JP6569026B1 - 無電解パラジウムめっき液、およびパラジウム皮膜 - Google Patents

無電解パラジウムめっき液、およびパラジウム皮膜 Download PDF

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Abstract

少なくともヒドラジンを還元剤として用いる無電解パラジウムめっき液において、酸性〜中性近傍における浴安定性および長期安定性に優れると共に、エッチングレジスト溶出に伴うPd皮膜の析出速度の低下を抑制可能な無電解パラジウムめっき液を提供する。本発明の無電解パラジウムめっき液は、パラジウム化合物と;ヒドラジンまたはその塩と;NH2NHCOR1式で表される式(1)の化合物またはその塩、および(NH2NHCO)2(R2)nで表される式(2)の化合物またはその塩よりなる群から選択される少なくとも一種と;を含有すると共に、pH8以下を満足する。(式中、R1は、H、NH2、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、NHNH2、または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、R2は、(CH2)または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、nは0〜10の整数である)

Description

本発明は無電解パラジウムめっき液、およびパラジウムめっき皮膜に関する。
電子工業分野においてプリント基板の回路、ICパッケージの実装部分や端子部分などの表面処理法として、例えば無電解ニッケル/無電解パラジウム/置換金法(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold:ENEPIG)が汎用されている。上記ENEPIGプロセスによって無電解ニッケルめっき皮膜、無電解パラジウムめっき皮膜、置換金めっき皮膜を順次施しためっき皮膜が得られる。
ここでPd皮膜は、良好な電気伝導度を示し、耐食性に優れるため、ENEPIG工程において重要な役割を果たす。無電解パラジウムめっきでは、還元剤として主にギ酸またはヒドラジン(これらの塩類を含む)、次亜リン酸塩、亜リン酸塩などが用いられている(例えば非特許文献1、特許文献1)。
特開平7−062549号公報
上宮成之ら、「無電解めっき法によるパラジウム薄膜の調製」、日本化学会誌、1990、No.6
一般にめっき浴は浴安定性に優れることが要求される。更に近年、電子部品の分野では、部分めっきのためにエッチングレジストを塗布した基板が使用されているが、無電解めっきでは、エッチングレジストの溶出によるめっき速度(めっき皮膜の析出速度)の低下やめっき中のレジストピーリングが問題となっている。そのため、エッチングレジストが溶出し難い無電解パラジウムめっき浴の提供が切望されている。
しかしながら、ヒドラジンのみを還元剤として用いたヒドラジン還元Pdめっき浴は、浴安定性に乏しい(自己分解する)ことが前述した非特許文献1に報告されている。更に本発明者らの実験によれば、ヒドラジン自体の不安定性から、めっき液の長期使用によりめっき皮膜の析出速度が低下したり、エッチングレジストの溶出に伴い析出速度が低下することも判明した。
一方、ギ酸を還元剤として用いたギ酸還元Pdめっき浴は、浴安定性に優れているため、古くから工業的に利用されている。しかしながら、本発明者らの実験によれば、ギ酸還元Pdめっき浴はエッチングレジスト溶出の影響を受けやすく、析出速度が低下すること、特に長期使用時での析出速度が著しく低下することが判明した。その結果、無めっきやめっき薄などのめっき不良をもたらす。これらの問題を解消するため、工業的には、例えばエッチングレジストが溶出しためっき浴を活性炭処理することで析出速度を維持する手段も採用され得るが、コスト、生産性等の観点から実用的でない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくともヒドラジンまたはその塩を還元剤として用いる無電解パラジウムめっき液において、酸性〜中性近傍における浴安定性および長期安定性に優れると共に、エッチングレジスト溶出に伴うPd皮膜の析出速度の低下を抑制可能な無電解パラジウムめっき液を提供する。
本発明の構成は以下のとおりである。
[1]パラジウム化合物と;ヒドラジンまたはその塩と;NH2NHCOR1式で表される式(1)の化合物またはその塩、および(NH2NHCO)2(R2)nで表される式(2)の化合物またはその塩よりなる群から選択される少なくとも一種と;を含有すると共に、pH8以下を満足することを特徴とする無電解パラジウムめっき液。
(式中、R1は、H、NH2、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、NHNH2、または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、R2は、(CH2)または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、nは0〜10の整数である)
[2]更に、ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤を含む上記[1]に記載の無電解パラジウムめっき液。
[3]前記ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤は、ギ酸またはその塩、次亜リン酸またはその塩、および亜リンまたはその塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]または[2]に記載の無電解パラジウムめっき液。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の無電解パラジウムめっき液を用いて得られるパラジウム皮膜。
[5]上記[4]に記載のパラジウム皮膜を有する電子機器構成部品。
本発明によれば、酸性〜中性近傍における浴安定性および長期安定性に優れると共に、エッチングレジスト溶出に伴うPd皮膜の析出速度の低下を抑制可能な無電解パラジウムめっき液を提供することができる。
本発明者らは上記課題を解決するため、検討を行った。その結果、還元剤として少なくともヒドラジンまたはその塩と、所定の添加剤とを含む無電解パラジウムめっき液により所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明について詳述する。
1.無電解めっき液について
本発明の無電解パラジウムめっき液(以下、無電解Pdめっき液と呼ぶ場合がある)は、パラジウム化合物と;ヒドラジンまたはその塩と;NH2NHCOR1式で表される上記式(1)の化合物またはその塩、および(NH2NHCO)2(R2)nで表される上記式(2)の化合物またはその塩よりなる群から選択される少なくとも一種[以下、式(1)または(2)の化合物、或は単に「所定の化合物」と略記する場合がある。]と;を含有すると共に、pH8以下を満足する。特に本発明では、還元剤として用いられるヒドラジンまたはその塩と、所定の化合物とを組み合わせて用いた点に特徴がある。
本発明に用いられるパラジウム化合物は、パラジウムめっきを得るためのパラジウムイオン供給源である。パラジウム化合物は水溶性であればよく、例えば塩化パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウムなどの無機水溶性パラジウム塩;テトラアミンパラジウム塩酸塩、テトラアミンパラジウム硫酸塩、テトラアミンパラジウム酢酸塩、テトラアミンパラジウム硝酸塩、ジクロロジエチレンジアミンパラジウムなどの有機水溶性パラジウム塩などが挙げられる。上記パラジウム化合物は、単独、又は2種以上を混合して用いてもよい。無電解Pdめっき液中のPdイオン濃度は限定されないが、Pdイオン濃度が低すぎるとめっき皮膜の析出速度が著しく低下することがある。一方、Pdイオン濃度が高すぎると異常析出などにより皮膜物性が低下するおそれがある。したがってめっき液中のパラジウム化合物の含有量はPdイオン濃度として、好ましくは0.01g/L以上、より好ましくは0.1g/L以上、更に好ましくは0.3g/L以上、更により好ましくは0.5g/L以上であり;好ましくは10g/L以下、より好ましくは5g/L以下、更に好ましくは3g/L以下である。なお、上記Pdイオン濃度は原子吸光分光光度計を用いた原子吸光分光分析(Atomic Absorption Spectrometry,AAS)により測定できる。
本発明では、Pdを析出させる還元剤としてヒドラジンまたはその塩を用いる。前述したように無電解Pdめっきではヒドラジンの他、ギ酸も汎用されている。しかしながら、ギ酸を単独で用いると浴安定性は良好であるが、エッチングレジストの溶出によりめっき皮膜の析出速度が大きく低下し、且つ、長期使用時の析出速度も低下することが判明した(後記する表2のNo.15を参照)。
これに対し、ギ酸の代わりにヒドラジンまたはその塩を用いると、酸性から中性域に亘って、新浴におけるエッチングレジスト溶出による析出速度の低下を抑えることができた(後記する表2のNo.20、21)。しかしながら、この場合であっても、エッチングレジスト連続使用時におけるエッチングレジスト溶出による析出速度の低下、および長期使用時の析出速度の低下が依然として確認された。更に中性域では、浴安定性もやや低下した(後記する表2のNo.21)。
上記結果に基づいて検討した結果、本発明では還元剤としてヒドラジンまたはその塩を用いることにし、ヒドラジンまたはその塩単独では解決できなかった上記課題を、式(1)または(2)の化合物(詳細は後述する。)で補えば良いという知見に到達して本発明を完成した。本発明においてヒドラジンまたはその塩としては、ヒドラジン;モノ臭化水素酸ヒドラジン、ヒドラジン二臭化水素酸塩水和物、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、中性硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、ヒドラジン酢酸塩等のヒドラジン塩が例示される。これらを単独または2種以上を併せて用いることができる。
無電解Pdめっき液中のヒドラジンまたはその塩の濃度(単独で含むときは単独の量であり、2種以上を含むときは合計量である。)は、好ましくは0.1g/L以上、より好ましくは0.3g/L以上、更に好ましくは0.5g/L以上、更により好ましくは1g/L以上であり;好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、更により好ましくは15g/L以下である。
本発明では、還元剤としてヒドラジンまたはその塩を少なくとも含んでいれば良く、ヒドラジンまたはその塩以外の他の還元剤を更に含んでいても良い。すなわち本発明では、還元剤としてヒドラジンまたはその塩を単独で用いても良いし、ヒドラジンまたはその塩と他の還元剤を併用しても良い。本発明の要件を満たすめっき液を用いれば、ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤を更に含んでいても所望の効果が発揮されることを確認している[後記する表1のNo.11(ヒドラジン+ギ酸)、12(ヒドラジン+次亜リン酸ナトリウム)を参照]。
本発明に用いられる「他の還元剤」の種類は、無電解Pdめっきの分野などで通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、前述したギ酸またはその塩、次亜リン酸またはその塩、亜リン酸またはその塩、アミンボラン化合物、ヒドロホウ素化合物、ホルマリン、アスコルビン酸またはその塩などが挙げられる。上記塩としては、例えばカリウム、ナトリウムなどアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミンを含むアミン塩などが挙げられる。これらは単独、又は2種以上を混合して用いてもよい。無電解Pdめっき液中に占める、上記他の還元剤の濃度(単独で含むときは単独の量であり、2種以上を含むときは合計量である。)は好ましくは0.1g/L以上、より好ましくは0.3g/L以上、更に好ましくは0.5g/L以上、更により好ましくは1g/L以上であり;好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、更により好ましくは15g/L以下である。
次に本発明を最も特徴付ける式(1)または(2)の化合物について説明する。これらの化合物に共通する点は、いずれも式中にNH2NHCOを有する点である。本発明者らの実験結果によれば、意外にも、式中にNH2NHCOを有する化合物を、ヒドラジンまたはその塩と組み合わせることによって初めて上記課題を解決し得ることが判明した。
前述したとおり還元剤のみでは所望の効果は得られないが、還元剤(本発明では少なくともヒドラジンまたはその塩を用いる)に所定の化合物を組み合わせて用いることにより、酸性から中性近傍(具体的にはpH8以下)に亘って、浴安定性に優れると共に、還元剤のみでは得られなかった効果(すなわち、エッチングレジストの溶出によるめっき皮膜の析出速度の低下が抑えられ、且つ、長期使用時の析出速度の低下も抑えられるという効果)も達成できることが判明した。これらの効果は、所定の化合物を用いることによって初めて達成される本発明特有の効果であって、上記以外の化合物を用いた場合は到底達成できないものであった(後記する表2のNo.16〜19を参照)。
本発明では、式(1)、式(2)の化合物を単独で、または併用して用いることができる。いずれの化合物も式中にNH2NHCOを有する点で共通している。本発明者らの実験結果によれば、上記化合物に類似するがNH2NHCOを有しない化合物を用いても所望の効果は得られないことが判明した[後記する表2のNo.16(尿素)、17(カルバミン酸エチル)、18(こはく酸2,2−ジメチルヒドラジド)、19(マレイン酸ヒドラジド)を参照]。この結果より、詳細なメカニズムは不明であるが、式中にNH2NHCOを有する化合物を、ヒドラジンまたはその塩と組み合わせることによって上記課題を解決できると推察される。
本発明に用いられる式(1)の化合物は、NH2NHCOR1で表される。式中、R1は、H、NH2、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、NHNH2、または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良い。上記化合物は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩などの塩であっても良い。
ここで上記アルキル基は、1〜10の炭素数を有するものであれば特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。具体的には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の脂環式アルキル基などが挙げられる。
また上記アルコキシ基は、1〜10の炭素数を有するものであれば特に限定されず、上記アルコキシ基中のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などが挙げられる。
また上記芳香族基とは、芳香環を有する基を意味する。上記芳香環には、例えば非ベンゼン系芳香環;ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環;ピレン環などの縮合芳香環などが挙げられる。
上記式(1)の化合物は置換基を有していてもよい。上記置換基としては、例えば芳香環を有する芳香族基;塩素やフッ素などのハロゲン;水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基などが挙げられる。上記芳香環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどのベンゼン系芳香環;フラン、チオフェンなどの複素芳香環;非ベンゼン系芳香環などが挙げられる。
式(1)の化合物として、例えば後記する表1のNo.1〜3、5〜8、11、12、14の化合物が代表的に挙げられるが、これらに限定されない。例えば表1には、芳香族基を有する化合物としてNo.14(4−アミノベンゾヒドラジド)を示したが、これはベンゾヒドラジンの4位に、置換基としてアミノ基を有するベンゾヒドラジンの一例に過ぎない。ベンゾヒドラジン自体も使用可能であるし、アミノ基以外の他の置換基を有するベンゾヒドラジンも使用可能である。
本発明に用いられる式(2)の化合物は、(NH2NHCO)2(R2)nで表されるジヒドラジド化合物である。式中、R2は、(CH2)または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、nは0〜10の整数である。上記化合物は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩などの塩であっても良い。
上記芳香族基の詳細は、前述した式(1)の化合物と同じである。
上記式(2)の化合物は置換基を有していてもよい。上記置換基としては、前述した式(1)の化合物において例示したものが挙げられる。
式(2)の化合物として、例えば後記する表1のNo.4、9、10、13の化合物が代表的に挙げられるが、これらに限定されない。例えば表1には、芳香族基を有するジヒドラジド化合物としてNo.13の化合物(イソフタル酸ジヒドラジド)を示したが、これはフタル酸ジヒドラジドの一例であり、その異性体(テレフタル酸ジヒドラジドなど)も使用できる。
本発明では、特に式(1)の化合物を用いることが好ましい。
無電解Pdめっき液中に占める、上記(1)または(2)の化合物の濃度(単独で含むときは単独の量であり、併用するときは合計量である。)は好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.1g/L以上、更に好ましくは0.3g/L以上、更により好ましくは0.5g/L以上であり;好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下、更に好ましくは20g/L以下、更により好ましくは15g/L以下である。
更に本発明のめっき液は、酸性から中性近傍で効果を発揮するものであり、めっき液のpHは8以下である。めっき液のpHが8を超えると浴安定性が低下する(後記する表2のNo.22を参照)。一方、めっき液のpHの下限は上記観点からは特に限定されないが、pHが低すぎるとめっき速度が遅くなるため、4以上であることが好ましい。
本発明の無電解Pdめっき液は、上記の他、当該めっき液の分野で通常用いられ得る他の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、例えば錯化剤、pH調整剤、安定化剤、界面活性剤などが挙げられる。
本発明に用いられる錯化剤は、主に無電解Pdめっき液のPdの溶解性を安定化させる作用を有する。錯化剤は特に限定されず、各種公知の錯化剤が用いられる。好ましくはアンモニア、及びアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種、より好ましくはアミン化合物である。アミン化合物としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン誘導体、テトラメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン四酢酸(Ethylene Diamine Tetraacetic Acid:EDTA)、又はそのアルカリ金属塩、EDTA誘導体、グリシンなどが挙げられる。錯化剤は単独、又は2種以上を併用できる。無電解Pdめっき液中の錯化剤の含有量(単独で含むときは単独の量であり、2種以上を含むときは合計量である。)は上記作用が得られるように適宜調整すればよく、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは1g/L以上、更に好ましくは3g/L以上、より更に好ましくは5g/L以上であって、好ましくは50g/L以下、より好ましくは30g/L以下である。
本発明では、pHを所定範囲に制御するため、pH調整剤を添加することができる。pH調整剤としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、りん酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリが挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用できる。
安定化剤は、めっき安定性、めっき後の外観向上、めっき皮膜形成速度調整などの目的で必要に応じて添加される。上記安定剤の種類は特に限定されず、公知の安定化剤が用いられる。
界面活性剤は、安定性向上、ピット防止、めっき外観向上などの目的で、必要に応じて添加される。本発明に用いられる界面活性剤の種類は特に限定されず、非イオン性、カチオン性、アニオン性、及び両性の各種界面活性剤が用いられる。
2.Pdめっき皮膜について
本発明のPdめっき皮膜は、上記無電解Pdめっき液を用いて得られる。ここでPdめっき皮膜には、純Pd皮膜および合金成分を含むPd合金めっき皮膜の両方が含まれる。使用する還元剤の種類によってPdめっき皮膜中にPd以外の元素が含まれることがあり得るからである。更に上記各種添加剤に由来する成分が含まれる場合もある。残部はPd、及び不可避的不純物である。
例えば還元剤としてヒドラジンまたはその塩、ギ酸またはその塩を用いる場合は、純Pd皮膜が得られる。これに対し、ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤として次亜リン酸塩や亜リン酸塩などのリン酸化合物を用いる場合、Pを含有するPdめっき皮膜が得られる。或は、ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤としてアミンボラン化合物、ヒドロホウ素化合物などのホウ素化合物を用いる場合、Bを含有するPdめっき皮膜が得られる。或は、ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤として上記リン酸化合物およびホウ素化合物の両方を用いる場合、PおよびBを両方含有するPdめっき皮膜が得られる。
本発明では、上記Pdめっき皮膜と、Auめっき皮膜とを有する積層めっき皮膜とすることも好ましい実施態様である。Pdめっき皮膜を形成する下地は特に限定されず、AlやAl基合金、CuやCu基合金など各種公知の基材;Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Au、Ptなど、及びこれらの合金といったPdめっき皮膜の還元析出に触媒性のある金属で基材を被覆しためっき皮膜が挙げられる。また触媒性のない金属であっても、種々の方法により被めっき物として用いることができる。
また本発明では、例えば電極を構成するAlやAl基合金、CuやCu基合金の上に、Niめっき皮膜、次いで、上記Pdめっき皮膜、次いでその上にAuめっき皮膜を有する積層めっき皮膜(無電解Ni/Pd/Auめっき皮膜)とすることも好ましい態様である。各めっき皮膜の形成は、通常行われている方法を採用すればよい。以下、ENEPIGプロセスに基づいて本発明のPdめっき皮膜を有する上記積層皮膜の製造方法について説明するが、上記Pdめっき皮膜の形成条件はこれに限定されず、公知技術に基づいて適宜変更可能である。
無電解Niめっき液を用いて無電解Niめっきを行うときのめっき条件及びめっき装置は特に限定されず、各種公知の方法を適宜選択できる。例えば温度50〜95℃の無電解Niめっき液に被めっき物を15〜60分程度接触させればよい。Niめっき皮膜の膜厚は要求特性に応じて適宜設定すればよく、通常は3〜7μm程度である。また無電解Niめっき液にはNi−P合金、Ni−B合金など各種公知の組成を使用できる。
本発明の無電解Pdめっき液を用いて無電解Pdめっきを行うときのめっき条件及びめっき装置は特に限定されず、各種公知の方法を適宜選択できる。例えば温度50〜95℃の無電解Pdめっき液にNiめっき皮膜が形成された被めっき物を15〜60分程度接触させればよい。Pdめっき皮膜の膜厚は要求特性に応じて適宜設定すればよく、通常は0.001〜0.5μm程度である。
無電解金めっき液を用いて無電解金めっきを行うときのめっき条件及びめっき装置は特に限定されず、各種公知の方法を適宜選択できる。例えば温度40〜90℃の無電解金めっき液にPdめっき皮膜が形成された被めっき物を3〜20分程接触させればよい。金めっき皮膜の膜厚は要求特性に応じて適宜設定すればよく、通常は0.01〜2μm程度である。
3.電子機器構成部品
本発明には上記めっき皮膜を有する電子機器構成部品も包含される。電子機器構成部品として、例えばチップ部品、水晶発振子、バンプ、コネクタ、リードフレーム、フープ材、半導体パッケージ、プリント基板等の電子機器を構成する部品が挙げられる。
本願は、2018年2月20日に出願された日本国出願第2018−027631号に基づく優先権の利益を主張するものである。日本国出願第2018−027631号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。以下の記載において、特に断りのない限り、%は質量%を意味する。
表1、表3(本発明例)および表2(比較例)の各種めっき液を含むめっき浴を用いて、以下の特性を評価した。
(1)浴安定性の評価
表1、表3(本発明例)および表2(比較例)の各種めっき浴をビーカーに入れて、表1〜表3に記載の温度(55〜65℃)にて1日8時間、週5日保持(注:この間めっきはしない)する処理を4週間繰返し、4週間後のめっき浴の状態を目視で観察した。詳細には、めっき浴の分解の有無、および分解の兆候となるPdの析出の有無を目視で観察し、下記基準で浴安定性を評価した。
安定:めっき浴は分解せず、Pdもビーカー内に析出しなかった
やや不安定:めっき浴は分解しなかったが、Pdがややビーカー内に析出した
不安定:めっき浴が分解し、且つ、Pdもビーカー内に析出した
更にエッチングレジストの溶出に伴う影響を調べるため、本実施例では下記(2)および(3)の評価を行った。
(2)エッチングレジストの影響その1(新浴での評価)
基板として、BGA基板(Ball Grid Array:上村工業製、5cm×5cm)、および上記BGA基板に市販のエッチングレジストを100μmの間隔で塗布したエッチングレジスト塗布基板Aをそれぞれ用意した。各基板について、表1、表3(本発明例)および表2(比較例)の各種めっき液を含むめっき浴を用いて、表4のめっき処理を順次行い、基板側から順にNiめっき皮膜、およびPdめっき皮膜が形成された積層皮膜を形成した後、めっき処理後のPd皮膜の析出速度(μm/5min、めっき速度とも言う。)を測定した。Pd皮膜の析出速度は、膜厚計[フィッシャー・インストルメンツ製の蛍光X線測定器XDV−μ]を使用して測定した。なお、エッチングレジスト塗布基板Aでは、エッチングレジスト溶出の影響を受けやすいと考えられるエッチングレジストの間でPd皮膜の析出速度を測定した。次に、両基板における析出速度を比較し、エッチングレジストの影響を下記基準で評価した。本実施例では下記評価AおよびBを新浴でのエッチングレジスト耐性に優れる(合格)と評価した。
評価A:BGA基板を用いたときの析出速度X1に対する、エッチングレジスト塗布基板Aを用いたときの析出速度X2の低下率が20%未満
評価B:上記析出速度X1に対する、上記析出速度X2の低下率が20%以上、40%未満
評価C:上記析出速度X1に対する、上記析出速度X2の析出速度の低下率が40%以上
(3)エッチングレジストの影響その2(エッチングレジスト連続使用時の評価)
ここでは、エッチングレジスト塗布基板を連続使用したときの影響を調べた。
具体的には、めっき皮膜形成用基板として上記(2)のBGA基板;およびエッチングレジスト塗布基板として、ガラスエポキシ(注:BGA基板と異なって、めっき面なし)の上にソルダーレジスト(SR)を全面塗布した基板を用意し、SR上に、SR全面積の50%分を、上記(2)で使用したのと同じ種類のエッチングレジストで塗布した基板(エッチングレジスト塗布基板B)を用意した。このエッチングレジスト塗布基板Bは、エッチングレジストを溶出させるためだけに用いた基板である。
まず、上記BGA基板に対し、上記(2)と同様にしてめっき処理を行い、Pd皮膜の析出速度Y1を測定した。
次に、上記エッチングレジスト塗布基板Bを、めっき浴1Lに対してエッチングレジストの表面積が5dm2/Lとなる条件(5dm2/L)で各めっき浴に5時間浸漬した。このめっき浴を用いて、上記BGA基板に対し、上記(2)と同様にしてめっき処理を行い、Pd皮膜の析出速度Y2を測定した。
次に、上記析出速度Y1およびY2を比較し、下記基準でエッチングレジストの影響を評価した。本実施例では下記評価Aを、連続使用時でのエッチングレジスト耐性に優れる(合格)と評価した。
評価A:BGA基板を用いたときの析出速度Y1に対する、エッチングレジスト連続使用後のBGA基板を用いたときの析出速度Y2の低下率が20%未満
評価B:上記析出速度Y1に対する、上記析出速度Y2の低下率が20%以上、40%未満
評価C:上記析出速度Y1に対する、上記析出速度Y2の低下率が40%以上
(4)長期安定性の評価
ここでは上記(2)、(3)に用いたBGA基板を使用した。具体的には、表1〜表3に記載の温度(55〜65℃)にて、1日8時間、週5日、当該温度を保持する処理を4週間繰返し、4週間後のPd皮膜の析出速度を測定した。4週間後の析出速度Z2を建浴時のめっき初期速度Z1と比較し、長期安定性を下記基準で評価した。本実施例では下記評価AおよびBを長期安定性に優れる(合格)と評価した。
評価A:建浴時のめっき初期速度Z1に対する、4週間後の析出速度Z2の低下率が20%未満
評価B:上記めっき初期速度Z1に対する、上記析出速度Z2の低下率が20%以上40%未満
評価C:上記めっき初期速度Z1に対する、上記析出速度Z2の低下率が40%以上
これらの結果を表1、表2、および表3に併記する。
Figure 0006569026
Figure 0006569026
Figure 0006569026
Figure 0006569026
表1〜3より以下のように考察することができる。
表1のNo.1〜14は、本発明の要件を満足するめっき液を用いた本発明例である。詳細にはNo.1、6、11、12は塩酸セミカルバジド、No.2はカルバジン酸エチル、No.3はアセトヒドラジド、No.4はマロン酸ヒドラジド、No.5はホルモヒドラジド、No.7はフェニル酢酸ヒドラジド、No.8はカルボヒドラジド、No.9はオキサリルヒドラジド、No.10はアジピン酸ヒドラジド、No.13はイソフタル酸ジヒドラジド、No.14は4−アミノベンゾヒドラジドを用いた例である。これらのうちNo.4、9、10、13は上記(2)の化合物であり、それ以外は上記(1)の化合物である。
表3のNo.23〜30は、本発明の要件を満足するめっき液を用いた本発明例である。No.23〜30は還元剤としてのヒドラジン塩と、上記(1)の化合物および/または上記(2)の化合物を組み合わせた例である。
これらの本発明例は、ヒドラジンまたはその塩と、所定の化合物とを組み合わせて用いているため、pHが酸性から中性近傍の領域に亘って、浴安定性および長期安定性に優れると共に、エッチングレジストの溶出による悪影響はいずれも見られなかった。
これに対し、表2のNo.15〜22は、本発明のいずれかの要件を満足しないめっき液を用いた比較例であり、以下の不具合を有している。
No.15は、還元剤としてヒドラジンを用いず、ギ酸塩を用いた例である。このような場合、たとえ本発明で規定する所定の化合物を用いたとしても、エッチングレジストの溶出による悪影響が生じた。これは、ヒドラジンに比べてギ酸の還元力が弱いためと推察される。更にNo.15では、長期安定性も低下した。
No.16〜19は、還元剤としてヒドラジンを用いたが、所定の化合物でなく他の化合物を添加した例であり、長期安定性が低下し、且つ、連続使用時でのエッチングレジスト耐性(エッチングレジストの影響その2)が低下した。詳細にはNo.16は尿素、No.17はカルバミン酸エチル、No.18はこはく酸2,2−ジメチルヒドラジド、No.19はマレイン酸ヒドラジドを用いた例であり、いずれも化合物中にNH2NHCOを有していない。そのため、ヒドラジン単独添加による悪影響を完全に払拭できず、上記結果を招いたと考えられる。
No.20、21は、還元剤としてヒドラジンを用い、更なる化合物を添加しなかった例である。その結果、上記No.16〜19と同様、長期安定性が低下し、且つ、連続使用時でのエッチングレジスト耐性も著しく低下した。
なおNo.20と21とは、めっき液のpHのみ相違するが、pH=7のNo.21では浴安定性も低下した。ここでpHが同じであるNo.21と、表1のNo.6とを比較すると、所定の化合物は浴安定性の向上にも寄与していることが分る。
No.22は、上記No.1においてpH調整剤を用いてめっき液のpHを9に高めた例であり、連続使用時でのエッチングレジスト耐性(エッチングレジストの影響その2)が著しく低下した。これは、エッチングレジストがアルカリで溶出しやすいためである。更にNo.22では、浴安定性が低下し、長期安定性は評価できなかった(表中、「−」と記載)。
これらの結果より、本発明の無電解Pdめっき液を用いれば、浴安定性、エッチングレジスト溶出による悪影響、長期安定性のいずれにも優れたPd皮膜が得られることが分った。本発明の無電解Pdめっき液は、例えばエッチングレジスト塗布基板の連続使用が必要な電子部品などの用途に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. パラジウム化合物と;
    ヒドラジンまたはその塩と;
    NH2NHCOR1式で表される式(1)の化合物またはその塩、および
    (NH2NHCO)2(R2)nで表される式(2)の化合物またはその塩よりなる群から選択される少なくとも一種と
    (式中、R1は、H、NH2、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、NHNH2、または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、
    2は、(CH2)または芳香族基であり、これらは置換基を有していても良く、nは0〜10の整数である)
    を含有すると共に、
    pH8以下を満足することを特徴とする無電解パラジウムめっき液。
  2. 更に、ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤を含む請求項1に記載の無電解パラジウムめっき液。
  3. 前記ヒドラジンまたはその塩以外の還元剤は、ギ酸またはその塩、次亜リン酸またはその塩、および亜リン酸またはその塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の無電解パラジウムめっき液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の無電解パラジウムめっき液を用いパラジウム皮膜の製造方法
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