JP2000193839A - 屈折率分布型光ファイバ、光ファイバケ―ブル、プラグ付き光ファイバケ―ブル及び屈折率分布型光ファイバの製法 - Google Patents

屈折率分布型光ファイバ、光ファイバケ―ブル、プラグ付き光ファイバケ―ブル及び屈折率分布型光ファイバの製法

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JP2000193839A
JP2000193839A JP10374579A JP37457998A JP2000193839A JP 2000193839 A JP2000193839 A JP 2000193839A JP 10374579 A JP10374579 A JP 10374579A JP 37457998 A JP37457998 A JP 37457998A JP 2000193839 A JP2000193839 A JP 2000193839A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光散乱損失が小さく低損失で開口数が比較的
大きな、耐熱性に優れたPOFを提供する。 【解決手段】 2種類以上の単量体M1、M2、・・
・、Mn(nは2以上の整数)単位からそれぞれ構成さ
れ屈折率が異なる単独重合体HP1、HP2、・・・、
HPn、及びこれら単量体単位から構成され屈折率が異
なる共重合体CPからなる群より選ばれる屈折率が異な
る(共)重合体の非混合層を同心円状に積層した多層構
造であって、中心部の屈折率が最も高く外周部に向かっ
て屈折率が低下する屈折率分布型光ファイバにおいて、
少なくとも一つの非混合層の少なくとも一部にドーパン
トが濃度分布を有して含有されてなることを特徴とする
屈折率分布型光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信媒体として
利用可能な屈折率分布型プラスチック光ファイバに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの半径方向の屈折率分布がそ
の中心部から外周部に向かって減少する屈折率分布型プ
ラスチック光ファイバ(以下単に「POF」という)
は、ステップインデックス型光ファイバに比較して伝送
帯域が広く、光通信媒体として期待されている。
【0003】このようなPOFは国際公開公報WO97
/01093に開示されている。このPOFは、屈折率
が異なる複数の(共)重合体の非混合層を同心円状に積
層した多層構造を有し、中心から外周部に向かって屈折
率が順次低下してなるPOFである。しかし、このPO
Fは、階段状の屈折率分布を有しているため、少ない層
数で帯域を十分に高めることが困難であった。
【0004】そこで、屈折率分布形成にドーパントを用
い、重合体と相溶性の良いドーパントを選定することに
より、比較的低損失で帯域が高いPOFを製造する技術
が特開平10−246829号公報に開示されている。
この技術により得られるPOFは、クラッド層と複数の
コア層からなり、コア層の少なくとも一つの層がドーパ
ントを含有しており、かつ最大のTgを有する層のTg
と最小のTgを有する層のTgとの差が5〜50℃とな
るようにドーパントの種類や含有量が調整されたPOF
である。このPOFにおいては、クラッド層とコア層に
異なる種類の共重合体を使用する場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10−
246829号公報においては、まず、最外周層を構成
する重合体からなる円筒管を製造した後に、順次より内
側の層を構成する重合体の材料となる単量体組成物及び
ドーパントを円筒管内に入れて回転させながら重合する
ことにより、外側から順に層を形成してPOF母材を製
造し、これを線引きすることによりPOFが製造され
る。このとき、重合される単量体組成物は、既に重合さ
れたより外側の層を構成する重合体中に膨潤・拡散して
から重合するため、互いに隣接する2つの層に異なる種
類の重合体を使用した場合、隣接する2つの層のうち外
周側の層は実質的に異なる種類の重合体の混合物から構
成される。この現象は、特に重合体中にドーパントが導
入され、ドーパントの可塑化効果により重合体のTgが
下がった状態においてより顕著に見られる。このため、
この製法により得られるPOFは、隣接する層に異なる
種類の重合体を使用した場合に散乱損失が大きくなると
いう欠点がある。
【0006】一般的に、光通信用のPOFは、その曲げ
損失や、光源との結合損失を改善するために、開口数
(NA)をある程度大きくする必要がある。NAを大き
くするには、POFの中心部と最外周部の最大屈折率差
Δnが大きくなるように設計しなければならない。しか
し、特開平10−246829号公報において実用上必
要な開口数を有するPOFを得るためには、ドーパント
含有率を高くする必要があり、その際多量に含有された
ドーパントの可塑化効果により重合体のガラス転移温度
(Tg)が著しく低下する。例えばドーパントとして安
息香酸ベンジル(屈折率1.568)を、マトリックス
ポリマーとしてポリメチルメタクリレート(PMMA)
(屈折率1.491、Tg=112℃)を用いた場合、
実用上必要なPOFの開口数0.27以上を得ようとし
た場合、最大20wt%以上のドーパントを含有させる
必要がある。そのときのPOFのTgは約50〜60℃
程度まで低下してしまう。
【0007】また、このPOFは、線引きの際の層間に
おける発泡を防止するために各層にTgが異なる材料を
使用するものであるが、各層のTgに差を付けようとす
ると、いずれかの層においてTgが低い材料を用いざる
を得ない。このため、このPOFは耐熱特性が低い。例
えば70℃の温度並びに湿度60〜95%の使用環境に
おいて、マトリックスポリマーのTgが低下すると、ド
ーパントが拡散して初期の屈折率分布が大きく変化する
ため帯域性能が著しく低下したり、また、外部からの水
分子の拡散が容易になり水分子とドーパントとの会合体
を形成するため内部の不均一構造が著しく助長され、大
きな散乱損失を引き起こしたりする。
【0008】本発明の目的は、光散乱損失が小さく低損
失で開口数が比較的大きな、耐熱性に優れたPOFを提
供することにある。また、本発明の目的は、このような
POFを高生産速度で容易に製造可能なPOFの製法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、2種類
以上の単量体M1、M2、・・・、Mn(nは2以上の
整数)単位からそれぞれ構成され屈折率が異なる単独重
合体HP1、HP2、・・・、HPn、及びこれら単量
体単位から構成され屈折率が異なる共重合体CPからな
る群より選ばれる屈折率が異なる(共)重合体の非混合
層を同心円状に積層した多層構造であって、中心部の屈
折率が最も高く外周部に向かって屈折率が低下する屈折
率分布型光ファイバにおいて、少なくとも一つの非混合
層の少なくとも一部にド−パントが濃度分布を有して含
有されてなることを特徴とする屈折率分布型光ファイバ
にある。
【0010】また、本発明の要旨は、前記光ファイバの
外周に被覆層を具備した光ファイバケ−ブルにある。
【0011】さらに、本発明の要旨は、前記光ファイバ
ケーブルの少なくとも一端にプラグ部を配置してなるプ
ラグ付き光ファイバケーブルにある。
【0012】また、本発明の要旨は、2種類以上の単量
体M1、M2、・・・、Mn(nは2以上の整数)単位
からそれぞれ構成され屈折率が異なる単独重合体HP
1、HP2、・・・、HPn、及びこれら単量体単位か
ら構成され屈折率が異なる共重合体CPからなる群より
選ばれる(共)重合体を用い、これらの(共)重合体の
少なくとも一つにド−パントを含有させて、屈折率の異
なる複数の紡糸原料を調製し、これらを外周部側程屈折
率が低下する様にして多層同心円状のノズルに供給して
ノズルから紡出させる屈折率分布型光ファイバの製法に
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のPOFは、それぞれ屈折
率が異なる(共)重合体からなる非混合層を同心円筒状
に積層した多層構造を形成することにより、階段状の屈
折率分布を形成し、更に、ドーパント即ち非重合性低分
子化合物を少なくとも一つの非混合層の少なくとも一部
に濃度分布を有する状態で存在させることにより、屈折
率分布が一定である非混合層に中心側から外周側に向か
ってなだらかに低下する屈折率分布を付与することがで
きる。即ち、本発明においては、屈折率が異なる(共)
重合体の多層構造による階段状屈折率分布を基本分布と
し、その補助的な屈折率分布形成手段として少量のドー
パントを用いることにより、より滑らかな屈折率分布を
形成している。
【0014】このように本発明のPOFは、基材となる
(共)重合体の屈折率の違いによる屈折率分布と、ドー
パントの濃度分布による屈折率分布を併存させることに
より、帯域が広いPOFを容易に得ることができる。以
下、理解を容易にするため(共)重合体による屈折率分
布とドーパントによる屈折率分布についてそれぞれ説明
する。
【0015】まず、本発明のPOFの(共)重合体の積
層構造及びそれに起因する屈折率分布について説明す
る。以下説明する本発明の実施形態において、HPは単
独重合体、CPは二元共重合体、Pは単独重合体又は2
元共重合体、BPは2つの(共)重合体の混合物、LN
Bはひとつの(共)重合体からなる非混合層、LBは2
つの(共)重合体を混合した混合物からなる混合層を意
味する。なお、本発明においては、CPとして3元以上
の共重合体を使用することも可能である。
【0016】本発明の理解を容易にするために先ず単量
体の数nが3の場合について説明する。単量体の数nが
3の場合、各単量体M1、M2及びM3からそれぞれ3
種類の単独重合体HP1、HP2及びHP3が製造され
る。これらの単独重合体の屈折率はそれぞれ異なるもの
であり、HP1>HP2>HP3となっている。また、
2系列の2元共重合体CPが製造され、更に2系列の重
合体混合物BPが製造されうる。これらのひとつのCP
(またはひとつのHP)と他のCPは互いに相溶性の良
いものを選択するのが好ましい。
【0017】本発明においてPOFの多層構造の各層を
構成する重合体は、単量体M1、M2及びM3の各単独
重合体HP1、HP2及びHP3、単量体M1、M2及
びM3の種々のモル組成比の2元共重合体CPとして調
製される。
【0018】本発明のPOFは、非混合層(LNB)を
同心円状に積層した多層構造を有するが、この多層構造
は、非混合層(LNB)のみからなる構造とすることも
可能であり、非混合層(LNB)と混合層(LB)から
なる構造とすることも可能である。なお、以下非混合層
の厚みをTNBとし混合層の厚みをTBとする。図1
は、3つの非混合層(LNB)と2つの混合層(LB)
からなる5層構造のPOFを示している。図1(a)は
POFの横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(共)
重合体の屈折率の違いによって形成される半径方向の屈
折率分布を示す図である。非混合層(LNB)はひとつ
の(共)重合体Pのみから構成される層であり、混合層
(LB)はその両側の非混合層を構成する2つの(共)
重合体の混合物BPで構成される層である。なお、混合
物BPにはこれら2つの(共)重合体以外に他の(共)
重合体を混合することも可能である。各非混合層(LN
B)において屈折率はそれぞれ一定であり、混合層(L
B)において屈折率がなだらかに変化している。全体の
層数が多くなれば全体の屈折率分布はより滑らかにな
る。光伝送帯域を広くするためには屈折率分布は滑らか
な方が好ましい。しかし混合層(LB)の割合が多すぎ
ると光伝送損失が大きくなる。そこで光伝送帯域の大き
さと光伝送損失の大きさのバランスを考慮して、多層構
造の構成、屈折率分布は調整される。
【0019】先ず混合層(LB)を構成するBPについ
て説明する。一般にBPは、HPやCPに比べて、屈折
率揺らぎ及び相分離構造(以下適宜「不均一構造」とい
う)を誘発し易い傾向にあるため、POF中のLBの割
合が多い程、POF全体の光散乱損失が大きくなる。ま
た、一般にBPは、HPやCPに比べて、構造の熱的安
定性が乏しいので、POFを比較的高温域で長期間使用
した場合、POF中にLBが存在すると、POFの不均
質構造が助長され、光散乱損失が増大する。
【0020】このようにPOF中のLBの割合が多い
程、POF全体の光散乱損失が大きくなるので、POF
中のLBの割合は少ない方が好ましく、その厚み(T
B)も薄い方が好ましい。TBは、一般的に、半径方向
におけるLBの位置によって異なり、目標とする帯域性
能や、層数にも依存するが、0.1〜10μmであるこ
とが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
【0021】LBが0.1μmよりも薄い場合、POF
敷設時の屈曲や敷設後の使用時において、熱履歴等によ
る層間剥離を生ずる原因となるおそれがある。LBが1
0μmよりも厚くなると、光散乱損失が大きくなるおそ
れがある。また、LBの厚さを0.1〜10μmとする
と、例えば、多層複合ノズルを用いた溶融紡糸法を用い
てPOFを製造する場合に、厚さ(TB)を容易に制御
することが可能となるという利点もある。
【0022】次に非混合層(LNB)を構成する(共)
重合体、即ち、HPとCPについて説明する。POF中
のLNBを構成する(共)重合体HP及びCPは光散乱
損失が小さいものが好ましい。また共重合体CPは、各
単独重合体HP1とHP2間またはHP3とHP2間の
ポリマーの屈折率差が大きくなるような単量体単位M
1、M2及びM3単位から構成することが好ましい。こ
れは、共重合組成を大きく変更せずに非混合層間の屈折
率差を大きくし、POFのNAを大きくできるため、非
混合層(LNB)間に形成される混合層(LB)の散乱
損失の増大を防ぐことができるためである。各単独重合
体間の屈折率差としては0.05以上が好ましく、0.
06以上がより好ましい。
【0023】散乱損失が小さく、かつ各単独重合体間の
屈折率差が大きい単量体単位から構成される共重合体C
Pとしては、以下のものが好ましい。例えば単量体2種
類からPOFを構成する(共)重合体を製造する場合、
メチルメタクリレート(nd=1.492、Tg=112
℃)(M2)と、ベンジルメタクリレート(nd=1.5
69、Tg=54℃)、フェノキシエチルメタクリレー
ト(nd=1.560、Tg=30℃)、ビニルベンゾエ
ート(nd=1.579、Tg=75℃)、フェニルメタ
クリレート(nd=1.572、Tg=120℃)、及び
2−フェニルエチルメタクリレートの群から選択される
単量体(M1)から製造される共重合体が好ましく、中
でもメチルメタクリレート単位とベンジルメタクリレー
ト単位からなる共重合体は極めて低散乱損失である。
【0024】また、共重合体を製造する際に用いる単量
体としてフッ素化モノマー群から選択される単量体を用
いた場合、それらは分子振動吸収が小さいため、POF
の伝送損失を大きく低減させることができる。例えば以
下の単量体の組み合わせから製造される共重合体が好ま
しい。α−フルオロアクリレート(Tg=140℃、nd
=1.460)、ペンタフルオロフェニルメタクリレー
ト(Tg=125℃、nd=1.487)、ペンタフルオ
ロフェニル−α−フルオロアクリレート(Tg=160
℃、nd=1.465)、及びペンタフルオロフェニル
メチルメタクリレート(Tg=110℃、nd=1.48
0)の群から選択される単量体(M1)と、2, 2,
2−トリフルオロエチルメタクリレート(Tg=75
℃、nd=1.415)、2,2,3,3−テトラフル
オロプロピルメタクリレート(Tg=64℃、nd=1.
422)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピ
ルメタクリレート(Tg=67℃、nd=1.392)、
2,2,2−トリフルオロー1−トリフルオロメチルエ
チルメタクリレート(Tg=78℃、nd=1.38
1)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル
メタクリレート(Tg=49℃、nd=1.402)、及
び2,2,3,3,4,4,5,5オクタフルオロペン
チルメタクリレート(Tg=32℃、nd=1.393)
のフッ化アルキルメタクリレート群、または2,2,2
−トリフロオロエチル−α−フルオロアクリレート(T
g=123℃、nd=1.385)、2,2,3,3テト
ラフルオロプロピル−α−フルオロアクリレート(Tg
=95℃、nd=1.398)、及び2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロピル−α−フルオロアクリレート
(Tg=110℃、nd=1.366)のフッ化アルキル
−α−フルオロアクリレート群から選択される単量体
(M2)とから製造される共重合体が好ましい。
【0025】また、メチルメタクリレート(M1)と、
2, 2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレー
ト、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタ
クリレート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフル
オロメチルエチルメタクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、及び
2,2,3,3,4,4,5,5オクタフルオロペンチ
ルメタクリレートのフッ化アルキルメタクリレート群、
または2,2,2−トリフロオロエチル−α−フルオロ
アクリレート、2,2,3,3テトラフルオロプロピル
−α−フルオロアクリレート、及び2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロピル−α−フルオロアクリレート
のフッ化アルキル−α−フルオロアクリレートの群から
選択される単量体(M2)とから製造される共重合体も
低散乱損失であり好ましい。中でもメチルメタクリレー
トと2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリ
レートの組み合わせによる共重合体は極めて低散乱損失
であるので更に好ましい。また、ベンジルメタクリレー
トと2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリ
レートの組み合わせの共重合体も極めて低散乱損失であ
り好ましい。なお、POFを構成する(共)重合体が3
種類以上の単量体単位を含む場合にも、以上例示したよ
うな共重合体を使用することも好ましい。
【0026】また、本発明の混合層(LB)を含む多層
構造のPOFにおいては、非混合層(LNB)間の屈折
率差が小さい程、混合層(LB)における急な屈折率変
化が抑えられ、混合層における光散乱損失が小さくな
る。従って、隣接する非混合層(LNB)層間の屈折率
差は小さいほど好ましく、0.016以下、より好まし
くは0.008以下である。
【0027】POF中の混合層(LB)を構成するBP
も、光散乱損失が小さいことが好ましい。混合される
(共)重合体同士の相溶性を高めることによって、光散
乱損失が小さい混合物を得ることができる。その手段と
して、隣接する非混合層(LNB)を構成する(共)重
合体間の共重合組成比差をできるだけ小さくすることが
挙げられる。共重合組成比差が大きい(共)重合体から
なる混合物BPは、ひとつのCP(またはHP)と他の
CPの性質が大きくかけ離れるため、互いの相溶性が低
下し、BP中で不均一構造が多く形成され、その結果P
OFの光散乱損失が増大する。
【0028】ところで一般的に、共重合体の組成比がX
で表される場合、通常、共重合体の組成比の平均値がX
であることを意味しており、実際にはX−αからX+β
の範囲に分布している。理想的に考えれば、CP(また
はHP)とCPとの間の共重合組成比Xの差が、このα
+βの範囲内のCP(またはHP)とCPとからBPを
形成することが好ましい。共重合組成比の差は、実際に
は、POF全体に占める混合層(LB)の割合も考慮し
て実用上問題が生じない値に設定される。
【0029】表1は、M1として2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレート(3FM)、もしくは2,
2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
(4FM)、M2として2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピルメタクリレート(5FM)を用いて製造
したHP及び組成が異なる複数のCPを50/50(w
t%)の割合で混合調製したBPについて、650nm
における等方性光散乱損失を示している。
【0030】ここで、(共)重合体(M1/M2)にお
いて、M2の組成が0モル%のときはM1の単独重合体
HP1であり、同じくM1の組成が0モル%のときはM
2の単独重合体HP2である。互いに共重合組成比の異
なる2種類の共重合体Aおよび共重合体Bの組成比の差
は、M1またはM2のモル組成比(%)の差として、記
載されている。
【0031】混合されるひとつのCP(またはHP)と
他のCPの共重合組成比が近い程、BPがより小さい等
方性光散乱損失を有することを、表1は示している。M
1またはM2において共重合組成比の差は20モル%以
下であることが好ましく、15モル%以下であることが
より好ましく、10モル%以下であることが更に好まし
い。但し、共重合組成比の差を極端に小さくしすぎる
と、光ファイバーのNAの大きさを維持するためには、
(共)重合体の層数を多く増やす必要がある。
【0032】
【表1】
【0033】以上、単量体の数n=3の場合について説
明したきたが、本発明においてはn=2または、nが4
以上であってもよい。
【0034】次に(共)重合多層構造内におけるドーパ
ントによる屈折率分布形成効果について説明する。
(共)重合体の非混合層を多層積層して得られる階段状
の屈折率分布を有するPOFは混合層(LB)の厚さを
小さくすることにより非常に低損失なPOFとすること
が可能であるが、帯域性能に関しては、POF全領域に
おいて滑らかな連続的2乗型屈折率分布を有するPOF
の方が優れている。階段状の屈折率分布を有するPOF
でも非混合層の層数を大幅に増やすことによりある程度
良好な帯域性能を得ることができるが、層数を増やすこ
とは製造上の煩雑さやコスト増大に繋がるので、実用性
には乏しい。
【0035】階段状屈折率分布で充分な帯域性能が得ら
れない大きな理由は、非混合層LNBにより構成される
屈折率分布が一定な領域の存在にある。そこで、本発明
においては、非混合層に少量のドーパントを濃度分布を
有する状態で含有させ、屈折率分布の傾斜を付与するこ
とにより、散乱損失の増大を引き起こすことなく、帯域
性能を改善するものである。また、本発明においてはP
OFを構成する(共)重合体の屈折率の違いにより基本
的な屈折率分布が形成されているので、ドーパントの添
加量が少量であっても実用上必要なPOFのNAを付与
することができ、かつドーパントの可塑化効果によるT
gの低下が小さく耐熱性が高いPOFを得ることができ
る。
【0036】本発明におけるドーパントとは非反応性の
低分子化合物、または、ダイマー、トリマー等の一〜九
量体程度のものを示し、POFを構成する(共)重合体
と屈折率が異なり、屈折率分布形成に寄与しうるもので
ある。ドーパントとしては公知のものが使用可能であ
る。
【0037】ドーパントを含有する(共)重合体のドー
パントの可塑化効果によるTgの低下を防ぐためには、
(共)重合体のドーパント含有率に対する屈折率変化率
の絶対値|dnd/dc|の大きなドーパントを用いる
ことが好ましい。なお、式中dcは(共)重合体のドー
パントの含有率c(wt%)の微分値、dndはドーパ
ントを含有率cだけ添加した場合の屈折率ndの微分値
である。|dnd/dc|が大きければ、ドーパント添
加量が少量であっても、POFの中心部と外周部との間
に大きな屈折率差を付与することが可能であり、NAを
十分大きくすることができる。|dnd/dc|は、
(共)重合体との相互作用並びに、(共)重合体中のド
ーパントの体積分率により決まるため、ドーパント及び
(共)重合体を適切に選択することにより決定される。
【0038】例えば、PMMAをマトリックスとした場
合、ジフェニルスルフィド(屈折率1.633: DP
S)の屈折率変化率の絶対値は0.0018/wt%、
ジフェニルフタレイト(結晶性であるため屈折率は測定
できない: DPP)のそれは、0.00125/wt
%、ジフェニルスルフォキシド(結晶性であるため屈折
率は測定できない: DPSO)のそれは0.0017
/wt%である。好ましいドーパントの屈折率変化率の
絶対値は0.001/wt%以上、より好ましくは0.
0015/wt%以上、更に好ましくは0.0017/
wt%以上である。
【0039】本発明のPOFにおいては、POFに十分
な耐熱性を付与するため、各非混合層のTgは、いずれ
も70℃以上とすることが好ましく、より好ましくは8
0℃以上、更に好ましくは90℃以上で、100℃以上
であれば特に好ましい。なお、(共)重合体がドーパン
トを含有している場合は、ドーパントを含有している
(共)重合体のTgをその非混合層のTgとする。
【0040】上記屈折率分布形成において、Tgの極端
な低下を抑制するためには、POFの芯全体に対するド
ーパント含有率は、より小さいことが好ましい。その値
としては、15wt%以下が好ましく、より好ましくは
10%以下、更に好ましくは7%以下である。更にPO
Fに耐熱性を付与するためには、いずれの非混合層にお
いても、ドーパント含有率が低いことが好ましく、具体
的には15wt%以下が好ましく、10wt%以下であ
ることが更に好ましく、7wt%以下であることが特に
好ましい。
【0041】本発明において、ドーパントは少なくとも
一部の非混合層に濃度分布を有する状態で含有されてい
ればその分布態様は特に限定されないが、より広帯域な
POFを得るためにはPOF中心部から外周部に向けて
屈折率が連続的に減少するようにPOF全域にドーパン
トを含有させることが好ましい。例えば1種類のドーパ
ントを用いる場合、通常POF中心部から外周部に向け
て連続的にドーパントの濃度分布を形成する。
【0042】また、NAが高いPOFを得るためには、
例えばPOFの中心部側の層にその層を構成するHPま
たはCPより高い屈折率のドーパントを用い、また、外
周部の層にはその層を構成するHPまたはCPより低い
屈折率の低いドーパントを用いることが好ましい。さら
に、複数種類のドーパントを用いると、いずれの層にお
いてもドーパントの含有量を低くすることができるの
で、Tgの低下を抑制することが可能である。
【0043】本発明のPOFの中心部と外周部の屈折率
の差は特に限定されないが、開口数(NA)の大きさを
考慮すると0.02〜0.04程度であることが好まし
い。
【0044】本発明のPOFは、以上述べたPOFを島
部とし、その複数本が互いに隔てられた状態で海部によ
り一体化されてなる海島構造の多芯POFとすることも
できる。このような多芯POFは広帯域でかつ曲げによ
る伝送光の漏れ損失(曲げ損失)が小さい。
【0045】上記の本発明のPOFの外周部に保護層を
被覆することも可能である。非混合層の最外周層よりも
屈折率が低い保護層を用いることにより、光ファイバの
曲げ損失を低減することができる。保護層としては公知
の材料が使用され、例えばフッ素化メタクリレート系
(共)重合体、フッ化ビニリデン系(共)重合体などが
好ましく用いられる。
【0046】本発明のPOFの外周部に公知の被覆材か
らなる被覆層を形成して光ファイバケーブルとすること
も可能である。また、その少なくとも一端に公知のプラ
グ部を配設してプラグ付き光ファイバケーブルとするこ
とも可能である。
【0047】以下、本発明のPOFの製法について説明
する。2種類以上の単量体M1、M2、・・・、Mn
(nは2以上の整数)からそれぞれ製造され屈折率が順
次低下する単独重合体HP1、HP2、・・・、HP
n、及びこれら単量体の共重合体CPからなる群より選
択される(共)重合体、及びドーパントを用いて、屈折
率の異なる複数の紡糸原料を調製し、これらが外周部側
程屈折率が低下するように同心円筒状の多層構造が形成
されるようにして同心円状ノズルに供給し、ノズルから
紡出させる。
【0048】各層間の屈折率分布を滑らかにするために
は各層間でドーパントまたは(共)重合体を拡散させ
る。屈折率分布態様の制御は、紡糸ノズル内滞在時間、
溶融紡糸温度、紡糸後の熱処理温度の制御、紡糸時の延
伸倍率、(共)重合体やドーパントの種類、紡糸原料の
層(以下「紡糸原料層」という)の数を変えることによ
って行われる。
【0049】更に、混合層の厚みを大きくしたり、ドー
パントの拡散距離を大きくするために、紡糸原料中に、
その紡糸原料を構成する(共)重合体と同じ組成の単量
体と光重合開始剤を含有させて紡糸原料を調製してノズ
ルから紡出させ、単量体及びドーパントを各層間で相互
拡散させた後、ファイバ内の単量体を光重合させること
も可能である。なお、ドーパントをPOFの一部にのみ
含有させる場合は、ドーパントを含有させる部分に相当
する紡糸原料層にのみドーパントを導入する。
【0050】本方法によれば、POFを連続的に高速に
製造することが可能であり、その生産性は極めて高い。
また、(共)重合体の拡散の程度を制御し混合層の厚さ
を制御することが容易であるため、各層を構成する
(共)重合体のTgや粘度に大きく依存することなく、
散乱損失が小さく伝送帯域が高いPOFを容易に得るこ
とができる。更に、本発明の方法において紡糸原料とし
て(共)重合体とドーパントの混合物を用いた場合、紡
糸原料から重合助剤、残存単量体などの不純物を容易に
除去することが可能であり、低損失なPOFを得ること
ができる。
【0051】以下、理想的屈折率分布(最も広帯域とな
る条件)を有するPOFを製造するための、紡糸ノズル
内部での紡糸原料の多層同心円筒状における配置と、そ
の屈折率との関係についての設計法を述べる。但し、以
下の内容は本発明を制限するものではない。
【0052】中心部から外周部に向かって徐々に屈折率
が低下するPOFの場合について例示する。中心部にお
ける屈折率の値をn1、最外周部における最も屈折率の
低い値をn2、半径をa、中心からの位置(距離)をr
(0<r<a)、Δ=(n1−n2 )/n1 とする
と、POFにおいて最も広帯域となる条件は、屈折率分
布形状n(r)が以下の式で近似される。
【0053】 n(r)=n1 {1−2Δ(r/a)2 }0.5 (1) 即ち、n1 、n2 及びaの値が決まれば(1)式に
従ってPOF内部での理想的屈折率分布形状が決まる。
また、紡糸ノズル径bと紡出延伸後に得られるPOFの
直径cとの比をα(1<α=b/c)とすると、紡糸ノ
ズル内部(ノズル内部でのコア半径はαa)で形成され
るべき屈折率分布n’(r)は、次式で記述される。
【0054】 n’(r)=n1 {1−2Δ(r/αa)2 }0.5 (2) 従って、屈折率n’j (j=1,2,3,…)として
調製された紡糸原料ポリマーjがノズル内の半径方向に
おいてに配置される位置rjは、(2)式においてn’
(r)の値としてn’jを代入し、rの値としてrjを
代入すれば、次式で表される。
【0055】 rj =αa〔{1−(n’j /n1 )2 }/2Δ〕0.5 (3) この時、紡糸原料層の数Nは、ノズル内部でのコア半径
αaと紡糸原料内のド−パントの相互拡散距離(L)に
依存している。N=αa/2Lがほぼ妥当な数である。
また、N<<αa/2Lの場合紡糸原料層の厚さに対し
ドーパントの相互拡散距離が短いため、屈折率分布形成
が不十分となり広帯域ファイバとしての性能が低下す
る。POFの耐熱性を高めるためにはドーパントの含有
量を少なくする必要があること、製造コストや製造上の
煩雑さの問題を考慮すると、実際は、3〜6層程度の多
層紡糸が適当であると考えられる。いずれにしても、ド
ーパントの拡散距離が大きい程、層数は少なくて良い。
【0056】このようにして製造されるPOFは、その
屈折率分布は、理想的な分布である式(1)の屈折率分
布から若干ずれた分布形態となるが、実用上充分な、か
なりの帯域性能を引き出すことができる。本発明の製法
によれば、これらの多層ファイバを互いに隣接する複数
個のノズルから同時に紡出させることによって海島構造
の光ファイバを製造することができる。
【0057】また、本発明のPOFの外周部に保護層や
被覆層を被覆する場合は、POFの紡糸原料の外周部に
保護層や被覆層の材料を配置して同時に紡糸することも
可能であり、POFに公知のダイ等を用いて保護層や被
覆層を被覆することも可能である。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 (実施例1)単独重合体の屈折率がnd=1.492、
Tg=112℃のポリメチルメタクリレート(PMM
A)、nd=1.422、Tg=64℃の2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)の
2種類の単量体成分を用いた。また、ドーパントには、
結晶性で、屈折率変化率が0.00125/wt%のジ
フェニルフタレイト(DPP)を用いた。
【0059】また、重合反応に共した単量体または単量
体混合液(数値は重量%)は以下の4種類である。 1)MMA 2)MMA/4FM=90/10 3)MMA/4FM=82/18 4)MMA/4FM=74/26
【0060】上記単量体または単量体混合物に対するド
ーパント添加率を以下に示す。()内はそれらを重合し
たときのドーパントを含有した状態での重合体のTgで
ある。なお、添加率0とは、ドーパントを全く含まない
単量体混合物であることを示す。 1)(MMA)/DPP =91/9 (Tg=88℃) 2)(MMA/4FM)/DPP=95.5/4.5(Tg=95℃) 3)(MMA/4FM)/DPP=100/0 (Tg=104℃) 4)(MMA/4FM)/DPP=100/0 (Tg=100℃) これら単量体混合物を用いた重合体の重量平均分子量
は、GPC測定から約8万〜9万であった。
【0061】次に、これら4種類の紡糸原料を押出機に
供給して、220℃で溶融し、4層の同心円筒状の複合
紡糸ノズルに供給した。ポリマーの紡糸ノズル滞在時間
は約30秒である。吐出後のファイバは、最終的に、直
径が0.75mmφのPOFとなるように延伸し、巻き
取り機によって巻き取った。
【0062】以上のようにして製造されたPOFのPO
Fの伝送帯域として、長さ100mのPOFを用い、−
3dB帯域を測定したところ、1.5GHzであり、伝
送損失は150dB/kmであった。なお、伝送帯域測
定は、浜松ホトニクス社製の光サンプリングオシロスコ
ープ、及び光源として、東芝製半導体レーザーTOLD
9410(発光波長650nm)を用い、伝送損失測定
は、52m/2mカットバック法で、波長650nm、
励振NA=0.25で行った。次に、POFの耐湿熱試
験を行った。試験条件は75℃、湿度95%RHであ
る。1000時間における伝送損失の増大はわずか20
dB/kmであり、また屈折率分布の経時変化はほとん
ど見られなかった。
【0063】(実施例2)単独重合体の屈折率がnd
1.569、Tg=54℃のベンジルメタクリレ−ト
(BzMA)、nd=1.492、Tg=112℃のメチ
ルメタクリレート(MMA)、及び屈折率がnd=1.4
22、Tg=の2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルメタクリレート(4FM)の3種類の単量体成分を用
いた。またド−パントには、結晶性で屈折率変化率が
0.0017/wt%のジフェニルスルフォキシド(D
PSO)を用いた。
【0064】重合反応に共した単量体または単量体混合
液(数値は重量%)は以下の4種類である。 1)BzMA/MMA=8/92 2)MMA 3)MMA/4FM=91/9 4)MMA/4FM=82/18
【0065】上記単量体または単量体混合物に対するド
ーパント添加率を以下に示す。()内はそれらを重合し
たときのドーパントも含んだ状態での重合体のTgであ
る。 1)(BzMA/MMA)/DPSO=93/7 (Tg=84℃) 2)(MMA)/DPSO =96.5/3.5 (Tg=97℃) 3)(MMA/4FM)/DPSO =100/0 (Tg=108℃) 4)(MMA/4FM)/DPSO =100/0 (Tg=102℃) ドーパントの屈折率変化率が特に大きいため、よりドー
パントの含有量を少なくしTgを低下させることなく非
混合層に十分な屈折率分布を形成することができた。こ
れら単量体混合物を用いた重合体の重量平均分子量は、
GPC測定から約8万〜9万であった。
【0066】次に、これら4種類の紡糸原料を用いて実
施例1と同様の方法でPOFを製造し、光学特性の評価
を行った。その結果、伝送帯域は、1.1GHzであ
り、伝送損失は、160dB/kmであった。POFの
耐湿熱試験を実施例1と同様の条件で行ったところ、1
000時間における伝送損失の増大はわずか20dB/
kmで、また、屈折率分布の経時変化はほとんど見られ
なかった。
【0067】(実施例3)単独重合体の屈折率がnd
1.487、Tg=125℃のペンタフルオロフェニル
メタクリレート(PFMA)、nd=1.422、Tg=
64℃の2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタ
クリレート(4FM)の2種類の単量体成分を用いた。
またドーパントには、結晶性で屈折率変化率が0.00
17/wt%のジフェニルスルフォキシド(DPSO)
を用いた。
【0068】また、重合反応に共した単量体または単量
体混合液(数値は重量%)は以下の4種類である。 1)PFMA 2)PFMA/4FM=90/10 3)PFMA/4FM=80/20 4)PFMA/4FM=70/30
【0069】上記単量体または単量体混合物に対するド
ーパント添加率を以下に示す。()内はそれらを重合し
たときの、ドーパントも含んだ状態での重合体のTgで
ある。 1)(PFMA)/DPSO =93/7 (Tg=104℃) 2)(PFMA/4FM)/DPSO=96.5/3.5(Tg=100℃) 3)(PFMA/4FM)/DPSO=100/0 (Tg=113℃) 4)(PFMA/4FM)/DPSO=100/0 (Tg=107℃) ドーパントの屈折率変化率が特に大きいため、よりドー
パントの含有量を少なくしTgを低下させることなく非
混合層に十分な屈折率分布を形成することができた。こ
れら単量体混合物を用いた重合体の重量平均分子量は、
GPC測定から約8万〜9万であった。
【0070】次に、これら4種類の紡糸原料を用いて実
施例1と同様の方法でPOFを製造し、光学特性の評価
を行った。伝送帯域は、1.3GHzであった。伝送損
失は、110dB/kmであった。本POFの耐湿熱試
験を実施例1と同様の条件で行ったところ、1000時
間における伝送損失の増大はわずか20dB/kmで、
また、屈折率分布の経時変化はほとんど見られなかっ
た。
【0071】
【発明の効果】本発明により、光散乱損失が小さく低損
失で開口数が比較的大きな、耐熱性に優れたPOFが提
供される。また、このようなPOFを高生産速度で容易
に製造可能なPOFの製法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPOFを説明するための図である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上の単量体M1、M2、・・
    ・、Mn(nは2以上の整数)単位からそれぞれ構成さ
    れ屈折率が異なる単独重合体HP1、HP2、・・・、
    HPn、及びこれら単量体単位から構成され屈折率が異
    なる共重合体CPからなる群より選ばれる屈折率が異な
    る(共)重合体の非混合層を同心円状に積層した多層構
    造であって、中心部の屈折率が最も高く外周部に向かっ
    て屈折率が低下する屈折率分布型光ファイバにおいて、
    少なくとも一つの非混合層の少なくとも一部にドーパン
    トが濃度分布を有して含有されてなることを特徴とする
    屈折率分布型光ファイバ。
  2. 【請求項2】 非混合層間にそれらの非混合層を構成す
    る(共)重合体を含む混合層が形成されてなる請求項1
    に記載の屈折率分布型光ファイバ。
  3. 【請求項3】 各非混合層のTgがいずれも70℃以上
    であることを特徴とする請求項1に記載の屈折率分布型
    光ファイバ。
  4. 【請求項4】 ドーパントを含有する非混合層のドーパ
    ント含有率に対する(共)重合体の屈折率変化率|dn
    d/dc|(dcは(共)重合体へのドーパント含有率
    c(wt%)の微分値、dndはドーパントを含有率c
    だけ添加した場合の(共)重合体の屈折率ndの微分値
    である)が0.001/wt%以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の光ファイバ。
  5. 【請求項5】 光ファイバ全体に占めるドーパントの含
    有率が15wt%以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の光ファイバ。
  6. 【請求項6】 各非混合層に占めるドーパントの含有率
    がいずれも15wt%以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の光ファイバ。
  7. 【請求項7】 隣接する非混合層を構成する(共)重合
    体間の屈折率差が0.016以下である請求項1に記載
    の光ファイバ。
  8. 【請求項8】 隣接する非混合層を構成する(共)重合
    体間の共重合組成比の差が20モル%以下である請求項
    1に記載の光ファイバ。
  9. 【請求項9】 非混合層が、2種類の単量体M1及びM
    2単位から構成される共重合組成比と屈折率が異なる2
    元共重合体CP1/2、並びに単独重合体HP1及びH
    P2からなる群より選ばれる(共)重合体から構成さ
    れ、単量体M1及びM2単位としてそれらの単独重合体
    の屈折率差が0.05以上となるものを用いたことを特
    徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  10. 【請求項10】 (共)重合体がメチルメタクリレート
    単位及び2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタ
    クリレート単位から構成される請求項9に記載の光ファ
    イバ。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の光ファイバを島と
    し、その島の複数本が海材中に配置されてなる海島構造
    の光ファイバ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の光ファイバの外周に被覆層を具備した光ファイバケー
    ブル。
  13. 【請求項13】 請求項12の光ファイバケーブルの少
    なくとも一端にプラグ部を配置してなるプラグ付き光フ
    ァイバケーブル。
  14. 【請求項14】 2種類以上の単量体M1、M2、・・
    ・、Mn(nは2以上の整数)単位からそれぞれ構成さ
    れ屈折率が異なる単独重合体HP1、HP2、・・・、
    HPn、及びこれら単量体単位から構成され屈折率が異
    なる共重合体CPからなる群より選ばれる(共)重合体
    を用い、これらの(共)重合体の少なくとも一つにドー
    パントを含有させて、屈折率の異なる複数の紡糸原料を
    調製し、これらを外周部側程屈折率が低下する様にして
    多層同心円状のノズルに供給してノズルから紡出させる
    屈折率分布型光ファイバの製法。
  15. 【請求項15】 各紡糸原料中にそれを構成する(共)
    重合体と同じ組成の単量体及び光重合開始剤を更に含有
    させることを特徴とする請求項14に記載の光ファイバ
    の製法。
  16. 【請求項16】 屈折率の異なる複数の紡糸原料のドー
    パント濃度がいずれも15wt%以下であることを特徴
    とする請求項14または請求項15に記載の光ファイバ
    の製法。
  17. 【請求項17】 各紡糸原料として、ガラス転移温度
    (Tg)がいずれも70℃以上の紡糸原料を用いる請求
    項14または請求項15に記載の光ファイバの製法。
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