JP6901847B2 - 無電解金めっき浴 - Google Patents

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Description

本発明は、無電解金めっき浴に関する。
金は銀、銅の次に高い電気導電率を有し、熱圧着による接続性などの物理的性質に優れると共に、耐酸化性、耐薬品などの化学的性質にも優れる。そのため、金を用いた金めっきは、電子工業分野においてプリント基板の回路、ICパッケージの実装部分や端子部分などの最終表面処理法として広く使用されている。近年、電子部品の小型化、高密度化に伴い、リード配線の必要がなく機能性などに優れた無電解めっき法が好適に用いられている。
無電解めっき法は、めっき方法により下記の方法が代表的に挙げられる。
(1)下地無電解ニッケルめっき皮膜上に、置換金めっき皮膜を形成する無電解ニッケル/置換金法(Electroless Nickel Immersion Gold:ENIG)
(2)銅上に直接置換金めっき皮膜を形成する直接置換金法(Direct Immersion Gold:DIG)
(3)下地無電解ニッケルめっき皮膜と置換金めっき皮膜の間に無電解パラジウムめっき皮膜を設ける無電解ニッケル/無電解パラジウム/置換金法(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold:ENEPIG)
これらの方法はいずれも、銅の拡散防止、回路や端子の耐食性向上が可能である。特に無電解パラジウムめっきを用いたENEPIG法は、ワイヤー、鉛フリーはんだとの接続信頼性を一層向上させる方法として非常に有用である。
無電解金めっき浴は、金供給源として使用される金塩(水溶性金化合物)の種類によりシアン浴とシアンフリー浴(ノンシアン浴)に大別される。このうちシアン浴は、シアノ基(CN)を含有する水溶性金化合物(例えばシアン化金カリウムなどのシアン化金塩など)を含有する。一方、ノンシアン浴は、シアノ基を含有しない水溶性金化合物(例えば塩化金ナトリウムなどの塩化金塩、亜硫酸金ナトリウムなどの亜硫酸金塩など)を含有する。
無電解金めっき浴は、上記金塩の他、還元剤、錯化剤、および安定化剤などの添加剤を含有する。このうち還元剤は、金塩を還元して金を析出させるために添加される。錯化剤は、主に金めっき液の金の溶解性を安定化させるために添加される。また、安定化剤は、めっき安定性、めっき後の外観向上、めっき皮膜形成速度(めっき速度)調整などの目的で添加される。
特に無電解金めっき浴では、還元剤の種類に対応して安定化剤を添加する必要があり、例えばシアン浴では、毒物であるKCNを安定化剤として使用している。しかしながら、強い毒性により、保管上、廃棄による環境面への悪影響が大きく、シアン浴において、KCNに代替する安定化剤の提供が求められている。
一方、ノンシアン浴では、安定化剤として、チオジグリコール酸、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルアルコール、グリコール酸、メルカプトコハク酸などが使用されている(例えば特許文献1〜6)。
特開2011−168837号公報 特開平6−145996号公報 特開平6−145997号公報 特開平6−280039号公報 特開2004−10964号公報 特開2005−194569号公報
しかしながら、本発明者らの検討結果によれば、上記特許文献に記載の化合物は、安定化剤としての効果が十分でなく、安定性、めっき後の外観、めっき速度のいずれかの点で劣ることが判明した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シアン浴、ノンシアン浴の種類にかかわらず、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度(以下、これらをまとめてめっき能と呼ぶ場合がある。)を全て向上させることが可能な新規な無電解金めっき浴を提供することにある。
本発明の要旨は、下記1〜4のとおりである。
1.水溶性金化合物、還元剤、錯化剤、および安定化剤を含有する無電解金めっき浴であって、前記安定化剤は、下記式で表されるシアノヒドリン化合物である。
Figure 0006901847
式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
2.前記シアノヒドリン化合物が、アセトンシアノヒドリン、ホルムアルデヒドシアノヒドリン、ベンズアルデヒドシアノヒドリン、および1,1,1−トリフルオロアセトンシアノヒドリンよりなる群から選択される少なくとも一種である上記1に記載の無電解金めっき浴。
3.前記還元剤が、水素化ホウ素化合物、アミノボラン化合物、チオ尿素、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種である上記1または2に記載の無電解金めっき浴。
4.前記還元剤として作用する成分が、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種と、下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物と、を含むものである上記1または2に記載の無電解金めっき浴。
・R1−NH−C24−NH−R2・・・(1)
・R3−(CH2−NH−C24−NH−CH2n−R4・・・(2)
上記式(1)及び(2)中、
1、R2、R3及びR4は−OH、−CH3、−CH2OH、−C24OH、−CH2N(CH32、−CH2NH(CH2OH)、−CH2NH(C24OH)、−C24NH(CH2OH)、−C24NH(C24OH)、−CH2N(CH2OH)2、−CH2N(C24OH)2、−C24N(CH2OH)2又は−C24N(C24OH)2を表し、同じであっても異なっていてもよく、
nは1〜4の整数である。
本発明によれば、めっき能に極めて優れるシアノヒドリン化合物を安定化剤として使用しているため、無電解金めっき浴の種類がシアン浴、ノンシアン浴にかかわらず、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度(総称してめっき能)を全て向上させることが可能な新規な無電解金めっき浴を提供することができる。
本発明者らは上記課題を解決するために検討を重ねた。その結果、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度を全て向上させることが可能な安定化剤として、下記式で表されるシアノヒドリン化合物を用いれば所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
Figure 0006901847
式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
このように本発明の特徴は、めっき安定性、めっき後の外観、およびめっき速度を全て向上させることが可能な安定化剤、すなわち、めっき能に優れた安定化剤として、シアノヒドリン化合物が有用であることを見出した点にある。シアノヒドリン化合物の使用によって優れためっき能が発揮される理由は詳細には不明であるが、分子内にシアノ基(CN)だけでなくヒドロキシル基(OH)も有していることが有効に作用していると考えられる。本発明によれば、めっき中にCN基が遊離することによって優れためっき能が発揮されると推察されるが、単純にCN基のみ含有してOH基を含有しない化合物(例えばスクシノニトリル、アセトニトリル)では、めっき能に要求される三つの特性のうち安定性に劣ることが本発明者らの実験結果により判明した(後記する比較例4、5を参照)。
本発明においてアルキル基は、炭素数1〜6の低級アルキル基、または炭素数7〜10の中級アルキル基を意味する。上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。上記アルキル基は、無置換のアルキル基、および置換基で置換されたアルキル基の両方を含む。上記置換基には、例えば、塩素、フッ素などのハロゲンなどが挙げられる。
本発明において芳香族基は、芳香環を有する基を意味する。上記芳香環には、例えば非ベンゼン系芳香環;ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環;ピレン環などの縮合芳香環などが挙げられる。上記芳香族基は、無置換の芳香族基、および置換基で置換された芳香族基の両方を含む。置換基で置換された芳香族基として、例えば、上記の非ベンゼン系芳香環、芳香環、または縮合芳香環の1以上の炭素原子が、酸素原子、窒素原子、硫酸原子などのヘテロ原子に置き換えられている複素芳香環(ピロール環、ピリジン環、チオフェン環、フラン環など)が挙げられる。
上記シリル基として、前述したアルキル基を有するシリル基(例えばトリメチルシリル基など)、アルコキシル基を有するシリル基などが挙げられる。上記アルコキシル基は、炭素数1〜6の低級アルコキシル基、または炭素数7〜10の中級アルコキシル基を意味する。上記アルコキシル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。アルコキシル基を有するシリル基として、例えばジエトキシシリル基などが挙げられる。
本発明に用いられるシアノヒドリン化合物として、例えばアセトンシアノヒドリン、ホルムアルデヒドシアノヒドリン、およびベンズアルデヒドシアノヒドリン、1,1,1−トリフルオロアセトンシアノヒドリンが好ましい。これらは、単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。上記化合物の構造を以下に示す。
Figure 0006901847
以下、本発明の無電解金めっき浴について説明する。前述したとおり本発明の無電解金めっき浴は、水溶性金化合物、還元剤、錯化剤、および安定化剤を含有し、安定化剤として上記シアノヒドリン化合物を用いた点に特徴がある。
シアノヒドリン化合物によるめっき能向上作用を有効に発揮させるため、無電解金めっき浴に占める、シアノヒドリン化合物の含有量(単独で含むときは単独の量であり、二種以上を含むときは合計量である。)は、0.0001〜1mol/Lであることが好ましく、0.001〜0.1mol/Lであることがより好ましい。0.0001mol/L未満であると、所望とする効果が得られない。一方、1mol/Lを超えるとめっき析出速度が低下する。
本発明の無電解金めっき浴において、上記安定化剤以外の要件は特に限定されず、無電解めっきの分野で通常用いられるものであって本発明の作用を阻害しない範囲であれば特に限定されない。以下、各要件について、好ましい態様を説明する。
(水溶性金化合物)
本発明に用いられる水溶性金化合物は、シアノ基(CN)を含有しない水溶性金化合物であっても良いし、シアノ基を含有する水溶性金化合物であっても良い。これらの種類は特に限定されず、当該技術分野で通常用いられるものを使用することができる。前者の例として、例えば金の亜硫酸塩、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、メタンスルホン酸塩、テトラアンミン錯体、塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、酸化物などが挙げられる。後者の例として、例えば、シアン化金、シアン化金カリウム、シアン化金ナトリウム、シアン化金アンモニウムなどのシアン化金塩などが挙げられる。
めっき浴中に占める、上記水溶性金化合物の含有量は、金基準で0.0001〜1mol/Lであることが好ましく、0.002〜0.03mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回るとめっき析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると経済的に不利となる場合がある。
(還元剤)
本発明に用いられる還元剤の種類は、所望とするめっき能を発揮し得るものであれば特に限定されず、当該技術分野において通常用いられる還元剤を使用することができる。例えば、水素化ホウ素化合物、アミノボラン化合物、チオ尿素、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド重亜硫酸塩などが挙げられる。これらは単独で添加しても良いし、二種以上を併用しても良い。
本発明では、ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒド重亜硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種(以下、ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩と呼ぶ場合がある。)と;下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物とを併用することが好ましい。
・R1−NH−C24−NH−R2・・・(1)
・R3−(CH2−NH−C24−NH−CH2n−R4・・・(2)
上記式(1)及び(2)中、R1、R2、R3及びR4は−OH、−CH3、−CH2OH、−C24OH、−CH2N(CH32、−CH2NH(CH2OH)、−CH2NH(C24OH)、−C24NH(CH2OH)、−C24NH(C24OH)、−CH2N(CH2OH)2、−CH2N(C24OH)2、−C24N(CH2OH)2又は−C24N(C24OH)2を表し、同じであっても異なっていてもよい。nは1〜4の整数である。
これらを併用(共存)することにより、下式に示されるようなホルムアルデヒド−アミン複合体が生成して、還元剤成分として作用すると考えられる。
・ホルムアルデヒドを使用する場合、
ホルムアルデヒド+アミン化合物→還元剤成分(ホルムアルデヒド−アミン複合体)
・ホルムアルデヒド重亜硫酸塩を使用する場合、
ホルムアルデヒド重亜硫酸塩+アミン化合物
→還元剤成分(ホルムアルデヒド−アミン複合体)+亜硫酸
上記ホルムアルデヒド重亜硫酸塩として、例えば、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
上記併用態様の詳細は、特開2008−169425号公報、特開2008−266668号公報に詳述しているため、詳細は上記公報を参照すれば良い。
めっき浴中に占める、上記ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩の濃度(単独で含むときは単独の濃度であり、両方を含むときは合計濃度である。)は0.0001〜0.5mol/Lであることが好ましく、0.001〜0.3mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回ると、下地ニッケルが腐食する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
めっき浴中に占める、上記アミン化合物濃度は0.001〜3mol/Lであることが好ましく、0.01〜1mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
上記ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩の含有量(単独で含むときは単独の量であり、両方を含むときは合計量である。)と、上記アミン化合物の含有量の好ましいモル比は、ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩:アミン化合物=1:30〜3:1であり、より好ましくは1:10〜1:1である。ホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド重亜硫酸塩が上記範囲より多いと、めっき浴が不安定になる虞があり、一方、上記アミン化合物が上記範囲より多いと経済的に不利になる場合がある。
(錯化剤)
本発明に用いられる錯化剤の種類も特に限定されず、無電解めっき浴で用いられている公知の錯化剤を用いることができる。例えば、リン酸、ホウ酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシルグリシン、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ヒドロキシエチリデン二リン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンリン酸)、又はそのアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
めっき浴中に占める、上記錯化剤の濃度(単独で含むときは単独の量であり、両方を含むときは合計量である。)は0.001〜1mol/Lであることが好ましく、0.01〜0.5mol/Lであることがより好ましい。上記範囲を下回ると溶出した金属によって析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると経済的に不利となる場合がある。
本発明の無電解金めっき浴のpHは、5〜10であることが好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えると浴が不安定になる虞がある。pH調整剤の種類は特に限定されず、公知のめっき浴で使用されているもの、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、硫酸、リン酸、ホウ酸などが挙げられる。
本発明の無電解金めっき浴の使用温度は、40〜90℃であることが好ましい。上記範囲を下回ると析出速度が低下する虞があり、一方、上記範囲を超えるとめっき浴が不安定になる虞がある。
本発明の無電解金めっき浴は、前述した無電解ニッケル/置換金法(ENIG)、直接置換金法(DIG)、無電解ニッケル/無電解パラジウム/置換金法(ENEPIG)のいずれにも適用することができる。例えば本発明の無電解金めっき浴を用い、パラジウムめっき皮膜を無電解金めっき浴に接触させることにより、パラジウムめっき皮膜表面を無電解金めっき処理することができる。この場合、例えば5〜60分の接触時間で、厚さ0.01〜2μmの金めっき皮膜を形成することが可能であり、例えば、0.002〜0.03μm/分の析出速度で金めっき皮膜を成膜することができる。
本発明の無電解金めっき浴は、例えば、プリント配線板、セラミクス基板、半導体基板、ICパッケージなどの電子部品の配線回路実装部分や端子部分を無電解金めっき処理する場合に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
本実施例では、シアノヒドリン化合物が無電解金めっき浴の安定化剤として有用に作用することを調べるため、以下の方法で安定性、外観、およびめっき皮膜形成速度(めっき速度)を調べた。
(安定性)
表1に記載の金めっき浴を作製して容器中に入れ、表1に記載の各温度まで昇温した後、上記温度で24時間保持した。表1における温度(保持温度)が相違するのは、還元剤の種類によってAuの還元反応温度が相違するためである。
上記温度を保持している間における、めっき液の状態を目視により観察し、浴分解の兆候である容器への金析出の有無を調べた。金の析出がないものを〇(安定性に優れる)、金の析出が見られたものを×(安定性に劣る)と評価した。
(外観)
基板を表1の各めっき浴に浸漬して金めっきを施し、めっき外観を目視で観察した。詳細には上村工業(株)製BGA基板を用意して、表2に記載の各工程をこの順序で施した後、金めっき皮膜の外観を目視で観察した。表2の各工程間は、プレディップとアクチベーターの間を除いて、水洗を十分行った(水洗時間はおおむね、30秒〜2分)。その結果、均一な外観が得られたものを〇(外観に優れる)、外観が不均一、またはムラのあるものを×(外観に劣る)と評価した。
(めっき速度)
上記外観の観察方法と同様にして金めっき皮膜を形成し、上記皮膜の厚さを蛍光X線膜厚計(日立ハイテクサイエンス(旧エスアイアイ・ナノテクノロジー)製のSFT−9550)で測定した。得られた金めっき皮膜の厚さを、当該金めっき皮膜の形成時間で割ることにより、めっき速度(μm/hr)を算出した。本実施例では、めっき速度が0.15μm/hr以上のものを〇(めっき速度が速い)、めっき速度が0.15μm/hr未満のものを×(めっき速度が遅い)と評価した。
これらの結果を表3に記載する。本実施例では、上記のようにして評価した安定性、外観、およびめっき速度の全てが〇のものをめっき能に優れると判定し、いずれか一つでも×のものはめっき能に劣ると判定した。
Figure 0006901847
Figure 0006901847
Figure 0006901847
Figure 0006901847
表3より以下のように考察することができる。
実施例1、4(シアン浴を使用)、実施例2、3(ノンシアン浴を使用)は、シアノヒドリン化合物を安定化剤として用いた例であり、安定性、外観、およびめっき速度のいずれも良好であり、めっき能に極めて優れている。すなわち、シアノヒドリン化合物は、無電解金めっき浴における安定化剤として極めて有用であり、上記効果は、シアン浴、ノンシアン浴の種類にかかわらず有効に発揮されることが分かる。
これに対し、比較例1(シアン浴を使用)、比較例3(ノンシアン浴を使用)は、いずれも安定化剤を添加しない例であり、安定性が低下した。
比較例2、6(いずれもノンシアン浴を使用)は、従来の安定化剤を用いた例であり、比較例2では外観不良およびめっき速度の低下が見られた。比較例6では安定性が低下した。
比較例4、5(いずれもシアン浴を使用)は、CN基を有するがOH基を有しないスクシノニトリル、アセトニトリルを安定化剤として用いた例であり、いずれも所望とする安定性が得られなかった。

Claims (2)

  1. 水溶性金化合物、還元剤、錯化剤、および安定化剤を含有する無電解金めっき浴であって、
    前記還元剤が、アスコルビン酸、又はヒドラジン、あるいはホルムアルデヒドと下記式(2)で表されるアミン化合物よりなる群から選択される少なくとも一種;
    (CH 3 CH 2 )HNCH 2 CH 2 NH(CH 2 CH 2 OH)・・・(2)
    前記安定化剤は、下記式で表されるシアノヒドリン化合物であることを特徴とする無電解金めっき浴。
    Figure 0006901847
    式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子、シリル基、または置換基で置換されていても良いアルキル基若しくは芳香族基を意味する。
  2. 前記シアノヒドリン化合物が、アセトンシアノヒドリン、ホルムアルデヒドシアノヒドリン、ベンズアルデヒドシアノヒドリン、および1,1,1−トリフルオロアセトンシアノヒドリンよりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の無電解金めっき浴。
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