JP2009296890A - 野菜ペーストの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 野菜原料の過熱水蒸気加工処理および野菜ペーストの酵素反応によって色合いや柔らかさを維持し、味や風味、食感の良好な野菜ペーストの製造方法を提供する。
【解決手段】 前処理した野菜原料を過熱水蒸気加工装置を用い過熱水蒸気による加熱処理をした後、チョッパ装置で破砕処理してペースト状とし、これに酵素を添加・混合し、所定時間の酵素反応の後に酵素を失活させる酵素失活処理をすることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、イモ類、豆類、カボチャ、人参およびグリーンアスパラ等の野菜原料をペーストに製造する方法に関し、特に、食感、外観が良好で、甘みとコクのある野菜ペーストの製造方法に関する。
従来の野菜ペースト、例えば、ポテトペーストを製造するには、従来から洗浄した原料イモ(ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類)の皮を剥き、一本のまま、または輪切りにし、水を張った鍋に入れてボイルまたは蒸煮加工による加熱処理が行われる。また、この加熱処理後、柔らかくなった原料イモの水気を切って練りつぶし、さらに裏ごしをして例えば砂糖やバターなどによる調味加工を行って、十分に練ることにより所期のポテトペーストを得ている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、燐片状または薄塊状の澱粉成形体やマッシュポテト等に調味液や水を添加してポテトペーストを得ている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3983142号公報 特開2007−61018号公報 特許第3366099号公報
しかしながら、かかる従来のポテトペーストの製造では、原料イモの加熱処理をボイルや蒸煮によって行っているため、原料イモが熱湯内に長時間に亘って浸漬されたり、飽和蒸気に晒されたりする。このため、イモが持つ本来の旨みや栄養の成分が熱湯内に流出するとともに、水分を多く含むこととなり、味や香りが低減されるとともに色調や艶がなくなって、商品価値を下げるという不都合があった。具体的には、ボイルや蒸煮によって得られるポテトは、例えば、黄色を示す品種でも色合いが薄い黄色となるし、味としては甘さが低下し、水っぽいためコクがなく、イモの風味の低下したものである。
他の野菜ペーストにおいても、前記ポテトペーストの製造方法とほぼ同様であり、ほぼ同じような課題を有する。
本発明は、前記のような従来の課題に着目してなされたものであり、野菜原料の過熱水蒸気加工処理および野菜ペーストの酵素反応によって色合いや柔らかさを維持し、味や風味、食感の良好な野菜ペーストの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明にかかる野菜ペーストの製造方法は、前処理した野菜原料を過熱水蒸気加工装置を用い過熱水蒸気による加熱処理をした後、チョッパ装置で破砕処理してペースト状とし、これに酵素を添加・混合し、所定時間の酵素反応の後に酵素を失活させる酵素失活処理をすることを特徴とする。
具体的には、野菜原料を、洗浄、不要部分の除去等の前処理をする前処理工程と、
過熱水蒸気加工装置による過熱水蒸気によって前処理された前記野菜原料を加熱処理する過熱処理工程と、
過熱処理された野菜原料をチョッパ装置により破砕してペースト状とする破砕処理工程と、
計量・充填装置によって酵素が混入された前記野菜ペーストを計量し、所定量を包装用容器に充填する計量・充填工程と、
包装用容器に充填された野菜ペーストを失活加熱装置によって加熱することにより前記混入された酵素を失活させる酵素失活工程と、
失活処理された前記野菜ペーストを冷却装置によって冷却する冷却工程と、
を有することを特徴とする。
この野菜ペーストの製造方法により、前処理した野菜原料に対してガス化した過熱水蒸気を吹き付けることで、短時間で調理可能となり、しかも野菜原料の表面の細胞を収縮させて、野菜原料内の味や栄養の成分の流出を回避でき、また、短時間での高熱処理にて甘みを凝縮させて全体として色合い、柔らかさ、甘さやコク、さらには風味が良好で、品質を長時間保持させることができる。
また、破砕処理して得られる野菜ペーストに酵素を添加、混合することにより、酵素反応(例えば、酵素による糖化反応)で甘みやコクを増強でき、品質、味を向上させることができる。例えば、野菜原料としてジャガイモを使用した場合では、破砕処理して得られるポテトペーストに酵素を添加、混合することにより、ポテト中の澱粉の酵素分解を促進でき、単糖類や2糖類の比率を高めることができる。これによってポテトの甘みやコクを増強することができる。
また、破砕処理した野菜ペーストに酵素を添加、混合し、これを包装用容器に詰めた状態にて内部の野菜ペーストに風味、甘みやコクを付与でき、その後包装用容器に充填したままで酵素失活処理を行うことができるので、製造時間を短縮することができる。従って、野菜ペースト食品の出荷も早めることができる。
なお、ここでの包装用容器としては、包装用袋、包装用箱、包装用缶、等を例示することができる。
このように野菜原料から得られる野菜ペーストは、品質、味が良好であり、見た目も美しく仕上がり、ペースト飲食品、種々の加工食品および菓子類、などに広く利用することができる。
また、本発明は、前記破砕処理工程の次に破砕処理された野菜原料を裏ごし装置によって所定の均一な野菜ペーストに裏ごしする裏ごし工程が設けられることを特徴とする。
これにより野菜ペーストを均一な品質とすることができ、より滑らかに仕上げることができる。
また、本発明で対象とする野菜原料としては、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類、カボチャ、豆類、人参、ゴボウ、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラ等を挙げることができる。
さらに、前記酵素は、アミラーゼ酵素やセルラーゼ酵素が好ましい。これらの酵素は単独でも、併用しても良い。
例えば、イモ類は、アミラーゼ酵素だけの添加、混合で、甘みやコクのある野菜ペーストに仕上げることができるが、人参、枝豆、グリーンアスパラなどは、チョッパ装置で破砕処理(繊維をカット)した後に酵素処理する際に、アミラーゼ酵素と同時にセルラーゼ酵素を併用することで、アミラーゼ酵素の単独使用より、滑らかで甘みとコクのあるペーストを得ることができる。従って、アミラーゼ酵素とするか、セルラーゼ酵素とするか、あるいは両者の併用とするかは、野菜原料によって適宜選択すればよい。しかし、いずれの選択でも、酵素の添加、混合により甘みやコクが増強し、品質は向上する。
なお、酵素の添加量は、破砕処理後の野菜ペーストの重量に対し0.01〜0.7重量%の範囲でよい。例えば、アミラーゼ酵素は、0.01〜0.5重量%の範囲が好ましく、セルラーゼ酵素の場合は、0.01〜0.2重量%の範囲が好ましい。
なお、野菜原料で繊維の多いものでは、チョッパ処理により十分に微細化するのが好ましい。
本発明の野菜ペーストの製造方法によれば、次のような効果を奏する。
(1)野菜原料の過熱水蒸気工程および野菜ペーストの酵素反応によって、甘みやコク、風味が良好で、色合いや滑らかさも良い品質の向上した野菜ペーストを得ることができる。
(2)野菜原料は、ガス化した過熱水蒸気により味や栄養の成分の流出を回避して短時間で調理可能とすることができるので、製造時間を短縮することができる。
(3)過熱水蒸気処理と、包装用容器に充填して酵素失活処理をすることにより、殺菌されての保存状態となるので、品質を長時間保持することができる。
本発明の野菜ペーストの製造方法は、前処理した野菜原料を過熱水蒸気加工装置を用い過熱水蒸気による加熱処理をした後、チョッパ装置で破砕処理してペースト状とし、これに酵素を添加・混合し、所定時間の酵素反応の後に酵素を失活させる酵素失活処理をするものである。
詳しくは、野菜原料を、洗浄、不要部分の除去等の前処理をする前処理工程と、
過熱水蒸気加工装置による過熱水蒸気によって前処理された前記野菜原料を加熱処理する過熱処理工程と、
過熱処理された野菜原料をチョッパ装置により破砕してペースト状とする破砕処理工程と、
計量・充填装置によって酵素が混入された前記野菜ペーストを計量し、所定量を包装用容器に充填する計量・充填工程と、
包装用容器に充填された野菜ペーストを失活加熱装置によって加熱することにより前記混入された酵素を失活させる酵素失活工程と、
失活処理された前記野菜ペーストを冷却装置によって冷却する冷却工程と、
を有する。
野菜原料としては、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類、カボチャ、豆類、人参、ゴボウ、ほうれん草、ブロッコリーおよびアスパラを例示することができる。
前処理は、これらの野菜原料を洗浄したり、不要な根や葉などを除去する工程である。
過熱水蒸気処理は、ガス化した過熱水蒸気を吹き付けることで野菜原料を調理可能に加熱する工程であり、野菜原料はガス化した過熱水蒸気で加熱するので、短時間で調理可能となる。また、過熱水蒸気が吹き付けられると、過熱水蒸気なので野菜原料の表面細胞は収縮し内部の旨味や栄養の成分を閉じこめ流出を防止して調理可能とする。
チョッパ装置での破砕処理は、前記過熱水蒸気で調理可能に加熱処理された野菜原料を破砕し、ペースト状にする工程である。繊維が多い野菜原料の場合は、チョッパ装置での破砕処理は、十分に微細化することが好ましい。
この破砕処理された野菜ペーストには、酵素を添加、混合する。この酵素の添加、混合による酵素反応で甘みやコクが増強し、品質が向上する。酵素としては、アミラーゼ酵素(例えば、天野エンザイム株式会社のピオザイムシリーズAおよび10SD)やセルラーゼ酵素(例えば、天野エンザイム株式会社のセルラーゼA)を挙げることができる。
この酵素の添加量は、破砕処理後の野菜ペーストの重量に対し0.01〜0.7重量%の範囲でよく、例えば、アミラーゼ酵素の場合は0.01〜0.7重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲がよく、セルラーゼ酵素の場合は、0.01〜0.4重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%の範囲がよい。
また、野菜原料がイモ類の場合は、アミラーゼ酵素が好ましく、人参、枝豆、グリーンアスパラなどは、アミラーゼ酵素とセルラーゼ酵素を併用するのが好ましい。酵素の添加、混合により甘みやコクが増強し、品質が向上するが、野菜原料によって、アミラーゼ酵素とするか、セルラーゼ酵素とするか、あるいは両者の併用とするか、等を適宜選択して使用すると、さらに品質が向上するので好ましい。
酵素失活処理は、酵素の添加、混合の後に酵素反応が最適に進行した後に、加熱して酵素を失活させる工程である。
なお、野菜原料を破砕処理した後に、裏ごし工程を設けたり、酵素を添加・混合したペーストを所定量ずつ包装用容器に充填して、このまま酵素反応させたり、酵素失活処理したり、さらに、酵素失活処理の後に、冷却工程を設けることもできる。
以下に、原料野菜としてジャガイモの場合の実施の形態によるポテトペーストの製造方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のポテトペーストの製造方法を実施するための製造システムを示すブロック図である。このポテトペーストの製造システムAは、原料イモの洗浄装置11と、原料イモの皮剥き装置12と、過熱水蒸気加工装置13と、チョッパ装置14と、裏ごし装置15と、酵素添加・混合装置16と、計量・充填装置17と、失活加熱装置18と、冷却装置19と、凍結装置20と、包装装置21と、を備えて構成される。
この図1では、各装置11〜21は、ポテトペーストの製造工程順に配列して示している。
これらのうち洗浄装置11は、例えば円筒状の多孔板や網などを有し、内部に原料イモを投入して、水中で回転させることができる回転ドラムのようなものが用いられる。原料イモの表面に付着している土や汚れは、この回転ドラムの回転により水中で自動的に洗い落とされる。
皮剥き装置12は、洗浄されたイモの皮を自動的に剥く装置であり、業務用や家庭用に開発されたいずれの装置も採用可能である。例えば、富山市の株式会社アブコ製のM−1号型を挙げることができる。
なお、この皮剥き処理および前記洗浄処理は、必要に応じて手作業で実施するものとすることができる。
過熱水蒸気加工装置13は、例えばガス化した300〜330℃の高温の過熱水蒸気を原料イモに吹き付けて、この原料イモを柔らかく過熱処理(加熱調理)するものである。このガス化した過熱水蒸気の加熱調理により原料イモは、短時間で加熱調理されるため、品質、風味、旨味を低下させることなく、しかもこの過熱処理によって原料イモ表面の細胞を収縮させることで、原料イモ内部からのイモ独自の旨みや栄養成分が流出することを回避して調理することができる。また、前記細胞の収縮によって、イモ内部の旨みを凝縮して、保持して調理することができる。この過熱水蒸気処理によって、過熱水蒸気処理を行わない場合に比べて、その後に得られるイモの品質に大きな違いを生むこととなる。
過熱水蒸気加工温度は通常の煮炊温度に比べて前述のように格段に高いため殺菌力が強く、従ってイモ製品の日持ちを十分に長くすることができる。この殺菌処理したイモ原料からなるポテトペーストに酵素を添加・混合して酵素反応させることにより、酵素失活後のポテトペーストの退色を少なくすることができる。前記過熱水蒸気加工装置13としては、第1加熱部で水を水蒸気とし、この水蒸気を第2加熱部で高温のガス化した過熱水蒸気とする装置を例示でき、第2加熱部としては、誘導加熱装置を熱源として用いるものが例示でき、例えば、広島市の株式会社岩井商会製のものを挙げることができる。
チョッパ装置15は、過熱処理した原料イモを破砕する装置であり、例えばミートチョッパと呼ばれるものが用いられる。このチョッパ装置には、例えば、花木製作所製造のチョッパN‐42シリーズなどがある。
裏ごし装置15は、チョッパ装置14により破砕して練り潰したポテトペーストを、例えば所定メッシュ(粒度)に裏ごしするように機能する。
酵素添加・混合装置16は、裏ごししたポテトペーストに対してアミラーゼ酵素などの酵素の添加と混合を行うように機能する。
計量・充填装置17は、酵素が混合されたポテトペーストを計量して、所定量ずつ包装用袋や包装用箱に充填するように機能する。
失活加熱装置18は、包装用袋内や包装用箱内で酵素反応中のポテトペーストを所定温度以上に加熱して、その酵素反応を失活させるように機能する。ここでは加熱水蒸気による加熱またはボイルによる加熱で行うことができる。
冷却装置19は、失活によって高温になったポテトペーストを急速に冷却するように機能する。この急速冷却により、ポテトペーストの品質の低下を抑え、製造効率を高めることができる。
冷凍装置20は、こうして冷却されたポテトペーストをさらに冷凍することにより、長期保存を可能にしている。
包装装置21は、冷凍した前記包装済みのポテトペーストを、さらに出荷可能に包装するものである。
次に、前記ポテトペーストの製造手順を、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、皮剥き装置12を用いて洗浄済みの原料イモの皮を剥く(ステップS1)。このとき、芽や傷が残らないように、必要に応じ手作業を加えるなどして確実に剥ぎ取る。皮を剥いた原料イモを過熱水蒸気加工装置13に送って、その原料イモに高温のガス化した過熱水蒸気を吹き付ける。これにより原料イモは過熱水蒸気に晒されて短時間で全体に加熱処理されて柔らかくなる。
そこで、この柔らかくなった原料イモをチョッパ装置14により破砕し(ステップS3)、さらに裏ごし装置15により所定粒度以下となるように裏ごし処理をして(ステップS4)、口当たりが滑らかで柔らかいポテトペーストを作る。この裏ごししたポテトペーストの温度が例えば50〜55℃である場合に、そのポテトペースト中にアミラーゼ酵素を添加して、さらに双方を混合する(ステップS5)。アミラーゼ酵素の添加量は、ポテトペーストに対し0.01〜0.5重量%である。例えば、ポテトペースト10kgに対しアミラーゼ酵素1g〜50gの添加量となる。アミラーゼ酵素としては、天野エンザム株式会社のピオザイムシリーズAおよび10SDを例示できる。なお、仮にポテトペーストの温度が低下した場合でも、50〜55℃に上げた上で酵素を添加・混合することにより、酵素反応を開始させることができる。なお、酵素が働く温度は60℃以下であり、50〜55℃が好ましい。
また、酵素の添加(投入)はバッチ式の添加・混合装置において10〜15kgのポテトペーストに0.01〜0.5重量%の酵素を添加してへら等を用いて攪拌、混合してもよいが、ポテトペースト量が多い場合には、例えばミートミキサーと呼ばれる添加・混合装置などを用いることが好ましい。
前記ポテトペーストにおける酵素反応の時間は、どのようなペースト化製品を製造するのかや酵素の添加率などによって異なり、例えば10〜180分とする。なお、前記の50〜55℃の温度環境とするために、恒温器や恒温水槽を使用する。
計量・充填装置19では、酵素混合後のポテトペーストを包装に適する所定量ずつ計量し、計量したポテトぺースト業務用タイプの包装用袋や末端ユーザ用の包装用箱に充填する(ステップS7)。この充填および酵素反応の工程は、酵素反応後に充填する方法と、酵素を投入して袋等に充填した上で酵素反応させる方法とがある。
次に、袋等に充填したポテトペーストに対し酵素失活の加熱処理を行う(ステップS8)。この酵素の失活をボイルで行う場合には、93℃以上で10〜20分間にし、加熱水蒸気加熱の場合には、略120℃で10〜20分間とする。そして、失活のための加熱処理によって、酵素が失活したイモを急速冷却し(ステップS9)、さらに冷凍処理を行って(ステップS10)、冷凍状態のポテトペーストを商品としての取引や販売に適する容器内に収納するようにして包装する(ステップS11)。
図3は、ポテトペーストの他の製造手順を示すフローチャートである。
ここでは、先ず、原料イモを皮付きのまま洗浄する(ステップS21)。この洗浄は自動洗浄のほかに、必要に応じて手作業で行うこともできる。洗浄した皮つきの原料イモに過熱水蒸気加工装置において高温のガス化した過熱水蒸気を吹き付けて、この原料イモの過熱処理を行う(ステップS22)。
次に、この過熱処理によって柔らかくなった原料イモの皮を、皮剥き装置を用いて分離する(ステップS23)。この皮を分離した後の柔らかい原料イモを破砕処理(ステップS24)した後、そのまま使って、または裏ごし装置にかけて裏ごしした上で(ステップS25)、酵素添加・混合装置に送る。この酵素添加・混合装置ではアミラーゼ酵素の添加、混合を行う(ステップS26)。
この酵素添加・混合処理に並行して、ポテトペーストの計量と包装用袋や包装用箱への充填とを行って、定量宛シールする。この状態で酵素反応を促進し(ステップS27)、所定時間後に酵素失活のために前述のような加熱処理を実施する(ステップS28)。この酵素失活後は、前述のステップS9〜S11と同様に、高温のポテトペーストを冷却し(ステップS29)、さらに冷凍処理を行った上で(ステップS30)、包装を行う(ステップS31)。
なお、この場合のポテトペーストの製造は、図1に示す製造システムの各装置を並べ替えて作動順序を調整することにより、容易に実施することができる。
このように本発明では原料イモの洗浄、皮剥き、過熱水蒸気による加熱処理、破砕処理、裏ごし処理、酵素の添加・混合処理、酵素の失活処理、冷却、冷凍などの各工程を経ることで、外観および食味の良好なポテトペーストが容易に得られる。特に過熱水蒸気による短時間での加熱処理によって原料イモは旨みや栄養成分の流出を抑えた加熱処理が可能であり、品質および外観上濃い黄色で艶を維持できる。また、味覚的には酵素分解による糖類比率の上昇によって、コクがあり、甘さが良好で、たんぱく質との相乗効果によりイモ本来の風味、栄養価が得られる。また、得られたポテトペーストはそのままで、または菓子や加工食品の材料として広く利用可能である。
このように、本実施形態では、洗浄した原料イモの皮を自動皮剥き装置により剥き、蒸気発生装置が発生する過熱水蒸気により皮剥きされた前記原料イモを過熱処理し、過熱処理された原料イモをチョッパ装置により破砕し、破砕処理された均一メッシュ以下のイモを裏ごし装置により裏ごしし、ポテトペーストとした上で酵素を添加・混合し、酵素が混合されたこのポテトペーストを計量し、計量・充填装置により包装用袋または包装用箱に所定量充填し、包装用袋または包装用箱に充填されたポテトペーストを加熱することにより前記酵素を失活させ、失活処理されたポテトペーストを冷却装置により冷却することにより、原料イモの表面の細胞を収縮させて、イモ内の味や栄養の成分の流出を回避でき、また、高熱処理にて甘みを凝縮させて全体として色合い、柔らかさ、甘さやコク、さらには風味のあるポテトペーストを得ることができる。
また、他の実施形態では、洗浄した皮付きの原料イモを過熱水蒸気加工装置が発生する過熱水蒸気により過熱処理し、過熱処理されたイモの皮を自動皮剥き装置により剥ぎ、皮が剥かれたイモを破砕処理し、これを裏ごし装置により所定の均一な品質に裏ごしし、または裏ごししないで、得られたポテトペーストに酵素を添加・混合し、酵素が混合されたポテトペーストを計量し、所定量を包装用袋または包装用箱に充填、密封して酵素の反応を促進し、包装用袋または包装用箱に充填されたポテトペーストを加熱することにより前記酵素を失活させ、失活処理されたポテトペーストを冷却装置により冷却する。これにより、原料イモの皮剥き工程と過熱水蒸気加熱工程とを入れ替え、酵素添加・混合工程をポテトペーストの袋内への充填、計量、シールの工程と並行して実施することで、前記同様にイモの味や栄養成分の流出を回避しながら、高熱処理によってポテトペーストの甘みを凝縮させて、全体として色合い、柔らかさ、甘さやコク、さらには風味を十分に高めることができる。
本発明は、野菜原料の過熱水蒸気工程および酵素反応によって、色合いや柔らかさ、良好な味覚や風味が得られる野菜ペーストを製造できるという効果を有し、各種野菜原料の野菜ペーストの製造方法等に有用である。
本発明にかかるポテトペーストの製造方法を実施するための製造システムを示すブロック図である。 本発明にかかるポテトペーストの製造方法を実施する手順を示すフローチャートである。 本発明にかかるポテトペーストの製造方法を実施する他の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
11 洗浄装置
12 皮剥き装置
13 過熱水蒸気加工装置
14 チョッパ装置
15 裏ごし装置
16 酵素添加・混合装置
17 計量・充填装置
18 失活加熱装置
19 冷却装置
20 凍結装置
21 包装装置

Claims (5)

  1. 前処理した野菜原料を過熱水蒸気加工装置を用い過熱水蒸気による加熱処理をした後、チョッパ装置で破砕処理してペースト状とし、これに酵素を添加・混合し、所定時間の酵素反応の後に酵素を失活させる酵素失活処理をすることを特徴とする野菜ペーストの製造方法。
  2. 野菜原料を、洗浄、不要部分の除去等の前処理をする前処理工程と、
    過熱水蒸気加工装置による加熱水蒸気によって前処理された前記野菜原料を加熱処理する過熱処理工程と、
    過熱処理された野菜原料をチョッパ装置により破砕してペースト状とする破砕処理工程と、
    計量・充填装置によって酵素が混入された前記野菜ペーストを計量し、所定量を包装用容器に充填する計量・充填工程と、
    包装用容器に充填された野菜ペーストを失活加熱装置によって加熱することにより前記混入された酵素を失活させる酵素失活工程と、
    失活処理された前記野菜ペーストを冷却装置によって冷却する冷却工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の野菜ペーストの製造方法。
  3. 前記破砕処理工程の次に破砕処理されたペースト状の野菜原料を裏ごし装置によって所定の均一な野菜ペーストに裏ごしする裏ごし工程が設けられることを特徴とする請求項2記載の野菜ペーストの製造方法。
  4. 前記野菜原料は、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類、カボチャ、豆類、人参、ゴボウ、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラのいずれかである請求項1または2記載の野菜ペーストの製造方法。
  5. 前記酵素は、アミラーゼ酵素またはセルラーゼ酵素、あるいはアミラーゼ酵素とセルラーゼ酵素の併用である請求項1または2記載の野菜ペーストの製造方法。
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