JP2009176376A - メディア搬送機構及びそれを備えたメディア処理装置 - Google Patents

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秀樹 川上
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Abstract

【課題】高精度にメディアを搬送することが可能なメディア搬送機構及びそれを備えたメディア処理装置を提供する。
【解決手段】メディアを保持する搬送アームと、この搬送アームに設けられた従動側歯車である扇状歯車112と、この扇状歯車112に噛み合わされた伝達歯車111と、この伝達歯車111を回転させて扇状歯車112を所定の回動範囲内にて回動させる駆動モータとを備え、扇状歯車112とともに搬送アームを回動させてメディアを搬送するメディア搬送機構であって、扇状歯車112の回動範囲Cの両側の回動停止位置A,Bにて、扇状歯車に負荷を付与するねじりコイルバネ100からなる負荷付与手段を設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、CDあるいはDVDなどの板状のメディアを搬送するメディア搬送機構及びそれを備えたメディア処理装置に関する。
近年、多数枚のブランクCDやDVDなどのメディアにデータの書き込みを行うディスクダビング装置、データの書き込みとレーベル印刷を行ってメディアを制作して発行可能なCD/DVDパブリッシャなどのメディア処理装置が用いられつつある。
この種のメディア処理装置としては、メディアへデータを書き込んだり印刷を施す処理部に対してメディアを保持して搬送する搬送アームを有するメディア搬送機構を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第5,734,629号明細書
ところで、メディア搬送機構は、搬送アームを駆動させる駆動機構部分に駆動モータの駆動力を伝達する歯車が用いられているが、歯車の微細な遊びから生じるバックラッシュにより、搬送アームの位置決めにわずかなばらつきが生じてしまう。
そして、搬送アームにて位置決めにばらつきが生じると、処理部に対するメディアの受け渡し及び受け取りに支障を来し、処理部によるメディアへの処理が円滑に行われなくなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高精度にメディアを搬送することが可能なメディア搬送機構及びそれを備えたメディア処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のメディア搬送機構は、メディアを保持する搬送アームと、この搬送アームに設けられた従動側歯車と、この従動側歯車に噛み合わされた駆動側歯車と、この駆動側歯車を回転させて前記従動側歯車を所定の回動範囲内にて回動させる駆動源とを備え、前記従動側歯車とともに前記搬送アームを回動させて前記メディアを搬送するメディア搬送機構であって、前記従動側歯車の回動範囲の両側の回動停止位置にて、前記従動側歯車に負荷を付与する負荷付与手段を設けたことを特徴とする。
この構成のメディア搬送機構によれば、従動側歯車の回動範囲の両側の回動停止位置にて、従動側歯車に負荷を付与する負荷付与手段を設けたので、従動側歯車の回動停止位置にて、この従動側歯車と駆動側歯車との間の微細な遊びから生じるバックラッシュによる従動側歯車の回動停止位置でのばらつきを抑制することができる。これにより、従動側歯車とともに回動する搬送アームを正確に回動させることができ、搬送アームによって高精度にメディアを搬送することができる。
また、前記負荷付与手段は、前記従動側歯車の回動停止位置にて前記従動側歯車を回動方向と逆方向に付勢する弾性部材からなることが好ましい。
この構成によれば、従動側歯車の回動停止位置にて従動側歯車を回動方向と逆方向に付勢する弾性部材からなる負荷付与手段によって従動側歯車と駆動側歯車との間の微細な遊びから生じるバックラッシュによる従動側歯車の回動停止位置でのばらつきを良好に抑制することができる。
また、弾性部材は、巻回部から一対の腕部が延出したねじりコイルバネからなり、前記腕部が前記従動側歯車の回動停止位置近傍にて前記従動側歯車に接触し、前記従動側歯車に対して回動停止位置近傍から回動停止位置にわたって付勢することが好ましい。
この構成によれば、巻回部から一対の腕部が延出したねじりコイルバネの腕部が従動側歯車に対して回動停止位置近傍から回動停止位置にわたって付勢するので、従動側歯車と駆動側歯車との間の微細な遊びから生じるバックラッシュによる従動側歯車の回動停止位置でのばらつきを良好に抑制することができる。また、従動側歯車に負荷を付与する付与手段の簡略化を図ることができる。
また、本発明のメディア処理装置は、上記のいずれかのメディア搬送機構を備えたことを特徴とする。
この構成のメディア処理装置によれば、従動側歯車とともに回動する搬送アームを正確に回動させることができ、搬送アームによって高精度にメディアを搬送することができるメディア搬送機構を備えているので、処理の信頼性の高い処理装置とすることができる。
以下、本発明に係るメディア搬送機構及びそれを備えたメディア処理装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は各部を閉状態としたパブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図、図2は各部を開状態としたパブリッシャの外観斜視図、図3はパブリッシャのケースを外した状態の前方上側から見た斜視図、図4はパブリッシャに設置されたレーベルプリンタ部分の斜視図、図5はメディア搬送機構を説明する斜視図、図6は搬送アームを説明する平面図、図7は搬送アームを説明する斜視図、図8はメディア搬送機構の駆動機構部分を説明する斜視図、図9及び図10はメディア搬送機構の動作を説明するそれぞれ平面図である。
図1に示すように、パブリッシャ1は、例えばCDあるいはDVD等の円板状のメディアへのデータの書き込みやメディアのレーベル面への印刷を行うメディア処理装置であり、ほぼ直方体形状のケース2を備えている。このケース2の前面には、左右に開閉可能な開閉扉3,4が取り付けられている。ケース2の上側左端部には、表示ランプ、操作ボタン等が配列された操作面5が設けられており、また、ケース2の下端には、下方に突出するように載置用の脚部6が左右両側に設けられている。左右の脚部6の間位置には引出機構7が設けられている。
正面視右側の開閉扉3は、図2に示すように、パブリッシャ1の前面側の開口部8を開閉するもので、例えば未使用(ブランク)のメディアMを開口部8を介してセットする時、あるいは作成済みのメディアMを、開口部8を介して取り出すときに、開閉する扉である。
また、正面視左側の開閉扉4は、図3に示すレーベルプリンタ11のインクカートリッジ12の入れ換え時に開閉するためのものであり、この開閉扉4を開けると、鉛直方向に配列された複数のカートリッジホルダ13を有するカートリッジ装着部14が露出するようになっている。
パブリッシャ1のケース2の内部には、データ書き込み処理が行われていない複数枚(例えば50枚)の未使用のメディアMをスタック可能なメディア保管部としてのメディアスタッカ21と、複数枚(例えば50枚)の未使用のメディアMあるいは作成済みメディアMが保管されるメディア保管部としてのメディアスタッカ22とが、保管されるメディアMの中心軸線が同一となるように上下に配置されている。メディアスタッカ21およびメディアスタッカ22は、それぞれ所定位置に対して着脱自在である。
上側のメディアスタッカ21は、左右一対の円弧状の枠板24,25を備えており、これにより、メディアMを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収容可能な構成をなしている。メディアスタッカ21にメディアMを収容あるいは補充する作業は、開閉扉3を開けてメディアスタッカ21を取り出すことにより、簡単に行うことが可能となっている。
下側のメディアスタッカ22も同一構造となっており、左右一対の円弧状の枠板27,28を備え、これによって、メディアMを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収容可能な構成をなしている。
これらのメディアスタッカ21,22の後側には、メディア搬送機構31が配置されている。メディア搬送機構31は、本体フレーム30とシャーシ32の天板33との間に垂直に架け渡されている垂直ガイド軸35を有している。この垂直ガイド軸35に搬送アーム36が昇降および旋回可能な状態で支持されている。搬送アーム36は、駆動モータ37によって垂直ガイド軸35に沿って昇降可能であるとともに、垂直ガイド軸35を中心に左右に旋回可能である。
上下のメディアスタッカ21,22およびメディア搬送機構31の側方の後方には、上下に積層された2つのメディアドライブ41が配置され、これらメディアドライブ41の下側にレーベルプリンタ11の後述するキャリッジ62が移動可能に配置されている。
メディアドライブ41は、メディアMへのデータ書き込み位置とメディアMの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動するメディアトレイ41aが進退可能にそれぞれ設けられている。
また、レーベルプリンタ11は、メディアMのレーベル面へのレーベル印刷可能な印刷位置とメディアMの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ45を有している。
図3では、上下のメディアドライブ41のメディアトレイ41aが手前に引き出されてメディア受け渡し位置にある状態および下側のレーベルプリンタ11のメディアトレイ45が手前側のメディア受け渡し位置にある状態が示されている。また、レーベルプリンタ11はインクジェットプリンタであり、インク供給機構60として各色(本実施形態ではブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの6色)のインクカートリッジ12が用いられ、これらのインクカートリッジ12がカートリッジ装着部14の各カートリッジホルダ13に前方から装着されている。
ここで、メディアスタッカ21の左右一対の枠板24,25の間およびメディアスタッカ22の左右一対の枠板27,28の間には、メディア搬送機構31の搬送アーム36が昇降可能な隙間が形成されている。また、これら上下のメディアスタッカ21とメディアスタッカ22との間には、メディア搬送機構31の搬送アーム36が水平に旋回して、メディアスタッカ22の真上に位置できるように隙間があいている。さらに、両メディアトレイ41aがメディアドライブ41に引き込まれると、メディア搬送機構31の搬送アーム36を下降させてメディア受け渡し位置にあるメディアトレイ45にアクセス可能となっている。
メディア搬送機構31の搬送アーム36は、両メディアトレイ41aをデータ書き込み位置に配置させ、メディアトレイ45を奥側の印刷位置に位置させた状態で、メディアトレイ45の高さ位置よりもさらに下側まで下降可能となっている。そして、メディアトレイ45のメディア受け渡し位置の下方には、搬送アーム36が、この位置まで下降してリリースしたメディアMが通過するガイド穴65であって、後述するメディアスタッカ(別体スタッカ)が装着されるガイド孔65が形成されている。
引出機構7は、本体フレーム30の下側に、本体フレーム30から引き出して開いたり、収納して閉じたりすることが可能な引出トレイ70を有している。引出トレイ70には、スタッカ部71が下方に凹んで設けられている。引出トレイ70が収納位置(閉位置)にあるとき、スタッカ部71は、ガイド穴65の下方に位置し、スタッカ部71の中心部は、受け渡し位置にある両メディアトレイ41aとメディアトレイ45の中心軸線が同一となるように位置されている。このスタッカ部71は、ガイド穴65を介して投入されるメディアMを受け入れ、このメディアMを比較的少量(例えば5枚〜10枚程度)だけ収容する。スタッカ部71は、メディアMを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収容可能となっている。
なお、スタッカ部71に収容されたメディアMを取り出す場合、オペレータは引出トレイ70の前面部に設けた掛止部200(図2参照)に指を掛けて引出トレイ70を本体フレーム30から引き出す。
収納状態にある引出トレイ70のスタッカ部71およびガイド穴65には、スタッカ部71よりもメディアMの収容量が多いメディアスタッカ(別体スタッカ)72が着脱可能となっている(図3参照)。このメディアスタッカ72も、一対の円弧状の枠板73,74を備えており、これによって、メディアMを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で複数枚(例えば50枚)収容可能となっている。一対の円弧状の枠板73,74の間には、メディア搬送機構31の搬送アーム36が昇降可能な隙間が形成されている。また、一方の枠板74の上部には着脱時にユーザによって把持される取っ手75が設けられている。
そして、メディアスタッカ72を取り付けた状態とすれば、上側のメディアスタッカ21から未使用のメディアMを取り出し、メディアドライブ41およびレーベルプリンタ11でデータ記録および印刷を行った後に、メディアスタッカ72に収容することができる。
また、例えば、上側のメディアスタッカ21および下側のメディアスタッカ22にそれぞれの最大収容枚数(50枚+50枚)の未使用のメディアMを装填し、下側のメディアスタッカ22の全枚数(50枚)のメディアMを順次処理してメディアスタッカ72に収容し、次に、上側のメディアスタッカ21の全枚数(50枚)のメディアMを順次処理して、空となった下側のメディアスタッカ22に収容する。このようにして、上側のメディアスタッカ21および下側のメディアスタッカ22の最大収容枚数(50枚+50枚)のメディアMを一度に処理する(バッチ処理モード)。
また、メディアスタッカ72を取り外した状態とすれば、上側のメディアスタッカ21あるいは下側のメディアスタッカ22から未使用のメディアMを取り出し、メディアドライブ41およびレーベルプリンタ11でデータ記録および印刷を行った後に、収納状態にある引出トレイ70のスタッカ部71に収容することができる。
これにより、その後、引出トレイ70を引き出すことでスタッカ部71から処理が完了したメディアMを取り出すことができる。つまり、メディアMへの処理中であっても、開閉扉3を閉じたまま、処理が完了したメディアMから順に一枚ずつあるいは複数枚ずつ取り出すことができる(外部排出モード)。
ここで、メディア搬送機構31の搬送アーム36の昇降および左右への旋回の組み合わせ動作によって、メディアMは、メディアスタッカ21、メディアスタッカ22、引出トレイ70のスタッカ部71(またはメディアスタッカ72)、各メディアドライブ41のメディアトレイ41aおよびレーベルプリンタ11のメディアトレイ45間で適宜搬送される。
図4に示すように、レーベルプリンタ11はインク吐出用のノズル(図示省略)を備えたインクジェットヘッド61を有するキャリッジ62を備えており、このキャリッジ62は、キャリッジモータの駆動力でキャリッジガイド軸(図示略)に沿って水平方向に往復移動する。
レーベルプリンタ11は、インクカートリッジ12が装着されるカートリッジ装着部14を有するインク供給機構60を備えている。このインク供給機構60は、縦型構造を有しており、パブリッシャ1の本体フレーム30上に立設されて鉛直方向に配設されている。このインク供給機構60には、可撓性を有するインク供給チューブ63の一端が接続されており、このインク供給チューブ63の他端は、キャリッジ62に接続されている。
そして、インク供給機構60に装着されるインクカートリッジ12のインクは、インク供給チューブ63を介してキャリッジ62に供給され、このキャリッジ62に設けられたダンパユニットおよび背圧調整ユニット(図示省略)を経てインクジェットヘッド61に供給されインクノズル(図示省略)から吐出される。
なお、インク供給機構60には、その上部に加圧機構64が設けられており、この加圧機構64は、圧縮空気を送り出してインクカートリッジ12内を加圧し、インクカートリッジ12内のインクパックに貯留しているインクを送り出す。
また、キャリッジ62のホームポジション(図4に示す位置)における下方側には、ヘッドメンテナンス機構81が設けられている。
このヘッドメンテナンス機構81は、ホームポジションに配置されたキャリッジ62の下面に露出するインクジェットヘッド61のインクノズルを覆うヘッドキャップ82と、インクジェットヘッド61のヘッドクリーニング動作やインク充填動作によってヘッドキャップ82に排出されたインクを吸引する廃インク吸引ポンプ83とを備えている。
そして、このヘッドメンテナンス機構81の廃インク吸引ポンプ83によって吸引されたインクは、チューブ84を介して、廃インク吸収タンク85へ送り込まれる。
この廃インク吸収タンク85は、ケース86内に図示しない吸収材を配設したもので、その上面は、複数の通気孔87を有するカバー88によって覆われている。
なお、ヘッドメンテナンス機構81の下方には、廃インク吸収タンク85の一部である廃インク受け部89が設けられ、ヘッドメンテナンス機構81から滴下したインクを受け止め、吸収材によって吸収するようになっている。
図5及び図6に示すように、メディア搬送機構31を構成するシャーシ32の下端には、駆動モータ(駆動源)110の駆動力が伝達歯車(駆動側歯車)111を介して伝達される扇状歯車(従動側歯車)112が、垂直ガイド軸35を中心として回動可能に設けられている。これにより、搬送アーム36は、駆動モータ110によって扇状歯車112が回動されることにより、垂直ガイド軸35を中心に扇状歯車112とともに回動される。
また、下方側の水平支持板部34には、扇状歯車112の外縁における端部をそれぞれ検出する光学式の回転HP検出器113及びスタッカ位置検出器114が設けられており、これら回転HP検出器113及びスタッカ位置検出器114は、搬送アーム36の水平面内における位置を検出する。
ここで、回転HP検出器113は、搬送アーム36の水平面内における位置が、ドライブ41のメディアトレイ41aとのメディアMの受け渡し位置、レーベルプリンタ11のメディアトレイ45とのメディア受け渡し位置及び引出トレイ70のスタッカ部71(またはメディアスタッカ72)へのメディアMのリリース位置に配置されていることを検出する。
また、他方のスタッカ位置検出器114は、搬送アーム36の水平面内における位置が、メディアスタッカ21,22とのメディアMの受け渡し位置に配置されていることを検出する。
図7に示すように、メディア搬送機構31を構成するシャーシ32の上端近傍及び中間部には、光学式の上下HP検出器121及び中間位置検出器122が設けられており、これら上下HP検出器121及び中間位置検出器122は、搬送アーム36の上下方向における位置を検出する。
上端近傍の上下HP検出器121は、搬送アーム36が、メディアスタッカ21の上方位置に配置されていることを検出する。また、中間位置検出器122は、搬送アーム36が、メディアスタッカ21とメディアスタッカ22との間の中間位置に配置されていることを検出する。
図8に示すように、下方側の水平支持板部34には、負荷付与手段としてねじりコイルバネ100が設けられている。このねじりコイルバネ100は、巻回部101から径方向外方へ延出する腕部102a,102bを備えている。
このねじりコイルバネ100は、その巻回部101が、水平支持板部34に立設された支持片103に挿通された状態に支持されている。また、水平支持板部34には、扇状歯車112のそれぞれの回動停止位置A,B近傍に、係止片104a,104bが形成されており、これら係止片104a,104bには、ねじりコイルばね100のそれぞれの腕部102a,102bが、扇状歯車112と反対側にて係止されている。なお、ねじりコイルバネ100のそれぞれの腕部102a,102bは、扇状歯車112側へ向かって付勢されており、それぞれの係止片104a,104bに係止されて扇状歯車112側への移動が規制されている。そして、これらねじりコイルばね100の腕部102a,102bの先端は、係止片104a,104bに係止された状態にて、扇状歯車112の回動停止位置A,Bよりも扇状歯車112の回動範囲C内に配置されている。
次に、駆動機構部分に、上記ねじりコイルバネ100を備えたメディア搬送機構31における動作を説明する。
駆動モータ110が駆動すると、その駆動力が伝達歯車111を介して扇状歯車112に伝達され、扇状歯車112が垂直ガイド軸35を中心として回動する。これにより、搬送アーム36も垂直ガイド軸35を中心に回動し、ドライブ41のメディアトレイ41aとのメディアMの受け渡し位置、レーベルプリンタ11のメディアトレイ45とのメディア受け渡し位置及び引出トレイ70のスタッカ部71(またはメディアスタッカ72)へのメディアMのリリース位置であるHP水平位置と、メディアスタッカ21,22とのメディアMの受け渡し位置であるスタッカ水平位置との間を移動する。
このとき、回動停止位置Aへ向かって回動する扇状歯車112は、図9に示すように、その回動停止位置Aの近傍にて、ねじりコイルバネ100の腕部102aに当接し、その後、回動停止位置Aにて停止される。これにより、この扇状歯車112は、ねじりコイルバネ100の腕部102aに当接する回動停止位置Aの近傍位置から回動停止位置Aまで、回動方向に反する方向に負荷が付与される。
また、回動停止位置Bへ向かって回動する扇状歯車112は、図10に示すように、その回動停止位置Bの近傍にて、ねじりコイルバネ100の腕部102bに当接し、その後、回動停止位置Bにて停止される。これにより、この扇状歯車112は、ねじりコイルバネ100の腕部102bに当接する回動停止位置Bの近傍位置から回動停止位置Bまで、回動方向に反する方向に負荷が付与される。
ここで、従動側歯車である扇状歯車112と駆動側歯車である伝達歯車111との間には、バックラッシュの原因となる微細な遊びが存在する。
しかし、上記実施形態に係るメディア搬送機構によれば、前述のように、扇状歯車112の回動範囲Cの両側の回動停止位置A,Bにて、付勢力によって扇状歯車112に負荷を付与するねじりコイルバネ100からなる負荷付与手段を設けたので、扇状歯車112の回動停止位置A,Bにて、この扇状歯車112と伝達歯車111との間の微細な遊びから生じるバックラッシュによる扇状歯車112の回動停止位置A,Bでのばらつきを抑制することができる。これにより、扇状歯車112とともに回動する搬送アーム36を正確に回動させることができ、搬送アーム36によって高精度にメディアMを搬送することができる。
また、負荷付与手段として巻回部101から一対の腕部102a,102bが延出したねじりコイルバネ100を用い、その腕部102a,102bが扇状歯車112に対して回動停止位置A,B近傍から回動停止位置A,Bにわたって付勢するので、バックラッシュによる扇状歯車112の回動停止位置でのばらつきを良好に抑制することができ、また、扇状歯車112に負荷を付与する付与手段の簡略化を図ることができる。
そして、上記のメディア搬送機構を備えたパブリッシャによれば、扇状歯車112とともに回動する搬送アーム36を正確に回動させて、搬送アーム36によって高精度にメディアMを搬送することができるメディア搬送機構31を備えているので、処理の信頼性の高い処理装置とすることができる。
なお、上記実施形態では、負荷付与手段として、ねじりコイルバネ100からなる弾性部材を用いた場合を例にとって説明したが、負荷付与手段としては、例えば、回動停止位置A,Bにて扇状歯車112に摩擦力からなる負荷を付与しても良い。
なお、用いられるメディアは、上記実施形態のメディアMのような円板状のメディアに限定されるものではなく、矩形状等の多角形状や楕円状のメディアにも適用可能であり、また、その記録方式も、光記録方式、光磁気記録方式等、何ら限定されるものではない。
パブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図である。 パブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図である。 パブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図である。 パブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図である。 メディア搬送機構を説明する斜視図である。 搬送アームを説明する平面図である。 搬送アームを説明する斜視図である。 メディア搬送機構の駆動機構部分を説明する斜視図である。 メディア搬送機構の動作を説明する平面図である。 メディア搬送機構の動作を説明する平面図である。
符号の説明
1…パブリッシャ(メディア処理装置)、31…メディア搬送機構、36…搬送アーム、100…ねじりコイルバネ(負荷付与手段,弾性部材)、101…巻回部、102a,102b…腕部、110…駆動モータ(駆動源)、111…伝達歯車(駆動側歯車)、112…扇状歯車(従動側歯車)、A,B…回動停止位置、C…回動範囲、M…メディア。

Claims (4)

  1. メディアを保持する搬送アームと、この搬送アームに設けられた従動側歯車と、この従動側歯車に噛み合わされた駆動側歯車と、この駆動側歯車を回転させて前記従動側歯車を所定の回動範囲内にて回動させる駆動源とを備え、前記従動側歯車とともに前記搬送アームを回動させて前記メディアを搬送するメディア搬送機構であって、
    前記従動側歯車の回動範囲の両側の回動停止位置にて、前記従動側歯車に負荷を付与する負荷付与手段を設けたことを特徴とするメディア搬送機構。
  2. 前記負荷付与手段は、前記従動側歯車の回動停止位置にて前記従動側歯車を回動方向と逆方向に付勢する弾性部材からなることを特徴とする請求項1に記載のメディア搬送機構。
  3. 前記弾性部材は、巻回部から一対の腕部が延出したねじりコイルバネからなり、前記腕部が前記従動側歯車の回動停止位置近傍にて前記従動側歯車に接触し、前記従動側歯車に対して回動停止位置近傍から回動停止位置にわたって付勢することを特徴とする請求項2に記載のメディア搬送機構。
  4. 請求項1〜3のいずれかのメディア搬送機構を備えたことを特徴とするメディア処理装置。
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