JP2005292668A - プラスチック光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 気泡を含有しないプラスチック光ファイバを得る。
【解決手段】 PVDFからクラッドパイプを作製する。クラッドパイプ内周面にPMMAからなるアウターコアを形成する。アウターコアの内周面に中空部21が形成されるように界面ゲル重合法でインナーコアを形成してプリフォーム15を作製する。プリフォーム15をアダプタ81を介して製造設備80にセットする。減圧ライン90により中空部21内を(大気圧−1.0kPa)に減圧する。プリフォーム15を60℃〜215℃の温度分布を有する加熱炉84に入れる。プリフォーム15を加熱溶融延伸してプラスチック光ファイバ17を得る。
【選択図】 図7

Description

本発明は、プラスチック光ファイバの製造方法に関するものである。
近年、通信産業の発達に伴い、光ファイバの需要が高まると共に伝送損失が小さく、低価格であるものが要求されている。プラスチック光学部材は、同一構造を有する石英系光学部材と比較して、製造及び加工が容易であること並びに低価格であること等の利点がある。特に、プラスチック光ファイバ(以下、POFと称する)は、素材が全てプラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系光ファイバと比較してやや大きいという短所を有する。しかしながら、良好な可撓性を有し、軽量で加工性が良く、石英系光ファイバと比較して口径の大きい光ファイバの製造が容易であるという長所を有する。さらに、低コストで製造が可能であるという長所をも有する。従って、伝送損失の大きさが問題とならない程度の短距離用の光伝送体として種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
POFは、プラスチックからなる芯(以下、コア又はコア部と称する)とコア部より低屈折率のプラスチックからなる外殻(以下、クラッド又はクラッド部と称する)とから構成されている。POFの製造方法の1つに、溶融押出法によりパイプ状のクラッド部(以下、クラッドパイプと称する)を形成し、そのクラッドパイプ中にコア部を形成する方法が知られている。特に、中心から外側に向かって屈折率の大きさに分布を有するコア部を備えた屈折率分布型(グレーデッドインデックス型。以下、GI型と称する)POFは、伝送する光信号の帯域を大きくすることが可能なため、高い伝送容量を有する光ファイバとして最近注目されている。このようなGI型POFの製造方法の1つには、界面ゲル重合法を利用して、プリフォーム(母材)を作製する。その後に前記プリフォームを加熱炉に送り込み、加熱溶融延伸させて製造される方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
母材を形成した後に加熱溶融延伸させてPOFを製造する際に、母材形成時に樹脂の冷却収縮に伴うボイド(気泡)、変形などを回避するため中空円筒状に形成する方法が知られている。素材は広範囲の波長帯での通信を可能にするため実質的にC−H結合を含まない非晶性の含フッ素系重合体が提案されている。また、中空円筒状母材からPOFを製造する際に、POF中に中空部が残らないようにするために中空部の減圧度、中空円筒形の母材外径と内径との比、母材外径などを最適化することが検討されている。(例えば、特許文献3及び4参照。)
特開昭61−130904号公報 特許第3332922号公報 特開平8−334366号公報 WO98/40768
ところで、前記特許文献3では広範囲の波長帯での通信を可能にするためC−H結合を含まない非結晶性の含フッ素系重合体に限定した回転成形母材の製造方法について規定している。近年ではコストの点からコアをアクリル樹脂から形成したものが用いられている。そのため、前記特許文献3に記載のプリフォームの製造方法をそのままアクリル樹脂系POFの製造方法に適用することは困難である。
また、特許文献4でも特許文献3に記載してあるものと同様に実質的にC−H結合を含まない非結晶性の含フッ素系重合体に限定している。そのため、特許文献4に記載のPOF製造時におけるプリフォームの中空部を減圧状態に保つ条件やプリフォーム外径と内径との比の規定やプリフォームの外径の規定をそのままアクリル樹脂系POFに適用することは困難である。そのため、近年コストの点から幅広く利用されているアクリル樹脂系POFを中空円筒型プリフォームから製造する際に、POF中に気泡が残る問題が生じている。気泡によりPOF内部に空洞が生じるため部分的に光伝送特性が悪化する問題が生じている。
本発明は、中空円筒状母材から気泡の含有を抑制し光学特性に優れるプラスチック光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のプラスチック光ファイバの製造方法は、中空部が形成されているコアと、クラッドとを有する中空円筒型のプラスチック光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融延伸してプラスチック光ファイバを製造するプラスチック光ファイバの製造方法において、前記加熱溶融延伸している際に、前記中空部を(大気圧−10kPa)以上(大気圧−0.4kPa)以下の範囲に減圧する。前記加熱炉が前記プラスチック光ファイバ母材の延伸方向に対して独立して温度制御可能な複数の区画を備えているものであって、前記加熱炉入口側区画から前記母材の中空部が消失する区画まで間の前記各区画の温度変動値が各区画の所定温度に対して0.5℃以内とすることが好ましい。
前記減圧の変動量が、所定の圧力Pに対して0.001×P以上0.05×P以下の範囲とすることが好ましい。前記減圧の変動量が0.5kPa以内であることが好ましい。前記プラスチック光ファイバ母材の外径D1(mm)が、10mm以上100mm以下であることが好ましい。前記プラスチック光ファイバ母材の中空部の径D2(mm)が、前記プラスチック光ファイバ母材の外径D1(mm)に対して、0.05×D1(mm)以上0.4×D1(mm)以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.05×D1(mm)以上0.35×D1(mm)以下であり、最も好ましくは、0.05×D1(mm)以上0.3×D1(mm)以下である。前記コアの主成分が、塊状重合するモノマーの重合体であることが好ましい。前記重合体が、アクリル樹脂であることが好ましく、より好ましくはポリメチルメタクリレートである。
少なくともクラッドが形成されている中空円筒管内に重合性モノマーと屈折率調整剤とを含む反応溶液を入れ、前記中空円筒管を略水平方向に配置し、前記中空円筒管を回転させながら前記反応溶液を重合させ、前記コアの屈折率分布が、前記中空部から前記クラッド側へ連続的に低下して形成されることが好ましい。前記重合性モノマーがメチルメタクリレートであることが好ましい。
本発明のプラスチック光ファイバの製造方法によれば、中空部が形成されているコアと、クラッドとを有する中空円筒型のプラスチック光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融延伸してプラスチック光ファイバを製造するプラスチック光ファイバの製造方法において、前記加熱溶融延伸している際に、前記中空部を(大気圧−10kPa)以上(大気圧−0.4kPa)以下の範囲に減圧するから、前記プラスチック光ファイバ中に気泡の含有が抑制される。
また、前記加熱炉が前記プラスチック光ファイバ母材の延伸方向に対して独立して温度制御可能な複数の区画を備えているものであって、前記加熱炉入口側区画から前記母材の中空部が消失する区画まで間の前記各区画の温度変動値が各区画の所定温度に対して0.5℃以内とすることで、前記プラスチック光ファイバ中に気泡の含有がさらに抑制される。それにより前記プラスチック光ファイバの伝送損失の悪化は、極めて抑制される。
本発明に係るプラスチック光ファイバは、コア部とクラッド部のいずれもがポリマーから形成されている。なお、コア部とクラッド部とからのみなるものをPOF(プラスチック光ファイバ)と称する。本発明に係るPOFの製造方法を図1に示す。クラッドパイプ作製工程11で原料ポリマーを溶融押出法によりクラッドパイプ12を作製する。なお、クラッドパイプ12の製造方法については、後に詳細に説明する。次に、アウターコア重合工程13において、クラッドパイプ12の内周面にアウターコア20a(図5参照)を形成する。重合性組成物を含むアウターコア液形成用液(以下、アウターコア液と称する)を調製し、その液をクラッドパイプ12内に入れてアウターコア重合を行う。そして、インナーコア重合工程14でアウターコア20a内にインナーコア20b(図5参照)を形成する。インナーコア形成用液(以下、インナーコア液と称する)を調製し、そのインナーコア液をアウターコア20aが形成されたクラッドパイプ12内に入れて、インナーコア重合を行いインナーコア20b(図5参照)を形成する。これらアウターコア20aとインナーコア20bとによりコア部20が形成されてプリフォーム15が得られる。
プリフォーム15を延伸工程16により、加熱溶融延伸してPOF17とする。なお、この延伸工程16については後に詳細に説明する。POF17は、そのままの形態で光伝送体として用いることができる。しかしながら、取り扱いを容易にしたりPOF17の外周面の損傷を抑制したりするために被覆層を形成することが好ましい。被覆層は、被覆工程18により形成し、POF17の外周面に被覆材が被覆層として形成されたプラスチック光ファイバ心線(プラスチック光ファイバコードとも称される。以下、光ファイバ心線と称する。)19が得られる。
(コア部)
コア部の原料の重合性モノマーとしては、塊状重合が容易である原料を選択するのが好ましい。光透過性が高く塊状重合しやすい原料としては例えば、以下のような(メタ)アクリル酸エステル類(フッ素不含(メタ)アクリル酸エステル(a),含フッ素(メタ)アクリル酸エステル(b)),スチレン系化合物(c),ビニルエステル類(d)等を例示することができ、コア部はこれらのホモポリマー、あるいはこれらモノマーの2種以上からなる共重合体、およびホモポリマー及び/または共重合体の混合物から形成することができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル類を重合性モノマーとして含む組成を好ましく用いることができる。
以上に挙げた重合性モノマーとして具体的に、(a)フッ素不含メタクリル酸エステルおよびフッ素不含アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル(BzMA)、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジフェニルメチル、トリシクロ[5・2・1・02,6 ]デカニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート等が挙げられ、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。また、(b)含フッ素アクリル酸エステルおよび含フッ素メタクリル酸エステルとしては、2,2,2 −トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3 −テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3 −ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1 −トリフルオロメチル−2,2,2 −トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5 −オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4 −ヘキサフルオロブチルメタクリレート等が挙げられる。さらに、(c)スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。さらには、(d)ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではない。モノマーの単独あるいは共重合体からなるコア部のポリマーの屈折率は、クラッド部のそれに比べて同等かあるいはそれ以上になるように構成モノマーの種類,組成比を選択する。特に好ましいポリマーとしては、透明樹脂であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)が挙げられる。
さらに、作製するPOF17を近赤外線用途に用いる場合は、コア部のポリマーを構成するC−H結合に起因した吸収損失が起こるために、特許第3332922号公報などに記載されているような重水素化ポリメチルメタクリレート(PMMA−d8)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(P3FMA)、ポリヘキサフルオロイソプロピル2−フルオロアクリレート(HFIP 2−FA)などを始めとする、C−H結合の水素原子(H)を重水素原子(D)やフッ素(F)などで置換した重合体を用いることで、この伝送損失を生じる波長域を長波長化することができ、伝送信号光の損失を軽減することができる。なお、原料モノマーは重合後の透明性を損なわないためにも、不純物や散乱源となる異物は重合前に十分に低減することが望ましい。
(クラッド部)
クラッド部の素材には、コア部を伝送する光がそれらの界面で全反射するために、コア部の屈折率より低い屈折率を有し、コア部との密着性が良いものを好ましく用いることができる。ただし、素材の選択によってコア部とクラッド部の界面の不整が起こりやすい、もしくは製造適性上好ましくない場合などにおいては、コア部とクラッド部の間にさらに層を設けても良い。例えば、コア部との界面(即ち、中空管の内壁面)に、コア部のマトリックスと同一組成のポリマーからなるアウターコア層を形成することにより、コア部とクラッド部との界面状態を矯正することができる。アウターコア層の詳細については後述する。勿論、アウターコア層を形成せずに、クラッド部そのものを、コア部のマトリックスと同一組成のポリマーから形成することもできる。
クラッド部の素材としては、タフネスに優れ、耐湿熱性にも優れているものが好ましく用いられる。例えば、フッ素含有モノマーの単独重合体または共重合体からなるのが好ましい。フッ素含有モノマーとしてはフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましく、フッ化ビニリデンを10質量%以上含有する1種以上の重合性モノマーを重合させて得られるフッ素樹脂が好ましく用いることができる。
また、後述の溶融押出法により重合体を成形し、クラッド部を作製する場合は、重合体の溶融粘度が適当であることが必要である。この溶融粘度については、相関する物性として分子量が用いられ特に重量平均分子量との相関がある。本発明においては、重量平均分子量が1万〜100万の範囲であることが適当であり、より好ましくは5万〜50万の範囲である。
さらに、できるだけコア部へ水分が浸入することを防ぐことが好ましい。そのためには、吸水率が低いポリマーをクラッド部の素材(材料)として用いる。すなわち飽和吸水率(以下、吸水率と称する)が1.8%未満のポリマーを用いてクラッド部を作製するのが好ましい。より好ましくは1.5%未満のポリマー、さらに好ましくは1.0%未満のポリマーを用いてクラッド部を作製することが好ましい。また、前記アウターコア層を作製する場合にも同様の吸水率のポリマーを用いることが好ましい。吸水率(%)は、ASTM D 570試験法に従い、23℃の水中に試験片を1週間浸漬し、そのときの吸水率を測定することにより算出することができる。
(重合開始剤)
前記コア部及び/又はクラッド部が、重合性モノマーから重合されたポリマーから作製される場合、重合の際に重合開始剤が用いられる。重合開始剤としては、用いるモノマーや重合方法に応じて適宜選択することができ、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物が挙げられる。また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は勿論これらに限定されるものではなく、更には2種類以上を併用してもよい。
(連鎖移動剤)
コア部形成用重合性組成物及びクラッド部形成用重合性組成物は、連鎖移動剤を含有していることが好ましい。前記連鎖移動剤は、主に重合体の分子量を調整するために用いられる。前記クラッド部およびコア部形成用重合性組成物がそれぞれ連鎖移動剤を含有していると、重合性モノマーからポリマーを形成する際に、重合速度および重合度を前記連鎖移動剤によってより制御することができ、重合体の分子量を所望の分子量に調整することができる。例えば、得られたプリフォームを延伸により線引してPOFとする際に、分子量を調整することによって延伸時における機械的特性を所望の範囲とすることができ、生産性の向上にも寄与する。
前記連鎖移動剤については、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択できる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、前記連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなど)、チオフェノール類(例えば、チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオールなど)などを用いることが好ましい。特に、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子(D)やフッ素原子(F)で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は勿論これらに限定されるものではなく、これら連鎖移動剤は2種類以上を併用してもよい。
(屈折率調整剤)
前記コア部用重合性組成物に屈折率調整剤を含有させるのが好ましい。なお、場合によっては、クラッド部重合性組成物に屈折率調整剤を含有させても良い。屈折率調整剤の濃度に分布を持たせることによって、前記濃度の分布に基づいて屈折率分布型のコアを容易に作製することができる。屈折率調整剤を用いなくとも、コア部の形成に2種以上の重合性モノマーを用い、コア部内に共重合比の分布を持たせることによって、屈折率分布構造を導入することもできるが、共重合の組成比制御などと比較して、製造の簡便さなどを鑑みると屈折率調整剤を用いることが好ましい。
屈折率調整剤はドーパントとも称し、併用する前記重合性モノマーの屈折率と異なる化合物である。その屈折率差は0.005以上であるのが好ましい。ドーパントは、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して、屈折率が高くなる性質を有する。これらは、特許第3332922号公報や特開平5−173026号公報に記載されているような、モノマーの合成によって生成される重合体との比較において溶解性パラメータとの差が7(cal/cm3 1/2 以内であると共に、屈折率の差が0.001以上であり、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して屈折率が変化する性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、いずれも用いることができる。
上記性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、ドーパントとして用いることができる。本実施形態では、コア部形成用重合性組成物にドーパントを含有させ、コア部を形成する工程において界面ゲル重合法により重合の進行方向を制御し、ドーパントの濃度に傾斜を持たせ、コア部にドーパントの濃度分布に基づく屈折率分布構造を形成する方法を例示する。このように、屈折率の分布を有するコア部を「屈折率分布型コア部」と称する。屈折率分布型コア部を形成することにより、得られる光学部材は広い伝送帯域を有する屈折率分布型プラスチック光ファイバ(GI型POF)となる。
ドーパントは重合性化合物であってもよく、重合性化合物のドーパントを用いた場合は、これを共重合成分として含む共重合体がこれを含まない重合体と比較して、屈折率が上昇する性質を有するものを用いる。なお、このような共重合体には、MMA−BzMA共重合体などが挙げられる。
前記ドーパントとしては、特許第3332922号や特開平11−142657号公報に記載されている様な、例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジル−n−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ジフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)、硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体などが挙げられる。中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOおよび硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体が好ましい。なお、これらの化合物中に存在する水素原子を重水素原子に置換した化合物も広い波長域での透明性を向上させる目的で用いることができる。また、重合性化合物として、例えば、トリブロモフェニルメタクリレート等が挙げられる。屈折率調整成分として重合性化合物を用いる場合は、マトリックスを形成する際に、重合性モノマーと重合性屈折率成分とを共重合させるので、種々の特性(特に光学特性)の制御がより困難となるが、耐熱性の面では有利となる可能性がある。
屈折率調整剤の濃度および分布を調整することによって、光学部材であるPOFの屈折率を所望の値に変化させることができる。その添加量は、用途および組み合わされる部材に応じて適宜選ばれる。屈折率調整剤は、複数種類添加してもよい。
(その他の添加剤)
その他、コア部、クラッド部もしくはそれらの一部には、光伝送性能を低下させない範囲で、それらを作製する重合性組成物にその他の添加剤を添加することができる。例えば、コア部もしくはその一部に耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。前記誘導放出機能化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部に光ファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤も、前記原料モノマーに添加した後、重合することによって、コア部、クラッド部もしくはそれらの一部に含有させることができる。
(プリフォーム製造方法の説明)
以下に、本発明の製造方法を、コア部とクラッド部とを有する屈折率分布型プラスチック母材の製造方法に適用した実施の形態について説明する。本実施形態は、主として2種類あるが、以下の実施形態に限定されるわけではない。
まず、第1の実施形態は、クラッド部用重合性組成物を重合して中空管を作製する。または熱可塑性樹脂を溶融押し出し成形してクラッド部となる中空円筒管を作製する(第1工程)。前記中空円筒管の中空部でコア部形成用重合性組成物を界面ゲル重合させることによりコア部となる領域を形成し、コア部およびクラッド部に各々対応する領域からなるプリフォームを作製する(第2工程)。そして得られたプリフォームを本発明に係る製造装置及び製造方法により所望の形態に加工(第3工程)してPOFを得る。
次に、第2の実施形態は、第1の実施形態でクラッド部に相当する中空円筒管を形成した後にその内周面にさらにアウターコア部という層を形成する(第1’工程)。なお、このアウターコア層を有する形態においては中心のコア部はインナーコア部とも称される。以下の説明において、態様によって「コア部」という場合は「インナーコア部」の意味も兼ねる。
例えば、ポリフッ化ビニリデン樹脂のような含フッ素樹脂からなる中空円筒管の中空部で、アウターコア用重合性組成物を回転重合法による重合などで、前記中空円筒管の内周面にアウターコア層を形成し、2層からなる中空円筒管を作製する(第1’工程)。前記中空円筒管の中空部にさらにインナーコア部を形成する。インナーコア部は、インナーコア部形成用重合性組成物を界面ゲル重合させて形成する(第2’工程)。そして、得られたプリフォームを所望の形態に加工(第3工程)して光学部材であるPOFを得る。
第2の実施形態においては、2層からなる同心の中空円筒管を作製する際、上記のように段階的でなく、クラッド部となるフッ素樹脂とアウターコア用重合組成物の重合体とを溶融共押し出しの方法の一段階で作製する方法なども容易に適用できる。
前記第1の実施の形態ではクラッド部/コア部形成用、第2の実施の形態ではアウターコア部/インナーコア部形成用の各々の重合性組成物に用いられる重合性モノマーの組成は、互いに等しいことが好ましい。ただし、その組成比については同一でなくてもよく、また副成分については等しくなくてもよい。等しい種類の重合性モノマーを用いることによって、クラッド部/コア部またはアウターコア部/インナーコア部界面における光透過性および接着性を向上させることができる。また、クラッド部あるいはアウターコア部を形成する樹脂が共重合体からなり、共重合成分の屈折率が異なる場合、共重合成分の比率を制御することでコア部との屈折率差を大きく持たせやすく、その結果、屈折率分布構造を形成し易くすることもできる。
第2の実施形態では、クラッド部とコア部との間にアウターコア部を形成することによって、クラッド部とコア部との材質の違いによる接着性の低下および生産性の低下などを軽減させる。その結果、クラッド部およびコア部に用いる材料の選択の幅を広げることができる。クラッド部に相当する円筒形状の管は、例えば、市販されているフッ素樹脂を溶融押出しや重合性組成物の回転重合により、所望の径と厚みのパイプに成形することで作製することもできる。さらに、得られたパイプの中空部で前記アウターコア部形成用重合性組成物を回転重合させ、その内周面にアウターコア層を形成することができる。また、その他、前記フッ素樹脂と前記重合性組成物からなる重合体を共押し出しすることによっても同様の構造体を作製することもできる。
本発明に係るPOFを作製する際に、屈折率調整成分を用い、その濃度に傾斜を持たせることによっても、GI型POFを作製することができるが、他の形態のPOFにも本発明は適用できる。屈折率調整成分の濃度に傾斜を持たせる方法としては、後述する界面ゲル重合法や回転ゲル重合法などを適用することができる。
前記クラッド部、アウターコア部を重合性組成物で作製する場合およびコア部形成用重合性組成物において、各成分の含有割合の好ましい範囲は、その種類に応じて異なり一概に定めることはできないが、一般的には、重合開始剤は、重合性モノマーに対して0.005質量%〜0.5質量%であることが好ましく、0.01質量%〜0.5質量%であることがより好ましい。前記連鎖移動剤は、重合性モノマーに対して0.10質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.15質量%〜0.50質量%であることがより好ましい。また、前記屈折率調整成分は、重合性モノマーに対して1質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜25質量%であることがより好ましい。
前記クラッド部、アウターコア部およびコア部形成用重合体組成物を重合することによって得られるポリマーの分子量は、プリフォームを延伸する関係から、重量平均分子量で1万〜100万の範囲であることが好ましく、3万〜50万であることがさらに好ましい。さらに延伸性の観点で分子量分布(MWD:重量平均分子量/数平均分子量)も影響する。MWDが大きくなると、極端に分子量が高い成分がわずかでもあると延伸性が悪くなり、場合によっては延伸できなくなることもある。したがって、好ましい範囲としては、MWDが4以下が好ましく、さらには3以下が好ましい。
次に、前記第1および第2の形態(特に前記第1の実施形態)の各工程について詳細に説明するが、以下に示す方法や順序に限定されるものではない。例えば、アウターコア作製後にインナーコアを作製したロッドにクラッドを塗布または嵌合によって取り付ける態様が挙げられる。また、クラッドとなる中空管にアウターコアを設けずにインナーコア相当部分を作製する形態も挙げられる。
(第1工程)
前記第1工程では、クラッド部に相当する1層の、またはクラッド部およびアウターコア部に相当する2層もしくはそれ以上の中空状(例えば円筒形状)の中空円筒管を作製する。中空円筒管の作製方法としては、例えばモノマーを重合させつつ中空管状に成形して作製する。この方法には、特開平5−173025号公報、特開平8−262240号公報、特開2001−215345号公報に記載されている様な回転重合による製造方法や樹脂の溶融押し出しなどが挙げられる。
中空円筒管を重合性組成物から製造する場合は、重合性組成物を回転させながら重合させて中空管内壁に重合体からなる層を形成させる回転重合法で行われる。例えば、前記クラッド部形成用重合性組成物を円筒形状の重合容器に注入する。前記重合容器を回転(好ましくは、円筒の軸を水平に維持した状態で回転)させつつ、前記重合性組成物を重合させる。これにより円筒管内面にクラッド部を作製できる。さらに、アウターコア部形成用重合性組成物をクラッドとなる中空円筒管に注入し、同様に重合を行う。これによりクラッド部内周面にアウターコア部が形成された中空円筒管を作製できる。
重合容器又は中空円筒管に前記いずれかの重合性組成物を注入する前に、その重合性組成物をフィルタにより濾過して、組成物中に含まれる塵埃を除去するのが好ましい。また、性能劣化や前工程、後工程の煩雑化などを起こさない限りにおいて、特開平10−293215号公報に記載された原料の粘度調整のように取り扱いやすい様に粘度などの調整やプレ重合を行うことによる重合時間の短縮なども行うことができる。重合温度および重合時間は、用いるモノマーや重合開始剤によって異なるが、一般的には、重合温度は60℃〜150℃であることが好ましく、重合時間は5時間〜24時間であることが好ましい。このときに、特開平8−110419号公報に記載されている様に、原料をプレ重合して原料粘度を上昇させてから重合させることで、成形に要する重合時間を短縮しても良い。また、重合に使用する容器が回転によって変形してしまうと、得られる円筒管に歪みを生じさせることから、充分な剛性を持つ金属管・ガラス管を用いることが望ましい。
また、ペレット状や粉末状の樹脂(好ましくはフッ素樹脂)を円筒形状の容器に入れ、両端を塞ぎ、前記容器を回転(好ましくは、円筒の軸を水平に維持した状態で回転)させる。そして、前記樹脂の融点以上に加熱して樹脂を溶融させることにより、重合体からなる中空円筒管を作製することができる。このときに、溶融による樹脂の熱または酸化、および熱酸化分解を防ぐために、前記容器内を窒素や炭酸ガス、アルゴンなどの不活性気体雰囲気下で行うことが好ましい。また、前記樹脂を事前に充分乾燥させておくことが好ましい。
一方、重合体を溶融押出ししてクラッド部を形成する場合は、一旦、重合体を合成した後、押出し成形等の成形技術を利用して、所望の形状(本実施の形態では円筒形状)の構造体を得ることもできる。これらに用いられる溶融押出装置としては、主として、インナーサイジングダイ方式とアウターダイ減圧吸引方式の2つのタイプがある。
図2に、インナーサイジングダイ方式の溶融押出装置の断面図の一例を示して、インナーサイジングダイ方式の成形の概略を説明する。溶融押出装置本体からベント付き1軸スクリュー押出機(図示しない)により、クラッド部の原料ポリマー31がダイ本体32に押出される。ダイ本体32の内部には、原料ポリマー31を円筒状に導くガイド33が挿入されている。原料ポリマー31は、ガイド33を経てダイ本体32とインナーロッド34との間の流路34aを通る。ダイの出口32aから原料ポリマー31は押出され、円筒中空管の形状のクラッド35が形成される。クラッド35の押出速度については特に制限されないが、形状を均一に保つとともに、生産性の点から、押出速度は1cm/min〜100cm/minの範囲であることが好ましい。
ダイ本体32には、原料ポリマー31を加熱するための加熱装置が設置されていることが好ましい。例えば、原料ポリマー31の流路34aに沿って、ダイ本体32を覆うように1つまたは2以上の加熱装置(例えば、蒸気,熱媒油,電気ヒータなどを利用した装置)を設置していてもよい。ダイの出口32a近傍に温度計36を取り付ける。温度計36によってダイの出口32aでのクラッド35の温度を測定して温度を調節することが好ましい。
加熱温度は、特に限定されない。具体的には、原料ポリマー31にPVDFを用いた際には、200℃〜290℃の範囲であることが好ましい。また、クラッド35の温度が40℃以上であることが、急激な温度変化による形状の変化を抑制することが可能となり好ましい。クラッド35の温度の制御は、例えば、温調機(例えば、水,不凍液,オイルなどの液体や、電子冷却などを使用した冷却装置)をダイ本体32に取り付けてもよいし、ダイ本体32の自然空冷により冷却してもよい。ダイ本体32に加熱装置が設置されている場合は、冷却装置は加熱装置の位置よりも下流に取り付けるのが好ましい。
次に、アウターダイ減圧吸引方式について説明する。なお、図3には、溶融押出装置の製造ライン40の一例を示し、図3には成形ダイス43の断面図の一例を示す。図3に示す製造ライン40は、溶融押出装置41と、押出ダイス42と、成形ダイス43と、冷却装置44と、引取装置45とを備える。ペレット投入ホッパ46から投入された原料ポリマーは、溶融押出装置内部41aで溶融され、押出ダイス42によって押出され、成形ダイス43に送り込まれる。成形ダイス43には真空ポンプ47が取り付けられている。押出速度Sは、0.1≦S(m/min)≦10の範囲が好ましく、より好ましくは0.3≦S(m/min)≦5.0であり、最も好ましくは0.4≦S(m/min)≦1.0である。しかしながら、本発明において押出速度S(m/min)は、前述した範囲に限定されるものではない。
図4に示す様に、成形ダイス43は、成形管50を備えており、成形管50に原料ポリマー51を通すことにより、原料ポリマー51が成形され円筒中空形状のクラッド52が得られる。成形管50には、多数の吸引孔50aが設けられていて、成形管50の外側に設けられた減圧チャンバ53を真空ポンプ47により減圧することで、クラッド52の外壁面が、成形管50の成形面(内壁面)50bに密着するために、クラッド52の肉厚が一定になって成形される。なお、減圧チャンバ53内の圧力(絶対圧力)は、20kPa〜50kPaの範囲とすることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。なお、成形ダイス43の入口に、クラッド52の外径を規定するためのスロート(外径規定部材)54を取り付けることが好ましい。
成形ダイス43により形状が調整されたクラッド52は、冷却装置44に送られる。冷却装置44には、多数のノズル55が備えられており、それらのノズル55から冷却水56をクラッド52に向けて放水する。これによりクラッド52が冷却されて固化する。冷却水56は、受け器57で回収して、排出口57aから排出される。クラッド52は、冷却装置44から引取装置45により引き出される。引取装置45には、駆動ローラ58と加圧ローラ59とが備えられている。駆動ローラ58には、モータ60が取り付けられており、クラッド52の引取速度の調整が可能になっている。また、クラッド52を挟んで駆動ローラ58と対向して配置されている加圧ローラ59により、クラッド52の微小な位置のずれを修正することが可能となっている。この駆動ローラ58の引取速度と溶融押出装置41の押出速度とを調整したり、加圧ローラ59によるクラッドの移動位置を微調整したりすることにより、クラッド52の形状、特に肉厚を均一にすることが可能となる。必要に応じて、駆動ローラ58と加圧ローラ59はベルト状にすることも出来る。
クラッドは、機械的強度向上や難燃性などの多種の機能性を付与させるために複層からなっていてもよく、内壁の算術平均粗さが特定の範囲の中空管を作製した後、その外壁面をフッ素樹脂等によって被覆することもできる。
得られるクラッド52の外径(プリフォーム15の外径ともなる)D1は光学特性や生産性の観点から、10mmD1(mm)≦100mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20mm≦D1(mm)≦50mmの範囲である。さらに、クラッド52の肉厚t1は、形状を保つことができる限りにおいて薄くすることが可能であるが、0.3mm≦t1(mm)≦20mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5mm≦t1(mm)≦15mmの範囲である。しかしながら、本発明において、それらの範囲は、前述したものに限定されるものではない。
アウターコア層の原料となる重合性モノマー等の具体例については、インナーコア部の具体例と同様である。アウターコア層は、主にインナーコア部製造のために設けられるものであり、その厚みはインナーコア部の塊状重合に必要な程度厚みであればよく、塊状重合の進行によって屈折率を有するインナーコア部と合一となり単独の層として存在しない、単なるコア部となっていてもよい。そのため、コア部形成前に設けるアウターコアの厚みとしては、塊状重合を行うためにコア部重合前にその肉厚t2(mm)の下限値は、0.5mm〜1mmであれば良い。また、その上限は充分な屈折率分布が形成できる空間が残る程度まで厚くしても構わないのでプリフォームのサイズに応じて選択することができる。
前記1重または2重円筒形状の重合体からなる構造体は、コア部(インナーコア部)の原料となる重合性組成物を注入できるように、底部を有しているのが好ましい。また、底部を前記円筒管を構成している重合体と密着性および接着性に富む材質であるのが好ましい。また、底部を前記円筒管と同一の重合体で構成することもできる。重合体からなる底部は、例えば、重合容器を回転させて重合する前、もしくは、いずれかの方法による中空管形成後に、重合容器を垂直に静置した状態で、重合容器内に少量の重合性モノマーを注入し、重合することによって形成することができる。また、インナーコア形成用重合性組成物に溶出せず、インナーコアの重合反応に影響を及ぼさない化学的に安定な素材からなる栓で密閉しても良い。
前記回転重合後に、残存するモノマーや重合開始剤を充分に反応させることを目的として、前記回転重合の重合温度より高い温度で得られた中空管に加熱処理を施してもよく、所望の中空管が得られた後、未重合の組成物を取り除いてもよい。
(第2工程)
本発明において、コア部またはインナーコア部の作製方法は、前記中空管を回転させながら界面の重合体へモノマーが含浸して膨潤・溶解することにより重合が進むゲル重合を行う方法により形成する。以下、回転ゲル重合法と称する。なお、説明はインナーコアを形成する例で行う。図5に回転重合装置70を示す。回転重合装置70は、回転制御部71と重合部72とを備えている。回転制御部71には図示しないモータが備えられ、重合容器73を回転させる。重合容器73は、モータの回転軸74とアダプタ75により接続している。回転制御部71でモータの回転速度を調整することで、重合容器73の回転速度を調整する。重合容器73は長手方向が水平になるように支持板76、77で支持されている。回転重合装置70に図示しない加熱装置を取り付けて、反応温度を調整しながら回転重合させる。
本発明において、前記中空管が機械的強度に優れるものであれば、図5に示す重合容器73として直接用いることができる。また、前記中空管の機械的強度が低い場合や、高速回転させる場合には、前記中空管を重合容器73内に挿入して回転重合させる。重合容器73は、ステンレスのような金属製、セラミックス製、ガラス製などが好ましく用いられる。
アウターコアが形成されているクラッドパイプ(中空管)の中空内にインナーコア液を注入する。インナーコア液には、重合性モノマー及び重合開始剤などの添加剤さらには屈折率調整成分(ドーパント)などが含まれている。その後に、その一端を密閉し重合容器73として回転重合装置70内に水平状態(クラッドパイプの高さ方向が水平になる状態)に配置する。アダプタ75を介してモータの回転軸74と接続する。その後に、回転速度を1500rpm〜4000rpmとして回転させながら重合を行う。重合している際には、反応温度が40℃〜90℃の範囲となるように調整する。回転重合反応は、5時間〜24時間行う。また、前記重合条件で回転重合反応を行う前に予備重合を行うことも、肉厚が均一なインナーコア部20bを形成するために好ましい方法である。予備重合条件として、回転速度を0rpm〜1500rpmとし、反応温度を35℃〜75℃とし、反応時間を0.5時間〜3時間とする例を挙げることができるが、前記条件に限定されるものではない。
回転ゲル重合法を行う際に、インナーコア液の供給は一括でも良いし、逐次や連続して供給しても良い。インナーコア用重合性組成物の供給量,組成,重合度を調整することで、連続して屈折率分布を有するグレーデッドインデックス型(GI型)のほかに、階段状の屈折率分布を有するマルチステップ型光ファイバの製造方法にも適用できる。
回転ゲル重合法は、重合を行っている際に、界面ゲル重合法に比べてコア液の表面積を大きく取れるので、コア液から発生する気泡の脱気が容易に行われる。そのため、得られるプリフォーム内に泡の含有が抑制される。プリフォームをプラスチック光学部材、特にPOFに用いる際には、溶融延伸時にその中空が塞がれるように延伸されるので特に問題は生じない。また、前記プリフォームを他の光学部材、例えばプラスチックレンズに用いる際には、プリフォームの中空部を塞ぐように溶融延伸を行うことで、中心部の中空が閉塞されたプリフォームを得ることができ、このプリフォームからプラスチックレンズなども作製することが可能となる。
なお、第2工程終了時において、冷却操作を圧力の制御下において一定の冷却速度で行うことによって、重合後に発生する気泡を抑制することができる。コア部重合時に窒素などの不活性ガスで重合容器内を加圧し、不活性ガス雰囲気下で加圧重合を進行させることが、コア部の圧力応答のために好ましい。しかし、基本的にプリフォーム中から気体を完全に抜くことは不可能であり、冷却工程などでポリマーが急激に収縮すると空隙に気体が凝集し気泡核が形成されて気泡の発生を招いてしまう。これを防ぐには冷却工程で冷却速度を0.001℃/分〜3℃/分程度に制御することが好ましく、0.01℃/分〜1℃/分程度に制御することがより好ましい。この冷却操作はポリマーのガラス転移温度Tg(℃)、特にコア領域のガラス転移温度Tg(℃)に近づく過程でのポリマーの体積収縮の進行に応じて、2段以上で行っても良い。この場合、重合直後は冷却速度を速くし、徐々に緩やかにしていくことが好ましい。
以上の操作によって得られたプリフォームは、均一な屈折率の分布および充分な光透過性を有するとともに、気泡およびマクロ空隔等の発生は抑制されている。また、光を反射してPOF内部に閉じ込めるクラッド部またはアウターコア部とコア部との界面の平滑性が良好となる。また、1層のアウターコア部を有する円筒形状のプリフォームの作製方法を示したが、アウターコア部は2層以上であってもよい。また、アウターコア部は、界面ゲル重合または回転ゲル重合によってアウターコアが溶解し消失したり、延伸等によって光ファイバの形態となった後は、インナーコア部との境界が識別できなくなっていてもよい。
図6にプリフォーム15の断面の一形態を示す。インナーコア20bは、高い伝送特性が得られるように、その中心部から外周部へ連続的に屈折率が小さくなるグレーデッドインデックス型(以下、GI型と称する)であることが好ましい。アウターコア20aは、インナーコア20bを形成する際に、その中で界面ゲル重合が可能な材料から形成されている。
プリフォーム15の形態は、特に限定されるものではない。具体的には、クラッドパイプ12の外径D1(mm)が10mm〜100mm、肉厚t1(mm)が0.5mm〜15mmを用いることが好ましい。外径D1が10mm未満であるとPOF17の生産性が悪く、外径D1が100mmを超えると延伸工程16が困難になる場合がある。そして、肉厚t2(mm)が2mm〜10mmのアウターコア20aを形成した後に、肉厚t3(mm)が、2mm〜15mmのインナーコア20bを形成することが好ましい。これにより、インナーコア20b内は中空部21となる。中空部21の径(プリフォーム15の内径)D2は、1mm〜20mmが好ましい。また、0.05×D1(mm)≦D2(mm)≦0.4×D1(mm)の範囲であることが好ましく。より好ましくは0.05×D1(mm)≦D2(mm)≦0.35×D1(mm)であり、最も好ましくは0.05×D1(mm)≦D2(mm)≦0.3×D1(mm)である。中空部径D2(mm)が0.4×D1(mm)を超えると、プリフォーム15中心に中空部21が占める割合が大きく、プリフォーム15からPOF17を作製する際に、変形したり、つぶれ残りが生じるおそれがある。
得られたプリフォームを種々の形態に加工することによって、種々のプラスチック光学部材を作製することができる。例えば、プリフォーム15の中空部をつぶすように低延伸倍率で延伸後にプリフォームを軸方向に垂直にスライスすれば断面が凹凸を有しない円盤状もしくは円柱状のレンズを作製することができる。また、後述の第3工程に示すようにプリフォームを溶融延伸することによりPOFを作製することができる。このとき、プリフォームのコア部となる領域が屈折率分布を有する場合は、均一な光伝送能を有するPOFを生産性高くしかも安定的に製造することができる。
(第3工程)
第3工程である溶融延伸は、例えば、プリフォームを加熱炉(例えば円筒状の加熱炉)等の内部を通過させることによって加熱し、溶融させた後、引き続き連続して延伸紡糸する。加熱温度は、プリフォームの材質等に応じて適宜決定することができるが、一般的には、180℃〜250℃が好ましい。延伸条件(延伸温度等)は、得られたプリフォームの径、所望のPOFの径および用いた材料等を考慮して、適宜決定することができる。特に、GI型POFにおいては、その断面の中心方向から円周に向け屈折率が変化する構造を有するため、この分布を破壊しないように、均一に加熱且つ延伸紡糸する必要がある。従って、プリフォームの加熱には、プリフォームを断面方向において均一に加熱可能である円筒形状の加熱炉等を用いることが好ましい。また、加熱炉は延伸軸方向に温度分布を持つことが好ましい。溶融部分が狭いほど屈折率分布の形状が歪みにくく収率があがるため好ましい。具体的には溶融部分の領域が狭くなるように溶融領域の前後では、予熱と徐冷を行うことが好ましい。さらに、溶融領域に用いる熱源としてはレーザーのような狭い領域に対しても高出力のエネルギーを供給できるものを用いても良い。
延伸は線形とその真円度を維持させるため、中心位置を一定に保つ調芯機構を有する延伸紡糸装置を用いて行うのが好ましい。延伸条件を選択することによりPOFを構成する重合体の配向を制御することができ、線引きで得られるPOFの曲げ性能等の機械特性や熱収縮などを制御することもできる。
図7に本発明に係るPOF17を製造するための製造設備80を示す。プリフォーム15はアダプタ81を介してプリフォーム上下用アーム(以下、アームと称する)82に懸架されている。アーム82は、プリフォーム上下用スクリュー(以下、スクリューと称する)83の回転によって鉛直方向に上下に動く。プリフォーム15を延伸する際は、スクリュー83を一定速度で回転させて, アーム82をゆっくり(例えば1mm/minから20mm/min)下降させる。これによりプリフォーム15の先端が中空円筒状の加熱炉84内に挿入される。加熱炉84は、加熱装置85内に備えられている。なお、加熱炉84の形態については、後に詳細に説明する。加熱装置85内を不活性雰囲気とするために不活性ガスを供給する機構が取り付けられていることが好ましい。
不活性ガスは、特に限定されるものではないが、窒素ガス,ヘリウムガス,ネオンガス及びアルゴンガスなどが挙げられる。コストの点からは、窒素ガスを用いることが好ましく、熱伝導効率の点からはヘリウムガスを用いることが好ましい。また、ヘリウムガスとアルゴンガスとの混合ガスのような複数種類のガスが混合している混合ガスを用いることは、所望の熱伝導率を得ることやコスト低減を図ることができるために好ましい。不活性ガスは、加熱炉84内を不活性の状態に保ち、熱伝導を調整するために導入するため循環利用しても良い。その場合には、ガス循環機86を取り付けて循環させることでガスの媒体コストを低減させることができる。不活性ガスの好ましい流量は、加熱条件やガスの種類によって異なるが、例えばヘリウムガスの場合は、1L/min〜10L/minが好ましい。加熱炉84内でプリフォーム15は、その先端から少しずつ溶融されてPOF17となる。
POF17は線径測定装置87で線径が測定され、図示しない駆動装置が接続している巻取リール88で巻き取られる。線径が所定の値となるように、アーム82の下降速度、加熱炉84での加熱温度、POF17の巻取リール88での巻取速度などを調整する。
アダプタ81には密閉性の良い素材を介してプリフォーム15の一端が密着もしくは嵌合するように取り付けられる。さらにアダプタ81には、減圧ライン90が取り付けられて、プリフォーム15の中空部を真空(減圧)できるようになっている。減圧ライン90には、圧力計91,バッファータンク92,真空装置93が備えられている。バッファータンク92は、減圧ライン90内の圧力変動を抑制するために備えられており、圧力調整弁94を備えている。真空装置93には、真空ポンプや減圧ブロアーなどが用いられる。また、アダプタ81は、減圧ライン90と中空部21とを気密に接続するようにシーリングする。中空部21の減圧度は、(大気圧−10kPa)以上(大気圧−0.4kPa)以下の範囲とすることが好ましい。(大気圧−10kPa)より減圧度を高めると、中空部21がその周面を収縮し過ぎてしまいプリフォーム15の形状が変形したり、中空部21のつぶれる位置が一定にならずに外径が不均一なPOF17となるおそれがある。また、(大気圧−0.4kPa)よりも減圧度が低いと、中空部21を減圧にすることで中空管を加熱溶融延伸する際に生じる気泡の発生を抑制する効果が減じるかまたは全く生じないおそれがあり、つぶれ残りが生じるおそれがある。
また、減圧の変動量は、所定の圧力P(Pa)に対して0.001×P(Pa)以上0.05×P(Pa)以下の範囲に抑制することが好ましい。または、変動量を0.5kPa以内とすることが好ましい。減圧の変動量を前記範囲とすることにより、中空部21のつぶれ位置が一定化しつぶれ残りが発生しない。これにより線径が均一なPOF17を得ることができる。
図8に本発明に用いられる加熱炉84の概略図を示す。加熱炉84内を不活性ガス雰囲気とするためにガス循環機86が取り付けられている。加熱炉84は、図示された5個の円筒状のヒータユニット100,101,102,103,104が積み重ねられて構成されている。しかしながら、本発明においてヒータユニット数は、5ユニットに限定されるものではなく、3ユニット〜8ユニットから構成されていることが好ましい。ガス循環機86は図8に示されているように加熱炉84に1基取り付けても良いし、各ヒータユニット100〜104にそれぞれ独立して取り付けても良い。さらに、数台のヒータユニットに1基のガス循環機を取り付けても良い。
オリフィス105がヒータユニット100の上面に設けられている。また、オリフィス106〜109は、各ヒータユニット間に設けられている。さらに、オリフィス110がヒータユニット104の下面に設けられている。これにより各ヒータユニット100〜104内は、独立して温度制御可能な区画が形成される。各ヒータユニット100〜104内には温度計111〜115が備えられていることが好ましい。温度計111〜115により各区画内の温度を測定し、その結果に基づき各ヒータユニット100〜104の出力が調整される。各ヒータユニット100〜104の温度制御可能な区画の温度変動は、0.5℃以内とすることが好ましい。これにより、中空部21のつぶれ位置が略一定となり、つぶれ残りが生じることが抑制される。
オリフィス105の上面には、更に封止材116が備えられていることが好ましい。封止材116は、プリフォーム15と接した方が封止効果が向上する。そこでプリフォーム15の表面に傷を付けない柔らかさ及び耐熱性が必要である。例えば、シリコンラバー材を始めとするゴム材料シートやカーボンフェルト材などが好ましいが、プリフォーム15の表面に傷を付けなければ例えば耐熱性に優れるガラスやセラミックスなども使用できる。溶融して中空部がつぶれたプリフォーム先端部から紡糸される延伸条件は中空を有しない紡糸条件を適用することもできる。例えば、延伸時の張力は、特開平7−234322号公報や特開平7−234324号公報に記載されているような張力の範囲で制御しても良い。また、途中に線径を制御する機構を設けて線径ブレを抑制することを行うこともッ好ましい。
前述した方法で製造されたPOF17は、そのままの形態で種々の用途に供することが、POFは、曲げ、耐候性の向上,吸湿による性能低下抑制,引張強度の向上,耐踏付け性付与,難燃性付与,薬品による損傷からの保護,外部光線によるノイズ防止,着色などによる商品価値の向上などを目的として、通常、その表面に1層以上の保護層を被覆して使用される。さらに、本発明においてはプラスチック光ファイバの各特性に影響のない範囲において、前述の第3工程である延伸工程と連続して被覆工程を行っても良い。
(被覆の構造)
POFおよび/または光ファイバ心線を被覆することにより、プラスチック光ファイバケーブル(以下、光ファイバケーブルと称する)の製造が可能となる。その際にその被覆の形態として、被覆材とPOFの界面が全周にわたって接して被覆されている密着型の被覆と、被覆材とPOFの界面に空隙を有するルース型被覆がある。ルース型被覆では、たとえばコネクタとの接続部において被覆層を剥離した場合、その端面の空隙から水分が浸入して長手方向に拡散されるおそれがあるため、通常は密着型が好ましい。
しかし、ルース型の被覆の場合、被覆材とPOFとが密着していないので、光ファイバケーブルにかかる応力や熱とはじめとするダメージの多くを被覆層で緩和させることができる。そのため、POFにかかるダメージを軽減させることができ、使用目的によっては好ましく用いることができる。水分の伝播については、空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することで、端面からの水分伝播を防止でき、かつ、これらの半固体や粉粒体に耐熱や機械的機能の向上などの水分伝播防止と異なる機能をあわせ持つようにすることでより高い性能の被覆を形成できる。なお、ルース型の被覆を製造するには、クロスヘッドダイの押出し口ニップルの位置を調整し減圧装置を加減することで空隙層を作ることができる。空隙層の厚みは前述のニップル厚みと空隙層を加圧/減圧することで調整が可能である。
これら被覆に用いられる保護層形成用材料としては、具体的に以下の材料を挙げることができる。一般的な被覆用素材として熱可塑性樹脂素材が挙げられる。これらの素材の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。上記の熱可塑性樹脂以外に各種エラストマーを用いる事もできる。これらは高い弾性を有しているため、曲げなどの機械的な特性付与の観点でも効果がある。これらエラストマーの例としては、イソプレン系ゴム,ブタジエン系ゴム,ジエン系特殊ゴム等の各種ゴムや、室温では流動性を示すが加熱によりその流動性が消失して硬化するポリジエン系やポリオレフィン系等の液状ゴム、室温ではゴム弾性を示し、高温では可塑化されて成形が容易である物質群である各種熱可塑性エラストマー(TPE)などが挙げられる。また、ポリマー前駆体と反応剤などとを混合した液を熱硬化させるものも用いることができる。例えば、国際公開第95/26374号パンフレットに記載のNCO基含有ウレタンプレポリマーと20μm以下の固形アミンとからなる1液型熱硬化性ウレタン組成物なども用いることもできる。
前記列記した素材は、POFのポリマーのガラス転移温度Tg以下で成形可能なものであれば、特に上記材料に限定されず、各材料間もしくは上記以外の共重合体や混合ポリマーとして組み合わせて用いることもできる。その他に、性能を改善する目的で難燃剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、滑剤などの添加剤や、無機化合物及び/または有機化合物からなる各種フィラーを加えることができる。
本発明によるPOFは、さらに、必要に応じて上記の保護層を1次被覆層とし、外周にさらに2次(または多層)被覆層を設けても良い。1次被覆が充分な厚みを有している場合には、1次被覆の存在により熱ダメージが減少するため、2次被覆層の素材の硬化温度の制限は、1次被覆層を被覆する場合に比べて、緩くすることができる。2次被覆層には前述と同様に、難燃剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、昇光剤、滑剤などを導入してもよい。
なお、難燃剤については臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤や燐含有のものがあるが、燃焼時の毒性ガス低減などの安全性の観点で難燃剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を好ましく使うことができる。金属水酸化物はその内部に結晶水として水分を有しており、またその製法過程での付着水が完全に除去できないため、低吸湿性の素線や低次被覆層ではない場合、金属水酸化物による難燃性被覆は1次被覆層の外層に耐湿性被覆を設けてその外層にさらに被覆層として設けることが望ましい。難燃性の規格として、UL(Underwriters Labolatory) ではいくつかの試験方法を決めており、それぞれ難燃性能の低い順から、CMX(燃焼試験は一般にVW−1試験と言われている)、CM(垂直トレイ燃焼試験)、CMR(ライザー試験)、CMP(プレナム試験)などのグレードが設定されている。プラスチック光ファイバの被覆の場合、芯材であるプラスチック光ファイバは可燃性素材で出来ているので、火災時に延焼を防ぐためにVW−1の規格を有したコードまたはケーブルであることが好ましい。
また、被覆層に複数の機能を付与させるために、さらに様々な機能を有する被覆を積層させてもよい。例えば、前述の難燃化以外に、吸湿を抑制するためのバリア層や水分を除去するための吸湿材料、例えば吸湿テープや吸湿ジェルを被覆層内や被覆層間に有することができ、また可撓時の応力緩和のための柔軟性素材層や発泡層等の緩衝材、剛性を向上させるための強化層など、用途に応じて選択して設けることができる。樹脂以外にも構造材として、高い弾性率を有する繊維(いわゆる抗張力繊維)および/または剛性の高い金属線等の線材を熱可塑性樹脂に含有すると、得られるケーブルの力学的強度を補強することができることから好ましい。抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。いずれのものも前述したものに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を組み込むことができる。
また、プラスチック光ケーブルの形状は使用形態によって、POFまたはプラスチック光ファイバ心線を同心円上にまとめた集合型のものや、一列に並べたテープ型のもの、さらにそれらを押え巻やラップシースなどでまとめたものなど用途に応じてその使用形態が選ばれる。
また、本発明に係るPOFを用いた光ファイバケーブルは、軸ずれに対して従来の光ファイバケーブルに比べて許容度が高いため突き合せによる接合でも用いることができるが、端部に接続用光コネクタを用いて接続部を確実に固定することが好ましい。コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA型、SMI型などの市販の各種コネクタを利用することも可能である。
本発明の光学部材としてのPOF、光ファイバ心線および光ファイバケーブルを用いて光信号を伝送するシステムには、種々の発光素子や受光素子、光スイッチ、光アイソレータ、光集積回路、光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置等で構成される。また、必要に応じて他の光ファイバなどと組合わせてもよい。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用でき、例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。前記文献に記載の種々の技術と組み合わせることによって、コンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線、車両や船舶などの内部配線、光端末とデジタル機器、デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LAN等をはじめとする、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御用途などの短距離に適した光伝送システムに好適に用いることができる。
さらに、IEICE TRANS. ELECTRON., VOL. E84-C, No.3, MARCH 2001, p.339-344 「High-Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3, No.6, 2000 476頁〜480ページ「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号等の各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号等の各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号等の公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号等の各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号等に記載の光信号処理装置;特開2001−86537号等に記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号等に記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号等の各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などと組み合わせることで、多重化した送受信などを使用した、より高度な光伝送システムを構築することができる。以上の光伝送用途以外にも照明、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
以下に実施例として実験1ないし実験3及び比較例である実験4ないし実験6を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料の種類、それらの割合、操作などは、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。なお、説明は実験1で詳細に行う。実験2ないし実験6では、実験1と異なる箇所のみを説明する。
溶融押出成形により作製した外径D1が20mm,内径19mm(クラッド肉厚t1が0.5mm)、長さ900mmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなるクラッドパイプ12を用いた。このクラッドパイプ12を充分に剛性を有する内径20mm、長さ1000mmの重合容器に挿入した。この重合容器をクラッドパイプ12ごと純水にて洗浄した後に90℃にて乾燥させた。その後、クラッドパイプ12にテフロン(登録商標)製の栓を用いて一端を封止した。エタノールにてクラッドパイプ12の内壁を洗浄した後に、80℃の熱オーブンにて圧力を(大気圧に対して−0.08MPa)として12時間、減圧処理を行った。
次に、アウターコア重合工程13を行った。三角フラスコ内に、重水素化メチルメタクリレート(MMA−d8 和光純薬(株)社製)205.0gと、2,2' −アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.0512gと、1−ドデカンチオール(ラウリルメルカプタン)0.766gとをそれぞれ計量してアウターコア液を調製した。このアウターコア液を井内盛栄堂(株)社製の超音波洗浄装置USK−3(38000MHz、出力360W)を用いて10分間超音波照射を行った。次に、クラッドパイプ12内にそのアウターコア液を注液した後に減圧濾過装置を用いてクラッドパイプ12内を大気圧に対して0.01MPa減圧した。減圧脱気しつつ前記超音波洗浄装置を用いて超音波処理を5分間行った。
クラッドパイプ12の先端部分の空気をアルゴンにて置換後、クラッドパイプ12の先端部をシリコン栓とシールテープを用いて密閉した。アウターコア液を含んだクラッドパイプ12ごと、60℃の湯浴中にいれ、震盪させつつ2時間予備重合を行った。その後、前記予備重合を行ったクラッドパイプ12を水平状態(クラッドパイプの長さ方向が水平になる状態)で60℃の温度を保持しつつ500rpmにて回転させながら2時間加熱重合(回転重合)を行った。その後に回転速度3000rpmで60℃,16時間、さらに3000rpmで90℃,4時間の回転重合を行った。クラッドパイプ12の内側にPMMA−d8からなるアウターコア20aを有する円筒管を得た。
次に、インナーコア部作製前処理を行った。前述したアウターコア20aが形成されているクラッドパイプ12を90℃の熱オーブンにて圧力を(大気圧に対して−0.08MPa)として3時間、減圧処理を行った。さらに、インナーコア重合工程14を行った。三角フラスコ内に重水素化メチルメタクリレート(MMA−d8)82.0gと、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.070gと、1−ドデカンチオール0.306gと、ドーパントとしてジフェニルスルフィド(DPS)6.00gとをそれぞれ計量してインナーコア液を調製した。その後に超音波洗浄装置USK−3を用いて10分間超音波照射を行った。
アウターコア20aが形成されているクラッドパイプ12を80℃で20分保温した後にインナーコア液を中空部に注入した。クラッドパイプ12の一端をテフロン(登録商標)栓で密閉した。70℃で5時間、回転速度3000rpmで回転ゲル重合法を行った。その後に120℃で更に24時間の加熱重合及び熱処理を行いインナーコア20bを形成した。その後にオートクレーブ外にプリフォーム15として取り出した。プリフォーム15は、その外径D1が20mm、内径D2が4.5mm、クラッドパイプ肉厚t1が0.5mmであった。
プリフォーム15を図7に示したアダプタ81に取り付けた。1段あたり5cmの高さを有するヒータユニット(内径80mm)100〜104を5段積み上げ、上段から順に215℃、164℃、144℃、111℃、60℃の内温となるようにヒータユニットの温度を設定した。封止材116は設けなかった。約2mm/minの一定速度でプリフォーム15を加熱炉84内に送り込んだ。加熱炉84に送り込まれたプリフォーム15の先端部が溶融して、糸状に垂れ落ちてきたところで、減圧ライン90により中空部21の圧力Pを(大気圧−1.0kPa)として加熱溶融延伸を行った。線引速度を10m/minで行い外径300μmのPOF17を500m得た。延伸工程16中での減圧量の変動は、0.02kPaであった。また、中空部21はヒータユニットの上から2段目101でつぶれていた。ヒータユニットの内部温度の変動値は上部4段100〜103が±0.2℃であり、最下段部104の内部温度は±0.4℃であった。
得られたPOF17について、CCDカメラを使い全長に渡り観察したが、中空つぶれ残りの気泡は無かった。このとき650nm波長のレーザー光を用いて、POF17の伝送損失値を測定したところ、145dB/kmと良好であった。
実験2では、外径D1が32mm、内径D2が7mm、クラッドパイプ肉厚t1が1mmのプリフォーム15を作製した。実験1と同様にアダプタ81に前記プリフォーム15を取り付けた。ヒータユニット100〜104の内部温度を245℃、189℃、144℃、111℃、60℃とし、封止材116は設けなかった。プリフォーム15の加熱炉84への送り速度を約1.2mm/minとし、減圧度を(大気圧−8kPa)の条件で延伸を行い、外径750μmのPOF17を300m得た。延伸工程16中での減圧度の変動は、0.1kPaであった。また中空部21は、ヒータユニットの上から2段目101でつぶれていた。ヒータユニットの内部温度の変動値は上部4段100〜103が±0.2℃であり、最下段部104の内部温度は±0.4℃であった。得られたPOF17には、中空つぶれ残りの気泡は無かった。POF17の伝送損失値は、140dB/kmと良好であった。
実験3では、外径D1が50mm、内径D2が6mm、クラッドパイプ肉厚t1が1mmのプリフォーム15を作製した。ヒータユニット100〜104の内部温度は、270℃、223℃、173℃、131、83℃とし、図7に示すように封止材(素材;シリコンラバー)116を設けた。加熱炉84内にプリフォーム15を送り速度約1.0mm/minで送った。また、中空部21の減圧度は、(大気圧−5kPa)となるように減圧ライン90で調整した。外径1mmのPOF17を250m得た。延伸工程16中での減圧度の変動は、0.05kPaであった。また中空部21はヒータユニットの上から3段目102でつぶれていた。ヒータユニットの内部温度の変動値は上段4段100〜103が、±0.1℃であり、最下段部104の内部温度は±0.3℃であった。得られたPOF17には、中空つぶれ残りの気泡は無かった。POF17の伝送損失値は、147dB/kmと良好であった。
比較例である実験4では、減圧度を(大気圧−15kPa)とした以外は実験1と同じ条件で実験を行い、500mのPOFを得た。延伸工程中での減圧度の変動は、0.8kPaであった。また中空部21は、ヒータユニットの上から2段目101でつぶれていた。ヒータユニットの内部温度の変動値は上部4段100〜103が±0.2℃であり、最下段部の内部温度は±0.4℃であった。得られたPOFには、中空つぶれ残りの気泡が5ヶ所見つかった。POFの伝送損失値を測定したところ、185dB/kmと損失が高いものであった。
比較例である実験5では、外径D1が20mm、内径D2が7mm、クラッドパイプ肉厚t1が0.5mmのプリフォーム15を作製した。減圧ラインを取り外して中空部21を減圧としなかった。得られたPOF17には多数の気泡が存在した。伝送損失は約250dB/kmであった。
本発明のプラスチック光ファイバの製造方法は、パイプ状の母材を加熱溶融延伸法により紡糸するものにも適用可能である。
本発明に係るプラスチック光ファイバの製造方法を説明する工程図である。 本発明に係るプラスチック光ファイバのクラッド部を作製する製造装置の要部断面図である。 本発明に係るプラスチック光ファイバのクラッド部を作製する製造ラインの概略図である。 図3の製造ラインの要部断面図である。 本発明に係るプラスチック光ファイバのプリフォームを作製する反応装置の概略図である。 本発明に係るプラスチック光ファイバのプリフォームの断面図である。 本発明に係るプラスチック光ファイバの製造に用いられる製造設備の概略図である。 図7の製造設備の要部断面図である。
符号の説明
15 プリフォーム
17 プラスチック光ファイバ
21 中空部
70 回転重合装置
84 加熱炉
90 減圧ライン

Claims (10)

  1. 中空部が形成されているコアと、クラッドとを有する中空円筒型のプラスチック光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融延伸してプラスチック光ファイバを製造するプラスチック光ファイバの製造方法において、
    前記加熱溶融延伸している際に、前記中空部を(大気圧−10kPa)以上(大気圧−0.4kPa)以下の範囲に減圧することを特徴とするプラスチック光ファイバの製造方法。
  2. 前記加熱炉が前記プラスチック光ファイバ母材の延伸方向に対して独立して温度制御可能な複数の区画を備えているものであって、
    前記加熱炉入口側区画から前記母材の中空部が消失する区画まで間の前記各区画の温度変動値が各区画の所定温度に対して0.5℃以内とすることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  3. 前記減圧の変動量が、所定の圧力Pに対して0.001×P以上0.05×P以下の範囲とすることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  4. 前記減圧の変動量が0.5kPa以内であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  5. 前記プラスチック光ファイバ母材の外径D1(mm)が、10mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  6. 前記プラスチック光ファイバ母材の中空部の径D2(mm)が、前記プラスチック光ファイバ母材の外径D1(mm)に対して、
    0.05×D1(mm)以上0.4×D1(mm)以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  7. 前記コアの主成分が、塊状重合するモノマーの重合体であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  8. 前記重合体が、アクリル樹脂であることを特徴とする請求項7記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  9. 少なくともクラッドが形成されている中空円筒管内に重合性モノマーと屈折率調整剤とを含む反応溶液を入れ、
    前記中空円筒管を略水平方向に配置し、
    前記中空円筒管を回転させながら前記反応溶液を重合させ、
    前記コアの屈折率分布が、前記中空部から前記クラッド側へ連続的に低下して形成されることを特徴とする請求項1ないし8いずれか1つ記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  10. 前記重合性モノマーがメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項9記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
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