JP2009154009A - 搾乳ポンプ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】母乳を得るための搾乳ポンプ装置を提供する。
【解決手段】この装置は、正の圧力および負の圧力を発生させるための圧力源と、
前記圧力源に作動可能に連結された制御装置とを有している。この制御装置は、前記正および負の圧力を調整し、前記制御装置は、少なくとも部分的に波信号に基づいて、前記乳房への前記正および負の圧力の付加の間、サイクル時間を調整する。この波信号は、圧力対時間の非正弦波である。
【選択図】 図１

Description

本発明は母乳を得るための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は母乳を搾り出すために正の圧力および負の圧力の両方を加える搾乳ポンプ装置に関する。

手動および自動的に母乳を得るための搾乳ポンプ装置が当業界で公知である。従来の装置は、管を通して乳房に設置されたブレストフードまたはカップに伝達される負の圧力すなわち真空を発生させるために真空源を使用している。この従来の装置および方法は母乳を搾り出すのに乳房に作用する負の圧力を使用している。

このような装置は、母乳の搾り出しを誘発するために負の圧力として真空源のみを乳房に加えると言う欠点がある。

本発明の目的は、母乳を搾り出すのに正の圧力および負の圧力の両方を乳房に加える母乳を搾り出すための搾乳ポンプを提供することである。

本発明の他の目的は、単一源から正および負の圧力を加えるこのような装置を提供することである。

本発明の更に他の目的は、乳房に加えられる正および負の圧力の制御を容易にするこのような装置を提供することである。

本発明のこれらおよび他の目的および利点は、正の圧力および負の圧力を発生させるための圧力源と、この圧力源と流体連通している搾乳カップとを有しており、この搾乳カップが正の圧力および負の圧力を乳房に加える、搾乳ポンプ装置により得られる。

また、本発明は、シリンダ容積部を持つシリンダと、このシリンダ内に移動可能に配置されたピストンと、シリンダ容積部に圧力を発生させるためにピストンに作動可能に連結されたモータと、シリンダ容積部と流体連通していて、圧力を乳房に加える搾乳カップとを有する搾乳ポンプ装置を含む。

更に、本発明は、正の圧力および負の圧力を発生させるための圧力源と、この圧力源に作動可能に連結された制御装置とを有する搾乳ポンプを含む。この制御装置は、正および負の圧力を調整し、且つ乳房への正の圧力および負の圧力の付加の間、サイクル時間を調整する。

また、本発明は、圧力を発生させるための源と、この圧力源に作動可能に連結された制御装置とを有する搾乳ポンプを含む。この制御装置は圧力を調整し、且つ乳房への圧力の付加の間、サイクル時間を調整する。また、この制御装置は、圧力およびサイクル時間に応じて波信号を発生させ、この波信号に応じて圧力源を制御する。

この装置はチャンネルを有することもでき、搾乳カップは空気オリフィスを有することができる。このチャンネルは空気オリフィスおよび圧力源に連結されており、この圧力源は、往復する空気の流れを搾乳カップと圧力源との間のチャンネルを通して供給する。このチャンネルは、可撓性管であることができる。前記圧力源は、シリンダ内に移動可能に配置されたピストンであることができる。モータと、第１の歯を有するラックと、第２の歯を有するギアとを設けることができる。このギアは好ましくはモータに作動可能に連結されている。好ましくは、第１の歯は、ピストンをシリンダ内で往復移動させるために第２の歯と係合している。

ピストンはこれとシリンダとの間に配置されたシール部材を有することができる。このシール部材は、ピストンに配置されたＯリングであることができる。ピストンは、周壁部を持つほぼ円筒形の形状を有しており、シール部材はこの周壁部に配置された複数のガスケットであることができる。また、このピストンは、周チャンネルが形成された周壁部を持つほぼ円筒形の形状を有している。前記シール部材は、チャンネルに少なくとも部分的に配置されている。ピストンは、先縁部および後縁部を持つＶ字形の横断面を有することができる。この先縁部および後縁部はシリンダとの密封係合をなしている。

ピストンはラックの可撓性に取着されることができる。ピストンは凹部を有することができ、ラックは、当接部が形成された第１の端部を有することができる。この当接部は、好ましくは凹部に可撓性に取着されている。凹部および第１の端部は、戻り止め構造体を有することができる。前記シリンダは、第１の直径および空気穴を有することができる。この空気穴は、第２の直径を有していて、大気と流体連通している。第１の直径は好ましくは第２の直径よりかなり大きい。

また、モータに作動可能連結された制御装置が設けられることもできる。このモータは逆転可能であり、制御装置は、正または負の圧力に基づいてモータを逆転させる。モータに作動可能連結された制御装置が設けられることができる。このモータは、逆転可能なモータであり、制御装置は、ピストンがシリンダに対して移動した距離を定める。制御装置はこの距離に基づいてモータを逆転させる。この距離に応じて信号を発生させる光センサが設けられることができる。この信号は制御装置に伝送され、制御装置はこの信号の応じてモータを逆転させる。

ラックには、複数の開口部が形成されることができる。光センサはこれらの開口部と作動可能に整合されており、光センサを通り越して移動する開口部の総数に基づいて信号が発生される。位置スイッチが設けられることもできる。光センサは位置信号を発生させるために位置スイッチと作動可能に整合されている。この位置信号は、制御装置に伝送され、制御装置はこの位置信号に応じて総数をリセットする。モータに作動可能に連結された制御装置が設けられることができ、モータは可変速度を有しており、制御装置は正または負の圧力を乳房に加えるための所望のサイクル時間に基づいて速度を調整する。制御装置は使用者インターフェースを有することができる。所望のサイクル時間はこの使用者インターフェースに入力されることができ、この所望のサイクル時間は使用者インターフェースから制御装置に伝送されることができる。

使用者インターフェースを有していて、圧力源に作動可能に連結された制御装置が設けられることができ、この制御装置は使用者インターフェースから伝送された信号に応じて圧力源により発生された正または負の圧力を調整する。また、使用者インターフェースを有していて、圧力源に作動可能に連結された制御装置が設けられることもできる。この制御装置は使用者インターフェースから制御装置に伝送された信号に応じて乳房に正または負の圧力を加えるためのサイクル時間を調整する。圧力の量および正および負の圧力間のサイクル時間に応じて波信号を発生させる制御装置が設けられることできる。使用者インターフェースが設けられることできる。所望の波信号が使用者インターフェースに入力され、この所望の波信号は使用者インターフェースから制御装置に伝送され、制御装置は波信号を所望の波信号に対応するように調整する。

シリンダは圧力除去弁と流体連通状態であることができる。この圧力除去弁は調整可能であることができる。圧力源は収容室が形成されたハウジングを有することができる。可撓性管は好ましくは収容室に移動可能に収容されている。ハウジングは第１の端部および第２の端部を持つ空気出口を有することができる。第１の端部は圧力源と流体連通しており、第２の端部は収容室に配置されている。

入口、第１の出口、第２の出口およびプラグを有するｔ−コネクタが設けられることができる。この入口は第１および第２の出口と流体連通しており、プラグは第１の出口または第２の出口と選択的に密封係合可能である。制御装置は使用者インターフェースを有することができ、所望のレベルの正または負の圧力が使用者インターフェースに入力されることができ、制御装置は使用者インターフェースから伝送された信号に応じて正または負の圧力を調整することができる。

本発明の搾乳ポンプ装置の搾乳ポンプの正面斜視図である。 開放位置にある図１の搾乳ポンプの正面斜視図である。 図１の搾乳ポンプの分解斜視図である。 カバーの無い図１の搾乳ポンプの頂面図である。 本発明のピストンおよびシリンダの分解斜視図である。 図５のピストンおよびシリンダの一部の分解側面図である。 図５のピストン正面斜視図である。 本発明のピストンの別の実施例の分解斜視図である。 図１の装置の圧力除去弁の分解斜視図である。 図５のシリンダの横断面平面図である。 本発明の搾乳カップの正面斜視図である。 図１の搾乳カップの側面横断面図である。 本発明のｔ−コネクタの後方斜視図である。 図１および図１１の装置により乳房を搾乳する方法を示すフローチャートである。

図面、特に図１および図２を参照すると、参照符号１００で全体的に示す本発明の搾乳ポンプの好適な実施例が示されている。この搾乳ポンプ１００は、図１１に示す搾乳カップ４００とともに本発明の搾乳ポンプ装置の主な構成要素を形成している。また、この搾乳ポンプ１００は組立てユニットを構成するようになっている頂ハウジング１０２および底ハウジング１０３を有している。

図１ないし図３を参照すると、頂ハウジング１０２は、平らな前面２００と、室ドア１０４を有する収容室２１０とを備えたほぼ楕円形形状を有している。好ましくは、ドア１０４は、ヒンジで頂ハウジング１０２に連結されて、搾乳ポンプ１００を後でより詳細に論述する装置の他の構成要素に連結する空気配管または導管３５０を収容するための選択的にシール可能な収容室２１０を形成している。

前記前面２００は、ＬＥＤカバー１０６を有するボタンパッド１０５を受入れることができる。このパッド１０５は搾乳ポンプ１００を制御するために消費者により使用される。底ハウジング１０３は搾乳ポンプの種々の構成要素をしっかり収容することができ、これらの構成要素は、ラックギア１０９と、このラックギアに係合することができるピニオンギア１１０と、ピストン１１２と、このピストンを受入れることができるシリンダ１１３と、ピニオンギアが設けられるシャフト１２６を有するモータ１２５とを含む。この設計により、搾乳ポンプ１００は低ノイズでポンピングを行う。搾乳ポンプ１００は例えばプラスチックのような任意の剛性材料で製造されることができる。

図３ないし図７を参照すると、搾乳ポンプ１００は母乳を得るための正の圧力および負の圧力の両方を生じるためにピストン１１２およびシリンダ１１３を利用している。このピストン１１２は、これに取付けられているラックギア１０９により駆動される。ピストン１１２は、第１のヘッド３０００および第２のヘッド３１００を有するほぼ円筒形の形状を有している。好ましくは、第１および第２のヘッド３０００、３１００には、環状のチャンネル３０２０、３１２０がそれぞれ形成されている。これらのチャンネル３０２０、３１２０は、それぞれ第１および第２のヘッド３０００、３１００の外周に沿っては位置されている。

好ましくは、前記チャンネル３０２０、３１２０は、第１のヘッド３０００および第２のヘッド３１００の外周に沿って中央に位置決めされている。これらのチャンネル３０２０、３１２０には、シール部材３０５０、３１５０がそれぞれ着座されている。好ましくは、これらのシール部材３０５０、３１５０はＯリングガスケットである。シール部材３０５０、３１５０はチャンネル３０２０およびチャンネル３１２０の深さまたは高さより大きい直径または幅を有している。シール部材３０５０、３１５０は第１のヘッド３０００および第２のヘッド３１００の外周を超えて延びていて、ピストン１１２がシリンダ内で前後に駆動されると、シリンダ１１３の内面１１３０との密封係合をなす。

ピストン１１２上の多数のシール部材、すなわち、Ｏリングガスケット３０５０およびＯリングガスケット３１５０の使用は、２重密封をもたらして正の圧力および負の圧力を生じる効率を高める。この実施例は２つのシール部材を使用して２つの別体のシール面を形成しているが、任意の数のシール部材を使用してピストン１１２をシリンダ１１３と密封するための任意の数のシール面を形成することができる。更に、この実施例はＯリングシールガスケット３０５０、３１５０を有するピストン１１２を使用しているが、ピストンとシリンダ１１３との間に別のシール面を使用することができる。

ラックギア１０９は、歯１１００を有するピニオンギア１１０と係合する歯１０９０を有している。ピニオンギア１１０は好ましくはシャフト１２６を介してモータ１２５に作動的に連結されている。モータ１２５が作動されると、シャフト１２８およびピニオンギア１１０は回転する。ラック１０９上の歯１０９０およびピニオン１１０上の歯１１００は噛み合っていて、モータ１２５およびシャフト１２６の往復回転運動を両方向における単一軸線に沿った往復長さ方向運動に変える。

好ましくは、ラックギア１０９は、ピストン１１２に形成された凹部３２００と係合する第１の端部１０９５を有している。凹部３２００は好ましくはピストン１１２に中央に位置決めされている。ラックギア１０９の第１の端部１０９５は好ましくはピストン１１２の凹部３２００とのスナップ嵌めまたは摩擦嵌め係合をする。好ましくは、第１の端部１０９５および凹部３２００には、戻り止め構造体１０９６、３２９６が形成されている。これにより、これらの構成要素の製造を容易にし、またラックギア１０９に対するピストン１１２の必要とされる任意のわずかな枢動に対処している。

ピストンの別な例が図８に示されており、全体的に参照符号８１１２で示されている。このピストン８１１２は、先縁部８１２０および後縁部８１２１を持つほぼＶ字形を有している。先縁部８１２０および後縁部８１２１は、ピストン８１１２がシリンダ内で前後に駆動されると、シリンダ１１３の内面１１３０に密封係合する。シリンダ１１３の内面１１３０に密封係合するピストン８１１２の多数の縁部、すなわち、先縁部８１２０および後縁部８１２１の使用は２重密封をもたらして正の圧力および負の圧力を生じる効率を高める。

図３ないし図７を参照して説明すると、モータ１２５は好ましくは速度が可変である。これにより、使用者が母乳のポンピングのサイクル時間を制御し、変化させ得る。更に、搾乳ポンプ１００は、振動を低減し、モータを底ハウジング１０３に装着するために、モータカバー１０７およびベアリング１０８を有している。

正の圧力および負の圧力は、シリンダ１１３の空気量の押し退け量を変化させることにより変化されることができる。この実施例では、これは光電または光センサ装置の使用によりなされる。この光センサ装置は、２つまたはそれ以上の光センサ１２１および位置スイッチ１２４を有している。光センサ１２１は、ラックギアが前後に移動すると、ラックギア１０９の開口部の数を数える。かくして、使用者は、ラックギア１０９が移動する距離を制御し、対応してシリンダ１１３内の空気量押し退け量を制御することができる。

前記ピストン１１２は、シリンダ１１３の前部まで的確に移動するようにするために、光センサ装置は更に位置スイッチ１２４を有しており、この位置スイッチ１２４は好ましくはシリンダの前部に位置決めされており、カウンター用のスタータとして作用する。変更例として、位置スイッチは光センサ１２１により検出可能な異なる大きさまたは形状を有する開口部５０であることができる。

また、ラックギア１０９はこれに取付けられる安全機構を有することもできる。光センサ１２１は、ラックギア１０９が後方に移動するとき、開口部５０を読む。或る理由で、ラックギア１０９がその目標を逃し、遠くまで移動すぎると、安全機構が位置スイッチをトリガーする。ラックギア１０９が後方に移動している間に位置スイッチがトリガーされると、ソフトウエアが装置を、再び前方に移動させたり、位置スイッチに戻したりするようにトリガーする。

搾乳ポンプ１００は、ラックギア１０９にわたって位置決めされたガイドカバー１１１を有している。このガイドカバー１１１はラックギア１０９の往復移動を案内して振動減衰することにより搾乳ポンプに追加の安定性をもたらす。また、ガイドカバー１１１は、光センサ１２１および開口部の不整合の恐れを低減することによって光センサ装置に精度をもたらす。

前記光センサ装置およびモータ１２５は、好ましくはＰＣまたは回路板１２０に接続されている。かくして、正および負の圧力に変わるピストン１１２の移動距離、およびサイクル時間に変わるピストンの速度が電子的に制御される。

図３ないし図９を参照して説明すると、シリンダ１１３は、正および負の圧力を搾乳カップ４００に供給する供給コネクタ１１５に取着されている供給管１１６を有している。好ましくは、供給コネクタは収容室２１０に配置された出口２１５を有している。空気管３５０が出口２１５に取着されることができ、また搾乳カップ４００に取着されることもできる。収容室２１０はポンピング作動中、開放されたり閉鎖されたりすることができる。シリンダ１１３は、好ましくは約３．８１ｃｍＨｇ（１．５インチＨｇ）に設定されている圧力除去弁２０００（図９に図示）と流体連通している。

この圧力除去弁２０００は、吸気口２０１０および排気口２０５０を有している。管３５０により、吸気口２０１０はシリンダ１１３と流体連通しており、排気口２０５０は搾乳カップ４００と流体連通している。圧力除去弁２０００は吸気口２０１０および排気口２０５０と流体連通している除去排気口２１００を有している。この除去排気口２１００はほぼ管状であり、除去組立体２２００に取着されている。

この除去組立体２２００は、可撓性挿入体２２１０、付勢部材２２２０および保持部材２２３０を有している。可撓性挿入体２２１０は空気が除去排気口２１００を通って出て行くのを防ぐために除去排気口２１００の内面と密封係合している。挿入体２２１０は付勢部材２２２０と合わさる装着部材２２１５を有している。この実施例では、装着部材２２１５は付勢部材２２２０の内容積部に受入れられた十字形構造体である。好ましくは、付勢部材２２２０は、ばねである。より好ましくは、付勢部材２２２０はコイルばねである。保持部材２２３０は、除去排気口２１００の外面に位置決めされた対応する１対の係合突出部２１０５と係合する対向保持アーム２２３５を有するキャップ状構造体である。挿入体２２１０およびばね２２２０はキャップ２２３０により除去排気口２１００の内容積部に保持されている。

前記ばね２２２０は、圧力除去弁２０００の除去圧に等しい付勢強さまたは抵抗を有している。正の圧力が、この実施例では好ましくは約３．８１ｃｍＨｇ（１．５インチＨｇ）に設定されている除去圧を超えると、挿入体２２１０の内面に生じた力はばね２２２０の付勢力に打ち勝ち、挿入体は、キャップ２２３０に向けて除去排気口２１００の内容積部の外側に移動する。圧力除去弁２０００内の正の圧力がばね２２２０の付勢強さ以下に減少するまで、空気が除去排気口２１００を通って圧力除去弁２０００を出、このとき、挿入体２２１０は除去排気口の内容積部内で後方に移動して除去排気口の内面に密封係合する。

変更例として、圧力除去弁は、「マッサージ強さ」、すなわち、使用者の胸に作用する正の圧力の量を制御することができるように調整可能にされることができる。図３に示される回路板により、使用者は幾つかの速度レベルおよび幾つかの吸引レベルをプログラミングし得る。

この実施例では、速度（サイクル時間）は約４５サイクル／分（ｃｐｍ）から約７５ｃｐｍまで及ぶ。本発明は速度範囲内の多数の速度レベルの予備設定プログラミングに対処している。好ましくは、レベルの数は約２つのレベルから約８つのレベルまでであることができる。より好ましくは、使用者は、速度範囲内で５つのレベルをプログラミングすることができる。また、本発明は、使用者による速度レベルのプログラミングを意図している。

吸引範囲は、単一搾乳カップ４００の場合では、約７．６２ｃｍＨｇ（３インチＨｇ）から約２２．８６ｃｍＨｇ（９インチＨｇ）までであり、２つの搾乳カップの場合では、約７．６２ｃｍＨｇ（３インチＨｇ）から約１５．２４ｃｍＨｇ（６インチＨｇ）までである。本発明は吸引範囲内の多数の吸引レベルの予備設定プログラミングに対処している。好ましくは、レベルの数は約２つのレベルから約８つのレベルまでであることができる。より好ましくは、使用者は吸引範囲内で５つの吸引レベルをプログラミングすることができる。また、本発明は使用者による吸引レベルのプログラミングを意図している。

正および負の圧力の量を制御するのに、コンピュータソフトウエアを使用することもできる。これにより、正および負の圧力の量を使用者個人用にしたり、効率を最大にするためにポンピング工程の時間に渡って変化させたりし得る。

搾乳ポンプ１００は、好ましくは、ギアモータ１２５、ラック／ピニオンセット１０９、１１０およびピストン装置１１２、１１３と共にソフトウエア駆動式回路板１２０により制御される。ソフトウエアおよび装置は最大の融通性を与え、圧力曲線または「波」の変化を容易にするように設計されている。これは、ソフトウエアがモータ１２５の速度およびピストン１１２がシリンダ１１３内で移動する距離を制御するために実施可能である。ピストン１１２が移動する距離は圧力レベルの関係している。ソフトウエアで速度および圧力を制御することによって、圧力曲線または「波」を制御することができる。

乳児の吸入と同様であるか、或いは母親にとって最も快適である特定の「波」または圧力曲線があると言う決定が一旦なされると、タイミング（モータ速度およびピストン距離）を変化させることにより所望の波を得ることができる。ソフトウエアの使用により、使用者は、使用者にとっての快適さを最大にするように、特定の圧力曲線および時間にわたるその圧力曲線の変化に対する記憶を適用することができる。

この実施の形態では、搾乳ポンプ１００の制御のために制限波が使用される。これは、最も快適な圧力曲線が鋭い圧力ピークおよび谷無しに且つ使用者に苦しむ感覚を与えずに正弦波と同様な、次第に圧力が増減する圧力曲線であると言う想像に基づいている。ピストン１１２の前後運動は所望の正弦波に近い。しかしながら、鋭い圧力ピークを回避するために、ピストン１１２のタイミングはこれらのピークで減速され、圧力は波上の最大および最小の吸引点である時間、一定に保たれる。この結果、使用者にとってより快適な定常正弦波を有する圧力曲線が得られる。

圧力曲線に対して、別の波を、このような波がモータにより望まれるように定められるなら、使用することもできる。例えば、母親が鋭いピークを有する「鋸歯」圧力曲線を好むなら、単に前後のサイクル移動するようにピストン１１２のタイミングを変化させてピストン１１２が方向を変えるときに休止を最小にすることができる。また、例えば、母親が「角張った波」を好むなら、ピストンが方向変換する用意が整っているときにピストンを保持し、次いで急激に下り、上り戻る前にその位置を再度保持するようにピストン１１２のタイミングを変化させることができる。

ソフトウエア制御の使用により、波または圧力曲線の多くの選択に対処している。これにより、更に、１つの搾乳ポンプ１００に関して、融通性が変わるか、或いはより重要な選択をもたらす。対照的に、現代のポンプは圧力曲線の波を変化させる融通性を許容しないと言う欠点がある。

前記シリンダ１１３は差圧穴７５を有している。好ましくは、この差圧穴７５はシリンダ１１３の底面８０に沿って位置決めされている。差圧穴７５は、空気が正および負の圧力を発生させるために通る排気穴１０１３および供給管１１６より実質的に小さい。差圧穴７５は負の圧力の量と比較して正の圧力の量の変化を与える。差圧穴７５は真空ストロークの終わりに「損失」空気を与えるのに真空の高い範囲では効果的である。正の圧力ストロークでは、少量の空気が差圧穴７５を通して放出されるが、圧力レベルが高いとき、負の圧力ストロ−ク中、空気が導入される。

図１０を参照して説明すると、シリンダ１１３はゼロ抜き勾配シリンダとして形成されている。ピストン１１２の外径は、シリンダ内の量の空気を移動させて乳房に真空および圧力を生じるようにシリンダの内径ｄとシールをもたらしている。搾乳ポンプ１００は、ピストン１１２に対する干渉または抵抗を最小にしながら、適切なシールをもたらすように全長にわたって不変の内径ｄを有するシリンダ１１３を必要としている。代表的な射出成形された部品はシリンダ１１３の非一様な内径をもたらす抜き勾配を必要としている。

シリンダ１１３は好ましくは一様な内径ｄを有するゼロ抜き勾配シリンダとして成形されるが、より好ましくは、単一部片に成形される。図１０に示されるように、シリンダ１１３は１つの部片、すなわち、プラスチック射出成形部品である。２部品シリンダまたは切削シリンダは、単一部片のゼロ抜き勾配シリンダ１３３が解消する欠点を有している。２部品シリンダは端キャップに取付けられた押出し管を必要とし、２つの部品は溶接を使用して、或いは接着剤を使用して接合される。切削部品は代表的には金属管である。ゼロ抜き勾配の１部片シリンダにとっての利点のうちの１つは、このシリンダが射出成形可能であると言う点である。

図３ないし図１０を参照して説明すると、ボタンパッド１０５は使用者インターフェースまたは搾乳ポンプ１００用の制御機構である。ボタンパッド１０５は吸引および速度のレベルを増減するための１対の正および負のキーを有している。更に、パッド１０５はオン／オフスイッチを有している。

シリンダ１１３内のピストン１１２の往復前後運動により、搾乳ポンプ１００は単一のホースまたは管３５０を通して正の圧力および負の圧力の両方を婦人の乳房に供給する。この実施例は正および負の圧力を生じるのにピストン／シリンダ機構を使用しているが、別の圧力源を使用することもできる。このような変更実施例はより少ない部品を必要とするベローズ機構を有する。

図１１および図１２を参照すると、本発明の搾乳カップ４００が示されている。搾乳カップ４００の例が、本願とともに出願された「搾乳カップ」と題する同時出願中で共通所有の米国特許出願に開示されており、この出願の開示は参照によりここに組み入れられる。搾乳カップ４００は空気オリフィス５６０を持つハウジング５００と、可撓性挿入体６００と、ホルダ７００とを有している。ハウジング５００は剛性構造体であり、可撓性挿入体６００は可撓性構造体である。ハウジング５００はこれと挿入体との間に押し退け容積部５１０を形成するために挿入体６００と密封係合するようになっている。空気オリフィス５６０は押し退け容積部５１０と流体連通している。

搾乳ポンプ１００は、空気オリフィス５６０に連結されていて、シリンダ１１３と流体連通している空気管３５０を介して搾乳カップ４００と流体連通状態に設置されている。搾乳ポンプは搾乳カップ４００に正および負の圧力の両方を供給する。搾乳ポンプ１００により生じられた正および負の圧力により、空気は空気オリフィス５６０を通って流れて押し退け容積部５１０に出入りする。搾乳ポンプ１００に供給された正および負の圧力により、可撓性挿入体６００および特に押し退け容積部５１０は膨張したり収縮したりして使用者の乳房に往復する正および負の圧力を加える。

搾乳ポンプ１００および搾乳カップ４００は、空気オリフィス５６０に連結されている単一の空気管を介して正および負の圧力の両方を使用者の乳房に加えることができる。

押し退け容積部５１０に存在する容積は、好ましくは２２立方センチと５２立方センチメートルとの間であり、より好ましくは３２立方センチと４２立方センチメートルとの間である。膨張可能および収縮可能な押し退け容積部５１０は使用者の乳房に加えられることができる負の圧力の量に上限を与え、この上限は更に搾乳ポンプ１００の使用における安全特徴として役立つことができる。また、挿入体６００およびハウジング５００の密封係合は、使用者の乳房と搾乳ポンプとの間のバリアをもたらしていずれの母乳が空気管３５０または搾乳ポンプに入るのを防ぐ。

搾乳ポンプ装置の好適な実施の形態は使用者の乳房から流体分離している押し退け容積部５１０を有する搾乳カップ４００を使用しているが、搾乳ポンプ１００に対して、別の搾乳カップを使用することもできる。例えば、本発明の制御装置またはラック／ピニオン駆動機構のような他の種類の搾乳カップに対して、本発明の搾乳ポンプ装置の独特な特徴を使用することができる。

図１３を参照して説明すると、ｔーコネクタ３００は、使用者が第１のオリフィス３１０および第２のオリフィス３２０の使用により単一の搾乳カップ４００または２つの搾乳カップを利用し得る三角形の便である。搾乳ポンプ１００は入口３３０のところで空気管３５０を介してｔーコネクタ３００に連結される。ｔーコネクタ３００の単一割り弁形状が２重ポンピングに必要な管３５０の量を最小にする。ｔーコネクタ３００は、単一のポンピングを望むなら、第１または第２のオリフィス３１、３２０のいずれかを閉鎖するためのプラグ３４０を有している。好ましくは、このプラグ３４０は、第１または第２のオリフィス３１、３２０との係合を容易にするためにｔーコネクタ３００の外面につながれている。

図１４を参照すると、本発明の搾乳ポンプ装置による母乳を搾り出す方法が示されている。使用者は工程８００におけるように搾乳ポンプ１００をオンにすることにより搾乳操作を開始する。これにより、パワーを搾乳ポンプ１００に供給する（工程８１０）。次いで、使用者は工程８２０におけるように望まれるサイクル時間および吸引レベルを入力する。好適な実施例では、使用者はこれらのうちから５つのサイクル時間および吸引レベルを選択する。サイクル時間および吸引レベルはボタンパッド１０５の使用により入力される。

工程８３０において、ＰＣ板１２０がサイクル時間および吸引の使用者が入力したレベルに応じてモータ速度および目標のピストン移動距離を設定する。次いで、工程８４０におけるように、サイクル時間および吸引レベルが使用者に表示される。この実施例では、サイクル時間および吸引レベルはライト２２５により示され、点灯ライトの数はレベルに対応する。工程８５０において、モータ１２５が作動されてピストン１１２をシリンダ１１３の底部１７５に向けて移動させる。これにより、正の圧力を生じ、この圧力は空気管３５０により搾乳カップ４００に供給される。

工程８５５において、ホームスイッチがピストン１１２との接触によりトリガーされたかどうかを判断するためにＰＣ板がホームスイッチを監視する。工程８８０において、ホームスイッチがトリガーされたかどうかを判断する。ホームスイッチがトリガーされた場合、このスイッチは工程８７０におけるようにリセットされる。次いで、工程８８０において、モータ１２５が逆転されてピストン１１２をシリンダ１１３の頂部１８０に向けて移動させる。これにより、負の圧力を生じ、この圧力は空気管３５０により搾乳カップ４００に供給される。本発明の搾乳ポンプ装置の利点のうちの１つは、このポンプが同じ空気管３５０を通して正の圧力および負の圧力の両方を供給すると言う点である。これにより、清浄化を少なくし、使用者の操作を簡単化する。

使用者により入力されるときの適切な吸引量を与えるために、光センサ１２１は工程８９０におけるようにラック開口部５０の数を数える。工程９００において、ＰＣ板１２０は、数えられたラック開口部５０の数が使用者により入力されたときの目標のピストン移動距離と同等であるかどうかを判断する。工程９１０において、搾乳ポンプ１００がまだ「オン」であるかどうかが判断される。搾乳ポンプ１００が停止された場合、工程９１５におけるように、ポンピング操作が終わる。

工程９２０において、使用者が新たなサイクル時間または吸引レベルを入力したかどうかが判断される。新たなサイクル時間または吸引レベルが入力された場合、ＰＣ板１２０が使用者により入力されたサイクル時間または吸引レベルに応じてモータ速度および目標のピストン移動距離を設定して工程８３０に戻り、前記工程を繰返す。使用者が新たなサイクル時間または吸引レベルを入力しなかった場合、モータは再び逆転されてピストン１１２をシリンダ１１３の底部１７５に向けて移動させる。これにより、正の圧力を生じ、この圧力は空気管３５０により搾乳カップ４００に供給される。この方法は、搾乳ポンプ１００が停止されるまで、搾乳ポンプ１００が正の圧力、次いで負の圧力を搾乳カップ４００に供給している状態で継続する（工程９１０）。

本発明の搾乳ポンプ装置は、多数の構成要素を有しており、使用者が旅行しているときのような遠隔位置において使用されることができる。種々の構成要素は使用容易のためにバッグ装置内に配置されることができる。このようなバッグ装置ならびにこのような装置の構成要素の例は、本願と共に出願された「バッグ装置」と題する同時出願中で共通に所有された米国特許出願に開示されており、この出願の開示は参照によりここに組み入れられる。

かくして、本発明をその好適な形態についで説明したが、添付の請求項に定められる本発明の精神および範囲を逸脱することなしに種々の変形例および変更例を行うことができることは明らかである。

１００…搾乳ポンプ、４００…搾乳カップ

Claims (7)

1. 乳房から母乳を搾り出すための搾乳ポンプであって、
   正の圧力および負の圧力を発生させるための圧力源と、
   前記圧力源に作動可能に連結された制御装置とを具備しており、
   前記制御装置は、前記正および負の圧力を調整し、前記制御装置は、少なくとも部分的に波信号に基づいて、前記乳房への前記正および負の圧力の付加の間、サイクル時間を調整し、この波信号は、圧力対時間の非正弦波である、搾乳ポンプ。
2. 前記制御装置は、使用者インターフェースを有しており、所望のサイクル時間が前記使用者インターフェースに入力され、前記所望のサイクル時間は、前記使用者インターフェースから前記制御装置に伝送され、前記制御装置は、前記サイクル時間を前記所望のサイクル時間に対応するように調整する、請求項１に記載のポンプ。
3. 前記制御装置は、使用者インターフェースを有しており、前記正または負の圧力の所望レベルが前記使用者インターフェースに入力され、前記制御装置は、前記使用者インターフェースから伝送された信号に応じて前記正または負の圧力を調整する、請求項１に記載のポンプ。
4. 前記制御装置により、使用者は複数の波信号から選択可能である、請求項１ないし３のいずれか１に記載のポンプ。
5. 使用者インターフェースを更に具備しており、所望の波信号が前記使用者インターフェースに入力され、前記所望の波信号は、前記使用者インターフェースから前記制御装置に伝送され、前記制御装置は、前記波信号を前記所望の波信号に対応するように調整する、請求項１に記載のポンプ。
6. 乳房から母乳を搾り出すための搾乳ポンプであって、
   正および負の圧力を発生させるための圧力源と、
   前記正および負の圧力を前記乳房に加えるための、前記圧力源と流体連通している搾乳カップと、
   前記圧力源に作動可能に連結された制御装置とを具備しており、
   前記制御装置は、前記正および負の圧力を調整し、前記乳房への前記正および負の圧力の付加の間、サイクル時間を調整し、前記制御装置は、前記正および負の圧力および前記サイクル時間に応じて波信号を発生させ、この波信号に応じて前記圧力源を制御する、搾乳ポンプ。
7. 使用者インターフェースを更に具備しており、所望の波信号が前記使用者インターフェースに入力され、前記所望の波信号は、前記使用者インターフェースから前記制御装置に伝送され、前記制御装置は、前記波信号を前記所望の波信号に対応するように調整する、請求項６に記載のポンプ。

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