JP2009144014A - ポリカーボネートからなる車両用ランプレンズ - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネートからなる車両用ランプレンズ。
[3] 前記ポリカーボネートが、更に脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載の車両用ランプレンズ。
[4] 前記ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が100:0〜45:55の範囲であることを特徴とする[3]に記載の車両用ランプレンズ。
[5] 前記ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が90:10〜50:50の範囲であることを特徴とする[3]に記載の車両用ランプレンズ。
[6] 前記ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が85:15〜65:35の範囲であることを特徴とする[3]に記載の車両用ランプレンズ。
酸化分解物を含まないイソソルビドを得るために、必要に応じてイソソルビドを蒸留しても良い。また、イソソルビドの酸化や、分解を防止するために安定剤が配合されている場合も、必要に応じて、イソソルビドを蒸留しても良い。この場合、イソソルビドの蒸留は単蒸留であっても、連続蒸留であっても良く、特に限定されない。雰囲気はアルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気にした後、減圧下で蒸留を実施する。
このようなイソソルビドの蒸留を行うことにより、本発明では蟻酸含有量が20ppm未満、更に10ppm以下、特に5ppm以下であるような高純度のイソソルビドを用いることが好ましい。
ウベローデ型粘度計を用い、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶液を用い、濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した。この数値が高いほど分子量が大きい。
示差走査熱量計(メトラー社製「DSC822」)に試料約10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS K 7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた折線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度Tgを求めた。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片を射出成形し、深さ1.2mmのノッチをノッチングマシンで付け、試験片とした。
この試験片について、カスタム・サイエンティフィック社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機「CS−183TI型」を用いて、23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。この数値が大きいほど、耐衝撃強度が大きく、割れにくいことを示す。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を射出成形し、コーテック社製引っかき硬度(鉛筆法)試験器を用いて、JIS K5600-5-4に準拠して、鉛筆硬度を6B〜6Hの範囲で測定した。6Bは表面硬度が低く、6Hは表面硬度が高いことを示す。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、射出成形した長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を、三重県四日市市三菱化学(株)四日市事業所内で南面45度の傾斜面に設置して、2006年1月中旬〜10月中旬まで耐候変色試験を実施した。その試験前後の試験片に対して、日本電色工業社製分光式色差計SE−2000を用いて色差ΔEを測定した。ΔEが小さいほど、変色が小さいことを示している。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を射出成形し、UL−94規格 水平燃焼性試験(HB)に準拠して測定した。ただし、試験片の片方の端に試験炎を30秒間あてて取り去る方法での燃焼状況の確認を行った。試験片全体に燃え広がらずに、鎮火すれば自消性材料と判断される。燃え広がれば易燃焼性と判断される。
(7)蟻酸の定量
イソソルビド0.5gを50mlメスフラスコに採取して純水で定容した。溶液中のギ酸濃度をイオンクロマトグラフで測定した。イオンクロマトグラフでの測定は、上記溶液を100μlサンプルループに注入し、標準試料とリテンションタイムの一致するピークをギ酸として、ピーク面積から絶対検量線法で定量した。なお、標準試料にはギ酸ナトリウム水溶液を用いた。
イオンクロマトグラフは、Dionex社製のDX−500型を用い、検出器には電気伝導度検出器を用いた。測定カラムとして、ガードカラムにAG-15、分離カラムにAS-15を用い、溶離液濃度は10mM-NaOHとした。流速は1.2ml/minで、恒温槽温度は、35℃とした。
サプレッサーには、メンブランサプレッサーを用い、再生液には25mM-H2SO4を用いた。
イソソルビド(ロケットフルーレ社製)27.7重量部(0.516モル)に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製、以下「1,4−CHDM」と略記する。)13.0重量部(0.221モル)、ジフェニルカーボネート(三菱化学社製、以下「DPC」と略記する。)59.2重量部(0.752モル)、および触媒として、炭酸セシウム(和光純薬社製)2.21×10−4重量部(1.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
実施例1において、イソソルビド19.7重量部(0.363モル)、1,4−CHDM21.6重量部(0.404モル)、DPC58.8重量部(0.741モル)、触媒として、炭酸セシウム2.19×10−4重量部(1.82×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、イソソルビド35.9重量部(0.674モル)、1,4−CHDM4.4重量部(0.083モル)、DPC59.7重量部(0.764モル)、触媒として、炭酸セシウム2.22×10−4重量部(1.87×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、イソソルビド40.1重量部(0.581モル)に対して、DPC59.9重量部(0.592モル、触媒として、炭酸セシウム2.23×10−4重量部(1.45×10−6モル)をに変更した以外は、同様に実施した。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、イソソルビド15.7重量部(0.288モル)に対して、1,4−CHDM25.8重量部(0.480モル)、DPC58.6重量部(0.734モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.18×10−4重量部(1.80×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られた結果を表1に示す。
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS2000)について、上記記載の評価方法により、還元粘度、ガラス転移温度、アイゾット衝撃値、鉛筆硬度、燃焼性、および耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
ポリアクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリペットMF)について、上記記載の評価方法により、還元粘度、ガラス転移温度、アイゾット衝撃値、鉛筆硬度、燃焼性、および耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
1)ポリカーボネート樹脂は、車両用ランプレンズ材料としてガラス転移温度、耐衝撃強度は充分過ぎる特性を有している。しかし鉛筆硬度はBと低く、また耐候変色性は大きく、また燃焼時に黒煙を発生するなどの問題がある。一方アクリル樹脂は鉛筆硬度は2Hと十分な特性であり、また変色は少ないが、ガラス転移温度、耐衝撃性は目標下限以下の数値であり、燃焼性が易燃焼性である。
2)実施例1および2のイソソルビドと1,4−CHDMの配合比率が68/32および47/53のポリカーボネートはガラス転移温度、耐衝撃強度は車両用ランプレンズ用には十分であり、鉛筆硬度、耐候変色性はアクリル樹脂に近い特性である。また、自消性であり、さらには白煙で視界を妨げにくい。以上のように車両用ランプレンズ用には極めて良好な特性である。
3)イソソルビドと1,4−CHDMの配合比率が89/11並びに100/0である実施例3および4はガラス転移温度がポリカーボネート樹脂に近くなり、鉛筆硬度、耐候変色は優れており、耐衝撃性がアクリル樹脂に近くなるが、ガラスなどよりは高く、車両用ランプレンズとして充分使用可能である。
4)イソソルビドと1,4−CHDMの配合比率が37/63の実施例5は、ガラス転移温度がアクリル樹脂並であり、発熱が激しいハロゲンランプに対して充分な耐熱性を示すことができないが、リヤーランプやルームランプなどには充分な耐熱性を有している。
5)上述したように本発明のポリエステル共重合体は、車両用ランプレンズのさまざまな特性をクリアーしており、優れた車両用ランプレンズとして使用可能である。
Claims (6)
- 前記ポリカーボネートのガラス転移温度が100℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプレンズ。
- 前記ポリカーボネートが、更に脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ランプレンズ。
- 前記ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が100:0〜45:55の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の車両用ランプレンズ。
- 前記ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が90:10〜50:50の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の車両用ランプレンズ。
- 前記ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が85:15〜65:35の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の車両用ランプレンズ。
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