JP2008214703A - 無電解金めっき液 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル、銅、コバルト、パラジウムなどの下地金属皮膜を腐食せず、優れた密着性を有する金めっき皮膜を形成する無電解金めっき液を提供する。
【解決手段】無電解金めっき液の成分として、(i)水溶性シアン化金化合物、
(ii)錯化剤、および(iii)1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物を含有するめっき液。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解金めっき液に関する。また、本発明は、ニッケルまたは銅などの金属の表面上に、金を析出させるために用いる無電解金めっき液に関する。
従来より金めっきは、金の電気伝導性、はんだ付け性、熱圧着による接続等の物理的性質および耐酸化性、耐薬品性などの点から、プリント配線板、セラミックICパッケージ、ITO基板、ICカード等の電子工業部品の最終表面処理に用いられている。これら電子工業部品の多くは電気的に独立した部分や複雑な形状部分に金めっきを行う必要があるため、電解めっきではなく、無電解めっきを用いることが好ましい。
プリント配線板は、通常、銅配線などの下地金属の表面上に無電解ニッケルめっきを行ない、さらにニッケル表面上に無電解金めっきを施すことが多い。かかる場合、ニッケルなどの下地金属の溶解に伴って金を析出する置換金めっき液と、金に触媒活性を有する還元剤の作用により金を析出させる自己触媒型無電解金めっき液が広く知られている。置換金めっきは、下地金属と金との置換反応により金が析出するものであり、自己触媒型無電解金めっきを使用する場合においても、自己触媒型無電解金めっきの反応を開始させる際に、置換金めっき反応を用いている。すなわち、自己触媒型無電解金めっき液と被めっき物が接触した直後は、下地金属と金の置換反応によって金の析出が起きている。無電解金めっきにおける置換反応は、下地金属を溶解させることを原動力として金を析出させている。かかる置換反応は、下地金属の構造、例えば結晶粒界、などの影響を受け、下地金属の溶解の程度に差異が生じる。下地金属の結晶粒界等の金属組織上弱い部分は、他の部分に比べ優先的に置換反応が進み、すなわち下地金属の溶解が不均一に発生する。下地金属の不均一な溶解をはじめとする下地金属の腐食は、一部分の下地金属の脆弱化や得られる金めっき皮膜の密着性を低下させ、はんだ接合強度が低下する問題が生じる。
シアンを含有する置換金めっき液について、下地金属の部分的侵食を抑制するために塩化アンモニウムを含むもの(例えば、特許文献1)、窒素含有化合物を金の析出抑制剤として含むもの(例えば、特許文献2)や、ポリエチレンイミンを含むもの(例えば、特許文献3)などが提案されている。しかしながら、これらの無電解金めっき液は、下地金属であるニッケル皮膜の腐食をある程度低下させることができたが、ニッケル皮膜の溶解速度が低減することによる、金めっき皮膜の析出速度の低下という問題があった。
特開昭59−6365号公報 特開2000−144441号公報 特開2003−13248号公報
本発明は、上記問題を解消し、下地金属を腐食せず、下地金属に対する密着性の向上した、均一なめっきができる無電解金めっき液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定成分を組み合わせて含有する無電解金めっき液を使用することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、金属の表面上に金めっきを施すために用いる無電解金めっき液であって、
(i)水溶性シアン化金化合物、
(ii)錯化剤、および
(iii)1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
を含有することを特徴とする無電解金めっき液、を提供する。
また本発明は、上記無電解めっき液に(iv)ギ酸およびその塩ならびにヒドラジンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の下地金属の表面調整剤をさらに含む無電解金めっき液を提供する。
さらに本発明は、ニッケルまたは銅の表面上に金めっきを施すために用いる無電解金めっき液であって、
(i)水溶性シアン化金化合物、
(ii)エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の錯化剤、
(iii)1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(iv)ヒドラジンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の、下地金属の表面調整剤、および
(v)ポリカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物、
を含有することを特徴とする無電解金めっき液を提供する。
本発明の無電解金めっき液を用いることにより、ニッケルなど下地金属の望まない溶解すなわち腐食を抑制し、密着性を向上し、均一な金めっき皮膜を形成し、金の析出速度を向上することが可能である。
また、本発明の無電解金めっき液は、ニッケルなどの下地金属の局部腐食を起こすことなく、外観、はんだ接合強度が良好な金皮膜を析出することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の無電解金めっき液は、水溶性シアン化金化合物、錯化剤、1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物および任意にギ酸およびその塩ならびにヒドラジンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の下地金属の表面調整剤、ポリカルボン酸類を含む水溶液である。
本発明で使用される水溶性シアン化金化合物は、水溶性であり、めっき液中に金イオンを提供することができるものであればよく、従来より金めっき液に用いられているシアン化金化合物であれば特に制限なく、任意のシアン化金化合物を用いることができる。このような水溶性シアン化金化合物としては、例えば、シアン化第一金カリウム、シアン化第二金カリウムなどを挙げることができる。水溶性シアン化金化合物は、一種類のみを用いても二種類以上を混合して用いても良い。
本発明の無電解金めっき液は、これら水溶性シアン化金化合物を、金イオンとして、例えば、0.1〜10g/L、好ましくは0.5〜5g/Lの濃度で含有することが適当である。
本発明で使用される錯化剤は、水溶性であって、めっき液中に金イオンを安定に保持するが、錯化剤を含むめっき液がニッケル、コバルトまたはパラジウムを実質的に溶解しないものであれば、公知の金めっき液で用いられている物資を使用することができる。このような錯化剤としては、例えば、分子内にホスホン酸基またはその塩を複数有する有機ホスホン酸若しくはその塩、またはアミノカルボン酸若しくはその塩が挙げられる。ホスホン酸またはその塩は、例えば、以下の構造で示される基が好ましい。
−POMM’
ここで、上記式中、MおよびM’は、同一でも異なってもよく、水素原子、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムからなる群から選択される。化合物中のホスホン酸基またはその塩の数は、2〜6個、好ましくは2〜5個である。
本発明で使用される有機ホスホン酸としては、好ましくは、以下の構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2008214703
式中、Xは、水素原子、C〜Cのアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アミノ基、または−OH、−COOMもしくは−POMM’で置換されたC〜Cのアルキル基である。MおよびM’は、前記定義の通りである。さらに、mおよびnは、それぞれ0または1の整数である。
ここで、用語「アルキル基」には、直鎖および分岐鎖を有するものが包含される。C〜Cのアルキル基とは、炭素原子が1〜5個のアルキル基をいう。このようなC〜Cのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基やナフチル基などが挙げられる。アリールアルキル基としては、例えば、上記アリール基を置換基として有する上記アルキル基が挙げられる。アミノ基としては、窒素原子に、水素原子、上記アルキル基などを有するアミノ基が挙げられる。
Figure 2008214703
式中、Xは、例えば、−CH−、−CH(OH)−、−C(CH)(OH)−、−CH(POMM’)−、−C(CH)(POMM’)−、−CH(COOM)−または−C(CH)(COOM)−であり、MおよびM’は上記定義の通りである。
Figure 2008214703
式中、X〜Xは、上記Xと同様である。但し、X〜Xの少なくとも2個は、−POMM’である。
上記有機ホスホン酸としては、例えば、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸またはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。本発明で用いられる錯化剤は、一種類のみを用いても二種類以上を混合して用いても良い。
アミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、イミノ2酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、テトラヒドロキシエチレンジアミン、ジヒドロキシメチルエチレンジアミン2酢酸、エチレンジアミン4酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
上記ホスホン酸基若しくはその塩またはアミノカルボン酸基若しくはその塩を有する、エチレンジアミン誘導体、例えば、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、テトラヒドロキシエチレンジアミン、ジヒドロキシメチルエチレンジアミン2酢酸、エチレンジアミン4酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩は、本発明に用いる錯化剤として好適である。
本発明で使用される錯化剤は、例えば、0.005〜0.8モル/L、好ましくは0.02〜0.6モル/Lの範囲で用いられることが好ましい。めっき液中に存在する金イオンのモル数と同等またはそれ以上のモル数の錯化剤を含有することが好ましい。
本発明の無電解金めっき液には、1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物が含有される。かかる1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物は、金の析出粒子を微細にし均一性のある金めっき皮膜を析出させ、かつ、被めっき物の表面にある下地金属表面に吸着し、無電解金めっき液中の金イオンと下地金属の置換反応を抑制する作用により下地金属の溶出を抑制しつつ金の析出速度を向上させる。
本発明の1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物には、例えば、1−フェニル−ピリジニウム−2−カルボン酸、1−フェニル−ピリジニウム−3−カルボン酸、及び1−フェニル−ピリジニウム−4−カルボン酸、並びに1−フェニルアルキレン−ピリジニウムカルボン酸化合物、例えば、1−ベンジル−ピリジニウム−2−カルボン酸、1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸、1−ベンジル−ピリジニウム−4−カルボン酸、1−(フェニルエチル)−ピリジニウム−2−カルボン酸、1−(フェニルエチル)−ピリジニウム−3−カルボン酸、1−(フェニルエチル)−ピリジニウム−4−カルボン酸、1−(フェニルプロピル)−ピリジニウム−2−カルボン酸、1−(フェニルプロピル)−ピリジニウム−3−カルボン酸、1−(フェニルプロピル)−ピリジニウム−4−カルボン酸、1−(フェニルブチル)−ピリジニウム−2−カルボン酸、1−(フェニルブチル)−ピリジニウム−3−カルボン酸、1−(フェニルブチル)−ピリジニウム−4−カルボン酸、1−(フェニルペンチル)−ピリジニウム−2−カルボン酸、1−(フェニルペンチル)−ピリジニウム−3−カルボン酸、1−(フェニルペンチル)−ピリジニウム−4−カルボン酸もしくはこれらのカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩もしくはアンモニウム塩、またはこれらの水酸化物、塩化物、臭化物などの塩が挙げられる。本発明の1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物のうち好ましい化合物の一つとして、例えば1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸またはそのカルボン酸塩が挙げられる。これらの化合物は、一種類のみを用いても二種類以上を混合して用いても良い。
本発明で使用される1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物は、例えば、0.1〜100g/L、好ましくは5〜30g/Lの範囲で用いられることが好ましい。
本発明の無電解金めっき液は、さらに、下地金属の表面調整剤を含有することが好ましい。本発明で使用される下地金属の表面調整剤は、ニッケル、銅、コバルト、パラジウムおよびこれらの金属を含有する合金からなる群から選択される下地金属の表面に形成されている酸化状態の金属を還元する作用を有する物質である。かかる物質は、金イオンに対するよりも下地金属の酸化に優先して還元剤として作用し、1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物との組み合わせにおいて下地金属の腐食を抑制し、密着性を向上し、均一な金めっき皮膜を形成し、金の析出速度を向上させる物質である。
かかる下地金属の表面調整剤としては、例えば、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウムなどのギ酸およびその塩;ヒドラジン、抱水ヒドラジンおよび硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジンおよびこれらの塩のようなヒドラジンおよびその誘導体が挙げられる。本発明で用いられる下地金属の表面調整剤は、一種類のみを用いても二種類以上を混合して用いても良い。
本発明で使用される下地金属の表面調整剤は、例えば、0.1〜20g/L、好ましくは1〜15g/Lの範囲で用いられることが好ましい。
本発明の無電解金めっき液は、さらに、ポリカルボン酸またはその塩を含有することが好ましい。ポリカルボン酸またはその塩は、下地金属の表面に吸着することにより孔状腐食を抑制し、かつめっき液へ溶出した下地金属イオンを錯化して塩を形成しめっき液を安定化する。このようなポリカルボン酸またはその塩としては、例えば、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸またはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。クエン酸またはクエン酸3カリウム塩が好ましい。ポリカルボン酸またはその塩は、一種類のみを用いても二種類以上を混合して用いても良い。
本発明で使用されるポリカルボン酸またはその塩は、例えば、0〜100g/L、好ましくは30〜75g/Lの範囲で含有されることが好ましい。
本発明の無電解金めっき液のpH値は3〜8とすることが好ましく、5から7未満までとすることがより好ましい。本発明の金めっき液のpH調整には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、硫酸、亜硫酸、塩酸、リン酸、シアン酸、スルファミン酸、有機スルホン酸、ホスホン酸類、カルボン酸類などを用いることができる。また、必要に応じて、pH安定剤を含有させることができる。pH安定剤としては、例えば、リン酸塩、亜リン酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩およびシアン酸塩などが挙げられる。
本発明の無電解金めっき液には、必要に応じて、被めっき物である下地金属に対する湿潤性の向上を目的として、湿潤剤を含有することができる。このような湿潤剤としては、従来より金めっき液に用いられている物質であれば特に制限なく用いることができる。湿潤剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリアルキレングリコール、脂肪酸ポリアルキレンソルビタン類、脂肪酸アルカノールアミドをはじめとする非イオン性界面活性剤、脂肪酸カルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩をはじめとするアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩をはじめとするカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明の無電解金めっき液には、必要に応じて、金めっき皮膜の粒子をさらに緻密化し、金めっき皮膜の光沢をさらに向上させる目的で、光沢剤を含有させることができる。光沢剤としては、従来より金めっき液に用いられている物質であれば特に制限なく用いることができる。光沢剤としては、例えば、タリウム、ヒ素、鉛、銅、アンチモンなどが挙げられる。本発明の無電解金めっき液には、さらに、めっき液の特性に悪い影響を及ぼさない限り、上記以外の他の化合物を含むことができる。
本発明の無電解金めっき液を用いて金めっきを施す場合、通常の無電解めっきの方法と同様の処理で差し支えない。一般的には、無電解金めっき液中に被めっき物を浸漬し、めっき液の温度を所定の範囲とすることによって、ニッケル、コバルト、銅、パラジウムまたはこれらの金属を含有する合金からなる下地金属の表面に無電解金めっき皮膜を形成することができる。例えば、本発明の金めっき液は、ニッケルまたは銅の金属の表面上に、金を析出させるための無電解金めっき液として好適に用いることができる。
本発明の無電解金めっき液を用いて金めっきを施す場合、金めっき液の温度(液温)は50℃〜100℃、好ましくは70℃〜95℃である。めっき時間は、通常、1〜60分、好ましくは10〜30分で行なう。本発明の無電解金めっき液を用いて金めっきを施す際に、めっき液を撹拌することは差し支えなく、あけ替え濾過、循環濾過を行なうことも差し支えなく、特に濾過器でめっき液を循環濾過することが好ましい。
本発明の無電解金めっき液は、安定性が良好であり、金の析出速度の向上した、下地金属と密着性の優れた、均一で良好な外観の金めっき皮膜を形成することができる。また、本発明の無電解金めっき液は、下地金属がニッケルである場合に、ニッケルの粒界腐食および孔状腐食が少ないという優れた特徴を有する。
以下に、本発明の実施例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
試験片として、5cm×10cmのパターニングされた銅張積層板について、公知の無電解ニッケルめっき液(Ronamax(商標) SMT−115無電解ニッケルめっき液、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製)を用いて、厚さ約5μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形成したものを準備した。
無電解金めっき液として、1.5g/Lのシアン化第一金カリウム、50mg/Lのシアン化カリウム、150g/Lのエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、10g/Lのギ酸カリウム、94.3g/Lの水酸化カリウムおよび0.5g/Lの1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸ナトリウムの塩化物48%水溶液を水に添加した水溶液を準備した。かかる無電解金めっき液は、水酸化カリウムの更なる添加によりpH値を5.3に調整された。
上記試験片を液温90℃とした無電解金めっき液中に10分間浸漬し、金めっき皮膜を形成した。形成した金めっき皮膜の膜厚を、蛍光X線膜厚計を用いて測定し、金めっきの析出速度を計算した。また、形成した金めっき皮膜を目視により色調および未析出の有無を調べた。結果を表1に示す。
形成した金めっき皮膜を金めっき剥離液エンストリップAU−78M(メルテックス株式会社製)により剥離し、下地金属であるニッケルの表面の腐食の有無をFE-SEM JSM−7000F(日本電子株式会社製)を用いて観察した。観察結果は、1=良好、2=やや良好(若干腐食あり)、3=一部腐食あり、4=やや多くの腐食あり、5=多数の腐食あり、として結果を表1に示す。
無電解金めっき液として、1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸ナトリウムの塩化物水溶液の代わりに下記表1に示す化合物を表中の添加量で用いたことを除き実施例1と同様にして、無電解金めっきを施しその皮膜を観察した。その結果を表1に示す。
Figure 2008214703
比較例12で用いた4−フェニルプロピル−ピリジンを添加した金めっき液は、油状分離してしまい、金めっきを施すことができなかった。
表1に示されるように、1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸を含有する実施例1〜3のめっき液を使用した場合、下地金属であるニッケルめっきの腐食が抑制され、かつ金めっきの析出速度が向上されていることが明らかとなった。
無電解金めっき液として、表2および3に示す水溶液を準備した。無電解金めっき液のpH値は、水酸化カリウムの更なる添加により調整された。実施例1と同様に、無電解金めっき液中に試験片を浸漬し、得られた金めっき皮膜の外観、ニッケルめっき皮膜の腐食状態を評価した。その結果を表2および3に示す。
Figure 2008214703
Figure 2008214703
無電解金めっき液を、1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸の添加量、下地金属の調整剤、およびめっき液のpH値を表5に示すようにしたことを除き実施例1と同様に準備し、下記の方法によりはんだ接合強度を評価し、並びに浴安定性を評価した。
はんだ接合強度試験
実施例23
無電解金めっき皮膜を形成した試験片をプレヒート温度170℃およびリフロー温度240℃のリフロー処理を3回行った後、下記の表4の条件でボールマウントを行い、はんだ接合強度を測定した。試験は、各条件において10個の試験片を用いて行いその平均値を接合強度として計算した。結果を表5に示す。
Figure 2008214703
Figure 2008214703
浴安定性試験
100mlの無電解金めっき液を蓋をしないスクリュー管に注ぎ、ウォーターバスを用いて液温を90℃に加温した状態で、無電解金めっき液が分解を起こすまでの時間を計測することにより、浴の安定性を評価した。
実施例24
無電解金めっき液として、1.5g/Lのシアン化第一金カリウム、50mg/Lのシアン化カリウム、150g/Lのエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、3.5g/Lのヒドラジン、20g/Lの1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸ナトリウムの塩化物48%水溶液および94.3g/Lの水酸化カリウムを添加したpH6.5の水溶液を準備した。
実施例25
実施例24の無電解金めっき液と同様であるが、ヒドラジンに代えて20gのギ酸カリウムを含有する無電解金めっき浴を準備した。
これらめっき液について安定性試験を行った。結果を表6に示す。
公知の無電解金めっき液として1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸の代わりにポリエチレンイミンを含有するめっき液(オーロレクトロレス(商標)SMT−250無電解金めっき液、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製)を、比較例として安定性試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2008214703
ポリカルボン酸の効果試験
実施例26
無電解金めっき液として、1.5g/Lのシアン化第一金カリウム、100mg/Lのシアン化カリウム、150g/Lのエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、7gのヒドラジン、20/Lの1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸ナトリウム塩化物48%水溶液、94.3g/Lの水酸化カリウムを添加した水溶液に更に56gのクエン酸三カリウム添加しためっき液を準備した。水酸化カリウムの更なる添加により無電解金めっき液のpH値を6.5に調整した。この無電解金めっき液を用いて、実施例1と同様に金めっき皮膜を形成し、上記と同様に各種試験を行った。
クエン酸三カリウムを添加した金めっき液は、クエン酸三カリウムを添加しない金めっき液と比較し、金めっき皮膜の析出速度、金めっき皮膜の外観、はんだ接合強度、浴安定性には特段の差異は認められなかった。しかしながら、クエン酸三カリウムを含有する金めっき液を用いた場合、ニッケルめっき皮膜の孔状腐食が著しく低減された。
1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物の効果試験
無電解金めっき液として、2g/Lのシアン化第1金カリウム、45g/Lのエチレンジアミン4酢酸および67.5g/Lのクエン酸三カリウムを水に添加した水溶液に、下記表6にあるように1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸ナトリウムの塩化物48%水溶液を添加し、水溶液のpH値を水酸化カリウムにより調整した。
実施例1で用いた試験片を液温85℃とした無電解金めっき液中に10分間浸漬し、金めっき皮膜を形成した。形成した金めっき皮膜を金めっき剥離液エンストリップAU−78M(メルテックス株式会社製)により剥離し、下地金属であるニッケルの表面の腐食の有無をFE-SEM JSM−7000F(日本電子株式会社製)を用いて観察した。観察結果は、1=良好、2=やや良好(若干腐食あり)、3=一部腐食あり、4=やや多くの腐食あり、5=多数の腐食あり、として結果を表7に示す。
Figure 2008214703
無電解金めっき液に1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸ナトリウムの塩化物を添加することにより、ニッケルめっき皮膜の孔状腐食が低減されることが確認された。

Claims (9)

  1. 金属の表面上に金めっきを施すために用いる無電解金めっき液であって、
    (i)水溶性シアン化金化合物、
    (ii)錯化剤、および
    (iii)1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    を含有することを特徴とする無電解金めっき液。
  2. さらに、(iv)ギ酸およびその塩ならびにヒドラジンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の下地金属の表面調整剤を含む請求項1に記載の無電解金めっき液。
  3. 下地金属の表面調整剤が、ヒドラジンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2に記載の無電解金めっき液。
  4. 錯化剤が、ホスホン酸基若しくはその塩またはアミノカルボン酸基若しくはその塩を有する、エチレンジアミン誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の無電解金めっき液。
  5. 1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物が、1−フェニルアルキレン−ピリジニウムカルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1または2に記載の無電解金めっき液。
  6. さらに、(v)ポリカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む請求項2に記載の無電解金めっき液。
  7. ニッケルまたは銅の表面上に金めっきを施すために用いる無電解金めっき液であって、
    (i)水溶性シアン化金化合物、
    (ii)エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の錯化剤、
    (iii)1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (iv)ヒドラジンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の、下地金属の表面調整剤、および
    (v)ポリカルボン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    を含有することを特徴とする無電解金めっき液。
  8. 1位にフェニル基またはアラルキル基を有するピリジニウムカルボン酸化合物が、1−ベンジル−ピリジニウム−3−カルボン酸またはそのカルボン酸塩である請求項2または7の無電解金めっき液。
  9. 無電解金めっき液のpH値が5から7未満までの間である請求項1または7のいずれかに記載のめっき液。
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