JP2009508969A - 固体ポリマー送達組成物およびその使用法 - Google Patents

固体ポリマー送達組成物およびその使用法 Download PDF

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Abstract

本発明は、組成物の種々の成分を調節することによって、長時間にわたって制御速度で体内部位に生物活性薬剤を放出するように配合できる、埋め込み可能な固体ポリマー送達組成物を提供する。組成物の制御送達は、初期薬剤スパイクを防止して、時間の経過と共に平滑な送達プロファイルを生じる。組成物中のポリマー層は、多孔質にすることができ、水および体酵素において生分解性であり、かつ生体適合性である。埋め込み可能な固体ポリマー組成物の製造法、および制御速度での体内部位への生物活性薬剤の送達法も提供する。

Description

発明の分野
本発明は、概して、薬剤溶出埋め込み可能ポリマー組成物に関し、特に、外科手術部位に挿入するための生分解性、生体適合性固体ポリマー送達組成物に関する。
背景情報
吸入、非経口、局所または経皮送達によるかまたは経口摂取による送達を含む薬理学的活性薬剤の全身送達は、有効で容易に管理される投与法であるが、いくつかの治療用途にはあまり適していない。例えば、いくつかの薬理学的活性薬剤は、血流から十分に吸収されないか、または胃の内層を刺激する。従って、ある場合には、薬理学的活性薬剤の局所送達が望ましい。
末梢神経への薬理学的活性薬剤の局所送達は、急性および慢性疼痛の管理に望ましい場合が多い。しかし、抹消神経への薬理学的活性薬剤の局所送達は、現在、主に、ボーラス注射によるかまたは輸液カテーテルの挿入によって行われている。例えば、ブピバカイン輸液が、腸骨稜供与部位における痛みを緩和するために使用されている(Wilkes RA. and Thomas WG. (1994) Journal of Bone & Joint Surgery-British Volume 76(3):503(非特許文献1))。慢性的硬膜外ブピバカイン-オピオイド輸液も、難治性癌疼痛の治療に使用されている(Du Pen SL. et al., Pain (1992) 51(2):263-4(非特許文献2))。
慢性骨髄炎の治療は、全身抗生物質を含む。しかし、骨への抗生物質の送達はかなり変動する。経口抗生物質は、この使用に関して予測不可能であり、比較的低レベルの骨に作用し、あまり使用されていない。静脈内抗生物質は、慢性骨髄炎に一般に使用されているが、6週間の静脈内抗生物質が適切な治療に必要である。長期間の静脈内抗生物質の使用によっても、かなりの再発率である。
ボーラス注射および輸液は、一般に、安全かつ有効な治療形態であるが、この局所送達法は、注射できる液体の量、投与できる薬理学的活性薬剤の最大非毒性濃度、および体の他の器官への吸収および循環後に生じ得る器官系(system)毒性レベルによって、制限され得る。さらに、ボーラス輸液は、必ずしも有効ではない。例えば、1つの研究において、一次全膝関節形成術後の4mL/時の速度での関節内ブピバカイン(0.5%まで)は、モルヒネ要求量を減少させることも、手術から最初の24時間において主観的疼痛評点も減少させることもなかった。関節内ブピバカイン輸液を用いた場合の有効疼痛制御の欠如は、薬剤過剰投与なしに比較的大きい関節内スペースに有効な局所麻酔作用を与えることが困難であることによるものと推測された。報告された試験における、0.5%関節内ブピバカインを4mL/時で投与された1人の患者は、毒性が報告されている1.0μg/mLの数値より過剰の1.2μg/mLの血清ブピバカインレベルを有していた(Journal of Orthopaedic Surgery(2002)10(1):53-60(非特許文献3))。
さらに、輸液カテーテルによって投与する場合、ボーラス送達は、最初にカテーテルを配置するため、およびその後にカテーテルが移動しないようにするために、モニタリングを必要とする。この局所投与法は最適以下でもある。従って、局所的薬剤送達の代替法が必要とされている。
この必要性に取り組む努力において、多くの埋め込み可能薬剤送達装置が過去数年にわたって開発されている。そのような薬剤送達装置は、合成または天然の生分解性または非生分解性ポリマーから配合し得る。生分解性ポリマーは、水性の生理的環境に置かれた場合に、例えば酵素的または非酵素的加水分解によって、これらの材料がインビボで経時的に分解するので好ましい。従って、薬剤送達装置における生分解性ポリマーの使用は、それらの使用によって薬剤放出期間の終わりに薬剤送達装置を除去する必要がないので好ましい。
薬剤は、一般に、ポリマー組成物に組み込まれ、体外で所望の形に形成される。次に、この固体インプラントは、典型的には、ヒト、動物、トリなどの体内に、切開によって挿入される。または、これらのポリマーから構成された小さい離散粒子を、注射器によって体内に注入することができる。
これらのポリマーの特定配合物を、液体ポリマー組成物として、注射器で注入することもできる。これらの組成物は、液体状態で、またはポリマーの固体微粒子がそれに分散している溶液として、体に投与される。いったん体に入ると、組成物が凝固して固体になる。重合組成物の1つの種類は、体液分散性溶媒に溶解した非反応性熱可塑性ポリマーまたはコポリマーを含む。このポリマー溶液は体内に入れられ、体内において、ポリマーは、周囲の体組織への溶媒の消散または拡散の際に凝結するかまたは沈降的に凝固する。
相当量の水を吸収して弾性または非弾性ゲルを形成することができる非毒性ヒドロゲル形成ポリマー材料も、薬剤送達装置の配合に使用されている。例えば、Lee, J.(1985)Controlled Release 2:277(非特許文献4)参照。ヒドロゲル形成ポリマーを組み込んでいる薬剤送達装置は、液体またはゲル化形態で埋め込むことができるという柔軟性を付与する。いったん埋め込まれると、ヒドロゲル形成ポリマーは水を吸収して膨潤する。装置に組み込まれた薬理学的活性薬剤の放出は、このゲル化マトリックスを経て、拡散メカニズムによって生じる。
しかし、多くのヒドロゲルは、生体適合性であるが、生分解性ではない。さらに、ヒドロゲルを含む薬剤送達装置は、その製造のために望ましくない有機溶媒の使用を必要とし得る。残留量のそのような溶媒が薬剤送達装置に残る可能性があり、その場合、それは周囲組織において溶媒誘発毒性を生じ得るか、または薬剤送達装置に組み込まれた薬理学的活性薬剤の構造的または薬理学的分解を生じ得る。
特に、非生分解性ポリマーインプラント、最も一般的にはポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(N-アルキルアクリルアミド)の種々の誘導体およびコポリマーが、トブラマイシン、ゲンタマイシンおよびバンコマイシンのような抗生物質の局所送達に使用されている。バンコマイシンと組み合わせたポリ乳酸およびポリ(DL-ラクチド):コ-グリコリドから製造した生分解性抗生物質インプラントが開発され、限局性骨髄炎ウサギモデルにおいて評価されている(Cahoun JH et al. Clinical Orthopaedics & Related Research. Current Trends in the Management of Disorders of the Joints. (1997)341:206-214(非特許文献5))。より最近では、特定種類の脳腫瘍の術後処置におけるインプラントとしてFDA認可済みのGLIADEL(登録商標)ウエハ(Guilford Pharmaceutical Corp, Baltimore MD)を使用して、腫瘍崩壊剤カルムスチンを、生分解性ポリ無水物コポリマーのウエハから送達している。インプラントからの局所薬剤送達は、比較的低い血清レベルでの高い組織濃度の利点を提供し、それによって、全身送達に関係したある種の毒性を防止する。生物活性薬剤含浸ポリマーインプラントは、高い組織レベルの抗生物質または腫瘍崩壊剤を送達しないだけでなく、ある外科手術後に生じる死腔を満たすのを助けるので特に魅力的である。
しかし、そのような埋め込み薬剤送達装置の薬剤放出特性は、最適以下であり得る。多くの場合、埋め込み薬剤送達装置からの薬理学的活性薬剤の放出は、不規則である。薬剤が主に装置の表面から放出される初期バースト期間があり、それに続いて、ほとんどまたは全く薬剤が放出されない第二期間、および残りの薬剤の大部分が初期バーストより実質的に遅い速度で放出される第三期間がある。
従って、当技術分野における進歩にもかかわらず、装置の除去を必要としないようにm生分解性かつ生体適合性であり、さらには再吸収性である、薬理学的活性薬剤の持続的制御局所送達のために、新規なより優れた薬剤送達装置が必要とされている。
Wilkes RA. and Thomas WG. (1994) Journal of Bone & Joint Surgery-British Volume 76(3):503 Du Pen SL. et al., Pain (1992) 51(2):263-4 Journal of Orthopaedic Surgery(2002)10(1):53-60 Lee, J.(1985)Controlled Release 2:277 Cahoun JH et al. Clinical Orthopaedics & Related Research. Current Trends in the Management of Disorders of the Joints. (1997)341:206-214
発明の概要
1つの態様において、本発明は、有効量の少なくとも1つの生物活性薬剤を分散させた生分解性、生体適合性ポリマー担体層、および生分解性、生体適合性ポリマーの任意被覆層を有する、インサイチューでの生物活性薬剤の制御放出のための固体ポリマー送達組成物を提供する。生分解性、生体適合性ポリマー担体層は、以下の物質の少なくとも1つまたはそれらのブレンドを含む。
式中、nは、約5〜約150の範囲であり;R1は、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)
Figure 2009508969
のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6は、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;個々のnモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;およびR4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)
Figure 2009508969
の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
構造式(I):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEA;
または、式中、nは、約5〜約150の範囲であり;mは、約0.1〜0.9の範囲であり;pは、約0.9〜0.1の範囲であり;R1は、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6は、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;各R2は、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;およびR4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択され;およびR7は、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
構造式(IV):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEA;
式中、nは、約5〜約150の範囲であり;個々のnモノマー内のR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6は、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、および構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
構造式(V):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEUR;
または、式中、nは、約5〜約150の範囲であり;mは、約0.1〜約0.9の範囲であり;pは、約0.9〜約0.1の範囲であり;R2は、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択され;およびR7は、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニル、例えば、(C3〜C6)アルキルまたは(C3〜C6)アルケニルである、
一般構造式(VI):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEUR;
または、式中、nは、約10〜約150であり;個々のnモノマー内のR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択される、
構造式(VII):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEU;
または、式中、mは、約0.1〜約1.0であり;pは、約0.9〜約0.1であり;nは、約10〜約150であり;各R2は、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、またはそれらの組合せより選択され;およびR7は、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
構造式(VIII):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEU。
他の態様において、本発明は、少なくとも1つの生物活性薬剤を制御速度で体内部位に送達する方法を提供し、該方法は、組成物が生分解して、有効量の少なくとも1つの生物活性薬剤を制御速度で周囲組織に放出するように、本発明の固体ポリマー送達組成物を体内部位に埋め込むことによって行われる。
さらに他の態様において、本発明は、固体支持体に以下のポリマー層を流延するかまたは吹き付けることによって、生物活性薬剤の制御放出用の固体ポリマー送達組成物を製造する方法を提供する。
i) 第一溶媒中の、少なくとも1つの生物活性薬剤、および生分解性、生体適合性ポリマーの分散液または溶液を含む担体層;
ii) 第二溶媒中の、生分解性、生体適合性ポリマーの溶液の被覆層;および
iii) 担体層と被覆層の間に介在するバリヤー層(バリヤー層は、第一および第二溶媒に不溶性であるが、生理的条件下で溶解するポリマーまたはコポリマーの溶液である)。各層を、次の吹き付けまたは流延の前に乾燥させる。生分解性、生体適合性ポリマーは、本明細書における構造式(IおよびIV-VIII)によって示される化学式を有する。
さらに他の態様において、本発明は、組成物が約0.1mm〜約2.5mmの厚さを有する、生物活性薬剤の制御放出用の固体ポリマー送達組成物の製造法を提供する。本態様において、第一溶媒中の、少なくとも1つの生物活性薬剤、および生分解性、生体適合性ポリマーの溶液を含む担体層を、固体支持体に吹き付け乾燥させる。次に、同じ溶媒または第二溶媒中の、生分解性、生物適合性ポリマーの溶液の少なくとも1つの被覆層を、担体層に吹き付ける。担体層および任意で被覆層の生分解性、生体適合性ポリマーは、本明細書における構造式(IおよびIV-VIII)によって示される化学式を有する。
発明の詳細な説明
本発明は、制御速度内での、分散した生物活性薬剤のインビボ送達のための固体ポリマー送達組成物を製造するために、生分解性ポリマーを使用し得るという発見に基づいている。固体ポリマー組成物は、制御速度において時間の経過と共に生物活性薬剤を放出するために、加水分解による顕著な分解を伴わずに、表面における酵素的作用によって生分解する。使用されるポリマーの構造的特性により、本発明の固体ポリマー送達組成物は、例えば外科的切開部に埋め込み可能であり、制御投与量の生物活性薬剤を制御速度で長時間にわたって送達するように製造できる。
本明細書において使用される「生物活性薬剤」は、生物学的に生成されるか、または投与した場合に治療的または緩和的に生物学的過程に作用する、合成または天然のあらゆる分子を意味し、限定されるわけではないが、小分子薬剤、ペプチド、タンパク質、DNA、cDNA、RNA、糖、脂質および全細胞を包含する。生物活性薬剤は、種々の治療目的に合致するのに好適な種々の大きさおよび構造を有し得る本発明の組成物中の、固体ポリマー担体層に分散させることによって投与される。
本発明の固定ポリマー組成物中に使用されるPEA、PEURおよびPEUポリマーを記述するために本明細書において使用される「生分解性」および「生体適合性」という用語は、ポリマーが、体の正常機能において無害かつ生体適合性の生成物に分解し得ることを意味する。1つの態様において、全固体ポリマー組成物は、全組成物が生分解し、薬剤放出期間の終わりに除去する必要がないように、生分解性かつ生体適合性である。そのようなPEA、PEURおよびPEUポリマーは加水分解性エステル、および生物学的条件下(例えば、哺乳動物対象、例えばヒトの組織に見出される水および生物学的酵素の存在下)で分解する酵素的開裂性アミド結合を有する。従って、本発明の固体ポリマー送達組成物は、本明細書に記載のように使用される場合、種々の哺乳動物患者、例えばペット(例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、ケナガイタチ)、家畜(例えば、ブタ、ウマ、ラバ、乳牛および食用牛)および競走馬の獣医学治療における使用にも好適である。
そのようなPEA、PEURおよびPEUポリマーは、一般に、主としてアミノ基で連鎖停止されている。任意で、これらのアミノ末端は、アセチル化されるか、またはそれ以外では任意の他の好適な酸含有生体適合性分子への結合(conjugation)によってキャッピングされて、限定されるわけではないが有機酸、他のポリマーおよび生物不活性分子を含むことができる。これらのポリマーの生分解の際に、有害または刺激性の分解生成物は形成されない。
本発明の固体ポリマー送達組成物からの生物活性薬剤の放出を記述するために本明細書において使用される「制御された」という用語は、固体ポリマーインプラントが所望の時間にわたって分解して、平滑かつ規則的な(即ち「制御された」)徐放プロファイルを提供することを意味する(例えば、薬剤放出における初期不規則急上昇を防止し、その代わりに、本発明の組成物の生分解を通して実質的に平滑な速度の放出変化を提供する)。
本発明の固体ポリマー組成物に含有される生物活性薬剤を記述するために本明細書において使用される「分散した」という用語は、生物活性薬剤が、少なくとも1つの担体層のポリマー内で混合され、溶解され、均一化され、またはマトリックス化されていることを意味し、かつ、生物活性薬剤が本発明の組成物に含有されたポリマーに結合(conjugated)し得ることも意味する。複数の生物活性薬剤が、ポリマー層、例えば担体層または被覆層に分散されてもよく、または本発明の組成物が、その中の同じかまたは分離ポリマー層に分散された複数の生物活性薬剤を有してもよい。
本発明は、体内部位へのインプラントのための、固体ポリマー送達組成物を提供する。本発明は、かなりの時間にわたる、例えば3ヶ月〜約12ヶ月にわたる制御速度での放出のために、少なくとも1つの生物活性薬剤が分散される本明細書に記載する一般構造式(IおよびIV〜VIII)によって示される化学式を有するポリマーの少なくとも1つまたはブレンドを含む生分解性、生体適合性ポリマーを含む。生物活性薬剤は、組成物中の種々のポリマー層の生分解の結果として、インサイチューで放出される。固体ポリマー送達組成物は、生分解性、生体適合性ポリマーの少なくとも1つの被覆層をさらに含んでよく、該被覆層は、そのような生物活性薬剤がその中に分散されていてもよく、されていなくてもよい。ポリマーの被覆層、例えば純粋ポリマーシェルの目的は、組成物に含有された生物活性薬剤のゆっくりした放出である。
本明細書において記載されている式(IおよびIV〜VIII)のPEA、PEURおよびPEUポリマーは、水を容易に吸収し、親水性分子がそれを通って容易に拡散することを可能にする。この特性は、そのようなPEA、PEURおよびPEUポリマーを、それからの少なくとも1つの生物活性薬剤の放出速度を制御するための、本発明固体ポリマー組成物の被膜として使用するのに好適なものにする。
本発明の固体ポリマー送達組成物からの少なくとも1つの生物活性薬剤の放出速度は、組成物の種々の層におけるポリマーの選択だけでなく、被膜の厚さおよび密度、ならびに本発明の組成物に含有される被覆層の数によっても制御することができる。被覆層の密度は、被覆層における生物活性薬剤の負荷(loading)を調節することによって調節できる。例えば、被覆層が生物活性薬剤を含有しない場合、ポリマー被覆層は最も密度が高く、かつ組成物の内部からの生物活性薬剤が、被覆層から最も遅く溶出する。これに対して、生物活性薬剤が、被覆層中の生分解性、生体適合性ポリマー内に分散されている(即ち、混合されているか、または「マトリックス化」されている)場合、いったん被覆層中の任意の生物活性薬剤が溶出して被覆層の外表面から出はじめると、被覆層は多孔質になる。いったん多孔質被覆層が形成されると、固体組成物の担体層中の生物活性薬剤が増加した速度で溶出し得る。被覆層中の生物活性薬剤負荷が多いほど、被覆層の密度が低くなり、溶出速度が速くなる。被覆層における生物活性薬剤の負荷は、担体層におけるより少なくまたは多くすることができ、制御速度での生物活性薬剤の最も遅い持続送達については、被覆層は純粋なポリマーシェルとなる。本発明の組成物において、多数の被覆層および多数の担体層が存在し得る。
従って、1つの態様において、本発明は、生物活性薬剤の制御放出のための固体ポリマー組成物を提供し、該組成物は、少なくとも1つの生物活性薬剤を含有する担体層を含む。生物活性薬剤は、構造式(IおよびIV〜VIII)によって示される化学式を有するポリマーの少なくとも1つまたはブレンドを含む生分解性、生体適合性ポリマー、および担体層を覆うかまたは封入する少なくとも1つの被覆層に分散される。被覆層は、任意の生分解性、生体適合性ポリマー、例えば、構造式(IおよびIV〜VIII)によって示されるポリマーを含み得る。製造の便宜上、被覆層のポリマーは担体層のポリマーと同じであってもよい。
しかし、製造中に、担体層は被覆層の適用前に乾燥されているにもかかわらず、本発明の組成物の被覆層を製造するために使用されるポリマー分散物中の溶媒が、マトリックス化した生物活性剤を担体層から溶出させる傾向があることが見出された。被覆層の適用において使用される溶媒が、担体層からその生物活性薬剤負荷量を奪うのを防止するために、本発明の組成物は、担体層と一つまたは複数の各被覆層との間に位置されるバリヤー層をさらに含んでもよい。例えば、本発明の組成物が唯1つの被覆層を含む場合、バリヤー層を、担体層と被覆層の間に隣接して配置する。バリヤー層は、本発明の組成物における被覆層を作るポリマー溶液または分散液に使用される溶媒に溶解しない液体ポリマーを使用して製造されるが、該バリヤー層ポリマーは、生理的条件、例えば水および生理的酵素の存在下に溶解する。従って、本発明の組成物のバリヤー層ならびに被覆層は、組成物の担体層からの生物活性薬剤の放出速度を制御するのを助ける。
ある態様において、本発明の固定ポリマー送達組成物は、1つまたは多数の組のバリヤー層および被覆層を有することができ、被覆層は、最終組成物において、各連続する組の外側に存在する。従って、担体層は、保護する組のバリヤー層内と被覆層内に隔離される。例えば、1〜10組(例えば1〜8組)のバリヤー層および被覆層が存在してよく、組の数が、担体層における生物活性薬剤の組成物からの放出速度を決定する。多数の組は、より遅い放出速度を提供し、より少ない数の組は、より速い放出速度を提供する。
1つの態様において、バリヤー層と被覆層の組が、サンドイッチ構造において、担体層の両側に平行配列で配置されてよく、担体層は、担体層の両側に位置された2組のバリヤー層と被覆層の中心に存在する。他の態様において、多数組の層の連続外向き配置層が、全ての内側層を囲んで、図1に略図で示すようにオニオンスキン構造を形成し、担体層は組成物の中心に隔離されている。担体層の厚さおよび担体層中の一つまたは複数の生物活性薬剤の濃度は、埋め込まれた際に組成物が送達できる各生物活性薬剤の全投与量を決定する。埋め込み、または生理的条件(例えば、水および酵素)へのインビトロ暴露後に、被覆層およびバリヤー層の最も外側の層が、生理的条件に遭遇すると共に生分解し、マトリックス化された生物活性薬剤が隔離担体層から溶出する。内側担体層中の生物活性薬剤の濃度が減少すると共に、組成物の表面積も生分解によって減少する傾向があり、両方の作用(即ち、減少する生物活性薬剤濃度、および減少する組成物表面積)が、生物活性薬剤の放出速度を制御された様式で遅くする傾向がある。
他の態様において、本発明の組成物は、オニオンスキン構造に配置された多数の組の担体層およびバリヤー層を含み、純粋な生分解性、生体適合性ポリマーの単一外側被膜、または前記のようなバリヤー層および被覆層の交互層が、担体層を隔離している(例えば、封入している)。本態様において、環境、例えば組織周囲からの水および酵素が、遭遇した生分解性組成物の最も外側の被膜およびバリヤー層を連続的に溶解して、連続担体層から生物活性薬剤を溶出させ、それによって、マトリックス化生物活性薬剤を放出させる。生物活性薬剤の濃度が、オニオンスキン構造の多数の担体層において実質的に一定であれば、オニオンスキン構造の表面積が減少すると共に、送達速度は比例して減少する。マトリックス化生物活性薬剤のより一定した送達速度を得るために、本態様において、組織周囲によって遭遇されるオニオンスキン構造の連続担体層における生物活性薬剤濃度の勾配を利用することが推奨され、減少する組成物表面積に比例して、より高い濃度が内側担体層に使用される。流体力学の通常原理を使用して、理論的送達速度を計算することができ、かつ、所望であれば、オニオンスキン構造の表面積が減少する場合に、実質的に一定した送達速度を得ることができることを当業者は理解する。
さらに他の態様において、本発明の組成物は、オニオンスキンまたはサンドイッチ構造において担体層の周りに配置された付加的ポリマー層を有する内側担体層を含む。1つの代替物において、支持体上の担体層の上に、例えばエアロゾルとして、被覆層を吹き付けることによって形成された純粋な生分解性、生体適合性ポリマーの単一外側被覆層が存在し得る。この構造は、担体層中の生物活性薬剤の迅速放出のために、0.1mm〜2.5mmの厚さを有する組成物に好ましい。他の態様において、いくつかの被覆層が、オニオンスキンまたはサンドイッチ構造におけるコア担体層から外に向かって存在している。または、より一定した送達速度を得るために、多数の担体層を使用することができ、但し、各担体層が次に被覆層で被覆されるものとする。例えばインビボで埋め込んだ場合に、本発明の組成物の生分解中に、組成物の表面積が減少する際に、生物活性分子の放出速度を維持することができるように、オニオンスキン構造における担体層中の生物活性分子濃度の勾配を得るために、外側担体層に比例して、より高い生物活性分子濃度を内側担体層に使用する。
本発明の組成物は、三次元形状、例えば、ウエハ、ボール、円板または円柱形状を一般に有するが、どのような好都合な三次元形状も使用し得る。流体力学の当業者は、固体組成物の形状の選択も、本発明の組成物からの生物活性薬剤の送達(例えば、溶出)の速度に影響を与えることを理解する。本発明の組成物は関節鏡手術時に、例えば関節内腔または椎骨内腔に、埋め込み得るので、外科用トロカールの内溝(interior channel)に適合する大きさにされる円柱は、関節鏡手術の間の配置に好適な大きさにし得る。しかし、一般に、本発明の組成物は、約1mm2〜約90,000mm2の範囲の開始表面積を有する。例えば、生物活性薬剤の送達用の円板状固体組成物は、直径約1mm〜約100mm、高さ約0.1mm〜約20mmを有し得る。外科用トロカールによる埋め込みのために、本発明の円柱状固体組成物は、例えば、直径約1mm〜約10mm、高さ約1mm〜約50mmを有し得る。
これらの目的を達成するために、さらに他の態様において、本発明は、生物活性薬剤の制御放出用の固体ポリマー組成物の製造法も提供し、該方法は、固体支持体上に以下のポリマー層を流延するかまたは吹き付けることを含む。
a) 第一溶媒中の、少なくとも1つの生物活性薬剤、および本明細書に記載する構造式(IおよびIV〜VIII)で示される化学式を有するポリマーの少なくとも1つまたはブレンドを含む生分解性、生体適合性ポリマーの溶液を含む、少なくとも1つの担体層;
b) 第二溶媒中の、生分解性、生体適合性ポリマーの溶液の少なくとも1つの被覆層;および
c) 第二溶媒に不溶性であるが生理的条件下で溶解する液体ポリマーの少なくとも1つのバリヤー層であって、担体層と各被覆層の間に存在するバリヤー層。
組成物の各層は、その上に次の層を流延するかまたは吹き付ける前に乾燥される。分散液として支持体に流延または吹き付けされたポリマー層は、フィルム、例えば、向き合った主面および主面間の厚さ約0.1mm〜約20mm、例えば5mmを有する実質的に平面の本体を形成する。
または、厚さ約0.1〜2.5mmを有する組成物構造のために、第一溶媒中の、少なくとも1つの生物活性薬剤および本明細書に記載する生分解性、生体適合性ポリマーの溶液を含む担体層を、固体支持体に吹き付け乾燥させる。次に、同じ溶媒または第二溶媒中の、生分解性、生体適合性ポリマーの溶液の単一被覆層を、担体層の上に吹き付け乾燥させる。
種々の層の乾燥は、温度が、使用された種々のポリマーの化学構造または担体層に分散された生物活性薬剤の化学構造を分解するほど高くない限り、当技術分野において公知の任意の方法を用いて行うことができる。一般に、温度は80℃を超えない。例えば、本明細書の実施例に示すように、組成物の種々の層は、オーブンにおいて、40℃〜約50℃の温度で約5時間〜約9時間、例えば50℃で約7時間乾燥させることができる。他の態様において、乾燥時間は、組成物の構造および使用された溶媒に依存して、3週間もの長さになることもある。
1つの態様において、被覆層ならびに担体層は、構造式(IおよびIV〜VIII)によって示される化学式を有するポリマーの少なくとも1つまたはブレンドの溶液を使用して適用される。本発明の実施のために決して必須ではないが、便宜上、本発明の組成物の被覆層および担体層において、溶媒および構造(IおよびIV〜VIII)の生分解性、生体適合性ポリマーの同じ組合せを使用することが推奨される。例えば、被覆層の流延または吹き付けに使用されるポリマーが、担体層の流延または吹き付けに使用されるポリマーと同じであることができ、その場合、第一溶媒および第二溶媒は同じであることができる。
本発明の組成物中のバリヤー層の組成物は、本発明の重要な局面である。バリヤー層に使用されるポリマーの選択は、被覆層製造用の溶液を形成するために使用される溶媒によって決まる。バリヤー層の目的は、それがなければ担体層が接触する被覆層の付着時に、担体層からの生物活性薬剤の非制御溶媒和作用を防止することである。従って、中間バリヤー層のポリマーは、被覆層の形成に使用される溶媒に不溶性であるように選択される。1つの態様において、バリヤー層は、完成組成物においてバリヤー層ポリマーの単層である。さらに、固体ポリマー送達組成物の種々の層に使用される全てのポリマーは、生体適合性であり、天然酵素作用によって体に再吸収される。他の態様において、適用される被覆層は生物活性薬剤を含有せず、本明細書において「純粋ポリマー層」と称する場合もある。
例えば、エタノールに溶解するポリマー、例えばPEA Ac-Bz(構造式(I)で示されるポリマーの形態)を、担体層および被覆層の適用において、この溶媒(即ちエタノール)の溶液に使用することができ、エタノールに不溶性のポリビニルアルコールを使用して、組成物中の一つまたは複数のバリヤー層を形成することができる。1つの態様において、バリヤー層ポリマー、例えばポリビニルアルコールの単層を形成するように、バリヤー層を形成する液体ポリマーを適用する。
本発明の組成物からの放出時間をさらに長くするために、組成物は三次元サンドイッチ構造を有することができる。従って、多数の組の被覆層およびバリヤー層を、そのような各組における担体層の流延前に、被覆層から開始して支持体上に先ず流延することによって(次の層の付着前に、各層を乾燥させる)、組成物の製造法を改変し得る。次に、サンドイッチ構造の内部を形成するために、担体層を流延し乾燥させる。最後に、逆の順序で、多数の組のバリヤー層および被覆層を、乾燥バリヤー層上に流延する。このようにして、被覆層が最初および最後に付着され、組成物はサンドイッチ構造になり、該構造において、多数の組が2回適用されて、三次元サンドイッチ構造の2つの外側を形成し、被覆層はサンドイッチ構造の2つの側方の両方の外側に存在し、担体層はその中心に存在する。従って、本発明によれば、各組成物構造は、バリヤー/被覆層の組を有さなくてもよく、または約1〜約10のバリヤーおよび被覆層組(例えば、1〜約8組のバリヤー層および被覆層)を含んでもよい。
本態様のより概略的な形式において、以下の手順を行って、サンドイッチ構造中にN組の被覆層およびバリヤー層を有し、担体層がサンドイッチ構造の中心に存在する組成物を製造することができる。
1. 第N番目の被覆層を、支持体上に流延/吹き付けし、乾燥させ;
2. 第N番目のバリヤー層で被覆し、乾燥させ;
3. (N-1)番目の被覆層を、流延/吹き付けし、乾燥させ;
4. (N-1)番目のバリヤー層で被覆し、乾燥させ;
5. 工程3および4を必要なだけ繰り返し;
6. 一つまたは複数のマトリックス化生物活性薬剤を含有する担体層を流延/吹き付けし(担体層は、最後に、サンドイッチ構造の最も内側の層になる)、乾燥させ;
7. 逆の順序の工程5〜1を繰り返し、被覆層で終わる。好ましくは、付着した各液体層は、円板の側面ならびに表面領域の他の部分からの溶出が制御されるように、先の層の縁を超えて、形成されている組成物の側面を封じる。支持体は、その上に1つまたは2つのポリマー層が流延され乾燥された後に、本発明の組成物の製造法の任意の時点で、乾燥ポリマー層から除去することができる。完成組成物は、貯蔵のために包装するか、または直ぐに使用することもできる。図1は、サンドイッチ構造において2組のバリヤー層および被覆層が両側に配置された単一担体層を用いて本発明の方法によって形成された、そのような薬剤溶出円板の略図である。
または、溶媒が、前記の乾燥工程中に、組成物の種々の層から完全に除去されない場合、組成物から溶媒を実質的に除去するための最終乾燥の前に、例えば、ローリング、プリーティング、折りたたみなどによって、組成物を処理し圧縮して、多くの三次元形状のいずれかを形成することができる。例えば、円板をロールアップし(rolled up)、圧縮して、円筒を形成することができる。または、前記の方法によって各層ごとに形成された完全乾燥材料のシートから、円柱をダイで打ち抜くことができる。
より薄い組成物構造に関して、主に、構造物の全厚が約2.5mmを超えない場合、生物活性分子と共にマトリックス化された溶媒和ポリマーのエアロゾルを、支持体に付着させる。または、担体層を溶液流延することができる。次に、この担体層をc)で概説した方法によって乾燥させる。エアロゾルを使用する被覆層の付着のために、担体層から形成中の湿潤被覆層への薬剤または生物工学製品の拡散が、3つの要因によって制限される。1)エアロゾルが表面への付着時にほぼ乾燥しているように、生分解性、生体適合性ポリマー溶液の濃度は、一般に、空気中で固体を形成せずにできるだけ高くされる(例えば、約2%〜3%);2)支持体および/またはその上の空気層(airspace)を連続的に加熱して(例えば、ポリマーおよび濃度に依存して約30℃〜80℃)、迅速乾燥を促進する;および3)単一被膜を多くの「吹き付けサイクル」に分割する。「吹き付けサイクル」を使用することによって、本発明の組成物の単一層のためのエアロゾルの付着時間は、長さで1秒〜数秒未満の多くのより短い時間に分割される。乾燥が迅速であり、所与の被膜の残留溶媒が最小限にされるように、各吹き付け時間、即ち「吹き付けサイクル」の後に、短い乾燥時間(例えば、各サイクルにおける連続加熱を組み込んで20〜60秒間)が続く。熱は一般に連続的に適用され、吹き付けサイクルのエアロゾル付着時間中も適用される。新しく形成された被覆層の乾燥は、本明細書に記載のように行われる。いかなる単一被膜も、一般に、約80μmを超えない。
本発明の製造法の本態様において、新しく形成された被覆層への生物工学製品および/または薬剤の移動は、バリヤー層を使用した態様におけるように完全には無くせないが、最終製品中の小さい薬剤分子の拡散が担体層だけを含有する態様より遅くなる程度に、移動が制限される。生物活性分子の放出速度は、それによって制御される。
さらに他の態様において、本発明の固体ポリマー送達組成物が、多孔質固体として製造される。本発明の組成物を記述するために本明細書において使用される「多孔質固体」という用語は、1:1より大きい表面積対体積比を有する組成物を意味する。以下に記載するように、本発明の固体ポリマー組成物の最大多孔率は、その形および製造法に依存する。ポリマー中での細胞増殖のために気孔または「足場」を形成する種々の方法のいずれかを、本発明に使用し得る。本発明の組成物を多孔質固体として製造する方法の以下の例は、例示的であって、限定するものではない。
第一の例において、レーザー切断またはエッチング、例えば反応性イオンエッチングによって、組成物の層を貫く気孔を切断することによって固体ポリマー送達組成物を形成した後に、本発明の組成物を多孔質固体として製造することができる。例えば、短波UVレーザーエネルギーは、本発明のポリマー組成物をクリーンカッティング(clean-cutting)、孔あけ、および成形するのにエッチングより優れている。Massachusetts Institute of Technology(MIT)によって最初に開発されたUVレーザー技術は、極めて微細な測定量の材料を、各レーザーパルスでの「フォトアブレーション」によってプラズマプルームとして除去して、出来映えよく形作られた孔、または溝(channel)を残すことを可能にする。例えば多数の孔を、各レーザーパルスで同時に開けることができるように、UVエキシマレーザービームに特徴的な大きいサイズは、近接場画像法によってそれを多数のビームレット(beamlet)に分離することを可能にする。ナノ特徴を有効に制御し成形することができるように、画像法は、マイクロメートル以下の解像度も可能にする。例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリイミドにおいてこの技術を使用して、足場厚さ250マイクロメートル、および溝深さ200マイクロメートル、孔深さ50マイクロメートルのマイクロマシニングが達成されている。
他の例において、本発明の送達組成物の種々の層を流延するかまたは吹き付けするのに使用されるポリマー分散液および溶液に、気孔形成物質、例えばガス、または熱または水分に暴露された際にガスを放出する気孔形成物質(即ち、ポロゲン(porogen))を添加することによって、本発明の組成物を多孔質固体として製造する。そのような気孔形成物質は、当技術分野において周知である。例えば、炭酸水素アンモニウム塩粒子は、溶媒蒸発時に凝固するポリマーマトリックス内で、アンモニアおよび二酸化炭素を発生する。本方法は、気泡によって形成された気孔を有する層を有する送達組成物を生じる。ポリマーマトリックス内での気孔の増大は、例えば、細胞の高密度内植に理想的な平均気孔直径約300〜400μmを有する十分に相互連結したマクロ孔質足場を生じる(Y.S. Nam et al., Journal of Biomedical Materials Research Part B: Applied Biomaterials(2000)53(1):1-7)。ポリマー中に気孔を形成する当技術分野において公知の他の方法は、溶液流延と粒子浸出との組合せ、および凍結乾燥と組み合わせた温度誘発相分離である。
さらに他の態様において、層の乾燥時にポリマーマットまたはパッドが形成されるように、送達組成物の各層を、支持体上または組成物の直前層上に、微細ポリマー繊維の絡み合いとして流延する(例えば、エレクトロスピニングによって紡糸する)。エレクトロスピニングは、約1kV/cmの場において液滴を紡糸することによって、ポリマー溶液、固体粒子の分散液およびエマルジョンから、直径100nmおよびそれ以下のポリマー繊維を生じる。電気力は、液滴先端から流出するポリマー溶液の荷電噴流を生じる。噴流がほぼ直線的に液滴から流出した後に、液滴が複雑な経路に曲がり、他の形状変化が生じ、その間に、電気力が液滴を極めて大きい比率で引き伸ばし薄くする。溶媒が蒸発した後に、凝固したマクロ〜ナノ繊維が残る(D.H. Reneker et al. Nanotechnology(1996)7:216-223)。
さらに他の態様において、ポリマーマットまたはパッドが形成されるように、送達組成物の各層を、エアロゾルから生じた微細ポリマー繊維の絡み合いとして、支持体上または組成物の直前層上に配置する。吹き込み繊維付着(Blown Fiber Deposition)(BFD)は、5μmおよびそれ以上の直径を有するポリマー繊維を、ポリマー溶液から生じる。噴霧器を使用してエアロゾルを形成し、エアロゾル液滴が収束し、空気中で続けて乾燥して、支持体への付着前に繊維を形成する。空気流および形成された繊維を支持体に向けて誘導するために、ノズルの先端の回りにファンネルまたはコーンを使用する。適用された空気圧は、ポリマー溶液のエアロゾルへの分散を生じ、圧力が適切に高ければ、かつ溶液が適切に十分な高濃度であれば、空気中で繊維が形成される。先端に形成された固体を容易に除去でき、それによって閉塞を防止し得るように、強制空気熱源を使用して、温風を支持体に誘導し、新しく形成された繊維のさらなる乾燥を促進する。ノズルは開放デザインであってよい。任意で、送り圧をポリマー溶液供給に適用して、ノズルの閉塞を防止するのを補助し得る。
繊維が支持体への付着前に空気中で形成されるように、ポリマー溶液のエアロゾルからポリマー繊維を形成するのに不可欠な4つの重要なパラメーターが存在する。第一に、ポリマーを高濃度で溶解させる好適な揮発性の溶媒を選択すべきである。第二に、選択されたPEA、PEURまたはPEUポリマーは、物理的に繊維形成し得るべきである。第三に、所与の噴霧装置に関して、繊維を形成するために使用される噴霧化圧力は、その装置で均一被膜を形成するために一般に使用される圧力より高い。最後に、所与の噴霧装置に関して、繊維を生じるために使用されるポリマー溶液は、噴霧装置に関する塗布によるような均一被膜を形成するために使用されるものの濃度より高い濃度である。
支持体上への繊維の均一付着を促進するために、回転マンドレルまたはドラムを使用して、繊維を収集し得る。支持体からの繊維マットまたはパッドの剥離を促進するために、以下のような支持体を使用する。1)ポリマー繊維に比較的非付着性であり、2)少ない接触面であり、かつ3)溶媒に溶解しない。
以下は、固体ポリマーの長方形ストリップの前記3つの例示的製造法について、予測し得る多孔率範囲の推定値を示す。
SA=製造物の表面積;V=製造物の容積;Vp=ポリマー固体の容積;Nv=気孔の総数;R=気孔の平均半径;および
Vv=気孔の総容積は、
Figure 2009508969
(方程式1)によって定義され;
Sv=気候の総表面積は、
Figure 2009508969
(方程式2)によって定義され;
P=多孔率は、Vv/Vp(方程式3)によって定義される。
固体フィルムの標準長方形ストリップの多孔率
半径Rのポリマーの球体に関して、SA/V=3/単位長さR。ポリマーの1cm3固体ブロックに関して、SA/V=6cm-1、即ち、6/単位長さ。固体ポリマーの1cm3ブロックを、1mm×1cm×10cmのストリップに圧縮した場合、以下の通りである。SA/V=2.04または約2mm-1およびV=1000mm3=1cm3(立方体に関する)。従って、SA=22.2cm2およびSA/V=約22.2cm-1。前記の各タイプの製造に関して、気孔の表面積対体積比(Sv/Vv)は、多孔率(P)に関して計算され、従って、空洞の数Nvを計算する必要がない。
同等であるが多孔質のストリップまたはフィルムについての計算
P=1の場合Sv/VvはSA/Vに最も簡単に関連づけることができる。P=1について、Vv=Vp=V/2。Sv>>SAという実際的近似化をした場合、SA/V=〜2Sv/Vp=k*(Sv/Vp)(定数k=2に関する)。P>1の場合、各場合にSv/VpはPに対して直線的に増加し、かつSA/V=〜kP*(Sv/Vp)。
穿孔(円筒形の孔)を有するフィルム
各穿孔に関して、
Figure 2009508969
各穿孔に関して、表面増加=2∂R*T。多孔率で表すと、各穿孔に関して、表面損失=2*∂R2=2Vv/T、ここでTはフィルムの厚さ。従って、Sv=Nv*[(2∂RT)-(2Vv/T)]=(2∂RT*Vv/∂R2*T)-(2Vv/T)=2Vv(1/R-1/T)。かつ、Sv/Vv=2(1/R-1/T)およびSv/Vp=2P(1/R-1/T)。
P=1に関して、Vv=Vp=V/2およびSv/V=1/R-1/T=〜SA/V。従って、前記標準ストリップ(T=0.1cm、V=1cm3)に開けた200μm直径孔(R=0.01cm)に関して:SA/V=90cm-1=4.5*[(SA/V)固体ストリップに関する]。同様に、前記直径の半分(R=0.005cm)の孔に関して:SA/V=190 cm1=9.5*[(SA/V)固体ストリップに関する]。
P>1に関して、多くの用途における本質的に二次元のフィルムの保全性が損なわれ得る。しかし、多孔率の理論的上限は以下のように推定し得る。100μm孔に関して、SA/VがPに直線的に比例し(前記方程式より)、多孔率90%と推定して:SA/V=9*9.5*[(SA/V)固体ストリップ]=85.5*[(SA/V)固体ストリップに関する];これはSA/V〜100xの上限を示す。
スポンジ(気泡から形成)に関して
平均半径Rの球状孔を想定して:Sv/Vp=Sv*P/Vv=3*P*Nv*4∂R**2/Nv*4∂R**3=3P/R。
P=1の場合:Sv/Vp=3/R=〜SA/V。孔の平均直径が200um(R=0.01cm)の場合、Sv/Vp=3*102=300cm-1=〜15*[(SA/V)固体ストリップに関する]。孔を開ける場合と異なり、スポンジは極めて小さい孔を有して形成し得る。孔の平均直径が200nm(R=1*10-5 cm)の場合、Sv/Vp=3*105cm-1=〜SA/V=15,000*[(SA/V)固体ストリップに関する]。ここでも、Sv/Vpは多孔率Pに直線的に比例する。
P>1の場合:多孔率90%に関して、SA/V=〜9*15,000*[(SA/V)固体ストリップに関する]であり;これはP 〜150,000xの多孔率上限を示す。
繊維状(エレクトロ-スパン)織物に関して
この製造法に関するSA/Vの上限を推定する最も簡単な方法は、正方格子を作ることであり、それにおいて立方体孔の線寸法2Rは介在(interleaving)ポリマーシートの厚さと同じである。従って、Sv/Vp=3/2R。さらに、この最も簡単な型式を、増加するVv/Vp(即ち、増加する多孔率、P)に広げると、Sv/Vp=3P/2Rを与える。
P=1の場合:200nm直径の繊維(R=1*10-5cm)について、Sv/Vp=3P//2R=(3*1)/2*1*10-5cmまたは〜SA/V=7,500*[(SA/V)固体ストリップに関する]。
P>1の場合、多孔率90%に関して、SA/V=〜9*7,500*[(SA/V)固体ストリップに関する];これもP〜70,000xの上限を示す。
従って、要約すれば、薬剤溶出フィルムについての表面積対体積比の最も広い想定範囲は、3〜(150,000x20)cm-1、即ち、3〜3,000,000(3M)cm-1である。この範囲は大きさの変更が可能であり;極めて小さい固体をミリメートル寸法で作る場合、SA/Vは3〜3M mm-1になり得る。従って、一般に、その範囲の上限は3〜3M/単位長さである。即ち、想定される最も多孔質の固体材料は、同等固体球の百万倍までの表面積対体積比を有し得る。
しかし、実際には、本発明のポリマー固体組成物の多孔率は、組成物の意図する特定用途の強度要件に鑑みて考慮すべきであることを当業者は理解する。例えば、本発明の固体ポリマー組成物を使用して製造された骨代替物は、骨代替物が埋め込み部位で崩壊せずに体の応力に耐えるのに十分な強度を必要とする。一般に、ヒト体重支持骨の多孔率は、ドナーの年齢および測定の仕方に依存して、5%〜40%で変化する。従って、骨代替物としての使用のために、本発明の固体ポリマー組成物は、約5%〜約40%、例えば約5%〜約30%の多孔率(v/v)を有するように選択される。より高い多孔率は、非体重支持用途に好適である。
任意の形、好ましくは平面、例えば円板の任意固体支持体、例えばステンレス鋼またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)支持体を、本発明の固体ポリマー送達組成物を構成する種々のポリマー層の流延または吹き付けに使用することができる。例えば、1つの態様において、本発明の組成物は、ポリマー層のサンドイッチ状物質として製造され、それらの層は、ステンレス鋼円板またはポリ(テトラフルオロエチレン)支持体上にポリマー溶液または分散液をピペットで加えることによって形成される。本発明の組成物の製造中に、支持体を所定位置に置いておき、次に、使用前の任意の時期に除去することができる。
ポリマー
本発明の組成物の少なくとも担体層において使用される生分解性、生体適合性ポリマーは、以下の物質の少なくとも1つまたはそれらのブレンドを含む:
式中、nは、約5〜約150であり;R1は、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)
Figure 2009508969
のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6は、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;個々のnモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)
Figure 2009508969
の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
構造式(I):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEA;
または、式中、nは、約5〜約150であり;mは、約0.1〜0.9であり;pは、約0.9〜0.1であり;R1は、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6は、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;各R2は、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択され;R7は、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニル、例えば、(C3〜C6)アルキルまたは(C3〜C6)アルケニルである、
構造式(IV):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEA;
式中、nは、約5〜約150であり;個々のnモノマー内のR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6は、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、および構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
構造式(V):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEUR;
または、式中、nは、約5〜約150であり;mは、約0.1〜約0.9であり;pは、約0.9〜約0.1であり;R2は、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択され;R7は、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニル、例えば、(C3〜C6)アルキルまたは(C3〜C6)アルケニルである、
一般構造式(VI):
Figure 2009508969
で示される化学構造を有するPEUR;
または、式中、nは、約10〜約150であり;個々のnモノマー内のR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン;または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択される、
構造式(VII):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEU;
または、式中、mは、約0.1〜約1.0であり;pは、約0.9〜約0.1であり;nは、約10〜約150であり;各R2は、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3は、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4は、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン;または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、またはそれらの組合せより選択され;R7は、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニル、例えば、(C3〜C6)アルキルまたは(C3〜C6)アルケニルである、
構造式(VIII):
Figure 2009508969
で示される化学式を有するPEU。
ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメントは、糖アルコール、例えば、D-グルシトール、D-マンニトールおよびL-イジトールから誘導できる。R6は、0.1〜0.9部の(C2〜C20)アルキレンおよび0.9〜0.1部の(C2〜C20)アルケニレンの任意の組合せであってよい。例えば、R6は、好適な溶媒中での溶解性を維持するために、0.4〜0.2部の(C2〜C20)アルキレンであることができる。
例えば、PEAポリマーの1つの態様において、少なくとも1個のR1は、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカンまたは4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基であり、およびR4は、一般式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメントである。他の選択肢において、PEAポリマーにおけるR1は、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカンの残基、または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、またはそれらの組合せである。PEAポリマーにおけるさらに他の選択肢において、R1は、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカンの残基、例えば、1,3-ビス(4-カルボキシフェノキシ)プロパン(CPP)、または4,4’-(アジポイルジオキシ)ジ桂皮酸であり、R4は、一般式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、例えば1,4:3,6-ジアンヒドロソルビトール(DAS)である。
PEURポリマーにおける1つの選択肢において、少なくとも1個のR4またはR6が、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、例えば1,4:3,6-ジアンヒドロソルビトール(DAS)である。
PEUポリマーにおける他の選択肢において、少なくとも1個のR4が、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、例えばDASである。
構造式(IおよびIV〜VIII)のPEA、PEURおよびPEUポリマーを記述するために本明細書において使用される「アミノ酸」および「α-アミノ酸」という用語は、アミノ基、カルボキシル基、およびR基、例えば本明細書において定義されるR3およびR5基を含有する化合物を意味する。本明細書において使用される「生物学的α-アミノ酸」は、合成に使用されるアミノ酸を意味し、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、メチオニンまたはそれらの混合物より選択される。コポリマーの製造に使用されるさらなる生物学的アミノ酸はリシンおよびオルニチンを含むが、ポリマー主鎖に非指向的(即ち、非生物学的配向)に配向され、従って、アミノ酸のカルボキシル基がペプチド結合に組み込まれるのではなく、側基になる。本明細書に記載するR7基を変化させることによって、さらなる非指向性アミノ酸を本発明の組成物に組み込むことができる。
本発明の組成物の形成に有用な生分解性PEA、PEURおよびPEUポリマーは、単一ポリマー分子中に多くの種々のα-アミノ酸、例えば、反復単位当たり少なくとも2個の異なるアミノ酸を含有し得るか、または、単一ポリマー分子が、分子の大きさに依存して、ポリマー分子中に多くの種々のアミノ酸を含有し得る。
PEA、PEURおよびPEUポリマーにおいて使用するのに好適な保護基は、t-ブチルまたは当技術分野において公知の他の保護基を含む。好適な一般式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールは、糖アルコール、例えば、D-グルシトール、D-マンニトールまたはL-イジトールから誘導される化合物を含む。ジアンヒドロソルビトールは、本発明の組成物の製造に使用されるPEA、PEURおよびPEUポリマーにおいて使用される1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの現在好ましい二環式フラグメントである。
「アリール」という用語は、本明細書における構造式に関して、フェニル基、または約9〜10個の環原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族であるオルト縮合二環式炭化水素基を意味するために使用される。ある態様において、一個または複数の還原子を、一個または複数のニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシで置換することができる。アリールの例は、フェニル、ナフチルおよびニトロフェニルであるがそれらに限定されない。
「アルケニレン」という用語は、本明細書における構造式に関して、主鎖または側鎖に少なくとも1つの不飽和結合を含有する二価の分岐鎖または非分岐鎖炭化水素鎖を意味するために使用される。
1つの選択肢において、本発明の組成物および方法に使用されるポリマーの製造に使用されるα-アミノ酸の少なくとも1つは、生物学的α-アミノ酸である。例えば、R3がCH2Phである場合、合成に使用される生物学的α-アミノ酸はL-フェニルアラニンである。R3がCH2-CH(CH3)2である代替物において、ポリマーは生物学的α-アミノ酸、L-ロイシンを含有する。本明細書に記載されるモノマーのR3を変化させることによって、他の生物学的α-アミノ酸、例えば、グリシン(R3がHである場合)、アラニン(R3がCH3である場合)、バリン(R3がCH(CH3)2である場合)、イソロイシン(R3がCH(CH3)-CH2-CH3である場合)、フェニルアラニン(R3がCH2-C6H5である場合)、またはメチオニン(R3が-(CH2)2S(CH3)である場合)、およびそれらの混合物も使用することができる。さらに他の選択的態様において、本発明の固体ポリマー送達組成物の製造に使用されるポリマーに含有される種々のα-アミノ酸の全てが、本明細書に記載される生物学的α-アミノ酸である。ポリマーの生体適合性は、ポリマーの製造に使用されるアミノ酸が生物学的L-α-アミノ酸である場合に最適化される。
本発明の実施および合成の方法において使用することが考えられるPEA、PEURポリマーのさらなる例は、以下に記載されているポリマーを含む。米国特許第5,516,881号、同第5,610,241号、同第6,476,204号、同第6,503,538号;米国特許出願第10/096,435号、同第10/101,408号、同第10/143,572号、同第10/194,965号および同第10/362,848号、ならびに2005年10月21日に出願された米国特許仮出願第60/729,180号。
これらの生分解性ホモポリマーおよびコポリマーは、好ましくは、10,000〜300,000の重量平均分子量を有し;これらのホモポリマーおよびコポリマーは、一般に、標準粘度測定法によって測定される25℃における固有粘度0.3〜4.0、好ましくは0.5〜3.5を有する。
本明細書における分子量および多分散性は、ポリスチレン標準を使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。より詳しくは、数平均分子量および重量平均分子量(MnおよびMw)は、例えば、高圧液体クロマトグラフィーポンプ、Waters 486 UV検出器およびWaters 2410示差屈折率検出器を取り付けたモデル510ゲル透過クロマトグラフィー(Water Associates, Inc., Milford, MA)を使用して、測定される。テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を溶離剤(1.0mL/分)として使用する。狭い分子量分布を有するポリスチレンまたはポリ(メチルメタクリレート)標準を、較正のために使用した。
一般式においてα-アミノ酸を含有するポリマーの製造法は、当技術分野において周知である。例えば、R4がα-アミノ酸に組み込まれている構造式(I)のポリマーの態様に関して、ポリマー合成のために、例えば、側基R3を有するα-アミノ酸とジオールHO-R4-OHとの縮合によって、側基R3を含有するα-アミノ酸を、エステル化を介してビス-α,ωジアミンに変換する。その結果、反応性α,ω-アミノ基を有するジ-エステルモノマーが形成される。次に、ビス-α,ω-ジアミンを、二塩基酸、例えばセバシン酸、またはビス-活性エステル、またはビス-アシルクロリドとの重縮合反応に入れ、エステル結合およびアミド結合の両方を有する最終ポリマー(PEA)を得る。または、例えば、構造式(I)のポリマーに関して、二塩基酸の代わりに、活性二塩基酸誘導体、例えば、ビス-パラ-ニトロフェニルジエステルを、活性二塩基酸として使用することができる。さらに、ビス-ジ-カーボネート、例えばビス(p-ニトロフェニル)ジカーボネートを、活性種として使用して、二塩基酸の残基を含有するポリマーを得ることができる。PEURポリマーの場合、エステル結合およびウレタン結合の両方を有する最終ポリマーが得られる。
より詳しくは、先に開示した構造式(I)の生分解性ポリマーとして有用な不飽和ポリ(エステル-アミド)(UPEA)の合成を以下に記載し、式中、
Figure 2009508969
かつ/または(b)R4は、-CH2-CH=CH-CH2-である。(a)が存在し、(b)が存在しない場合、(I)におけるR4は-C4H8-または-C6H12-である。(a)が存在せず、(b)が存在する場合、(I)におけるR1は、-C4H8-または-C8H16-である。
UPEAは、以下の溶液重縮合のいずれかによって調製できる。(1)不飽和ジオールのビス(α-アミノ酸)ジ-エステルのジ-p-トルエンスルホン酸塩、および飽和ジカルボン酸のジ-p-ニトロフェニルエステル;または(2)飽和ジオールのビス(α-アミノ酸)ジエステルのジ-p-トルエンスルホン酸塩、および不飽和ジカルボン酸のジ-ニトロフェニルエステル;または(3)不飽和ジオールのビス(α-アミノ酸)ジエステルのジ-p-トルエンスルホン酸塩、および不飽和ジカルボン酸のジ-ニトロフェニルエステル。
ジアミンのアリールスルホン酸塩は、アミノ酸残基を含有するポリマーの合成における使用が公知である。p-トルエンスルホン酸塩が遊離ジアミンの代わりに使用され、というのは、ビス(α-アミノ酸)ジエステルのアリールスルホン酸塩は、再結晶によって容易に精製され、ワークアップ(workup)を通してアミノ基を低い反応性のアンモニウムトシレートにするからである。重縮合反応において、有機塩基、例えばトリエチルアミンの添加によって、求核アミノ基が容易に現れ、ビス-求電子モノマーと反応し、それによって、ポリマー生成物が高収量で得られる。
ビス-求電子モノマー、例えば、不飽和ジカルボン酸のジ-p-ニトロフェニルエステルが、p-ニトロフェニルおよび不飽和ジカルボン酸塩化物から合成でき、例えば、トリエチルアミンおよびp-ニトロフェノールをアセトンに溶解させ、不飽和ジカルボン酸塩化物を攪拌しながら-78℃で滴下し、水に注いで生成物を沈殿させることによって合成できる。好適な酸塩化物は、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、エテニル-ブタン二酸および2-プロペニル-ブタン二酸塩化物を含む。構造(V)および(VI)のポリマーに関して、飽和または不飽和ジオールのビス-p-ニトロフェニルジカーボネートが、活性モノマーとして使用される。一般構造(IX)のジカーボネートモノマーが、構造式(V)および(VI)のポリマーに使用される。
Figure 2009508969
式中、各R8は、独立に、一個または複数のニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシで置換されてもよい(C6〜C10)アリールであり;R6は、独立に、(C2〜C20)アルキレンまたは(C2〜C20)アルキルオキシまたは(C2〜C20)アルケニレンである。
α-アミノ酸および不飽和ジオールのジエステルのジ-アリールスルホン酸塩は、α-アミノ酸、例えば、p-アリールスルホン酸一水化物および飽和または不飽和ジオールを、トルエン中で混合し、水の発生が最少になるまで還流温度に過熱し、次に、冷却することによって調製できる。不飽和ジオールは、例えば、2-ブテン-1,3-ジオールおよび1,18-オクタデカ-9-エン-ジオールである。
ジカルボン酸の飽和ジ-p-ニトロフェニルエステル、およびビス-α-アミノ酸エステルの飽和ジ-p-トルエンスルホン酸塩は、米国特許第6,503,538 B1号に記載のように調製できる。
次に、先に開示した構造式(I)の生分解性ポリマーとして有用な、不飽和ポリ(エステル-アミド)(UPEA)の合成を記載する。構造式(I)を有するUPEAは、米国特許第6,503,538 B1号の化合物(VII)と同様の方法で製造でき、但し、米国特許第6,503,538号の(III)のR4および/または米国特許第6,503,538号の(V)のR1は、前記の(C2〜C20)アルケニレンである。反応は、例えば、以下のように行われる。乾燥トリエチルアミンを、乾燥N,N-ジメチルアセトアミド中の米国特許第6,503,538号の該(III)および(IV)および米国特許第6,503,538号の該(V)の混合物に室温で添加し、次に、温度を80℃に上げ、16時間攪拌し、次に、反応溶液を室温に冷却し、エタノールで希釈し、水に注ぎ、ポリマーを分離し、分離したポリマーを水で洗浄し、減圧下で約30℃に乾燥し、次に、p-ニトロフェノールおよびp-トルエンスルホネートの陰性試験まで精製する。米国特許第6,503,538号の好ましい反応物(IV)は、リシンベンジルエステルのp-トルエンスルホン酸塩であり、ベンジルエステル保護基は、生分解性を付与するために(II)から除去するのが好ましいが、米国特許第6,503,538号の実施例22におけるように水素化分解によってそれを除去すべきではなく、なぜなら水添分解は所望の二重結合を飽和させるからであり;むしろ、ベンジルエステル基を、不飽和を保護する方法によって、酸基に変換すべきである。または、米国特許第6,503,538号のリシン反応物(IV)を、最終生成物において不飽和を保護しながら容易に除去できるベンジルと異なる保護基によって保護することもでき、例えば、リシン反応物をt-ブチルで保護することができ(即ち、反応物はリシンのt-ブチルエステルであることができる)、t-ブチルは、酸での生成物(II)の処理によって、不飽和を保護しながらHに変換することができる。
構造式(I)を有する化合物の実際的な例は、以下によって得られる。ビス(L-フェニルアラニン)2-ブテン-1,4-ジエステルのp-トルエンスルホン酸塩を米国特許第6,503,538号の実施例1における(III)の代わりに使用するか、またはジ-p-ニトロフェニルフマレートを米国特許第6,503,538号の実施例1における(V)の代わりに使用するか、またはビス(L-フェニルアラニン)2-ブテン-1,4-ジエステルのp-トルエンスルホン酸塩を米国特許第6,503,538号の実施例1におけるIIIの代わりに使用し、かつビス-p-ニトロフェニルフマレートを米国特許第6,503,538号の実施例1における(V)の代わりに使用する。
構造式(I)または(IV)のいずれかを有する不飽和化合物において、以下が適用される。カルボニルジイミダゾール、または好適なカルボジイミドを、縮合剤として使用して、アミノ置換アミノキシル(N-オキシド)基を有する基、例えば、4-アミノTEMPOを結合させることができる。本明細書において記載される生物活性薬剤は、二重結合官能性によって結合させることができる。
本発明の実施における使用が考えられるPEAおよびPEURポリマーは、当技術分野において周知の種々の方法によって合成できる。例えば、トリブチル錫(IV)触媒を一般に使用して、ポリエステル、例えば、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド)などが形成される。しかし、種々の触媒を使用して、本発明の実施において使用するのに好適なポリマーを形成し得ることが理解される。
使用が考えられるそのようなポリ(カプロラクトン)は、以下のような例示的構造式(X):
Figure 2009508969
を有する。
使用が考えられるポリ(グリコリド)は、以下のような例示的構造式(XI):
Figure 2009508969
を有する。
使用が考えられるポリ(ラクチド)は、以下のような例示的構造式(XII):
Figure 2009508969
を有する。
アミノキシル部分を含む好適なポリ(ラクチド-コ-ε-カプロラクトン)の例示的合成を以下に示す。第一段階は、ベンジルアルコールの存在下に、オクタン酸第一錫を触媒として使用して、ラクチドとε-カプロラクトンとを重合させて、構造式(XIII):
Figure 2009508969
のポリマーを形成することを含む。
次に、ヒドロキシ末端ポリマー鎖を、無水マレイン酸でキャッピングして、構造式(XIV):
Figure 2009508969
を有するポリマー鎖を形成することができる。
この時点において、4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシをカルボキシル末端基と反応させて、4-アミノ基とカルボン酸末端基との反応によって得られるアミド結合を介して、アミノキシル部分をコポリマーに共有結合させることができる。または、マレイン酸でキャッピングされたコポリマーをポリアクリル酸でグラフトして、次の付加的アミノキシル基の結合のために、付加的カルボン酸部分を与えることができる。
PEU用の構造式(VII)を有する不飽和化合物において、以下が適用される。カルボニルジイミダゾール、または好適なカルボジイミドを、縮合剤として使用して、アミノ置換アミノキシル(N-オキシド)基を有する基、例えば、4-アミノTEMPOを結合させることができる。本明細書において記載される付加的生物活性薬剤などを、二重結合官能性によって任意で結合させることができる。
例えば、構造式(VII)を有する本発明の高分子量半結晶質PEUは、以下のスキーム(2)に示すように、クロロホルム/水系において、ホスゲンをビス-求電子モノマーとして使用することによって、界面により調製できる。
Figure 2009508969
非指向性アミノ酸のエステル、例えばL-リシンエステルを含有し、構造式(VII)を有するコポリ(エステルウレア)(PEU)の合成は、同様のスキーム(3)によって行うことができる。
Figure 2009508969
トルエン中のホスゲン(ClCOCl)(高毒性)の20%溶液(例えば(Fluka Chemie, GMBH, Buchs, Switzerland)によって市販されている)を、ジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)またはトリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)で置き換えることができる。より低い毒性のカルボニルジイミダゾールを、ホスゲン、ジ-ホスゲンまたはトリ-ホスゲンの代わりにビス-求電子モノマーとして使用することもできる。
PEUの合成の一般手順:
高分子量のPEUを得るために、モノマーの冷却溶液を使用する必要がある。例えば、水150mL中のビス(α-アミノ酸)-α,ω-アルキレンジエステルのジ-p-トルエンスルホン酸塩の懸濁液に、無水炭酸ナトリウムを添加し、室温で約30分間攪拌し、約2〜0℃に冷却して第一溶液を形成する。並行して、クロロホルム中のホスゲンの第二溶液を、約15〜10℃に冷却する。第一溶液を、界面重合のために反応器に入れ、同時に、第二溶液を一度に迅速に添加し、約15分間勢いよく攪拌する。次に、クロロホルム層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過する。得られた溶液はさらなる使用のために保存することができる。
製造した全ての例示的PEUポリマーは、クロロホルム中の溶液として得られ、これらの溶液は保存中、安定である。しかし、いくつかのポリマー、例えば1-Phe-4は、分離後にクロロホルムに不溶性になる。この課題を解決するために、平滑な疎水性面に流延し、クロロホルムを蒸発乾固させることによって、ポリマーをクロロホルム溶液から分離することができる。得られたPEUをさらに精製する必要はない。
例えば、ポリマー鎖の末端のアミド基、またはカルボキシル基を有するポリマー、例えば構造式(IV、VIおよびVIII)のポリマーは、生物活性薬剤(例えば、親和性部分、ペプチド抗原、インスリン分子、または他の高分子生物工学製品)を生分解性ポリマーに共有結合させるのに使用し得る多くの相補的官能基と、容易に反応させることができる。他の例において、ペプチド中のアミノ部分が、これらのポリマー中のカルボキシル基と容易に反応して、生じたアミド基を介してペプチドをポリマーに共有結合させることができる。構造式(I、VおよびVII)のホモポリマーは、ポリマー鎖の2つの末端だけに遊離官能基を含有し、構造式(IV、VIおよびVIII)のコポリマーは、各非指向性アミノ酸に基づく部分中に遊離カルボキシル部分を有するので、コポリマーはホモポリマーより多くの負荷量(load)の生物活性薬剤を結合させるのに好適である。
生物活性薬剤
本発明の固体ポリマー送達組成物に組み込まれる生物活性薬剤は、治療的または緩和的活性を有することができる。そのような生物活性薬剤は、当技術分野において公知の種々の治療目的を有することができ、該目的において、例えば、処理面または血液由来細胞または因子との接触により、生分解によるポリマーからの生物活性薬剤の放出が望ましい。具体的には、そのような生物活性薬剤は、以下の一つまたは複数を含むが、それらに限定されない:タンパク質、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、ポリ核酸デコイ、治療用抗体、アブシキシマブ、抗生物質、鎮痛薬、血液調節剤(blood modifier)、抗血小板薬、抗凝血剤、免疫抑制剤、抗腫瘍剤、例えば抗癌剤、および抗細胞増殖剤。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、二本鎖DNA、二本鎖RNA、二重鎖DNA/RNA、アンチセンスポリヌクレオチド、機能RNA、またはそれらの組合せを含み得る。1つの態様において、ポリヌクレオチドはRNAであることができる。他の態様において、ポリヌクレオチドはDNAであることができる。他の態様において、ポリヌクレオチドはアンチセンスポリヌクレオチドであることができる。他の態様において、ポリヌクレオチドはセンスポリヌクレオチドであることができる。他の態様において、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオチド類似体を包み得る。他の態様において、ポリヌクレオチドは、ホスホジエステル結合3’-5’および5’-3’ポリヌクレオチド主鎖を含み得る。または、ポリヌクレオチドは、非ホスホジエステル結合、例えばホスホチオエート型、ホスホラミダイトおよびペプチド-ヌクレオチド主鎖を包み得る。他の態様において、部分をポリヌクレオチドの主鎖糖に結合させることができる。そのような結合を形成する方法は、当業者に周知である。
タンパク質は、創傷の治癒および修復を助ける増殖因子の多くのファミリーのいずれかの成長因子であることができる。例えば、トランスフォーミング増殖因子-βファミリーに属するタンパク質、例えば、骨形成タンパク質12を、本発明のポリマー組成物に分散させることができる。
ポリヌクレオチドは、一本鎖ポリヌクレオチドまたは二本鎖ポリヌクレオチドであることができる。ポリヌクレオチドは、任意の好適な長さを有し得る。具体的には、ポリヌクレオチドは、約2〜約5,000(両端を含む)のヌクレオチドの長さ;約2〜約1000(両端を含む)のヌクレオチドの長さ;約2〜約100(両端を含む)のヌクレオチドの長さ;または約2〜約10(両端を含む)のヌクレオチドの長さであることができる。アンチセンスポリヌクレオチドは、一般に、標的タンパク質をコードするmRNAに相補的なポリヌクレオチドである。例えば、mRNAは、癌促進タンパク質、即ちオンコジーンの生成物をコードすることができる。アンチセンスポリヌクレオチドは、一本鎖mRNAに相補的であり、二重鎖を形成し、それによって、標的遺伝子の発現を阻害し、即ち、オンコジーンの発現を阻害する。本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、標的タンパク質をコードするmRNAとの二重鎖を形成することができ、標的タンパク質の発現を許さない。「機能RNA」は、リボザイム、または翻訳されない他のRNAを意味する。
「ポリ核酸デコイ」は、ポリ核酸デコイへの細胞因子の結合時に、細胞因子の活性を阻害するポリ核酸である。ポリ核酸デコイは、細胞因子のための結合部位を含有する。細胞因子の例は、転写因子、ポリメラーゼおよびリボソームであるが、それらに限定されない。転写因子デコイとして使用されるポリ核酸デコイの例は、転写因子のための結合部位を含有する二本鎖ポリ核酸である。または、転写因子のためのポリ核酸デコイは、一本鎖核酸であることもでき、該核酸は、それ自身にハイブリダイズして、標的転写因子のための結合部位を含有するスナップバック二重鎖を形成する。転写因子デコイの例は、E2Fデコイである。細胞周期調整に関与し、細胞を増殖させる遺伝子の転写において、E2Fは役割を担っている。E2Fを制御することは、細胞増殖の調整を可能にする。他のそのようなポリ核酸デコイおよび標的タンパク質の例は、ポリメラーゼを阻害するプロモータ配列、およびリボソームを阻害するリボソーム結合配列であるが、それらに限定されない。本発明は、任意の標的細胞因子を阻害するために構成されたポリ核酸デコイを含むものと理解される。
「遺伝子治療薬」は、標的細胞への遺伝子の導入、次に、遺伝子産物の発現によって、標的細胞における遺伝子産物の発現を生じさせる薬剤である。そのような遺伝子治療薬の例は、細胞に導入した際に、タンパク質、例えばインスリンの発現を生じさせる遺伝子構造物である。または、遺伝子治療薬は、標的細胞における遺伝子の発現を減少させることもできる。そのような遺伝子治療薬の例は、標的遺伝子に組み込まれ、遺伝子の発現を阻害する、ポリ核酸セグメントの細胞への導入である。そのような薬剤の例は、相同的組換えによって遺伝子を妨害することができるウイルスおよびポリヌクレオチドである。細胞内における遺伝子の導入および阻害の方法は、当業者に周知である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、任意の好適な長さを有し得る。具体的には、オリゴヌクレオチドは、約2〜約100(両端を含む)のヌクレオチドの長さ;約20(それを含む)までのヌクレオチドの長さ;または、約15〜約30(両端を含む)のヌクレオチドの長さであることができる。オリゴヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖であることができる。1つの態様において、オリゴヌクレオチドは一本鎖であることができる。オリゴヌクレオチドはDNAまたはRNAであることができる。1つの態様において、オリゴヌクレオチドはDNAであることができる。1つの態様において、オリゴヌクレオチドは、一般に公知の化学法によって合成することができる。他の態様において、オリゴヌクレオチドは商業的供給者から得ることができる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオチド類似体、例えば、ブロモ誘導体、アジド誘導体、蛍光誘導体、またはそれらの組合せを含み得るが、それらに限定されない。ヌクレオチド類似体は当業者に周知である。オリゴヌクレオチドは、連鎖停止剤を含み得る。オリゴヌクレオチドは、例えば、架橋試薬または蛍光標識として使用することもできる。多くの一般的な結合を使用して、オリゴヌクレオチドを、他の部分、例えば、ホスフェート、ヒドロキシルなどに結合させることができる。さらに、オリゴヌクレオチドに組み込まれたヌクレオチド類似体によって、部分をオリゴヌクレオチドに結合し得る。他の態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合3’-5’および5’-3’オリゴヌクレオチド主鎖を含み得る。または、オリゴヌクレオチドは、非ホスホジエステル結合、例えば、ホスホチエート型、ホスホラミダイトおよびペプチド-ヌクレオチド主鎖を包み得る。他の態様において、部分をオリゴヌクレオチドの主鎖糖に結合させることができる。そのような結合を形成する方法は、当業者に周知である。
ヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体は、当技術分野において周知である。そのようなヌクレオシド類似体の例は、以下を含むが、それらに限定されない:Cytovene(登録商標)(Roche Laboratories)、Epivir(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Gemzar(登録商標)(Lilly)、Hivid(登録商標)(Roche Laboratories)、Robetron(登録商標)(Schering)、Videx(登録商標)(Bristol-Myers Squibb)、Zerit(登録商標)(Bristol-Myers Squibb)、およびZovirax(登録商標)(Glaxo Wellcome)。Physician's Desk Reference, 2005 Edition参照。
本発明の固体ポリマー送達組成物中のポリマーに分散される生物活性薬剤として作用するポリペプチドは、任意の好適な長さを有し得る。具体的には、ポリペプチドは、約2〜約5,000(両端を含む)のアミノ酸の長さ;約2〜約2,000(両端を含む)のアミノ酸の長さ;約2〜約1,000(両端を含む)のアミノ酸の長さ;または約2〜約100(両端を含む)のアミノ酸の長さであることができる。
ポリペプチドは、「ペプチド模倣体」も含み得る。ペプチド類似体は、テンプレートペプチドに類似した特性を有する非ペプチド生物活性薬剤として、薬品工業において一般的に使用されている。これらの種類の非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣体」または「ペプチド模倣薬」と称される。Fauchere, J.(1986)Adv. Bioactive agent Res., 15:29;Veber and Freidinger (1985)TINS p.392;およびEvans et al.(1987)J. Med. Chem, 30:1229;コンピュータ化分子モデリングを使用して一般に開発されている。一般に、ペプチド模倣薬はパラダイムポリペプチド(即ち、生物化学的特性または薬理活性を有するポリペプチド)に構造的に類似しているが、当技術分野において公知であり以下の文献にさらに記載されている方法によって、--CH2NH--、--CH2S--、CH2-CH2--、--CH=CH--(シスおよびトランス)、--COCH2--、--CH(OH)CH2--および--CH2SO--からなる群より選択される結合によって置き換えられてもよい一つまたは複数のペプチド結合を有する。Spatola, AF.「Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides, and Proteins」,B. Weinstein, eds., Marcel Dekker, New York, p.267(1983);Spatola, A.F., Vega Data(March 1983), Vol. 1, Issue 3,「Peptide Backbone Modifications」(general review);Morley, J.S., Trends. Pharm. Sci.,(1980)pp.463-468(general review);Hudson, D. et al., Int. J. Pept. Prot. Res.,(1979)14:177-185(--CH2NH--, CH2CH2--);Spatola, A.F. et al., Life Sci., (1986)38:1243-1249(--CH2―S--);Harm, M.M., J. Chem. Soc. Perkin Trans I(1982)307-314(--CH=CH--, cis and trans);Almquist, R.G. et al., J. Med. Chem., (1980)23:2533(--COCH2--);Jennings-Whie, C. et al., Tetrahedron Lett., (1982)23:2533(--COCH2--);Szelke, M. et al., European Appln., EP 45665(1982)(--CH(OH)CH2--);Holladay, M.W. et al., Tetrahedron Lett.,(1983)24:4401-4404(-C(OH)CH2--);およびHruby, V.J., Life Sci.,(1982)31:189-199(--CH2-S--)。そのようなペプチド模倣体は、例えば以下を含むポリペプチド態様より有意な利点を有し得る。より経済的な生産、より高い化学安定性、強化した薬理学的特性(半減期、吸収、力価、効能など)、変化した特異性(例えば、生物活性の広域スペクトル)、減少した抗原性など。
さらに、L-リシンに代わってD-リシンでの、ポリペプチド内の一つまたは複数のアミノ酸の置換を使用して、より安定なポリペプチド、および内因性プロテアーゼに抵抗性のポリペプチドを生成し得る。
1つの態様において、本発明の組成物に使用されるポリマーに分散される生物活性薬剤ポリペプチドは、抗体であることができる。1つの態様において、抗体は、細胞接着分子、例えば、カドヘリン、インテグリンまたはセレクチンに結合することができる。他の態様において、抗体は、細胞外基質分子、例えば、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチンまたはラミニンに結合することができる。さらに他の態様において、抗体は、受容体、例えば、アドレナリン作用性受容体、B-細胞受容体、補体受容体、コリン作用性受容体、エストロゲン受容体、インスリン受容体、低密度リポタンパク質受容体、成長因子受容体またはT-細胞受容体に結合することができる。ポリマーに結合した(直接的またはリンカーによる)抗体を、血小板凝集因子(例えば、フィブリノゲン)、細胞増殖因子(例えば、成長因子およびサイトカイン)、および血液凝固因子(例えば、フィブリノゲン)に結合することもできる。他の態様において、抗体は、活性作用物質、例えばトキシンに、結合させる(conjugated)ことができる。他の態様において、抗体は、アブシキシマブ(ReoProR)であることができる。アブシキシマブは、β(3)インテグリンに結合するキメラ抗体のFabフラグメントである。アブシキシマブは、例えば血液細胞における、血小板糖タンパク質IIb/IIIa受容体に特異性である。ヒト大動脈平滑筋細胞は、その表面にα(v)β(3)インテグリンを発現する。β(3)発現平滑筋細胞を処理することは、他の細胞の接着を防ぎ、細胞移動または増殖を減少させる。アブシキシマブは、血小板の凝集も阻害する。
使用し得る有用な抗血小板または抗凝血薬剤は、例えば、以下の薬剤も含む。Coumadin(登録商標)(DuPont)、Fragmin(登録商標)(Pharmacia&Upjohn)、Heparin(登録商標)(Wyeth-Ayerst)、Lovenox(登録商標)、Normiflo(登録商標)、Orgaran(登録商標)(Organon)、Aggrastat(登録商標)(Merck)、Agrylin(登録商標)(Roberts)、Ecotrin(登録商標)(Smithkline Beecham)、Flolan(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Halfprin(登録商標)(Kramer)、Integrillin(登録商標)(COR Therapeutics)、Integrillin(登録商標)(Key)、Persantine(登録商標)(Boehringer Ingelheim)、Plavix(登録商標)(Bristol-Myers Squibb)、ReoPro(登録商標)(Centecor)、Ticlid(登録商標)(Roche)、Abbokinase(登録商標)(Abbott)、Activase(登録商標)(Genentech)、Eminase(登録商標)(Roberts)、およびStrepase(登録商標)(Astra)。Physician's Desk Reference, 2005 Edition参照。具体的には、抗血小板または抗凝血薬剤は、トラピジル(アバントリン)、シロスタゾール、ヘパリン、ヒルジンまたはイルプロストを含み得る。
トラピジルは、化学的に、N,N-ジメチル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,-5-a]ピリミジン-7-アミンと称される。
シロスタゾールは、化学的に、6-[4-(1-シクロヘキシル-1H-テトラゾル-5-イル)-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンと称される。
ヘパリンは、抗凝血活性を有するグリコサミノグリカンである;D-グルコサミンおよびL-イズロン酸またはD-グルクロン酸の反復単位から成る、不定にスルホン化されたポリサッカリド鎖の不均質混合物。
ヒルジンは、ヒル、例えばヒルド・メディシナリス(Hirudo medicinalis)から抽出される抗凝血タンパク質である。
イルプロストは、化学的に、5-[ヘキサヒドロ-5-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシ-4-メチル-1-オクテン-6-イニル)-2(1H)-ペンタレニリデン]ペンタン酸と称される。
免疫抑制剤は、例えば、以下の薬剤を含み得る。Azathioprine(登録商標)(Roxane)、BayRho-D(登録商標)(Bayer Biological)、CellCept(登録商標)(Roche Laboratories)、Imuran(登録商標)(Glaxo Wellcome)、MiCRhoGAM(登録商標)(Ortho-Clinical Diagnostics)、Neoran(登録商標)(Novartis)、Orthoclone OKT3(登録商標)(Ortho Biotech)、Prograf(登録商標)(Fujisawa)、PhoGAM(登録商標)(Ortho-Clinical Diagnostics)、Sandimmune(登録商標)(Novartis)、Simulect(登録商標)(Novartis)、およびZenapax(登録商標)(Roche Laboratories)。
具体的には、免疫抑制剤は、ラパマイシンまたはサリドマイドを含み得る。ラパマイシンはストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)から分離されるトリエンマクロライドである。サリドマイドは、化学的に、2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-1H-イソ-インドール-1,3(2H)-ジオンと称される。
本発明の組成物に生物活性薬剤として組み込むことができる抗癌剤または抗細胞増殖剤は、例えば、以下の薬剤を含む。ヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体、例えば2-クロロ-デオキシアデノシン、補助的抗腫瘍薬、アルキル化薬、ナイトロジェンマスタード、ニトロ尿素、抗生物質、代謝拮抗物質、ホルモンアゴニスト/アンタゴニスト、アンドロゲン、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、エストロゲンとナイトロジェンマスタードとの組合せ、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GNRH)類似体、プロゲスチン、免疫調節薬、種々の抗腫瘍薬、光増感剤、および皮膚および粘膜作用物質。そのような生物活性薬剤の特定の有用性については、Physician's Desk Reference, 2005 Edition参照。例えば、テストステロンおよび他のアンドロゲンホルモンの生成をブロックする黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)は、前立腺癌の治療に有用である。
好適な補助的抗腫瘍薬は、以下の薬剤を含む。Anzemet(登録商標)(Hoeschst Marion Roussel)、Aredia(登録商標)(Novartis)、Didronel(登録商標)(MGI)、Diflucan(登録商標)(Pfizer)、Epogen(登録商標)(Amgen)、Ergamisol(登録商標)(Janssen)、Ethyol(登録商標)(Alza)、Kytril(登録商標)(SmithKline Beecham)、Leucovorin(登録商標)(Immunex)、Leucovorin(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Leucovorin(登録商標)(Astra)、Leukine(登録商標)(Immunex)、Marinol(登録商標)(Roxane)、Mesnex(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ニューポゲン(Neupogen)(Amgen)、Procrit(登録商標)(Ortho Biotech)、Salagen(登録商標)(MGI)、Sandostatin(登録商標)(Novartis)、Zinecard(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)、Zofran(登録商標)(Glaxo Wellcome)、およびZyloprim(登録商標)(Glaxo Wellcome)。
好適な種々のアルキル化剤は、Myleran(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Paraplatin(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Plantinol(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、およびThioplex(登録商標)(Immunex)を含む。
好適なナイトロジェンマスタードは、Alkeran(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Cytoxan(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Ifex(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immmunology)、Leukeran(登録商標)(Glaxo Wellcome)、およびMustargen(登録商標)(Merck)を含む。
好適なニトロソ尿素は、BiCNU(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、CeeNU(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Gliadel(登録商標)(Rhone-Poulenc Rover)、およびZanosar(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)を含む。
好適な代謝拮抗物質は、Cytostar-U(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)、Fludara(登録商標)(Berlex)、Sterile FUDR(登録商標)(Roche Laboratories)、Leustatin(登録商標)(Ortho Biotech)、Methotrexate(登録商標)(Immunex)、Parinethol(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Thioguanine(登録商標)(Glaxo Wellcome)、およびXeloda(登録商標)(Roche Laboratories)を含む。
好適なアンドロゲンは、Nilandron(登録商標)(Hoechst Marion Roussel)およびTeslac(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)を含む。
好適な抗アンドロゲンは、Casodex(登録商標)(Zeneca)およびEulexin(登録商標)(Schering)を含む。
好適な抗エストロゲンは、Arimidex(登録商標)(Zeneca)、Fareston(登録商標)(Schering)、Femara(登録商標)(Novartis)およびNolvadex(登録商標)(Zeneca)を含む。
好適なエストロゲンとナイトロジェンマスタードとの組合せは、Emcyt(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)を含む。
好適なエストロゲンは、Estrace(登録商標)(Bristol-Myers Squibb)およびEstrab(登録商標)(Solvay)を含む。
好適な性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GNRH)類似体は、Leupron Depot(登録商標)(TAP)およびZoladex(登録商標)(Zeneca)を含む。
好適なプロゲスチンは、Depo-Provera(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)およびMegace(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)を含む。
好適な免疫調節薬は、Erganisol(登録商標)(Janssen)およびProleukin(登録商標)(Chiron Corporation)を含む。
好適な種々の抗腫瘍薬は、以下の薬剤を含む。Camptosar(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)、Celestone(登録商標)(Schering)、DTIC-Dome(登録商標)(Bayer)、Elspar(登録商標)(Merck)、Etopophos(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Etopoxide(登録商標)(Astra)、Gemzar(登録商標)(Lilly)、Hexalen(登録商標)(U.S. Bioscience)、Hycantin(登録商標)(SmithKline Beecham)、Hydrea(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Hydroxyurea(登録商標)(Roxane)、Intron A(登録商標)(Schering)、Lysodren(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Navelbine(登録商標)(Glaxo Wellcome)、Oncaspar(登録商標)(Rhone-Poulenc Rover)、Oncovin(登録商標)(Lilly)、Proleukin(登録商標)(Chiron Corporation)、Rituxan(登録商標)(IDEC)、Rituxan(登録商標)(Genentech)、Roferon-A(登録商標)(Roche Laboratories)、Taxol(登録商標)(パクリタキソール/パクリタキセル、Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Taxotere(登録商標)(Rhone-Poulenc Rover)、TheraCys(登録商標)(Pasteur Merieux Connaught)、Tice BCG(登録商標)(Organon)、Velban(登録商標)(Lilly)、VePesid(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Vesanoid(登録商標)(Roche Laboratories)、およびVumon(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)。
好適な光増感剤は、Photofrin(登録商標)(Sanofi)を含む。
具体的には、有用な抗癌剤または抗細胞増殖剤は、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)、一酸化窒素放出化合物、またはNicOX(NCX-4016)を含み得る。Taxol(登録商標)(パクリタキセル)は、化学的に、(2R,3S)-N-ベンゾイル-3-フェニルイソセリンを有する5β,20-エポキシ-1,2α4,7β,10β,13α-ヘキサヒドロキシタキサ-11-エン-9-オン4,10-ジアセテート2-ベンゾエート13-エステルと称される。NCX-4016は、化学的に、2-アセトキシ-ベンゾエート2-(ニトロキシメチル)-フェニルエステルと称され、抗血栓剤である。
本発明の固体ポリマー送達組成物に使用される生分解性ポリマーへの分散、およびそれからの放出に特に有用な生物活性薬剤は、以下の薬剤を含む。抗増殖剤、例えば、ラパマイシンおよび任意のその類似体または誘導体、パクリタキセルまたは任意のそのタキセン類似体または誘導体、エベロリムス、シロリムス(血管における平滑筋細胞の増殖の強力な阻害剤)、エベロリムス(造血細胞および非造血細胞の成長因子媒介増殖をブロックする免疫抑制剤)、タクロリムス(例えば、肝臓移植拒絶反応の予防、クローン病および潰瘍性大腸炎、およびアトピー性湿疹の治療に使用される)、または任意のそのリムス命名ファミリーの薬剤。以下の薬剤も好ましい:スタチンファミリーの員、例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、ロスバスタチン、ゲルダナマイシン、例えば、17AAG(17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン);エポチロンDおよび他のエポチロン、17-ジメチルアミノエチルアミノ-17-デメトキシ-ゲルダナマイシン、および熱ショックタンパク質90(Hsp90)の他のポリケチド阻害剤、シロスタゾールなど。
本発明に有用な生物活性薬剤は、任意の生物活性薬剤または前記の生物活性薬剤に存在する生物活性物質であることを当業者は理解するものと考える。例えば、Taxol(登録商標)は、一般に、注射可能な僅かに黄色の粘性溶液として入手可能である。しかし、生物活性薬剤は、化学名が (2R,3S)-N-ベンゾイル-3-フェニルイソセリンを有する5β,20-エポキシ-1,2α,4,7β,10β,13α-ヘキサヒドロキシタキサ-11-エン-9-オン4,10-ジアセテート2-ベンゾエート 13-エステルである結晶質粉末である。Physician's Desk Reference(PDR)、Medical Economics Company(Montvale, NJ), (53rd Ed.), pp.1059-1067。
種々の抗生物質も、感染を防止するかまたは制御するための本発明の組成物に分散させるのに現在好ましい。そのような抗生物質は、以下のような多くの種類を含む。アミノグリコシド抗生物質またはキノロンまたはβ-ラクタム、例えば、セファロスポリン、例えば、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、エリスロマイシン、バンコマイシン、オキサシリン、シクロキサシリン、メチシリン、リンコマイシン、アンピシリンおよびコリスチン。好適な抗生物質が文献に記載されている。
好適な抗微生物剤は、例えば、以下の薬剤を含む。Adriamycin PFS/RDF(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)、Blenoxane(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Cerubidine(登録商標)(Bedford)、Cosmegen(登録商標)(Merck)、DaunoXome(登録商標)(NeXstar)、Doxil(登録商標)(Sequus)、Doxorubicin Hydrochloride(登録商標)(Astra)、Idamycin(登録商標)PFS(Pharmacia and Upjohn)、Mithracin(登録商標)(Bayer)、Mitamycin(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、Nipen(登録商標)(SuperGen)、Novantrone(登録商標)(Immunex)、およびRubex(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)。1つの態様において、ペプチドは糖ペプチドであることができる。「糖ペプチド」は、バンコマイシンのような、サッカリド基で置換されてもよい多環ペプチドコアを特徴とするオリゴペプチド(例えば、ヘパペプチド)抗生物質を意味する。
この微生物剤の分類に包含される糖ペプチドの例は、以下に見出し得る。「Glycopeptides Classification, Occurrence, and Discovery」, by Raymond C. Rao and Louise W. Crandall, (「Bioactive agents and the Pharmaceutical Sciences」Volume 63, Ramakrishnan Nagarajan編, Marcal Dekker, Inc.出版)。糖ペプチドの他の例は、以下に開示されている。米国特許第4,639,433号、同第4,643,987号、同第4,497,802号、同第4,698,327号、同第5,591,714号、同第5,840,684号および同第5,843,889号;EP 0 802 199、EP 0 801 075、EP 0 667 353、WO 97/28812、WO 97/38702、WO 98/52589、WO 98/52592;J. Amer. Chem. Soc., 1996, 118, 13107-13108;J. Amer. Chem. Soc., 1997, 119, 12041-12047;およびJ. Amer. Chem. Soc., 1994, 116, 4573-4590。代表的な糖ペプチドは以下のように特定されるものを含む。A477、A35512、A40926、A41030、A42867、A47934、A80407、A82846、A83850、A84575、AB-65、アクタプラニン、アクチノイジン、アルダシン、アボパルシン、アズレオマイシン、バルヒミエイン(Balhimyein)、クロロオリエンチエイン、クロロポリスポリン、デカプラニン、-デメチルバンコマイシン、エレモマイシン、ガラカルジン、ヘルベカルジン、イズペプチン、キブデリン、LL-AM374、マンノペプチン、MM45289、MM47756、MM47761、MM49721、MM47766、MM52260、MM55266、MM55270、MM56597、MM56598、OA-7653、オレンチシン、パルボジシン、リストセチン、リストマイシン、シンモニシン、テイコプラニン、UK-68597、UD-69542、UK-72051、バンコマイシンなど。本明細書において使用される「糖ペプチド」または「糖ペプチド抗生物質」は、糖部分が存在しない一般的な種類の前記糖ペプチド、即ち、糖ペプチドのアグリコン系も含むものとする。例えば、緩い加水分解による、バンコマイシン上のフェノールに付加された二糖部分の除去は、バンコマイシンアグリコンを与える。同様に「糖ペプチド抗生物質」という用語の範囲に含まれるのは、前記の一般的種類の糖ペプチドの合成誘導体であり、アルキル化およびアシル化誘導体を含む。さらに、この用語の範囲に含まれるのは、バンコサミンと同様に、付加的サッカリド残基、特にアミノグリコシドを、さらに付加された糖ペプチドである。
本明細書において使用される「脂質付加糖ペプチド」という用語は、脂質置換基を含有するように合成的に改質された糖ペプチド抗生物質を特に意味する。本明細書において使用される「脂質置換基」という用語は、5個またはそれ以上の炭素原子、好ましくは10〜40個の炭素原子を含有する任意の置換基を意味する。脂質置換基は、ハロ、酸素、窒素、硫黄および燐より選択される1〜6個のヘテロ原子を任意で含有し得る。脂質付加糖ペプチド抗生物質は、当技術分野において周知である。例えば、米国特許第5,840,684号、同第5,843,889号、同第5,916,873号、同第5,919,756号、同第5,952,310号、同第5,977,062号、同第5,977,063号、EP 667,353、WO 98/52589、WO 99/56760、WO 00/04044、およびWO 00/39156を参照。
本発明の組成物に使用されるポリマーに分散させるのに有用な抗炎症薬は、本発明の組成物を埋め込む体の部位に依存して、例えば、以下の薬剤を含む。鎮痛薬(例えば、NSAIDSおよびサリチレート)、抗リウマチ薬、胃腸薬、痛風製剤、ホルモン(グルココルチコイド)、鼻用製剤、眼用製剤、耳用製剤(例えば、抗生物質とステロイドとの組合せ)、呼吸器薬、ならびに皮膚および粘膜薬。Physician's Desk Reference, 2005 Editon参照。例えば、ホルモンは、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)であることができ、これは、テストステロンおよび他のアンドロゲンホルモンの生成をブロックし、前立腺癌の治療に有用である。他の例において、抗炎症薬はデキサメタゾンを含むことができ、これは、化学的に、
Figure 2009508969
11,17,21-トリヒドロキシ-16-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオンと称される。または、抗炎症薬はシロリムス(ラパマイシン)を含むことができ、これはストレプトマイセス・ハイグロスコピカスから分離されるトリエンマクロライド抗生物質である。
ブピバカインは、神経インパルスの発生および伝導をブロックする局所麻酔薬であり、従って、手術部位および慢性的疼痛部位における埋め込みに特に有用である。それは、外科的切開部の浸潤による無痛法に一般に使用される。鎮痛薬(術後痛を制御するのに使用される局所麻酔薬を含む)の先制使用、即ち組織損傷前の使用は、中枢神経感作をブロックし、従って痛みを予防するかまたは痛みを制御しやすくする。ブピバカインは、化学的に関連のあるリドカインより長い作用持続時間を有し、リドカインの1〜2時間に対して約6〜8時間である。作用持続時間は、本発明の組成物から放出されるブピバカインの濃度、およびそれに含有されている量に影響される。濃度は、放出速度、従って、局所麻酔が生じる時間、およびブロックの密度に影響を与える。経時的に放出される量は、浸潤され、従って麻酔される領域を決定する。合計投与量(mg/kg)は、局所麻酔薬毒性において重要である。当技術分野において公知であるように、アドレナリンを伴うブピバカイン225mgまで、またはアドレナリンを伴わずに放出される175mgまでの投与量を、有痛性筋骨格疾患のための局所浸潤、術後疼痛寛解のための切開浸潤などに使用し得る。しかし、「有効量」は、個々の患者、埋め込み部位の領域の血管分布、および吸収速度によって変化する。毒性の徴候は、中枢神経系徴候(急発作)、および心停止に進行する心律動異常を含む。ブピバカイン毒性は、用量依存性であり、動物の種および年齢によって変化する。ラットは、より大きい種(例えば、イヌ、ヒツジ、ヒト)より高い耐性であると考えられ、ウサギはより感受性であると考えられる。1.0μg/mLの血清ブピバカインレベルは、毒性であると一般に考えられる。乾燥ブピバカインは本発明の組成物への組込みに使用することができ、かつ、皮膚血流量を減少させ、従って局所麻酔作用を長引かせるエピネフリンと組み合わすことができる(1:200,000)。
ある態様において、ポリマー/生物活性薬剤結合が分解して、好適かつ有効量の遊離生物活性薬剤を与える。
任意の好適かつ「有効量」の生物活性薬剤を、本発明の組成物から経時的に放出させることができ、それは、例えば以下のような種々の要素の組合せに一般に依存する。治療される特定の疾患、使用される特定のポリマー、毒性投与量のような生物活性薬剤の特性、および特定の分散法、例えば、選択されたポリマー/生物活性薬剤結合の型。特に、生物活性薬剤の「有効量」は、個々の患者、埋め込み部位の領域の血管分布、および生物活性薬剤の吸収速度によって変化し得る。特に、抗生物質に関しては、適切な薬剤は、細菌感受性および患者のアレルギーに基づいて選択され、有効量は、適切な血清レベルの維持に依存し;癌治療に関しては、適切な薬剤は、特定タイプの癌の薬剤への感受性、患者の全身の健康状態などに基づいて選択され、当技術分野において公知である。
一般に、約100%までの生物活性薬剤を、組成物の分解によって、本発明の組成物から放出することができる。具体的には、約90%まで、75%まで、50%まで、または25%までの生物活性薬剤を、組成物から放出することができる。ポリマーから放出される生物活性薬剤の「有効量」に一般に影響を与えるさらなる要素は、固体ポリマーインプラントが埋め込まれている体の部位の性質、固体ポリマーインプラントの形状、放出速度および生物活性薬剤放出の期間である。ポリマーの種類および固体ポリマーインプラントの形は、所望時間にわたって分解して、平滑で規則的な(即ち「制御された」)徐放プロファイルを与えるように選択することができる(例えば、薬剤放出の初期スパイクを防止し、その代わりに、本発明の組成物の生分解によって実質的に平滑な速度の放出変化を与える)。公知の原理を使用して前記要素の組合せを賢明に選択することによって、任意の好適かつ有効な時間を選択することができる。一般に、好適かつ有効な量の生物活性薬剤を、約24時間、約7日間、約30日間、約90日間または約180日間、またはそれ以上より選択される時間にわたって、放出することができる。
一般に、約100%までの生物活性薬剤を、埋め込まれた組成物の生分解時に、本発明の組成物から放出することができる。具体的には、約90%まで、75%まで、50%まで、または25%までの生物活性薬剤を、ポリマー/リンカー/生物活性薬剤から放出することができる。ポリマーから放出される生物活性薬剤の量に一般に影響を与える要素は、例えば、ポリマーの性質および量、生物活性薬剤の性質および量、組成物に存在するさらなる物質の性質および量である。
生物活性薬剤と混合されたポリマー
本明細書に記載される本発明の組成物の担体層または被覆層中の生物活性薬剤は、ポリマーと溶媒および一つまたは複数の生物活性薬剤とを物理的に混合することによって本発明の組成物を製造する際に使用されるポリマーに、分散させることができる。本明細書において使用される「混合」および「マトリックス化」という用語は、ポリマー用の溶媒中で生物活性剤と物理的に混合された本明細書に記載のポリマー、または生物活性薬剤と物理的に接触しているが結合していない本明細書に記載のポリマーを意味する。乾燥時に、本方法によって形成された固体ポリマー層は、ポリマー層の表面に存在するか、ポリマー層に部分的に埋め込まれているか、またはポリマー層に完全に埋め込まれている一つまたは複数の生物活性薬剤を有し得る。さらに、組成物は、ポリマー層、例えば担体層において、均質混合物中のポリマーおよび生物活性薬剤を含有し得る。
任意の好適な量のポリマーおよび生物活性薬剤を使用して、本発明の組成物の担体層または被覆層を作製するための分散物を得ることができる。ポリマーは、乾燥層の約0.1wt%〜約99.9wt%で存在し得る。一般に、ポリマーは、乾燥層の約25wt%超、乾燥層の約50wt%超、乾燥層の約75%wt超、または乾燥層の約90wt%超で存在し得る。同様に、生物活性薬剤は、乾燥層の約0.1wt%〜約99.9wt%で存在し得る。一般に、生物活性薬剤は、組成物中において、乾燥層の約5wt%超、乾燥層の約10wt%超、乾燥層の約15%wt超、または乾燥層の約20wt%超で存在し得る。
ポリマーに結合した生物活性薬剤
本発明の組成物の製造に使用されるポリマー溶液の中にマトリックス化されているかまたは混合されている生物活性薬剤の他に、式(IおよびIV〜VIII)で示されるPEA、PEURおよびPEUポリマーは、ポリマーへの生物活性薬剤の共有結合の選択肢を可能にする官能価を有する。ポリマーが遊離官能基を与える本発明の態様において、本発明の組成物の製造用の成分を合わせる前に、生物活性薬剤をポリマーに結合させることができる。例えば、ポリマー鎖の末端のアミン基、またはカルボキシル基を有するポリマー、例えば構造式(IV、VIおよびVIII)のポリマーを、生分解性ポリマーへの生物活性薬剤の共有結合に使用し得る多くの相補的官能基と容易に反応させることができる。他の例において、ペプチド中のアミノ部分が、これらのポリマー中のカルボキシル基と容易に反応して、生じたアミド基を介してペプチドをポリマーに共有結合させることができる。構造式(I、VおよびVII)のホモポリマーは、ポリマー鎖の2つの末端だけに遊離官能基を含有し、構造式(IV、VIおよびVIII)のコポリマーは、R2がHの場合、非指向性アミノ酸に基づく部分中に遊離カルボキシル基を有するので、コポリマーはホモポリマーより多くの負荷量の生物活性薬剤を結合させるのに好適である。
従って、1つの態様において、本明細書に記載されている本発明の固体ポリマー送達組成物の製造に使用されるポリマーは、直接的にポリマーに結合した一つまたは複数の活性薬剤を有する。ポリマーの残基は、本発明の組成物の製造前か後に、一つまたは複数の生物活性薬剤の残基に結合させることができる。例えば、本明細書に記載されている複合構造物の形成後に、生物活性薬剤を、組成物の外側被覆層中のポリマーに直接的に結合させることができる。または、本発明の組成物中の担体層の形成前に、ポリマーの1つの残基を、生物活性薬剤の1つの残基に直接的に結合させることもできる。ポリマーおよび生物活性薬剤は、それぞれ1つの開放原子価を有し得る。または、複数の、多くの、または混合物の、異なる生物学的活性(例えば、治療的または緩和的)を有する生物活性薬剤を、ポリマーに直接的に結合させることができる。しかし、各生物活性薬剤の1つの残基がポリマーの好適な残基に結合されるので、ポリマーに結合できる生物活性薬剤の残基の合計数は、ポリマー残基上の開放原子価の数に対応する。
本明細書において使用される「生物活性薬剤の残基」という用語は、一つまたは複数の開放原子価を有する本明細書に開示される生物活性薬剤の基である。生物活性薬剤の任意の合成的に可能な一つまたは複数の原子を除去して、開放原子価を得ることができ、但し、基が一般構造(I)および(IV-VIII)の化合物の残基に結合している場合に生物活性が実質的に維持されるものとする。所望される結合に基づいて、当業者は、当技術分野において公知の手順を用いて、生物活性薬剤から誘導できる好適に官能化された出発物質を選択することができる。
生物活性薬剤の残基は、任意の好適な試薬および反応条件を使用して形成することができる。好適な試薬および反応条件は、例えば以下に開示されている。Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis, Second Edition, Carey and Sundberg(1983);Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms and Structure, Second Edition, March(1977);およびComprehensive Organic Transformations, Second Edition, Larock(1999)。
本明細書において使用される「ポリマーの残基」という用語は、一つまたは複数の開放原子価を有するポリマーの基を意味する。本発明のポリマーの任意の合成的に可能な原子、複数の原子、または官能基(例えば、ポリマー主鎖または側基上)を除去して、開放原子価を得ることができ、但し、基が生物活性薬剤の残基に結合している場合に、生物活性が実質的に維持されるものとする。さらに、任意の合成的に可能な官能基(例えば、カルボキシル)を、ポリマー上(例えば、ポリマー主鎖または側基上)に形成して、開放原子価を得ることができ、但し、基が生物活性薬剤の残基に結合している場合に、生物活性が実質的に維持されるものとする。所望される結合に基づいて、当業者は、当技術分野において公知の手順を用いて、本発明のポリマーから誘導できる好適に官能化された出発物質を選択することができる。
本明細書において使用される「構造式(*)の化合物の残基」という用語は、本明細書に記載されるポリマー式(I)および(IV-VIII)の化合物の、一つまたは複数の開放原子価を有する基を意味する。例えば、生物活性薬剤の残基を、構造式(I)または(IV)の化合物の残基に、以下の結合を介して結合させることができる。アミド(例えば、-N(R)C(=C)-または-C(=O)N(R)-)、エステル(例えば、-OC(=O)-または-C(=O)O-)、エーテル(例えば、-O-)、アミノ(例えば、-N(R)-)、ケトン(例えば、-C(=O)-)、チオエーテル(例えば、-S-)、スルフィニル(例えば、-S(O)-)、スルホニル(例えば、-S(O)2-)、ジスルフィド(例えば、-S-S-)または直接(例えば、C-C結合)結合(各Rは、独立に、Hまたは(C1-C6)アルキルである)。そのような結合は、当技術分野において公知の合成手順を使用して、本明細書に記載される好適に官能化したポリマーおよび生物活性薬剤から形成できる。
ポリマー分子に結合させることができる生物活性薬剤の分子の数は、ポリマーの分子量、および組み込まれた官能基の当量にも一般に依存する。例えば、nが約5〜約150、好ましくは約5〜約70である構造式(I)の化合物について、生物活性薬剤とポリマーの遊離官能基との反応によって、約150までの生物活性薬剤分子(即ち、その残基)を、ポリマー(即ち、その残基)に直接的に結合させることができる。不飽和ポリマーにおいて、生物活性薬剤を、ポリマー中の二重(または三重)結合と反応させることもできる。
任意の好適な大きさのポリマーおよび生物活性剤を使用して、本発明の組成物を得ることができる。例えば、ポリマーは、約1×10-4メートル未満、約1×10-5メートル未満、約1×10-6メートル未満、約1×10-7メートル未満、約1×10-8メートル未満、または約1×10-9メートル未満の大きさを有することができる。
固体インプラントの送達特性
さらに他の態様において、本発明は、少なくとも1つの生物活性薬剤を制御速度で体内部位に送達する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載する本発明の固体ポリマー送達組成物を体内部位に埋め込み、組成物を分解させて、少なくとも1つの生物活性薬剤を周囲組織に制御速度で放出することを含む。1つの態様において、生物活性薬剤の負荷量を送達するために選択された位置における外科的切開部に、組成物を埋め込んで、任意の治療的または緩和的目的を達成する。例えば、外科的切開部は、関節鏡下で形成することができ、組成物は、外科用トロカールを通って関心対象の外科的部位に組成物を挿入することによって関節鏡下で埋め込むことができる。送達組成物中のポリマーは全て生体適合性でありインサイチューで経時的に生分解するので、本発明の組成物の配置後に、切開部を外科的に閉じることができる。
本発明の固体ポリマー送達組成物は、好適かつ有効な量の生物活性薬剤を放出するために分解することができる。そのような生物活性薬剤のどのような好適かつ有効な量でも放出させることができ、それは、例えば、選択された特定の生物活性薬剤に、一般に依存する。一般に、約100%までの生物活性薬剤を、組成物から放出させることができる。具体的には、約90%まで、75%まで、50%まで、または25%までの生物活性薬剤を、組成物から放出させることができる。組成物から放出される生物活性薬剤の量に一般に影響を与える要素は、例えば、使用されるポリマーの化学構造および量、活性薬剤の化学構造および量、および組成物に存在する任意の付加的物質の化学構造および量である。
組成物はある期間にわたって分解して、好適かつ有効な量の生物活性薬剤を与えることができる。任意の好適かつ有効な期間を選択することができる。例えば、生物活性薬剤を約24時間、約7日間、約30日間、約90日間または約180日間にわたって放出するように、組成物のポリマー層を選択することができる。生物活性薬剤が組成物から放出される期間に一般に影響を与える要素は、例えば、層中のポリマーの化学構造および量、層の数および組合せ、生物活性薬剤の活性、種類および量、ならびに組成物に存在する任意の付加的物質の化学構造および量である。インビボでの生物活性薬剤放出の速度および期間の長さを決定するのに特に重要なのは、生物活性薬剤を組成物に分散させる方法である(即ち、ポリマーへのマトリックス化、混合などによるか、またはポリマーの官能基への結合による)。
しかし、ポリマーに含有された官能基に結合した生物活性薬剤は、本発明の固体ポリマー送達組成物の担体層にマトリックス化または混合された生物活性薬剤と同じ速度で、本発明の組成物からの経時放出(timed release)を受けないことに留意すべきである。任意の所与量のマトリックス化および/または共有結合生物活性薬剤の、そのような生分解性ポリマーからの経時放出速度の違いは、図2に関して、以下のように理解することができる。
I.非分解性ポリマーからのマトリックス化薬剤の放出速度(図示せず)
(段階1) 初期薬剤溶出速度、r=A、ポリマーからの薬剤の拡散速度、ポリマーの内側と外側の薬剤が平衡に達するまで存在する。その時点で、放出された薬剤がポリマーの外側近辺から速度Bで生理的に除去されなければ、全ての溶出が止む。
(段階2) AおよびBの相対的大きさに依存する定常状態溶出速度rが得られる。実際には、Bはより小さい<。
(段階3) 放出速度rは、任意のある時点における、ポリマー内にマトリックス化された薬剤の量に比例する。拡散速度が徐々にゼロに減少するまで、薬剤が流出するにつれて、拡散速度Aは、薬剤の生理的除去速度Bに相関して減少する。
II.分解性ポリマーからのマトリックス化薬剤の放出速度(図2)
(段階1) 初期薬剤放出速度r=Aは、前記と同様であり、なぜなら、分解速度Dを有するポリマーについて、A>>Dであるからである。
(段階2) 前記のようにB<が溶出の大部分についてBに比例すると想定すれば、BはAおよびDに依存しないが、AはDに依存する。ポリマーの質量が減少すると共に、余分の薬剤が押し出される。実際には、これは段階2においてほとんど違いを生じず、なぜなら、段階1について、A>>Dであるからである。
(段階3) ポリマー内の薬剤の継続的減少によって、AがDに近づき、rがAおよびDの相対値および最後にDに依存性になるまで、前記の段階2と同様。
マトリックス化した生物活性薬剤および共有結合した生物活性薬剤を有する分解性ポリマーからの放出速度(図2)
(1) 分散した生物活性薬剤:段階1、2および3について前記と同様。
(2) 共有結合した生物活性薬剤:
(段階1) 存在せず。
(段階2) その結果、D<は、ポリマーの利用可能な表面積(SA)に比例する。従って、薬剤放出速度r=f(D)=f(SA)(表面浸食)。
(段階3) 存在せず。
従って、使用において、ポリマーとの混合によって、本発明の生分解性組成物中にマトリックス化された生物活性薬剤の溶出速度(即ち、送達速度)は、大部分の放出薬剤に関して、生理的除去速度(B)に依存し、ここでBはポリマー分解速度(D)に依存しない。これに対して、結合した生物活性薬剤の放出は、ポリマー分解速度(D)に依存し、なぜなら、ポリマー分解速度は、薬剤の生理的除去速度(B)よりかなり小さいからである(D<<B)。
本発明は、以下の実施例に関してさらに理解され、該実施例は単に例示するものであって、特許請求の範囲に記載されている本発明の真の範囲を限定するものと理解すべきでない。
実施例
実施例1
試料調製手順
1.1 対照試料の調製
アセチル化末端およびベンジル化COOH基を含有する構造(I)のPEAポリマー(PEA-AcBz)を、10% EtOHに溶解させた。ブピバカイン(全重量の30%)を、溶液に添加し、溶液をボルテックス処理および超音波処理によって混合した。ピペットを使用してブピバカイン-ポリマー溶液20μLを7/16”ステンレス鋼円板の表面に滴下し、円板の表面に湿ったフィルムを形成した。円板およびフィルムを50℃のオーブンで7時間乾燥させた。
1.2 全3層(即ち、担体層、バリヤー層および被覆層)の一組の単一層で被覆された試料の調製
20μLの10% PVAの被覆剤を、セクション1.1に記載した対照試料にピペットで添加し、50℃のオーブンで7時間乾燥させた。次に、EtOH中のPEA AcBzの10% w/w溶液40μLの被覆剤を、バリヤー層に適用し、50℃のオーブンで7時間乾燥させた。
1.3 全5層(即ち、担体層、バリヤー層、被覆層、バリヤー層、被覆層)の一組の2つの層で被覆された試料の調製
20μLの10% w/w PVAの被覆剤を、前記セクション1.1に記載した単一層にピペットで添加し、50℃のオーブンで7時間乾燥させた。次に、EtOH中のPEA AcBzの10% w/w溶液40μLの被覆剤を、バリヤー層に適用し、50℃のオーブンで7時間乾燥させた。
実施例2
2.1 対照試料の調製
アセチル化末端およびベンジル化COOH基を含有する構造(I)のPEAポリマー(PEA-AcBz)を、EtOH中に約10%で溶解させた。ブピバカインヒドロクロリド(全重量の33%)を、溶液に添加し、溶液をボルテックス処理および超音波処理によって混合した。ピペットを使用してブピバカイン-ポリマー溶液をPTFE支持体に滴下し、表面に湿ったフィルムを形成した。フィルムを先ず1日間風乾し、次に、50℃で2日間真空乾燥した。フィルムの乾燥シートは、約140μmの厚さであった。
2.2 1つの面を単一被覆層で被覆された単一担体層の作製
アセチル化末端およびベンジル化COOH基を含有する構造(I)のPEAポリマー(PEA-LD60% AcBz)を、EtOH中に約2% w/wの濃度で溶解させた。被覆層を、空気流下に、70〜80℃の温度で、前記セクション2.1で形成した乾燥担体層上にエアロゾルとして直接的に付着させた(吹き付けた)。担体層を80℃で一晩にわたってオーブン乾燥した。
2.3 両面を単一被覆層で被覆された単一担体層の作製
次に、前記セクション2.2に記載した1つの面に形成された被覆層を有する前記セクション2.1で形成された担体層を、PTFE支持体から除去する。アセチル化末端およびベンジル化COOH基を含有する構造(I)のPEAポリマー(PEA-AcBz)を、EtOHに約2%の濃度で溶解させた。被覆層を、空気流下に、70〜80℃の温度で、乾燥担体層にエアロゾルとして直接的に付着させた(吹き付けた)。被覆層のシートを80℃で一晩にわたってオーブン乾燥した。約257μmの厚さの乾燥複合シートから、1/8”直径の円板をダイで打ち抜いた。円板は、2mgの重さであり、3つの単一層(即ち、両面に単一被覆層を有する生物活性ブピバカインを負荷された担体層)から成って、サンドイッチ構造を形成した。
実施例3
薬剤溶出
(I)で一般に示される構造を有する生分解性、生体適合性のポリマーの単一担体層を有する3つの円板を、前記の実施例1および2のように、ポリマーとブピバカイン(30% v/w)とを混合することによって作製した。円板を、薬剤溶出のために、燐酸緩衝生理食塩水(PBS)に浸した。210nmにおいてUV分光光度計を使用して薬剤を検出し、較正曲線を用いて定量化した。図3は、薬剤放出を、3500時間にわたって放出された薬剤の累積%として示す。図3における上の曲線は、実施例2のセクション2.1で製造された担体層だけからのブピバカインの放出を示す。中間の曲線は、PEA被覆層で被覆された担体層からのブピバカインの放出を示す。下の曲線は、PVAバリヤー層で先ず被覆され、次に、PEA被覆層を適用された担体層からのブピバカインの放出を示す。
このデータは、生物活性薬剤を分散された担体層を有する本発明の固体ポリマー送達組成物からの薬剤放出が、制御速度で持続されること示す。放出速度は、担体層をポリマーの被覆層で直接的に被覆することによってさらに持続させることができ、被覆層の付着前に中間バリヤー層を担体層に適用することによってなおさらに持続させることができる。
実施例4
吹き込み繊維付着によって製造される、20%テトラカイン遊離塩基を有するPEAの繊維マット:
この実施例は、吹き込み繊維付着(BFD)法を使用した、PEAの溶液からの生分解性PEA繊維の繊維絡み合いマットの製造を示す。使用されるポリマーは、PEAコポリマーであり、それにおいて、R1=(CH2)4、R2=CH2(C6H5)、R3=CH2CH(CH3)2、R4=(CH2)6または1,4:3,6ジアンヒドロソルビトールのフラグメント。PEAおよび例示的薬剤テトラカイン遊離塩基を、HPLC品質アセトンに溶解させる。PEA/薬剤の比率は4:1であり、固形物(PEAおよび薬剤の両方)の合計濃度は15% w/vである。得られた溶液を大気圧で吹き付け装置(Paasche単動エアブラシ、Chicago、IL)に入れ、噴霧圧力は、装置に含まれる最も大きいノズルを使用して18psiである。支持体はPTFEメッシュ(InterNet Mesh #ET8300)であり、これは、回転ドラム(50rpm)の周囲に取り付けられる。暖かい強制空気(40℃)が、支持体に向けられたたダクトを通ってヒーターから吹き込まれる。直径5μmおよびそれより大きい微細マイクロファイバーの絡み合いを、支持体に付着させ、積み重ねて、不織絡み合いマットを得る。次に、マットを室温で5〜7日間にわたって真空乾燥して、残留アセトンを除去し、その際に、繊維状不織マットを支持体から除去する。前記のように形成した繊維マットの9/16”円板について、密度は約0.5g/cm3である。
実施例5
事前形成マイクロメートルポリマー粒子の多孔質薄板の合成:
事前に形成されたPEURポリマー粒子(130mg)を、アセトニトリル3mlに溶解させた。次に、綿実油とspan 80(4% wt/wt)の混合物を100mlのビーカーに添加し、混合物を遠心機(Ultra Turrax T18 basic)(Ika)で4000rpmにおいて数分間均質化した。メタノール2ml中の親水性薬剤ブピバカインヒドロクロリド(50mg)を、マルトース20mg(メタノール1mlに溶解)と混合し、均質化したポリマー粒子/綿実油/span 80溶液に添加し、混合物を6000〜1000rpmで15分間にわたってさらに均質化した。次に、溶液を支持体としての600メッシュステンレス鋼板で濾過し、集めた粒子を支持体上においてヘキサンで洗浄して、残留する綿実油およびspan 80を除去し、支持体上で一晩乾燥させて、ポリマーシートを形成した。次に、ポリマーシートをステンレス鋼メッシュ支持体から除去し、直径1〜50マイクロメートルの凝集粒子を含有する約100〜200マイクロメートルの厚さの白色ポリマーシートを得た。
全ての刊行物、特許および特許文献は、あたかも個々に参照により組み入れられるかのように、参照により本明細書に組み入れられる。本発明を、種々の特定の好ましい態様および方法に関して記載したが、本発明の精神および範囲内で、多くの変化および変更を加え得るものと理解すべきである。
本発明を前記の実施例に関して記載したが、その変更および変形も本発明の精神および範囲に含まれるものと理解される。従って、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定される。
2組のバリヤー層(灰色)および被覆層(白色)の間の挟まれた担体層(黒色)を有する生物活性薬剤の制御放出のための、本発明の組成物の概略図を示す(一定の比率で図示せず)。 所与量の、分散した(即ち、「マトリックス化した」)および共有結合した生物活性薬剤の、分解性ポリマーからの放出速度を示す概略図である。実線は、分散した生物活性薬剤を表し、点線は、共有結合生物活性薬剤を表す。 3500時間にわたって放出された累積%薬剤として、本発明固体ポリマー送達組成物からのブピバカインの溶出を示す、210nmにおけるUV分光光度計からのプロットである。上の曲線(-◆-)は、単一担体層だけからのブピバカイン(30%w/w)の放出を表す。中間の曲線(-▲-)は、PEA被覆層で被覆した同じ担体層からのブピバカインの放出を表す。下の曲線(-■-)は、先ずPVAバリヤー層、次にPEA上部被膜で被覆した同じ担体層からの薬剤放出を表す。

Claims (69)

  1. 生物活性薬剤の制御放出のための固体ポリマー送達組成物であって、以下を含む組成物:
    a) 以下の少なくとも1つまたはブレンドを含む生分解性、生体適合性ポリマーに分散された、少なくとも1つの生物活性薬剤を含む少なくとも1つの担体層:
    式中、nが、約5〜約100の範囲であり;R1が、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)
    Figure 2009508969
    におけるR5およびR6が、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;個々のnモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;およびR4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)
    Figure 2009508969
    の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    構造式(I):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEA;
    または、式中、nが、約5〜約150の範囲であり;mが、約0.1〜0.9の範囲であり;pが、約0.9〜0.1の範囲であり;R1が、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6が、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;各R2が、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;およびR4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択され;かつR7が、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
    構造式(IV):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEA;
    構造式(V):
    Figure 2009508969
    で示され、および式中、nが、約5〜約150の範囲であり;個々のnモノマー内のR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6が、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、および構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    化学式を有するPEUR;
    または、式中、nが、約5〜約150の範囲であり;mが、約0.1〜約0.9の範囲であり;pが、約0.9〜約0.1の範囲であり;R2が、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択され;およびR7が、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
    一般構造式(VI):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEUR;
    式中、nが、約10〜約150であり;個々のnモノマー内のR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択される、
    構造式(VII):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEU;
    または、式中、mが、約0.1〜約1.0であり;pが、約0.9〜約0.1であり;nが、約10〜約150であり;各R2が、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;および個々のmモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、またはそれらの組合せより選択され;およびR7が、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
    構造式(VIII):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEU。
  2. R7が、独立に、(C3〜C6)アルキルまたは(C3〜C6)アルケニルである、請求項1記載の組成物。
  3. b) 第一溶媒または第二溶媒中の、生分解性、生体適合性ポリマーの溶液の、少なくとも1つの被覆層をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  4. 約0.1〜約2.5mmの厚さを有し、担体層および被覆層が支持体に吹き付けされる、請求項3記載の組成物。
  5. 被覆層のポリマーが、構造式(IおよびIV〜VIII)で示される化学式を有する、請求項3記載の組成物。
  6. 被覆層が生物活性薬剤を含有しない、請求項3記載の組成物。
  7. 被覆層のポリマーが担体層のポリマーである、請求項3記載の組成物。
  8. c) 担体層および被覆層のポリマー用の溶媒に不溶性であるが、生理的条件において溶解するポリマーの、少なくとも1つのバリヤー層であり、
    担体層と被覆層の間に存在するバリヤー層
    をさらに含む、請求項3記載の組成物。
  9. 多数の組の被覆層およびバリヤー層が存在し、被覆層が、連続する各組の外側に存在する、請求項8記載の組成物。
  10. 多数の組の層の連続外側層が、全ての内側層を囲んでいる、請求項8記載の組成物。
  11. 多数の組が、2〜10組の被覆層およびバリヤー層である、請求項9記載の組成物。
  12. 多数の組が、2〜8組の被覆層およびバリヤー層である、請求項9記載の組成物。
  13. 生物活性薬剤が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、ポリ核酸デコイおよび治療用抗体より選択される、請求項1記載の組成物。
  14. 治療的抗体がアブシキシマブである、請求項1記載の組成物。
  15. 生物活性薬剤が鎮痛薬である、請求項1記載の組成物。
  16. 生物活性薬剤がブピバカインである、請求項1記載の組成物。
  17. 生物活性薬剤が抗生物質である、請求項1記載の組成物。
  18. 生物活性薬剤が血液調節剤である、請求項1記載の組成物。
  19. 生物活性薬剤がホルモンである、請求項1記載の組成物。
  20. 生物活性薬剤が男性ホルモンまたは女性ホルモンである、請求項1記載の組成物。
  21. 生物活性薬剤が抗腫瘍薬である、請求項1記載の組成物。
  22. 抗腫瘍薬が、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムス、エベロリムスおよびタクロリムスより選択される、請求項21記載の組成物。
  23. 生物活性薬剤が、トランスホーミング増殖因子β(TGF-β)ファミリーの一員である、請求項1記載の組成物。
  24. 生物活性薬剤が、骨形態形成タンパク質12である、請求項1記載の組成物。
  25. R3がCH2Phである、請求項1記載の組成物。
  26. Figure 2009508969
    、請求項25記載の組成物。
  27. R4が、-CH2-CH=CH-CH2-、-(CH2)4-および-(CH2)6-より選択される、請求項26記載の組成物。
  28. R4が、-CH2-CH=CH-CH2-である、請求項25記載の組成物。
  29. 多孔質である、請求項1記載の組成物。
  30. 表面積が約1〜約90000mm2の範囲である、請求項29記載の組成物。
  31. 長方形多孔質フィルムの形状であり、約3-1mm〜約3,000,000-1mmの表面積対体積比を有する、請求項29記載の組成物。
  32. 外科的に埋め込み可能である、請求項1記載の組成物。
  33. 三次元形状を有する、請求項1記載の組成物。
  34. 形状が、ウエハ、円板および円柱より選択される、請求項33記載の組成物。
  35. 少なくとも1つの生物活性薬剤が、実質的に組成物の表面積の生分解の結果として、制御速度で組成物から放出される、請求項1記載の組成物。
  36. 少なくとも2つの生物活性薬剤が存在する、請求項1記載の組成物。
  37. 生物活性薬剤が、生理学的条件下で、約24時間〜約180日間にわたって組成物から放出される、請求項1記載の組成物。
  38. 生物活性薬剤が、生理学的条件下で約7日間〜約30日間にわたって組成物から放出される、請求項1記載の組成物。
  39. 少なくとも1つの生物活性薬剤を制御速度で体内部位に送達する方法であって、
    組成物が生分解し、少なくとも1つの生物活性薬剤を制御速度で周囲組織に放出するように、請求項1記載の組成物を体内部位に埋め込むことを含む方法。
  40. 組成物が外科的切開部に埋め込まれる、請求項39記載の方法。
  41. 外科的切開部が関節鏡下で形成される、請求項40記載の方法。
  42. 組成物がトロカールによって埋め込まれる、請求項41記載の方法。
  43. 組成物が円板または円柱の形状である、請求項39記載の方法。
  44. 組成物が骨代替物の形状である、請求項39記載の方法。
  45. 骨代替物が、約5%v/v〜約40%v/vの多孔率を有する、請求項44記載の方法。
  46. 生物活性薬剤の制御放出のための固体ポリマー組成物を製造する方法であって、
    以下の工程を含み、a)i)の生分解性、生体適合性ポリマーが、構造式(I)または(IV)によって示される化学式を有するPEAの少なくとも1つまたはブレンドを含む方法:
    a) 以下のポリマー層を、固体支持体上に流延するかまたは吹き付ける工程:
    i) 第一溶媒中の、少なくとも1つの生物活性薬剤、および生分解性、生体適合性ポリマーの分散液または溶液を含む、担体層;
    ii) 第二溶媒中の、生分解性、生体適合性ポリマーの溶液の、被覆層;および
    iii) 担体層と被覆層の間に介在する液体バリヤー層であり、第一または第二溶媒に不溶性であるが生理的条件下で溶解する液体バリヤー層;および
    b) その上に次の層を流延するか吹き付ける前に、各層を乾燥させる工程。
  47. 被覆層のポリマーが、構造式(I)または(IV)によって示される化学式を有するPEAの少なくとも1つまたはブレンドを含む、請求項46記載の方法。
  48. 被覆層が生物活性薬剤を含有しない、請求項46記載の方法。
  49. a)i)のポリマーが、a)ii)のポリマーと同じである、請求項46記載の方法。
  50. 第一溶媒および第二溶媒が同じである、請求項49記載の方法。
  51. 流延がエレクトロスピニングであり、組成物の層がマイクロファイバーのメッシュとして形成される、請求項46記載の方法。
  52. 各ポリマー層が、増加した多孔率を有する組成物製品を生じる気孔形成物質をさらに含む、請求項46記載の方法。
  53. 気孔形成物質が、組成物製品中に、相互連結したマクロ孔質足場を形成する、請求項52記載の方法。
  54. a)ii)およびa)iii)を多数回繰り返して、多数の組のバリヤー層および被覆層を形成し、組成物において各組の被覆層がバリヤー層の外側に存在することをさらに含む、請求項46記載の方法。
  55. 多数の組が2回適用されてサンドイッチ構造物の2つの外側を形成し、被覆層が両側のそれぞれの外側に存在し、担体層がサンドイッチ構造物の中央に存在する、請求項54記載の方法。
  56. 2〜10組のバリヤー層および被覆層が形成される、請求項46記載の方法。
  57. 2〜8組のバリヤー層および被覆層が形成される、請求項46記載の方法。
  58. 第一溶媒がエタノールであり、a)iii)に使用される液体ポリマーがポリビニルアルコールである、請求項46記載の方法。
  59. R3がCH2Phである、請求項46記載の方法。
  60. 生物活性薬剤の制御放出のための、固体ポリマー組成物を製造する方法であって、
    a) 第一溶媒中の少なくとも1つの生物活性薬剤および生分解性、生体適合性ポリマーの分散液または溶液を含む少なくとも1つの担体層、以下のポリマー層を、支持体に適用する工程を含み、
    a)の生分解性、生体適合性ポリマーが、以下の少なくとも1つまたはブレンドを含む方法:
    式中、nが、約5〜約150の範囲であり;R1が、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)
    Figure 2009508969
    のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6が、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;個々のnモノマー内のR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;およびR4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)
    Figure 2009508969
    の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    構造式(I):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEA

    または、式中、nが、約5〜約150の範囲であり;mが、約0.1〜0.9の範囲であり;pが、約0.9〜0.1の範囲であり;R1が、独立に、α,ω-ビス(4-カルボキシフェノキシ)(C1〜C8)アルカン、3,3’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸または4,4’-(アルカンジオイルジオキシ)ジ桂皮酸の残基、式(III)のα,ω-アルキレンジカルボキシレートの残基、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、およびそれらの組合せより選択され;式(III)におけるR5およびR6が、独立に、(C2〜C12)アルキレンまたは(C2〜C12)アルケニレンより選択され;各R2が、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;およびR4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択され;およびR7が、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
    構造式(IV):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEA;
    式中、nが、約5〜約150の範囲であり;個々のnモノマー内のR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6が、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、および構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    構造式(V):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEUR;
    または、一般構造式(VI):
    Figure 2009508969
    で示されかつ、式中、nが、約5〜約150の範囲であり;mが、約0.1〜約0.9の範囲であり;pが、約0.9〜約0.1の範囲であり;R2が、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;個々のmモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)からなる群より選択され;R4およびR6が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレンまたは(C2〜C8)アルキルオキシ、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択され;およびR7が、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
    化学構造を有するPEUR

    式中、nが、約10〜約150であり;個々のnモノマー内のR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、およびそれらの組合せより選択される、
    構造式(VII):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEU;
    または、式中、mが、約0.1〜約1.0であり;pが、約0.9〜約0.1であり;nが、約10〜約150であり;各R2が、独立に、水素、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキル、(C6〜C10)アリールまたは保護基であり;および個々のmモノマーにおけるR3が、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C6〜C10)アリール(C1〜C6)アルキルおよび-(CH2)2S(CH3)より選択され;R4が、独立に、(C2〜C20)アルキレン、(C2〜C20)アルケニレン、(C2〜C8)アルキルオキシ(C2〜C20)アルキレン、または構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環式フラグメント、またはそれらの組合せより選択され;およびR7が、独立に、(C1〜C20)アルキルまたは(C2〜C20)アルケニルである、
    構造式(VIII):
    Figure 2009508969
    で示される化学式を有するPEU。
  61. 適用が吹き込みによって行われ、多孔質シート、マットまたはパッドを形成する、請求項60記載の方法。
  62. 適用が吹き付けまたはスピニングによって行われる、請求項60記載の方法。
  63. スピニングがエレクトロスピニングであり、層がマイクロファイバーの多孔質メッシュとして形成される、請求項61記載の方法。
  64. 以下の工程をさらに含み、組成物の厚さが約0.1mm〜2.5mmである、請求項60記載の方法:
    b) 第一溶媒または第二溶媒中の、生分解性、生体適合性ポリマーの分散液または溶液を含む被覆層を、担体層に適用する工程;および
    c) その上に次の層を吹き付ける前に、各層を乾燥させる工程。
  65. 乾燥した組成物に穴を開けて、その多孔率を増加させることをさらに含む、請求項64記載の方法。
  66. 適用前に、気孔形成物質を少なくとも1つの層に添加して、組成物の多孔率を増加させることをさらに含む、請求項64記載の方法。
  67. 組成物の多孔率が、約5%(v/v)〜約40%(v/v)の範囲である、請求項66記載の方法。
  68. 多くの被覆層が担体層を覆うように、b)およびc)を繰り返して、多くの被覆層を形成することをさらに含む、請求項64記載の方法。
  69. サンドイッチ構造物において、連続外側被覆層が、中央担体層および全ての内側層を囲む、請求項68記載の方法。
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