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、ドーパントとして用いることができる。本実施の形態では、コア用モノマーにドーパントを含有させ、コア部を形成する工程において界面ゲル重合法により重合の進行方向を制御し、屈折率調整剤の濃度に傾斜を持たせ、コア部に屈折率調整剤の濃度分布に基づく屈折率分布構造を形成する方法を例示しているが、それ以外にもプリフォーム形成後に屈折率調整剤を拡散させる方法も知られている(以下、屈折率の分布を有するコア部を「屈折率分布型コア部」と称する)。屈折率分布型コア部を形成することにより、得られる光学部材は、広い伝送帯域を有する屈折率分布型プラスチック光学部材となる。
前記ドーパントとしては、例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジル−n−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)などが挙げられ、中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOが好ましい。また、ドーパントは、例えばトリブロモフェニルメタクリレートのように重合性化合物でもよく、その場合、マトリックスを形成する際に、重合性モノマーと重合性ドーパントとを共重合させるので、種々の特性(特に光学特性)の制御がより困難となるが、耐熱性の面では有利となる可能性がある。ドーパントの、コア部における濃度および分布を調整することによって、プラスチック光ファイバーの屈折率を所望の値に変化させることができる。
前述した重合開始剤や連鎖移動剤、屈折率調整剤の各添加量については、用いるコア用モノマーの種類等に応じて、好ましい範囲を適宜決定することができる。本実施形態においては、重合開始剤は、コア用モノマーに対して、0.005〜0.050質量%となるように添加しており、この添加率を0.010〜0.020質量%とすることがより好ましい。また、前記連鎖移動剤は、コア用モノマーに対して、0.10〜0.40質量%となるように添加しており、この添加率を0.15〜0.30質量%とすることがより好ましい。そして、本実施形態のように、ドーパントを添加する場合の添加率は、コア用モノマーに対して、1質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。
その他、コア部、クラッド部もしくはそれらの一部には、光伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。例えば、コア部もしくはその一部に耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤も、前記原料となる各種重合性化合物に添加した後、重合することによって、コア部、クラッド部もしくはそれらの一部に含有させることができる。
GI型POFのプリフォームの製造方法は、特許3332922号公報に記載されているように、クラッドとなる樹脂の中空管を作成し、その管内にコアを形成する樹脂組成物を注入し、塊状重合法の一種である界面ゲル重合法によりポリマーを重合することによりコア部を形成する方法を例示することができる。この場合の重合条件、つまり重合温度や順号時間は、用いるモノマーや重合開始剤により異なるが、一般的に好ましい条件がある。その条件とは、例えば重合温度は、60℃以上で、かつ生成するポリマーのガラス転移点以下であることが好ましく、60℃以上150℃以下であることが好ましい。また例えば重合時間は、5〜72時間であることが好ましく、5〜48時間であることがより好ましい。不活性ガス雰囲気中で重合反応を行うことが好ましく、必要に応じて、加圧や減圧を実施してもよい。この他にも、国際公開第03/19252号パンフレット記載の重合条件を適用することにより、密度揺らぎのないコア部を形成することができる。また、その他には、重合後の屈折率が異なる重合性組成物を逐次添加するコア部の形成法も知られている。なお、本発明に用いられるGI型光ファイバーのプリフォームの製造方法は、前述の如く界面ゲル重合法に限定されるものではない。また、樹脂組成物は前述のように、単一の屈折率を持つ樹脂組成物に屈折率調整剤を添加するものや、屈折率の異なる樹脂を混合するもの、共重合などが用いられる。また、POFは、GI型の他に、シングルモード型、ステップインデックス型など様々な屈折率プロファイルを持つものが知られており、本発明は、これらの製造方法により製造されたPOFに適用することもできる。
POFの場合には、曲げ、耐候性の向上,吸湿による性能低下抑制,引張強度の向上,耐踏付け性付与,難燃性付与,薬品による損傷からの保護,外部光線によるノイズ防止,着色などによる商品価値の向上などを目的として、通常、その表面に1層以上の保護層を被覆して使用する。
保護層形成用材料としては、具体的に以下の材料を挙げることができる。これらは高い弾性を有しているため、曲げなどの機械的な特性付与の観点でも効果がある。まず、ポリマーの一形態であるゴムを用いることもできる。具体的には、イソプレン系ゴム(例えば、天然ゴム,イソプレンゴムなど),ブタジエン系ゴム(例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム,ブタジエンゴムなど),ジエン系特殊ゴム(例えば,ニトリルゴム,クロロプレンゴムなど),オレフィン系ゴム(例えば、エチレン−プロピレンゴム,アクリルゴム,ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴムなど),エーテル系ゴム,ポリスルフィド系ゴム,ウレタン系ゴムなどが挙げられる。
また、保護層形成用材料としては、室温では流動性を示し、加熱することによりその流動性が消失して硬化する液状ゴムを用いることができる。具体的には、ポリジエン系(例えば、基本構造がポリイソプレン,ポリブタジエン,ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,ポリクロロプレンなど),ポリオレフィン系(例えば、基本構造がポリオレフィン,ポリイソブチレンなど),ポリエーテル系(例えば、基本構造がポリ(オキシプロピレン)など),ポリスルフィド系(例えば、基本構造がポリ(オキシアルキレンジスフィド)など),ポリシロキサン系(例えば、基本構造がポリ(ジメチルシロキサン)など)などを挙げることができる。
保護層形成用材料として、さらには、熱可塑性エラストマー(TPE)を用いることもできる。熱可塑性エラストマーは、室温ではゴム弾性を示し、高温では可塑化されて成形が容易である物質群である。具体的には、スチレン系TPE,オレフィン系TPE,塩化ビニル系TPE,ウレタン系TPE,エステル系TPE,アミド系TPEなどが挙げられる。なお、前記列記したポリマーは、素線のポリマーのガラス転移温度Tg以下で成形可能なものであれば、特に上記材料に限定されず、各材料間もしくは上記以外の共重合体や混合ポリマーを用いることもできる。
また、ポリマー前駆体と反応剤などとを混合した液を熱硬化させるものを保護層形成用材料として用いることができる。例えば、特開平10−158353号公報に記載のNCOブロックプレポリマーと微粉体コーティングアミンとから製造される1液型熱硬化性ウレタン組成物を挙げることができる。また、国際公開第95/26374号パンフレットに記載のNCO基含有ウレタンプレポリマーと20μm以下の固形アミンとからなる1液型熱硬化性ウレタン組成物なども用いることもできる。その他に、性能を改善する目的で難燃剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、滑剤などの添加剤や、無機化合物及び/または有機化合物からなる各種フィラーを加えることができる。
本発明では、所定の光伝送体にさらに必要に応じて上記の保護層を1次被覆層とし、外周にさらに2次(または多層)被覆層を設けたものを用いてもよい。1次被覆が充分な厚みを有している場合には、1次被覆の存在により熱ダメージが減少するため、2次被覆層の素材の硬化温度の制限は、1次被覆層を被覆する場合に比べて、緩くすることができる。2次被覆層には前述と同様に、難燃剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、昇光剤、滑剤などを導入してもよい。なお、難燃剤については臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤や燐含有のものがあるが、毒性ガス低減などの安全性の観点で難燃剤として金属水酸化物を好ましく使うことができる。金属水酸化物はその内部に結晶水として水分を有しており、またその製法過程での付着水が完全に除去できないため、金属水酸化物による難燃性被覆は本発明の1次被覆層の外層に耐湿性被覆を設けてその外層にさらに被覆層として設けることが望ましい。
また、複数の機能を付与させるために、様々な機能を有する被覆を積層させてもよい。例えば、前述の難燃化以外に、吸湿を抑制するためのバリア層や水分を除去するための吸湿材料、例えば吸湿テープや吸湿ジェルを被覆層内や被覆層間に有することができ、また可撓時の応力緩和のための柔軟性素材層や発泡層等の緩衝材、剛性を向上させるための強化層など、用途に応じて選択して設けることができる。樹脂以外にも構造材として、高い弾性率を有する繊維(いわゆる抗張力繊維)および/または剛性の高い金属線等の線材を熱可塑性樹脂に含有すると、得られるケーブルの力学的強度を補強することができることから好ましい。抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。いずれのものも前述したものに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を組み込むことができる。
また、本発明の光通信方式においては、ケーブルの形状は使用形態によって、POFあるいは心線を同心円上にまとめた集合ケーブルや、これらを横に一列に並べたテープ状のもの、さらにそれらを押え巻やラップシースなどでまとめた集合ケーブルなど用途に応じてその形態を選ぶことができる。
また、本発明の光通信方式でPOFを用いた光デバイスを用いる場合には、接続用光コネクタを用いて光デバイスにおける接続部を確実に固定することが好ましい。コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA型、SMI型、F05型、MU型、FC型、SC型などの市販の各種コネクタを利用することも可能である。
本発明では、種々の発光素子を用いることができるが、光の放射角が狭いうえに集積率が上げられ、比較的低い電流で動作することや、構成する元素組成比によって発振波長を変化させることができることから、特開平7−307525号公報、特開平10−242558号公報、特開2003−152284号公報の記載の様に、面発光型半導体レーザー(VCSEL)を光源として用いることがより好ましい。その他に本発明では、種々の受光素子、光スイッチ、光アイソレータ、光集積回路、光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置等が組み合わされて通信することができる。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用でき、例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。前記文献に記載の種々の技術と組み合わせることによって、コンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線、車両や船舶などの内部配線、光端末とデジタル機器、デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LAN等をはじめとする、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御用途などの短距離に適した光伝送方式に好適に用いることができる。
さらに、IEICE TRANS. ELECTRON.,VOL.E84−C,No.3,MARCH 2001,p.339−344 「High−Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3,No.6,2000 476頁〜480頁「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開2003−152284号公報に記載の導波路面に対する発光素子の配置;特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号等の各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号等の各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号等の公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号等の各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号等に記載の光信号処理装置;特開2001−86537号等に記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号等に記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号等の各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などを組み合わせることで、多重化した送受信などを使用した、より高度な光伝送方式を構築することができる。以上の光伝送用途以外にも照明(導光)、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
なお、本発明の光通信方式は、上記の実施形態のGI型POF以外のものとして、例えば、ステップインデックス(SI)型や単一モード(SM)型のPOFを使用した場合についても適用可能である。そして、本発明は、管状のクラッドとそのクラッドの中のコアとで形成させるような光伝送体に限定されるものではなく、平板状の光伝送体やレンズ等にも適用することができる。例えば、光導波路等の平板状の光伝送体の場合には、屈折率を平板の少なくとも一部の厚み方向で異なる(axialGRINと称される場合がある。)ように製造するたものを使用するときに本発明を適用することができる。また、球状のものの場合には、径方向の球中心から外表面にかけて屈折率が異なる(sphericalGRINと称される場合がある。)ように製造されたものの場合に本発明を適用することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実験1]
目的とするプリフォーム15の外径に対応する内径を有する、充分な剛性をもった重合容器を用いてクラッド12を製造した。この重合容器は、内径22mm、長さ600mmの円筒状容器である。水分を100ppm以下となるように除去された全重水素化メチルメタクリレート(MMA−d8)を下記の各種添加剤等と混合し、50℃に温度調整した後、前記重合容器に所定量注入した。MMAの重合開始剤としてはジメチルアゾビスイソブチレートを用い、連鎖移動剤(分子量調整剤)としてはn−ドデシルメルカプタンを用いた。MMA−d8に対して、ジメチルアゾビスイソブチレートは0.05質量%、n−ドデシルメルカプタンは0.4質量%配合した。
その後、上記MMA溶液が注入された重合容器を、減圧下において5分間超音波脱気を行った後、密封した。この重合容器を70℃の湯浴に供し、震盪を加えながら2時間の予備重合を行った。その後、重合容器を65℃下にて水平状態にして、高さ方向が水平となる状態に保持した。3000rpmにてこの重合容器を回転させながら、1時間加熱下で重合した後、70℃に昇温し、更に4時間加熱下で重合した。その後、90℃で24時間の熱処理を行い、全重水素化PMMAからなる円筒管を得てこれをクラッド12とした。
次に、得られたクラッド12を重合容器から取り出し、90℃に設定された恒温槽にて、2時間の熱処理を実施した。この熱処理は、9×104 Paの減圧度で実施した。その後、クラッド12の中に、コア用モノマーとしてのMMA−d8とドーパントとを注入した。MMA−d8は、水分を100ppm以下に除去した溶液であり、ドーパントとしては、硫化ジフェニルを用いて、これをMMA−d8に対して7質量%混合した。この注入に先だって、混合溶液を、濾過精度0.2μmの四フッ化エチレン製メンブランフィルタで濾過しつつ、濾液を直接クラッド12に注入した。この際に、クラッド12の内面にクラックは発生しなかった。
重合開始剤としてはジ−t−ブチルパーオキサイド(十時間半減期温度は123.7℃)を用い、連鎖移動剤としてはドデシルメルカプタンを用いた。MMA−d8に対し、ジ−t−ブチルパーオキサイドは0.016質量%、ドデシルメルカプタンは0.27重量%配合した。このMMA−d8等を注入したクラッド12は、減圧下にて5分間超音波脱気を行った後に、ガラス管52内に挿入され、重合容器41にセットされた。なお、ガラス管52は、クラッド12の外径に対し9%だけ広い内径をもつものである。ガラス管52は、重合容器51に垂直に静置した。その後、重合容器41内を窒素置換した後、0.05Mpa加圧し、100℃で48時間加熱重合した。その後、120℃で、24時間、加熱重合および熱処理を行った。重合完了後、加圧量を0.05Mpaに保持したまま0.01℃/minの冷却速度にて、80℃にまで降温した後に、プリフォーム15を得た。
得られたプリフォーム15には、重合完了時に体積収縮による気泡の混入はなかった。このプリフォーム15を、230℃に設定した加熱延伸(線引き)し、直径約400〜500μmのPOF17を製造した。延伸工程16において、プリフォーム15には気泡の発生は観察されず、安定して長さ500mのPOF17を得ることができた。
得られたPOF17を、恒温槽にて乾燥した。この乾燥条件は、温度25℃、減圧度9×104 Pa、100時間とした。その後、伝送損失の波長スペクトルを600〜900nmの波長範囲で測定し、POF17の乾燥時における伝送損失P1のデータを採取した。なお、用いた測定装置は、安藤電気(株)製のスペクトルアナライザ(型式;AQ6315B)である。
次に、このPOF17を、恒温槽で飽和吸水状態とした。吸水状態とするための条件は、温度40℃、相対湿度95%、240時間とした。その後、伝送損失の波長スペクトルを600〜900nmの波長範囲で乾燥時と同じスペクトルアナライザを用いて測定し、POF17の飽和吸水時における伝送損失P2のデータを採取した。これらのデータは、先の実施形態において図示し説明した図5及び図6である。
得られたデータP1及びP2により伝送損失増加量Lを求めて、伝送損失増加量Lと伝送損失比L/Pとの各波長依存性データを得た。これらのデータは既に上記の実施形態にて説明した図7及び図8である。
[実験2]
ドーパントを全重水素化ブロモベンゼンに代えた以外は実験1と同様に実施した。得られた伝送損失データは、既に上記の第2の実施形態にて説明した図9〜図12である。
本実施例の結果、実験1では、550〜702nmと785〜805nmの波長範囲において飽和吸水時での伝送損失が200dB/km以下となり、また、これらの各波長範囲において、OH振動吸収と基本損失との双方を考慮した低損失波長領域は684nmと791nmとであり、それらの各伝送損失は93dB/km及び177dB/kmであった。また実験2では、550〜715nm、792〜805nmの波長範囲において飽和吸水時での伝送損失が200dB/km以下となり、また、これらの各波長範囲において、OH振動吸収と基本損失との双方を考慮した低損失波長領域は652nmと795nmとであり、各伝送損失は90dB/km及び178dB/kmであった。これらの波長は、POFに吸収された水のOH吸収波長の影響が小さい領域と一致しており、したがって、この領域を通信波長とするとPOFが吸水した場合でも安定した通信を連続して実施することができることがわかる。
本発明の実施形態としてのプラスチック光ファイバの製造工程を示す概略図である。 実施形態であるプリフォームの断面図である。 プリフォームの径方向における屈折率を示す図である。 POFのコア部を生成するための重合装置を示す断面図である。 乾燥時における伝送損失と波長との関係を示すグラフである。 飽和吸水時における伝送損失と波長との関係を示すグラフである。 飽和吸水による伝送損失増加量と波長との関係を示すグラフである。 乾燥時の伝送損失に対する伝送損失増加量の比を示すグラフである。 別の実施形態の乾燥時における伝送損失と波長との関係を示すグラフである。 飽和吸水時における伝送損失と波長との関係を示すグラフである。 飽和吸水による伝送損失増加量と波長との関係を示すグラフである。 乾燥時の伝送損失に対する伝送損失増加量の比を示すグラフである。
符号の説明
12 クラッド
15 プリフォーム
30 コア
40 重合装置
41 重合容器

Claims (6)

  1. プラスチック光伝送体の乾燥時における第1伝送損失P1(単位;dB/km)と500nmから900nmまでの領域の波長との第1の関係を求める第1工程と、
    前記プラスチック光伝送体の飽和吸水時における第2伝送損失P2(単位;dB/km)と前記領域の波長との第2の関係を求める第2工程と、
    前記第2伝送損失P2から前記第1伝送損失P1を減じた伝送損失増加量L(単位;dB/km)と前記領域の波長との第3の関係を求める第3工程と、
    前記伝送損失増加量を前記第1伝送損失で除した伝送損失増加比L/P1と前記領域の波長との第4の関係を求める第4工程と、
    前記第1〜第4の各関係から、
    0≦L/P1≦1と、
    0<L≦100と、
    0<L+P1≦200と、
    を満たす波長を求めることにより、前記プラスチック光伝送体に含まれる水の水酸基(−OH)の振動吸収波長x(単位;nm)を前記領域の波長から除く第5工程とを有し、
    前記プラスチック光伝送体と前記第5工程で求められる波長の光源とを用いることを特徴とする光通信方法
  2. 前記光源の波長は、550nm以上705nm以下、または、794nm以上805nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の光通信方法。
  3. 前記プラスチック光伝送体の少なくとも導光部を構成するプラスチックが水素原子を含んだ非晶質ポリマーであり、前記水素原子が重水素であることを特徴とする請求項1または2記載の光通信方法
  4. 前記非晶質ポリマーの吸水率が0.01%以上5%以下であることを特徴とする請求項3記載の光通信方法
  5. 前記プラスチック光伝送体が、光を伝送する第1部材と第1部材よりも小さな屈折率を有する第2部材とを有し、
    少なくとも前記第1部材が、前記光の前記伝送の方向に垂直な方向において異なる屈折率を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれかひとつ記載の光通信方法
  6. 前記プラスチック光伝送体が光ファイバであることを特徴とする請求項1ないし5いずれかひとつ記載の光通信方法
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