JP2009296740A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する内筒と、前記内筒の外周面に環状連結部を介して連結すると共に、傾斜壁部を備えた外筒とを備え、前記外筒は傾斜壁部の大径端側に軸線方向と平行の厚肉部を連続させると共に、該厚肉部との境界部の外周面に車体係止凹部を環状に設け、前記傾斜壁部の外周面に小径端から大径端にかけて段状の突条を周方向に間隔をあけて放射状に突設し、各段状の突条の先端を前記車体係止凹部の側面先端に位置させ、該突条の頂面を車体係止凹部の側面先端に向けて傾斜させた第1傾斜面を設けると共に、該第1傾斜面を挟む突条の両側面も傾斜させて第2、第3傾斜面として、該突条の先端部を3面カットの傾斜面としている。
【選択図】図1
Description
特開2002−171647号公報で提供したワンモーション型のグロメット100は、図9(A)に示すように、エンジンルーム(X)と車室(Y)を仕切る車体パネル2の貫通穴3に、エンジンルーム(X)よりグロメット100に貫通して固着したワイヤハーネスW/Hを押し込む操作だけで、グロメット100の外周面に設けた車体係止凹部101を貫通穴3の周縁に係止し、ワイヤハーネスW/Hを車室(Y)に引き出している。即ち、車体パネル2を挟んでエンジンルーム(X)側がワイヤハーネスの押込側P1、車室(Y)側がワイヤハーネスの引出側P2となる。
車体パネル2の貫通穴3への貫通・装着作業時には、小径筒部103を貫通穴3に挿入し、押込側P1からワイヤハーネスW/Hを押し込み、拡径筒部104の傾斜部分を内方に撓ませて変形させ、車体係止凹部101に貫通穴3の周縁を落とし込むことでグロメット1を車体2に係止している。
其の際、拡径筒部104の傾斜した外周面には周方向に段状の突条105を設けて貫通穴3の内周面との接触面積を減少して挿入抵抗を低減している。かつ、図9(B)に示すように、車体係止凹部101の側面101aの先端に達する方向に向けて突条105の突出量を減少し、側面101aの先端位置では突条105の突出量をゼロとしている。
しかしながら、グロメットの貫通穴への挿入作業時、グロメットの中心軸線を貫通穴3の軸心と一致させて真っすぐに挿入することは難しく、グロメットはある程度は傾いて挿入される。その場合、貫通穴に対して車体係止凹部が傾いた状態となり、突条の側面のエッジが貫通穴の周縁に引っ掛かりやすい問題がある。特に、貫通穴の周縁からバーリングが突出したバーリング穴の場合、バーリングの先端が突条の側面に引っ掛かりやすい。よって、貫通穴は車体係止凹部にスムーズに落とし込みにくく、かつ、突条に損傷が生じやすい問題がある。
前記ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する内筒と、
前記内筒の外周面に環状連結部を介して連結すると共に傾斜壁部を備えた外筒を備え、
前記外筒は、前記傾斜壁部の大径端側に軸線方向と平行の厚肉部を連続させ、該厚肉部との境界部の外周面に車体係止凹部を環状に設け、かつ、前記傾斜壁部の外周面に小径端から大径端にかけて段状の突条を周方向に間隔をあけて放射状に突設し、
前記各段状の突条の先端を前記車体係止凹部の側面先端に位置させ、各突条の段状の頂面を車体係止凹部の側面先端に向けて傾斜させた第1傾斜面を設けると共に、該第1傾斜面を挟む突条の両側面を傾斜させて第2、第3傾斜面として、該突条の先端部を3面カットの傾斜面としていることを特徴とするグロメットを提供している。
このように、貫通穴の内周面と接触する位置から突条を3面カットとすると、挿入力の低減と、前記貫通穴の周縁との引っ掛かりが無くなることの両方の作用で、よりスムーズに車体係止凹部で貫通穴の周縁を係止することができる。
前記突条は周方向に所要幅を有する段状の突起と、これら突条の頂面を貫通穴の内周面と面接触させてグロメットを安定姿勢で挿入できるようにしている。其の際、接触面積が小さい程、挿入抵抗を低減して挿入力の低下を図ることができるが、突条の接触面積が小さいと、グロメットが傾いた際に突条を設けていない部分に貫通穴の内周面が接触することになる。この両者の相関関係より、突条の本数および接触面積が最適となるように設定しており、この観点から、前記突条は4〜8本、好ましくは6本としている。
前記傾斜壁部の小径端に前記内筒の軸線方向と平行に延在する引出先端側筒部を設け、該引出先端側筒部の内周面と内筒の外周面との間に前記切り離された空間をあけてもよい。
この切り離し型としたグロメットでは、グロメットから引き出されて車室側に配索されるワイヤハーネスが90度近く急激に屈曲され、内筒が屈曲されても、外筒に直接的に内筒の変形を伝達させないようにすることができる。また、内筒の引出端側から距離をあけた長さ方向の中間位置から環状連結部を介して外筒と連結しているため、内筒の変形は環状連結部でも吸収でき、外筒の大径端側に設けた車体係止凹部に変形の影響を与えないようにすることができる。
また、該環状連結部を薄肉としていると共に、径方向に突出させずに、傾斜させて突出させいるため、内筒がワイヤハーネスの曲げにより変形した時に環状連結部で変形を吸収させて外筒に変形の影響を及ぼさないようにしている。これにより、押込側のエンジンルーム側でワイヤハーネスが急激に曲げられても、環状連結部で変形を吸収し、外筒に設けた車体係止凹部を変形させないようにすることができる。
また、前記押しリブは全周に連続して設けると、傾斜壁部へ伝える押し込み力を均等に作用させることができるために好ましい。但し、グロメットにケーブルやホースを貫通する場合には、これらの貫通部分では分断している。
また、押しリブの肉厚は前記環状連結部の肉厚の2〜4倍とし、かつ、前記傾斜壁部の肉厚より大としていることが好ましい。
図1乃至図7に、本発明のグロメットの第一実施形態を示す。
グロメット1は、図6に示すように、自動車のエンジンルーム(X)から車体パネル2に設けた貫通穴3を通して車室(Y)へと配索されるワイヤハーネスW/Hに装着し、貫通穴3の周縁に係止して車体に取り付けるものである。グロメット1をエンジンルーム側からの押し込み操作で貫通穴3を通して車体に取り付けるワンモーション型のグロメットとし、グロメット1の一端は押込側P1、他端は引出側P2となる。グロメット1はゴムまたはエラストマーで一体成形している。
ワイヤハーネスW/Hの電線群を密着させて貫通する小径の内筒5と、該内筒5の両端の押込側5P1と引出側5P2に挟まれる長さ方向中間部の外周面5aから突出する環状連結部6と、該環状連結部6の外周に連続する大径の外筒8を備えている。
外筒8は環状連結部6の外周との連続位置から引出側P2へと延在し、該連続位置に設けた厚肉部9を設け、厚肉部9に連続して引出側P2へ縮径する傾斜壁部11を延在している。厚肉部9と傾斜壁部11の大径端との境界に車体係止凹部10を外周面に環状に開口して設けている。また、傾斜壁部11の小径端に内筒5の軸線方向と平行に延在する引出先端側筒部12を連続させている。
前記屈曲部11cでは突条15を周方向の連続させた仮想外径を車体パネル2の貫通穴3の内径と同等としている。
即ち、突条15の頂面15aを車体係止凹部10の引出側面10bの先端に向けて傾斜させた第1傾斜面15cと、該第1傾斜面15cを挟む突条15の両側面15d、15eも傾斜させて第2傾斜面15f、第3傾斜面15gとし、突条15の先端側を3面カットの傾斜面から構成している。
また、突条15では、図5に示すように、その内周面を窪ませて設けた凹部15hを突条の長さ方向全長に設け、突条15を撓みやすくしている。
即ち、前記図9に示す従来のグロメット100では、拡径筒部の小径側を小径筒部と連続させていたのに対して、本発明のグロメットでは拡径筒部に対応する外筒8の大径側を環状連結部6を介して内筒5と連結している。
押しリブ18を肉厚としているのは、グロメット1を車体パネル2の貫通穴3に押し込む挿通作業時に、押しリブ18の突出端18aが傾斜壁部11の内周面に当接し、押し込み力を外筒8に伝達する役割を持たせていることによる。また、グロメット1を車体パネル2に取り付けた状態で、押しリブ18の突出端18aは傾斜壁部11の内周面と当接するように突出端18aと傾斜壁部11の内周面に近接させている。これにより、押しリブ18、内筒5、環状連結部6、外筒8に囲まれた遮音空間Bを形成できるようにしている。
グロメット1の貫通穴3への挿入作業は、エンジンルーム(X)側から貫通穴3に内筒5の引出端5P2を挿入し、エンジンルーム(X)側から、グロメット1に取り付けてワイヤハーネスW/Hを作業員が持ってグロメット1を押し込んでいく。この一方側からの押し込み操作のみのワンモーションでグロメット1を貫通穴3に挿入係止している。
しかしながら、内筒5の押込側P1から引き出されるワイヤハーネスW/Hを作業員が持って押し込み作業すると、ワイヤハーネスW/Hに密着した内筒5が引き出し方向のP2側に前進する。該内筒5の移動により、内筒5に連結した環状連結部6の押しリブ18も外筒5の傾斜壁部11の内面に向けて前進し、その突出端18aは傾斜壁部11の内周面に突き当たる。このように、傾斜壁部11が押しリブ18により押されて前進するため、傾斜壁部11を設けた外筒が貫通穴3を通して車室(Y)側へと前進する。
ワイヤハーネスW/Hが90度下向きに屈曲された場合、ワイヤハーネスW/Hを密着して貫通すると共にテープ40で固着された内筒5は、ワイヤハーネスW/Hの曲げに追従し、引出端5P2側では下向きに曲がることとなる。
ワイヤハーネスが90度等に急激に曲げられた場合、内筒5と連結した環状連結部6を介して外筒8に曲げが伝達することになるが、その場合も、V形状とした薄肉の環状連結部6で変形を吸収する。
さらに、車体係止凹部10を設けた部分の内周面に連続する傾斜壁部11の内周面に凹部を設けず軸線方向と平行面11hとして、車体係止凹部10の支持力を高めている。よって、車体係止凹部10に浮き上がりを防止してシール性を確保することができる。
グロメット1−1は、前記図8に示すグロメット100と同様に、引出側P2で傾斜壁部の小径端を内筒50に連結した連結タイプのグロメットである。
前記第一実施形態の内筒に対応する小径筒部50と、外筒に対応する拡径筒部51の傾斜壁部52の小径端とを、環状連結部53を介して連結している。
前記傾斜壁部52には第一実施形態と同様に傾斜壁部52に屈曲部52cを設け、かつ、小径端から大径端に向けて段状に突出した突条15を放射状に設けている。
該突条15の大径側に第一実施形態と同様に、第1傾斜面15c、第2傾斜面及び第3傾斜面(図示せず)を設け、3面カットの傾斜部としている。
前記車体係止凹部10の底面側と対向する拡径筒部51の内周面から薄肉とした閉鎖面部56(56A、56B)を突設し、該閉鎖面部56の中央を直径方向に分割して、ワイヤハーネス挿通部分している。該閉鎖面部56は薄肉として断面V形状として押込側P1に突出させている。
閉鎖面部56からワイヤハーネスに密着してテープ巻きする半割りの小径筒部55(55A、55Bを突設すると共に、給水ホース用ガイド管58およびオープナーケーブル用ガイド管(図示せず)を突設している。
また、ワイヤハーネスが曲げられて、小径筒部55が屈曲しても、該小径筒部55は環状連結部56を介して傾斜壁部52と連結しているため、閉鎖面部56で曲げを吸収でき車体係止凹部10は曲げに追従せず浮き上がりを防止できる。
2 車体パネル
3 貫通穴
5 内筒
6 環状連結部
8 外筒
9 厚肉部
10 車体係止凹部
11 傾斜壁部
11h 平面部
15 突条
15a 頂面
15c 第1傾斜面
15f 第2傾斜面
15g 第3傾斜面
18 押しリブ
Claims (6)
- 車体に設けた貫通穴に挿通するワイヤハーネスに外装し、前記車体に係止する弾性体からなるグロメットであって、
前記ワイヤハーネスの電線群を密着させて貫通する内筒と、
前記内筒の外周面に環状連結部を介して連結すると共に傾斜壁部を備えた外筒を備え、
前記外筒は、前記傾斜壁部の大径端側に軸線方向と平行の厚肉部を連続させ、該厚肉部との境界部の外周面に車体係止凹部を環状に設け、かつ、前記傾斜壁部の外周面に小径端から大径端にかけて段状の突条を周方向に間隔をあけて放射状に突設し、
前記各段状の突条の先端を前記車体係止凹部の側面先端に位置させ、各突条の段状の頂面を車体係止凹部の側面先端に向けて傾斜させた第1傾斜面を設けると共に、該第1傾斜面を挟む突条の両側面を傾斜させて第2、第3傾斜面として、該突条の先端部を3面カットの傾斜面としていることを特徴とするグロメット。 - 前記外筒の傾斜壁部および突条は、前記車体の貫通穴の内径と対応する外径位置で傾斜角度を変えた屈曲部を設け、該屈曲部から大径側の傾斜角度を小径側より小さく、前記第1〜第3傾斜面は前記屈曲部から車体係止凹部に達する大径側に設け、
かつ、第1〜第3傾斜面同士の接合ラインおよび第2、第3傾斜面と頂面との接合ラインにアールを付けている請求項1に記載のグロメット。 - 前記第1〜第3傾斜面の頂面に対する傾斜角度は30度〜60度とし、かつ、突条の本数は4〜8本としている請求項1または請求項2に記載のグロメット。
- 前記内筒の両端の押込側と引出側に挟まれた長さ方向中間部の外周から前記環状連結部を突設し、該連結部の外周端に前記外筒の厚肉部を連続させ、該外筒の傾斜壁部の小径端側内周面は前記内筒の外周面と空間をあけて切り離し、該内筒の引出側は前記傾斜壁部より外方へ突出している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグロメット。
- 前記環状連結部は前記内筒との連結点より前記押込側に向けて傾斜して突出し、該環状連結部の傾斜部から前記外筒の傾斜壁部の内面に向けて押しリブを突設し、該押しリブが当接する前記傾斜壁部の位置より前記屈曲点側に前記曲げ応力吸収部を設けている請求項4に記載のグロメット。
- 前記傾斜壁部の小径端を環状連結部を介して前記内筒に連結している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグロメット。
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