JP2009083942A - 紙葉類分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1日の温度変化の影響による紙葉類の分離や搬送の不良の発生を低減させる。
【解決手段】カレンダ部11が出力した年月日、時計部12が出力した時刻および温度センサ部13が出力した温度が所定の範囲内にあり、かつリジェクト率算出手段が算出したリジェクト率が所定の閾値を超えたとき、フィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定する調整要否判定手段181を設け、その調整要否判定手段181がフィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定したとき、噛合量調整手段でその噛合量を調整するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステージ上に集積された紙葉類を1枚ずつ分離して繰出す紙葉類分離装置に関する。
従来の紙葉類分離装置は、ステージ上に集積された紙葉類をピックアップローラに押圧するとともにそのピックアップローラを回転させて繰出し、繰出された紙葉類を1枚ずつ分離するために入れ子状に噛み合うように対向配置されたフィードローラとゲートローラで1枚ずつ分離して搬送路へ送り出すようにしている。このように構成された紙葉類分離装置は、フィードローラとゲートローラの噛合量が少ない場合は同時に複数枚の紙葉類を送り出す重走が発生し、逆に噛合量が多い場合は紙葉類を送り出すことができず、また紙葉類に傷を付けてしまうことがあり、その噛合量を適正のものとするため定期的(例えば半年に一度)に保守員の手作業により調整するようにしている。
また、フィードローラとゲートローラで搬送路に繰出された紙葉類の搬送状態を搬送状態監視手段で監視し、その搬送状態監視手段の出力を統計処理してフィードローラとゲートローラの噛合量を調整モータにより適正なものに調整するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−132587号公報(段落「0021」〜段落「0024」、図1)
しかしながら、上述した従来の技術においては、所定の期間における紙葉類の分離状態や搬送状態を示す情報に基づいて定期的にフィードローラとゲートローラの噛合量が適正になるように調整するようにしても、その噛合量はフィードローラおよびゲートローラの温度により変化してしまい、特に冬季の朝方においては紙葉類分離装置が設置される室内の温度や装置内の温度の低下とともにフィードローラおよびゲートローラの温度も低下し、一方暖房機による室内の温度や装置内の温度の上昇とともにフィードローラおよびゲートローラの温度も上昇するため、1日の温度変化の影響により紙葉類の分離や搬送に不良が発生してしまうという問題がある。
このような問題に鑑み室内温度やカレンダ情報に基づいて制御(特開平8−5060参照)するようにしても、紙葉類分離装置の設置場所、稼働時間帯等の設置条件や年毎の気温変化の変動によりフィードローラとゲートローラの噛合量を適切に調整することが困難であり、また紙葉類の分離状態や搬送状態に不良が発生していない場合であっても室内温度やカレンダ情報に基づいて噛合量を変化させてしまい紙葉類の分離や搬送に不良を発生させてしまうという問題がある。
また、フィードローラとゲートローラで搬送路に繰出された紙葉類の搬送状態を搬送状態監視手段で監視し、その搬送状態監視手段の出力を統計処理する場合、繰出した紙葉類が長期間にわたる規定の枚数に達するまでフィードローラとゲートローラの噛合量を適切に調整することができず、きめ細やかな調整をすることができないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
そのため、本発明は、紙葉類を集積する集積板と、該集積板により紙葉類が押圧されるピックアップローラと、該ピックアップローラの回転に伴って繰出される紙葉類を1枚ずつ分離して搬送路に繰出すフィードローラおよびゲートローラと、該フィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する噛合量調整手段とを備えた紙葉類分離装置において、現在の年月日を出力するカレンダ部と、現在の時刻を出力する時計部と、装置内の温度を計測して出力する温度センサ部と、フィードローラおよびゲートローラで繰出される紙葉類の搬送状態を監視する搬送状態監視センサ部と、前記カレンダ部が出力した年月日、前記時計部が出力した時刻および前記温度センサ部が出力した温度が所定の範囲内にあるとき、繰出された紙葉類の枚数のうち前記搬送状態監視センサ部で搬送状態の異常が検知された紙葉類の枚数の比率を算出し、リジェクト率として記憶部に記憶させるリジェクト率算出手段と、前記カレンダ部が出力した年月日、前記時計部が出力した時刻および前記温度センサ部が出力した温度が所定の範囲内にあり、かつ前記リジェクト率算出手段が算出したリジェクト率が所定の閾値を超えたとき、フィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定する調整要否判定手段とを設け、前記調整要否判定手段がフィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定したとき、前記噛合量調整手段でその噛合量を調整するようにしたことを特徴とする。
このようにした本発明は、1日の温度変化の影響による紙葉類の分離や搬送の不良の発生を低減させることができるという効果が得られる。
また、紙葉類の分離状態や搬送状態に不良が発生していない場合は噛合量を変化させることがないため紙葉類の分離や搬送の不良の発生を低減させることができるという効果が得られる。
さらに、フィードローラとゲートローラの噛合量のきめ細やかな調整をすることができるという効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明による紙葉類分離装置の実施例を説明する。
本発明の紙葉類分離装置が取り扱う紙葉類は、伝票等の帳票、鉄道の切符や定期券、航空券、入場券、ならびに勝馬投票券等のチケット、証券、商品券、紙幣等であり、以下に示す実施例において、紙葉類分離装置は銀行や郵政公社等の金融機関の営業店やコンビニエンスストア等の店舗に設置された現金自動取引装置に装備された紙幣処理機の紙葉類分離装置とし、紙葉類を紙幣として説明する。
図2は第1の実施例における紙幣処理機の構成を示すブロック図である。
図2において、2は接客部であり、顧客が入金する紙幣の投入を受け付ける部位であるとともに顧客に支払う紙幣を集積する部位である。この接客部2は投入された紙幣を1枚ずつ分離して繰出す分離機構からなる紙葉類分離装置6を有している。なお、紙葉類分離装置6の詳細は後述する。
3は紙幣を金種別に収納する金庫であり、機体の下部側に左右方向に並べて配置されている。この金庫3は、例えば3個の金庫で構成され、金庫3aおよび金庫3bに万円券、金庫3cに千円券等を収納するものとする。
また、それぞれの金庫3の上部に収納した紙幣を1枚ずつ分離して繰出す分離機構からなる紙葉類分離装置6を有し、その紙葉類分離装置6で収納した紙幣を1枚ずつ分離して繰出すことができるようになっている。
4は搬送路であり、ローラやベルト等で構成され、接客部2、金庫3a〜3c、後述する鑑別部、リジェクトボックス、一括収納部の各部の間を接続し、紙幣を挟持して搬送するように設けられている。
5は鑑別部であり、搬送された紙幣の真偽、正損、金種等の鑑別、連鎖、斜行等の搬送異常等の検出、および計数等を行うものである。
7は出金時に出金に適さないと鑑別部5で鑑別されたリジェクト紙幣を収納するRJ(リジェクト)ボックスである。
8は一括収納部であり、複数の金種の紙幣を一括して集積して収納するものである。この一括収納部8の上部に収納した紙幣を1枚ずつ分離して繰出す分離機構からなる紙葉類分離装置6を有し、その紙葉類分離装置6で収納した紙幣を1枚ずつ分離して繰出すことができるようになっている。
次に、紙葉類分離装置6を図1の第1の実施例における紙葉類分離装置の制御系の構成を示すブロック図、図3の第1の実施例における紙葉類分離装置の要部側面図、図4の第1の実施例における紙葉類分離装置のAA矢視図に基づいて説明する。
図3および図4において、61は集積板であり、図示しない昇降機構により往復動可能に構成され、紙葉類としての紙幣Pが集積されている。
62はピックアップローラであり、集積板61と対向して設置され、紙幣Pの繰出しが容易なようにその外周面の一部にはゴム等の摩擦係数の大きい摩擦部材62aが取付けられており、集積板61により押圧された紙幣Pをその回転により繰出す機能を有している。
63はフィードローラであり、ピックアップローラ62の紙幣Pの繰出し方向の下流で、ピックアップローラ62により繰出される紙幣Pの受取りが可能な位置に設置され、紙幣Pの繰出しが容易なようにピックアップローラ62と同様の摩擦部材63aが取付けられている。
64はゲートローラであり、その外周面にゴム等の摩擦係数の大きい摩擦部材が取付けられ、フィードローラ63に対向して互いに噛み合うように設置され、紙幣Pの繰出時には回転しない一方向回転機構が設けられており、フィードローラ63により繰出される紙幣Pを1枚毎に分離する機能を有している。またゲートローラ64の摩擦部材の摩擦係数は紙幣P同士よりは大きく、フィードローラ63の摩擦部材よりは小さく設定される。
64aは調整モータであり、サーボモータ等のモータで所定の回転角で回転させることができるように構成されたものである。この調整モータ64aおよび図示しないアームやスプリング等でゲートローラ64を図3に示す矢印Dの方向に昇降自在にする昇降機構を構成している。
この昇降機構によりゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量(図4に示すL)を調整し保持することができるようになっている。なお、昇降機構はステッピングモータ等のロータの角度位置を保持することが可能なモータとカムとの組合せによって構成するようにしてもよい。
本実施例では、図4に示すように3個のフィードローラ63bの間に2個のゲートローラ64bが互いに噛み合うように対向して配置されて1組が形成され、その3個のフィードローラ63bおよび2個のゲートローラ64bが2組になるように配置されている。それぞれのゲートローラ64bは連結部材64cで連結され、その連結部材64cに上記の昇降機構が設けられている。
なお、ピックアップローラ62とフィードローラ63とを正逆回転可能に構成し、集積板61を降下させて反繰出方向に紙幣Pを搬送するようにすれば、紙幣Pの集積機構を構成することができ、同様の構成で紙幣の分離集積機構として機能させることができる。
65は第1ローラであり、フィードローラ63およびゲートローラ64の繰出し方向の下流で、フィードローラ63に当接するように対向配置され、フィードローラ63およびゲートローラ64により繰出された紙幣Pを挟持して搬送路4へ送り出すものである。この第1ローラ65は図4に示すようにフィードローラ63cに当接するように対向配置されている。
66は紙幣ガイドであり、フィードローラ63およびゲートローラ64により繰出された紙幣Pを搬送路4へ案内するためのものである。
67は搬送状態監視センサであり、紙幣の通路を挟んで発光部と受光部が対向配置された光学式センサ等である。この搬送状態監視センサ67はフィードローラ63およびゲートローラ64により繰出された紙幣Pの搬送状態を監視するものであり、例えば紙幣の左右端部のいずれかが先行する斜行、複数の紙幣が重なり合って走行する重走、紙幣の間隔が所定の間隔より短く連なって走行する連鎖等の発生を監視するためのものである。
本実施例では、図4に示すように紙幣Pの短手方向に搬送される紙幣Pの長手方向にWを間隔として2つの搬送監視センサ67a、67bが設けられている。
図1において、11はカレンダ部であり、現在の年月日を読み出すことができるものである。
12は時計部であり、現在の時刻である時分秒を読み出すことができるものである。このカレンダ部11および時計部12は例えばリアルタイムクロック等の時計用のICで構成され、水晶発信器が出力するクロックパルスに基づいて正確の時を刻み、現在の年月日時分秒を計測して出力することができるようになっている。
13は温度センサであり、サーミスタ等で構成され、紙葉類分離装置6内の温度を計測し、その温度データを出力することができるようになっている。
14は搬送状態監視センサ部であり、上述した搬送状態監視センサ67等で構成され、フィードローラ63およびゲートローラ64により1枚ずつ分離され繰出された紙幣Pの搬送状態を監視するものであり、上述した紙幣の斜行、重走、連鎖等の発生を監視し、その発生(紙幣の搬送異常を検知)の有無を出力することができるようになっている。
15は分離部であり、集積板61を上昇させてそこに集積されている紙幣Pをピックアップローラ62に押圧し、ピックアップローラ62およびフィードローラ63を繰出し方向(図3における矢印Bおよび矢印Cの方向)に回転させ、ピックアップローラ62の摩擦部材62aが紙幣Pを繰出してフィードローラ63の方向へ搬送し、さらにフィードローラ63とゲートローラ64の噛み合いによって受取った紙幣Pをフィードローラ63の摩擦部材64aの摩擦力によって1枚ずつ分離するものである。
16はゲートローラ移動部であり、調整モータ64aを回転させて昇降機構によりゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整して保持するものである。
17は記憶部であり、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され情報を記憶し、記憶した情報を読出すことができるものである。この記憶部17には紙葉類分離装置6全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)および後述する補正重送連鎖リジェクト率ならびに重送連鎖リジェクト率等を記憶する。
18は制御部であり、CPU、MPU等の演算および制御手段等で構成され、後述する調整要否判定手段181を備えたものである。この制御部18はカレンダ部11、時計部12、温度センサ部13、搬送状態監視センサ部14、分離部15、ゲートローラ移動部16、および記憶部17を含めて紙葉類分離装置6全体の動作を記憶部17に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
181は調整要否判定手段であり、カレンダ部11が計測した年月日、時計部12が計測した時刻および温度センサ部13が計測した温度が所定の範囲内にあり、かつ後述する補正重送連鎖リジェクト率が記憶部17に予め記憶された所定の閾値を超えたとき、フィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定するものである。
上述した構成の作用について説明する。
図5は第1の実施例における噛合量調整処理の流れを示すフローチャートであり、図中Sで表わすステップにしたがって紙葉類分離装置の噛合量調整処理を説明する。
なお、以下に説明する各実施例における各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
S1a:まず、紙葉類分離装置6は紙幣処理装置1の図示しない電源スイッチまたは時計機能により電源が投入されるものとする。
S2a:紙葉類分離装置6の電源が投入されると制御部18はカレンダ部11から現在の年月日であるカレンダ情報、時計部12から現在の時刻(時分秒)である時計情報、温度センサ部13から現在の紙葉分離装置6内の温度である温度情報、記憶部17から補正重送連鎖リジェクト率を読み出す。
ここで、補正重送連鎖リジェクト率とは、カレンダ部11から読み出したカレンダ情報、時計部12から読み出した時計情報、および温度センサ部13から読み出した温度情報が所定の範囲内にあるとき(例えば、カレンダ情報が12月1日から3月10日、時計情報が8時30分から9時00分、温度情報が10℃以下を示すとき)に分離して繰出した紙幣の枚数を累計した補正分離累積枚数と重送や連鎖等の搬送異常が発生した回数である補正重送連鎖発生回数との比率をいい、補正重送連鎖発生回数を補正分離累積枚数で除算して算出するものである。
S3a:制御部18は読み出したカレンダ情報、時計情報、温度情報、および補正重送連鎖リジェクト率から補正条件に合致するか否か、すなわちゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整(補正)する必要があるか否かを判定する。
ここで、噛合量の調整要否の判定は、例えば、カレンダ情報が12月1日から3月10日、時計情報が8時30分から9時00分、温度情報が10℃以下を示し、かつ補正重送連鎖リジェクト率が1%以上のとき、調整が必要であると判定し、それ以外は調整が不要であると判定するものとする。
噛合量を調整する必要があると判定されると処理をS4aへ移行し、必要がないと判定されると処理をS5aへ移行する。
S4a:噛合量を調整する必要があると判定されると制御部18の指示によりゲートローラ移動部16はゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整する。この調整する噛合量は、紙葉分離装置6内の温度とその温度に関連付けて記憶部17に予め記憶させておいた最適な噛合量とし、その最適な噛合量は実験等により予め測定されたものとする。したがって、制御部18は温度センサ部13から読み出した温度情報に基づいて最適な噛合量を記憶部17から読み出し、その噛合量に基づいてゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整するようにゲートローラ移動部16に指示する。
S5a:紙幣処理機1は利用者の操作により出金等の取引を開始し、その取引にともなって紙葉類分離装置6の制御部18の指示により分離部15は紙幣を1枚ずつ分離して繰出す動作を行うものとする。
このときの紙幣の搬送状態は制御部18の指示により搬送状態監視センサ部14が監視し、分離して繰出したすべての紙幣の枚数を累計した分離累積枚数および重送や連鎖等の搬送異常が発生したすべての回数である重送連鎖発生回数を計測し、またカレンダ部11から読み出したカレンダ情報、時計部12から読み出した時計情報、および温度センサ部13から読み出した温度情報が所定の範囲内にあるとき(例えば、冬季の朝方の気温が低いときのようにカレンダ情報が12月1日から3月10日、時計情報が8時30分から9時00分、温度情報が10℃以下を示すとき)に分離して繰出した紙幣の枚数を累計した補正分離累積枚数および重送や連鎖等の搬送異常が発生した回数である補正重送連鎖発生回数を計測し、記憶部17に記憶させるものとする。
S6a:カレンダ部11から読み出したカレンダ情報、時計部12から読み出した時計情報、および温度センサ部13から読み出した温度情報が所定の範囲内にあるか否かを判定する。
所定の範囲内にあると判定されると処理をS7aへ移行し、所定の範囲内にないと判定されると処理をS8aへ移行する。
S7a:所定の範囲内にあると判定されると制御部18のリジェクト率算出手段はS5aにおいて記憶部17に記憶させておいた補正分離累積枚数および補正重送連鎖発生回数を読出し、補正重送連鎖発生回数を補正分離累積枚数で除算した補正重送連鎖リジェクト率を算出し、その補正重送連鎖リジェクト率を記憶部17に記憶させる。
S8a:制御部18はS5aにおいて記憶部17に記憶させておいた分離累積枚数および重送連鎖発生回数を読出し、重送連鎖発生回数を分離累積枚数で除算した重送連鎖リジェクト率を算出し、その重送連鎖リジェクト率を記憶部17に記憶させる。
S9a:紙幣処理機1および紙葉類分離装置6は出金等の取引の動作を終了するものとする。
取引の動作を終了すると制御部18はカレンダ部11から現在の年月日であるカレンダ情報、時計部12から現在の時刻(時分秒)である時計情報、温度センサ部13から現在の紙葉分離装置6内の温度である温度情報、記憶部17から補正重送連鎖リジェクト率を読み出す。
S10a:制御部18は読み出したカレンダ情報、時計情報、温度情報、および補正重送連鎖リジェクト率から補正戻し条件に合致するか否か、すなわちゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量の調整(補正)を終了する必要があるか否かを判定する。
この補正戻し条件は、S3aにおいて調整が不要であると判定される条件と同じであり、
例えば、カレンダ情報が12月1日から3月10日、時計情報が8時30分から9時00分、温度情報が10℃以下、補正重送連鎖リジェクト率が1%以上のいずれかの条件を満足しない場合である。
補正戻し条件に合致すると判定されると処理をS11aへ移行し、合致しないと判定されると処理をS12aへ移行する。
S11a:補正戻し条件に合致すると判定されると制御部18の指示によりゲートローラ移動部16はゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を元に戻す動作を開始する。
この噛合量を元に戻す動作は、制御部18の指示によりゲートローラ移動部16が所定の時間間隔で調整モータ64aを所定量(例えば最小単位)動作させて徐々に戻すものとする。なお、所定の時間間隔は時計部12が計測するものとする。
S12a:制御部18は読み出したカレンダ情報から日付が更新されたか否かを判定する。更新されていないと判定すると処理をS5aへ移行し、更新されたと判定すると処理をS13aへ移行する。
S13a:日付が更新されたと判定すると制御部18は電源が切断されたか否かを判定し、切断されていないと判定されると処理をS2aへ移行し、切断されていると判定されると処理を終了する。
このようにカレンダ情報、時計情報、温度情報、補正重走連鎖リジェクト率が所定の範囲内にあるとき、ゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整することにより、1日の温度変化の影響を受けることなく、紙葉類の分離動作時に発生する搬送異常を低減させることができるようになる。
以上説明したように、第1の実施例では、カレンダ情報、時計情報、温度情報、補正重走連鎖リジェクト率が所定の範囲内にあるとき、ゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整することにより、1日の温度変化の影響を受けることなく、紙葉類の分離動作時に発生する分離や搬送の不良を低減させることができるという効果が得られる。
また、紙葉類の分離状態や搬送状態に不良が発生していない場合は噛合量を変化させることがないため、紙葉類の分離や搬送の不良の発生を低減させることができるという効果が得られる。
さらに、カレンダ部11から読み出したカレンダ情報、時計部12から読み出した時計情報、および温度センサ部13から読み出した温度情報が所定の範囲内にあるときの補正重送連鎖リジェクト率に基づいて調整の要否を判定するようにしたため、フィードローラとゲートローラの噛合量のきめ細やかな調整をすることができるという効果が得られる。
また、カレンダ情報、時計情報、温度情報、補正重走連鎖リジェクト率が所定の範囲内にあるとき、ゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整することにより、紙葉類分離装置6の設置環境に応じた噛合量の調整を行うことができるという効果が得られる。
さらに、調整した噛合量を元に戻す動作を所定の時間間隔で所定量(例えば最小単位)動作させて徐々に戻すようにしたため、噛合量の急激な変化による紙葉類の分離や搬送の不良の発生を防止することができるという効果が得られる。
第2の実施例の構成は上述した第1の実施例と同様なので同一の符号を付してその説明を省略し、第2の実施例の構成の作用について説明する。
図6は第2の実施例における噛合量調整処理の流れを示すフローチャートであり、図中Sで表わすステップにしたがって紙葉類分離装置の噛合量調整処理を説明する。
S1b、S2b:図5におけるS1a、S2aと同様なのでその説明を省略する。
S3b:制御部18は読み出したカレンダ情報、時計情報、温度情報、および補正重送連鎖リジェクト率から補正条件に合致するか否か、すなわち補正分離累計枚数を変更(補正)する必要があるか否かを判定する。
ここで、補正分離累計枚数を変更要否の判定は、例えば、カレンダ情報が12月1日から3月10日、時計情報が8時30分から9時00分、温度情報が10℃以下を示し、かつ前日までの補正重送連鎖リジェクト率が所定の閾値を超えて1%以上のとき、変更が必要であると判定し、それ以外は変更が不要であると判定するものとする。
補正分離累計枚数を変更する必要があると判定されると処理をS4bへ移行し、必要がないと判定されると処理をS5bへ移行する。
S4b:記憶部17に記憶する補正分離累計枚数を0枚に変更する。補正分離累計枚数を0枚に変更することにより、紙葉類分離装置6が稼動する当日の補正重送連鎖リジェクト率を算出することができるようになる。
S5b:図5におけるS5aと同様なのでその説明を省略する。
S6b:カレンダ部11から読み出したカレンダ情報、時計部12から読み出した時計情報、および温度センサ部13から読み出した温度情報が所定の範囲内にあるか否かを判定する。
所定の範囲内にあると判定されると処理をS7bへ移行し、所定の範囲内にないと判定されると処理をS10bへ移行する。
S7b:所定の範囲内にあると判定されると制御部18はS5bにおいて記憶部17に記憶させておいた補正分離累積枚数および補正重送連鎖発生回数を読出し、補正重送連鎖発生回数を補正分離累積枚数で除算した補正重送連鎖リジェクト率を算出し、その補正重送連鎖リジェクト率を記憶部17に記憶させる。
なお、補正分離累積枚数が所定の枚数(例えば500枚)に満たない場合は正確な補正重送連鎖リジェクト率を算出することができないため、その補正重送連鎖リジェクト率は0%とし、補正分離累積枚数が所定の枚数を超えたとき補正重送連鎖リジェクト率を算出するものとする。
このようにして紙葉類分離装置6が稼動する当日の補正重送連鎖リジェクト率を算出する。
S8b:制御部18は算出した補正重送連鎖リジェクト率が所定の閾値、例えば1%を超えているか否かを判定する。超えていると判定すると処理をS9bへ移行し、超えていないと判定すると処理をS10bへ移行する。
S9b:補正重送連鎖リジェクト率が所定の閾値を超えている、すなわち噛合量を調整する必要があると判定されると制御部18の指示によりゲートローラ移動部16はゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整する動作を開始する。この調整する噛合量は、紙葉分離装置6内の温度とその温度に関連付けて記憶部17に予め記憶させておいた最適な噛合量とし、その最適な噛合量は実験等により予め測定されたものとするのは第1の実施例と同様である。したがって、制御部18は温度センサ部13から読み出した温度情報に基づいて最適な噛合量を記憶部17から読み出し、その噛合量に基づいてゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整する動作を開始するようにゲートローラ移動部16に指示する。
ゲートローラ移動部16は所定の時間間隔で調整モータ64aを所定量(例えば最小単位)動作させて記憶部17から読み出した噛合量に達するまでその噛合量を調整する。なお、所定の時間間隔は時計部12が計測するものとする。
S10b〜S15b:図5におけるS8a〜S13aと同様なのでその説明を省略する。
このようにカレンダ情報、時計情報、温度情報、補正重走連鎖リジェクト率が所定の範囲内にあるとき、ゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整することにより、1日の温度変化の影響を受けることなく、紙葉類の分離動作時に発生する搬送異常を低減させることができるようになり、また紙葉類分離装置6の稼動当日の補正重走連鎖リジェクト率で調整要否を判定することにより、適切な調整を行うことができるようになる。
なお、第1の実施例では、図5のS4aにおいて、噛合量を調整する必要があると判定されると制御部18の指示によりゲートローラ移動部16はゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量を調整するようにしたが、第2の実施例のようにゲートローラ移動部16が所定の時間間隔で調整モータ64aを所定量(例えば最小単位)動作させて記憶部17から読み出した噛合量に達するまで徐々にその噛合量を調整するようにしてもよい。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、紙葉類分離装置6の稼動当日の補正重走連鎖リジェクト率で調整要否を判定することにより、ゲートローラ64とフィードローラ63との噛合量の適切な調整を行うことができるようになるという効果が得られる。
また、稼動当日の補正重走連鎖リジェクト率が少数の補正分離累積枚数で算出されたことにより正確なものでない場合であっても、カレンダ情報、時計情報、および温度情報が所定の範囲内にあるときに噛合量を調整するようにしたため、噛合量の急激な変化による紙葉類の分離や搬送の不良の発生を防止することができるという効果が得られる。
第1の実施例における紙葉類分離装置の制御系の構成を示すブロック図 第1の実施例における紙幣処理機の構成を示すブロック図 第1の実施例における紙葉類分離装置の要部側面図 第1の実施例における紙葉類分離装置のAA矢視図 第1の実施例における噛合量調整処理の流れを示すフローチャート 第2の実施例における噛合量調整処理の流れを示すフローチャート
符号の説明
1 紙幣処理機
2 接客部
3 金庫
4 搬送路
5 鑑別部
6 紙葉類分離装置
7 RJボックス
8 一括収納部
11 カレンダ部
12 時計部
13 温度センサ部
14 搬送状態監視センサ部
15 分離部
16 ゲートローラ移動部
17 記憶部
18 制御部
181 調整要否判定手段

Claims (4)

  1. 紙葉類を集積する集積板と、該集積板により紙葉類が押圧されるピックアップローラと、該ピックアップローラの回転に伴って繰出される紙葉類を1枚ずつ分離して搬送路に繰出すフィードローラおよびゲートローラと、該フィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する噛合量調整手段とを備えた紙葉類分離装置において、
    現在の年月日を出力するカレンダ部と、
    現在の時刻を出力する時計部と、
    装置内の温度を計測して出力する温度センサ部と、
    フィードローラおよびゲートローラで繰出される紙葉類の搬送状態を監視する搬送状態監視センサ部と、
    前記カレンダ部が出力した年月日、前記時計部が出力した時刻および前記温度センサ部が出力した温度が所定の範囲内にあるとき、繰出された紙葉類の枚数のうち前記搬送状態監視センサ部で搬送状態の異常が検知された紙葉類の枚数の比率を算出し、リジェクト率として記憶部に記憶させるリジェクト率算出手段と、
    前記カレンダ部が出力した年月日、前記時計部が出力した時刻および前記温度センサ部が出力した温度が所定の範囲内にあり、かつ前記リジェクト率算出手段が算出したリジェクト率が所定の閾値を超えたとき、フィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定する調整要否判定手段とを設け、
    前記調整要否判定手段がフィードローラとゲートローラとの噛合量を調整する必要があると判定したとき、前記噛合量調整手段でその噛合量を調整するようにしたことを特徴とする紙葉類分離装置。
  2. 請求項1の紙葉類分離装置において、
    前記リジェクト率算出手段を、前記カレンダ部が出力した年月日、前記時計部が出力した時刻および前記温度センサ部が出力した温度が所定の範囲内にあり、かつ稼動前日までのリジェクト率が所定の閾値を超えているとき、装置の稼動当日に繰出され、所定の枚数を超えた紙葉類の枚数のうち前記搬送状態監視センサ部で搬送状態の異常が検知された紙葉類の枚数の比率を算出し、リジェクト率として記憶部に記憶させる手段としたことを特徴とする紙葉類分離装置。
  3. 請求項1または請求項2の紙葉類分離装置において、
    前記調整要否判定手段が噛合量を調整する必要があると判定したとき、前記噛合量調整手段が所定の時間間隔で所定の移動量ずつゲートローラを徐々に移動させて所定の噛合量にするようにしたことを特徴とする紙葉類分離装置。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3の紙葉類分離装置において、
    前記噛合量調整手段でフィードローラとゲートローラとの噛合量を調整した後、前記調整要否判定手段がその噛合量を調整する必要がないと判定したとき、前記噛合量調整手段で調整した噛合量を所定の時間間隔で所定の移動量ずつゲートローラを徐々に移動させて元に戻すようにしたことを特徴とする紙葉類分離装置。
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