JP2006328249A - 組成物、光学部材および光学部材の製造方法。 - Google Patents

組成物、光学部材および光学部材の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】
光学部材、特にプラスチック光ファイバの材料として有用な組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の下記一般式(1)で表される化合物および少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含む、光学部材形成用組成物。
一般式(1)
【化1】
Figure 2006328249

(一般式(1)中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。Yはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基またはシアノ基を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学部材の作製に用いられる組成物、それを用いて作製された光学部材および該光学部材の製造方法に属する。
プラスチック光学部材は、同一の構造を有する石英系の光学部材と比較して、製造および加工が容易であること、および低価格であること等の利点があり、近年、光ファイバおよび光レンズ、光導波路など種々の応用が試みられている。特にこれら光学部材の中でも、プラスチック光ファイバ(以下、「POF」と称すことがある)は、素線が全てプラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系と比較してやや大きいという短所を有するものの、良好な可撓性を有し、軽量で、加工性がよく、石英系光ファイバと比較して口径の大きいファイバとして製造し易く、さらに低コストで製造可能であるという長所を有する。従って、伝送損失の大きさが問題とならいない程度の短距離用の光通信伝送媒体として種々検討されている。
一般的に、プラスチック光ファイバは、重合体をマトリックスとする有機化合物からなる芯(以下、「コア部」と称する)とコア部とは屈折率が異なる、一般的には低屈折率の、有機化合物からなる外殻(以下、「クラッド部」と称する)とから構成される。特に、中心から外側に向かって屈折率の大きさに分布を有するコア部を備えた屈折率分布型プラスチック光ファイバは、伝送する光信号の帯域を大きくすることが可能なため、高い伝送容量を有する光ファイバとして最近注目されている。この様な屈折率分布型光学部材の製法の一つに、屈折率調整剤を利用して光学部材の母材(以下、「プリフォーム」と称する)を作製し、その後、前記プリフォームを延伸する方法が提案されている。
上記プリフォーム作製時には、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタンやn−ラウリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類(別名チオール類)を添加して重合を行うことが一般的である(特許文献1)。これは、連鎖移動剤を添加せずに重合を行うと分子量が大きくなりすぎて延伸が困難になるためである。しかしながら、メルカプタン類は総じて独特の臭気を有し、これを使用すると製造時に作業者への負荷がかかる、臭気対策用の特別の装置が必要になるといった問題がある。さらにアルキルメルカプタン類は重合体中に残留して透明性を低下させる(例えば、光ファイバにおける伝送損失を上昇させる)ことがある。
メルカプタン類の臭気対策として、エステル構造を有するメルカプタン類が、スチレン−アクリル系モノマーの重合時に有効であることが知られている(特許文献2、3)。しかしながら、メルカプタン臭が完全になくなるわけではなく、またこれらの連鎖移動剤が光学部材用に利用された例も知られていなかった。メルカプタン類以外の連鎖移動剤としては、α−ブロモメチルアクリレートやα−ブロモメチルアクリロニトリルが連鎖移動能を有することが報告されているが(非特許文献1)、連鎖移動定数などの基礎データの報告にとどまり、光学部材用途などに実際に用いられた報告はなかった。すなわち、メルカプタン臭がなく、透明性を低下させない連鎖移動剤を用いた組成物を見出し、光学部材製造へ応用することが求められていた。
特開昭58−154803号公報 特開2004−224708号公報 特開2004−224840号公報 Polymer Bulletin 1990,501
本発明は上記課題を解決することを目的としたものであって、光学部材、特にプラスチック光ファイバーの材料として有用なポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸エステル類、α−トリフルオロメチルアクリル酸エステル類の製造において、臭気がなく、かつ透明性を損なうことのない、すなわち伝送損失を上昇させることのない、連鎖移動剤を提供することを主な課題とした。
本発明者らは種々検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表される化合物を連鎖移動剤として用いることにより、製造時の臭気の問題を解決し、伝送損失の低い光ファイバーに代表される優れた光学部材の作製を実現した。
前記課題を解決する手段は以下のとおりである。
(1)少なくとも1種の下記一般式(1)で表される化合物および少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含む、光学部材形成用組成物。
一般式(1)
Figure 2006328249
(一般式(1)中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。Yはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基またはシアノ基を表す。)
(2)前記一般式(1)中のYがアルコキシカルボニル基である化合物を含む、(1)に記載の組成物。
(3)前記ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種が、下記一般式(2)で表される化合物である、(1)または(2)に記載の組成物。
一般式(2)
Figure 2006328249
(一般式(2)中、R1は水素原子、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。R2はアルキル基またはアリール基を表す。)
(4)前記一般式(2)中のR2がフッ素原子を含むアルキル基またはフッ素原子を含むアリール基である化合物を含む、(3)に記載の組成物
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物を重合させてなる光学部材。
(6)屈折率の大きさに分布がある屈折率分布領域を有する(5)に記載の光学部材。
(7)水平に保持された中心軸のまわりを回転する円筒状容器内に、組成物Aを注入して重合を行いクラッド部を形成する工程と、該クラッド部の内側に組成物Bを注入して重合を行い前記クラッド部との界面から中心部まで屈折率が漸進的に変化するコア部を形成する工程とを含む光学部材の製造方法であって、前記組成物Aおよび組成物Bの少なくとも一つが(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物である、製造方法。
(8)下記一般式(1)で表される連鎖移動剤。
一般式(1)
Figure 2006328249
(一般式(1)中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。Yはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基またはシアノ基を表す。)
本発明によれば伝送損失の低い光学部材、およびそのような光学部材を作製可能な組成物を提供することが可能となった。
以下において本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載の数値を最小値および最大値として含む範囲を意味する。また、重水素化合物中の重水素原子の比率に関して、{(重水素原子の数)/(全水素原子の数)}の平均値を「重水素化率」として定義する。
まず本発明の一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)
Figure 2006328249
一般式(1)中、Xは塩素原子または臭素原子を表し、好ましくは臭素原子である。
Yはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基またはシアノ基を表し、好ましくはアルコキシカルボニル基である。アルコキシカルボニル基としては、総炭素数2〜8のものが好ましく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基を好ましい例として挙げることができ、メトキシカルボニル基がさらに好ましい。アリールオキシカルボニル基としては、総炭素数7〜10のものが好ましく、フェニルオキシカルボニル基を好ましい例として挙げることができる。アミノカルボニル基としては、総炭素数1〜8のものが好ましく、N,N−ジメチルアミノカルボニル基を好ましい例として挙げることができる。これらの基はさらに置換可能な置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が好ましい例として挙げられる。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体的な例を示す。本発明で用いる化合物は下記のものに限定されない。
Figure 2006328249
Figure 2006328249
一般式(1)で表される化合物の一部は市販されており、それをそのままあるいは適宜精製して用いることができる。例えば、上記例示化合物(1−1)(2-ブロモメチルアクリル酸メチル)はAldrich社から販売されている。市販されているもの以外の化合物については、例えば J. Med. Chem., 1987, 165 に記載のように 2−ブロモメチルアクリル酸とアルコール類を硫酸存在下で加熱してエステル化する方法、Tetrahedron, 1999, 5611に記載のように 2−ブロモメチルアクリル酸を塩化チオニルで酸クロライドにし、その後アミド化する方法などにより合成することが可能である。
次に、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、上記一般式(1)で表される化合物と重合性モノマーを含有する。本発明の組成物は、光学部材形成用であり、好ましくは、屈折率の大きさに分布を有する屈折率分布型光学部材(プラスチック光ファイバ等)形成用に用いることができる。以下、各々の材料について詳細に説明する。
(連鎖移動剤)
本発明の組成物は、一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種を含み、該化合物は連鎖移動剤としての役割を果たす。本連鎖移動剤は、主に重合体の分子量を調整するために用いられ、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択することができる。本発明で採用する連鎖移動剤の特徴は、従来幅広く用いられていたメルカプタン類特有の臭気を有さないことであり、それに加えて透明性を損なうことがなく、すなわち光ファイバにおいては伝送損失を上昇させない光学用途において特に有用である。
(ラジカル重合性モノマー)
本発明の組成物はラジカル重合性モノマーを1種以上含有する。本発明では、前記ラジカル重合性モノマーのうち、少なくとも1種が、以下に述べるラジカル重合性モノマーであることが好ましい。もちろん、これ以外のラジカル重合性モノマーのみを含む組成物であっても本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
(a) フッ素不含メタクリル酸エステルおよびフッ素不含アクリル酸エステル
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジフェニルメチル、トリシクロ[5・2・1・02,6]デカニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸フェニル等;
(b) 含フッ素アクリル酸エステルおよび含フッ素メタクリル酸エステル
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1−トリフルオロメチル−2,2,2− トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート等;
(c) スチレン系化合物
スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等;
(d) ビニルエステル類
ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等;
が例示される。
本発明で用いられる重合性モノマーは、一般式(2)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(2)
Figure 2006328249
一般式(2)中、R1は水素原子、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基を表し、好ましくはメチル基である。
2はアルキル基またはアリール基を表す。アルキル基としては、直鎖、分岐、環状いずれであってもよく、総炭素数1〜12のものが好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基が好ましい。アリール基としては、総炭素数6〜12のものが好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)、アルキル基、シアノ基が好ましい。
2は、より好ましくは、フッ素原子を含むアルキル基またはフッ素原子を含むアリール基であり、特に好ましくはトリフルオロエチル基およびペンタフルオロフェニル基である。
重合性モノマーを複数種用いる場合、少なくとも一種が一般式(2)で表される化合物であることが好ましく、一般式(2)で表される化合物を主成分とすることがさらに好ましい。ここで主成分とするとは、光学的性能を損なわない限りにおいて、該モノマーとスチレン、マレイミド化合物等の共重合体などの組成をとってもよいことを意味するが、一般式(2)で表される化合物が(一般式(2)で表される化合物を複数種用いる場合はその合計が)、モノマーの全質量中50質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのがさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
本発明で用いる重合性モノマーは、好ましくは少なくとも一部の水素原子が、より好ましくは80%以上の水素原子が重水素原子(2H)で置換されている。このような手段を採用することにより、C−H伸縮振動に起因する光伝送損失をより軽減できる。また、フッ素原子で置換されているモノマーを用いると吸湿性がより下がり、耐湿熱性がより向上するので好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。Hおよび表記されていない水素原子は、1H(通常の水素原子)であっても2H(重水素原子)のどちらであってもよい。Dは重水素原子(2H)を表すが、すべてが重水素という意味ではなく、該箇所の50%以上を重水素にしたことを示す。
Figure 2006328249
Figure 2006328249
(重合開始剤)
本発明の組成物が重合開始剤を含有する場合、用いるモノマーや重合方法に応じて適宜重合開始剤を選択することができるが、例えば国際公開WO93/08488号パンフレットに記載されている様な、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル4,4,ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物、または2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は2種類以上併用してもよい。
(ドーパント)
本発明の組成物は、前記重合性モノマーと異なる屈折率を有する化合物(以下、「ドーパント」という場合がある)を含有していてもよい。本発明の組成物にドーパントを含有させ、ドーパントの濃度に傾斜を持たせることによって、屈折率分布型の光学部材が作製できる。ドーパントは、国際公開WO93/08488号パンフレットや、特開平5−173026号公報に記載されているような、モノマーの合成によって生成される重合体との比較において溶解性パラメータの差が7(cal/cm31/2以内であると共に、これを含有する組成物が無添加の組成物と比較して、屈折率が異なる(好ましくは高くなる)性質を有するものをいい、その屈折率差が、0.001以上を示すことを特徴とする。この性質を有し、重合性モノマーの重合条件(加熱、光照射、および加圧等の重合条件)下において安定で、重合後の重合体と共存可能且つ重合体を構成するモノマーに対して非重合性である材料を用いることができる。例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジルn−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)などが挙げられ、中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOが好ましい。なお、ドーパントは以上に挙げた低分子の有機化合物以外に、2〜10の多量体も含まれるものとする。なお、屈折率を調整する低分子有機化合物は2種類以上併用してもよい。
次に、本発明の組成物を利用した光学部材について説明する。本発明の光学部材はコア部とその周囲のクラッド部から形成される。本発明の光学部材においては、コア部外側から中心に向かって屈折率が滑らかに上昇する「屈折率分布領域」を有することが好ましい。そのような屈折率分布領域を設ける方法としては、国際公開WO93/08488号パンフレットや、特開平8−262240号公報に記載のように、採用するモノマーより高い屈折率を有する非重合性の屈折率上昇剤(ドーパント)を該モノマーと一緒に重合させる方法と、特開2001−215345号公報に記載のように、屈折率の異なる複数のモノマーの混合比率を漸進的に変化させて重合させる方法が知られている。
本発明において、クラッド部及びコア部の材料として特に好ましく用いられるものは、有機材料として光透過性が高いものである。また、光学的異方性を生じないポリマーとすることが好ましい。さらに、コア部とクラッド部とは、互いに密着性に優れるポリマーとし、これらがタフネス等に示される機械的特性に優れ、耐湿熱性にも優れていることがより好ましい。
本発明におけるクラッド材としては、コア部との屈折率差を確保するため、フッ素を有するポリマーを用いるのが好ましく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、特許登録第2724709号記載の環化重合により得られる主鎖に環状構造を有する含フッ素ポリマーおよび特公昭63−18964号公報に記載のパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(ビニルエーテル)などのラジカル共重合ポリマーなどが好ましい。
本発明の組成物をコア材として用いる場合、特に、メタクリレート類あるいはアクリレート類を重合性モノマーとして使用することが好ましい。また、本発明の組成物をクラッド材として用いる場合、特に、フッ素原子を含むメタクリレート類あるいはアクリレート類を重合性モノマーとして使用することが好ましい。
重合反応した後、さらに所定条件での熱処理をして重合を進め、さらにこの重合完了後には所定の冷却速度で冷却する。ここで、重合は、60〜120℃で、0.5〜48時間行うことが好ましい。
このようにして、コア部およびクラッド部がプラスチックからなる、円柱状の光伝送体のプリフォームを作製することができ、得られたプリフォームは延伸工程に供される。なお、コア部やクラッド部を多層で構成させて、さらにそれぞれの層に異なる機能を持たせてもよい。また、得られるプリフォームは作製方法によって、断面円形の中央部に中空部を有するものとなる場合があるが、延伸工程において、中空部をつぶしながら延伸することによりこの中空部はなくなり、良好な伝送損失を有するPOFとなる。
プリフォームの延伸方法としては、特開平07−234322号公報等に記載される各種延伸方法を適用することができ、これにより、所望の直径、例えば、200μm〜1000μmのPOFが得られる。
POFは、曲げ、耐候性の向上、吸湿による性能低下抑制、引張強度の向上、耐踏付け性付与、難燃性付与、薬品による損傷からの保護、外部光線によるノイズ防止、着色などによる商品価値の向上などを目的として、通常、その表面に1層以上の保護層を被覆して使用される。
上述のように、本発明により得られるプリフォームを延伸してPOFとし、このPOFは第1の被覆工程を経て光ファイバ心線となり、1本の心線または複数本の心線を束ねた形態で第2の被覆工程により被覆をされて光ケーブルとなる。ただし、光ケーブルの中でもシングルファイバケーブルとする場合には、第2の被覆工程を経ることなく、第1被覆工程における被覆層を外表としたままで光ケーブルとして用いることもある。光ケーブルとされるときの被覆の形態としては、一本の前記心線と被覆材との界面、または複数本束ねた状態の光ファイバ心線の外周と被覆材との界面が、すべて接するように被覆されている密着型の被覆と、被覆材と光ファイバ心線との界面に空隙を有するルース型被覆とがある。ルース型被覆では、たとえばコネクタとの接続部において被覆層を剥離した場合、その端面の空隙から水分が浸入して長手方向に拡散されるおそれがあるため、通常は密着型が好ましい。
しかし、被覆材と光ファイバ心線とが密着していないので、光ケーブルにかかる応力や熱等のダメージの多くを、被覆層により緩和させることができるという利点を有する。そのため、ルース型の被覆は、使用目的によっては好ましく用いることができる。ルース型被覆の場合のコネクタ接続部からの水分の伝播については、光ファイバ心線と被覆材との界面の空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することにより、防止することができる。さらに、これらの半固体や粉粒体に対して耐熱や機械的機能の向上などの他の異なる機能を付与させることにより、多機能な被覆層を形成した光ファイバケーブルを製造することができる。なお、ルース型の被覆とするには、クロスヘッドダイの押出し口ニップルの位置を調整し減圧装置による減圧度を加減することにより、前記空隙を有する層を形成することができる。この空隙層の厚みは前述のニップル厚みと空隙層とを加圧/減圧することにより調整することができる。
第1、第2の被覆工程で設けられる被覆材には、難燃剤や、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を、光伝送特性に影響を及ぼさない条件範囲で添加してもよい。
なお、前記難燃剤としては、臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂、添加剤、リン含有のものがあるが、燃焼時における毒性ガス低減等の安全性の観点では、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物が主流となりつつある。ただし、このような金属水酸化物は、その内部に水分を結晶水として有している。この水分は、これら金属水酸化物の製法過程における付着水に起因するものであり完全除去は不可能とされる。したがって、金属水酸化物による難燃性付与は、POFに接する被覆層には含有させず、ケーブルとしての外表となる被覆層に対してのみ行うことが望ましい。
また、光ケーブルに複数の他の機能を付与させるために、適宜機能性層としての被覆層をさらに積層させてもよい。例えば、前述の難燃化層以外に、POFの吸湿を抑制するためのバリア層や、POFに含有された水分を除去するための吸湿材料層等がある。このような吸湿材料層の付与方法としては、例えば、吸湿テープや吸湿ジェルを、所定の被覆層内や被覆層間に設ける方法がある。他の機能性層としては、可撓時の応力緩和のための柔軟性素材層、外部からの応力を緩衝するための緩衝材としての発泡材料層、剛性を向上させるための強化層などがある。樹脂以外にも光ケーブルを構成する構造材として、高い弾性率を有する繊維(いわゆる抗張力繊維)および/または剛性の高い金属線等の線材を熱可塑性樹脂に含有すると、得られるケーブルの力学的強度を補強することができることから好ましい。
前記抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、前記金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。いずれのものも前述したものに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を、ケーブルの外周に組み込むことができる。
また、光ケーブルの形状は使用形態によって、光ファイバ心線を同心円上にまとめた集合型のものや、一列に並べたテープ型のもの、さらにそれらを押え巻やラップシースなどでまとめたものなど用途に応じてその形態が選ばれる。
本発明のプリフォームから得られた光ケーブルは、軸ずれに対する許容度が高いために、突き合せにより接合しても用いることができるが、より好ましくは、光ケーブルの端部に接続用光コネクタを備えて、互いの接続部を確実に固定することが好ましい。コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA型、SMI型などの市販の各種コネクタを利用することが可能である。
本発明のプリフォームから得られた光ケーブルは、種々の発光素子や受光素子、光スイッチ、光アイソレータ、光集積回路、光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置等が組み合わされて好適に用いられる。この際には、必要に応じて他の光ファイバ等と組合わせてもよい。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用でき、例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。前記文献に記載の種々の技術と組み合わせることによって、コンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線、車両や船舶などの内部配線、光端末とデジタル機器、デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LAN等をはじめとする、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御用途などの短距離に適した光伝送システムに好適に用いることができる。
さらに、IEICE TRANS. ELECTRON.,VOL.E84−C,No.3,MARCH 2001,p.339−344 「High−Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3,No.6,2000 476頁〜480頁「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開2003−152284号公報に記載の導波路面に対する発光素子の配置;特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号等の各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号等の各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号等の公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号等の各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号等に記載の光信号処理装置;特開2001−86537号等に記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号等に記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号等の各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などと組み合わせることで、多重化した送受信などを使用した、より高度な光伝送システムを構築することができる。以上の光伝送用途以外にも照明(導光)、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例によって限定的に解釈されるものではない。
尚、本実施例で採用した連鎖移動剤である例示化合物(1−1)はAldrich製のものを精製することなくそのまま使用した。また、実施例2および実施例3で用いた重水素化合物(2−1−d8)、(2−2−d7)、(2−3−d5)の重水素化率は、いずれも99.0%〜99.8%の範囲内である。
[実施例1]
例示化合物(1−1)を連鎖移動剤として用いたプラスチック光ファイバの作製例1
予め溶融押し出し成形によって作製された、厚さ1mm、内径22mm、長さ30cmのポリフッ化ビニリデン樹脂(屈折率:1.38)の中空管チューブ(片端を同じ樹脂で封じてある)をステンレスパイプに挿入し、回転重合装置にセットした。次に該チューブ内に、水分、重合禁止剤、塵埃を十分除去したモノマー混合物(メチルメタクリレートとイソボルニルメタクリレートの重量比8:2の混合物)、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.24重量%(モノマー混合物に対する重量比)、連鎖移動剤として例示化合物(1−1)0.3重量%(モノマー混合物に対する重量比)を注入し、窒素置換した後、密閉状態にし、1500rpmで回転しながら、65℃で3時間、70℃で2時間、90℃で12時間重合を行い、厚さ3mmのインナークラッド部(最外層に相当)を作製した。
次にコア部の重合は以下にして行った。インナークラッド部まで作製された中空管を80℃に加温した加圧重合容器に垂直に静置した(必要に応じてガラス管に入れてオートクレーブに挿入する。)。次に、モノマー混合物(メチルメタクリレートとイソボルニルメタクリレートの重量比8:2の混合物)とドーパントとしてジフェニルスルフィド(DPS)をモノマー混合物の重量に対して5重量%になるように添加し、重合開始剤ジ−tert−ブチルパーオキサイド0.3重量%(モノマー混合物に対する重量比)、連鎖移動剤として例示化合物(1−1)0.6重量%(モノマー混合物に対する重量比)を添加して、十分に脱気し、80℃に加温した重合組成物を該中空管の中空部に静かに添加し、その後、加圧重合容器内を窒素雰囲気下に置換した後、0.2Mpaまで加圧し、100℃で48時間加熱重合した。その後、加圧状態を維持しながら140℃で、24時間加熱重合および熱処理して、プリフォームを得た。
なお、例示化合物(1−1)を連鎖移動剤として用いたインナークラッド部とコア部の重合反応において、臭気は確認されなかった。
該光ファイバプリフォームの断面方向の屈折率は、アウタークラッド部が1.380で一定、インナークラッド部は1.401で一定、コア部は1.401〜1.424(中心部)であった。そのコア部の屈折率分布は上に凸の放物線を描いていた。
次に、上記で得られたプリフォームを溶融延伸した。220〜260℃に調整された加熱炉内に該プリフォームを鉛直下向きに挿入し、延伸速度は目的とするファイバ外径(750μm)になるようにファイバ径測定器を通じて測定された該ファイバの直径に従って制御した。得られたファイバの径は750±9μmであった。該ファイバを、低密度ポリエチレンで一次被覆し、さらに、水酸化マグネシウムがニトリルブタジエンゴムとポリエチレンで混練された被覆材で2次被覆した。
得られた被覆ファイバの、光源波長650nmにおける伝送損失値を測定したところ、115dB/kmであった。
[比較例1]
連鎖移動剤としてラウリルメルカプタンを用いたプラスチック光ファイバの作製例1
用いる連鎖移動剤を例示化合物(1−1)から同重量のラウリルメルカプタンに変更し、その他は上記実施例1と同じ方法にて被覆ファイバを作製した。なお、ラウリルメルカプタンを連鎖移動剤として用いたインナークラッド部とコア部の重合反応においては、メルカプタンに由来する臭気が確認された。
得られた被覆ファイバの、光源波長650nmにおける伝送損失値を測定したところ、180dB/km であった。
[実施例2]
例示化合物(1−1)を連鎖移動剤として用いたプラスチック光ファイバの作製例2
溶融押出成形により作製した内径19mm、長さ60cmのPVDFの中空管をクラッド管とし、この中空部に、インナークラッド用の原料を注入した。インナークラッド用の原料は、蒸留によって水分を100ppm以下に除去した例示化合物(2−1−d8)114gと、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V−65、和光純薬(株)製、70℃での半減期時間:1時間、以下、「V−65」と称す)と、連鎖移動剤である例示化合物(1−1)との混合物であり、この混合物は所定温度に調整してから注入された。V−65としては、水分を200ppm以下に除去されたものを用いた。V−65と例示化合物(1−1)の例示化合物(2−1−d8)に対する添加率は、それぞれ0.04mol%と0.2mol%とした。インナークラッド用の原料を注入されたクラッド管を、回転重合装置の重合器本体に長手方向が水平となるようにセットし、2300rpmで回転しながら70℃の雰囲気下で2時間加熱重合を行い、クラッド管の内面にインナークラッド層を形成した。
クラッド管の中空部に、コア用の原料を常温常圧下で注入した。コア用の原料は、水分を100ppm以下に除去した例示化合物(2−1−d8)67.5gと、重合開始剤としてのV−65と、連鎖移動剤としての例示化合物(1−1)と、ドーパントとしてのジフェニルスルフィド(DPS)との混合物である。なお、DPSは非重合性化合物である。V−65、例示化合物(1−1)、DPSの例示化合物(2−1−d8)に対する添加率は、それぞれ0.04mol%、0.2mol%、7重量%とした。これを、長手方向が水平となるように、2300rpmで回転させながら70℃の雰囲気下で2時間加熱重合させた。2時間後のコア用の原料の転化率は90%であった。そしてその後、500rpmで回転しながら120℃で24時間、熱処理を行い、転化率が99%以上であるコアが生成された。その後、回転をしながら自然冷却しプリフォームを得た。なお、実施例1同様に重合反応において、臭気は確認されなかった。
本実施例の結果得られたプリフォームは、コアの断面円形の中央部に中空部を有しており、その屈折率分布係数は2.7であった。そして、延伸して得られたPOFは、外径が500μmの外径を有し、長さは500mであった。得られたPOFの光源波長650nmにおける伝送損失値を測定したところ 62dB/kmであった。
[比較例2]
連鎖移動剤としてラウリルメルカプタンを用いたプラスチック光ファイバの作製例2
用いる連鎖移動剤を例示化合物(1−1)から同重量のラウリルメルカプタンに変更し、その他は上記実施例2と同じ方法にて被覆ファイバを作製した。なお、重合反応において、比較例1同様にメルカプタンに由来する臭気が確認された。
得られた被覆ファイバの、光源波長650nmにおける伝送損失値を測定したところ、96dB/kmであった。
[実施例3]
例示化合物(1−1)を連鎖移動剤として用いたプラスチック光ファイバの作製例1
内径18.5mm、長さ17cmの内面がポリフッ化ビニリデンからなる重合容器を用意し、例示化合物(2−2−d7)80重量部および例示化合物(2−3−d5)20重量部からなる混合溶液に重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレートを0.1mol%、連鎖移動剤として例示化合物(1−1)を総モノマーに対し0.09mol%添加した混合溶液を調整した。調整した溶液は5分間、窒素気流にて置換を行い、WHATMAN製のPTFEメンブランフィルターにて濾過した後、重合容器中へ注入し、テフロン(登録商標)材質よりなる栓にて密封した。その後、重合容器を水平に保持し、2000rpmの回転を与え95℃にて2時間加熱重合し、これをクラッドとした。次に、例示化合物(2−2−d7)76.2重量部および例示化合物(2−3−d5)23.8重量部からなる混合溶液に重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレートを0.1mol%、連鎖移動剤として例示化合物(1−1)を0.09mol%添加した混合溶液を調整した。調整した溶液は5分間、窒素気流にて置換を行い、WHATMAN製のPTFEメンブランフィルター(型番6784−1302)にて濾過した後、クラッド層が付与された中空間内部に注入し、その後、重合容器を水平に保持し、2000rpmの回転を与え95℃にて2時間加熱重合し、これを第1層目のコアとした。その後、表1に従う処方により第一コアの形成と同様の手順にてコアを積層させ、第10コア層まで形成させた後にさらに95℃、6時間の熱処理を施し、最終的に外径18.5mm、穴径3mmのプリフォームを得た。なお、クラッドの厚みは1.5mm、コア各層の厚みは一定の0.625mmとなるように仕込量を調整した。得られたプリフォームは25℃雰囲気下にて−0.1Mpaの減圧度(FullVacの意図、計算だとおよそ3mmHgに相当)にて100時間の減圧乾燥処理を行った後に、中空部を減圧装置に接続し、200℃の内温を有する電気炉にて−4KPaの減圧度にて減圧させながら加熱延伸を行う事で中空部を潰し、外径470μmのPOFを130m得た。なお、実施例1同様に重合反応において、臭気は確認されなかった。
得られたPOFの屈折率分布を溝尻光学(株)製の2光束透過型干渉顕微鏡(型番TD−20)にて測定し、得られた屈折率分布をg乗近似したところ、屈折率分布係数gの値は2であった。得られたPOFの光源波長650nmにおける伝送損失を測定したところ、68dB/kmであった。
Figure 2006328249
[比較例3]
連鎖移動剤としてラウリルメルカプタンを用いたプラスチック光ファイバの作製例3
用いる連鎖移動剤を例示化合物(1−1)から同重量のラウリルメルカプタンに変更し、その他は上記実施例3と同じ方法にてファイバを作製した。なお、重合反応において、比較例1同様にメルカプタンに由来する臭気が確認された。得られたファイバの、光源波長650nmにおける伝送損失値を測定したところ、100dB/km であった。

Claims (8)

  1. 少なくとも1種の下記一般式(1)で表される化合物および少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含む、光学部材形成用組成物。
    一般式(1)
    Figure 2006328249
    (一般式(1)中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。Yはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基またはシアノ基を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のYがアルコキシカルボニル基である化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種が、下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1または2に記載の組成物。
    一般式(2)
    Figure 2006328249
    (一般式(2)中、R1は水素原子、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。R2はアルキル基またはアリール基を表す。)
  4. 前記一般式(2)中のR2がフッ素原子を含むアルキル基またはフッ素原子を含むアリール基である化合物を含む、請求項3に記載の組成物
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を重合させてなる光学部材。
  6. 屈折率の大きさに分布がある屈折率分布領域を有する請求項5に記載の光学部材。
  7. 水平に保持された中心軸のまわりを回転する円筒状容器内に、組成物Aを注入して重合を行いクラッド部を形成する工程と、該クラッド部の内側に組成物Bを注入して重合を行い前記クラッド部との界面から中心部まで屈折率が漸進的に変化するコア部を形成する工程とを含む光学部材の製造方法であって、前記組成物Aおよび組成物Bの少なくとも一つが請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物である、製造方法。
  8. 下記一般式(1)で表される連鎖移動剤。
    一般式(1)
    Figure 2006328249
    (一般式(1)中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。Yはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基またはシアノ基を表す。)
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