JP2012107200A - 樹脂組成物、並びにこれを成形して得られるフィルム、プレート及び射出成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明の目的は、このような従来技術の課題に鑑み、難燃性、耐衝撃性、耐熱性の全てに優れた樹脂組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、下記の樹脂組成物に関する。
〔1〕 構造の一部に下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むポリカーボネート樹脂(A)と、リンと窒素を含む難燃剤(B)とを含有する樹脂組成物であって、JIS K7110に基づき該樹脂組成物から作製した試験片のアイゾット衝撃強度が5.0kJ/m2以上であり、該樹脂組成物を成形して得られる厚さ3.0mmの成形体のUL94垂直燃焼試験における判定がV−0である樹脂組成物。
〔2〕 前記樹脂組成物を成形して得られる厚さ2.0mmの成形体のUL94垂直燃焼試験における判定がV−0である、上記〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕 前記樹脂組成物を成形して得られる厚さ1.0mmの成形体のUL94垂直燃焼試験における判定がV−0である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕 前記ジヒドロキシ化合物が、下記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1に記載の樹脂組成物
〔6〕 前記ポリカーボネート樹脂(A)中に前記構造単位(a)を60モル%以下含有する、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1に記載の樹脂組成物。
〔7〕 前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記難燃剤(B)の混合物中に占める前記難燃剤(B)の割合が35質量%以上、60質量%以下である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1に記載の樹脂組成物。
〔8〕 前記難燃剤(B)中におけるリン含有量が20質量%以上、35質量%以下であり、かつ窒素含有量が10質量%以上、25質量%以下である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1に記載の樹脂組成物。
〔9〕 前記ポリカーボネート樹脂(A)がさらに、シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位(b)を含む、上記〔1〕〜〔8〕のいずれか1に記載の樹脂組成物。
〔10〕 前記ポリカーボネート樹脂(A)中に前記構造単位(b)を40モル%以上、80モル%以下含有する、上記〔9〕に記載の樹脂組成物。
〔11〕 芳香族ポリカーボネート樹脂(C)をさらに含有し、ガラス転移温度が単一であり、かつ、該ガラス転移温度が前記ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度以上、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)のガラス転移温度以下の範囲にある上記〔1〕〜〔10〕のいずれか1に記載の樹脂組成物。
〔12〕 前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記難燃剤(B)と前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)の混合物中に占める前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)の割合が、5質量%以上、50質量%以下である上記〔11〕に記載の樹脂組成物。
〔13〕 上記〔1〕から〔12〕のいずれか1に記載の樹脂組成物を成形して得られるフィルム。
〔14〕 上記〔1〕から〔12〕のいずれか1に記載の樹脂組成物を成形して得られるプレート。
〔15〕 上記〔1〕から〔12〕のいずれか1に記載の樹脂組成物を成形して得られる射出成形品。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、樹脂組成物を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、樹脂組成物の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)としては、構造の一部に下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むポリカーボネート樹脂が用いられる。
すなわち、前記ジヒドロキシ化合物は、二つのヒドロキシル基と、更に前記式(1)の部位を少なくとも含むものを言う。
構造の一部に前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物の主成分としては、分子内に式(1)で表される構造を有していれば特に限定されるものではないが、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等、側鎖に芳香族基を有し、主鎖に芳香族基に結合したエーテル基を有する化合物や、下記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物および下記式(3)で表されるスピログリコール等で代表される環状エーテル構造を有するジヒドロキシ化合物が挙げられる。これらのなかでも環状エーテル構造を有するジヒドロキシ化合物が好ましく、環状エーテル構造を有するジヒドロキシ化合物のなかでも特に式(2)で表されるような無水糖アルコールが好ましい。より具体的には、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。また、下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン(慣用名:スピログリコール)、3,9−ビス(1,1−ジエチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ジプロピル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンなどが挙げられる。
前記の中でも工業的に入手が容易であり、植物原料由来であるイソソルビドを用いることが最も好ましく、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)中に占める前記構造単位(a)の割合は、60モル%以下であることが好ましく、55モル%以下であることがさらに好ましく、50モル%以下であることが特に好ましい。また、下限値については20モル%以上であることが好ましく、25モル%以上であることがさらに好ましく、30モル%以上であることが特に好ましい。
さらに、本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)は、前記構造単位(a)以外の構造単位を含むこともでき、例えば、国際公開第2004/111106号パンフレットに記載の脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位や、国際公開第2007/148604号パンフレットに記載の脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を挙げることができる。
前記脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の中でも、5員環構造又は6員環構造を含むものであることが好ましい。6員環構造は共有結合によって椅子形又は舟形に固定されていてもよい。5員環構造又は6員環構造である脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むことにより、得られる樹脂の耐熱性を高くすることができる。脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数は通常70以下であり、好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
有することが好ましい。なお、シクロヘキサンジメタノールの中でも、工業的に入手が容易である1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
ガラス転移温度が75℃以上であれば、本発明の樹脂組成物に耐熱性を付与出来るため好ましい。また、ガラス転移温度が140℃以下であれば、本発明の樹脂組成物の耐衝撃性を損なうことが無いため好ましい。
本発明に用いる難燃剤(B)としては、リンと窒素を含むことが重要である。リンと窒素を同時に含むことにより、本発明の樹脂組成物の難燃性を特に向上することが可能となる。
中でも前記難燃剤(B)において、リン含有量が20質量%以上、35質量%以下、窒
素含有量が10質量%以上、25質量%以下であることが好ましい。リン含有量のより好ましい範囲としては22質量%以上、33質量%以下であり、さらに好ましい範囲としては25質量%以上、30質量%以下であり、窒素含有量のより好ましい範囲としては、12質量%以上、23質量%以下、さらに好ましい範囲としては、15質量%以上、20質量%以下である。
なお、前記難燃剤(B)は単一の化合物、あるいは、複数の化合物の混合物のどちらでも構わない。
また、前記難燃剤(B)には表面処理を施すことができる。表面処理の種類としては、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、アミノシラン、イソシアネートシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、高級脂肪酸、あるいは、メラミン樹脂等のポリマーを用いることができる。前記難燃剤(B)に表面処理を施すことにより、前記ポリカーボネート樹脂(A)への分散性を向上することができる。
<芳香族ポリカーボネート樹脂(C)>
本発明の樹脂組成物の耐熱性や機械特性をさらに向上するために、芳香族ポリカーボネート樹脂(C)を配合することができる。なお、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)は、ホモポリマー及びコポリマーのいずれであってもよい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂(C)は、分岐構造であっても、直鎖構造であってもよいし、さらに分岐構造と直鎖構造との混合物であってもよい。
エステル交換法は、2価フェノールと炭酸ジエステルとを塩基性触媒、さらにはこの塩基性触媒を中和する酸性物質を添加し、溶融エステル交換縮重合を行う製造方法である。
2価フェノールの代表例としては、ビスフェノール類が挙げられ、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、すなわちビスフェノールAが好ましく用いられる。また、ビスフェノールAの一部又は全部を他の2 価フェノールで置き換えてもよい。他の
2価フェノールとしては、ハイドロキノン、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンや1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル) スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルフォキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなアルキル化ビスフェノール類、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を挙げることができる。
<樹脂組成物のガラス転移温度>
前記ポリカーボネート樹脂(A)と、前記難燃剤(B)に加えて、さらに前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)を含有する場合の本発明の樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」ともいう)は、ガラス転移温度が単一となる特徴を有する樹脂組成物である。
また、上記動的粘弾性測定のほか、示差走査熱量測定などによってもガラス転移温度が単一であることを確認することができる。具体的には、JIS K7121(1987年)に準じて、加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いてガラス転移温度を測定した際に、ガラス転移温度を示す変曲点が1つだけ現れるものであるということもできる。
本樹脂組成物のガラス転移温度は、上記の動的粘弾性の温度分散測定により測定される
損失正接(tanδ)の主分散のピーク値を示す温度で表されるものである。すなわちこれが単一であるということから、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)とは相溶性に優れているということができる。さらに、該ガラス転移温度は前記ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度以上、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)のガラス転移温度以下の範囲に現われる。よって、本樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性に優れているだけでなく、透明性にも優れた樹脂組成物である。
[熱安定剤]
本発明の樹脂組成物には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤を配合することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル) ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)
オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル) ペンタエリスリトールジホスファイト
、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。なかでも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびベンゼンホスホン酸ジメチルが好ましく使用される。 これらの熱安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
前記熱安定剤の配合量は、本発明の樹脂組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上、1質量%以下の割合で配合することが好ましく、0.0005質量%以上、0.5質量%以下の割合で配合することがより好ましく、0.001質量%以上、0.2質量%以下の割合で配合することがさらに好ましい。かかる範囲で熱安定剤を配合することにより、添加剤のブリード等を生じることなく樹脂の分子量低下や変色を防止することができる。
また、本発明の樹脂組成物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を配合することができる。かかる酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3
−メルカプトプロピオネート) 、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオ
プロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の1種又は2種以上が挙げられる。前記酸化防止剤の配合量は、本発明の樹脂組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上、1質量%以下の割合で配合することが好ましく、0.0005質量%以上、0.5質量%以下の割合で配合することがより好ましく、0.001質量%以上、0.2質量%以下の割合で配合することがさらに好ましい。かかる範囲で酸化防止剤を配合することにより、酸化防止剤のブリード、樹脂組成物からなる各種成形品の機械特性低下を生じることなく、樹脂の酸化劣化を防止することができる。
また、本発明の樹脂組成物に対して表面滑性の付与を目的として、滑剤を配合することができる。前記滑剤としては、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基および/ また
はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
ルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。中でも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。高級脂肪酸としては、炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。これらの滑剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。前記滑剤の配合量は、本発明の樹脂組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上、1質量%以下の割合で配合することが好ましく、0.0005質量%以上、0.5質量%以下の割合で配合することがより好ましく、0.001質量%以上、0.2質量%以下の割合で配合することがさらに好ましい。かかる範囲で滑剤を配合することにより、滑剤のブリード、樹脂組成物からなる各種成形品の機械特性低下を生じることなく、樹脂組成物に表面滑性を付与す
ることができる。
また、本発明の樹脂組成物の耐候性をさらに向上する目的で、紫外線吸収剤、光安定剤を配合することができる。かかる紫外線吸収剤、光安定剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(3−t
ert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。紫外線吸収剤の融点としては、特に120〜250℃の範囲にあるものが好ましい。融点が120℃ 以上の紫外線吸収剤を使用すると、成形品表面のガスによる曇りが減少し改善
される。具体的には、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2 '−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル) −5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−(3",4",5",6"−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5'−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレン
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−
2−イル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が使用され、これらのうちでも、特に、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチ
レンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) −6−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)フェノールが好ましい。これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、1種を単
独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。 前記紫外線吸収剤、光安定剤の配合量
は、本発明の樹脂組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上、1質量%以下の割合で配合することが好ましく、0.0005質量%以上、0.5質量%以下の割合で配合することがより好ましく、0.001質量%以上、0.2質量%以下の割合で配合することがさらに好ましい。かかる範囲で紫外線吸収剤、光安定剤を配合することにより、紫外線吸収剤、光安定剤のブリード、樹脂組成物からなる各種成形品の機械特性低下を生じることなく、樹脂組成物の耐候性を向上することができる。
さらに、本発明の樹脂組成物の耐加水分解性をさらに向上するため、エポキシ系化合物を配合することができる。エポキシ系化合物の具体例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポ
キシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、2,3−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4−(3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシル) ブチル−3',4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキシルメチルー3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6'−メチルシロヘキシルカルボキシレート、ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス−エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス−エポキシエチレングリコール、ビス−エポキシシクロヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4−ジメチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3,5−ジメチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3−メチル−5−t−ブチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、オクタデシル−2
,2−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N−ブチル−2,2−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル−2−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N−ブチル−2−イソプロピル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、オクタデシル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−エチルヘキシル−3',4'−
エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,6−ジメチル−2,3−エポキシシクロヘキシル−3',4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5−エポキシ無水
テトラヒドロフタル酸、3−t−ブチル−4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキシルジカルボキシレート、ジ−N−ブチル−3−tブチル−4,5−エポキシ-シス−1,2−シクロヘキシルジカルボ
キシレートなどが挙げられる。ビスフェノールAジグリシジルエーテルが相溶性などの点から好ましい。前記エポキシ系化合物の配合量としては、本発明の樹脂組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上、5質量%以下の割合で配合することが好ましく、0.001質量%以上、1質量%以下の割合で配合することがより好ましく、0.005質量%以上、0.5質量%以下の割合で配合することがさらに好ましい。かかる範囲でエポキシ系化合物を配合することにより、エポキシ系化合物のブリード、樹脂組成物からなる各種成形品の機械特性低下を生じることなく、樹脂組成物の耐加水分解性を向上することができる。
<樹脂組成物の用途>
本発明の樹脂組成物は、フィルム、プレート、または、射出成形品等に成形することができる。具体的には、前記ポリカーボネート樹脂(A)、前記難燃剤(B)及び、必要に応じて前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)やその他の樹脂、添加剤等の原料を直接混合し、押出機或いは射出成型機に投入して成形するか、または、前記原料を二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作成した後、このペレットを押出機或いは射出成型機に投入して成形する方法を挙げることができる。いずれの方法においても、前記ポリカーボネート樹脂(A)の加水分解による分子量の低下を考慮する必要があり、均一に混合させるためには後者を選択するのが好ましい。そこで、以下後者の製造方法について説明する。
フィルム及びプレートの成形方法としては、ロール延伸、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法のほか、フィルムやプレートの成形方法として一般的なTダイキャスト法、プレス法などを採用することができる。
、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明の樹脂組成物は難燃性に優れており、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験の手順に基づき実施した燃焼試験の判定基準において、V−0を達成することができる。
かかる基準を達成するためには、前記難燃剤(B)におけるリン含有量と窒素含有量や、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記難燃剤(B)の混合物中に占める前記難燃剤(B)の割合などを本明細書に記載の範囲内に設定する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
荷重たわみ温度を65℃以上とするためには、前記ポリカーボネート樹脂(A)に占める前記構造単位(b)の割合や、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記難燃剤(B)の混合物中に占める前記難燃剤(B)の割合などを本明細書に記載の範囲内に設定する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
なお、本明細書中に表示される原料及び試験片についての種々の測定値及び評価は次の様にして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
(1)還元粘度
中央理化社製DT−504型自動粘度計にてウベローデ型粘度計を用い、溶媒として、塩化メチレンを用い、温度20.0℃±0.1℃でポリカーボネート樹脂試料の還元粘度を測定した。濃度は0.60g/dlになるように、精密に調整した後に測定した。
ηrel=t/t0
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求めた。
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求めた。この数値が高いほど分子量が大きい。
(2)難燃性(UL94垂直燃焼試験)
長さ135.0mm×幅13.0mm×厚さ(1.0mm・2.0mm・3.0mm)の試験片を用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験の手順に基づき、n=5にて燃焼試験を実施した。UL94垂直燃焼試験(UL94V)の判定基準に基づき、V−0規格に準ずるものを合格とした。
JIS K7110(1999年)に基づいて2号A試験片(ノッチ付き、長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4.0mm)を作製し、東洋精機製作所製JISL−Dを用いて23℃におけるアイゾット衝撃強度の測定を行った。アイゾット衝撃強度が5.0kJ/m2以上のものを合格とした。
JIS K7191(2007年)に基づいて長さ120.0mm×幅11.0mm×厚さ3.0mmの試験片を作成し、東洋精器社製S−3Mを用いて荷重たわみ温度の測定を行った。測定は、エッジワイズ方向、試験片に加える荷重0.45MPaの条件で行った。荷重たわみ温度が65℃以上を合格とした。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
<(A)−1>
イソソルビドに由来する構造単位/1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位=30/70(モル%)の比率で溶融重合法により共重合されてなる、ポリカーボネート樹脂(ガラス転移温度=80℃、還元粘度=0.56dl/g)
<(A)−2>
イソソルビドに由来する構造単位/1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位=50/50(モル%)の比率で溶融重合法により共重合されてなる、ポリカーボネート樹脂(ガラス転移温度=101℃、還元粘度=0.57dl/g)
<(A)−3>
イソソルビドに由来する構造単位/1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位=70/30(モル%)の比率で溶融重合法により共重合されてなる、ポリカーボネート樹脂(ガラス転移温度=120℃、還元粘度=0.56dl/g)
[難燃剤(B)]
<(B)−1>
鈴裕化学社製ファイアカットP−770(ポリリン酸アンモニウムとトリアジン系化合物の混合物、リン含有量=24質量%、窒素含有量=17質量%)
<(B)−2>
クラリアント社製エクソリットOP930(ジエチルホスフィン酸アルミニウム、リン含有量=23質量%、窒素含有量=0質量%)
[芳香族ポリカーボネート樹脂(C)]
<(C)−1>
三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「ユーピロンS3000」(ガラス転移温度=150℃、還元粘度 0.49dl/g)
(実施例1−1)
(A)−1、及び、(B)−1を混合質量比60:40の割合でドライブレンドした後、三菱重工製40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて230℃でコンパウンドし、ペレットを作製した。得られたペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ1.0mmの試験片、アイゾット衝撃強度の評価用として、長さ64.0mm×幅12.7mm×厚さ4mmの試験片、荷重たわみ温度の評価用として、長さ120mm×幅11mm×厚さ3mmの試験片を射出成形した。得られた試験片を用いて、難燃性、アイゾット衝撃強度、及び、荷重たわみ温度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
実施例1−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
(A)−1、及び、(B)−1の混合質量比を50:50とした以外は実施例1−1と同様の方法でペレットを作製した。次いで、実施例1−1と同様の方法で試験片の作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2−2)
実施例2−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
実施例2−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
(A)−2、及び、(B)−1を混合質量比60:40の割合でドライブレンドした後、実施例1−1と同様の方法でペレットを作製した。次いで、射出成形時の金型温度を約90℃とした以外は実施例1−1と同様の方法で試験片の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約90℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
実施例3−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約90℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比40:40:20の割合でドライブレンドした後、実施例1−1と同様の方法でペレットを作製した。次いで、射出成形時の金型温度を約80℃とした以外は実施例1−1と同様の方法で試験片の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約80℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
実施例4−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約80℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
(A)−1、及び、(B)−1の混合質量比を30:70とした以外は実施例1−1と同様の方法でペレットを作製した。次いで実施例1−1と同様の方法で試験片の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1−2)
比較例1−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
比較例1−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得ら
れる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
(A)−2、及び、(B)−1の混合質量比を70:30とした以外は実施例3−1と同様の方法で試験片の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2−2)
比較例2−1で得られたペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約90℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形した。前記成形品の難燃性は規格外、すなわち試験片は燃焼した。
比較例2−1で得られたペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約90℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形した。前記成形品の難燃性は規格外、すなわち試験片は燃焼した。
(A)−3、及び、(B)−1を混合質量比60:40の割合でドライブレンドした後、実施例1−1と同様の方法でペレットを作製した。次いで、射出成形時の金型温度を約110℃とした以外は実施例1−1と同様の方法で試験片の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約110℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
比較例1−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約110℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−0であると推定される。
難燃剤として、(B)−1に替えて(B)−2を用い、(A)−1、及び、(B)−2を混合質量比60:40の割合でブレンドした以外は実施例1−1と同様の方法で試験片の作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4−2)
比較例4−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ2.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−2であると推定される。
比較例4−1で得られるペレットを東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用い、シリンダー温度230℃、金型温度約70℃の条件にて、難燃性の評価用として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3.0mmの試験片を射出成形して得られる成形品の難燃性は、V−2であると推定される。
Claims (15)
- 前記樹脂組成物を成形して得られる厚さ2.0mmの成形体のUL94垂直燃焼試験における判定がV−0である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物を成形して得られる厚さ1.0mmの成形体のUL94垂直燃焼試験における判定がV−0である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度が75℃以上、140℃以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A)中に前記構造単位(a)を60モル%以下含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記難燃剤(B)の混合物中に占める前記難燃剤(B)の割合が35質量%以上、60質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記難燃剤(B)中におけるリン含有量が20質量%以上、35質量%以下であり、かつ窒素含有量が10質量%以上、25質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A)がさらに、シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位(b)を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A)中に前記構造単位(b)を40モル%以上、80モル
%以下含有する、請求項9に記載の樹脂組成物。 - 芳香族ポリカーボネート樹脂(C)をさらに含有し、ガラス転移温度が単一であり、かつ、該ガラス転移温度が前記ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度以上、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)のガラス転移温度以下の範囲にある請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記難燃剤(B)と前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)の混合物中に占める前記芳香族ポリカーボネート樹脂(C)の割合が、5質量%以上、50質量%以下である請求項11に記載の樹脂組成物。
- 請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形して得られるフィルム。
- 請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形して得られるプレート。
- 請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形して得られる射出成形品。
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