JP2009235577A - 無電解金めっき液および無電解金めっき方法 - Google Patents

無電解金めっき液および無電解金めっき方法 Download PDF

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弘 山本
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Kiyoshi Hasegawa
清 長谷川
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    • C23C18/31Coating with metals
    • C23C18/42Coating with noble metals
    • C23C18/44Coating with noble metals using reducing agents

Abstract

【課題】還元剤の使用量が少なく、実用析出速度を維持し、かつ液安定性に優れた無電解金めっき液と無電解金めっき方法を提供する。
【解決手段】金塩と、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンまたはp−フェニレンジアミン等のフェニル化合物系還元剤と、エチレンジアミン等の水溶性アミンと、不純物金属隠蔽剤と、pH緩衝剤とを、含有する無電解金めっき液、およびその無電解金めっき液を用いた析出速度が向上し安定性に優れた無電解金めっき方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解金めっき液と無電解金めっき方法に関する。
従来の高温、高アルカリ性無電解金めっき液に代わって、めっき可能なレジストや電子部品の使用範囲を広げるために、中性、低温で使用可能な無電解金めっき液が数多く開発された。これらのめっき液には安定性が悪く、付きまわり性が劣る問題がある。めっき液の安定性低下原因は大きく分けて2種類ある。まず、無電解金めっき自体の安定性とめっき処理による不純物金属混入による安定性の低下である。これらを改良するために、これまで多くの改良がなされてきた。
特開平1−191782号公報には、シアン化合物を使用することなく、中性付近で無電解金めっきを実現するために、還元剤としてアスコルビン酸を使用することが開示されている。
また、めっき処理による不純物金属混入の抑制や液安定性向上のために、メルカプトベンゾチアゾール系化合物の金属隠蔽剤を添加することが、特開平4−350172号公報、特開平6−145997号公報に開示されている。
また、特開平3−215677号公報には、無電解金めっき液に還元剤としてヒドラジン化合物(10〜30g/l)を使用することが開示され、この浴は上記のアスコルビン酸浴と比較して低濃度で実用的な析出速度を得られる。
また、めっき処理による不純物金属混入の抑制や液安定性向上のためベンゾトリアゾール系化合物の金属隠蔽剤を添加する改良がなされ、しかもこの隠蔽剤の管理範囲は広く(3〜10g/l)実用的であることが、特開平4−314871号公報に開示されている。
一方、特許第2972209号公報には、還元剤にチオ尿素化合物またはフェニル系化合物を使用し、チオ尿素は低濃度で金を還元できることが開示されている。しかし、チオ尿素の副生成物がめっき液を不安定化して分解してしまう問題があり、また、フェニル化合物系還元剤は、中性(pH7〜7.5)で還元できないため、弱アルカリ性ではめっき中に液が分解する問題があった。そこで、特開平3−104877号公報に記載されているように、チオ尿素化合物、フェニル化合物の両方の還元剤を配合した無電解金めっき液が提案され、このめっき液はチオ尿素の副生成物をフェニル化合物系還元剤で還元し、液安定性を向上したものである。
さらには、この浴に不純物金属混入の抑制や液安定性向上のためベンゾトリアゾール系化合物の金属隠蔽剤を添加する改良がなされ、従来浴に比べて安定性が向上することが、特開平9−157859号公報に開示されている。
アスコルビン酸による還元剤は、還元の効率が低く、実用析出速度0.5〜1.0μmを確保するために、アスコルビン酸ナトリウム濃度を60〜100g/lと過剰に配合するため、めっき液の安定性が低下するという課題がある。
メルカプトベンゾチアゾール系化合物の金属隠蔽剤は、使用管理範囲が非常に狭く(0.1〜5ppm)、作業の効率が低く、添加量が多くなると、付きまわり不良が発生するという課題がある。
還元剤としてヒドラジン化合物を使用すると、この浴はアスコルビン酸浴と比較して低濃度で実用的な析出速度を得られるが、ヒドラジン化合物自体の安定性が低く、液の安定性が確保できないという課題がある。また、めっき処理による不純物金属混入の抑制や液安定性向上のためベンゾトリアゾール系化合物の金属隠蔽剤を添加する改良がなされたが、上記のように還元剤自体の安定性が低いため、結果的に安定性向上が不十分で実用化が困難であるという課題がある。
チオ尿素化合物、フェニル化合物の両方の還元剤を配合した無電解金めっき液は、チオ尿素の副生成物をフェニル化合物系還元剤で還元し、液安定性を向上したものであるが、チオ尿素の副生成物を完全に元の還元剤にもどせないため、この残留副生成物がめっきの付きまわり不良や不安定化の原因となり、十分な安定性を保持できないという課題がある。
本発明は、還元剤の使用量が少なく、実用析出速度を維持し、かつ液安定性に優れた無電解金めっき液と無電解金めっき方法を提供することを目的とする。
発明の要旨
本発明者らは、上記目的を達成するために、還元後の副生成物がめっき液の安定性を損なうことが少なく、還元効率が高いフェニル化合物系還元剤を選定し、鋭意研究を行った結果、エチレンジアミン等の水溶性アミンが意外にも還元剤としてフェニル化合物系還元剤類を用いた中性(pH7.0〜7.5)無電解金めっき液の析出速度を向上させ、1μm/h程度の無電解金めっきを可能にすると共に、外観や付きまわり性を損なうことなく、良好なめっき外観を有し、且めっき液安定性に優れた無電解金めっき液を提供できることを知見し、本発明をなすに至った。
本発明は、以下のことを特徴とする。
(1)金塩と、フェニル化合物系還元剤類と、水溶性アミン類とからなる金めっき液。
(2)フェニル化合物系還元剤が、下記式(I):
Figure 2009235577

式中、Rは水酸基又はアミノ基を表し、R〜Rは、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、水酸基、アミノ基、水素原子又はアルキル基を表す、
で示されるものである(1)に記載の無電解金めっき液。
(3)R〜Rのアルキル基が、メチル基、エチル基又はt-ブチル基である(2)に記載の無電解金めっき液。
(4)フェニル化合物系還元剤類が、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、またはp−フェニレンジアミンである(1)、(2)のうちいずれかに記載の無電解金めっき液。
(5)水溶性アミン類が、エチレンジアミン系化合物である(1)〜(4)のうちいずれかに記載の無電解金めっき液。
(6)添加剤として、不純物金属隠蔽剤類を含む(1)〜(5)のうちいずれかに記載の無電解金めっき液。
(7)不純物金属隠蔽剤類が、ベンゾトリアゾール系化合物である(6)に記載の無電解金めっき液。
(8)無電解金めっき液のpHが、5〜10の範囲である(1)〜(7)のうちいずれかに記載の無電解金めっき液。
(9)金塩と、フェニル化合物系還元剤類と、水溶性アミン類とからなる金めっき液に、被めっき体を浸漬する無電解金めっき方法。
第1図は、本発明の一実施例の、めっき回数と析出速度の関係を示す線図である。
本発明の無電解金めっき液には、金塩として、シアン系金塩でも非シアン系金塩でも用いることができ、シアン系金塩としては、シアン化第一金カリウムやシアン化第二金カリウムを用いることができる。非シアン系金塩としては、塩化金酸塩、亜硫酸金塩、チオ硫酸金塩、チオリンゴ酸金塩等を用いることができ、これらのうちから1種類以上を用いることができる。中でも亜硫酸金塩、チオ硫酸金塩が好ましく、その含有量としては金として1〜10g/lの範囲であることが好ましく、金の含有量が1g/l未満であると、金の析出反応が低下し、10g/lを超えると、めっき液の安定性が低下すると共に、めっき液の持出により金消費量が多くなるため経済的に好ましくない。さらには、2〜5g/lの範囲とすることがより好ましい。
また、錯化剤には、シアン系ではシアン化ナトリウム、シアン化カリウム等の塩、非シアン系では亜硫酸塩、チオ硫酸塩、チオリンゴ酸塩が挙げられ、これら1種または2種類以上を用いることができる。中でも亜硫酸塩、チオ硫酸塩が好ましく、その含有量としては1〜200g/lの範囲とすることが好ましく、この錯化剤の含有量が1g/l未満であると、金錯化力が低下し安定性を低下させる。また、200g/lを超えると、めっき液の安定性が向上するが、液中に再結晶が発生したり、経済的に負担となる。さらに、20〜50g/lとすることがより好ましい。
更に、還元剤には、下記式(I):
Figure 2009235577

式中、Rは水酸基又はアミノ基を表し、R〜Rは、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、水酸基、アミノ基、水素原子又はアルキル基を表す、
で示されるフェニル化合物系還元剤を用いることが好ましい。
上記式(I)において、R2〜R4におけるアルキル基としては、直鎖又は分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、更に好ましくは、メチル基、エチル基及びt-ブチル基などの直鎖又は分岐状の炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられる。
この種の具体的な化合物としては、例えばフェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、t−ブチルフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルヒドロキノン、アニリン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−トルイジン、p−トルイジン、o−エチルアニリン、p−エチルアニリン等を挙られ、これらのうちからを1種類以上を用いることができる。中でもp−フェニレンジアミン、メチルヒドロキノン、ヒドロキノン等が好ましく、その含有量としては0.5〜50g/lの範囲とすることが好ましい。このフェニル化合物系の還元剤の含有量が、0.5g/l未満であると、実用的である0.5μm/hの析出速度を得ることができない。50g/lを超えると、めっき液の安定性を確保できなくなり、好ましくない。さらに、2〜10g/lの範囲とすることがより好ましい。
水溶性アミン類には、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、エチレントリアミン、m−ヘキシルアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、EDTA塩等を用いることができ、中でも、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが好ましく、さらに、エチレンジアミンが最も好ましい。
この水溶性アミン類の配合量は、0.1〜100g/lの範囲とすることが好ましく、この水溶性アミン類の配合量が0.1g/l未満であると、アミン類の添加の効果が十分発揮されず、また100g/lを超えると、めっき液の安定性が低下する場合が生ずるので好ましくない。さらに、2〜10g/lの範囲とすることがより好ましい。水溶性アミン類は、上記のうちから1種以上を添加するもので、これにより無電解金めっき液の析出速度を増大させることができ、且金めっき外観、付きまわりを向上させて、しかも液安定性を著しく向上させることができる。
本発明の無電解金めっき液には、所望する析出速度、pH等を一定に保つために、更にpH緩衝剤を添加して用いることができる。pH緩衝剤として好適に用いられる化合物には、従来から、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硼酸塩、クエン酸塩、硫酸塩等が挙られ、これらのうちから1種類以上を用いることができる。中でも、硼酸塩、硫酸塩等がこの好ましく、その含有量としては1〜100g/lの範囲とすることが好ましく、1g/l未満であると、pHの緩衝効果がなく浴の状態が変化してしまい、100g/lを超えると、めっき液中で再結晶化が進行してしまい、あまり好ましくない。さらに、20〜50g/lの範囲とすることがより好ましい。
また、作業中にめっき装置の錆の破片等の持込みによる不純物の混入や、被めっき物の付きまわり不足による下地金属のめっき液中への混入などによって、銅、ニッケル、鉄などの不純物イオンが混入し、めっき液の異常反応が進行し、めっき液の分解が発生することがあり、このような異常反応を抑制するためには、不純物金属隠蔽剤を添加して使用することができる。
このような不純物金属隠蔽剤としては、一般的にベンゾトリアゾール系化合物を用いることができ、例えば、ベンゾトリアゾールナトリウム、ベンゾトリアゾールカリウム、テトラヒドロベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール等を挙げることができる。添加量としては0.5〜100g/lの範囲であることが好ましく、0.5g/l未満であると、不純物の隠蔽効果が少なく、十分な液安定性を確保できない。また、100g/lを超えると、めっき液中に再結晶化してしまうため、あまり好ましくない。さらに、コスト適及び効果を考えると、2〜10g/lの範囲で使用することがより好ましい。
上記無電解金めっき液のpHは、5〜10の範囲であることが好ましい。めっき液のpHが5未満であると、めっき液のAu錯化剤である亜硫酸塩や、チオ硫酸塩が分解し、毒性の亜硫酸ガスが発生するおそれがあり、好ましくない。また、使用pHが10を超えると、めっき液の安定性が低下するため好ましくない。さらには6〜8の範囲で使用することがよりこの好ましく、最も好ましいのは、7〜8の範囲である。
(試料の作成)
めっき試験用サンプルには3cm×3cm×0.3mmの圧延銅板を使用し、表面の錆、有機物等を除去するために、酸性脱脂であるZ−200(ワールドメタル株式会社製、商品名)に45℃で3分間処理した。更に、余分な界面活性剤を除去するために湯洗(45℃、純水)を1分間実施した。その後、水洗処理を1分間行った。更に、表面の形状を均一化するために、過硫酸アンモニウム溶液(120g/l)に室温で3分間浸漬処理するソフトエッチング処理を行った。その後、水洗処理を1分間行った。更に、表面の酸化銅を除去するために硫酸(10%)に室温で1分間浸漬処理を行い、その後、水洗処理を1分間行った後、置換パラジウムめっきであるSA−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温で5分間浸漬処理を行った。その後、水洗処理を1分間行った。
次に、無電解Ni−Pめっき液であるNIPS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に85℃で、25分間浸漬処理をしてニッケル−リンのめっき皮膜を5μm程度に行い、水洗処理を1分間行った後、置換金めっき液であるHGS−500(日立化成工業株式会社製、商品名)に85℃で、10分間浸漬処理して、金めっき膜厚を0.1μm程度行って水洗処理を1分間行い更に、以下の無電解金めっきを行って評価した。また、無電解金めっき液の評価用めっき槽には、ポリプロピレン製の樹脂槽を使用した。
(浴安定性試験方法:75℃)
浴安定性試験方法には、PP(ポリプロピレン製)樹脂製の1Lビーカをめっき槽として使用した。また、槽内に付着している不純物を除去するために、実験前に槽内を王水(1:3=硝酸:塩酸、50%に純水で希釈)で6時間以上、常温で洗浄した後、実験に使用した。
浴安定性試験方法は、上記実験槽を使用して、めっき液に0.5dm2/Lのめっき負荷で1時間(70℃)処理した後、めっき液の温度を通常使用する温度よりやや高い75℃に保持して、10時間以上槽内に異常析出が発生しない場合を○(安定性良好)、5時間以上10時間未満を△(やや良好)、5時間未満を×(不安定)と分類して判断した。
(浴安定性加速試験方法:90℃)
浴安定性加速試験には、PP(ポリプロピレン製)樹脂製の1Lビーカをめっき槽として使用した。また、槽内に付着している不純物を除去するために、実験前に槽内を王水(1:3=硝酸:塩酸、50%に純水で希釈)で6時間以上、常温で洗浄した後、実験に使用した。
浴安定性加速試験方法は、上記の実験槽を使用して、めっき液に0.5dm2/Lのめっき負荷で1時間(70℃)処理した後、めっき液の温度を90℃に上げて、めっき液に悪条件を与えて、槽内に金の異常析出が発生するまでの時間を測定して、安定性評価の基準とした。10時間以上槽内に異常析出が発生しない場合を○(安定性良好)、5時間以上10時間未満を△(やや良好)、5時間未満を×(不安定)と分類して判断した。
(実施例1〜7)
表1に実施例を示す。実施例1〜3はエチレンジアミン濃度を1、2、5g/Lと変化させて、無電解金めっきを行った結果である。還元剤であるヒドロキノン濃度が低い条件でも、析出速度は表1に示すように0.36、0.51、0.61μm/hrと徐々に速くなった。また、皮膜外観も良好で均一なレモンイエローの光沢を示し、変色、付き回り不良などは発生していなかった。また、浴安定性試験(75℃)でも10時間以上、浴安定性加速試験(90℃)でも10時間以上安定で、めっき槽内での異常析出が発生することなく、良好であった。また、保存安定性についても、30日以上常温で保存しても槽内に異常析出が発生することなく良好であった。
実施例4、5、6は還元剤であるヒドロキノン濃度を、0.5、2、3g/Lと変化させて、無電解金めっきを行った結果である。析出速度は0.38、0.83、1.01μm/hrと除々に速くなった。この結果から、還元剤濃度が低い条件(2〜3g/L)で、しかも、pH7.5の中性付近で実用可能な析出速度を満足できる結果となった。また、皮膜外観も良好で均一なレモンイエローの光沢を示し、変色、付き回り不良などは発生していなかった。また、浴安定性試験(75℃)でも10時間以上、浴安定性加速試験(90℃)でも10時間以上安定で、めっき槽内での異常析出が発生することなく、良好であった。また、保存安定性についても、30日以上常温で保存しても槽内に異常析出が発生することなく良好であった。
実施例7はめっき液のpHを7.5から7.1に変化して評価した結果である。実施例5と比較して析出速度が0.59μm/hrと低下したが、実用析出速度を満足できる結果であった。また、皮膜外観も良好で均一なレモンイエローの光沢を示し、変色、付き回り不良などは発生していなかった。また、浴安定性試験(75℃)でも10時間以上、浴安定性加速試験(90℃)でも10時間以上安定で、めっき槽内での異常析出が発生することなく、良好であった。また、保存安定性についても、30日以上常温で保存しても槽内に異常析出が発生することなく良好であった。
Figure 2009235577
(実施例8〜10)
表2に示す液組成で無電解金めっきを連続的に行い、無電解金めっき液の連続使用の実用性を評価した。5日間連続で実験を実施した。その析出速度の変化を第1図に示す。連続5日間、25サイクル、70℃で実用的にめっき処理を行った結果、実施例8、9、10共に、0.4〜0.7μm/hrの析出速度で連続的に使用できた。また、皮膜外観も実施例8、9、10共に25サイクル全て良好で均一なレモンイエローの光沢を示し、変色、付き回り不良は発生しなかった。
Figure 2009235577
更に、めっき液の安定性については、表3に示す様に実施例8、9、10全ての浴について1日8時間以上、実用温度70℃、連続5日間(合計:52時間)使用しても、めっき槽内に異常析出は認められなく、優れた安定性を示すことが確認できた。
Figure 2009235577
(比較例)
比較例1及び2に、従来浴である還元剤にヒドロキノンを使用した場合での実験結果を表4示す。比較例1のヒドロキノン1.1g/Lでは、皮膜外観、付き回り不良は発生していないが、析出速度が0.13μm/hrと低く、置換金めっきによる製膜約0.1μmを除くと、析出速度が0.03μm/hrと還元反応による析出がほとんど進行していないことがわかる。このため、実用化は困難であると推定して、浴安定性試験、浴安定性加速試験、保存安定性の試験は実施しなかった。
一方、比較例2に示した様に析出速度を向上するために、還元剤濃度を比較例1の約3倍に増加した条件でめっきを行った。皮膜外観、付き回り不良は発生していないが、析出速度は比較例1と同様0.3μm/hrと低く、しかも、浴安定性試験では75℃、5時間で槽内に異常析出が発生した。また、浴安定性加速試験では2時間で槽内に異常析出が発生することがわかった。更に、保存安定性についても、室温で1日放置後、槽内に異常析出が発生して、使用できないことがわかった。
更に、析出速度を向上するために、比較例3に示す様に、還元剤濃度を比較例1の5倍にして、めっき液のpHを9.0で使用した結果、析出速度1.1μm/hrと実用的な析出速度を示した。付き回り不良は発生しなかったが、皮膜外観が赤茶色で外観が悪かった。しかも、めっき液の安定性が非常に悪く、めっき中(70℃)に、槽内に異常析出が発生して使用が困難になることがわかった。このため、実用化は困難であると判断して、浴安定性加速試験、保存安定性の試験は実施しなかった。
また、従来浴である還元剤にチオ尿素、還元促進剤にヒドロキノンと2成分を使用した無電解金めっき液を比較例4として評価した。その結果、実用域の70℃では、浴安定性試験はやや良好で、約8時間で槽内に異常析出が発生した。また、析出速度も0.75μm/hrと実用可能な範囲であることがわかった。また、皮膜外観は良好であったが、一部に付き回り不良が発生することがわかった。しかも、浴安定性加速試験では比較例2と同様、約2時間で槽内に異常析出が発生して、めっき液が分解して使用困難になることがわかった。また、液の保存安定性についても、室温放置後5日間でめっき槽内に異常析出が発生して使用困難になることがわかった。
Figure 2009235577
以上の結果から、本発明の無電解金めっき液は、従来のヒドロキノン浴と比較して、低い還元剤濃度で実用可能な析出速度が得られ、安定性と析出速度を両立することが可能であることがわかった。
また、液のpHが中性付近(6〜8)で、しかも低い温度(60〜70℃)条件で、実用可能なめっき速度(0.5から1.0μm/hr)で連続的に使用可能であり、従来の無電解金めっき液に比較して、著しく液の安定性が高く、槽の空け変えなどの作業ロスを大幅に低減できることが可能であることがわかった。
これにより、液の安定性が低く、大量生産に使用できない理由で実用化できなかった、中性での無電解金めっきが可能となり、適用できる材料、電子部品、等の範囲は大幅に拡大される。
以上に説明したとおり、本発明によって、還元剤の使用量が少なく、実用析出速度を維持し、かつ液安定性に優れた無電解金めっき液と無電解金めっき方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 塩と、フェニル化合物系還元剤類と、水溶性アミン類とからなる金めっき液。
  2. フェニル化合物系還元剤が、下記式(I):
    Figure 2009235577

    式中、Rは水酸基又はアミノ基を表し、R〜Rは、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、水酸基、アミノ基、水素原子又はアルキル基を表す、
    で示されるものである請求の範囲第1項に記載の無電解金めっき液。
  3. 2〜R4のアルキル基が、メチル基、エチル基又はt-ブチル基である請求の範囲第2項に記載の無電解金めっき液。
  4. フェニル化合物系還元剤類が、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、またはp−フェニレンジアミンである請求の範囲第1項または第2項に記載の無電解金めっき液。
  5. 水溶性アミン類が、エチレンジアミン系化合物である請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の無電解金めっき液。
  6. 添加剤として、不純物金属隠蔽剤類を含む請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の無電解金めっき液。
  7. 不純物金属隠蔽剤類が、ベンゾトリアゾール系化合物である請求の範囲第6項に記載の無電解金めっき液。
  8. 無電解金めっき液のpHが、5〜10の範囲である請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の無電解金めっき液。
  9. 金塩と、フェニル化合物系還元剤類と、水溶性アミン類とからなる金めっき液に、被めっき体を浸漬する無電解金めっき方法。
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