JP2009122563A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加圧手段によって圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する2つのローラ部材と、2つのローラ部材のうち一方のローラ部材の軸部31aに係合してそのローラ部材に駆動力を伝達する駆動ギア63と、を備える。駆動ギア63にはキー63aが形成されて、軸部31aには隙間をあけたキー溝31a1が形成されていて、ローラ部材の回転速度が増加したときに、駆動ギア63から軸部31aへの駆動力の伝達を中断して駆動ギア63が軸部31a上を摺動するように構成している。
【選択図】図5
Description
図1〜図8にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は定着装置20を示す構成図であり、図3は定着装置20を示す斜視図である。図4は、定着装置20のギア列61〜63を示す側面図である。また、図5は駆動ギア63の動作を示す図であり、図6は加圧ローラ31に永久歪みが生じたときの図である。図7は、実験結果を示すグラフである。図8は、駆動ギア63の近傍を示す図である。
ここで、ローラ部材としての定着ローラ21は、図2中の矢印方向に回転する薄肉の円筒体であって、その円筒体の内部には加熱手段としてのヒータ25(熱源)が固設されている。定着ローラ21は、芯金22上に、弾性層23、離型層24が順次積層された多層構造体であって、もう1つのローラ部材としての加圧ローラ31に圧接してニップ部を形成する。定着ローラ21の外径は35mmに設定されている。
また、定着ローラ21の弾性層23としては、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料が用いられる。
また、定着ローラ21の離型層24としては、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等を用いることができる。定着ローラ21の表層に離型層24を設けることにより、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保されることになる。
そして、加圧ローラ31は、加圧手段としてのスプリング50の付勢力によって定着ローラ21に圧接する。こうして、2つのローラ部材(加圧ローラ31と定着ローラ21とである。)の間に、所望のニップ部(定着ニップ部)が形成される。本実施の形態1では、ニップ部のニップ幅が6mm程度に設定されている。
また、定着ローラ21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板38が配設されている。分離板38は、定着工程後の記録媒体Pが定着ローラ21の回転に沿って定着ローラ21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、定着ローラ21及び加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ニップの位置で記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ローラ21及び加圧ローラ31のニップ部(定着ニップ部)に送入される。そして、定着ローラ21による加熱と、定着ローラ21及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ローラ21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
図5を参照して、本実施の形態1における定着装置は、加圧ローラ31の回転速度が増加したときに、駆動ギア63から軸部31aへの駆動力の伝達を中断して、駆動ギア63が軸部31a上を摺動するように構成している。
具体的に、駆動ギア63の内径部には、回転中心に向かって突出するキー63aが形成されている。また、加圧ローラ31の軸部31aには、キー63aに係合可能に形成されたキー溝31a1が設けられている。ここで、キー63aとキー溝31a1とは、回転方向に所定の間隙が形成されている。すなわち、キー63aとキー溝31a1とは、隙間なく当接して係合しているのではなく、回転方向の片側のみ当接して係合することになる(図5(A)の状態である。)。
ここで、加圧ローラ31の回転速度が一時的に増加する現象は、定着ローラ21及び加圧ローラ31(2つのローラ部材)が圧接した状態で長時間放置されて、加圧ローラ31のニップ部に対応する位置に平面状の永久歪みA(図6を参照できる。)が生じてしまった場合に生じる。
図7に関わる実験は、加圧ローラに永久歪みを生じさせた状態で、定着装置における駆動ギア63の衝突音の程度を確認したものである。図7において、横軸は時間を示し、縦軸は衝突音の振幅を示す。また、図7において、「実施例」は本実施の形態1における定着装置20(キー63aの回転方向長さを4mm、キー溝31a1の回転方向長さを6mmに設定している。)を用いたときの実験結果であって、「比較例」はキーとキー溝とを隙間なく係合させた定着装置(キー63aの回転方向長さを4mm、キー溝31a1の回転方向長さを4mmに設定している。)を用いたときの実験結果である。
図7の実験結果から、比較例では大きな衝突音が生じているのに対して、実施例では大きな衝突音が生じていないことがわかる(比較例の1/3以下の振幅になっている。)。
このような構成により、加圧ローラ31の回転速度が増加したときに、駆動ギア63と止め輪67との間に大きな摩擦抵抗が生じることなく、駆動ギア63が軸部31a上をスムーズに摺動することになる。したがって、上述した効果が確実に達成されることになる。
このような構成により、加圧ローラ31の回転速度が増加して駆動ギア63がアイドラギア72に衝突してしまっても、その衝撃によりアイドラギア72がスラスト方向に移動して止め輪68に衝突して異常音が生じる不具合を抑止することができる。
図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図9は、実施の形態2における定着装置の駆動ギアの近傍を示す図である。前記実施の形態1における図8に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、駆動ギア63にピン63bが設置されて軸部31aに長穴31a2が形成されている点が、駆動ギア63にキー63aが設置されて軸部31aにキー溝31a1が形成されている前記実施の形態1のものとは相違する。
また、加圧ローラ31の軸部31aには、ピン63bに係合可能に形成された長穴31a2が設けられている。ここで、ピン63bと長穴31a2とは、回転方向に所定の間隙が形成されている。すなわち、ピン63bと長穴31a2とは、隙間なく当接して係合しているのではなく、回転方向の片側のみ当接して係合することになる(図9(A)の状態である。)。
これに対して、加圧ローラ31(軸部31a)の回転速度が増加したときには、ピン63bと長穴31a2との係合が一時的に解除されて、駆動ギア63が軸部31a上を相対的に摺動する。これにより、駆動ギア63から軸部31aへの駆動力の伝達が中断される(図9(B)の状態である。)。
20 定着装置、
21 定着ローラ(ローラ部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(ローラ部材)、
31a 軸部、
31a1 キー溝、 31a2 長穴、
63 駆動ギア、
63a キー、 63b ピン、
67 止め輪、 68 止め輪(規制部材)、 P 記録媒体。
Claims (10)
- トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着装置であって、
加圧手段によって圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する2つのローラ部材と、
前記2つのローラ部材のうち一方のローラ部材の軸部に係合して当該一方のローラ部材に駆動力を伝達する駆動ギアと、
を備え、
前記一方のローラ部材の回転速度が増加したときに、前記駆動ギアから前記軸部への駆動力の伝達を中断して前記駆動ギアが前記軸部上を摺動するように構成したことを特徴とする定着装置。 - 前記一方のローラ部材の回転速度が増加したときに、前記駆動ギアが前記軸部上を所定角度だけ摺動してその後に前記駆動ギアから前記軸部への駆動力の伝達が再開されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記駆動ギアは、その内径部にキー又はキー溝を具備し、
前記軸部は、前記駆動ギアの前記キー又は前記キー溝に対して係合可能に形成されるとともに回転方向に所定の間隙が形成されたキー溝又はキーを具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記駆動ギアは、その内径部にピン又は長穴を具備し、
前記軸部は、前記駆動ギアの前記ピン又は前記長穴に対して係合可能に形成されるとともに回転方向に所定の間隙が形成された長穴又はピンを具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記駆動ギアの内径部と前記軸部の外径部とに隙間を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記軸部に対して前記駆動ギアがスラスト方向に所定量移動できるように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記駆動ギアに噛合するギアに対してスラスト方向の移動を規制する規制部材を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
- 前記2つのローラ部材は、定着ローラと、加圧ローラと、であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記2つのローラ部材は、無端状のベルト部材を介して圧接して前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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