JP6722037B2 - 無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法 - Google Patents

無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法に関する。詳細には本発明は、建浴時またはめっき処理中において無電解金めっき浴のめっき能を長時間、安定して維持できる方法に関する。
金は銀、銅の次に高い電気導電率を有し、熱圧着による接続性などの物理的性質に優れると共に、耐酸化性、耐薬品などの化学的性質にも優れる。そのため、金を用いた金めっきは、電子工業分野においてプリント基板の回路、ICパッケージの実装部分や端子部分などの最終表面処理法として広く使用されている。近年、電子部品の小型化、高密度化に伴い、リード配線の必要がなく機能性などに優れた無電解めっき法が好適に用いられている。
無電解めっき法は、めっき方法により下記の方法が代表的に挙げられる。
(1)下地無電解ニッケルめっき皮膜上に、置換金めっき皮膜を形成する無電解ニッケル/置換金法(Electroless Nickel Immersion Gold:ENIG)
(2)銅上に直接置換金めっき皮膜を形成する直接置換金法(Direct Immersion Gold:DIG)
(3)下地無電解ニッケルめっき皮膜と置換金めっき皮膜の間に無電解パラジウムめっき皮膜を設ける無電解ニッケル/無電解パラジウム/置換金法(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold:ENEPIG)
これらの方法はいずれも、銅の拡散防止、回路や端子の耐食性向上が可能である。特に無電解パラジウムめっきを用いたENEPIG法は、ワイヤー、鉛フリーはんだとの接続信頼性を一層向上させる方法として非常に有用である。
無電解金めっき浴は、金供給源として使用される金塩(水溶性金化合物)の種類によりシアン浴とシアンフリー浴(ノンシアン浴)に大別される。このうちシアン浴は、シアノ基(CN)を含有する水溶性金化合物(例えばシアン化金カリウムなどのシアン化金塩など)を含有する。一方、ノンシアン浴は、シアノ基を含有しない水溶性金化合物(例えば塩化金ナトリウムなどの塩化金塩、亜硫酸金ナトリウムなどの亜硫酸金塩など)を含有する。
無電解金めっき浴は、上記金塩の他、還元剤、錯化剤などの添加剤を含有する。このうち還元剤は、金塩を還元して金を析出させるために添加される。錯化剤は、主に金めっき液の金の溶解性を安定化させるために添加される。無電解金めっき浴には更に、めっき安定性、めっき後の外観向上、めっき皮膜形成速度(めっき速度)調整などの目的で安定化剤が添加されることもある。
しかしながら、無電解金めっき浴に含まれる添加剤の種類によっては、建浴時(例えばめっき液調製後、保存中)またはめっき処理中(例えば昇温保持時)に添加剤が分解するなどして消失または変化し、浴分解を起こす場合がある。また、めっき処理により金供給源である金化合物が消費されて、めっき能が低下するという問題もある。
このような問題を解決するため、本出願人は特許文献1の方法を提案している。特許文献1には、トリエチレンテトラミンのようなアミノ基が存在する1級アミン化合物を用いるとニッケル表面の粒界浸食が進行して金の被覆力が低下し、皮膚外観が赤くなるという問題に鑑み、良好な皮膜外観の金めっき皮膜が得られる無電解金めっき浴のめっきを長時間、安定的に維持管理する方法、更には、めっき処理によりシアン化金塩が消費された無電解金めっき浴を長時間、安定的に維持管理する方法が開示されている。具体的には、シアン化金塩、錯化剤、ホルムアルデヒド重亜硫酸塩付加物、及び所定の式で表されるアミン化合物を含有する無電解金めっき浴を70〜90℃に保持した状態で上記無電解金めっき浴のめっき能を安定に維持管理する方法であって、KCNなどのシアン化アルカリ並びにホルムアルデヒド重亜硫酸付加物およびアミン化合物を定期的に補充する方法が開示されている。
特開2008−169425号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、ホルムアルデヒド重亜硫酸塩付加物、及び所定のアミン化合物と共に、毒物であるKCNを建浴時および昇温保持時に定期的に補給しており、使用時の取り扱い、在庫管理(試薬購入、廃棄、補給槽管理など)などの点で制約が大きい。
また上記特許文献1では、金供給源としてシアン化金塩を用いているため、やはり上記の問題がある。そのため、亜硫酸金ナトリウムなどのようにシアノ基を有しないシアンフリー浴を用いた場合でも、無電解金めっき浴のめっき能を安定に維持できる方法の提供が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、建浴時またはめっき処理中に、シアン化アルカリなどの毒物を補給することなく、更にはシアンフリー浴を用いた場合であっても、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき皮膜形成速度(めっき速度)を全て、長時間、安定的に維持管理するための、新規な無電解金めっき浴のめっき能維持方法を提供することにある。
本発明の要旨は、下記1〜5のとおりである。
1.水溶性金化合物、還元剤、および錯化剤を含有する無電解金めっき浴のめっき能を安定に維持管理する方法であって、下記式で表されるシアノヒドリン化合物を定期的に補給する無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
Figure 0006722037

式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
2.水溶性金化合物、還元剤、錯化剤、および安定化剤を含有する無電解金めっき浴のめっき能を安定に維持管理する方法であって、上記式で表されるシアノヒドリン化合物を定期的に補給する上記1に記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
3.前記安定化剤として前記シアノヒドリン化合物を用いるものである上記1または2に記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
4.前記還元剤が、水素化ホウ素化合物、アミノボラン化合物、チオ尿素、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種である上記1〜3のいずれかに記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
5.前記還元剤として作用する成分が、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種と、下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物と、を含むものである上記1〜3のいずれかに記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
・R1−NH−C24−NH−R2・・・(1)
・R3−(CH2−NH−C24−NH−CH2n−R4・・・(2)
上記式(1)及び(2)中、
1、R2、R3及びR4は−OH、−CH3、−CH2OH、−C24OH、−CH2N(CH32、−CH2NH(CH2OH)、−CH2NH(C24OH)、−C24NH(CH2OH)、−C24NH(C24OH)、−CH2N(CH2OH)2、−CH2N(C24OH)2、−C24N(CH2OH)2又は−C24N(C24OH)2を表し、同じであっても異なっていてもよく、
nは1〜4の整数である。
本発明によれば、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度(総称してめっき能)の向上に有用なシアノヒドリン化合物を定期的に補給しているため、めっき浴の種類にかかわらず、建浴時またはめっき処理中のめっき能を長時間、安定して維持することができる。
本発明者らは上記課題を解決するために検討を重ねた。その結果、下記式で表されるシアノヒドリン化合物はめっき能(めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度)の向上に極めて有用であり、建浴時またはめっき処理中に上記シアノヒドリン化合物を定期的に補給すれば所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
Figure 0006722037

式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
このように本発明は、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度を全て向上させることが可能な安定化剤、すなわち、めっき能に優れた安定化剤として、シアノヒドリン化合物が有用であるとの新規知見に基づき、当該シアノヒドリン化合物を、無電解金めっき浴のめっき能維持用補給成分として利用した点にある。しかもシアノヒドリン化合物は、水またはアルコールに易溶性のため、補給成分として管理し易いという利点もある。シアノヒドリン化合物の使用によって優れためっき能が発揮(維持)される理由は詳細には不明であるが、分子内にシアノ基(CN)だけでなくヒドロキシル基(OH)も有していることが有効に作用していると考えられる。本発明によれば、めっき中にCN基が遊離することによって優れためっき能が発揮されると推察されるが、単純にCN基のみ含有してOH基を含有しない化合物(例えばスクシノニトリル、アセトニトリル)では、めっき能に要求される三つの特性のうち安定性に劣ることが本発明者らの実験結果により判明した(後記する表2および表7の比較例3、表8の比較例4、表9の比較例5を参照)。
本発明においてアルキル基は、炭素数1〜6の低級アルキル基、または炭素数7〜10の中級アルキル基を意味する。上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。上記アルキル基は、無置換のアルキル基、および置換基で置換されたアルキル基の両方を含む。上記置換基には、例えば、塩素、フッ素などのハロゲンなどが挙げられる。
本発明において芳香族基は、芳香環を有する基を意味する。上記芳香環には、例えば非ベンゼン系芳香環;ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環;ピレン環などの縮合芳香環などが挙げられる。上記芳香族基は、無置換の芳香族基、および置換基で置換された芳香族基の両方を含む。置換基で置換された芳香族基として、例えば、上記の非ベンゼン系芳香環、芳香環、または縮合芳香環の1以上の炭素原子が、酸素原子、窒素原子、硫酸原子などのヘテロ原子に置き換えられている複素芳香環(ピロール環、ピリジン環、チオフェン環、フラン環など)が挙げられる。
上記シリル基として、前述したアルキル基を有するシリル基(例えばトリメチルシリル基など)、アルコキシル基を有するシリル基などが挙げられる。上記アルコキシル基は、炭素数1〜6の低級アルコキシル基、または炭素数7〜10の中級アルコキシル基を意味する。上記アルコキシル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。アルコキシル基を有するシリル基として、例えばジエトキシシリル基などが挙げられる。
本発明に用いられるシアノヒドリン化合物として、例えばアセトンシアノヒドリン、ホルムアルデヒドシアノヒドリン、およびベンズアルデヒドシアノヒドリン、1,1,1−トリフルオロアセトンシアノヒドリンが挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。上記化合物の構造を以下に示す。
Figure 0006722037
上述したとおり、本発明の特徴部分は、無電解金めっき浴のめっき能安定化剤として有用なシアノヒドリン化合物を補給成分として活用した点にあり、使用する無電解金めっき浴の種類は、無電解めっきの分野で通常用いられるものであれば特に限定されない。例えば、めっき浴としてシアン浴、ノンシアン浴のいずれも用いることができる。また、めっき浴は安定化剤を含有しなくても良い。シアノヒドリン化合物を補給する過程で、上記安定化作用が有効に発揮されるからである。勿論、めっき浴に安定化剤を含んでいても良く、例えばシアノヒドリン化合物を安定化剤として含むめっき浴を用いても良い。めっき浴中のシアノヒドリン化合物は、めっき液保存環境下(温度、時間など)、またはめっき処理中に徐々に消失、分解する場合があるため、シアノヒドリン化合物による安定化作用を長期間にわたって安定して維持するためには、本発明のように当該化合物を補給する方法が有用である。
本発明の方法は、無電解金めっき浴中への安定化剤の有無によって、第1の方法(安定化剤無し)と第2の方法(安定化剤有り)に大別される。
第1の方法は、水溶性金化合物、還元剤、および錯化剤を含有する無電解金めっき浴のめっき能を安定に維持する方法であって、上記シアノヒドリン化合物を定期的に補給する方法である。
第2の方法は、水溶性金化合物、還元剤、錯化剤、および安定化剤を含有する無電解金めっき浴のめっき能を安定に維持する方法であって、上記シアノヒドリン化合物を定期的に補給する方法である。安定剤として上記シアノヒドリン化合物を用いても良い。
以下、各方法について説明する。
(第1の方法)
上記のとおり、第1の方法に用いられる無電解金めっき浴(以下、第1めっき浴と呼ぶ。)は安定化剤を含有していない。よって、建浴時またはめっき処理中にめっき能の低下が懸念されるが、本発明では、安定化剤として有用なシアノヒドリン化合物を定期的に補給しているため、良好なめっき能を長時間安定して維持することができる。
ここで、建浴時またはめっき処理中におけるシアノヒドリン化合物の補給量は、おおむね、0.00002〜0.001mol/L/hr(=0.02〜1mmol/L/hr)の範囲に制御することが好ましい。上記範囲を下回ると、シアノヒドリン化合物の添加効果が得られず、浴安定性などが低下する。一方、上記範囲を超えると、析出速度などが低下する。より好ましくは、0.00005〜0.0005mol/L/hr(=0.05〜0.5mmol/L/hr)である。
以下、シアノヒドリン化合物を定期的に補給する方法の好ましい態様を、具体的に説明する。以下では、(i)還元剤、または(ii)金供給化合物との関係でシアノヒドリン化合物を補給する方法について説明する。
上記(i)について、例えば建浴後、めっき浴昇温時の間、シアノヒドリン化合物:還元剤=1:0.01〜100(モル比)となるように、各成分を、1時間当たり0.5〜20回の間隔で補給することが好ましい。シアノヒドリン化合物に対して還元剤の比率が過剰になると、浴安定性が低下する。一方、還元剤に対してシアノヒドリン化合物の比率が過剰になると、めっき析出速度が低下する。より好ましくは、シアノヒドリン化合物:還元剤=1:0.02〜10(モル比)である。
また、上記間隔を下回ると浴安定性が低下する。一方、上記間隔を超えて各成分を添加しても効果は飽和するだけであり、経済的に無駄である。より好ましくは、1時間当たり1〜10回である。
本発明では、シアン浴、ノンシアン浴いずれの場合においても、還元剤およびシアノヒドリン化合物のモル比が上記範囲を満足するように、上記間隔で補給すれば良い。要するに、めっき時における還元剤濃度が初期濃度を維持できるよう(初期濃度に比べてズレないように)還元剤を補給すれば良い。よって、各成分の補給時期は、同時であっても良いし、同時でなくても良い。例えば(i)還元剤は、めっき処理(例えば昇温保持時)に消耗(減少)し易いため、昇温保持の際、定期的(例えば20〜30時間に1回)、還元剤の濃度を分析して初期値となるように、シアノヒドリン化合物とは別個に補給することができる。或は、(ii)還元剤の濃度が一定に推移する場合、上記(i)のように還元剤の濃度を一定間隔で分析する必要はなく、推定される減少分に応じて還元剤の濃度が初期値となるように、シアノヒドリン化合物とは別個に補給することができる。但し、作業効率や浴安定性などを考慮すると、還元剤およびシアノヒドリン化合物を同時に補給することが好ましい。シアン浴、ノンシアン浴のいずれの場合も、還元剤の補給量は、建浴時の約10%以下であることが好ましい。
上記(ii)について、めっき処理により金が消費されためっき浴に対して、めっき浴に含まれる金化合物と同じ化合物(以下、単に金化合物と略記する。):シアノヒドリン化合物=1:0.0001〜1(モル比)となるように、各成分を、補給することが好ましい。上記比率を下回ると浴分解の虞がある。一方、上記比率を超えるとめっき析出速度が低下する虞がある。より好ましくは、金化合物:シアノヒドリン化合物=1:0.1〜0.001である。
ここで、上記金化合物は、金としての消費量分を賄うため、金としての補給量が建浴時の25%以下となるように、できるだけ回数を分けて補給することが好ましい。より好ましくは、金としての補給量が建浴時の10%以下となるようなタイミングで、補給する。金化合物の補給量が上記の補給量を超えると浴分解の虞がある。
また、上記金化合物およびシアノヒドリン化合物は、これらのモル比が上記範囲を満足するように、上記のように補給すれば良く、各成分の補給時期は、同時であっても良いし、同時でなくても良い。但し、作業効率や浴安定性などを考慮すると、同時に補給することが好ましい。
以上、シアノヒドリン化合物の補給方法について説明した。
上記第1のめっき浴に含まれる水溶性金化合物、還元剤、および錯化剤の詳細は以下のとおりである。上記と同じものを第2の方法でも用いることができる。
(水溶性金化合物)
第1のめっき浴に含まれる水溶性金化合物は、シアノ基(CN)を含有しない水溶性金化合物であっても良いし、シアノ基を含有する水溶性金化合物であっても良い。これらの種類は特に限定されず、当該技術分野で通常用いられるものを使用することができる。前者の例として、例えば金の亜硫酸塩、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、メタンスルホン酸塩、テトラアンミン錯体、塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、酸化物などが挙げられる。後者の例として、例えば、シアン化金、シアン化金カリウム、シアン化金ナトリウム、シアン化金アンモニウムなどのシアン化金塩などが挙げられる。
上記第1のめっき浴中に占める、上記水溶性金化合物の含有量は、金基準で0.0001〜1mol/Lであることが好ましく、0.002〜0.03mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回るとめっき析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると経済的に不利となる場合がある。
(還元剤)
上記第1のめっき浴に含まれる本発明に用いられる還元剤の種類は、所望とするめっき能を発揮し得るものであれば特に限定されず、当該技術分野において通常用いられる還元剤を使用することができる。例えば、水素化ホウ素化合物、アミノボラン化合物、チオ尿素、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド重亜硫酸塩などが挙げられる。これらは単独で添加しても良いし、二種以上を併用しても良い。
本発明では、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種(以下、ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩と呼ぶ場合がある。)と;下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物とを併用することが好ましい。
・R1−NH−C24−NH−R2・・・(1)
・R3−(CH2−NH−C24−NH−CH2n−R4・・・(2)
上記式(1)及び(2)中、R1、R2、R3及びR4は−OH、−CH3、−CH2OH、−C24OH、−CH2N(CH32、−CH2NH(CH2OH)、−CH2NH(C24OH)、−C24NH(CH2OH)、−C24NH(C24OH)、−CH2N(CH2OH)2、−CH2N(C24OH)2、−C24N(CH2OH)2又は−C24N(C24OH)2を表し、同じであっても異なっていてもよい。nは1〜4の整数である。
これらを併用(共存)することにより、下式に示されるようなホルムアルデヒド−アミン複合体が生成して、還元剤成分として作用すると考えられる。
・ホルムアルデヒドを使用する場合、
ホルムアルデヒド+アミン化合物→還元剤成分(ホルムアルデヒド−アミン複合体)
・ホルムアルデヒド重亜硫酸塩を使用する場合、
ホルムアルデヒド重亜硫酸塩+アミン化合物
→還元剤成分(ホルムアルデヒド−アミン複合体)+亜硫酸
上記ホルムアルデヒド重亜硫酸塩として、例えば、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸アンモニウムなどが
挙げられる。
上記併用態様の詳細は、特開2008−169425号公報、特開2008−266668号公報に詳述しているため、詳細は上記公報を参照すれば良い。
上記第1のめっき浴中に占める、上記ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩の濃度(単独で含むときは単独の濃度であり、両方を含むときは合計濃度である。)は0.0001〜0.5mol/Lであることが好ましく、0.001〜0.3mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回ると、下地ニッケルが腐食する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
上記第1のめっき浴中に占める、上記アミン化合物濃度は0.001〜3mol/Lであることが好ましく、0.01〜1mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
上記ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩の含有量(単独で含むときは単独の量であり、両方を含むときは合計量である。)と、上記アミン化合物の含有量の好ましいモル比は、ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩:アミン化合物=1:30〜3:1であり、より好ましくは1:10〜1:1である。ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩が上記範囲より多いと、めっき浴が不安定になる虞があり、一方、上記アミン化合物が上記範囲より多いと経済的に不利になる場合がある。
(錯化剤)
上記第1のめっき浴に含まれる錯化剤の種類も特に限定されず、無電解めっき浴で用いられている公知の錯化剤を用いることができる。例えば、リン酸、ホウ酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシルグリシン、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ヒドロキシエチリデン二リン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンリン酸)、又はそのアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
上記第1のめっき浴中に占める、上記錯化剤の濃度(単独で含むときは単独の量であり、両方を含むときは合計量である。)は0.001〜1mol/Lであることが好ましく、0.01〜0.5mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回ると溶出した金属によって析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると経済的に不利となる場合がある。
上記第1のめっき浴には、本発明の作用を阻害しない範囲で、無電解めっきの分野で通常用いられる上記以外の添加剤が含まれていても良い。
上記第1のめっき浴のpHは、5〜10であることが好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると浴が不安定になる虞がある。pH調整剤の種類は特に限定されず、公知のめっき浴で使用されているもの、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、硫酸、リン酸、ホウ酸などが挙げられる。
上記第1のめっき浴の使用温度は、40〜90℃であることが好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
(第2の方法)
第2の方法は、第2の方法に用いられるめっき浴(以下、第2のめっき浴と呼ぶ。)に安定化剤(好ましくは、シアノヒドリン化合物)を含有する点で前記第1の方法と相違する。安定化剤の種類によっては、またシアノヒドリン化合物を用いた場合であっても、建浴時には、他の成分との関係で分解するなどして徐々に消失してしまい、所望とするめっき能を安定して維持できない場合がある。また、めっき処理により金や還元剤などが消費されたりする等して、長期間に亘って優れためっき能を維持できない場合もある。本発明の方法によれば、シアノヒドリン化合物を定期的に補給しているため、建浴時、またはめっき処理中の長期間に亘って、優れためっき能を安定して維持、管理することが可能である。
第2の方法の具体的な態様は、前述した第1の方法と同じであり、詳細は第1の方法を参照すれば良い。また、上記第2のめっき浴に含まれる好ましい水溶性金化合物、還元剤、および錯化剤は前述した第1のめっき浴と同じであり、説明を省略する。
また、上記第2のめっき浴に用いられるシアノヒドリン化合物の詳細は前述したとおりであり、上記化合物によるめっき能向上作用を有効に発揮させるため、上記第2のめっき浴に占める、シアノヒドリン化合物の含有量(単独で含むときは単独の量であり、二種以上を含むときは合計量である。)は、めっき浴中に消耗していくことも考慮して、おおむね、0.000001〜3モル/Lであることが好ましく、0.00001〜0.5モル/Lであることがより好ましい。上記範囲未満であると、所望とする効果が得られない。一方、上記範囲を超えると析出速度が低下する。
上記第2のめっき浴には、本発明の作用を阻害しない範囲で、無電解めっきの分野で通常用いられる上記以外の添加剤が含まれていても良い。
上記第2のめっき浴のpHは、5〜10であることが好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると浴が不安定になる虞がある。上記pH調整剤の種類は特に限定されず、公知のめっき浴で使用されているもの、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、硫酸、リン酸、ホウ酸などが挙げられる。
上記第2のめっき浴の使用温度は、40〜90℃であることが好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
本発明に用いられるめっき浴は、例えば、プリント配線板、セラミクス基板、半導体基板、ICパッケージなどの電子部品の配線回路実装部分や端子部分を無電解金めっき処理する場合に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1(第1の方法)
本実施例では、安定化剤を含有しない第1のめっき浴を用いたき、めっき浴のめっき能を維持するにはシアノヒドリン化合物の補給が有用であることを実証するため、以下の実験を行なった。
表1に記載の三種類の金めっき浴[シアン浴、ノンシアン浴(亜硫酸金浴1、2)]を建浴時のめっき浴とし、各金めっき浴を表1に記載の各温度に昇温して100時間保持する間、表2〜4に記載の各補給化合物を、各表に記載の添加量となるように補給した。具体的には表2の補給化合物を表1のシアン浴に補給し、表3の補給化合物を表1の亜硫酸金浴1(ノンシアン浴)に補給し、表4の補給化合物を表1の亜硫酸金浴2(ノンシアン浴)に補給した。なお、各温度に昇温する間、消耗する還元剤に対しては適宜補給を行った。具体的には、ノンシアン浴では20〜30時間に一度、還元剤濃度を分析して、シアノヒドリン化合物とは別個に、還元剤の量が建浴時の10%以下となるように補給した。一方、シアン浴では、シアノヒドリン化合物および還元剤の両方を同時に、1時間に1回の間隔で、還元剤の量が建浴時の5%以下となるように補給した。
各補給化合物によるめっき能の効果を調べるため、以下の方法で安定性、外観、およびめっき皮膜形成速度(めっき速度)を調べた。
表1に記載の各めっき浴を容器中に入れ、表1に記載の各温度まで昇温した後、上記温度で100時間保持した。表1における温度(保持温度)が相違するのは、還元剤の種類によってAuの還元反応温度が相違するためである。
上記温度を保持している間における、めっき液の状態を目視により観察し、浴分解の兆候である容器への金析出の有無を調べた。金の析出がないものを〇(安定性に優れる)、金の析出が見られたものを×(安定性に劣る)と評価した。
(外観)
基板を表1の各めっき浴に浸漬して金めっきを施し、めっき外観を目視で観察した。詳細には上村工業(株)製BGA基板を用意して、表5に記載の各工程をこの順序で施した後、金めっき皮膜の外観を目視で観察した。表5の各工程間は、プレディップとアクチベーターの間を除いて、水洗を十分行った(水洗時間はおおむね、30秒〜2分)。その結果、均一な外観が得られたものを〇(外観に優れる)、外観が不均一、またはムラのあるものを×(外観に劣る)と評価した。
(めっき速度)
上記外観の観察方法と同様にして金めっき皮膜を形成し、上記皮膜の厚さを蛍光X線膜厚計(日立ハイテクサイエンス(旧エスアイアイ・ナノテクノロジー)製のSFT−9550)で測定した。得られた金めっき皮膜の厚さを、当該金めっき皮膜の形成時間で割ることにより、めっき速度(μm/hr)を算出した。100時間保持後のめっき速度を、分解前の初期速度と比較したとき、初期速度からの変化率が30%以下のものを〇(めっき速度が維持されている)、初期速度からの変化率が30%を超えるものを×(めっき速度が維持されていない)と評価した。
これらの結果を表2〜4に併記する。本実施例では、上記のようにして評価した安定性、外観、およびめっき速度の全てが〇のものをめっき能が維持されていると判定し、いずれか一つでも×のものはめっき能が維持されていないと判定した。
Figure 0006722037
Figure 0006722037
Figure 0006722037
Figure 0006722037
Figure 0006722037
表2は、表1のシアン浴に補給化合物を補給したときの結果を示す。表2の実施例1〜4に示すように適切な量のシアノヒドリン化合物を補給すれば、安定性、外観、およびめっき速度を全て良好に維持できる。
これに対し、表2の比較例1、2のようにシアノヒドリン化合物の添加量が少ない場合は安定性が低下し、シアノヒドリン化合物の添加量が多い場合はめっき速度が低下した。
また、表2の比較例3のようにCN基を有するがOH基を有しないスクシノニトリルを添加しても安定性が低下してしまい、良好な安定性を維持できなかった。
表3、4はそれぞれ、表1に記載の亜硫酸金浴1、亜硫酸金浴2(いずれもノンシアン浴)に各補給化合物を補給したときの結果を示す。表3、4の実施例5、6に示すようにシアノヒドリン化合物を補給すれば、安定性、外観、およびめっき速度を全て良好に維持できるのに対し、CN基を有するがOH基を有しないアセトニトリルを補給すると安定性が低下し、良好な安定性を維持できなかった。
実施例2(第2の方法)
本実施例では、安定化剤としてシアノヒドリン化合物を含有する第2のめっき浴を用いたき、めっき浴のめっき能を維持するにはシアノヒドリン化合物の補給が有用であることを実証するため、以下の実験を行なった。
表6に記載のNo.1〜10の金めっき浴[No.1〜6のシアン浴、No.7〜10のノンシアン浴(亜硫酸金浴1、2を二種類ずつ)]を建浴時のめっき浴とし、各金めっき浴を表6に記載の各温度に昇温して100時間保持する間、表7〜9に記載の各補給化合物を、各表に記載の添加量となるように補給した。使用しためっき浴の種類を表7〜9に併記する。なお、各温度に昇温する間、消耗する還元剤に対しては適宜補給を行った。
次に、前述した実施例1と同様にして、各補給化合物によるめっき能の効果を調べた。これらの結果を表7〜9に併記する。
Figure 0006722037
Figure 0006722037
Figure 0006722037
Figure 0006722037
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表7は、表6AのNo.1〜6のシアン浴に補給化合物を補給したときの結果を示す。表7の実施例1〜5に示すように適切な量のシアノヒドリン化合物を補給すれば、安定性、外観、およびめっき速度を全て良好に維持できる。
これに対し、表7の比較例1、2のようにシアノヒドリン化合物の添加量が少ない場合は安定性が低下し、シアノヒドリン化合物の添加量が多い場合はめっき速度が低下した。
また、表7の比較例3のようにCN基を有するがOH基を有しないスクシノニトリルを添加しても安定性が低下してしまい、良好な安定性を維持できなかった。
表8、9はそれぞれ、表6BのNo.7、8の亜硫酸金浴1(還元剤としてアスコルビン酸を使用したノンシアン浴)、No.9、10の亜硫酸金浴2(還元剤としてヒドラジンを使用したノンシアン浴)に各補給化合物を補給したときの結果を示す。表8、9の実施例に示すようにシアノヒドリン化合物を補給すれば、安定性、外観、およびめっき速度を全て良好に維持できるのに対し、CN基を有するがOH基を有しないアセトニトリルを補給すると安定性が低下し、良好な安定性を維持できなかった。

Claims (5)

  1. 水溶性金化合物、還元剤、および錯化剤を含有する無電解金めっき浴のめっき能を、シアン化アルカリを補給することなく安定に維持管理する方法であって、
    下記式で表されるシアノヒドリン化合物を定期的に補給し、
    該シアノヒドリン化合物の補給量を0.00002〜0.001mol/L/hrとすることを特徴とする無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
    Figure 0006722037
    式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
  2. 水溶性金化合物、還元剤、錯化剤、および安定化剤を含有する無電解金めっき浴のめっき能を、シアン化アルカリを補給することなく安定に維持管理する方法であって、
    下記式で表されるシアノヒドリン化合物を定期的に補給し、
    該シアノヒドリン化合物の補給量を0.00002〜0.001mol/L/hrとすることを特徴とする無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
    Figure 0006722037
    式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
  3. 前記安定化剤として前記シアノヒドリン化合物を用いるものである請求項2に記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
  4. 前記還元剤が、水素化ホウ素化合物、アミノボラン化合物、チオ尿素、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
  5. 前記還元剤として作用する成分が、
    ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種と、
    下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物と、
    を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の無電解金めっき浴のめっき能維持管理方法。
    ・R1−NH−C24−NH−R2・・・(1)
    ・R3−(CH2−NH−C24−NH−CH2n−R4・・・(2)
    上記式(1)及び(2)中、
    1、R2、R3及びR4は−OH、−CH3、−CH2OH、−C24OH、−CH2N(CH32、−CH2NH(CH2OH)、−CH2NH(C24OH)、−C24NH(CH2OH)、−C24NH(C24OH)、−CH2N(CH2OH)2、−CH2N(C24OH)2、−C24N(CH2OH)2又は−C24N(C24OH)2を表し、同じであっても異なっていてもよく、
    nは1〜4の整数である。
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