JP6478530B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、未定着トナー像を記録媒体上に定着させる定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置には、紙などの記録媒体上に形成された未定着トナー像を加熱かつ加圧することによって記録媒体上に定着させる定着装置が設けられている。この定着装置の一形態として、ゴム層を有し記録媒体を加熱しながら搬送する定着ローラと、定着ローラとの間で定着ニップを形成する加圧ユニットと、定着ローラとの間で加熱ニップを形成し定着ローラを加熱する加熱ユニットと、を設けたものがある(特開2011−133502号公報)。未定着トナー像を記録媒体上に定着させるには、記録媒体及び未定着トナーに対して、一定以上の熱量を与える必要がある。この熱量は、加熱ユニットの温度と、加熱ユニットから定着ローラへ熱を伝える時間と、定着ローラからトナーに熱を与える時間とによって決まる。なお、加熱ユニットから定着ローラへ熱を伝える時間は、加熱ニップのニップ幅に大きく影響する。また、定着ローラからトナーに熱を与える時間は、定着ニップのニップ幅に大きく影響する。ここで、加熱ユニットの温度を高くすると、未定着トナーに与える熱量は増加するが、定着装置や画像形成装置を構成する各種部材の耐熱温度や機内昇温、省エネ性等の観点から温度を高くするには限界がある。
以上より、記録媒体上に未定着トナー像を良好に定着させるためには、定着ニップ及び加熱ニップのニップ幅を所定幅以上に設定する必要がある。そのため、定着ローラの硬度と、加熱ユニット及び加圧ユニットの定着ローラに対する加圧力を、ニップ幅が所定幅以上となるように設定する必要がある。
特開2011−133502号公報
しかしながら、画像形成装置を長時間使用し、画像形成装置の寿命が近づくと定着ローラのゴム層が耐久劣化して硬度が低下する。硬度の低下に伴って、定着ローラのゴム層の圧縮変形量も大きくなる。これにより、定着ローラを駆動するのに必要なトルクが大きくなり、また、定着ローラの破損リスクも大きくなる。また、ニップ幅が広くなり記録媒体への熱供給が過剰になることで、記録媒体の変形が大きくなり、画像形成済みの記録媒体の積載性も悪化してしまう。
従って、良好な定着性を実現させる一方で、ニップ幅が広すぎることにより生ずる各種問題点を解消させるためには、二つのニップ幅が所定幅以上になるように設定する一方で、二つのニップ幅が一定範囲内になるように規制する必要がある。
本発明の目的は、定着ニップのニップ幅、及び加熱ニップのニップ幅を長期に亘って安定的に維持させることのできる定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制すべく前記第1ユニットに当接する規制状態と、前記第1ユニットに当接しない非規制状態と、を取り得る第1規制部と、
定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制すべく第2ユニットに当接する規制状態と、前記第2ユニットに当接しない非規制状態と、を取り得る第2規制部と、
を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
を有し、
前記第1規制部と前記第2規制部は一つの部品に設けられており、前記部品は、前記定着ローラの軸に、前記定着ニップ部を形成するための圧力付与方向と平行な方向にスライ
ド可能に設けてあることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
を有し、
前記第1ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
を有し、
前記第2ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛ける摺動部材と、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
前記第1ユニットと前記定着ローラと前記第2ユニットがこの順に直線上に並ぶように、これらを保持するフレームと、
を有し、
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、共通のバネにより前記定着ローラに向って付勢されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像が加熱されることで前記記録材に前記画像が定着処理される定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
前記定着ローラの軸と前記第1ユニットとの間に設けられている第1対向部であって、定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記第1ユニットとの距離は、0mmより大きく、2mm以下である第1対向部と、
前記定着ローラの軸と前記第2ユニットとの間に設けられている第2対向部であって、定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記第2ユニットとの距離、は0mmより大きく、2mm以下である第2対向部と、
を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記第1ユニットと前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制すべく前記第1ユニット及び前記第2ユニットに当接する規制状態と、前記第1ユニット及び前記第2ユニットに当接しない非規制状態と、を取り得る規制部材と、
を有することを特徴とする定着装置。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記第1ユニットと前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する規制部材と、
を有し、
前記第1ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有し、前記第2ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛ける摺動部材と、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記第1ユニットと前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する規制部材と、
前記第1ユニットと前記定着ローラと前記第2ユニットがこの順に直線上に並ぶように、これらを保持するフレームと、
を有し、
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、共通のバネにより前記定着ローラに向って付勢されていることを特徴とする定着装置。
また、上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
ゴム層を有する定着ローラと、
前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットであって、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有する第1ユニットと、
前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像が加熱されることで前記記録材に前記画像が定着処理される定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記ヒータ間の距離、の縮小を規制する絶縁性の規制部材と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、定着ニップのニップ幅、及び加熱ニップのニップ幅を長期に亘って安定的に維持させることが可能となる。
画像形成装置の概略構成図。 実施例1に係る定着装置の概略斜視図。 実施例1に係る定着装置の概略断面図。 実施例1に係る定着装置の概略断面図。 実施例1に係る定着装置の概略断面図。 実施例1に係る規制部材の斜視図。 実施例1に係る定着装置の概略断面図。 規制部材を設けた付近の斜視図。 実施例2に係る軸受部材の斜視図。 実施例2に係る定着装置の概略断面図。 実施例2に係る定着装置の概略断面図。 規制部材を設けた付近の斜視図。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<画像形成装置>
図1を参照して、本発明の実施例に係る定着装置が適用可能な画像形成装置の一例を説明する。ここでは、電子写真プロセス方式を採用した4色フルカラーレーザプリンタを例にして説明する。なお、図1は画像形成装置1の概略構成を断面的に示した図である。また、以下の説明において、画像形成装置1に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア(開閉部材)2を配設した側であり、後側(奥側)とはそれとは対向側である。また、左右とは画像形成装置1を前側から見た場合の左右を指す。
<<画像形成装置の構成>>
本実施例に係る画像形成装置1は、タンデム型の4色フルカラーレーザプリンタである。図1に示すように、画像形成装置1には、後側から前側にかけて、各色のプロセスカートリッジPY・PM・PC・PKが並べて配設されている。各カートリッジは、各カートリッジ枠体内に、電子写真感光体ドラム11a,11b,11c,11dがそれぞれ設けられている。また、各カートリッジ枠体内には、各感光体ドラムの表面を一様に帯電するための帯電ローラ12a,12b,12c,12dもそれぞれ設けられている。また、各カートリッジ枠体内には、各感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像器13a,13b,13c,13dも設けられている。各現像器は、それぞれ現像ローラ13a1,13b1,13c1,13d1を有し、各現像器内には、現像剤(トナー)が収容されている。更に、各カートリッジ枠体内には、各感光体ドラムの表面に残った残存トナーを取り除くクリーニング器14a,14b,14c,14dも設けられている。
各カートリッジが配列されている領域の上方には、レーザスキャナユニット3が設けられている。このレーザスキャナユニット3は、入力される画像情報に応じてレーザー光を出力し、各感光体ドラム11の表面を走査露光する。これにより、各感光体ドラムに静電潜像が形成される。
各カートリッジが配置されている領域の下方には、中間転写ベルトユニット20が設けられている。このベルトユニット20は、中間転写体として機能する、誘電体でかつ可撓性を有するエンドレスベルト21を備えている。また、ベルトユニット20は、このベルト21を張架させた状態で循環移動させるために、駆動ローラ22と、ターンローラ23
と、テンションローラ24とを備えている。ベルト21の内側には、各感光体ドラムに対向させて、4個の一次転写ローラ25a,25b,25c,25dが設けられている。また、駆動ローラ22に対してベルト21を介して対向するように、二次転写ローラ26が設けられている。
上述した各カートリッジと、レーザスキャナユニット3と、ベルトユニット20と、一次転写ローラ25a,25b,25c,25dと、二次転写ローラ26は、記録媒体上に未定着トナー像を形成する画像形成機構の主要構成部材である。
ベルト21の下方には、記録媒体としての紙などのシートS(記録材)を供給するシート供給部30が設けられている。シート供給部30は、画像形成前のシートSを積載するシートカセット31と、手差しのシートSが搬送される搬送路32とを備えている。また、シート供給部30は、シートSを供給する供給ローラ33と、シートSを1枚に分離する分離ローラ34と、シートSを下流に向けて搬送する搬送ローラ35とを備えている。なお、シートカセット31と搬送路32は、いずれも画像形成装置1に対して前側から着脱自在に構成されている。
画像形成装置1において、シート供給部30により搬送されるシートSの搬送方向下流側には、シートS上に未定着トナー像を定着させる定着装置40が設けられている。また、この定着装置40によってトナー像が定着されたシートSを排出させる排出ローラ対44と、排出されたシートSを積載するトレイ47も設けられている。なお、排出ローラ対44は、ローラ45とアイドラローラ46とから構成される。
定着装置40は、画像形成装置1の装置本体から駆動力が伝達されることで回転する定着ローラ42を備えている。また、定着装置40は、加圧ユニット(第2ユニット)43と、加熱ユニット(第1ユニット)41とを備えている。加圧ユニット43は、定着ローラ42との間で、搬送されるトナー像を担持するシートSを挟持搬送する定着ニップ部を形成し、加熱ユニット41は、定着ローラ42との間で加熱ニップを形成し、定着ローラ42を加熱する。
<<画像形成動作>>
各感光体ドラムは図中矢印の方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト21も感光体ドラムの回転に順じた方向に、感光体ドラムの回転速度に対応した速度で回転駆動され、略同タイミングでレーザスキャナユニット3も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジにおいて所定の制御タイミングで、各帯電ローラが各感光体ドラムの表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニット3は各感光体ドラムの表面を各色の画像信号に応じてレーザー光で走査露光する。これにより、各感光体ドラムの表面において、レーザー光で走査露光された領域が、画像信号に応じた静電潜像となる。そして、各感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が、各現像器によりトナー像として現像される。各感光体ドラムに形成されたトナー像はベルト21上に転写される。以上の電子写真画像形成プロセス動作により、ベルト21上に各色の未定着トナー像が重畳した状態で形成される。
一方、所定の制御タイミングで、シートカセット31内のシートSは、分離ローラ34と搬送ローラ35により1枚ずつ給送される。そして、二次転写ローラ26とベルト21とのニップに搬送されたシートS上に、ベルト21上の未定着トナー像が転写される。その後、シートSはベルト21の表面から分離されて定着装置40に送られる。シートSは定着ニップにおいて加熱かつ加圧され、各色の未定着トナー像が、混色された状態でシートSに定着される。シートSは、定着装置40を経て、排出ローラ対44により排出シート積載トレイ47上に排出される。
(実施例1)
図2〜図8を参照して、本発明の実施例1に係る定着装置40について説明する。
<定着装置>
特に、図2〜図4を参照して、定着装置40の全体構成、及び動作について説明する。図2は本発明の実施例1に係る定着装置40の概略構成を斜視図で示している。図2(b)は、図2(a)中の矢印方向から見た図である。図3及び図4は本発明の実施例1に係る定着装置40の概略構成を断面図で示している。なお、図3及び図4は定着ローラ42の回転中心軸線に対して垂直方向に切断した断面図である。また、図3はシートSが通過していない状態を示し、図4はシートSが通過している状態を示している。
上記の通り、定着装置40は、加熱ユニット(第1ユニット)41と、定着ローラ42と、加圧ユニット(第2ユニット)43とを備えている。定着ローラ42は、加圧ユニット43と加熱ユニット41に挟まれるように配置される。また、これら加熱ユニット41と加圧ユニット43は、定着装置のフレーム(金属製)49に設けられた溝を構成するリム49aによって、定着ローラ42を挟む方向にスライド可能に保持されている。スライド方向(図5のA方向)と、後述する力付与機構50による力を与える方向(圧力付与方向)は、平行である。
定着ローラ42は、芯金部(ローラの軸)42aと、芯金部42aの外周面側に設けられる弾性層(ゴム層)42bと、弾性層42bの外周面側に設けられる表層(フッ素樹脂層)42cとから構成される。この定着ローラ42は、定着装置40のフレーム49に対して、軸受部材48を介して回転自在に支持されている。また、定着ローラ42は、画像形成装置1の装置本体から駆動力が伝達されることで、図3,4中矢印方向に回転する。図2(b)に示すように、定着ローラ42の軸42aには、モータ(不図示)により駆動されるギヤ42dが取り付けられている。
加熱ユニット41は、商用電源から供給される電力によって発熱する発熱部材41aと、発熱部材41aに対して摺動するように、かつ定着ローラ42の回転に伴って図3,4中矢印方向に回転する無端状の加熱フィルム41bとを備えている。発熱部材41aは、セラミック基板上に発熱抵抗体を形成した平板状の部材(セラミックヒータ)である。ヒータ41aの端部には、図2(b)に示すように、給電用のコネクタ41gが取り付けられている。このコネクタを介して供給される電力によりヒータ41aは発熱する。このように、加熱ユニット(第1ユニット)41は、外面が定着ローラ42と接触する筒状のフィルム41bと、フィルム41bの内面に接触し、フィルム41bを介して定着ローラ42に圧力を掛けるヒータ41aと、を有する。また、加熱ユニット41は、加熱フィルム41bの回転をガイドすると共に長手方向(定着ローラ42の回転中心軸線に平行な方向)の移動を規制するガイド部材41cと、発熱部材41aを保持する耐熱樹脂製のホルダ41dとを備えている。図2に示すように、ガイド部材41cは、フィルム41bの端部に対向する位置に一つずつ(トータル二つ)設けてある。41eは、ホルダ41dを補強する断面がU字形の金属製のステーである。ステー41eは、ホルダ41dのヒータ保持面とは反対側の面に接触しており、その長さは二つのガイド部材41cまで亘る長さである。41cgは、加熱ユニット41をフレーム49の溝を構成するリム49aに嵌めこむためのガイド溝であり、ガイド溝41cgはガイド部材41cに設けてある。
加圧ユニット43は、定着ローラ42の回転に伴って図3,4中矢印方向に回転する無端状の加圧フィルム43bと、加圧フィルム43bが摺動するように設けられた摺動部材43aとを備えている。摺動部材43aはアルミ板であり、剛体からなる平板状の部材である。このように、加圧ユニット(第2ユニット)43は、外面が定着ローラ42と接触
する筒状のフィルム43bと、フィルム43bの内面に接触し、フィルム43bを介して定着ローラ42に圧力を掛ける摺動部材43aと、を有する。また、加圧ユニット43は、加圧フィルム43bの回転をガイドするガイド部材43cと、摺動部材43aを保持するホルダ43dとを備えている。43cgは、加圧ユニット43をフレーム49の溝を構成するリム49aに嵌めこむためのガイド溝であり、ガイド溝43cgはガイド部材43cに設けてある。図3に示すように、加圧ユニット(第2ユニット)は、定着ローラの周方向において、加熱ユニット(第1ユニット)が接触する定着ローラの表面上の位置とは異なる定着ローラの表面上の位置で定着ローラの表面に接触している。より具体的には、加熱ユニット41と定着ローラ42と加圧ユニット43がこの順に直線上に並ぶように、これらが定着装置のフレーム49に保持されている。
そして、本実施例に係る定着装置40においては、加圧ユニット43及び加熱ユニット41に対して、定着ローラ42を挟み込む方向に力を与える力付与機構50が設けられている。
<力付与機構>
特に、図2及び図5を参照して、力付与機構50について説明する。力付与機構50は、定着ローラ42の両端側にそれぞれ設けられている。なお、一端側に設けられた力付与機構50と他端側に設けられた力付与機構50は、同一の構成である。力付与機構50は、一対の加圧板52a,52bを備えている。加圧板52aは加熱ユニット41を加圧し、加圧板52bは加圧ユニット43を加圧する役割を担っている。そして、力付与機構50は、これら一対の加圧板52a,52bをスライド方向に引っ張る引張バネ51を備えている。この引張バネ51の引っ張り力によって、一対の加圧板52a,52bを介して、加圧ユニット43及び加熱ユニット41に対して、定着ローラ42を挟み込む方向に力が与えられる。即ち、加熱ユニット(第1ユニット)と加圧ユニット(第2ユニット)は、共通のバネ51により定着ローラに向って付勢されている。バネ51の力は、加圧板52aから、ガイド部材41c、ステー41e、ホルダ41d、ヒータ41a、フィルム41b、定着ローラ42の順に伝わる。同様に、バネ51の力は、加圧板52bから、ガイド部材43c、ステー43e、ホルダ43d、摺動部材43a、フィルム43b、定着ローラ42の順に伝わる。
以上のように構成された力付与機構50によって、定着ローラ42は、加熱ユニット41と加圧ユニット43により両側から押圧されて、弾性層42bが圧縮するように変形する。このようにして、定着ローラ42と加熱ユニット41によって加熱ニップPが形成され、定着ローラ42と加圧ユニット43によって定着ニップQが形成される。ここで、加熱ユニット41における定着ローラ42を加圧する部位の表面、及び加圧ユニット43における定着ローラ42を加圧する部位の表面は、いずれも平面形状である。そして、加熱ユニット41と加圧ユニット43は、1つの引張バネ51の引っ張り力によって定着ローラ42を加圧するため、加熱ユニット41による定着ローラ42を押圧する力と加圧ユニット43による定着ローラ42を押圧する力は等しくなる。また、これに伴い、加熱ユニット41による定着ローラ42の圧縮変形量と加圧ユニット43による定着ローラ42の圧縮変形量は等しくなる。なお、定着ローラ42の圧縮変形量は、定着ローラ42の弾性層42bの硬度と、引張バネ51の引っ張り力によって決まる。定着ローラ42の圧縮変形量が大きくなると、加熱ニップPと定着ニップQのニップ幅は広くなる。
<定着プロセス>
次に、定着装置40において、シートS上に未定着トナー像を定着させるプロセスについて、特に図4を参照して説明する。加熱ユニット41に設けられた発熱部材41aの発熱により、加熱ニップPにて、定着ローラ42の表面が加熱される。定着ローラ42の表面のうち加熱された部位が、定着ローラが回転することにより定着ニップQまで移動する
。これにより、定着ニップQにて、搬送されてきたシートSが、シートS上に形成された未定着トナーと共に、加熱かつ加圧される。以上により、未定着トナー像がシートS上に定着される。
このときの定着性は、定着ニップQにおいて、シートS及びシートS上の未定着トナー像に与えた熱量によって決まる。即ち、発熱部材41aの温度と、定着ニップQ及び加熱ニップPのニップ幅(定着ローラ42の周方向の幅)によって決まる。
以上より、定着性を満足できるように、発熱部材41aの温度と、定着ローラ42の硬度と、引張バネ51の引っ張り力を設定する必要がある。ただし、背景技術の中で説明したように、定着ローラ42は、使用時間が長くなると、耐久劣化によりゴム硬度が下がってしまう。耐久劣化によってゴム硬度が下がると、定着ローラ42の圧縮変形量が大きくなることで、各種の問題が生じてしまう。
そこで、本実施例に係る定着装置40においては、定着ローラ42の圧縮変形量が一定以上大きくならないように、規制部材100を設ける構成を採用している。以下、この規制部材100に関して、図5〜図8を参照して説明する。
<規制部材>
図5及び図7は本発明の実施例1に係る定着装置40の概略構成を断面図で示している。なお、図5及び図7は定着ローラ42の回転中心軸線に対して垂直方向に切断した断面図である。また、図5は定着ローラ42のゴム層が劣化する前の状態を示し、図7は定着ローラ42のゴム層の劣化が進んだ状態を示している。図6は軸受48と規制部材100の関係を示す斜視図である。図8は規制部材100が設けられている付近の斜視図である。図8(a)は、規制部材100の規制面100bと、摺動部材43aと、の関係を示す斜視図、図8(b)は、規制部材100の規制面100aと、ヒータ41aと、の関係を示す斜視図である。
規制部材100は、加圧ユニット43と加熱ユニット41との間の距離が、予め定められた距離以下にならないように、これら加圧ユニット43と加熱ユニット41の移動を規制する役割を担っている。この規制部材100は、定着ローラ42の軸方向両端側にそれぞれ設けられている。なお、一端側に設けられた規制部材100と他端側に設けられた規制部材100は、同一の構成である。また、規制部材100は、発熱部材41aと摺動部材43aとの間に配置される。定着ローラのゴム層42bの劣化度合いや、バネ51の力、等は、個体(装置)毎に個体差(公差)がある。したがって、装置を所定の寿命まで使用しても加熱ニップPや定着ニップQの幅がさほど大きくならない個体(装置)が存在し得る。同時に、装置を所定の寿命まで使用すると加熱ニップPや定着ニップQの幅が大きくなり過ぎる個体(装置)も存在し得る。本例の規制部材100は、所定の寿命まで使用すると加熱ニップPや定着ニップQの幅が大きくなり過ぎる個体(装置)において機能するものである。
スライド方向Aに関して、規制部材100の両側の端面は、加熱ユニット41と加圧ユニット43の移動を規制する規制面100a,100bとなっている。規制面100a、100bは、定着ローラのゴム層が潰れすぎた場合、それぞれ加熱ユニット41と加圧ユニット43が突き当たることで、これら加熱ユニット41と加圧ユニット43の移動を規制する。規制面100aが、定着処理時の圧力が定着ローラと第1ユニットの接触領域(加熱ニップ部P)に掛っている時の定着ローラの軸と第1ユニット間の距離(定着ローラの軸とヒータ間の距離)、の縮小を規制する第1規制部に相当する。また、規制面100aが、定着ローラの軸と第1ユニットとの間に設けられている第1対向部に相当する。一方、規制面100bが、定着処理時の圧力が定着ニップ部Qに掛っている時の定着ローラ
の軸と第2ユニット間の距離(定着ローラの軸と摺動部材間の距離)、の縮小を規制する第2規制部に相当する。また、規制面100bが、定着ローラの軸と第2ユニットとの間に設けられている第2対向部に相当する。なお、定着処理時の圧力が定着ローラと第1ユニットの接触領域に掛っている時の第1対向部と前記第1ユニットとの距離は、0mmより大きく、2mm以下であるのが好ましい。また、定着処理時の圧力が定着ニップ部に掛っている時の第2対向部と第2ユニットとの距離、は0mmより大きく、2mm以下であるのが好ましい。
ここで、本実施例においては、発熱部材41aの長さ(定着ローラ42の中心軸線方向の長さ)が、加熱フィルム41bの母線方向の長さよりも長くなるように構成されている。また、同様に、摺動部材43aの長さが、加圧フィルム43bの母線方向の長さよりも長くなるように構成されている。これにより、規制部材100における規制面100a,100bに対しては、加熱ユニット41における発熱部材41aと加圧ユニット43における摺動部材43aが直接突き当たる。
また、規制部材100の中央には、スライド方向(A方向)に長い長穴100cが設けられている。この長穴100cに、軸受部材48に設けられた筒部48bが挿通される。なお、この筒部48bの内周側が、定着ローラ42の芯金部42aの軸受となっている。また、規制部材100は、軸受部材48に設けられたスライド方向に伸びる溝48aに嵌められることで、面100d,100eが溝48aに摺動するように構成されている。以上の構成により、規制部材100も、A方向に移動可能となっている。なお、フレーム49に対して固定されたストッパ110によって、規制部材100は芯金部42aから脱落しないようになっている。ストッパ(保持部材)110は、定着ローラの軸を(軸受を介して)保持する穴部110aを有し、定着ローラを回転可能に保持する。このストッパ110は金属製であり、ねじ110sによってフレーム49に固定されている(図6及び図7参照)。穴部110aには、軸受48の筒部48bが嵌合し、定着ローラをA方向及びA方向に対して垂直な方向に位置決めする役割も担っている。このように、ストッパ110は定着ローラの位置を決める役割を担っているので、バネ51による荷重を受けても撓みにくいように金属製(本例では鉄)の部品となっている。なお、ストッパ110は、フレーム49に設けた突起49e(図6(b)参照)に位置決めされている。したがって、定着ローラは、軸受48と、ストッパ110を介してフレーム49に位置決めされている。
ところで、ヒータ41aは、セラミック基板上に発熱抵抗体を有し、更に、発熱抵抗体を覆うように絶縁層(例えばガラス)を有する。絶縁層がフィルム41bの内面に接触している。ヒータ41aには商用電源から電力が供給されているが、ヒータ41aに雷サージ電圧が掛ると、ヒータの発熱抵抗体と、ヒータに最も近い金属製の部品との間で放電が生じ、ヒータの絶縁層が破壊される可能性が有る。上述のように、ストッパ110を金属製の部品とすると、ヒータとストッパの間で放電する可能性が有る。しかしながら、本例のように、規制部材100によってヒータ41aとストッパ110間の距離が小さくなり過ぎないようにすることでヒータとストッパ間の放電を防止し、ヒータの絶縁層の破壊を防ぐこともできる。したがって、放電が生じないように、規制部材100は絶縁性の部品(本例では樹脂製)となっている。
定着装置の使用初期(新品又は新品状態からの使用量が少ない期間)においては、定着ローラ42の圧縮変形量は小さい。従って、発熱部材41aと摺動部材43aとの距離L1は、規制部材100における規制面100a,100b間の距離L2よりも長い。この状態においては、規制部材100は、加熱ユニット41及び加圧ユニット43から離れており、これらの移動を規制することはない(図5参照)。そして、経時的に定着ローラ42の圧縮変形量が大きくなった場合でも、距離L1が距離L2よりも長ければ、規制部材100によって、加熱ユニット41及び加圧ユニット43の移動は規制されない。仮に、規制部材100が発熱部材41aと摺動部材43aのどちらか一方に接触したとしても、規
制部材100は、スライド可能であるため発熱部材41aと摺動部材43aの移動を規制することはない。なお、使用初期においてL1−L2は、4mm(=2mm+2mm)以下に設定しておくのが好ましい。本例では、1.6mm(=0.8mm+0.8mm)に設定してある。
画像形成装置が長時間使用され、画像形成装置の寿命が近づくと、経時的な劣化によって、定着ローラ42のローラ硬度が低下して圧縮変形量が大きくなる。これにより、上記距離L1と距離L2が等しくなると、規制部材100の規制面100a,100bに、加熱ユニット41(発熱部材41a)及び加圧ユニット43(摺動部材43a)がそれぞれ突き当たる。なお、加熱ユニット41と加圧ユニット43のどちらか一方が先に規制部材100の規制面100a,100bに突き当たったとしても、規制部材100はスライドする。そのため、いずれは、加熱ユニット41と加圧ユニット43の両方が、規制部材100の規制面100a,100bに突き当たる。従って、加熱ユニット41と加圧ユニット43との間の距離が、予め定められた距離L2以下になることはない。
<本実施例に係る定着装置及び画像形成装置の優れた点>
以上のように構成された定着装置40、及びこれを備えた画像形成装置1によれば、定着装置40に供えられた加熱ユニット41と加圧ユニット43との間の距離が、予め定められた距離L2以下になることを抑制することが可能となる。これにより、定着ローラ42の圧縮変形量が所定幅以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。また、これに伴い、定着ニップQ及び加熱ニップPのニップ幅が広くなってしまうことを抑制することができる。つまり、経時的な劣化によって、定着ローラ42のローラ硬度の低下が進んでも、定着ニップQ及び加熱ニップPのニップ幅の広がりを一定範囲に抑制することが可能となる。従って、定着ニップQ及び加熱ニップPのニップ幅を長期に亘って安定的に維持させることが可能となる。
また、本実施例においては、規制部材の規制面100a,100bに対して、加熱ユニット41の発熱部材41a及び加圧ユニット43の摺動部材43aがそれぞれ直接突き当たる構成を採用している。これにより、加熱ユニット41と加圧ユニット43との間の距離が、予め定められた距離(規制面100a,100b間の距離)L2以下とならないようにしている。従って、加熱ユニット41と加圧ユニット43との間の最小距離のばらつきは、規制部材100における規制面100a,100b間の距離L2のばらつきのみとなる。従って、加熱ユニット41と加圧ユニット43との間の最小距離の精度を高くすることができる。
以上により、本実施例に係る定着装置40によれば、長期に亘って良好な定着性を維持することができる。また、定着ローラ42の破損のリスクを低減することもできる。また、定着ローラ42を回転させるのに必要なトルクの上昇を低減させることもできる。更に、定着装置40通過後のシートSの変形を抑制できるので、画像形成済みのシートSの積載性が悪化してしまうこともない。
(実施例2)
図9〜図12には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、規制部材が、定着ローラの芯金部(軸受部材の略円筒部)に対して移動可能に構成される場合を示した。これに対し、本実施例においては、定着ローラの芯金部の軸受部材に対して規制部材としての機能を兼ね備えさせた場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図9は軸受部材148が設けられている付近を斜視図にて示している。図10及び図1
1は本発明の実施例2に係る定着装置40の概略構成を断面図で示している。なお、図10及び図11は定着ローラ42の回転中心軸線に対して垂直方向に切断した断面図である。また、図10は定着ローラ42が劣化する前の状態を示し、図11は定着ローラ42の劣化が進んだ状態を示している。図12(a)は、規制部材148の規制面148bと、摺動部材43aと、の関係を示す斜視図、図12(b)は、規制部材148の規制面148aと、ヒータ41aと、の関係を示す斜視図である。
本実施例においても、上記実施例1の場合と同様に、定着ローラ42は、定着装置40の装置本体に対して、軸受部材148を介して回転自在に支持されている。本実施例に係る軸受部材148は、上記実施例1における軸受部材48とは異なり、上記実施例1における規制部材100の機能も兼ね備えている。以下、軸受部材148に関して、より詳細に説明する。
軸受部材148は、定着ローラ42の両端側にそれぞれ設けられている。なお、一端側に設けられた軸受部材148と他端側に設けられた軸受部材148は、同一の構成である。
そして、軸受部材148においては、上記スライド方向の両側の端面は、それぞれ加熱ユニット41と加圧ユニット43が突き当たることで、これら加熱ユニット41と加圧ユニット43の移動を規制する規制面148a,148bとなっている。規制面148aが第1規制部(第1対向部)、規制面148bが第2規制部(第2対向部)に相当する。また、軸受部材148の中央には、定着ローラ42の芯金部42aが挿通される軸受用の孔148cが設けられている。なお、定着フレーム49に対して固定されたストッパ110によって、軸受部材148は芯金部42aから脱落しないようになっている。
説明の便宜上、軸受部材148の中心(孔148cの中心)から規制面148aまでの距離をL3とし、軸受部材148の中心から規制面148bまでの距離をL4とする。また、定着ローラ42の回転中心から加熱ユニット41までの距離をL5とし、定着ローラ42の回転中心から加圧ユニット43までの距離をL6とする。
軸受部材148においては、距離L3=L4となるように設計されている。そして、定着ローラ42の圧縮変形量が小さく、L5>L3を満たす場合には、軸受部材148は加熱ユニット41から離れており、加熱ユニット41の移動を規制することはない。また、同様に、L6>L4を満たす場合には、軸受部材148は加圧ユニット43から離れており、加圧ユニット43の移動を規制することはない(図10参照)。装置の使用初期において、L3−L5と、L4−L6は、いずれも0mmより大きく、2mm以下に設定するのが好ましい。本例では、L3−L5=0.8mm、L4−L6=0.8mmに設定してある。
画像形成装置が長時間使用され、画像形成装置の寿命が近づくと、経時的な劣化によって、定着ローラ42のローラ硬度が低下して圧縮変形量が大きくなる。これにより、上記距離L5と距離L3が等しくなると、軸受部材148の規制面148aに、加熱ユニット41(より具体的には、発熱部材41a)が突き当たる。同様に、距離L6と距離L4が等しくなると、軸受部材148の規制面148bに、加圧ユニット43(より具体的には摺動部材43a)が突き当たる(図11参照)。
なお、本実施例においては、上記実施例1における力付与機構50の説明から分かるように、設計上は距離L5と距離L6は等しくなる。
仮に、加熱ユニット41と加圧ユニット43のどちらか一方が先に軸受部材148の規
制面148a,148bに突き当たった場合には、突き当たった方はそれ以上移動することはできない。従って、他方が軸受部材148に向かって移動し、いずれは、加熱ユニット41と加圧ユニット43の両方が、軸受部材148の規制面148a,148bに突き当たる。従って、加熱ユニット41と加圧ユニット43との間の距離が、予め定められた距離(軸受部材148における規制面148a,148b間の距離L2)以下になることはない。
以上のように構成された定着装置40、及びこれを備える画像形成装置1においても、上記実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができる。
40…定着装置,41…加熱ユニット,42…定着ローラ,42a…芯金部,42b…弾性層,43…加圧ユニット,50…力付与機構,100…規制部材,P…加熱ニップ,Q…定着ニップ,S…シート

Claims (27)

  1. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制すべく前記第1ユニットに当接する規制状態と、前記第1ユニットに当接しない非規制状態と、を取り得る第1規制部と、
    定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制すべく第2ユニットに当接する規制状態と、前記第2ユニットに当接しない非規制状態と、を取り得る第2規制部と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
    定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
    を有し、
    前記第1規制部と前記第2規制部は一つの部品に設けられており、前記部品は、前記定着ローラの軸に、前記定着ニップ部を形成するための圧力付与方向と平行な方向にスライド可能に設けてあることを特徴とする定着装置。
  3. 前記第1規制部と前記第2規制部は、前記定着ローラの軸を保持する軸受に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
    定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
    を有し、
    前記第1ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有することを特徴とする定着装置。
  5. 前記第1規制部は、定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記ヒータ間の距離、の縮小を規制することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
    定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
    を有し、
    前記第2ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛ける摺動部材と、を有することを特徴とする定着装置。
  7. 前記第2規制部は、定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記摺動部材間の距離、の縮小を規制することを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    前記定着ローラの軸と前記第1ユニットとの間に設けられている第1対向部であって、定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記第1ユニットとの距離は、0mmより大きく、2mm以下である第1対向部と、
    前記定着ローラの軸と前記第2ユニットとの間に設けられている第2対向部であって、定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記第2ユニットとの距離、は0mmより大きく、2mm以下である第2対向部と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  9. 前記第1対向部と前記第2対向部は一つの部品に設けられており、前記部品は、前記定着ローラの軸に、前記定着ニップ部を形成するための圧力付与方向と平行な方向にスライド可能に設けてあることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記第1対向部と前記第2対向部は、前記定着ローラの軸を保持する軸受に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  11. 前記第1ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  12. 前記第1対向部は、前記ヒータに対向するように配置されていることを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記第2ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛ける摺動部材と、を有することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  14. 前記第2対向部は、前記摺動部材に対向するように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の定着装置。
  15. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記第1ユニットと前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制すべく前記第1ユニット及び前記第2ユニットに当接する規制状態と、前記第1ユニット及び前記第2ユニットに当接しない非規制状態と、を取り得る規制部材と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  16. 前記規制部材は、前記定着ローラの軸に、前記定着ニップ部を形成するための圧力付与方向と平行な方向にスライド可能に設けてあることを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
  17. 前記規制部材は、前記定着ローラの軸を保持する軸受に設けられていることを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
  18. 前記装置は更に、前記第1ユニットと前記定着ローラと前記第2ユニットがこの順に直線上に並ぶように、これらを保持するフレームを有することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  19. 前記第1ユニットと前記第2ユニットは、共通のバネにより前記定着ローラに向って付勢されていることを特徴とする請求項18に記載の定着装置。
  20. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記第1ユニットと前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する規制部材と、
    を有し、
    前記第1ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有し、前記第2ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛ける摺動部材と、を有することを特徴とする定着装置。
  21. 前記規制部材は、定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記ヒータと前記摺動部材間の距離、の縮小を規制することを特徴とする請求項20に記載の定着装置。
  22. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットであって、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛けるヒータと、を有する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記ヒータ間の距離、の縮小を規制する絶縁性の規制部材と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  23. 前記装置は更に、前記定着ローラの軸を保持する穴部を有し、前記定着ローラを回転可能に保持する金属製の保持部材を有することを特徴とする請求項22に記載の定着装置。
  24. 前記第2ユニットは、外面が前記定着ローラと接触する筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触し、前記フィルムを介して前記定着ローラに圧力を掛ける摺動部材と、を有することを特徴とする請求項22に記載の定着装置。
  25. 前記規制部材は、定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記摺動部材の距離、の縮小を規制する規制部を有することを特徴とする請求項24に記載の定着装置。
  26. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第1ユニット間の距離、の縮小を規制する第1規制部と、
    定着処理時の圧力が前記定着ニップ部に掛っている時の前記定着ローラの軸と前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する第2規制部と、
    前記第1ユニットと前記定着ローラと前記第2ユニットがこの順に直線上に並ぶように、これらを保持するフレームと、
    を有し、
    前記第1ユニットと前記第2ユニットは、共通のバネにより前記定着ローラに向って付勢されていることを特徴とする定着装置。
  27. ゴム層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラの表面に接触し、前記定着ローラを加熱する第1ユニットと、
    前記定着ローラと共に、画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部であって前記記録材上の前記画像を加熱することで前記記録材に前記画像を定着処理する定着ニップ部を形成する第2ユニットと、
    定着処理時の圧力が前記定着ローラと前記第1ユニットの接触領域及び前記定着ニップ部に掛っている時、の前記第1ユニットと前記第2ユニット間の距離、の縮小を規制する規制部材と、
    前記第1ユニットと前記定着ローラと前記第2ユニットがこの順に直線上に並ぶように、これらを保持するフレームと、
    を有し、
    前記第1ユニットと前記第2ユニットは、共通のバネにより前記定着ローラに向って付勢されていることを特徴とする定着装置。
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