JP2009280669A - Rtm成形繊維強化複合材料、およびその製造方法 - Google Patents

Rtm成形繊維強化複合材料、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたマイクロクラック耐性を有し、かつ、一定疲労付与後の圧縮特性に優れたRTM成形繊維強化複合材料を提供すること。
【解決手段】エポキシ樹脂を含む主剤とエポキシ樹脂を硬化させうる成分を含む硬化剤とからなり、180℃の温度下で2時間硬化した硬化物について、ASTM D5045−93に従って測定された25℃での破壊靭性(GIc)が100〜200J/mのエポキシ樹脂組成物を、弾性率が200〜400GPaである炭素繊維を積層してなるプリフォームに注入含浸して加熱硬化されてなる繊維強化複合材料であり、23℃環境下での有孔板圧縮強度が220〜300MPaであることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材などに好適に用いられる繊維強化複合材料に関するものであり、より詳しくは優れた長期疲労特性を有し、環境疲労特性に優れている繊維強化複合材料に関するものである。
従来、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの強化繊維と不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂などの熱硬化性樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度、剛性、耐衝撃性、耐疲労性などの機械物性や耐熱性、さらには耐食性に優れるため、航空機、宇宙機、自動車、鉄道車両、船舶、土木建築、スポーツ用品などの数多くの分野に応用されてきた。特に高性能が要求される用途では、連続した強化繊維を用いた繊維強化複合材料が用いられ、強化繊維としては炭素繊維が、マトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂、なかんずくエポキシ樹脂が多く用いられている。
しかしながら、エポキシ樹脂は脆性材料であり破壊靭性(GIc)が低いことが知られている。破壊靭性(GIc)が低いと繊維強化複合材料の疲労特性や耐衝撃性が低下し、加熱成形時に発生する熱応力や熱サイクル試験(環境疲労試験)によりクラックが発生し、機械物性を低下させるなどの不利な性質をもたらす恐れがある。特に航空機用構造部材の場合、高いガラス転移温度が要求されるため成形温度が高く、繊維強化複合材料中に発生する熱応力が大きく、かつ適用環境温度が非常に低温度まで及ぶため、高い熱疲労特性が必要とされており、マトリックス樹脂の靭性向上が必須である。繊維強化複合材料からなる構造材料は、その使用環境の厳しい環境負荷によって、外見上顕著な損傷が認められない場合でもマイクロクラックを起点として複合材料内部に割れやトランスバースクラックを生じる。これが著しいと繊維強化複合材料の一定疲労付与後の圧縮特性が著しく低下するため構造材料として安全性を確保するため構造材料を厚く設計する必要があるために、構造部材の重量が増加し燃費効率の低下が顕著であるため、特に重視される特性となっている。
特に航空機用構造材料においては、上限温度71℃から下限温度−54℃における環境下において、離着陸を繰り返すので、この温度領域でのマイクロクラック耐性が重要視され、5年間の就航における保証の目安が条件A((温度上限値71℃、温度下限値−54℃、各温度での保持時間3分間、昇降温速度1分間に10℃)による熱サイクル試験の2000サイクル試験に相当するので、この条件下での試験結果が重要視されている。前記条件における熱サイクル試験において、2000サイクルの時点でマイクロクラック発生数が10個以上であった場合には、密集して発生したマイクロクラックが、繰り返し負荷を受けることによって隣接するクラックと結合し、繊維束を横断するクラック、所謂トランスバースクラックへと成長し、一定疲労付与後の圧縮特性が著しく低下する。
レジン・トランスファー・モールディング(Resin Transfer Molding、RTMと略記する。)成形を用いる繊維強化複合材料においては、積層された強化繊維基材の隙間がレジンリッチとなるために樹脂の硬化収縮の影響を顕著に受けるため、熱サイクル試験の実施後に、マイクロクラックが10個以下となるような炭素繊維複合材料を開発するのは困難であったが、これを構造材に用いる場合には、燃費効率を向上するとともに、安全性と長期耐久性を保障するために、マイクロクラック耐性に優れた炭素繊維強化複合材料の開発が望まれていた。
マイクロクラック耐性を向上させるためには、樹脂の破壊靱性(GIc)を高め、厳しい環境条件下でのマイクロクラック発生を抑制することが有効であり、破壊靱性(GIc)を高めるための成分として熱可塑性樹脂成分を加えることが有効である。繊維強化複合材料の成形技術の一つであるプリプレグ法では、熱可塑性樹脂を付与したプリプレグを積層し硬化させる手法でこの課題が解決された。プリプレグに付与する熱可塑性樹脂の形態には、特許文献1〜14に示すように様々な提案がなされている。
ところで、近年の繊維強化複合材料の動向として、プリプレグのような中間体を経由せず、強化繊維基材に直接液状の熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化させるRTM法の適用拡大が挙げられる。RTM法は、成形コスト低減のポテンシャルを有するためにその適用が拡大されている。他面、RTM法においては、樹脂は注入させる際に低粘度の液状でなければならないという樹脂設計上の制約があり、このためプリプレグ法にくらべてエポキシ樹脂硬化物の靱性が一般に低くなってしまう傾向があり、RTM法においてもプリプレグ法と同様にマイクロクラック耐性を高めるために熱可塑性樹脂を用いる方法が考えられるが、注入樹脂に直接熱可塑性樹脂成分を加えたのでは粘度が大幅に高くなり、プロセスが成立しない。従って、この様なプロセスと機械特性というトレードオフの問題を解決し、靱性を大きく向上させる技術が望まれていた。
欧州特許出願公開第0366979号明細書 欧州特許出願第0496518号明細書 特開平01−320146号公報 特開平05−287091号公報 欧州特許出願第0274899号明細書 欧州特許出願第0707032号明細書 米国特許第4874661号明細書 欧州特許出願第0488389号明細書 特開平08−176322号公報 特開平02−032843号公報 欧州特許出願第0657492号明細書 特開平08−048796号公報 特開2008―13711号公報 特開平11−279261号公報 特開2003−26820号公報 特表2002−522764号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、該エポキシ樹脂硬化物の靭性が非常に優れ、かつ、優れた一定疲労付与後の圧縮特性を有し、耐マイクロクラック(環境疲労)耐性に優れた繊維強化複合材料を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の繊維強化複合材料は、(A)主剤100重量部に対し、20〜70重量部の、1分子中にエポキシ基を3個以上、かつフェニル基を1個以上有するエポキシ樹脂、(B)主剤100重量部に対し、1〜40重量部の、1分子中にエポキシ基を2個、かつフェニル基を1個以上有するエポキシ樹脂、(C)硬化剤100重量部に対し、50〜99重量部の液状の芳香族ポリアミン、(D)主剤100重量部に対し、0.5〜10重量部の、少なくとも一種類以上のコアシェル構造を有し、コア成分のガラス転移温度が−60℃以下であるポリマー粒子、を有してなる主剤と硬化剤からなり、180℃で2時間熱硬化させた硬化物の23℃環境下での破壊靱性(GIc)が100〜200J/mであるエポキシ樹脂組成物を、弾性率が200〜400GPaである炭素繊維または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームに注入含浸して加熱硬化されてなる繊維強化複合材料であり、かつ、該繊維強化複合材料は、ASTMD6484に準拠し、23℃環境下において測定された、有孔板試験片の長手方向に最大荷重150MPa、最小荷重15MPa、応力比R=10、周波数5Hzの正弦波によって、繰り返し定荷重圧縮負荷を試験片に10回付与した後の有孔板圧縮強度(Open Hole Compressive Strength、OHCと略記する。)が220〜300MPaの範囲であることを特徴とする繊維強化複合材料である。
本発明の繊維強化複合材料の好ましい態様によれば、前記構成要素(A)、(B)、(D)を含む主剤、前記構成要素(C)を含む硬化剤は、2液型であることを特徴としており、それらを混合してから15分後において、70℃で測定した粘度が300mPa・s以下である。さらに、本発明の繊維強化複合材料の好ましい態様によれば、前記硬化剤は均一溶解された液状であり、70℃で測定した粘度が150mPa・s以下であること、また、前記主剤は70℃で測定した粘度が300mPa・s以下であることである。
ここで、70℃における該混合物、硬化剤、主剤の粘度の測定は、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装備したE型粘度計((株)トキメック製、TVE−30H)を使用して、回転速度50回転/分にて行われる。
また、本発明の繊維強化複合材料の好ましい態様によれば、該主剤と該硬化剤を混合した混合物を180℃の温度下で2時間加熱硬化した硬化物について、曲げ弾性率が2.7〜4.0GPaの範囲にあるものである。
本発明の繊維強化複合材料のさらに好ましい態様によれば、前記コアシェル構造を有するポリマー粒子の体積平均粒子径が300ナノメートル以下であるものであり、該コアシェル構造を有するポリマーのコア部が、共役ジエン系モノマー、または、アクリルあるいはメタクリル酸エステル系モノマーの少なくとも1種から構成される架橋ポリマーである。また、本発明の繊維強化複合材料のさらに好ましい態様によれば、強化繊維の体積含有率が50〜65%の範囲である。
さらに、本発明の繊維強化複合材料の好ましい製造方法は、型内に配置された強化繊維からなる繊維基材に、該レジン・トランスファー・モールディング用二液型エポキシ樹脂組成物を注入して含浸させた後、加熱硬化させる、いわゆるRTM法である。
RTM成形法で作られた従来の繊維強化複合材料には、プリプレグ法に比べてレジンリッチ部分が多くエポキシ樹脂硬化物の破壊靱性(GIc)が一般に低いために、そこを起点としてクラックが発生しやすいという問題点を抱えていた。これらのRTM成形繊維強化複合材料に環境疲労負荷を与えた場合に、マイクロクラックの累計は100個以上あり、一定疲労付与後には、密集して発生したマイクロクラックが、繰り返し負荷を受けることによって隣接するクラックと結合し、繊維束を横断するトランスバースクラックへと成長し、23℃環境下での一定疲労付与後有孔板圧縮強度が著しく低下する。
しかしながら、本発明の繊維強化複合材料は、前記特定の組成を有するエポキシ樹脂組成物を用いているので、優れた成形性を有し、かつ、該エポキシ樹脂硬化物の破壊靭性(GIc)が非常に優れ、耐マイクロクラック(環境疲労)耐性を有しており、該繊維強化複合材料に環境疲労負荷を与えた場合に、マイクロクラックの発生は累計10個以下に抑えられる。その結果として、それぞれのマイクロクラック同士が連結しないため、優れた長期疲労特性を有しており、一定疲労付与後有孔板圧縮強度が、220〜300MPaであり、優れた設計強度が確保される。このため、本発明の繊維強化複合材料は、構造材料を薄く設計することが可能であり、燃費効率の向上が顕著である。
また、構造材料のなかでも特に、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材などの構造部材に好適に使用することが出来る。
本発明の繊維強化複合材料は、エポキシ樹脂を含む主剤とエポキシ樹脂を硬化させうる成分を含む硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物の、180℃の温度下で2時間硬化した硬化物について、ASTM D5045−93に従って測定された25℃での破壊靭性(GIc)が100〜200J/m2であり、該エポキシ樹脂組成物と、弾性率が200〜400GPaである炭素繊維強化繊維基材を積層してなるプリフォームに注入含浸されており、かつ、交差積層された該プリフォームから得られる厚さ1〜3mmの該繊維強化複合材料について、ASTM D6484に準拠し、23℃条件下において測定された、有孔板試験片の長手方向に最大荷重150MPa、最小荷重15MPa、応力比R=10、周波数5Hzの正弦波によって、繰り返し定荷重圧縮負荷を試験片に10回付与した後の有孔板圧縮強度が220〜300MPaであることを特徴とするものである。
本発明において、主剤を構成するエポキシ樹脂の構成要素(A)は、1分子中にエポキシ基を3個以上、かつフェニル基を1個以上有していることが必要である。1分子中にエポキシ基が3個未満の場合、主剤と硬化剤を混合した混合物を硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が低くなるため好ましくない。かかるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エチレングリコールジグリジジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アジピン酸ビス−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、1,6−ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、フェノールとジシクロペンタジエンの縮合物のグリシジルエーテル、フェノールアラルキル樹脂のグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、N−グリシジルフタルイミド、5−エチル−1,3−ジグリシジル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリレンイソシアネートの付加により得られるオキサゾリドン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシなどを使用することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、主剤と硬化剤を混合した混合物を硬化して得られる硬化物のガラス転移温度を高めるため、主剤100重量部中に、1分子中にエポキシ基を3個以上、かつフェニル基を1個以上有するエポキシ樹脂を20〜70重量部配合することが必要であり、好ましくは30〜65重量部配合することである。かかるエポキシ樹脂の配合量を主剤100重量部中に20重量部以上とすることにより、得られる硬化物のガラス転移温度を高くすることができ、さらにかかるエポキシ樹脂の配合量を主剤100重量部中に70重量部以下とすることにより、主剤の粘度が高くなることを抑え、強化繊維に注入、含浸するRTM成形により適したものとなる。
かかるエポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂等を1種または複数種を混合して使用することができる。特に、窒素原子を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂が粘度、得られる硬化物の力学物性や耐熱性に優れているため好ましい。
また、本発明において、主剤を構成するエポキシ樹脂の構成要素(B)は、1分子中にエポキシ基を2個、かつフェニル基を1個以上有していることが必要である。1分子中にエポキシ基が2個未満の場合、主剤と硬化剤を混合した混合物を硬化して得られる硬化物の耐衝撃性、及び破壊靱性(GIc)が低くなるため、好ましくない。かかるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールAD型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、ジグリシジルヒドロキノン、グリシジルアニリン誘導体、ジグリシジルレゾルシノール、フタル酸グリシジル、グリシジルエステル型エポキシ、テトラメチルビフェニル、テトラブロモビスフェノールA型エポキシなどを使用することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は主剤と硬化剤を混合した混合物を硬化して得られる硬化物の耐衝撃性及び破壊靱性(GIc)を高めるため、主剤100重量部中に、1分子中にエポキシ基を2個、かつフェニル基を1個以上有するエポキシ樹脂を1〜40重量部配合することが必要である。かかるエポキシ樹脂の配合量を主剤100重量部中に1重量部以上とすることにより、得られる硬化物の耐衝撃性及び破壊靱性(GIc)を高くすることができ、さらに、かかるエポキシ樹脂の配合量を主剤100重量部中に40重量部以下とするとガラス転移温度の低下を抑えることが出来る。かかるエポキシ樹脂としては、特に、窒素原子を有するグリシジルアニリン誘導体が粘度、得られる硬化物の力学物性に優れているため好ましい。本発明で使用されるエポキシ樹脂には耐熱性や機械物性に対し著しい低下を及ぼさない範囲で1分子中にフェニル基を有さない脂肪族エポキシ樹脂や1分子中に1個のエポキシ基しか有していないモノエポキシ化合物、脂環式エポキシ樹脂などを適宜配合することができる。
本発明では、主剤の構成要素(D)として、少なくとも一種類以上のコアシェル構造を有し、コア成分のガラス転移温度が−60℃以下であるポリマー粒子である必要がある。
航空機用途に使用される繊維強化複合材料は、特に高い高度で飛行する航空機の場合、−50℃以下という非常に低温の雰囲気下にさらされる。そのため、繊維強化複合材料には前述したガラス転移温度から極低温下までの環境疲労が蓄積し、繊維強化複合材料の内部にクラックが発生する場合がある。クラックが発生したまま、さらなる環境疲労が加わると、クラックはどんどん成長し、最後には繊維強化複合材料の機械物性を低下させてしまう可能性がある。環境疲労により発生するクラックを防止するためにはエポキシ樹脂硬化物の破壊靭性を高めることが効果的であり、特に極低温下における破壊靭性が重要になる。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物に使用されるコアシェルポリマー粒子のコア成分としては、該エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物のガラス転移温度より210℃以上、好ましくは220℃以上低いガラス転移温度を有していることが必要であり、具体的にはコア成分のガラス転移温度が−60℃以下である必要があり、共役ジエン系モノマーより構成される架橋ゴムが最適である。コア成分のガラス転移温度はコアシェルポリマー化した後では測定することが困難である場合、コア成分だけで重合体を作製し、得られた重合体についてDSC等の熱分析機器によってガラス転移温度を予め測定しても良い。
本発明で使用されるコアシェルポリマー粒子を構成するコア成分としては、共役ジエン系モノマー、アクリル酸および/またはメタクリル酸エステル系モノマーより選ばれる1種または複数種から重合されたポリマー粒子またはシリコーン樹脂などを使用することができる。かかる共役ジエン系モノマーとしては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができ、用いられるコア成分としては、これらを単独でもしくは複数種用いて構成される架橋ゴムであることが好ましいが、得られる重合体の性質が良好であり、重合が容易であることからかかる共役ジエン系モノマーとしてブタジエンを用いること、すなわち、コア成分として架橋ポリブタジエンを用いることが特に好ましい。
コアシェルポリマー粒子を構成するシェル成分は、前記したコア成分にグラフト重合されており、コア成分を構成するポリマー粒子と化学結合していることが好ましい。かかるシェル成分を構成する成分としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物等から選ばれた1種または複数種から重合された重合体である。また、該シェル成分には分散状態を安定化させるために、本発明のRTM成形用二液型エポキシ樹脂組成物と反応する官能基が導入されていることが好ましい。かかる官能基としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基が挙げられる。
本発明で使用されるコアシェルポリマー粒子は、平均粒子径が体積平均粒子径で300ナノメートル以下であることが好ましく、3〜200ナノメートルであればさらに好ましい。なお、体積平均粒子径はナノトラック粒度分布測定装置(日機装(株)製)を用いて測定することができる。本発明で使用されるコアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径が1ナノメートル以下では製造することが困難であり、実質的に使用することができず、体積平均粒子径が300ナノメートル以上では繊維強化複合材料の成形プロセスにおけるエポキシ樹脂組成物を注入、含浸させる工程において強化繊維で濾別され、繊維強化複合材料中において分散状態が不均一になる場合がある。
本発明で使用されるコアシェルポリマー粒子の製造については特に制限はなく、周知の方法で製造されたものを使用できる。しかしながら、通常コアシェルポリマー粒子は塊状で取り出されたものを粉砕して粉体として取り扱われており、粉体状コアシェルポリマー粒子を再度エポキシ樹脂中に分散させることが多いが、この方法では、一次粒子の状態で安定に分散させることが難しい。よって、コアシェルポリマー粒子の製造過程から一度も塊状で取り出すことなく、最終的にはエポキシ樹脂中に一次粒子が分散したマスターバッチの状態で取り扱うことができるものが好ましく、例えば、特開2004−315572号公報に記載の方法、すなわち、コアシェルポリマー粒子を乳化重合、分散重合、懸濁重合に代表される水媒体中で重合する方法で重合を行い、コアシェルポリマー粒子が分散した懸濁液を得て、得られた懸濁液に水と部分溶解性を示す有機溶媒、例えばアセトンやメチルエチルケトンなどのエーテル系溶媒を混合後、水溶性電解質、例えば塩化ナトリウムや塩化カリウムを接触させ、有機溶媒層と水層を相分離させ、水層を分離除去して得られたコアシェルポリマー粒子分散有機溶媒に適宜エポキシ樹脂を混合した後、有機溶媒を蒸発除去する方法などが使用できる。該製造方法で製造されたコアシェルポリマー粒子分散エポキシマスターバッチとしては、株式会社カネカから市販されている“カネエース”(登録商標)を好適に使用できる。
本発明で使用されるコアシェルポリマー粒子は、本発明のエポキシ樹脂組成物の主剤100重量部中に0.5〜10重量部配合されることが必要であり、より好ましくは1〜8重量部、さらに好ましくは1.25〜5重量部配合することである。配合量が0.5重量部以上であれば、成形後の繊維強化複合材料に必要とされる破壊靭性(GIc)が得られやすく、さらに、配合量が10重量部以下であれば、得られる主剤ひいては主剤と硬化剤を混合した混合物の粘度が高くなることを抑え、強化繊維に注入、含浸するRTM成形により適したものとなる。
本発明において、エポキシ樹脂組成物の前記主剤は、前記コアシェル構造を有するポリマー粒子が1次粒子の状態で均一に分散した液状であることが好ましく、1次粒子の状態で均一に分散した液状とは、レーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて、前記主剤に存在している粒子の粒子径を測定した結果、500ナノメートル以上の2次的な粒子凝集体が存在しない状態を意味する。なお、体積平均粒子径は、ナノトラック粒度分布測定装置(日機装(株)製)を用いて測定することができる。
また、エポキシ樹脂組成物の前記主剤は、70℃における粘度が300mPa・s以下であれば、より好ましい。また、70℃における粘度が300mPa・sより高い場合は、容器からの取り出し、計量、硬化剤との混合、あるいは脱気処理などの作業性が悪くなることがある。主剤の70℃における粘度の下限は特に制限なく、粘度が低いほどRTM成形における二液エポキシ樹脂組成物の注入含浸が容易になり好ましい。該主剤の70℃における粘度を300mPa・s以下にするためには、該主剤を構成するエポキシ樹脂において、分子量が500以上のエポキシ樹脂を、主剤100重量部中に好ましくは30重量部以上配合せず、前述したようにコアシェルポリマー粒子を20重量部以上配合しないことである。なお、主剤の70℃における粘度の下限は特に制限なく、粘度が低いほど後述する硬化剤との混合物の粘度が低くなり、RTM成形における本発明のエポキシ樹脂組成物の注入含浸が容易になる。
本発明において、エポキシ樹脂を硬化させうる成分である硬化剤を構成する構成要素(C)としては、液状の芳香族ポリアミンである必要がある。量論的反応を行う化合物を用いる場合には、硬化促進剤、例えばイミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩、ホスフィンなどを配合する場合もあるが、特に耐熱性に優れた構造材の製造を目的とする場合は、芳香族ポリアミンが硬化剤である必要がある。
本発明において、エポキシ樹脂組成物の硬化剤は、70℃における粘度が150mPa・s以下であることが好ましく、より好ましい粘度は120mPa・s以下である。なお、粘度の測定は前述した主剤粘度の測定方法と同様である。硬化剤の70℃における粘度が150mPa・sより高い場合は、容器からの取り出し、計量、主剤との混合、あるいは脱気処理などの作業性が悪くなることがある。70℃における粘度の下限は特に制限なく、粘度が低いほどRTM成形におけるエポキシ樹脂組成物の注入含浸が容易になり好ましい。
該硬化剤の70℃における粘度を150mPa・s以下にするための望ましい手段は、70℃において液状の芳香族ポリアミンを硬化剤100重量部中に50〜99重量部配合することであり、50〜85重量部であればさらに好ましい。かかる液状の芳香族ポリアミンが50重量部未満である場合、エポキシ樹脂組成物の樹脂粘度が高くなりすぎるため、積層基材内部まで樹脂が含浸せず、繊維強化複合材料の成形体が得られないことがある。一方、99重量部を越えると、得られる硬化物の耐熱性が低下するなどの問題がある。70℃において液状の芳香族ポリアミンとしてはジエチルトルエンジアミン(2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミンを主成分とする混合物)や2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、2,2’−イソプロピル−6,6’−ジメチル−4,4’−メチレンジアニリン、2,2’、6,6’テトライソプロピル−4,4’−メチレンジアニリン等のジアミノジフェニルメタンのアルキル基誘導体およびポリオキシテトラメチレンビス(p−アミノベンゾエート)を挙げることができる。中でも、低粘度でガラス転移温度などの硬化物としての物性に優れるジエチルトルエンジアミンが好ましく使用できる。該硬化剤には前述した粘度を超えない範囲で固形の芳香族ポリアミンを配合することができる。固形の芳香族ポリアミンとしては3,3’−ジアミノジフェニルスルホンおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが耐熱性、弾性率に優れた硬化物が得られ、さらに線膨張係数を小さくできることおよび吸湿による耐熱性の低下が小さいので好ましく使用できる。一般に、ジアミノジフェニルスルホンは結晶性が強く、液状の芳香族ポリアミンと高温で混合して液体としても、冷却過程で結晶として析出しやすいが、ジアミノジフェニルスルホンの2種の異性体と液状の芳香族ポリアミンを混合した場合、単一のジアミノジフェニルスルホンと液状の芳香族ポリアミンの混合物より遙かに結晶の析出が起こりにくく好ましい。
ジアミノジフェニルスルホンの配合量は、該硬化剤100重量部中に10〜40重量部が好ましく、20〜35重量部であればさらに好ましい。配合量が10重量部以上であれば前述したような硬化物の効果が得られやすく、さらに配合量が40重量部以下であれば結晶の析出を抑制しやすくなり好ましい。3,3’−ジアミノジフェニルスルホンと4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを、結晶の析出を抑制するために併用する場合は、両者の重量比は10:90〜90:10であることが好ましい。
また、本発明で使用される硬化剤には耐熱性や機械物性に対し著しい低下を及ぼさない範囲で、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸ヒドラジド、酸無水物、ポリメルカプタン、ポリフェノールなど、量論的反応を行う化合物と、イミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩のように触媒的に作用する化合物などを適宜配合することができる。量論的反応を行う化合物を用いる場合には、硬化促進剤、例えばイミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩、ホスフィンなどを配合する場合がある。
本発明において、エポキシ樹脂組成物の硬化物は該エポキシ樹脂組成物を構成する硬化剤の活性に応じて、50〜200℃の範囲の任意温度で0.5〜10時間の範囲の任意時間で加熱硬化することで均一溶解された液状硬化剤として得られる必要がある。加熱条件は1段階でも良く、複数の加熱条件を組み合わせた多段階条件でも良い。ここで、均一溶解された液状とは、23℃において前記硬化剤の構成要素が溶解度まで達しておらず、固形成分の析出がない状態の液体を指す。
本発明の繊維強化複合材料の主剤および硬化剤にはその他の成分として、可塑剤、染料、有機顔料や無機充填材、高分子化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤などを適宜配合することもできる。
本発明の炭素繊維複合材料は、主剤と硬化剤を好適な所定の割合で混合することにより、加熱硬化可能となる。主剤と硬化剤の混合比は、使用するエポキシ樹脂およびそれ以外のエポキシ化合物とエポキシ樹脂を硬化させる成分の種類によって決定される。具体的には主剤中の全エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の数に対する硬化剤中の全アミン化合物に含まれる活性水素(活性水素とは、有機化合物において窒素、酸素、硫黄などと結合していて、反応性が高い水素原子である)の数の比率を好ましくは0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜1.2になるように混合する。エポキシ基と活性水素の比率が前記範囲を外れた場合、得られた樹脂硬化物の耐熱性や弾性率が低下する可能性がある。本発明の炭素繊維複合材料の主剤と硬化剤の混合物の硬化物は、硬化剤を構成するエポキシ樹脂を硬化させる成分の活性に応じて、好適には50〜200℃の範囲の任意温度で好適には0.5〜10時間の範囲の任意時間で加熱硬化することにより得られる。
加熱条件は1段階でも良く、複数の加熱条件を組み合わせた多段階条件でも良い。硬化温度が高い方が繊維強化複合材料の耐熱性が高くなるが、成形において型内での加熱温度が高いと、設備・熱源等のコストが高くなり、また型の占有時間が長くなるため経済性が悪くなる。そのため、初期硬化は50〜140℃の範囲の任意温度で行った後、成形物を型から脱型し、オーブンなどの装置を用いて比較的高温で最終硬化を行うことが好ましい。航空機用の構造部材を想定した場合は、最終硬化条件は、例えば、180℃の温度で1〜10時間硬化の範囲で硬化することにより所望する樹脂硬化物を得ることができる。
本発明において、繊維強化複合材料の耐マイクロクラック(環境疲労)耐性を高めるため、該エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊靱性(GIc)は、ASTM D5045−93に従って、100〜200J/mである必要があり、さらには120〜180J/mであることが好ましい。破壊靱性(GIc)が100J/m未満の場合、得られた繊維強化複合材料に対して、条件Aの熱サイクル試験を2000サイクル実施した場合に、マイクロクラックが100個以上発生し、23℃環境下での一定疲労付与後有孔板圧縮強度が著しく低下する。一方、120J/m以上の場合、耐マイクロクラック(環境疲労)耐性は良好であるが、該エポキシ樹脂組成物の弾性率の低下が生じる。そのため繊維強化複合材料の圧縮特性が低下するので好ましくない。
本発明において、交差積層されたプリフォームから得られる厚さ1〜3mmの該繊維強化複合材料について、ASTM D6484に準拠し、23℃条件下において測定された、有孔板試験片の長手方向に最大荷重150MPa、最小荷重15MPa、応力比R=10、周波数5Hzの正弦波によって、繰り返し定荷重圧縮負荷を試験片に10回付与した後の有孔板圧縮強度が220〜300MPaであることが必要であり、さらには240〜300MPaであることが好ましい。
該有孔板圧縮強度が220MPa未満の場合、設計強度が十分に確保されない為に、前記繊維強化複合材料は、構造材料の設計が厚くなり、燃費効率が著しく低下するので好ましくない。一方、該有孔板圧縮強度が300MPa以上である場合、例えば強化繊維の体積含有率制御により達成しようとすると、前記炭素繊維複合材料の強化繊維の体積含有率を少なくとも65%以上にする必要があり、そのため繊維強化複合材料内部に未含浸部分やボイドといった欠陥部分が非常に多く発生し物性低下を招いてしまうことがあるため好ましくない。また、エポキシ樹脂組成物の弾性率を向上させて、該有孔板圧縮強度を向上させる方法もあるが、この方法を実施した場合に、一般的に樹脂靱性(GIc)が著しく低下し、クラックが発生するため疲労特性が低下し、耐衝撃性能を著しく低下させてしまうので好ましくない。
構造材料の圧縮特性を低下させないためには、エポキシ樹脂組成物の混合物を180℃で2時間硬化させた硬化物について、JIS K 7171(2006)に従って実施された25℃での曲げ試験において、曲げ弾性率が2.7〜4.0GPaであることが好ましく、2.9〜3.7GPaであればさらに好ましい。25℃における弾性率が2.7GPaより低い場合、該エポキシ樹脂組成物を使用した繊維強化複合材料の圧縮特性が低下してしまうことがあるため、構造部材として用いる場合に設計厚みを厚くする必要があることから部材の重量が重くなり燃費効率が著しく低下する。他方、弾性率が4.5GPaより高すぎると−50℃以下という非常に低温の雰囲気下での破壊靱性(GIc)が低下するので好ましくない。
本発明に用いる炭素繊維とは、具体的にはアクリル系、ピッチ系、レーヨン系等の炭素繊維が使用でき、特に引張強度の高いアクリル系の炭素繊維が好ましい。炭素繊維の形態としては、有撚糸、解撚糸、無撚糸等が使用できるが、解撚糸または無撚糸が繊維強化複合材料の成形性と強度特性のバランスが良いため好ましい。
炭素繊維の弾性率は、成形された部材の特性と重量との観点から、200GPa〜400GPaの範囲である必要がある。弾性率がこの範囲より低いと、構造部材の剛性が低下し軽量化が不十分となる場合があり、逆にこの範囲より高いと、一般に炭素繊維の強度が低下する傾向がある。好ましくは、弾性率は250GPa〜370GPaの範囲内であり、さらに好ましくは290GPa〜350GPaの範囲内である。
本発明においては、炭素繊維単独またはガラス繊維や化学繊維などと組み合わせたものからなる強化繊維基材を使用できる。該強化繊維基材とは、繊維方向がほぼ同方向に引き揃えられたものや、織物、ニット、ブレイド、マットなどが使用できるが、特に炭素繊維が実質的に一方向に配向されており、ガラス繊維または化学繊維で固定されたいわゆる一方向織物が高力学物性および強化繊維の体積含有率が高い繊維強化複合材料が得られるので好ましい。また、本発明による損傷視認性の向上効果は、一方向織物の場合特に顕著に得られる。一方向織物としては、例えば炭素繊維からなるストランドを一方向に互いに平行に配置し、それと直交するガラス繊維または化学繊維からなるヨコ糸とが、互いに交差して平織組織をなしたものや、炭素繊維のストランドからなるタテ糸とこれに平行に配列されたガラス繊維または化学繊維からなる繊維束の補助タテ糸と、これらと直交するように配列されたガラス繊維または化学繊維からなるヨコ糸からなり、該補助タテ糸と該ヨコ糸が互いに交差することにより、炭素繊維ストランドが一体に保持されて織物が形成されているノンクリンプ構造の織物等がある。
本発明において、強化繊維の片面あるいは両面に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなるバインダー組成物が付着しているものを使用することが出来る。特に熱可塑性樹脂からなるバインダー組成物が付着している場合、靱性に乏しいエポキシ樹脂組成物に高靱性の熱可塑性樹脂を分散させることができ、繊維強化複合材料に衝撃が加わった際に発生する内部、特に層間のクラックの伝播を抑制し、強度低下を防止することができるため好ましい。
バインダー組成物を構成する熱可塑性樹脂としては、具体的にはポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリーレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルスルホンなど、いわゆるエンジニアリングプラスチックスに属する樹脂が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂からなるバインダー組成物には、適切な可塑剤成分を配合してバインダーとしてガラス転移温度を適当な範囲、具体的には50〜70℃に調整することが好ましい。ここで可塑剤成分についてはエポキシ樹脂組成物と反応しうる化合物を選ぶ必要がある。かかる可塑剤成分としては、特にエポキシ樹脂が好ましい。可塑剤成分として用いるエポキシ樹脂は特に限定されないが、具体例としてビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エチレングリコールジグリジジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アジピン酸ビス−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、1,6−ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、フェノールとジシクロペンタジエンの縮合物のグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、N−グリシジルフタルイミド、5−エチル−1,3−ジグリシジル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリレンイソシアネートの付加により得られるオキサゾリドン型エポキシ樹脂およびフェノールアラルキル型エポキシなどを挙げることができる。
可塑剤成分としてエポキシ樹脂以外では、ポリフェノール、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸無水物、ポリアクリレート、スルホンアミドなどが好ましく用いられる。
例えば、ポリフェノールとしては、4−tert−ブチルカテコール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、リモネン1分子とフェノール2分子の縮合により得られるビスフェノールなどを例示することができる。ポリアミンとしては、ジエチルトルエンジアミンを例示することができる。ポリカルボン酸としては、5−tert−ブチルイソフタル酸を例示することができる。ポリカルボン酸無水物としては、メチルフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物を例示することができる。ポリアクリレートとしては、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを例示することができる。
スルホンアミドとしては、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミドを例示することができる。
このような反応性可塑剤は、複数種組み合わせて用いることができるが、その場合は同系の化合物、たとえばエポキシ樹脂同士、あるいは互いに反応しない組み合わせ、あるいはエポキシ樹脂とポリアクリレートを選ぶ必要がある。エポキシ樹脂とポリアミンのように容易に反応する組み合わせは長期保管した場合に反応が進行してバインダーのガラス転移温度が上昇してしまいバインダーとして使用できなくなる恐れがあるので好ましくない。
強化繊維基材の表面に付与するバインダー組成物の量は少なくとも片面に5〜50g/mの目付で付着していることが好ましく、10〜35g/mの範囲であればさらに好ましい。目付が上記範囲より少ないと、形態固定や高靭性化の効果が少なく、目付が多いと、該強化繊維基材を積層してなるプリフォームに注入含浸するエポキシ樹脂組成物の含浸性が乏しくなるなどの不利が生じることがある。
本発明において、繊維強化複合材料は炭素繊維の体積含有率が50〜65%であることが好ましく、53〜60%であればより好ましい。体積含有率が上記範囲より少ないと繊維強化複合材料の重量が重くなり、また、応力集中の影響で強度が低下する傾向があるため好ましくなく、強化繊維の体積含有率が上記範囲より多いと繊維強化複合材料内部に未含浸部分やボイドといった欠陥部分が発生することが非常に多く物性低下を起こしてしまうことがあるため好ましくない。
本発明における好ましい成形方法としては、成形型内に前記炭素繊維を含む強化繊維基材または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームを配置し、前記炭素繊維を含む強化繊維基材または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームを含む成形型をフィルムで被覆して、該フィルム内を減圧し、前記減圧されたフィルム内の圧力とフィルム外部の圧力との差圧を利用して前記フィルム内に前記主剤と前記硬化剤を混合して得た2液型エポキシ樹脂組成物を注入し、該2液型エポキシ樹脂組成物を、前記炭素繊維を含む強化繊維基材または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームに含浸し、硬化するRTM成形が用いられる。すなわち、成形型内に配置した強化繊維基材または該強化繊維基材からなるプリフォームにエポキシ樹脂組成物を25〜90℃のうちの任意温度において注入する。そのため、エポキシ樹脂組成物の初期粘度は25〜90℃のうちの任意温度において300mPa・s以下であることが好ましい。該初期粘度が、180mPa・s以下であればさらに好ましい。初期粘度が上記の範囲より高いとエポキシ樹脂組成物の含浸性が不十分になることがある。
本発明において、RTM成形に用いる成形型は、剛体からなるクローズドモールドを用いてもよく、剛体のオープンモールドと可撓性のフィルム(バッグ)を用いる方法も可能である。後者の場合、強化繊維基材は剛体オープンモールドと可撓性フィルムの間に設置する。
剛体型の材料としては、金属(スチール、アルミニウムなど)、FRP、木材、石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムの材料にはナイロン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが用いられる。
剛体のクローズドモールドを用いる場合は、加圧して型締めし、エポキシ樹脂組成物を加圧して注入することが通常行われる。このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプに接続して吸引することも可能である。吸引を行い、かつ、特別な加圧手段を用いず、大気圧のみでエポキシ樹脂組成物を注入することも可能である。
剛体のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合は、通常、吸引と大気圧による注入を用いる。大気圧による注入で、良好な含浸を実現するためには、樹脂拡散媒体を用いることが有効である。さらに、強化繊維基材あるいはプリフォームの設置に先立って、剛体型の表面にゲルコートを塗布することも好ましく行われる。
強化繊維基材あるいはプリフォームの設置が完了した後、型締めあるいはバギングが行われ、続いて熱硬化性樹脂の注入が行われた後に加熱硬化が行われる。加熱硬化時の型の温度は、通常液状熱硬化性樹脂の注入時における型の温度より高い温度が選ばれる。加熱硬化時の型の温度は80〜180℃であることが好ましい。加熱硬化の時間は1〜20時間が好ましい。加熱硬化が完了した後、脱型して繊維強化複合材料を取り出す。その後、得られた繊維強化複合材料を硬化温度より高い温度で加熱する後硬化を行ってもよい。後硬化の温度は150〜200℃が好ましく、時間は1〜4時間が好ましい。また、より好ましくは加熱硬化時の型の温度が130℃であり、後硬化の温度は180℃の場合に、より優れた製造効率が得られる。
本発明の繊維強化複合材料は、強化繊維の体積含有率が高いため軽く、耐サーマルクラック耐性について、特にマイクロクラック耐性に優れており、構造材に用いる場合には、材料品質のバラツキを抑制するとともに、優れた安全性と長期耐久性を保障するため、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席および内装材などの航空機部材、モーターケースおよび主翼などの宇宙機部材、構体およびアンテナなどの人工衛星部材、外板、シャシー、空力部材および座席などの自動車部材、構体および座席などの鉄道車両部材、船体および座席などの船舶部材など多くの構造材料に好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。尚、組成比の単位「部」は、特に注釈のない限り重量部を意味する。
<樹脂粘度測定>
実施例で得られたRTM用二液型エポキシ樹脂組成物を構成する主剤、硬化剤およびそれらの混合物の各粘度は、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装備したE型粘度計((株)トキメック製、TVE−30H)を使用して、回転速度50回転/分にて所定温度の粘度を測定した。
<樹脂硬化物の破壊靱性(GIc)の測定方法>
実施例で得られたエポキシ樹脂組成物の主剤と硬化剤を混合した混合物を所定の型枠内に注入し、熱風オーブン中で室温から130℃の温度まで1分間に1.5℃ずつ昇温した後、130℃の温度で2時間保持し、次いで180℃の温度まで1分間に1.5℃ずつ昇温した後、180℃の温度で2時間保持して6mm厚の樹脂硬化板を作製した。得られた樹脂硬化板を、ASTM D5045−99に記載の試験片形状に加工を行った後、ASTM D5045−99に従って破壊靱性(GIc)試験を行った。
<樹脂硬化物の曲げ弾性率の測定方法>
得られたエポキシ樹脂組成物の主剤と硬化剤を混合した混合物を所定の型枠内に注入し、熱風オーブン中で室温から130℃の温度まで1分間に1.5℃ずつ昇温した後、130℃の温度で2時間保持し、次いで180℃の温度まで1分間に1.5℃ずつ昇温した後、180℃の温度で2時間保持して2mm厚の樹脂硬化板を作製した。作製した樹脂硬化板から幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、試験速度2.5mm/分、支点間距離32mmで3点曲げ試験を行い、JIS K7171(2006)に従い、曲げ弾性率を測定した。
<樹脂硬化物のガラス転移温度の測定方法>
得られた炭素繊維複合材料の小片(5〜10mg)をJIS K7121(1987)に従い、DSC法で中間点ガラス転移温度を求めた。測定装置にはPyris1 DSC(Perkin Elmer社製)を用いて窒素ガス雰囲気下において昇温速度40℃/分で測定した。
<コアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径の測定方法>
実施例で得られたRTM用二液型エポキシ樹脂組成物の主剤100gにメチルエチルケトン20gを混合して混合物を作製した。得られた混合物をJIS Z8826(2005)に従い、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)にて体積平均粒子径を測定した。
<炭素繊維織物の製造>
実施例で用いた炭素繊維織物は以下のように作製した。
炭素繊維T800S−24K−10E(東レ(株)製)をタテ糸とし、ナイロン66繊維ECE17T―7―3M90(東レ(株)製)をヨコ糸として実質的に炭素繊維が一方向に配列された平織組織の織物を作製した。タテ糸密度は4.66本/25mmとし、ヨコ糸密度は7.5本/25mmとした。織物の炭素繊維目付は192g/mであった。
<バインダー組成物の製造>
実施例で用いたバインダー組成物は以下のように作製した。
ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル”PES5003P、登録商標:住友化学(株)製)60部、トリグリシジルイソシアヌレート(TEPIC−P、日産化学(株)製)4部、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“エピコート”806、登録商標:ジャパンエポキシレジン(株)製)23部およびフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000、日本化薬(株)製)13部を2軸押出機にて210℃で混練して得られたペレットを凍結粉砕して平均粒径100μm(球相当径)のバインダー組成物を得た。
<繊維強化複合材料の熱サイクル試験体の作製方法>
以下、実施例で使用した繊維強化複合材料はRTM成形法で作製したものである。
炭素繊維の長手方向を0°とした強化繊維基材を[+45°/0°/−45°/90°]を基本として4回繰り返したものを対称に積層し、プリフォームを作製する。
得られたプリフォームに80℃でエポキシ樹脂組成物を注入含浸した後、1分間に1.5℃ずつ130℃まで昇温して130℃で2時間予備硬化する。予備硬化品をRTM型から取り出した後、熱風オーブン中、180℃で2時間硬化して試験体とした。
<繊維強化複合材料のマイクロクラック加工方法>
上記方法で得られた熱サイクル試験体から試験片の長手方向を炭素繊維配向角0°として縦50.8mm、横76.2mmの矩形試験片を切り出し、試験片をHITACHI社製のExcellent series熱サイクル試験装置によって条件Aの熱サイクル負荷を付与した後、図1に示す通りに試験片A,B,C,Dを自動ダイヤモンドカッターによって毎分23cmの速度で加工した。
このときに、毎分50cm以上の速度で加工を実施した場合に、試験片とダイヤモンドカッターとの間に大きな摩擦振動が発生し、試験片が摩擦負荷によってマイクロクラックが発生することがあるので好ましくない。
<繊維強化複合材料のマイクロクラック観察方法>
上記方法で得られた試験片A,B,Cは、自動研磨機によって研磨を行い、特表2002−522764号で公開されている方法に従って、クラック観察部分を染料で染色し、キーエンス社製の蛍光顕微鏡VB−G25によって研磨面を観察した。このとき、観察範囲は25mmとし、試験片の両端部から3.1mmは加工によってクラックが発生している場合があるので、観察範囲に含み入れないこととした。
また、撮像倍率は200倍とし、上記範囲の全てをこれにて観察して、範囲内に存在するクラックの数をカウントした。カウントされたクラックは、それぞれ、層内、層間、CF隙間の3種に分類され、さらにこれらを、表面もしくは内層の2種に大別した。
<繊維強化複合材料のクラックの数え方>
試験片A,B,Cについては、条件Aにおいて、400サイクルを1ブロックとして、合計5回試験片を取りだし、上記方法に従い加工、研磨、染色をした後に、光学顕微鏡を用いて全てのクラック数を観察し、5ブロック(15断面)でのマイクロクラック数を累計した。また、層内クラック(トランスバースクラック)が、複数の層に跨ってある場合や、クラックが分岐を有しても、一個としてカウントし、ボイドや異物から発生しているクラックについては、カウントしないこととした。
<繊維強化複合材料の有孔板疲労試験体の作製方法>
以下、実施例で使用した繊維強化複合材料はRTM成形法で作製したものである。
炭素繊維の長手方向を0°とした強化繊維基材を[+45°/0°/−45°/90°]を基本として4回繰り返したものを対称に積層し、プリフォームを作製する。得られたプリフォームに80℃でエポキシ樹脂組成物を注入含浸した後、1分間に1.5℃ずつ130℃まで昇温して130℃で2時間予備硬化する。予備硬化品をRTM型から取り出した後、熱風オーブン中、180℃で2時間硬化して試験体とした。
<繊維強化複合材料の有孔板疲労試験体の加工方法>
上記方法で得られた試験体から試験片の長手方向を炭素繊維配向角0°として縦305mm、横38.1mmの矩形試験片を切り出し、試験片にASTM D6484に準拠し直径6.35mmの孔をドリルとリーマーを用いて有孔加工した。
<繊維強化複合材料の有孔板疲労試験方法>
上記方法で得られた有孔板試験片に、MTS810疲労試験器(MTS社製)によって、試験片の長手方向に最大荷重150MPa、最小荷重15MPa、応力比R=10、周波数5Hzの正弦波によって、繰り返し定荷重圧縮負荷を試験片に10回付与した。
<繊維強化複合材料の一定疲労付与後有孔板圧縮試験方法>
上記方法で得られた一定疲労付与有孔板試験片に、23℃環境下においてASTM D6484に準拠し試験速度1.27mm/minで有孔板圧縮試験を実施した。この試験によって得られた強度を、一定疲労付与後有孔板圧縮強度(OHC疲労強度と略記する。)と呼ぶこととする。
<実施例1>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):40部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):25部
・“jER”(登録商標)825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量:380、ジャパンエポキシレジン(株)製):10部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):20部
・“カネエース”MX416(登録商標:アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):5部(内コアシェルゴム1.25部配合)
・“jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、130mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果203℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果109J/mであり、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.8GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は222MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は9個であった。
<実施例2>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):30部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):25部
・“jER”(登録商標)825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量:380、ジャパンエポキシレジン(株)製):5部
・“GOT”(グリシジルオルソトルイジン、日本化薬(株)製エポキシ樹脂):30部
・“カネエース”(登録商標)MX416(“アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):10部(内コアシェルゴム2.5部配合)
・“jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、140mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果206℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果147J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.2GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は290MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は2個であった。
<実施例3>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):30部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):15部
・“jER”(登録商標)806(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、分子量:350、ジャパンエポキシレジン(株)製):10部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):25部
・“カネエース”MX416(登録商標:アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):20部(内コアシェルゴム5部配合)
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、280mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果201℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果198J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が2.8GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は233MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は0個であった。
<比較例1>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):30部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):35部
・“jER”(登録商標)825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量:380、ジャパンエポキシレジン(株)製):20部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):15部
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、180mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果203℃、樹脂破壊靱性(GIc)を測定した結果60J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.3GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は168MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は103個であった。
<比較例2>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):30部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):15部
・“jER”(登録商標)825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量:380、ジャパンエポキシレジン(株)製):20部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):25部
・“カネエース”(登録商標)MX416(“アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):10部(内コアシェルゴム2.5部配合)
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、220mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果165℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果248J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が2.5GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は182MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は0個であった。
<比較例3>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):40部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):40部
・“カネエース”(登録商標)MX416(“アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):20部(内コアシェルゴム5部配合)
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、285mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果210℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果95J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.7GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は202MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は15個であった。
<比較例4>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):40部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):25部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):30部
・“カネエース”(登録商標)MX416(“アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):5部(内コアシェルゴム1.25部配合)
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):17部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):23部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):11部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、310mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果204℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果165J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.5GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、プリフォームを注入含浸したところ、樹脂粘度が高すぎるために、積層基材内部まで樹脂が含浸せず繊維強化複合材料を成形することが出来なかった。このため、有孔板疲労試験体を作製することが出来ず、疲労試験を実施することが出来なかった。
<比較例5>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):30部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、ジャパンエポキシレジン(株)製):45部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):20部
・“カネエース”(登録商標)MX416(“アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):5部(内コアシェルゴム1.25部配合)
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、332mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果202℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果120J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.1GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、プリフォームを注入含浸したところ、樹脂粘度が高すぎるために、積層基材内部まで樹脂が含浸せず繊維強化複合材料を成形することが出来なかった。このため、有孔板疲労試験体を作製することが出来ず、疲労試験を実施することが出来なかった。
<比較例6>
以下の処方により、エポキシ樹脂組成物を得た。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):15部
・“jER”(登録商標)825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量:380、ジャパンエポキシレジン(株)製):20部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬工業(株)製):60部
・“カネエース”(登録商標)MX416(“アラルダイト”MY721:75部/コアシェルポリマー(体積平均粒子径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25部のマスターバッチ):5部(内コアシェルゴム1.25部配合)
・jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、ジャパンエポキシレジン(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、セイカ(株)製):4部
・TBC(t−ブチルカテコール、大日本インキ化学工業(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での粘度をE型粘度計にて測定したところ、110mPa・sであった。
また、該混合物を用いて、前記方法にて樹脂硬化物を作製し、ガラス転移温度の測定を行った結果115℃、破壊靱性(GIc)を測定した結果87J/m、JIS K 7171(2006)に従って実施された23℃環境下での曲げ試験において、曲げ弾性率が3.8GPaであった。
このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%である繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片の0°方向に一定疲労付与後有孔板圧縮試験を実施した結果、試験片は203MPaで破断した。
さらに、このエポキシ樹脂組成物を用い、前記方法にて強化繊維の体積含有率が58%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料に前記方法に従い試験片に条件Aの環境負荷を付与した結果、マイクロクラック発生数の累計は23個であった。
本発明は、上述したように宇宙機、航空機、鉄道車両、自動車、船舶などの構造材料に好適に用いることができるが、その他テニスラケット、ゴルフシャフト、釣り竿などのレジャー産業や建築等の分野にも適用することが出来る。
マイクロクラック観察用試験片の加工図面を示す概略図である。
符号の説明
A,B,C,D:試験片

Claims (11)

  1. 主剤と硬化剤からなり、次の構成要素(A)、(B)、(C)、(D)を有してなる、180℃の温度下で2時間硬化した硬化物について、ASTM D5045−93に従って測定された25℃での破壊靭性(GIc)が100〜200J/mのエポキシ樹脂組成物と、弾性率が200〜400GPaである炭素繊維を用いてなる繊維強化複合材料であって、該繊維強化複合材料は、ASTM D6484に準拠し、23℃環境下において測定された、有孔板試験片の長手方向に最大荷重150MPa、最小荷重15MPa、応力比R=10、周波数5Hzの正弦波によって、繰り返し定荷重圧縮負荷を試験片に10回付与した後の有孔板圧縮強度が220〜300MPaであることを特徴とする繊維強化複合材料。
    (A)主剤100重量部に対し、20〜70重量部の、1分子中にエポキシ基を3個以上、かつフェニル基を1個以上有するエポキシ樹脂
    (B)主剤100重量部に対し、1〜40重量部の、1分子中にエポキシ基を2個、かつフェニル基を1個以上有するエポキシ樹脂
    (C)硬化剤100重量部に対し、50〜99重量部の液状の芳香族ポリアミン
    (D)主剤100重量部に対し、0.5〜10重量部の、少なくとも一種類以上のコアシェル構造を有し、コア成分のガラス転移温度が−60℃以下であるポリマー粒子
  2. 前記エポキシ樹脂組成物は、前記構成要素(A)、(B)、(D)を含む主剤と、前記構成要素(C)を含む硬化剤を混合して得られた2液型エポキシ樹脂組成物である、請求項1に記載の繊維強化複合材料。
  3. 前記主剤と前記硬化剤は、それらを混合してから15分後において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が、70℃において300mPa・s以下となるものである、請求項1または2に記載の繊維強化複合材料。
  4. 前記主剤と前記硬化剤は、それらを混合して得られた混合物を180℃で2時間硬化させた硬化物について、JIS K 7171(2006)に従って測定された25℃での曲げ試験において、曲げ弾性率が2.7〜4.0GPaとなるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  5. 前記硬化剤が、均一溶解された液状であり、かつ、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が70℃において150mPa・s以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  6. 前記主剤が、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が70℃において300mPa・s以下である、請求項1〜5いずれかに記載の繊維強化複合材料。
  7. 前記コアシェル構造を有するポリマーの体積平均粒子径が300ナノメートル以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  8. 前記コアシェル構造を有するポリマー粒子のコア部が、共役ジエン系モノマー、または、アクリルあるいはメタクリル酸エステル系モノマーの少なくとも1種から構成される架橋ポリマーである、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  9. 強化繊維の体積含有率が50〜65%の範囲である、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化複合材料を製造する方法において、成形型内に前記炭素繊維を含む強化繊維基材または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームを配置し、前記炭素繊維を含む強化繊維基材または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームを含む成形型をフィルムで被覆して、該フィルム内を減圧し、前記減圧されたフィルム内の圧力とフィルム外部の圧力との差圧を利用して前記フィルム内に前記主剤と前記硬化剤を混合して得た2液型エポキシ樹脂組成物を注入し、該2液型エポキシ樹脂組成物を、前記炭素繊維を含む強化繊維基材または該強化繊維基材を積層してなるプリフォームに含浸し、硬化するRTM成形工程を有する、繊維強化複合材料の製造方法。
  11. 航空機用部材として用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の、または、請求項10に記載の方法で製造された炭素繊維複合材料。
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