JP2004217988A - 無電解金めっき浴 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の無電解金めっき浴は、優れた浴安定性を有し、被めっき物に対して均一な膜厚と良好な外観を有する被膜が形成可能であって、しかもプリント配線基板等へのめっき被膜形成の際には、回路パターン間の非金属部への金析出を抑制することが可能な無電解金めっき浴である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板や電子工業部品等に無電解金めっき被膜を形成する際に好適に用いることが可能な無電解金めっき浴に関する。
【0002】
【従来の技術】
無電解金めっき被膜は電気伝導性、熱圧着性、接続性等の物理的性質のみならず、耐酸化性、耐薬品性等の化学的性質にも優れることから、従来、プリント配線基板やセラミックICパッケージ等の電子部品等における表面被膜として好適に用いられている。
プリント配線基板や電子部品等を無電解金めっきする際に用いられるめっき浴としては、例えば金塩とボロン系還元剤とを含むアルカリ性無電解金めっき液中にアミン銅を配合してなる無電解金めっき液(特許文献1)や、アルカリ金属またはアンモニウムのフェロシアニドとアルカリ金属またはアンモニウムのフェリシアニドとの混合物と、1−H−テトラゾールと、レドックス媒介物質と、これらのいずれかの混合物より選択した還元安定剤とを含有することを特徴とする、金の原料と還元剤を含んでなる金の無電解沈積浴として使用するための水溶液(特許文献2)や、シアン化金アルカリ金属と、ボロン系の還元剤と、水酸化アルカリ金属とを含むアルカリ性の無電解金めっき液に、ジメチルアミンを特定量配合したことを特徴とする無電解金めっき液(特許文献3)等が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のボロン系還元剤を用いた無電解金めっき浴は、被めっき物に対するめっき被膜の膜厚ばらつきが大きな場合や、プリント配線基板のめっきの際には回路パターン間の非金属部への金析出が生じる場合や、めっき浴の安定性が悪くめっき浴が分解し金が沈殿する場合や、形成された無電解金めっき被膜の外観が悪い場合等、種々の不具合が発生することがあり、量産化への対応という観点からは、なお改良の余地を有するものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−99477号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平2−19473号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平8−60378号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、優れた浴安定性を有し、被めっき物に対して均一な膜厚と良好な外観を有する被膜が形成可能であって、しかもプリント配線基板等へのめっきの際には回路パターン間の非金属部への金析出を抑制することが可能な無電解金めっき浴を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、シアン化金アルカリ金属と、ボロン系還元剤と、シアン化アルカリ金属と、水酸化アルカリ金属と、アルカノールアミンと、アミノカルボン酸又はその塩と、好ましくはタリウム化合物及び/または鉛化合物とを含有する無電解金めっき浴であって、しかもFe含有化合物を含有しない無電解金めっき浴が、優れた浴安定性を有し、被めっき物に対して均一な膜厚と良好な外観とを有する被膜を、良好な被膜形成速度をもって形成可能であって、しかもプリント配線基板等へのめっきの際には回路パターン間やめっき槽への金析出を防止し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記の無電解金めっき浴を提供する。
請求項1:
シアン化金アルカリ金属と、ボロン系還元剤と、シアン化アルカリ金属と、水酸化アルカリ金属と、アルカノールアミンと、アミノカルボン酸又はその塩とを含有してなる無電解金めっき浴であって、Fe含有化合物を含有しないことを特徴とする無電解金めっき浴、
請求項2:
2種以上の前記アルカノールアミンを合計で1〜100g/Lの濃度で含有し、前記アミノカルボン酸又はその塩を1〜60g/Lの濃度で含有する請求項1記載の無電解金めっき浴、
請求項3:
前記アルカノールアミンを1〜100g/Lの濃度で含有し、前記アミノカルボン酸又はその塩を0.001〜1.5g/Lの濃度で含有する請求項1記載の無電解金めっき浴、
請求項4:
前記アルカノールアミンが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールからなる群から選択された1種又は2種以上である請求項1,2又は3記載の無電解金めっき浴、
請求項5:
前記アミノカルボン酸又はその塩が、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、アミノ酢酸、イミノジ酢酸、2−ヒドロキシエチレンジアミノテトラ酢酸又はそれらの塩からなる群から選択された1種又は2種以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無電解金めっき浴、
請求項6:
タリウム化合物及び/または鉛化合物を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無電解金めっき浴。
【0010】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の無電解金めっき浴は、シアン化金アルカリ金属と、ボロン系還元剤と、シアン化アルカリ金属と、水酸化アルカリ金属と、アルカノールアミンと、アミノカルボン酸又はその塩とを含有してなる無電解金めっき浴であって、Fe含有化合物を含有しないことを特徴とする無電解金めっき浴である。
【0011】
本発明に用いられる上記シアン化金アルカリ金属としては、本発明の無電解金めっき浴において金源となることが可能なシアン化金アルカリ金属であれば特に限定されるものではないが、例えばシアン化第一金カリウム、シアン化第二金カリウム等を使用することができる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
本発明の無電解金めっき浴中の、上記シアン化金アルカリ金属の配合量としても、特に制限されるものではないが、金量として通常1〜10g/L、好ましくは2〜6g/Lである。シアン化金アルカリ金属の上記配合量が金量として1g/L未満であると、析出速度が低下する場合があり、一方、10g/Lを超えると、めっき速度の向上が顕著に観察されるが、金塩添加の効果がない場合がある。なお、本発明の無電解金めっき浴における金源としては、上記シアン化金アルカリ金属以外の金源がさらに含まれていてもよく、そのような金源としては塩化金酸ナトリウム、亜硫酸金ナトリウム等が挙げられる。
【0012】
本発明に用いられる上記ボロン系還元剤としては、例えば水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアミンボラン化合物等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
これら還元剤の作用により、めっき浴中の金イオンが被めっき物上に析出することとなるが、上記ボロン系還元剤の配合量としては通常1〜50g/L、好ましくは2〜30g/Lである。これら還元剤の配合濃度にほぼ比例して、めっき浴中に浸漬された被めっき物上への金イオンの析出速度(めっき速度)が増大することとなるが、上記還元剤の配合量が50g/Lを超えると、もはやめっき速度の向上効果が顕著には観察されなくなるばかりか、めっき浴安定性も低下してしまう場合がある。一方、ボロン系還元剤の配合量が1g/L未満であると、めっき速度が非常に小さくなってしまう場合がある。
【0013】
本発明に用いられる上記シアン化アルカリ金属としては、特に限定されるものではないが、例えばシアン化カリウム、シアン化ナトリウム等を挙げることができ、中でもシアン化カリウムが好適に用いられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
本発明の無電解金めっき浴中の、上記シアン化アルカリ金属の配合量としても、特に制限されるものではないが、通常0.5〜20g/L、好ましくは1〜10g/L、特に好ましくは1〜6g/Lである。シアン化アルカリ金属の配合量が0.5g/L未満であると、めっき浴が不安定となる場合があり、一方、20g/Lを超えると、めっき被膜の析出速度が低下する場合がある。
【0014】
本発明に用いられる上記水酸化アルカリ金属としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
上記水酸化アルカリ金属の配合量としても、特に制限されるものではないが、通常1〜100g/L、好ましくは2〜60g/Lである。水酸化アルカリ金属の配合量が1g/L未満であると、めっき被膜の析出速度が低下する場合があり、一方、100g/Lを超えると、めっき浴が不安定となる場合がある。
【0015】
さらに、本発明の無電解金めっき浴中には、上記各成分に加えてアルカノールアミン、及び、アミノカルボン酸又はその塩が配合される。
アルカノールアミンと、アミノカルボン酸又はその塩とを上記各成分と共に配合して無電解金めっき浴を調製することにより、本発明の無電解金めっき浴は優れた浴安定性を示し、被めっき物に対して均一な膜厚と良好な外観とを有する金めっき被膜を、良好な被膜形成速度をもって形成可能となる。また、当該無電解金めっき浴は、非金属部分への金めっきの析出を有効に防止することが可能であるため、複数のめっき部位が微小間隔で隣接しているプリント配線基板等へのめっきの際にも、回路パターン間に金が析出することがないため好適に適用可能である。
【0016】
本発明に使用される上記アルカノールアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール等が挙げられ、中でも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが好適に用いられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
本発明の無電解金めっき浴中の、上記アルカノールアミンの配合量としても、特に制限されるものではないが、通常1〜100g/L、好ましくは5〜60g/L、特に好ましくは10〜40g/Lである。配合量が1g/L未満であると、アルカノールアミシ配合の効果が十分発揮されない場合があり、一方100g/Lを超えると浴安定性が低下する場合がある。
【0017】
また、本発明に用いられる上記アミノカルボン酸又はその塩としても、特に限定されるものではないが、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、アミノ酢酸、イミノジ酢酸、2−ヒドロキシエチレンジアミノテトラ酢酸又はそれらの塩等が挙げられ、中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸またはそれらの塩が好適に用いられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
本発明の無電解金めっき浴中の、上記アミノカルボン酸又はその塩の配合量としても、特に制限されるものではないが、通常0.001〜60g/L、好ましくは0.01〜40g/L、特に好ましくは0.1〜25g/Lである。配合量が0.001g/L未満であると、めっき浴が分解しやすくなる場合があり、60g/Lを超えると、析出速度が低下する場合がある。
【0018】
本発明の無電解金めっき浴を調製する際、特にめっき被膜の析出速度の向上を目的とする場合には、使用する上記アルカノールアミンを2種以上併用することとし、さらに、上記アルカノールアミンと上記アミノカルボン酸又はその塩の配合量を特定量とすることが好適である。この場合、本発明の無電解金めっき浴中の上記2種以上のアルカノールアミンの合計配合量としては、通常1〜100g/L、好ましくは10〜60g/Lであり、一方、上記アミノカルボン酸又はその塩の配合量としては、通常1〜60g/L、好ましくは10〜60g/Lである。
【0019】
また、特にめっき被膜の膜厚を均一化することを目的とする場合には、使用する上記アルカノールアミンを1種類とし、さらに、上記アルカノールアミンと上記アミノカルボン酸又はその塩の配合量を特定量とすることが好適である。この場合、本発明の無電解金めっき浴中の上記アルカノールアミンの配合量としては、通常1〜100g/L、好ましくは5〜30g/Lであり、一方、上記アミノカルボン酸又はその塩の配合量としては、通常0.001〜1.5g/L、好ましくは0.01〜1.5g/Lである。
【0020】
上記のようなアルカノールアミンと、アミノカルボン酸又はその塩との組合せとしては、上述のアルカノールアミンからなる群から選択されたアルカノールアミンと、上述のアミノカルボン酸又はその塩からなる群から選択されたアミノカルボン酸又はその塩との組合わせであることが好適である。特に限定されるものではないが、中でも、トリエタノールアミンとエチレンジアミンテトラ酢酸又はその塩との組み合わせが、めっき被膜の膜厚を均一化する観点から好適であり、また、トリエタノールアミンとトリイソプロパノールアミンとエチレンジアミンテトラ酢酸又はその塩との組み合わせが、めっき被膜の析出速度が金濃度の変動による影響を受けにくい観点から好適である。
【0021】
本発明の無電解金めっき浴には上述の各成分に加えて、さらにタリウム化合物及び/または鉛化合物を配合することも可能である。タリウム化合物及び/または鉛化合物を配合することにより、本発明の無電解金めっき浴のめっき速度が向上し得る。
上記タリウム化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば蟻酸タリウム、硫酸タリウム、塩化タリウム等を挙げることができ、中でも硫酸タリウムが好適に用いられる。また、上記鉛化合物としても特に限定されるものではないが、例えばクエン酸鉛、酢酸鉛、塩化鉛、硝酸鉛、メタンスルホン鉛等を挙げることができ、中でも酢酸鉛が好適に用いられる。
本発明の無電解金めっき浴中の、上記タリウム化合物及び/または鉛化合物の配合量としては、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設定することができるが、金属量として通常0.1〜100mg/L、好ましくは0.2〜50mg/L、特に好ましくは0.2〜20mg/Lである。配合量が0.1mg/L未満であると析出速度が低下する場合があり、100mg/Lより多いとつきまわり、外観が悪くなると共に液安定性が低下し、めっき浴の分解が生じる場合がある。
【0022】
本発明の無電解金めっき浴は、Fe含有化合物を含有しないことを特徴とする無電解金めっき浴である。Fe含有化合物を含有すると、めっき被膜の外観やめっき被膜の膜厚が損なわれることとなり、本発明の目的は達成し得ない。
【0023】
本発明の無電解金めっき浴を用いて無電解金めっきを行う際には、常法に従ってめっき操作を行えば良い。めっき操作時のめっき浴温度としても特に限定されるものではないが、通常40〜90℃、好ましくは50〜70℃である。めっき浴温度が上記範囲を外れると、めっき被膜が析出しない場合や、めっき浴の分解が生じる場合がある。
また、めっき被膜の析出速度としては、60℃のめっき浴温度において、通常1〜4μm/hr、好ましくは1.5〜3μm/hrである。めっき被膜の析出速度が上記範囲を外れると、作業性が悪くなる場合や、めっき浴が不安定となる場合がある。
【0024】
本発明の無電解金めっき浴のpHとしては、通常12以上、好ましくは13以上である。無電解金めっき浴のpHが12未満であると、めっき浴が不安定となる場合がある。
本発明の無電解金めっき浴には、本発明の目的を損なわない範囲でpH調整剤やpH緩衝剤、pH安定剤等を適宜使用してもよい。
pH調整剤としては、例えば酸として硫酸、りん酸等、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が挙げられる。また、pH緩衝剤としては、例えばりん酸塩、有機酸(カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等)塩等が挙げられ、安定剤としては、例えば重金属(Pb、As、Tl等)イオン、含硫黄複素化合物(2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等)、含窒素複素化合物(ベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等)等が挙げられる。
【0025】
本発明の無電解金めっき浴を用いた無電解金めっきに際して、その前処理として被めっき物にストライク金めっきを施すことも好適である。特に、還元型のめっき浴においては、このストライク金めっき被膜が金触媒として作用し、還元を開始、促進させることができる。置換めっき法は、置換金めっき液に卑金属導体を浸漬することにより、液中の金が卑金属導体上に置換析出するものであるが、置換反応であるため金が卑金属導体全面に析出したところで反応が止まり、厚付金めっきは不可能であるが、本発明のめっき浴は還元めっき浴である点で、無電解金めっき液の各成分を補充管理することにより、任意の膜厚を達成できる。
【0026】
本発明の無電解金めっき浴は被めっき物を選ばないが、例えばプリント配線基板やセラミックパッケージ等に対して無電解金めっきを施す際には特に好適に適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の無電解金めっき浴は、優れた浴安定性を有し、被めっき物に対して均一な膜厚と良好な外観とを有する被膜が形成可能であって、しかもプリント配線基板等へのめっき被膜形成の際には、回路パターン間の非金属部への金析出を抑制することが可能な無電解金めっき浴である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0029】
[実施例1〜21、比較例1〜21]
下表1〜6に示す配合にて無電解金めっき浴を調製した。各原料の配合濃度の単位は、特に断りのない限りg/Lである。
被めっき物としてセラミックパッケージ(ピン・グリッド・アレイ)を用い、上記調製した無電解金めっき浴1L中に60℃にて60分間被めっき物を浸漬した。
浸漬後、得られた金めっき被膜の膜厚、被膜の析出速度、膜厚のばらつきの程度、非金属部への金析出の有無、浴安定性、めっき被膜外観につき下記方法及び基準にて評価を行った。結果を表1〜6に併せて示す。
【0030】
析出速度(μm/hr)
被めっき物上に析出した無電解金めっき被膜の膜厚を、蛍光X線膜厚計にて測定した。膜厚測定箇所はボンディングパット位置とし、膜厚測定点数は20点とした。20箇所において測定した膜厚(μm)の平均値を浸漬時間(hr)で除し、析出速度(μm/hr)を算出した。
変動係数(%)
膜厚の均一性を評価する指標として、変動係数(相対的な膜厚のばらつきの程度)を下記式にて算出した(変動係数が大きいと膜厚のばらつきが大きい)。
変動係数(%)=(膜厚測定値の標準偏差)÷(膜厚の平均値)×100
非金属部への金析出の有無
被めっき物の非金属部への金析出の有無を、下記基準にて評価した。
×:非金属部に金の析出があった。 ○:非金属部に金の析出が無かった。
浴安定性
被めっき物へめっきを施した後の、めっき浴の様子を下記基準にて評価した。
分解:めっき液が分解した。 ×:めっき浴中に金の沈殿が観察された。 ○:めっき浴中に金の沈殿は観察されなかった。
被膜外観
被めっき物上に形成された金めっき被膜の外観を、下記基準にて評価した。
×:ピット状の外観むらがある、または、色調が赤い。 ○:ピット状の外観むらは無く、色調がレモンイエロー。
総合評価
上記各評価結果から、下記基準にて評価した。
×:形成された金めっき被膜及びめっき処理後の無電解金めっき浴に関する上記評価結果に、好ましくない結果が含まれた。 ○:形成された金めっき被膜及びめっき処理後の無電解金めっき浴に関する上記評価結果が、全て良好な結果であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
Claims (6)
- シアン化金アルカリ金属と、ボロン系還元剤と、シアン化アルカリ金属と、水酸化アルカリ金属と、アルカノールアミンと、アミノカルボン酸又はその塩とを含有してなる無電解金めっき浴であって、Fe含有化合物を含有しないことを特徴とする無電解金めっき浴。
- 2種以上の前記アルカノールアミンを合計で1〜100g/Lの濃度で含有し、前記アミノカルボン酸又はその塩を1〜60g/Lの濃度で含有する請求項1記載の無電解金めっき浴。
- 前記アルカノールアミンを1〜100g/Lの濃度で含有し、前記アミノカルボン酸又はその塩を0.001〜1.5g/Lの濃度で含有する請求項1記載の無電解金めっき浴。
- 前記アルカノールアミンが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールからなる群から選択された1種又は2種以上である請求項1,2又は3記載の無電解金めっき浴。
- 前記アミノカルボン酸又はその塩が、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、アミノ酢酸、イミノジ酢酸、2−ヒドロキシエチレンジアミノテトラ酢酸又はそれらの塩からなる群から選択された1種又は2種以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無電解金めっき浴。
- タリウム化合物及び/または鉛化合物を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無電解金めっき浴。
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WO2008047578A1 (fr) * | 2006-09-29 | 2008-04-24 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | composition pour dépôt autocatalytique et procédé de formation d'un film de protection métallique à l'aide de la composition |
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WO2008047578A1 (fr) * | 2006-09-29 | 2008-04-24 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | composition pour dépôt autocatalytique et procédé de formation d'un film de protection métallique à l'aide de la composition |
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