JP2009084515A - 反応性界面活性剤、樹脂組成物及び塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
塗膜の耐水性を損なうことなく塗膜に十分な親水性(防汚性)を付与し、且つ長期に亘る親水性保持能力(長期防汚性)に優れた塗膜を形成することができる反応性界面活性剤を提供すること。
【解決手段】
式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなる反応性界面活性剤を用いる。
{R(-OA)n-}m Q (1)
Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OAはオキシアルキレン、Rは(メタ)アクリロイル、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル又は水素原子を表し、少なくとも1個のRは(メタ)アクリロイル及び/又は3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル、nは1〜30の整数、mは2〜4の整数、OAの総数は10〜80の整数。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、塗膜の耐水性を損なうことなく塗膜に充分な親水性(防汚性)を付与し、且つ長期に亘る親水性保持能力(長期防汚性)に優れた塗膜を形成できる反応性界面活性剤を提供することである。
すなわち、本発明の反応性界面活性剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなる点を要旨とする。
{R(-OA)n-}m Q (1)
非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及びグリシジル(メタ)アクリレート(a4)の化学反応により製造され得る構造(2)を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる点を要旨とする。
(メタ)アクリロイル基、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基及び水素原子のうち、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基及び水素原子が好ましい。また、親水性保持能力(長期防汚性)の観点から、(メタ)アクリロイル基及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基の含有量は、1〜3個が好ましく、さらに好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個である。この範囲であると、親水性保持能力(長期防汚性)がさらに良好となる。
mは、2〜4の整数であり、たとえば、蔗糖の場合は3、トレハロースの場合は2、メレチトースの場合は4である。この範囲であると塗膜の親水性及び親水性保持能力がさらに良好となる。
n又はmは、すべて同じでもよく、一部又は全部が異なってもよい。
OAの総数は、10〜80の整数が好ましく、さらに好ましくは13〜70の整数、特に好ましくは17〜60の整数、最も好ましくは20〜50の整数である。この範囲であると、塗膜の耐水性、親水性保持能力及び親水性がさらに良好となる。
アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、10〜80が好ましく、さらに好ましくは13〜70、特に好ましくは17〜60、最も好ましくは20〜50である。この範囲であると、親水性、親水性保持能力及び耐水性がさらに良好となる。
EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、非還元性の二又は三糖類(a1)へEOを反応させた後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の合計重量に基づいて、0.01〜1が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.8、特に好ましくは0.05〜0.6である。この範囲であると、経済性(製造の所要時間及び触媒コスト等)及び生成物の純度(単分散性等)等がさらに良好となる。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。
反応溶媒の除去方法としては、特開2005−132916号公報に記載の方法などが挙げられる。
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器(1)に、精製グラニュー糖{台糖(株)製、以下同じ}342部(1モル部)及びDMF{三菱ガス化学(株)製、以下同じ}500部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した(以下、「窒素置換」と略する。)。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、この温度にてプロピレンオキシド(PO)232部(4モル部)を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いでブチレンオキシド(BO)432部(6モル部)を3時間かけて滴下し、同温度にて2時間攪拌を続けて残存するBOを反応させた。その後120℃、減圧(−0.05〜−0.098MPa:以下、単に「減圧」と省略する)下にてDMFを除去し、蔗糖/PO4モル/BO6モル付加物(S1)を得た。DMF含有量(内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法;以下同じ)は0.05%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、トレハロース{和光純薬工業(株)製}342部(1モル部)及びDMF500部を投入した後、窒素置換をした。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてPO754部(13モル部)を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。その後120℃、減圧下にてDMFを除去し、トレハロース/PO13モル付加物(S2)を得た。DMF含有量は0.06%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、ラフィノース{和光純薬工業(株)製}504部(1モル部)及びDMF800部を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてPO986部(17モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。その後120℃、減圧下にてDMFを除去し、ラフィノース/PO17モル付加物(S3)を得た。DMF含有量は0.04%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、精製グラニュー糖342部(1モル部)及びDMF800部を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてPO1160部(20モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。その後120℃、減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/PO20モル付加物(S4)を得た。DMF含有量は0.06%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、実施例例4で得た蔗糖/PO17モル付加物(S4)1502部(1モル部)及び水酸化カリウム5部(0.09モル部)を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ130℃まで昇温し、減圧下1時間脱水を実施した。次いで110℃にてPO580部(10モル部)を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて1時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで90℃にてイオン交換水20部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製}60部を加え、同温度にて1時間攪拌した。 さらに同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに減圧下、120℃にて1時間脱水(以下、キョーワード700等によるこれらの処理を「キョーワード処理」と略する。)して、蔗糖/PO30モル付加物(S5)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、実施例2で得たトレハロース/PO13モル付加物(S2)1096部(1モル部)及び水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、使用量は水分を除いた純分換算量で表示す。以下、同じ}5部(0.09モル部)を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ130℃まで昇温し、減圧下1時間脱水を実施した。次いで110℃にてPO1566部(27モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた後キョーワード処理して、トレハロース/PO40モル付加物(S6)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、実施例3で得たラフィノース/PO17モル付加物(S3)1490部(1モル部)及び水酸化カリウム7部(0.12モル部)を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ130℃まで昇温し、減圧下1時間脱水を実施した。次いで110℃にてPO1914部(33モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた後キョーワード処理して、ラフィノース/PO50モル付加物(S7)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、実施例5で得た蔗糖/PO30モル付加物(S5)2082部(1モル部)及び水酸化カリウム6.2部(0.11モル部)を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ130℃まで昇温し、減圧下1時間脱水を実施した。次いで110℃にてPO1740部(30モル部)を5時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた後キョーワード処理して、蔗糖/PO60モル付加物(S8)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、精製グラニュー糖342部(1モル部)及びDMF2000部を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてエチレンオキシド(EO)176部(4モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて1時間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。続いてPO3828部(66モル部)を10時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。その後120℃、減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/EO4モル/PO66モル付加物(S9)を得た。DMF含有量は0.05%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、精製グラニュー糖342部(1モル部)及びDMF2000部を投入した後、窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてEO396部(9モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて1時間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。続いてPO4118部(71モル部)を12時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。その後120℃、減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/EO9モル/PO71モル付加物(S10)を得た。DMF含有量は0.06%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、ペンタエリスリトール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}136部(1モル部)及びDMF2000部を加えて窒素置換をした。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてPO1740部(30モル部)を7時間かけて滴下した後、同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いでEO880部(20モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にて次いで120℃にて減圧下にてDMFを除去し、比較用の界面活性剤(F1){ペンタエリスリトール/PO30モル/EO20モルのポリオキシアルキレン化合物}を得た。(F1)のDMF含有量は0.02%であった。
実施例1と同様な反応容器(2)に、比較例1で得たペンタエリスリトール/PO30モル/EO20モル付加物(F1)275.6部(0.1モル部)、メタクリル酸10.3部(0.12モル部)、ハイドロキノン0.1部及びナフテン酸コバルト0.05部を仕込み、反応液中に窒素を10mL/分の割合で流しながら80℃にて2時間、次いで100℃にて3時間攪拌したところ還流管に水の留出が見られなくなった。還流管及び窒素導入管を取り外し、減圧下、80℃にて1時間脱水して、比較用の反応性界面活性剤(F2){ペンタエリスリトール/PO30モル/EO20モル付加物/メタクリル酸1モル}を得た。(F2)のエステル価は20mgKOH/gであった。
実施例1と同様な耐圧反応容器(1)に、ステアリルグリシジルエーテル{日本油脂(株)製、製品名:エピオールSK}652部(2モル部)、ポリオキシエチレングリコール{三洋化成工業(株)製、分子量600、製品名:PEG−600}600部(1モル部)及びトリエチレンジアミン{試薬特級、和光純薬工業(株)製}3部を仕込み、窒素置換をした。次いで100℃にて5時間攪拌後、比較用の界面活性剤(F3){ステアリルグリシジルエーテル2モル/ポリオキシエチレングリコール1モルのポリオキシアルキレン化合物}を得た。
(1)ビニル樹脂溶液(JSt)
加熱、冷却、及び攪拌可能な還流管、窒素導入管付き反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル{日本乳化剤(株)製、製品名:MFG}500部を仕込み、窒素を導入しながら攪拌しつつ110℃に昇温した。次いで同温度に保ちながら、スチレン{試薬特級、和光純薬工業(株)製}208部(2モル部)、2−エチルヘキシルメタクリレート{日本油脂(株)製、製品名:ブレンマーEHMA−25}138.6部(0.7モル部)、n−ブチルメタクリレート{日本油脂(株)製、製品名:ブレンマーBMA}142部(1モル部)、AE−350{日本油脂(株)製、ポリエチレングリコールモノアクリレート、数平均分子量:423}126.9部(0.3モル部)、メタクリル酸86部(1モル部)及びアゾビスイソブチロニトリル2部の混合液を4時間かけて滴下した。その後120℃にて2時間攪拌して不揮発分(サンプル量約5g:105℃×1.5時間)58.5%の黄色透明なビニル樹脂溶液を得た。
次いで減圧下、60〜90℃にてプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、不揮発分を約80%とし、さらに脱イオン水/10%アンモニア水にて、不揮発分40%、pH8のビニル樹脂溶液(JSt)を得た。
「AE−350{日本油脂(株)製、ポリエチレングリコールモノアクリレート、数平均分子量:423}126.9部(0.3モル部)」を、実施例1〜10で得た反応性界面活性剤(Y1)〜(Y10)及び比較例1〜3で得た界面活性剤(F1)〜(F3)を表1に示した量に変更したこと以外、上記と同様にして、不揮発分40%、pH8のビニル樹脂溶液(J1)〜(J10)及び比較用のビニル樹脂溶液(JC1)〜(JC3)を得た。
なお、重量平均分子量は、分子量既知のポリスチレンを標準物質としてゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ(GPC)を用いて以下のような条件で測定し、溶剤として使用したプロピレングリコールモノメチルエーテルのピークを除いて算出した。
カラム:東ソ−製型式SuperH−4000×2本及び同型式SuperH−3000×1本をそれぞれ直列に接続したカラム
検出器:示差屈折検出器
データ処理機:東ソー(株)製データ処理機(形式SC−8020)
カラム温度:40℃
溶離液:THF(試薬1級、片山化学工業製)
流速:0.5ml/min.
試料濃度:1重量%
試料溶液注入量:10μl
(1)標準塗料
表2の原料組成にて、グラインディング工程及びレットダウン工程にインペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器会社製、モデルED)を用い、室温(20〜30℃)にて3000rpm、5時間混合して、水性エマルション塗料を得た。得られた塗料はつぶゲージ法(JIS K5400−1990)にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
この水性エマルション塗料を、ストマー粘度計(JIS K5400−1990)で77KU(25℃)になるように水で希釈して、標準塗料を得た。
1:サンノプコ(株)製の分散剤
2:サンノプコ(株)製の増粘剤
3:サンノプコ(株)製の消泡剤
4:石原産業(株)製の二酸化チタン
5:サンノプコ(株)製の防腐剤
6:イーストマンケミカル社製の造膜調整剤
7:サンノプコ(株)製の増粘剤
「ビニル樹脂溶液(JSt)」を「ビニル樹脂溶液(J1)〜(J10)」又は「比較用のビニル樹脂溶液(JC1)〜(JC3)」に変更したこと以外、上記と同様にして評価塗料(1)〜(10)及び比較用の評価塗料(H1)〜(H3)を得た。
アセトンで脱脂処理したポリエステルフィルム{商品名:ルミラー75−S10、パナック(株)製、厚さ0.1mmを10×8cmにカットして使用}に、アプリケーターを用いて標準塗料、評価塗料(1)〜(10)及び比較用の評価塗料(H1)〜(H3)をウェット膜厚が200μmになるように塗布した。ついで、25℃、50%相対湿度に調整したコントロールルーム(以下、温調室と略す)に、塗膜面が水平になるようにして7日間静置して乾燥させることにより試験用塗装片(標準)、(1)〜(10)及び(H1)〜(H3)を得た。
親水性{水との接触角}、耐水性{目視判定}及び屋外暴露試験により塗膜の耐汚染性{白色度の差}を評価し、これらの結果を表3に示した。
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、その塗膜の表面に0.02±0.005mLの脱イオン水を滴下し、1分後に水滴の接触角を測定して初期の接触角とした。なお、接触角は、温調室(25℃、60%相対湿度)の中で、協和化学製コンタクトアングルメーターCAAを用いて測定した。
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、それを25℃の脱イオン水に24時間浸漬した後、温調室(約25℃、約60%相対湿度)に、塗膜面が水平になるようにして同室にて24時間放置して乾燥させた。次いで上記と同様にして水との接触角を測定し、これを浸漬処理後の接触角とした。
試験用塗装片から5×5cmの大きさの試験片を採り、これを25℃の脱イオン水に24時間浸漬した後、水中より引き揚げ、塗膜表面に発生するブリスターの数及び大きさ等を目視観察して、以下の基準により評価した。
○:直径0.1mm程度のブリスターが若干ある。
△:直径0.5mm以上のブリスターが若干ある。
×:直径0.5mm以上のブリスターが多くある。
試験用塗装片(10×8cm)をスレート板に両面テープを用いて貼り付け、試験板とした。愛知県東海市の6階立てビルの屋上暴露台(地上約25 m)に塗装面を水平面に対して45度になるようにし、かつ塗装面が真北を向くようにして試験板を設置し、約6ケ月間暴露した。その後、試験用塗装片の表面に付着したゴミや汚れ等を自重の同じ量の水を含ませた木綿ウエスにて3回こすり落とし、さらに乾燥木綿ウエスで水気を取り除いた後、白色度(L2)を測定した。なお、この白色度(L2)から、暴露前の試験用塗装片の白色度(L1)を差し引いた値の絶対値(−△L)を算出し、これを「白色度の差(−ΔL)」とした。なお、白色度の差(−△L)は小さいほど長期防汚性が良好であることを示す。白色度は、日本電色工業(株)製SPECTRO COLOR METERMODEL PF-10を用いて測定した。
Claims (6)
- 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなることを特徴とする反応性界面活性剤。
{R(-OA)n-}m Q (1)
ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは(メタ)アクリロイル基、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基又は水素原子を表し、少なくとも1個のRは(メタ)アクリロイル基及び/又は3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基であり、nは1〜30の整数、mは2〜4の整数、OAの総数は10〜80の整数を表し、R、OA、(OA)n、Q、n、mは、それぞれ同じでも異なってもよい。 - Qが蔗糖の3個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基である請求項1に記載の反応性界面活性剤。
- 非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及び(メタ)アクリル酸(a3)の化学反応により製造され得る構造(1)を有するポリオキシアルキレン化合物、並びに/又は
非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及びグリシジル(メタ)アクリレート(a4)の化学反応により製造され得る構造(2)を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする反応性界面活性剤。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の反応性界面活性剤に含まれるポリオキシアルキレン化合物(Y)及びビニルモノマーを必須構成モノマーとしてなり、ポリオキシアルキレン化合物(Y)単位の含有量がビニルモノマー及びポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて1〜20重量%であるビニル樹脂。
- 請求項4に記載のビニル樹脂を含有してなる塗料。
- 塗料及び請求項1〜3のいずれかに記載の反応性界面活性剤とからなり、この反応性界面活性剤を塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる塗料組成物。
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