JP5371465B2 - 非シアン無電解金めっき液及び導体パターンのめっき方法 - Google Patents

非シアン無電解金めっき液及び導体パターンのめっき方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント基板または半導体ウエハー上に形成されるアルミニウムあるいは銅等の導体パターン上に形成する、接合強度が高い導体パターンのめっき方法におよび当該めっきに用いるめっき液に関する。
BGA(ボールグリッドアレイ)、PCB(プリントサーキットボード)等のプリント基板やシリコン、化合物半導体等の半導体ウエハー等の基材には、アルミニウムあるいは銅等の金属配線や、電極パッド等の導体パターンが形成されている。上記導体パターンには、これらの保護、あるいは電子部品のリードとの接合を良好にすること等を目的として、無電解金めっきが施されている。
無電解金めっきを施す際には、一般的に以下の処理が行われている。
特許文献1には、以下に記載する導体パターンのめっき方法が記載されている。
この方法は、まず亜鉛を用いるジンケート処理又はパラジウムを用いる活性化処理により、導体パターン表面を活性化するめっきの核付けを行う。次いで、活性化された導体パターン上に無電解ニッケルめっきを行う。その後、前記無電解ニッケルめっきにより形成されるニッケル皮膜上に置換型無電解金めっきを行う。更にその後、前記置換型無電解金めっきにより形成される金皮膜上に自己触媒還元析出型無電解金めっきを金皮膜が所望の膜厚となるまで行う。この方法においては、無電解ニッケルめっき/置換型無電解金めっき/自己触媒還元析出型無電解金めっきの3つのめっき工程が必要とされる。
上記方法においては、置換型無電解金めっきを行う時に、下地の無電解ニッケル皮膜が腐蝕を受けながら金皮膜が形成される。この場合、無電解ニッケル皮膜に残存する腐食生成物や、その腐食後のニッケルめっき皮膜の表面形態の影響を受けるため、得られる金めっき皮膜は半田強度特性、ワイヤーボンディング特性に劣るものとなる。そのため、係るめっきが施されたプリント基板や半導体ウエハーは、強度の面で信頼性が低いという問題がある。
特許文献2には、ニッケルめっき表面に金めっきを行う際に生じる上記腐食の問題を解消するために、ニッケルめっき皮膜と金めっき皮膜との間にパラジウムめっき皮膜を挟む方法が記載されている。この方法は、上記特許文献1の方法に加え、無電解ニッケルめっきを行った後、置換型無電解金めっきを行う前に、無電解パラジウムめっきを施す方法である。この方法においては、無電解ニッケルめっき/無電解パラジウムめっき/置換型無電解金めっき/自己触媒還元析出型無電解金めっきの4つのめっき工程が必要とされ、工程が更に繁雑になる。
更に、この方法においては、パラジウム皮膜上に、密着性が優れた自己触媒還元析出型無電解金めっき皮膜を形成できないため、自己触媒還元析出型無電解金めっきを行う前に、置換型無電解金めっきを行う必要がある。このようなめっき工程数の増加は、各種管理が複雑となり、製品の生産性が低下する。従って、このめっき方法においては、めっき工程の簡略化が求められている。
また、無電解金めっき液は、置換型無電解金めっき液および自己触媒還元析出型無電解金めっき液ともに環境に有害なシアン化合物や重金属を含有している場合が多い。従って、環境保護の観点から、それらを含有しない無電解金めっき液が求められている。
特許第3030114号公報 特許第3345529号公報
本発明の目的は、プリント基板又は半導体ウエハー上に形成されるアルミニウム又は銅等からなる導体パターンを被覆するめっき皮膜であって、そのめっき工程を簡略化できるとともに、導体パターンとの密着性に優れ、高い接合強度を有する金パターンめっき皮膜を形成する非シアン無電解金めっき液と、これを使用する導体パターンのめっき方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、環境に有害なシアン化合物や重金属を含有しない無電解金めっき液を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を行った結果、無電解ニッケルめっき及び無電解パラジウムめっきが施されている導体パターンに、所定の組成のめっき液を用いて自己触媒還元析出型無電解金めっきを行うことにより、パラジウム皮膜上に置換型無電解金めっき処理を施すことなく、自己触媒還元析出型無電解金めっきを直接形成することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
第一の本発明は、無電解パラジウムめっき皮膜上に、自己触媒還元反応により金皮膜を析出させる下記成分(A)〜(G)
(A)非シアンの亜硫酸金塩 0.5〜4g/L,
(B)亜硫酸塩 10〜40g/L,
(C)チオ硫酸塩 0.5〜5g/L,
(D)水溶性ポリアミノカルボン酸 30〜80g/L,
(E)ベンゾトリアゾール化合物 0.1〜3g/L,
(F)硫黄を含有するアミノ酸化合物 0.1〜2g/L,
(G)ヒドロキノン及び/又はその誘導体 0.5〜4g/L,
を配合する非シアン無電解金めっき液である。
第一の本発明は、重金属を含有しない場合を含む。
第二の本発明は、プリント基板又は半導体ウエハー上に形成された銅又はアルミニウムからなる導体パターン上に無電解ニッケルめっき皮膜を形成させ、次いで、無電解パラジウムめっき皮膜を形成させ、その後、無電解金めっき皮膜を順次形成させる導体パターンのめっき方法であって、該無電解金めっき皮膜が、第一の本発明に記載された非シアン無電解金めっき液を用いて形成させることを特徴とする導体パターンのめっき方法である。
本発明のめっき液は置換型無電解金めっきを省略して直接無電解パラジウムめっき皮膜に無電解金めっき皮膜を形成できる。その結果、めっき工程の簡略化を図ることができる。また、ニッケル皮膜やパラジウム皮膜を腐食することなく金めっきを施すことが可能であるため、本発明により形成される導体パターンのめっき皮膜は、高い半田ボールプル強度およびワイヤーボンディング強度を有している。
さらに、本発明の無電解金めっき液は、シアン化合物やタリウム、鉛等の重金属を含有していないために環境を有害物質で汚染し難い。
本発明のパターンめっきの一例を示す概略断面図である。
図1中、1はプリント基板又は半導体ウエハー等の基材である。基材1上には、銅又はアルミニウムからなる導体パターン3が形成されている。導体パターン3上には、順次無電解ニッケルめっき皮膜5と、無電解パラジウムめっき皮膜7と無電解金めっき皮膜13とが積層されてなるパターンめっき9が形成されている。
導体パターン3は、エッチング等の手法を用いる公知の回路基板作成技術等を用いて製造できる。
上記導体パターン3上面には、無電解ニッケル皮膜5が形成される。無電解ニッケルめっき皮膜5は、公知の無電解ニッケルめっき方法により形成される。無電解ニッケルめっき皮膜5の膜厚は1〜20μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。膜厚が1μm未満であると配線又は端子11の接合強度が悪くなりやすく、20μmを超えると析出する皮膜が基材面と平行方向に張出した歪を生じ(歪形状)、その結果、配線間に架橋が生じやすい。
無電解ニッケルめっき皮膜5に無電解パラジウムめっき皮膜7を形成させる場合、置換型パラジウムめっき液を用いると、置換反応によりニッケル皮膜が溶解されながらパラジウム皮膜が析出される。この場合、ニッケル皮膜が溶解されている部分は、パラジウムの析出が妨げられ、ニッケル皮膜が局所的に露出した部分が生じる。一方、無電解パラジウムめっき液は還元反応によりパラジウムを析出させるため、ニッケル皮膜の溶解を伴うことがなく、パラジウムが析出される。即ち、無電解ニッケル皮膜5の腐蝕が抑制される。
無電解パラジウムめっき皮膜7の厚さは0.03〜0.4μmが好ましく、0.05〜0.2μmがより好ましい。パラジウムめっき皮膜の膜厚が0.03μm未満又は0.4μmを超える場合には、接合強度が悪くなる。
上記のようにして形成されるパラジウムめっき皮膜7の上面には、無電解金めっき皮膜13が形成される。
無電解パラジウムめっき皮膜7の上面に無電解金めっき皮膜13が形成される場合、置換型めっき液を用いると、金皮膜の析出と共に、置換反応でニッケルまたはパラジウム皮膜が溶解される。本発明においては、所定の組成の金めっき液を用いて自己触媒還元反応により金が析出されるため、無電解ニッケル皮膜5またはパラジウム皮膜7の腐蝕が抑制される。
無電解金めっき皮膜13の膜厚は、特に制限されるものではないが、1.5μm以下が好ましく、0.05〜1.0μmがより好ましい。1.5μmを超えると、析出皮膜形状が歪形状になりやすい。
本発明のパターンめっきを導体パターン上へ形成させる好ましい方法を次に説明する。まず、レジストを用いてパターン化したプリント基板又はウエハーのアルミニウム又は銅の導体パターンに、亜鉛を用いるジンケート処理又はパラジウムを用いる活性化処理を行う。
亜鉛を用いるジンケート処理は公知の方法により行えばよい。例えば、硝酸亜鉛を硝酸溶液に溶解させた処理液に導体パターンを接触させることにより行われる。
パラジウムを用いる活性化処理も公知の方法により行えばよい。例えば、塩化パラジウムを塩酸に溶解させた処理液に導体パターンを接触させることにより行われる。
次いで、これらの処理が行われた導体パターン上に、無電解ニッケル皮膜を形成させる。無電解ニッケルめっきは公知のめっき液を用いて公知のめっき条件で行えばよい。例えば、次亜リン酸ナトリウム若しくは亜リン酸ナトリウムを還元剤として使用するニッケル−りん合金めっき液、又は水素化ホウ素ナトリウム若しくはジメチルアミンボランを還元剤として使用するニッケル−ホウ素合金めっき液を使用して行う。本発明においては、ニッケル皮膜を安定して高速でめっきするためにはニッケル−りん合金無電解ニッケルめっき液を用いることが好ましい。
導体パターン上に無電解ニッケルめっき皮膜を形成した後は、当該皮膜上に無電解パラジウムめっき皮膜を形成させる。無電解パラジウムめっきは、公知のめっき液を用いて公知のめっき条件により行えばよい。例えば、次亜リン酸ナトリウムを還元剤として使用するパラジウム−りん合金めっき若しくはギ酸を還元剤として使用するパラジウムめっき液を使用して行う。
導体パターン上に無電解パラジウムめっき皮膜を形成させた後は、当該皮膜上に本発明の自己触媒還元析出型非シアン無電解金めっき液を用いて金皮膜を形成させる。
本発明の自己触媒還元析出型非シアン無電解金めっき液は、非シアン水溶性金化合物として亜硫酸金塩、錯化剤として亜硫酸塩とチオ硫酸塩、水溶性ポリアミノカルボン酸、安定剤としてベンゾトリアゾール、反応促進剤として硫黄を含有するアミノ酸、還元剤としてヒドロキノン及び/又はその誘導体を必須成分として含有する。
本発明に用いる亜硫酸金塩としては、亜硫酸金ナトリウム、亜硫酸金カリウム、亜硫酸金アンモニウムを挙げることができ、これらのうち亜硫酸金ナトリウムが 経済性及びめっき液の安定性の点で好ましい。
無電解金めっき液中の亜硫酸金塩の濃度は金濃度として、0.5〜4g/Lであるが、1〜3g/Lが好ましい。金濃度が0.5g/L未満であるとめっき反応が進行しない。4g/Lを超えるとめっき液の安定性が悪くなり、めっき液が分解して金が沈殿し易くなる。
本発明に用いる亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウムを挙げることができ、これらのうち亜硫酸ナトリウムが経済性及びめっき液の安定性の点で好ましい。
無電解金めっき液中の亜硫酸塩の濃度は10〜40g/Lであるが、20〜30g/Lが好ましい。亜硫酸塩濃度が10g/L未満であると、めっき液の安定性が悪くなり液の分解により金が沈殿し易い。40g/Lを超える場合は、特に性能に問題はないが、経済的ではない。
本発明に用いるチオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウムを挙げることができ、これらのうちチオ硫酸ナトリウムがめっき特性維持の点で好ましい。
無電解金めっき液中のチオ硫酸塩の濃度は0.5〜5g/Lであるが、1〜3g/Lが好ましい。チオ硫酸塩濃度が0.5g/L未満であると、めっき液の安定性が悪くなり、めっき液の分解により金が沈殿し易くなる。5g/Lを超える場合は金めっき析出が極端に抑制されて、パラジウム皮膜上に直接金めっきができなくなる。
本発明に用いる水溶性ポリアミノカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、ニトリロ三酢酸を挙げることができ、これらのうちエチレンジアミン四酢酸が亜硫酸金錯体亜硫酸金錯体をより安定させる点で好ましい。
無電解金めっき液中の水溶性ポリアミノカルボン酸の濃度は30〜80g/Lであるが、40〜60g/Lが好ましい。水溶性ポリアミノカルボン酸濃度が30g/L未満であるとめっき液の安定性が悪くなり、めっき液が分解し易くなり、80g/Lを超える場合は金めっき析出が抑制されて、めっき外観がムラになる。
本発明に用いるベンゾトリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾールナトリウム、ベンゾトリアゾールカリウムを挙げることができる。
無電解金めっき液中のベンゾトリアゾール化合物の濃度は0.1〜3g/Lであるが、0.3〜2g/Lが好ましい。ベンゾトリアゾール化合物濃度が0.1g/L未満であると導体パターンの銅、導体パターンにめっきしたニッケルがめっき液に溶け込みやすくなり、金皮膜外観を悪くするばかりか、前記溶け込んだ不純物がめっき反応を抑制する。3g/Lを超える場合は、金の析出が抑制されて、めっき外観がムラになる。
本発明に用いる硫黄を含有するアミノ酸としては、システイン、シスチン、メチオニンを挙げることができ、これらのうちシステインが経済性の点で好ましい。
無電解金めっき液中の硫黄を含有するアミノ酸の濃度は0.1〜2g/Lであるが、0.3〜1.5g/Lが好ましい。硫黄を含むアミノ酸濃度が0.1g/L未満の場合は、金の析出が不安定となって、パラジウム皮膜上に直接金めっきができなくなる。2g/Lを超える場合は、めっき液の安定性が悪くなり、めっき液が分解して金が沈殿し易くなる。
本発明に用いるヒドロキノン及びその誘導体としては、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンを挙げることができる。
無電解金めっき液中のヒドロキノン及びその誘導体の濃度は0.5〜4g/Lであるが、1〜3g/Lが好ましい。ヒドロキノン及びその誘導体の濃度が0.5g/L未満であると金析出が進行せず、金めっきができなくなってしまい、4g/Lを超える場合はめっき液の安定性が悪くなり、めっき液が分解して金が沈殿し易くなる。
本発明に用いる自己触媒還元析出非シアン無電解金めっき液は、pHを4〜10とすることが好ましい。pHが4未満あるいは10を超える場合は、めっき液の安定性が悪くなり、液の分解が生じ易くなる。
本発明に用いる自己触媒還元析出非シアン無電解金めっき液のめっき温度は、50〜70℃が好ましい。めっき温度が50℃未満であるとめっき反応が進行しにくくなってしまい、70℃を超える場合はめっき液の安定性が悪くなり、めっき液が分解し易くなる。
めっき時間は、得られるめっき皮膜の厚さにより異なるが、通常30分間が好ましい。
(実施例1〜5)
BGAプリント基板上に形成された銅端子(導体パターン)に銅エッチング及びパラジウム活性処理を行った後、表1に記載した条件により無電解ニッケルめっき、無電解パラジウムめっきを行った。その後、表3に記載された配合のめっき液を用いて、液温65℃、めっき時間30分間により自己触媒還元析出型無電解金めっきを行った。この際、めっき液の分解の有無を観察した。また、得られた試料を用いて下記の方法により金皮膜外観の観察、半田ボールシェアー強度の測定、ワイヤーボンディング強度の測定を行った。それらの結果を表3に示した。
(比較例1〜4)
BGAプリント基板上に形成された銅端子(導体パターン)に銅エッチング及びパラジウム活性処理を行った後、表1に記載した条件により無電解ニッケルめっき、無電解パラジウムめっきを行った。その後、表4に記載された配合のめっき液を用いて、液温65℃、めっき時間30分間により自己触媒還元析出型無電解金めっきを行った。この際、めっき液の分解の有無を観察した。また、得られた試料は下記の方法により金皮膜外観の観察、半田ボールシェアー強度の測定、ワイヤーボンディング強度の測定を行った。それらの結果を表4に示した。
Figure 0005371465
(比較例5〜6)
BGAプリント基板上に形成された銅端子に銅エッチング及びパラジウム活性処理を行った後、表2に記載した条件により無電解ニッケルめっき、無電解パラジウムめっきに加え、置換金めっきを行った。その後、表4に記載された配合のめっき液を用いて、液温65℃、めっき時間30分間により自己触媒還元析出型無電解金めっきを行った。この際、めっき液の分解の有無を観察した。また、得られた試料は下記の方法により金皮膜外観の観察、半田ボールシェアー強度の測定、ワイヤーボンディング強度の測定を行った。それらの結果を表4に示した。
Figure 0005371465
〔金皮膜外観の観察〕
得られた金皮膜を目視および実体顕微鏡により、金皮膜色調、金皮膜外観、金未析出を観察した。また、テープ剥離試験(住友3M社製 スコッチ BH−12)による密着性試験と80℃で10時間加熱した後の金めっき液の分解を観察した。
〔半田ボールシェアー強度の測定〕
得られた銅端子上のめっき皮膜の半田接合強度試験を行った。めっき皮膜を170℃で5時間熱処理した後、めっき皮膜に半田ボールを接合した。アークテック社製 MK−30 を用いてシェア強度(半田ボールシェア強度)を10点測定し、平均値を求めた。
〔ワイヤーボンディング強度の測定〕
得られた銅端子上のめっき皮膜のワイヤーボンディング接合強度試験を行った。めっき皮膜を170℃で10時間熱処理した後、めっき皮膜に金ワイヤーを接合した。キューリックアンドソファー社製 4524A を用いてワイヤーボンディングプル強度を20点測定し、平均値を求めた。
なお、上述した実施例、比較例においてめっきに使用しためっき液の組成は、以下のとおりである。
1)無電解ニッケル-りん合金めっき(エヌ・イー ケムキャット(株)製、 商品名:Super NIC 100)
組成:
硫酸ニッケル 20g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
クエン酸 5g/L
2)無電解パラジウムめっき(エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:Pallamex)
組成:
エチレンジアミンパラジウム(パラジウム濃度として) 1g/L
エチレンジアミン 5g/L
チオ乳酸 0.1g/L
ギ酸 10g/L
pH 8.0
3)置換型無電解金めっき(エヌ・イー ケムキャット(株)製、商品名:ATOMEX)
組成:
シアン化金カリウム(金濃度として) 2g/L
クエン酸 5g/L
エチレンジアミン 3g/L
Figure 0005371465
Figure 0005371465
〔金皮膜外観の観察結果〕
実施例1〜5は、非シアンの亜硫酸金塩0.5〜4g/L、亜硫酸塩10〜40g/L、チオ硫酸塩0.5〜5g/L、水溶性ポリアミノカルボン酸30〜80g/L、ベンゾトリアゾール化合物0.1〜3g/L、硫黄を含有するアミノ酸化合物0.1〜2g/L、ヒドロキノン0.5〜4g/Lの範囲内、即ち本発明に係る無電解金めっき液を用いて形成させためっきに関する。得られためっき外観は良好であり、金皮膜の未析出(即ち金皮膜が析出せずに、パラジウム皮膜が部分的に観察される状態)はなく、金皮膜とパラジウム皮膜との密着性も良好であった。
これに対し、比較例1は、錯化剤のチオ硫酸塩濃度が高いために、金めっき外観がムラになり、かつ、金皮膜の未析出が認められた。また、テープ剥離試験においては、金皮膜はパラジウム皮膜から剥離された。パラジウム皮膜面にチオ硫酸塩が過剰に吸着してめっき反応が円滑に行われなかったためと思われる。
比較例2のめっき液は、錯化剤のチオ硫酸塩を含まないために、金めっき外観がムラになり、かつ、金皮膜の未析出が認められた。また、めっき液の安定性が低下し、液の分解が認められた。錯化剤を含まないために、分解が生じやすくなったと思われる。
比較例3のめっき液は、反応促進剤の硫黄を含有するアミノ酸化合物を含まないために、金めっき外観がムラになり、かつ、金皮膜の未析出が認められた。また、テープ剥離試験においては、金皮膜はパラジウム皮膜から剥離された。さらに、パラジウム皮膜面のめっき反応性が抑制されたため、金めっきスピードは低下した。
比較例4のめっき液は、ニッケル皮膜上に直接無電解金めっきを形成させる目的で市販されているめっき液と同等の組成である。錯化剤としてのチオ硫酸塩、水溶性ポリアミノカルボン酸、還元剤としてのヒドロキノンの濃度が高く、かつ、反応促進剤としてのタリウムを含有した。この無電解金めっき液を使用してパラジウム皮膜に金めっきした。パラジウム皮膜表面に高濃度でチオ硫酸塩が吸着し、かつ、めっき液中に硫黄を含有するアミノ酸化合物が含有されていない場合、金の析出が阻害され、外観ムラ及び金未析出が発生し、密着性が悪かった。パラジウム皮膜面に自己触媒還元反応による金析出を良好に行うためには、液組成の最適化、反応促進剤としての硫黄を含有するアミノ酸化合物の含有が必須である。
比較例5〜6においては、パラジウム皮膜に置換金めっきを行った後、本発明の無電解金めっき液および市販されている無電解金めっき液を用いて、金めっきを行った。比較例5〜6ともに得られためっき外観は良好で、金皮膜の未析出はなく、密着性も良好であった。
〔半田ボールシェアー強度の測定結果〕
実施例1〜5のめっき皮膜は、めっき工程を簡略化して製造できた。これらのめっき皮膜は、工程を簡略化していない比較例5〜6のめっき皮膜と同等の特性を示した。また、実施例1〜5の皮膜は、比較例1〜4の皮膜と比べて、著しく接合強度(半田ボールシェアー強度)が大きかった。
〔ワイヤーボンディングプル強度の測定結果〕
実施例1〜5のめっき皮膜は、めっきプロセスが簡略化できたにもかかわらず、比較例5〜6と同等の特性を示した。また、実施例1〜5の皮膜は、比較例1〜4と比べて、著しく接合強度(ワイヤーボンディングプル強度)が大きかった。
本発明によれば、導体パターン上に、無電解ニッケルめっき皮膜/無電解パラジウムめっき皮膜/無電解金めっき皮膜からなるパターンめっきを、簡単な工程により製造することができる。
1 基材
3 導体パターン
5 無電解ニッケルめっき皮膜
7 無電解パラジウムめっき皮膜
9 パターンめっき
11 配線又は端子
13 無電解金めっき皮膜

Claims (3)

  1. 無電解パラジウムめっき皮膜上に、自己触媒還元反応により金皮膜を析出させる下記成分(A)〜(G)
    (A)非シアンの亜硫酸金塩 0.5〜4g/L,
    (B)亜硫酸塩 10〜40g/L,
    (C)チオ硫酸塩 0.5〜5g/L,
    (D)水溶性ポリアミノカルボン酸 30〜80g/L,
    (E)ベンゾトリアゾール化合物 0.1〜3g/L,
    (F)硫黄を含有するアミノ酸化合物 0.1〜2g/L,
    (G)ヒドロキノン及び/又はその誘導体 0.5〜4g/L,
    を配合することを特徴とする非シアン無電解金めっき液。
  2. 重金属を含有しない請求項1に記載の非シアン無電解金めっき液。
  3. プリント基板又は半導体ウエハー上に形成された銅又はアルミニウムからなる導体パターン上に無電解ニッケルめっき皮膜を形成させ、次いで、無電解パラジウムめっき皮膜を形成させ、その後、無電解金めっき皮膜を順次形成させる導体パターンのめっき方法であって、該無電解金めっき皮膜を、請求項1又は2に記載された非シアン無電解金めっき液を用いて形成させることを特徴とする導体パターンのめっき方法。
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