JP2009154320A - 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤ内表面に面ファスナーを有する空気入りタイヤの生産性を向上すると共にユニフォミティの低下を回避し、かつ面ファスナーの係合素子の潰れを防止することが可能な空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】両面ファスナー12の一方の面12aの係合素子群12xを未加硫ゴムからなる保護ゴム層13’で被覆し、次いで両面ファスナー12を他方の面12bの係合素子群12yを介して内周面に周方向に沿って断続的に取り付けた筒状の第1成形体22を成形ドラム21上に成形する。第1成形体22をトロイダル状に膨張させて環状の第2成形体24の内周側に圧着し、グリーンタイヤを成形する。このグリーンタイヤを加硫機の金型内でブラダーBにより内側から押圧しながら加硫する。
【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤ内表面に面ファスナーを設けた空気入りタイヤの製造方法及びその方法により製造された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、タイヤ内表面に面ファスナーを有する空気入りタイヤの生産性を向上すると共にユニフォミティの低下を回避し、かつ面ファスナーの係合素子の潰れを防止するようにした空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、空洞共鳴音を低減するために、タイヤ空洞部内の内表面に吸音材を設置することが行われている。このような吸音材のタイヤに対する取り付けを容易にするため、本出願人はタイヤ内表面にナイロンやポリエステルなどの樹脂からなる面ファスナーを設けた空気入りタイヤを提案している(例えば、特許文献1参照)。
吸音材にもタイヤ内表面の面ファスナーと係合可能な面ファスナーを取り付けておき、面ファスナー同士を係合させることにより、吸音材をタイヤ内表面に容易に取り付けることができ、かつ必要に応じて簡単に取り外すことができるようにしている。
上述したタイヤ内表面に面ファスナーを有する空気入りタイヤは、通常、成形したグリーンタイヤの内表面に面ファスナーを貼り付けた後、加硫成型して製造する。空気入りタイヤの製造では、成形ドラム上でインナーライナー層、カーカス層等を貼り合わせて成形した第1成形体をトロイダル状に膨張変形させる工程があるが、この工程において、第1成形体の内周長が大きく伸ばされるので、膨張変形前の第1成形体にナイロンやポリエステルなどの樹脂からなる面ファスナーを環状に取り付けると、面ファスナーが膨張変形に追従できずに脱落するため、第1成形体を膨張変形させた後のグリーンタイヤに取り付けるのである。
しかしながら、グリーンタイヤの空洞部内の内表面に取り付けるため、取り付け作業が煩雑で作業性が悪く、それが生産性を低下させる一因になる。更に、人手により曲面状の内表面に取り付けるため、タイヤ1周にわたってバランスさせて取り付けることが難しく、ユニフォミティの低下が避けられない。
また、グリーンタイヤの加硫は、通常、グリーンタイヤを金型内でブラダーにより内側から押圧しながら加硫する。そのため、タイヤ内表面に露出する面ファスナーの係合素子がブラダーの圧力で押し潰されることがあり、その対策も求められている。
特開2006−44503号公報
本発明の目的は、タイヤ内表面に面ファスナーを有する空気入りタイヤの生産性を向上すると共にユニフォミティの低下を回避し、かつ面ファスナーの係合素子の潰れを防止することが可能な空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤの製造方法は、両面に係合素子群を備えた両面ファスナーをタイヤ内表面にタイヤ周方向に沿って設けたグリーンタイヤを成形する際に、前記両面ファスナーの一方の面の係合素子群を未加硫ゴムからなる保護ゴム層で被覆し、該被覆した両面ファスナーを他方の面の係合素子群を介して内周面に周方向に沿って断続的に取り付けた筒状の第1成形体を成形ドラム上に成形し、該第1成形体をトロイダル状に膨張させて環状の第2成形体の内周側に圧着することにより前記グリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫機の金型内でブラダーにより内側から押圧しながら加硫することを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、上記空気入りタイヤの製造方法により製造されたことを特徴とする。
上述した本発明によれば、両面ファスナーを断続的に第1成形体の内周面に取り付けて第1成形体を成形するようにしたので、第1成形体をトロイダル状に膨張変形させた際に、両面ファスナー間の断続部分が両面ファスナーにより阻害されずにその膨張変形に追従して伸びることができるため、膨張変形時に両面ファスナーが脱落するのを回避することができる。
そのため、両面ファスナーを成形ドラム上で取り付けることができるようになるので、両面ファスナーの取り付け作業が容易になり、生産性の向上が可能になると共に、成形ドラム上の予め決められた位置に両面ファスナーを容易に取り付けることができるので、両面ファスナーの取り付けによるアンバランスを防ぎ、ユニフォミティの低下を回避することができる。
また、加硫時には吸音材などの附属物を着脱自在に装着するための両面ファスナーの一方の面の係合素子群が保護ゴム層により保護されるので、ブラダーの圧力で押し潰されることがない。
更に、両面ファスナーを使用し、他方の面の係合素子群により第1成形体の内周面に取り付けるので、取り付けに際し接着剤などを塗布する作業が不要になるため、取り付け作業をより容易にし、生産性を一層向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤの一例を示し、Tは空気入りタイヤ、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。
タイヤ内部には、タイヤ径方向に延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列してゴム層に埋設したカーカス層4が左右のビード部3間に延設され、その両端部がビード部3に埋設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。
トレッド部1のカーカス層4の外周側には複数のベルト層7及びベルト補強層7aが設けられ、その外周側にトレッドゴム層8が配設されている。サイドウォール部2のカーカス層4の外側にはサイドゴム層9が配置され、ビード部3のカーカス層4の折り返し部外側にはクッションゴム層10が設けられている。
カーカス層4の内側には空気透過防止層として作用するインナーライナー層11が配置されている。トレッド部1のインナーライナー層11の内面11aには、図1,2に示すように、複数の両面ファスナー12がタイヤ周方向に沿って所定の間隔で断続的に取り付けられ、更に複数の両面ファスナー12全体を被覆するようにして、帯状の保護ゴム層13が環状に設けられている。
各両面ファスナー12は樹脂から構成され、図3に示すように、シート状の基材(基布)12Nの両面に係合素子群12x,12yを設けた構造になっている。両面ファスナー12の一方の面(基材12Nの一方の面)12aの係合素子群12xに吸音材などの附属物(不図示)を着脱自在に係合させ、両面ファスナー12の他方の面(基材12Nの他方の面)12bの係合素子群12yがインナーライナー層11に埋没し、アンカー素子として機能している。
以下、図4〜7を参照しながら、本発明の空気入りタイヤの製造方法の第1実施形態により図1に示す構成の空気入りタイヤTを製造する方法を説明する。
先ず、図4に示すように、未加硫ゴムからなる帯状の保護ゴム層13’の一方の面13’aに、複数の両面ファスナー12を一方の面12aの係合素子群12xが埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って所定の間隔で断続的に取り付けて、両面ファスナー付き保護ゴム層14を成形する。
各両面ファスナー12の保護ゴム層長手方向の長さは、附属物を取り付け可能であれば、極力短くするのがよい。両面ファスナー12を取り付けた部分は、両面ファスナー12に拘束されて伸びないため、後述する第1成形体22の膨張時に内部のカーカス層の伸びを拘束する。そこで、両面ファスナー12の長さを短くして多数の両面ファスナー12を断続的に配置することで、カーカス層の補強コードに配列乱れが発生するのを抑えることができる。
次いで、図5に示すように、両面ファスナー付き保護ゴム層14を、複数の両面ファスナー12を外側に、保護ゴム層13’を成形ドラム21側にして、成形ドラム21上に1周にわたり環状に貼り付ける(巻き付ける)。
両面ファスナー付き保護ゴム層14の貼り付け後、従来と同様にして、未加硫のインナーライナー層11’、未加硫のカーカス層4’、未加硫のビードフィラー6’を取り付けたビードコア5、未加硫のクッションゴム層10’、未加硫のサイドゴム層9’を順次貼り付けて、左右の両端部を内周側に折り曲げた状態の円筒状の第1成形体22を成形する(図6参照)。即ち、両面ファスナー付き保護ゴム層14上にインナーライナー層11’を、複数の両面ファスナー12の他方の面12bの係合素子群12yがインナーライナー層11’に埋没するようにして円筒状に巻き付け、該インナーライナー層11’上に第1成形体22を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体22を成形ドラム21上に成形する。
次いで、第1成形体22を成形ドラム21から外して、図7に示すようにシェーピングドラム23に取り付けて内圧を付与し、第1成形体22にリフトを加える。これにより第1成形体22がトロイダル状に膨張変形する。その際に第1成形体22の内周長が大きく伸ばされても、隣接する両面ファスナー12間に未加硫のインナーライナー層11’のゴム部分が存在するので、そのゴム部分が両面ファスナー12により阻害されずに変形に追従して伸びるため、両面ファスナー12が未加硫のインナーライナー層11’から脱落することがない。
トロイダル状に膨張変形させた第1成形体22を、その外周側に配置した、未加硫のベルト層7’とベルト補強層7a’の外周側に未加硫のトレッドゴム層8’を貼り合わせた環状の第2成形体24の内周側に圧着し、タイヤ内表面にタイヤ周方向に沿って両面ファスナー12を配置して保護ゴム層13’で被覆したグリーンタイヤを成形する。
次いで、保護ゴム層13’を加熱して加硫した後、グリーンタイヤをタイヤ加硫機の金型内にセットし、ブラダーにより内側から押圧しながら加硫する。この際に、吸音材などの附属物を着脱自在に装着するための、両面ファスナー12の一方の面12aの係合素子群12xは、保護ゴム層13により保護されているので、係合素子群12xの係合素子xがブラダーの圧力で押し潰されることがない。
加硫終了後、タイヤ加硫機から加硫済タイヤを取り出し、図1に示す空気入りタイヤTを得る。保護ゴム層13は、図1に示す空気入りタイヤTでは付けた状態にしているが、必要に応じて加硫済タイヤから保護ゴム層13を除去し、保護ゴム層13がない空気入りタイヤを製造してもよい。
上記実施形態では、両面ファスナー付き保護ゴム層14を成形ドラム21に貼り付け後、該両面ファスナー付き保護ゴム層14上に未加硫のインナーライナー層11’を貼り付けるようにしたが、両面ファスナー付き保護ゴム層14をインナーライナー層11’に、両面ファスナー12の他方の面12bの係合素子群12yがインナーライナー層11’に埋没するようにして予め積層し(図8参照)、この積層した積層体15を保護ゴム層13’が成形ドラム21側になるようにして成形ドラム21上に円筒状に巻き付け、該積層体15上に第1成形体21を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体21を成形するようにしてもよい。
このように本発明では、タイヤ内表面にタイヤ周方向に沿って両面ファスナー12を設けたグリーンタイヤを成形する際に、両面ファスナー12を断続的に取り付けて第1成形体22を成形するので、第1成形体22をトロイダル状に膨張変形させた時に両面ファスナー12を取り付けたインナーライナー層11’のゴム部分が両面ファスナー12に阻害されずに変形に追従して伸びるため、両面ファスナー12の脱落を回避することができる。
従って、両面ファスナー12を成形ドラム21上で取り付けることができるようになるので、両面ファスナー12の取り付け作業が容易になり、生産性の向上が可能になる一方、成形ドラム21上の予め決められた位置に両面ファスナー12を容易に取り付けることができるので、両面ファスナー12の取り付けによるアンバランスに起因するユニフォミティの低下を防ぐことができる。
また、加硫時に、吸音材などの附属物を着脱自在に装着するための両面ファスナー12の一方の面12aの係合素子群12xが保護ゴム層13に保護されているので、ブラダーの圧力で押し潰されるのを防ぐことができる。
更に、両面ファスナー12を使用し、他方の面12bの係合素子群12yにより両面ファスナー12をインナーライナー層11’に取り付けるので、取り付けに際し接着剤などを塗布する作業が不要になるため、取り付け作業をより容易にし、生産性を一層向上することができる。
図9〜11は、本発明の空気入りタイヤの製造方法の第2実施形態を示す。この製造方法では、図9に示すように、両面12a,12bに複数の係合素子群12x,12yを長手方向に所定の間隔で配置した1枚の帯状の両面ファスナー12を、未加硫ゴムからなる1枚の帯状の保護ゴム層13’の一方の面13’aに、一方の面12aの係合素子群12xが埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って断続的に取り付け、両面ファスナー付き保護ゴム層14を成形する。
次いで、図10に示すように、帯状の両面ファスナー12を各隣接する係合素子群12x,12y間の位置で切断し、両面ファスナー片12Aを複数配列した構成にする。その際に、各隣接する係合素子群12x,12y間の中央の位置で切断するのがバランスの点からよい。
以下、上記した図5〜7と同様にして、切断した両面ファスナー付き保護ゴム層14を、両面ファスナー12を外側に、保護ゴム層13’を成形ドラム21側にして、成形ドラム21上に1周にわたり環状に巻き付け、グリーンタイヤを成形する。第1成形体22がトロイダル状に膨張変形した際に、両面ファスナー12の取り付け位置間のインナーライナー層11’のゴム部分11’rが膨張変形に追従して伸びるため(図11参照)、両面ファスナー片12Aに切断した両面ファスナー12がインナーライナー層11’から脱落することがなく、また両面ファスナー12は加硫中保護ゴム層13により保護されるので、上記と同様の効果を得ることができる。
この第2実施形態においても、切断した両面ファスナー付き保護ゴム層14をインナーライナー層11’に、両面ファスナー12の他方の面12bの係合素子群12yがインナーライナー層11’に埋没するようにして予め積層し(図12参照)、この積層した積層体15を保護ゴム層13’が成形ドラム21側になるようにして成形ドラム21上に円筒状に巻き付け、該積層体15上に第1成形体21を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体21を成形するようにしてもよい。
図13〜16は、本発明の空気入りタイヤの製造方法の第3実施形態を示す。この製造方法では、図13,14に示すように、両面12a,12bに係合素子群12x,12yを長手方向に所定の間隔で配置し、かつ各隣接する係合素子群12x,12y間に切れ目16を設けた1枚の帯状の両面ファスナー12から構成されている。この帯状の両面ファスナー12を、図14に示すように、未加硫ゴムからなる1枚の帯状の保護ゴム層13’の一方の面13’aに、一方の面12aの係合素子群12xが埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って断続的に取り付け、両面ファスナー付き保護ゴム層14を成形する。
以下、上記した図5〜7と同様にして、両面ファスナー付き保護ゴム層14を、両面ファスナー12を外側に、保護ゴム層13’を成形ドラム21側にして、成形ドラム21上に1周にわたり環状に巻き付け、グリーンタイヤを成形する。第1成形体22がトロイダル状に膨張変形した際に、図15に示すように、帯状の両面ファスナー12が切れ目16により両面ファスナー部分12Bに切断される一方、断続する取り付け位置間のインナーライナー層11’のゴム部分11’rが膨張変形に追従して伸びるため、両面ファスナー12がインナーライナー層11’から脱落することがなく、また両面ファスナー12は加硫中保護ゴム層13により保護されるので、上記と同様の効果を得ることができる。
この第3実施形態においても、両面ファスナー付き保護ゴム層14をインナーライナー層11’に、両面ファスナー12の他方の面12bの係合素子群12yがインナーライナー層11’に埋没するようにして予め積層し(図16参照)、この積層した積層体15を保護ゴム層13’が成形ドラム21側になるようにして成形ドラム21上に円筒状に巻き付け、該積層体15上に第1成形体21を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体21を成形するようにしてもよい。
図17〜19は、本発明の空気入りタイヤの製造方法の第4実施形態を示す。この製造方法では、帯状の両面ファスナー12が、図17,19に示すように、基材12Nの両面に所定の間隔で係合素子群12x,12yを配置し、各隣接する係合素子群12x,12y間の基材部分12Naの中央には両面ファスナー12の幅方向に横断する折り目17が形成され、基材部分12Naを折り曲げ可能にしている。この帯状の両面ファスナー12は、成形ドラム21上に成形された第1成形体22の内周長より長く、膨張変形時の第1成形体22の内周長と略同じ長さを有している。
図18に示すように、帯状の両面ファスナー12の一方の面12aの各係合素子群12xを未加硫ゴムからなる保護ゴム層13’でそれぞれ被覆し、次いでこの被覆した両面ファスナー12を図19に示すように、各係合素子群12x,12y間に位置する基材部分12Naを曲げた状態にしてインナーライナー層11’に、両面ファスナー12の他方の面12bの係合素子群12yがインナーライナー層11’に埋没するようにして積層する。これにより基材部分12Naが伸びに対応できる状態で、両面ファスナー12がインナーライナー層11’に係合素子群12yを介して断続的にインナーライナー層11’の長手方向に沿って取り付けられる。
以下、上記と同様に、積層した積層体15を保護ゴム層13’が成形ドラム21側になるようにして成形ドラム21上に円筒状に巻き付け、その巻き付けられた積層体15上に第1成形体22を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体22を成形し、グリーンタイヤを成形する。第1成形体22がトロイダル状に膨張変形した際に、取り付け位置間のインナーライナー層11’のゴム部分11’rが変形に追従して伸びる一方、折り曲げた基材部分12Naがゴム部分11’rの変形に追従して伸びるので、両面ファスナー12が未加硫ゴムシート13’から脱落することがなく、また両面ファスナー12は加硫中保護ゴム層13により保護されるので、上記と同様の効果を得ることができる。
図20〜22は、本発明の空気入りタイヤの製造方法の第5実施形態を示す。この製造方法では、図20に示すように、未加硫ゴムからなる帯状の保護ゴム層13’の一方の面13’aに、両面に連続する係合素子群12x,12yを設けた1枚の帯状の両面ファスナー12を一方の面の係合素子群12xが埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付ける。両面ファスナー12を取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層14は、形ドラム21上に成形された第1成形体22の内周長より長く、膨張変形時の第1成形体22の内周長と略同じ長さを有している。
次いで、図21に示すように、両面ファスナー付き保護ゴム層14を厚さ方向に波状に蛇行するように型付けした状態で、保護ゴム層13’を加硫する。これにより、厚さ方向に波状に蛇行した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14X(図22参照)を得る。
続いて、図22に示すように、型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xをインナーライナー層11’に、両面ファスナー12の他方の面の係合素子群12yを所定の間隔で断続的に埋没させるようにして取り付ける。
この型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xaをインナーライナー層11’に取り付けた取付体18を保護ゴム層13が成形ドラム21側になるようにして成形ドラム21上に円筒状に巻き付けた後、上記と同様にして、取付体18上に第1成形体22を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体21を成形し、グリーンタイヤを成形する。第1成形体22がトロイダル状に膨張変形した際に、取り付け位置間のインナーライナー層11’のゴム部分11’rが膨張変形に追従して伸びる一方、型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xの波状に蛇行する部分14Xaがゴム部分11’rの変形に追従して伸びるので、両面ファスナー12がインナーライナー層11’から脱落することがなく、また両面ファスナー12は加硫中保護ゴム層13により保護されるので、上記と同様の効果を得ることができる。
この第5実施形態においても、加硫した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xを両面ファスナー12を外側にして型付け状態を維持しながら成形ドラム21上に筒状に巻き付け、この筒状の型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14X上にインナーライナー層11’を、両面ファスナー12の他方の面12bの係合素子群12yがインナーライナー層11’に断続的に埋没するようにして円筒状に巻き付け、そのインナーライナー層11’上に第1成形体21を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体21を成形するようにしてもよい。
図20〜22に示す実施形態では、1枚の帯状の両面ファスナー12を使用したが、図23に示すように、長さを短くした複数の両面ファスナー12を用いるようにしてもよい。この場合、各両面ファスナー12を各保護ゴム層13’の一方の面13’aに、一方の面12aの係合素子群12xが埋没するようにして取り付ける。次いで、両面ファスナー12を取り付けた各両面ファスナー付き保護ゴム層14を厚さ方向に波状に蛇行するように型付けした状態で、各保護ゴム層13’を加硫し、厚さ方向に波状に蛇行した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xを得る。
続いて、加硫した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xをインナーライナー層11’に長手方向に沿って所定の間隔で、各型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xの両面ファスナー12の他方の面の係合素子群12yがインナーライナー層11’に断続的に埋没するようにして取り付け、型付け両面ファスナー付き保護ゴム層14Xをインナーライナー層11’に取り付けた取付体18を成形する。この取付体18を上記と同様にして、保護ゴム層13が成形ドラム21側になるようにして成形ドラム21上に円筒状に巻き付け、この巻き付けた取付体18上に第1成形体22を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて第1成形体22を成形し、グリーンタイヤを成形する。このようにしても上記と同様の効果を得ることができる。
本発明において、両面ファスナー12に使用する樹脂としては、例えば、ナイロンやポリエステルを挙げることができる。好ましくは、耐熱性の点からナイロンを使用するのがよい。このようなナイロンとしては、6ナイロン、66ナイロン、及び6ナイロンと66ナイロンの共重合ナイロンを例示することができる。
両面ファスナー12の形状及びタイプは特に限定されず、係合素子x,yの形状はフック状、ループ状、楔状など係合可能であればいずれの形状を採用してもよい。係合素子x,yの高さとしては、0.5mm以上2mm未満とすることが好ましく、これにより係合効果が向上する。また、保護ゴム層13との接着性を低下させるために、両面ファスナー12の係合素子群12x,12yの係合素子x,yに離型剤による表面処理を施してもよい。
保護ゴム層13に使用するゴム材料としては、両面ファスナー12の係合素子群12x,12yの係合素子x,yとの接着性が低いものを選択するのがよく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)を好ましく挙げることができる。保護ゴム層13のゴムの100%伸張時のモジュラスとしては、0.2MPa〜3MPaの範囲にするのが好ましい。100%伸張時のモジュラスが0.2MPa未満であると、製造の段階で切れ易くなる。逆に3MPaを超えると、タイヤに合わせて伸び難くなる(脱落し易い)。なお、ここで言う100%伸張時のモジュラスは、JIS K6251に準じてダンベル状3号形試験片にて測定するものとする。
上記のように両面ファスナー12の他方の面の係合素子群12yをアンカー素子として使用する場合、係合素子群12yの係合素子yの先端を幅0.3mm以上1mm未満の拡大部y1(図3参照)に形成するのがよい。拡大部y1の幅を0.3mm以上とすることでアンカー効果を増大することができる。幅が1mm以上になるとゴムに食い込み難くなる。
保護ゴム層13の形状としては、係合素子群12xを保護可能であればいずれの形状であってもよい。好ましくは、図3に示すように、タイヤ子午線断面で両面ファスナー12側を長くした台形状にするのがよい。これによりブラダーBで押圧した際にブラダーBが保護ゴム層13に沿って密着し易くなるので、その間のエア溜まりに起因する加硫故障の発生を防ぐことができる。断面台形状の保護ゴム層13の鋭角部13mの角度θとしては、エア溜まり抑制効果の点から45°以下にするのがよい。下限値としては、製造等の点から5°以上にするのがよい。
このように両面ファスナー12に保護ゴム層13を設けたタイヤを製造する場合、図24に示すように、ブラダーBには、保護ゴム層13に対応する部位の肉厚T1をその周辺部位の肉厚T2よりも薄くしたものを使用するのがよい。両面ファスナー12に保護ゴム層13を設けると、保護ゴム層13が存在する部位において加硫時の熱がインナーライナー層11’側へ伝わり難くなる。そこで、ブラダーBの保護ゴム層13に対応する部位での肉厚T1を周辺部位の肉厚T2よりも薄くすることで、保護ゴム層13が存在する部位におけるブラダーBを通しての熱伝導が良好になり、加硫状態を均一化することができる。
上記実施形態のように、両面ファスナー12を直接インナーライナー層11’に取り付ける構成にするのが、重量の点で好ましいが、図25に示すように、インナーライナー層11’と同一の未加硫ゴムからなる背面ゴム層30を両面ファスナー12の他方の面12bに積層するようにしてもよい。このように背面ゴム層30を設ける場合、図25に示すように、インナーライナー層11’の肉厚を両面ファスナー12の配置位置で背面ゴム層30の厚さ分だけ部分的に薄くするのがよい。
また、両面ファスナー12の一方の面12aの係合素子群12xには吸音材などの付属物が取り付けられるので、保護ゴム層13は最終的に除去されるが、この保護ゴム層13の除去を容易にするため、図26に示すように、ゴムとの離型が良好な離型フィルム40を使用し、それを保護ゴム層13が取り付けられる両面ファスナー12の一方の面12aに、予め貼り付けておくのがよい。
保護ゴム層13は、上述したようにグリーンタイヤを加硫する前に予め加硫しておくのが、両面ファスナー12の係合素子群12xに対する保護効果を高める上で好ましいが、予め加硫せずにグリーンタイヤと共に加硫するようにしてもよい。
上記実施形態では、両面ファスナー12をトレッド部1のセンター部1Aのタイヤ内表面1aに装着した空気入りタイヤTを製造する例を示したが、それに限定されず、図27に示すように、両面ファスナー12をトレッド部1の両ショルダー部1Bのタイヤ内表面1bに装着するようにした空気入りタイヤを製造するものであってもよい。
本発明の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤの一例を示す半断面図である。 タイヤ内表面を示すように切り欠いた空気入りタイヤを簡略化して示す部分斜視図である。 図1の両面ファスナーの一例を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第1実施形態において、両面ファスナーを保護ゴム層に取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を成形する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第1実施形態において、両面ファスナー付き保護ゴム層を成形ドラム上に巻き付ける工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第1実施形態において、両面ファスナー付き保護ゴム層上に更にタイヤ構成部材を巻き付けて第1成形体を成形する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第1実施形態において、第1成形体を膨張させて第2成形体に圧着する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第1実施形態において、両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に積層した積層体を成形してグリーンタイヤを成形する方法を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第2実施形態において、両面ファスナーを保護ゴム層に取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を成形する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第2実施形態において、両面ファスナーを切断する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第2実施形態において、変形したインナーライナー層の内面を保護ゴム層を除いた状態で示す部分説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第2実施形態において、両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に積層した積層体を成形してグリーンタイヤを成形する方法を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第3実施形態において使用される両面ファスナーの部分平面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第3実施形態において、両面ファスナーを保護ゴム層に取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を成形する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第3実施形態において、変形したインナーライナー層の内面を保護ゴム層を除いた状態で示す部分説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第3実施形態において、両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に積層した積層体を成形してグリーンタイヤを成形する方法を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第4実施形態において使用される両面ファスナーの部分斜視説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第4実施形態において、両面ファスナーに保護ゴム層を取り付ける工程を示す部分斜視説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第4実施形態において、保護ゴム層を取り付けた両面ファスナーをインナーライナー層に積層する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第5実施形態において、両面ファスナーを保護ゴム層に取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を成形する工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第5実施形態において、両面ファスナー付き保護ゴム層を型付けする工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第5実施形態において、型付け両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に取り付ける工程を示す断面説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の第5実施形態において、複数の両面ファスナーを用いてグリーンタイヤを成形する方法を示す断面説明図である。 好ましいブラダーの例を示す部分断面図である。 背面ゴム層を使用する例を示す断面説明図である 離型フィルムを使用する例を示す断面説明図である 本発明の空気入りタイヤの製造方法により製造する、タイヤ内表面に両面ファスナーを備えた空気入りタイヤの他の例を簡略化して示す断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
1a,1b タイヤ内表面
2 サイドウォール部
3 ビード部
11,11’インナーライナー層
12 両面ファスナー
12a 一方の面
12b 他方の面
12x,12y 係合素子群
13,13’保護ゴム層
13’a 一方の面
14 両面ファスナー付き保護ゴム層
14X 型付け両面ファスナー付き保護ゴム層
15 積層体
16 切れ目
17 折り目
18 取付体
21 成形ドラム
22 第1成形体
24 第2成形体
B ブラダー
T 空気入りタイヤ
x,y 係合素子

Claims (15)

  1. 両面に係合素子群を備えた両面ファスナーをタイヤ内表面にタイヤ周方向に沿って設けたグリーンタイヤを成形する際に、前記両面ファスナーの一方の面の係合素子群を未加硫ゴムからなる保護ゴム層で被覆し、該被覆した両面ファスナーを他方の面の係合素子群を介して内周面に周方向に沿って断続的に取り付けた筒状の第1成形体を成形ドラム上に成形し、該第1成形体をトロイダル状に膨張させて環状の第2成形体の内周側に圧着することにより前記グリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫機の金型内でブラダーにより内側から押圧しながら加硫する空気入りタイヤの製造方法。
  2. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、複数の両面ファスナーを一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って所定の間隔で取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を前記複数の両面ファスナーを外側にして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該円筒状の両面ファスナー付き保護ゴム層上にインナーライナー層を、前記複数の両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして円筒状に巻き付け、該インナーライナー層上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、複数の両面ファスナーを一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って所定の間隔で取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に、前記複数の両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして積層し、該積層した積層体を保護ゴム層が成形ドラム側になるようにして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該積層体上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、両面に係合素子群を長手方向に所定の間隔で配置した帯状の両面ファスナーを、一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層の両面ファスナーを各隣接する係合素子群間の位置で切断し、該切断した両面ファスナー付き保護ゴム層を前記複数の両面ファスナーを外側にして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該円筒状の両面ファスナー付き保護ゴム層上にインナーライナー層を、前記両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして円筒状に巻き付け、該インナーライナー層上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、両面に係合素子群を長手方向に所定の間隔で配置した帯状の両面ファスナーを、一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層の両面ファスナーを各隣接する係合素子群間の位置で切断し、該切断した両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に、前記複数の両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして積層し、該積層した積層体を保護ゴム層が成形ドラム側になるようにして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該積層体上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、両面に係合素子群を長手方向に所定の間隔で配置し、かつ各隣接する係合素子群間に切れ目を設けた帯状の両面ファスナーを、一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を前記複数の両面ファスナーを外側にして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該円筒状の両面ファスナー付き保護ゴム層上にインナーライナー層を、前記両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして円筒状に巻き付け、該インナーライナー層上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、両面に係合素子群を長手方向に所定の間隔で配置し、かつ各隣接する係合素子群間に切れ目を設けた帯状の両面ファスナーを、一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に、前記複数の両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして積層し、該積層した積層体を保護ゴム層が成形ドラム側になるようにして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該積層体上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 両面に係合素子群を長手方向に所定の間隔で配置した帯状の両面ファスナーの一方の面の各係合素子群を未加硫ゴムからなる保護ゴム層で被覆し、該被覆した帯状の両面ファスナーを各係合素子群間に位置する両面ファスナーの部分を曲げた状態にしてインナーライナー層に、両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に埋没するようにして積層し、該積層した積層体を両面ファスナーが成形ドラム側になるようにして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該積層体上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記グリーンタイヤを加硫する前に前記未加硫ゴムからなる保護ゴム層を加硫する請求項1乃至8のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、両面に係合素子群を設けた帯状の両面ファスナーを一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を厚さ方向に波状に蛇行するように型付けしながら加硫し、該加硫した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に、前記両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に断続的に埋没するようにして取り付け、該型付け両面ファスナー付き保護ゴム層にインナーライナー層を取り付けた取付体を保護ゴム層が成形ドラム側になるようにして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該取付体上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 帯状の保護ゴム層の一方の面に、両面に係合素子群を設けた帯状の両面ファスナーを一方の面の係合素子群が埋没するようにして保護ゴム層長手方向に沿って取り付け、該両面ファスナーを取り付けた両面ファスナー付き保護ゴム層を厚さ方向に波状に蛇行するように型付けしながら加硫し、該加硫した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層を保護ゴム層を成形ドラム側にして型付け状態を維持しながら成形ドラム上に筒状に巻き付け、該筒状の型付け両面ファスナー付き保護ゴム層上にインナーライナー層を、前記両面ファスナーの他方の面の係合素子群が該インナーライナー層に断続的に埋没するようにして円筒状に巻き付け、該インナーライナー層上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  12. 複数の保護ゴム層の一方の面に、それぞれ両面に係合素子群を設けた両面ファスナーを一方の面の係合素子群が埋没するようにして取り付け、該両面ファスナーを取り付けた各両面ファスナー付き保護ゴム層を厚さ方向に波状に蛇行するように型付けしながら加硫し、該加硫した型付け両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に長手方向に沿って所定の間隔で、各型付け両面ファスナー付き保護ゴム層の両面ファスナーの他方の面の係合素子群がインナーライナー層に断続的に埋没するようにして取り付け、該型付け両面ファスナー付き保護ゴム層をインナーライナー層に取り付けた取付体を保護ゴム層が成形ドラム側になるようにして成形ドラム上に円筒状に巻き付け、該取付体上に前記第1成形体を構成する残りのタイヤ構成部材を貼り付けて該第1成形体を成形する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  13. 前記保護ゴム層のゴムの100%伸張時のモジュラスが0.2MPa〜3MPaである請求項1乃至12のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  14. 前記グリーンタイヤを加硫した後、前記保護ゴム層を除去する請求項1乃至13のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤ。
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