JP2009120073A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストローク量の検出範囲に応じて複数の増幅器の出力値が切り替えて使用されるストロークセンサを有するブレーキ装置において、その切り替えの有無によらず、安定した制動制御を実現できるようにする。
【解決手段】ブレーキ制御装置においては、アンプの切り替えにより検出信号の出力値が不連続に変化して異常値を示しても、前回の出力値に連続的につながる本来の出力値が推定される。すなわち、ストロークセンサの出力値がその検出履歴からみて異常である場合、本来のストローク量に対応した推定値が算出され、制動制御に用いられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の各車輪に制動力を付与するブレーキ装置に関する。
従来より、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、その液圧を配管を通じて各車輪のホイールシリンダに供給することにより車両に制動力を付与するブレーキ制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
液圧源と各ホイールシリンダとの間には、ブレーキフルード(作動液)の供給時に開弁される増圧弁、ブレーキフルードの排出時に開弁される減圧弁、ブレーキフルードの供給経路を切り替えるときに開閉される切替弁等の各種電磁弁が設けられている。ブレーキ装置は、ブレーキペダルのストローク量に応じてこれらの電磁弁を開閉制御することによりホイールシリンダへのブレーキフルードの給排量を調整し、その液圧を制御して各車輪に適切な制動力を付与している。
特開平11−301463号公報
ところで、ブレーキペダルのストローク量は、そのブレーキペダルに並設されたストロークセンサにより検出され、車両の電子制御装置(以下、「ECU」という)に入力され、制動制御の演算に用いられる。検出対象となるストローク範囲が比較的大きいため、一般にはストロークセンサの検出信号を増幅するアンプ(増幅器)が複数設けられ、ブレーキストロークの大きさに応じて使用するアンプの切り替えが行われる。
しかしながら、このアンプの切り替えの際にその出力が変化するため、実際のストロークがリニアに変化しているにもかかわらず、その切り替え時点において検出信号の出力値が不連続に変化する場合がある。その場合、ECUによる目標減速度の演算に影響を与え、いわゆるG変動を発生させるなどして運転者に違和感を与えるおそれがある。
そこで、本発明は、ストロークセンサにおける複数の増幅器の切り替えの有無によらず、安定した制動制御を実現可能なブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様のブレーキ装置は、車両の各車輪に対してブレーキ操作部材のストローク量に応じた制動力を付与する。このブレーキ装置は、ストローク量に応じた出力信号を出力する検出部と、その検出部の出力信号を増幅してそれぞれ出力する複数の増幅器とを含むストロークセンサと、ストローク量の検出範囲に応じて複数の増幅器の出力信号を切り替えて取得し、取得された出力信号に基づいてストローク量を演算し、そのストローク量に基づいて目標制動力を得るための制御信号を出力する制御部と、を備える。制御部は、所定のサンプリング周期にて出力信号の出力値を取得するとともに、その出力値が既取得出力値から予め定める異常判定値以上に変化している場合には、これを異常値と判定して破棄し、既取得出力値に基づく推定値を演算してその推定値に基づいてストローク量を演算する。
ここで、「既取得出力値」とは、今回より前に取得された出力値であり、例えば前回値や前々回値であってよい。制御部は、ストロークセンサの各増幅器の出力値のうち、今回のストローク量の大きさを検出範囲に含む増幅器の出力値を取得してストローク量の演算に用いる。すなわち、各増幅器にはストローク量についての検出範囲がそれぞれ設定されており、その検出範囲ごとに増幅器が切り替えられて用いられる。なお、その増幅器の切り替えについては、ストロークセンサそのものが切り替えを行うように構成されていてもよいし、制御部が切り替えるように構成されてもよい。「異常判定値」としては、サンプリング周期における出力値の変化量として、ブレーキ操作部材の操作力によっては変化し得ない値であって、増幅器の切り替えにより発生し得る値が設定されていてもよい。今回の出力値が既取得出力値から異常判定値以上に変化している場合、増幅器の切り替え時に発生した異常値であると判定される。なお、「異常値の破棄」については、その異常値をストローク量の演算に用いなければよいことを意味し、その異常値自体を削除することは必ずしも要しない。
この態様によれば、増幅器の切り替えによりその出力値が不連続に変化して異常値を示しても、既取得出力値に連続的につながる本来の出力値が推定される。すなわち、ストロークセンサの出力値がその検出履歴からみて異常である場合、本来のストローク量に対応した推定値が算出され、制動制御に用いられる。この「推定値」については、例えば既取得出力値のサンプリング周期に対する変化量を算出しておき、既取得出力値にその変化量を加算して算出するようにしてもよい。その結果、制御部からみて制動制御の演算に用いるストローク量に異常な不連続部分が生じることなく、リニアで安定した制動制御を実現することができる。なお、このような異常値が発生しても、その異常値を含めた出力値の平均値を求めることで不連続部分を抑制することも可能ではある。しかし、特にストロークセンサの検出範囲が比較的大きい場合にはその異常値が与える影響も大きくなるため、この態様のように破棄するのが好ましい。
制御部は、次回以降の演算のためにその推定値を既取得出力値として保持してもよい。そして、異常値と推定値との差分値を演算し、異常値の発生以後に取得される出力値についてその差分値を加算または減算した補正値を演算し、その補正値に基づいてストローク量を演算してもよい。
すなわち、上記異常値を境にその異常値発生以後の出力値についても推定値と同様の差分値を考慮する。このようにして得られた補正値は上記推定値とリニアな関係になるため、出力値全体としてリニアな特性を保持することができる。すなわち、既取得出力値に基づいて演算処理を行っても狙いどおりの目標減速度を取得することができる。
より具体的には、制御部は、ストローク量が増加過程および減少過程のいずれにあるかを判定し、増加過程にある場合には出力値に差分値を加算して補正値を算出し、減少過程にある場合には出力値から差分値を減算して補正値を算出してもよい。
その場合、制御部は、ストローク量が増加過程および減少過程のいずれにあるかを、ストローク量とは異なる他の物理量に基づいて判定してもよい。例えば、液圧源から各車輪のホイールシリンダに作動液を供給し、その液圧によって各車輪に制動力を付与するブレーキ装置である場合、ブレーキ操作部材のストローク量に応じて変化する液圧を物理量として検出してもよい。そして、その液圧が増加している場合に増加過程と判定し、液圧が減少している場合に減少過程と判定するようにしてもよい。このように、ストローク量とは別の物理量に基づくことにより、その増幅器の切り替わりの影響を受けることなく判定を行うことができる。
本発明のブレーキ装置によれば、ストロークセンサにおける複数の増幅器の切り替えの有無によらず、安定した制動制御を実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るブレーキ装置を示す系統図である。
ブレーキ装置20は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。ブレーキ装置20は、例えば、走行駆動源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両に搭載される。このようなハイブリッド車両においては、車両の運動エネルギを電気エネルギに回生することによって車両を制動する回生制動と、ブレーキ装置20による液圧制動とのそれぞれを車両の制動に用いることができる。本実施の形態における車両は、これらの回生制動と液圧制動とを併用して所望の制動力を発生させるブレーキ回生協調制御を実行することができる。
ブレーキ装置20は、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40と、それらをつなぐ液圧回路とを含む。
ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の操作量(ストローク量)に応じて加圧された作動液としてのブレーキフルードをディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出する。動力液圧源30は、動力の供給により加圧されたブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出可能である。液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22とブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR〜23RLを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR〜23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR〜23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施の形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施の形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。ブレーキペダル24への運転者による入力が機械的に伝達されてマスタシリンダ32のブレーキフルードが加圧される。液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に連結されており、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。なお、マスタシリンダ圧とレギュレータ圧とは厳密に同一圧にされる必要はなく、例えばレギュレータ圧のほうが若干高圧となるようにマスタシリンダユニット27を設計することも可能である。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を含む。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギとして例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、ブレーキ装置20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。そして、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。
液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁を含む。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42,43および44と、主流路45とが含まれる。個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL,21RR,21RLのホイールシリンダ23FR、23FL,23RR,23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は主流路45と連通可能となる。
また、個別流路41,42,43および44の中途には、ABS保持弁51,52,53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46,47,48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46,47,48および49の中途には、ABS減圧弁56,57,58および59が設けられている。各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪用のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪用のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型の切替弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、マスタシリンダ32から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路上に設けられている。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型の切替弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、切替弁としてのシミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により開弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型の切替弁である。シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましい。
レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65は、レギュレータ33から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路上に設けられている。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型の切替弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁開度が調整される。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧用制御弁として設けられている。つまり、本実施の形態においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられている。このように増圧リニア制御弁66等を各ホイールシリンダ23に対して共通化すれば、ホイールシリンダ23ごとにリニア制御弁を設ける場合と比べて、コストの観点からは好ましい。
なお、ここで、増圧リニア制御弁66の出入口間の差圧は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と主流路45におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応し、減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力とリザーバ34におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応する。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。
ブレーキ装置20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、本実施の形態における制御部としてのブレーキECU70(「ブレーキ制御装置」として機能する)により制御される。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、センサ・スイッチ群から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、上位のハイブリッドECU(図示せず)などと通信可能であり、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54,56〜59,60,64〜68を制御する。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側の液圧を示すので、この出力値を増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ圧を示す。更に、分離弁60が開放されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通しており、各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
さらに、ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25(「ブレーキ操作検出部」として機能する)も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間(サンプリング周期)ごとにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に逐次格納保持される。なお、ストロークセンサ25に加え、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどを設け、ブレーキECU70に接続してもよい。
上述のように構成されたブレーキ装置20は、ブレーキ回生協調制御を実行することができる。ブレーキ装置20は制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、例えば運転者がブレーキペダル24を操作した場合など、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求を受けてブレーキECU70は要求制動力を演算し、要求制動力から回生による制動力を減じることによりブレーキ装置20により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。ここで、回生による制動力は、ハイブリッドECUからブレーキ装置20に供給される。そして、ブレーキECU70は、算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標液圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66や減圧リニア制御弁67に供給する制御電流の値を決定する。
その結果、ブレーキ装置20においては、ブレーキフルードが動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介して各ホイールシリンダ23に供給され、車輪に制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。本実施の形態においては、動力液圧源30、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67等を含んでホイールシリンダ圧制御系統が構成されている。ホイールシリンダ圧制御系統によりいわゆるブレーキバイワイヤ方式の制動力制御が行われる。ホイールシリンダ圧制御系統は、マスタシリンダユニット27からホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路に並列に設けられている。
このとき、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65及びマスタカット弁64を閉状態とし、レギュレータ33及びマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23へ供給されないようにする。ブレーキ回生協調制御中は、レギュレータカット弁65及びマスタカット弁64の上下流間には、回生制動力の大きさに対応する前後差圧が作用する。
なお、ホイールシリンダ圧制御系統による制御中に、ホイールシリンダ圧の制御応答に異常があると判定された場合には、マニュアル液圧源を用いて機械的に制動力を付与するフェイルセーフ処理が行われる。ブレーキECU70は、このとき全ての電磁制御弁への制御電流の供給を停止する。その結果、ブレーキフルードの供給経路はマスタシリンダ側とレギュレータ側との2系統に分離される。マスタシリンダ圧が前輪用のホイールシリンダ23FR及び23FLへと伝達され、レギュレータ圧が後輪用のホイールシリンダ23RR及び23RLへと伝達される。
図2は、ストロークセンサおよびその周辺の概略構成を表す図である。
ストロークセンサ25は、例えば渦電流式の変位センサとして構成され、ブレーキペダル24のストローク量に応じた出力信号を出力する検出部82と、その出力信号を増幅してブレーキECU70へ出力する増幅部84とを含んで構成される。検出部82は、検出コイル、発振回路、整流回路等を含む。検出コイルは、発振回路から供給される高周波電流により交流磁界を発生させる。検出コイルは、ブレーキペダル24が近づくにつれて(つまり、ストローク角が大きくなるにつれて)渦電流損が増大し、これによりインピーダンスが増大して発振回路の発振振幅を減少させる。整流回路は、発振回路の発振振幅を取り出して直流電圧(検出信号)に変換する。
増幅部84は、測定精度を確保するために、増幅率は等しいが検出範囲が異なる2つのアンプが並列に配置されて構成されている。アンプ86は、ブレーキペダル24のフルストローク分の前半、つまりストローク角の小さい範囲を検出範囲とする。一方、アンプ88は、フルストローク分の後半、つまりストローク角の大きい範囲を検出範囲とする。すなわち、ストローク量の大きさ(検出範囲)に応じてアンプ86およびアンプ88のいずれかに切り替えられ、その出力信号がブレーキECU70にて用いられる。いずれのアンプを使用するかは図示省略のスイッチにより切り替えられる。
ブレーキECU70は、電源電圧比とストローク角とを対応づけた制御マップを保持しており、アンプ86または88から取得した出力電圧を電源電圧比の形で取得し、ストローク角を算出する。そして、そのストローク角から算出されるストローク量に基づいて制動制御を実行する。
図3および図4は、ストローク量の演算方法を説明するための図である。図3は、複数のアンプを切り替えてストローク量を検出する場合の問題点を表している。(A)は検出状態が正常な場合を表し、(B)は検出状態が正常でない場合を表している。図4は、本実施の形態に係るストローク演算方法の主要部を説明するための図である。各図において、横軸はストローク角を表し、縦軸はブレーキECU70がストロークセンサの出力値として取得する電源電圧比を表している。
ストロークセンサ25の検出状態が正常である場合には、図3(A)に示すように、ストローク角θ1にてアンプ86からアンプ88へ切り替えても、ブレーキECU70が取得する電源電圧比はリニアな状態となり、その切り替え時点において不安定な制動制御がなされることはない。しかし、ストロークセンサ25の検出状態が異常である場合、図3(B)に示すように、両アンプの切り替え時点において電源電圧比が不連続となるいわゆる「飛び」の現象が発生することがある。なお、同図には便宜上、プラス側の飛びが発生した場合とマイナス側の飛びが発生した場合の両方が示されている。このような飛びが発生すると検出されるストローク量が急変するため、これを用いて演算される目標減速度が大きく変化する。その結果、その目標減速度に基づいて実行された制動制御が不安定になり、運転者にも違和感を与える可能性がある。
そこで、このようなアンプの切り替え時点における電源電圧比の「飛び」を防止するために、図4に示される補正処理が行われる。なお、同図には、プラス側の飛びが発生した場合が例示されている。すなわち、サンプリング周期Tごとに電源電圧比が逐次記憶される過程において、例えばストローク角θ1においてアンプの切り替えが行われた場合、今回取得した出力値(電源電圧比)が前回値と比べて大きく変化した場合には、その変化量を補正する。本実施の形態では、サンプリング周期Tにおける電源電圧比の変化量のガード値aが設定されており、今回の電源電圧比と前回値との変化量がガード値aを超えた場合に、その電源電圧比を異常値として破棄する。このガード値aは、車両挙動として許容できる範囲が予め設定されている。
そして、図示のように、今回の電源電圧比xが前回値x1と比較してガード値aを超えて変化した場合には、前回値x1と前々回値x2との変化量を前回値x1に加算した値を仮値xuとして算出し、その仮値xuに基づいてストローク角を算出する。このとき、今回の出力値と仮値xuとの差分値αを算出しておく。さらなるアンプの切り替えがない限り、次回以降の検出においても「飛び」の影響が残っていると考えられるため、次回以降の演算においては、図中点線矢印にて示すように、算出された電源電圧比から差分値αを差し引いた値を演算し、これをストローク角の算出に用いるようにする。これにより、図示のように出力値の飛びの発生前後において電源電圧比をリニアな形で取得することができる。
次に、本実施の形態の制動制御処理の流れについて説明する。図5は、制動制御処理の主要部の流れを概略的に表すフローチャートである。この処理は、イグニッションスイッチがオンされた後に所定の制御周期で繰り返し実行される。
ブレーキECU70は、まず制動中であるか否かを判定する。ここでは、ストロークセンサ25により検出されたストローク量、およびレギュレータ圧センサ71により検出されたレギュレータ圧がそれぞれ予め設定された判定基準値以上となっている場合に制動中であると判定される。このようにレギュレータ圧をも判定基準とすることにより、ストロークセンサ25が故障等した場合のフェイルセーフを確保している。なお、制御圧センサ73により検出されるマスタシリンダ圧に基づいて制動判定を行うこともできる。このとき、制動中であると判定されると(S10のY)、ブレーキECU70は、ブレーキペダル24が踏み増し中であるか踏み戻し中であるかを判定する処理を実行する(S12)。この踏み増し/戻し処理については後述する。
ブレーキECU70は、続いてストロークセンサ25の出力値を読み取って電源電圧比xを取得し(S14)、今回の電源電圧比xを演算する(S16)。ここでは、検出された電源電圧比xから後述する差分値αを差し引いた値を今回の電源電圧比x(=x−α)として算出する。この差分値αの初期値α0はゼロであるが、制御過程における増幅器の切り替えにより電源電圧比が飛んだ場合には有限値をとる。このように、制御周期(サンプリング周期)ごとに電源電圧比xを取得して逐次記憶していく。ブレーキECU70は、また、既に同様にして算出された電源電圧比の前回値x1、前々回値x2およびサンプリング周期Tから既取得出力値の変化量c(=(x1−x2)/T)を算出しておく(S18)。
ブレーキECU70は、今回の電源電圧比xの前回値x1からの変化量が上述したガード値aよりも小さければ(S20のY)、出力値の飛びは発生していないとして今回の電源電圧比xを用いる。そして、次回の演算のために今回の電源電圧比xを前回値x1として記憶する一方(S22)、今回の電源電圧比xを含める過去数回分(例えば4回分)の電源電圧比の平均値を算出し(S24)、その平均値に対応したストローク量に基づいて目標減速度を算出する(S26)。
一方、S20において、今回の電源電圧比xの前回値x1からの変化量がガード値a以上であれば(S20のN)、出力値の飛びが発生したとして今回の電源電圧比xを破棄する。そして、S12の判定処理により踏み増し中であれば(S28のY)、今回の電源電圧比xとして踏み増し用仮値xuを設定する(S30)。一方、S28において踏み増し中でなければ(S28のN)、今回の電源電圧比xとして踏み戻し用仮値xdを設定する(S32)。これら踏み増し用仮値xuおよび踏み戻し用仮値xdは、今回の電源電圧比xが異常値を示す場合に、本来の値を推定して算出される推定値であり、下記式(1)により算出される。なお、踏み戻し中である場合、下記式(1)の変化量cは負の値をとることになる。
xu(xd)=x1+c×T ・・・(1)
x1:前回値
c:変化量
T:演算周期
ブレーキECU70は、このとき算出された踏み増し用仮値xuまたは踏み戻し用仮値xdと、異常値となった電源電圧比xとの差分αを算出し(S34)、次回以降のS16の演算にて使用する。また、このとき算出された踏み増し用仮値xuまたは踏み戻し用仮値xdは、次の演算処理のために前回値x1として記憶されるとともに(S22)、今回の電源電圧比としてストローク量ひいては目標加速度の算出に用いられる(S24,S26)。すなわち、次回以後の出力値についてもS16にて差分値αが差し引かれることにより、出力値の飛びの発生前後において電源電圧比xをリニアな形で取得することができる。なお、S10において制動中でないと判定されると(S10のN)、一旦処理は終了される。
図6は、図5のS12に係る踏み増し/戻し処理の流れを表すフローチャートである。 上述した踏み増し/戻し処理において、ブレーキECU70は、レギュレータ圧センサ71の今回の電源電圧比y1を読み取るとともに(S40)、前回の電源電圧比y2を読み取る(S42)。そして、これらの差分(y1−y2)がゼロまたは正の値であれば(S44のY)、踏み増し状態にあると判定する(S46)。一方、差分(y1−y2)が負の値であれば(S44のN)、踏み戻し状態にあると判定する(S48)。
以上に説明したように、本実施の形態においては、アンプの切り替えにより検出信号の出力値が不連続に変化して異常値を示しても、前回の出力値に連続的につながる本来の出力値が推定される。すなわち、ストロークセンサ25の出力値がその検出履歴からみて異常である場合、本来のストローク量に対応した推定値が算出され、制動制御に用いられる。その結果、ブレーキECU70からみて制動制御の演算に用いるストローク量に異常な不連続部分が生じることなく、リニアで安定した制動制御を実現することができる。ストロークセンサの電源電圧比が予期せずに飛んだ場合にも、ブレーキフィーリングを良好に保持することができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
上記実施の形態では、ストロークセンサ25として渦電流式のものを採用した例を示したが、センサの形式についてはこれに限られず、磁石により放射される磁束をホールICにて読み取り、電圧値として出力するセンサ等、検出信号を複数のアンプを切り替えて使用するものであればよい。また、図2には、ストロークセンサ25の一態様を示したが、複数のアンプの数や接続構成についてはこれに限られるものではない。同図の例では、検出部82の出力信号がアンプ86,88のいずれかを経由してブレーキECU70に入力されるが、アンプを経由することなくブレーキECU70に入力されるパターンがあってもよい。
上記実施の形態では、特定の液圧制御方式のブレーキ装置を例に挙げたが、ストロークセンサによりブレーキペダルのストローク量を検出して制動制御を行うものであれば、その制御形式に限られるものではない。
本発明の実施の形態に係るブレーキ装置を示す系統図である。 ストロークセンサおよびその周辺の概略構成を表す図である。 ストローク量の演算方法を説明するための図である。 ストローク量の演算方法を説明するための図である。 制動制御処理の主要部の流れを概略的に表すフローチャートである。 図5のS12に係る踏み増し/戻し処理の流れを表すフローチャートである。
符号の説明
20 ブレーキ装置、 22 ブレーキディスク、 23 ホイールシリンダ、 24 ブレーキペダル、 25 ストロークセンサ、 27 マスタシリンダユニット、 30 動力液圧源、 32 マスタシリンダ、 33 レギュレータ、 34 リザーバ、 35 アキュムレータ、 36 ポンプ、 51 ABS保持弁、 56 ABS減圧弁、 60 分離弁、 64 マスタカット弁、 65 レギュレータカット弁、 66 増圧リニア制御弁、 67 減圧リニア制御弁、 68 シミュレータカット弁、 69 ストロークシミュレータ、 70 ブレーキECU、 71 レギュレータ圧センサ、 73 制御圧センサ、 82 検出部、 84 増幅部、 86 アンプ、 88 アンプ。

Claims (6)

  1. 車両の各車輪に対してブレーキ操作部材のストローク量に応じた制動力を付与するブレーキ装置において、
    前記ストローク量に応じた出力信号を出力する検出部と、その検出部の出力信号を増幅して出力する複数の増幅器とを含むストロークセンサと、
    前記ストローク量の検出範囲に応じて前記複数の増幅器の出力信号を切り替えて取得し、取得された出力信号に基づいて前記ストローク量を演算し、そのストローク量に基づいて目標制動力を得るための制御信号を出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、所定のサンプリング周期にて前記出力信号の出力値を取得するとともに、その出力値が既取得出力値から予め定める異常判定値以上に変化している場合には、これを異常値と判定して破棄し、前記既取得出力値に基づく推定値を演算してその推定値に基づいて前記ストローク量を演算することを特徴とするブレーキ装置。
  2. 前記制御部は、前記既取得出力値の前記サンプリング周期に対する変化量を算出し、前記既取得出力値に前記変化量を加算して前記推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記制御部は、次回以降の演算のために前記推定値を前記既取得出力値として保持するとともに、前記異常値と前記推定値との差分値を演算し、前記異常値の発生以後に取得される出力値について前記差分値を加算または減算した補正値を演算し、その補正値に基づいて前記ストローク量を演算することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ装置。
  4. 前記制御部は、前記ストローク量が増加過程および減少過程のいずれにあるかを判定し、増加過程にある場合には前記出力値に前記差分値を加算して前記補正値を算出し、減少過程にある場合には前記出力値から前記差分値を減算して前記補正値を算出することを特徴とする請求項3のいずれかに記載のブレーキ装置。
  5. 前記制御部は、前記ストローク量が増加過程および減少過程のいずれにあるかを、前記ストローク量とは異なるが制動制御に際して取得する他の物理量に基づいて判定することを特徴とする請求項4に記載のブレーキ装置。
  6. 前記異常判定値は、前記サンプリング周期における前記出力信号の出力値の変化量として、前記ブレーキ操作部材の操作力によっては変化し得ない値であって、前記増幅器の切り替えにより発生し得る値が設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のブレーキ装置。
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