JP2002225228A - 揺動式紙押さえ装置 - Google Patents

揺動式紙押さえ装置

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JP2002225228A
JP2002225228A JP2001024873A JP2001024873A JP2002225228A JP 2002225228 A JP2002225228 A JP 2002225228A JP 2001024873 A JP2001024873 A JP 2001024873A JP 2001024873 A JP2001024873 A JP 2001024873A JP 2002225228 A JP2002225228 A JP 2002225228A
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JP
Japan
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sheet
paper
feeder board
paper pressing
pressing member
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Application number
JP2001024873A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Hirata
靖彦 平田
Yoshiyuki Miwa
由行 三輪
Nobuyuki Sunada
信幸 砂田
Mihoko Furui
美保子 古井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 枚葉印刷機においてシートの搬送及び停止状
態の姿勢を安定的に制御する揺動式紙押さえ装置に関
し、煩雑な作業を要することなく、送り出されるシート
の走行姿勢を矯正して安定させ、次工程への受け渡しを
円滑に行なうことができるようにする。 【解決手段】フィーダボード11上に送り込まれた枚葉
状のシート1の浮き上がりを紙押さえ部材42により防
止する紙押さえ装置において、シート1の搬送状態に連
動して所定のタイミングで紙押さえ部材42をフィーダ
ボード11に対して接離させる連動手段150を備える
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、枚葉印刷機におけ
るシート供給装置の印刷装置部側に設備されるフィーダ
ボードの下流端において、シート供給装置から順次送り
出されてくるシートの搬送及び停止状態の姿勢を安定的
に制御する揺動式紙押さえ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9〜図12は従来の枚葉印刷機を示す
もので、図9はその枚葉印刷機の概略構成図、図10は
そのフィーダボードを有するシート供給装置の側面図、
図11はそのフィーダボードを示す平面図、図12はそ
の枚葉印刷機におけるシート供給装置から送り出される
シートを印刷装置へ受け渡すシート受け渡し装置の側面
図である。
【0003】図9に示すように、従来の枚葉印刷機は、
主な構成要素として、フィーダボード11を有するシー
ト供給装置10,複数組の印刷装置21a〜21n(個
々に区別しない場合は符号21で示す)からなる印刷装
置部20,シート搬送部31とシート積重部32とを備
えた排紙装置30などから構成されている。シート供給
装置10は、図10に示すように、被印刷物となるシー
ト1を給紙テーブル10a上に積重させておき、印刷に
伴う消費速度に対応して最上段側のシート1から1枚ず
つ順次次工程へ供給する装置である。次のフィーダボー
ド11は、シート供給装置10の下流端と印刷装置部2
0最上流の第1印刷装置21aとの中間に設備されるも
ので、図11に示すようにシート1の進行方向に沿って
走行する複数組のシート搬送ベルト12が配設されてい
る。
【0004】各シート搬送ベルト12,12aは、駆動
ローラ13と複数組のローラ14とに巻回されたエンド
レスのベルトであり、モータにより駆動ローラ13が回
転することによって機械速度に対応した所定の速度で走
行すべく構成されている。上記シート搬送ベルト12a
は、ベルト面の全域にわたって複数個の孔が穿設された
もので、吸引口が設けられたサクションボックス15の
表面へ摺接して走行するよう配置され、真空吸着ベルト
として機能するように構成されている。また、フィーダ
ボード11の下流端に近接して、幅方向両側に図示省略
した横針装置が設備されている。
【0005】シート供給装置10から送り出されたシー
ト1は、フィーダボード11の下流端に設置された前当
9に当接し、シート1の前端停止位置と走行方向角度が
揃えられた後、図12に示すように、シート1はフィー
ダボード11と第1印刷装置21aとの間に設備された
シート受け渡し装置2により第1中間胴22へ受け渡さ
れる。
【0006】シート受け渡し装置2におけるスイングア
ーム7は、シート受け渡し装置2の駆動部に連結した図
示省略の駆動手段を介し、図12中実線に示す待機位置
に近い側と二点鎖線で示す作動完了位置との間を、支点
軸8を回転中心として往復揺動できるよう構成されてい
る。シート1はスイング爪5と爪座6によって前端を把
持されると同時に、前当9が二点鎖線で示した退避位置
へ動き、さらに、スイングアーム7も支点軸8を中心に
二点鎖線で示した退避位置に揺動し始める。その後、シ
ート1はスイングアーム7の揺動途上においてスイング
爪5から、スイングアーム7と同期回転する第1中間胴
22の第1中間胴爪23に受け渡される。
【0007】続いて、第1中間胴22によって回転移送
された後、第1印刷装置21aの第1圧胴24aに具備
された爪26に把持されて走行し、シート1は第1印刷
装置21aにおいて1色目の印刷が施される。スイング
アーム7は、シート1を第1中間胴22に引き渡した
後、二点鎖線位置まで移動し、再度実線位置に復帰して
後続のシート1を把持するため待機する。なお、上記シ
ート搬送経路に沿って配設された紙ガイド4は、シート
1の移送に際して垂れ下がりを防止し、走行姿勢を安定
させるべく機能している。
【0008】続いて、シート1は、第1中間胴22の第
1中間胴爪23を介して第1印刷装置21aの第1圧胴
24aの第1圧胴爪26に受け渡された後、次の中間胴
25へ送り込まれ、下流に位置する印刷装置21bの第
2圧胴24bへと順次受け渡されて行く。印刷装置部2
0は、シート1へ所定の印刷を施すユニットであり、図
示省略のインキ溜に供給されたインキは、図示省略のイ
ンキローラ群を順次転移する過程で適度に練られ、イン
キ被膜として版胴27に装着した刷版28へ転移供給さ
れて、更に絵柄として下流のブランケット胴29外周面
に転移される。その後、このインキが、ブランケット胴
29と圧胴24との間を走行するシート1の表面へ転写
されて、所定の印刷が完了する。
【0009】なお、1組の印刷装置21においては一色
のみの印刷しかできない。そこで、多色印刷を施す枚葉
印刷機では、シート走行方向に沿ってインキ色の異なる
複数組の印刷装置21a〜21nが並設された印刷装置
部(印刷装置群)として構成し、各印刷装置21を順次
通紙させることによって目的とする多色印刷を行うよう
になっている。
【0010】次に、上述のように印刷を終えたシート1
は、最終印刷装置21nの圧胴24nから従動軸33で
駆動されているエンドレスチェン(シート搬送部)31
に具備された図示省略したチェングリッパにより排紙装
置30まで搬送され、排紙装置30下方に設けたシート
積重装置32のテーブル上に積重される。ここで、所定
量積重されると外部へ搬出されることになる。
【0011】ところで、印刷に供するシート1は必ずし
も平滑な形状とは限らず、例えば、前当9に当接するシ
ート前端(咥え側)は波打ち,上反り,あるいはシート
の端部がカールしたもの等変形したものがある。そこ
で、従来より、フィーダボード11の下流端に紙押さえ
装置が設備されており、シート供給装置10から送り出
されたシート1の変形状態を矯正し、シート1が前当9
に接触した後、確実にシート受け渡し装置2へ引き渡す
ことができるようにしている。以下、2種類の従来の紙
押さえ装置40A,40Bの構成について説明する。
【0012】図13及び図14は、それぞれ枚葉印刷機
におけるシート供給装置10のフィーダボード11下流
端に設備される従来の紙押さえ装置の概略構成図であ
り、いずれも側面図を示している。図13に示す紙押さ
え装置40Aは、フィーダボード11の下流端に近接す
る位置の上方に配置された丸棒状のシャフト41に沿っ
て複数組の紙押さえ部材42Aが並設されたものであ
る。
【0013】シャフト41は、フィーダボード11の横
幅方向両側のブラケット47,47間に掛け渡たされて
固定されている。紙押さえ部材42Aはバネ材で形成さ
れ、支持金具44の先端に固設されており、支持金具4
4はブロック43を介しシャフト41に嵌装され、蝶ネ
ジ45にて固定されている。また、ブロック43は複数
組43a〜43nが設けられ、それぞれが単独でシャフ
ト41の軸方向位置と揺動角度とが手動により任意に変
更できる構造となっており、シート供給装置から送り出
されるシート1が各紙押さえ部材42の先端によりフィ
ーダボード11上に押さえられガイドされる。
【0014】なお、この図13に示す紙押さえ装置40
Aは、紙押さえ部材42がシート1の上面に摺接するた
め、比較的弱い弾性力によってソフトに押さえることの
できるシート、特に剛性の低い薄紙等に適している。ま
た、図14に示す紙押さえ装置40Bは、図13で説明
した紙押さえ部材42Aに代えて、先端に軸53aを介
してローラ53が軸着された紙押さえ板52が備えられ
ており、シート供給装置10から送り出されるシート1
がローラ53によりフィーダボード11上に押さえられ
ガイドされる。この図14に示す紙押さえ装置40B
は、シート1に接触するローラ53がシート1の動きに
追従して回転するため、図13の紙押さえ装置40Aよ
りもシート1に傷が付きにくく、剛性の高い厚紙等に適
している。
【0015】なお、図13,図14に示すようにフィー
ダボード11下流端に備えられた前当9には、シート1
移動方向上流側に向けて突出した突起部34が形成され
ており、この突起部34が、フィーダボード11上に搬
送されてきたシート1を受け止める時にシート1が上方
へ逃げないようにして、シート1のオーバーランを防止
するように機能する。したがって、この突起部34の突
出量(突出部長さ)Pを大きくして、上記の紙押さえ装
置40A,40Bに機能を持たせることも考えられる。
しかし、前当9は、シート1がスイング爪5に把持され
搬送が始まる前にフィーダボード11から離れる方向に
軸9aを中心にして揺動後退するものであり、後退する
前当9の上方をシート1が走行する際に、前当9の先端
がシート1の裏面にあたって傷が付かないようにするた
め、前当9の突起部34を大きくすることはできない。
このため、紙押さえ装置40A,40Bが必要となり、
シート1のガイドとして重要な構成要素となっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の紙押さえ装置40A,40Bには以下のようない
くつかの課題がある。図13および図14に示されるよ
うな従来の紙押さえ装置40A,40Bでは、紙押さえ
部材42A,42B下端あるいはローラ53の下端とフ
ィーダボード11の上面との隙間Sが薄紙用に設定され
た状態において剛性の高い厚紙が通過すると、隙間Sが
小さすぎてシート1の表面(上面)に擦れ傷が発生する
ことがある。
【0017】また、上記と逆に、隙間Sが厚紙用に設定
された状態において剛性の低い薄紙が通過すると、隙間
Sが大きすぎてシート1の紙癖(変形)は十分に矯正さ
れないまま前当9と紙押さえ部材42A,42B下端の
隙間を通過してしまい、オーバラン現象が発生する虞が
ある。フィーダボード11上面と紙押さえ部材42A,
42B下端との隙間Sは調整可能であるが、この調整
は、シート1の厚さに対応して、オペレータがシャフト
41の軸方向に並設された紙押さえ部材42A,42B
を1組ごとに調節することにより行われる。このため、
オペレータによって隙間Sの設定状態に大きなバラツキ
が出てしまい、例え隙間Sが調整されたとしても、シー
ト1上面に傷が発生したり、オーバーランをしてしまう
虞が残る。
【0018】シート1の傷の発生やシート1のオーバー
ランは、紙押さえ部材42A,42B下端の隙間Sの設
定状態に深く係るため、従来の紙押さえ部材42A,4
2Bのみでは機能的に限界があり、シート1の両面に紙
押さえ部材42A,42Bによる多数条の傷が発生する
等、印刷物品質が著しく低下し、時によっては商品にな
らなくなることがある。
【0019】また、紙押さえ部材42A,42Bによる
シート1への傷入りをおそれて隙間Sを大きく設定する
と、シート1がスイングアーム7のスイング爪5に把持
される際、シート1の変形の影響でシート1前端の位置
ズレやシート1の斜行,オーバラン等が発生し易く、ス
イング爪5が掴みミスを起こす可能性がある。あるいは
印刷装置の見当不良などによる印刷品質不良、または後
工程においてシート1の受け渡しが安定せず失敗し、紙
詰まりを起こすなどの虞がある。
【0020】特に近年、両面コート紙,プラスチックシ
ート,アルミ蒸着シート等へ印刷を施す需要が増加し、
これらのシート類では上述のような傷の発生が品質に支
障をきたし、損紙が多量に発生する虞が出てくる。この
ような相反する課題を解決するには、オペレータが隙間
Sを適切に調整すればよいが、オペレータによる各構成
要素の設定や修復が非常に煩雑で困難なものになり、長
い調整時間と熟練した高度な技術が要求され効率的では
ない。
【0021】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、煩雑な作業を要することなく、送り出される
シートの走行姿勢を矯正して安定させ、次工程への受け
渡しを円滑に行なうことをできるようにした、揺動式紙
押さえ装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の紙押さえ装置は、フィーダボード上に送り込
まれた枚葉状のシートの浮き上がりを紙押さえ部材によ
り防止する紙押さえ装置において、該シートの搬送状態
に連動して所定のタイミングで該紙押さえ部材を該フィ
ーダボードに対して接離させる連動手段を備えているこ
とを特徴としている。
【0023】また、請求項2記載の本発明の紙押さえ装
置は、該連動手段が、該フィーダボード幅方向に向けて
配設され、該紙押さえ部材の基部が固着された支持軸
と、該シートの搬送状態に応じて回転するカムと、該カ
ムのカム面に係合し該カム面の形状に追従して移動する
係合部材と、該係合部材の動きを該支持軸に伝達して該
支持軸を回動させることで、該紙押さえ部材を該フィー
ダボードに対して接離方向に揺動させる動力伝達機構と
から構成されていることを特徴としている。
【0024】また、請求項3記載の本発明の紙押さえ装
置は、該支持軸が、該動力伝達機構からの動力伝達を受
けて回転する内側軸と、該内側軸の外周に枢着されると
ともに該紙押さえ部材が固着された外筒とからなり、該
内側軸と該外筒との相対的な回転位相位置を調整する位
相調整機構をそなえ、該位相調整機構を通じた位相調整
によって、該紙押さえ部材と該フィーダボードとの隙間
が調整可能になっていることを特徴としている。
【0025】また、請求項4記載の本発明の紙押さえ装
置は、該位相調整機構が、該内側軸に周外方向に向けて
突設された第1レバーと、該外筒に周外方向に向けて突
設された第2レバーと、上記の第1,第2レバーの相互
間に介装されたネジ軸とをそなえ、該ネジ軸を回動させ
ることにより該フィーダボードと該紙押さえ部材との隙
間を調整することを特徴としている。
【0026】また、請求項5記載の本発明の紙押さえ装
置は、該位相調整機構が、該ネジ軸を回転駆動するモー
タと、該隙間又は該隙間に対応するパラメータ値を検出
するセンサと、該センサの検出情報に基づいて該モータ
の作動を制御するコントローラとを備えていることを特
徴としている。また、請求項6記載の本発明の紙押さえ
装置は、該フィーダボードの下流端に配設され、シート
の搬送に連動してシート搬送路上に移動して、搬送され
てきた該シートを受け止める前当をそなえ、該連動手段
は、該シートが該前当に所定距離内に接近する以前に、
該紙押さえ部材を該フィーダボードに接近させて該シー
トを押さえるようにし、かつ、該前当が受け止めた該シ
ートを開放する以前に該紙押さえ部材を該フィーダボー
ドから離隔させることを特徴としている。
【0027】また、請求項7記載の本発明の紙押さえ装
置は、該紙押さえ部材が、支持軸に固着されたアーム
と、該アームの先端に装着されたローラとからなること
を特徴としている。また、請求項8記載の本発明の紙押
さえ装置は、該ローラの外周面に弾性体が装着されてい
ることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明する。 〔1〕第1実施形態 図1〜図5は本発明の第1実施形態としての揺動式紙押
さえ装置(以下、単に紙押さえ装置ともいう)に関する
もので、図1〜図3はいずれもその側面図、図4はその
上面図、図5はその動作説明図である。なお、図1〜図
5において、前述した従来の枚葉印刷機のものと同一の
部位については同一の符号を用いて示している。
【0029】本実施形態の紙押さえ装置3も、枚葉印刷
機にそなえられ、シート供給装置10の下流端のフィー
ダボード11上に送り出される枚葉状のシート1をフィ
ーダボード11上に押さえつけてシートの浮き上がりを
防ぐようになっており、シート供給装置10から順次送
り出されてくるシート1の搬送及び停止状態の姿勢を安
定的に制御するものである。この紙押さえ装置3は、図
1〜図4に示すように、フィーダボード11の下流端に
備えられた前当9と、フィーダボード11の幅方向に掛
け渡された支持軸(シャフト)50と、上記シャフト5
0に固設された紙押さえ部材42とを備えている。
【0030】なお、前当9および紙押さえ部材42は装
置幅方向にいずれも複数並設されている。また、紙押さ
え部材42は、紙押さえ板52とローラ53から構成さ
れている。本実施形態では、上記のシートの搬送状態に
連動して所定のタイミングで紙押さえ部材42の下端
(ローラ53の下端)をフィーダボード11に対して接
離させる連動手段150が備えられている。上記連動手
段150は、図1に示すように、紙押さえ部材42の基
部が固着されてフィーダボード11の幅方向に向けて配
設されたシャフト50と、シート1の搬送状態に応じて
回転するカム54と、カム54のカム面54Aに係合す
る係合部材としてのコロ(カムフォロア)55と、カム
54面の形状に追従して移動するコロ55の動きを支持
軸50に伝達して支持軸50を回動することで紙押さえ
部材42をフィーダボード11に対して接離方向に揺動
させる動力伝達機構150Aとから構成されている。
【0031】なお、シャフト50は、図4に示すよう
に、外筒50aと内側軸50bとからなる二重構造をし
ており、相対的に回動できるように互いに枢着されてい
る。外筒50aは内側軸50bの外周に装着されてお
り、この外筒50aには、紙押さえ部材42の紙押さえ
板(バネ板)52が固設された複数組のブロック51が
固定して又は外筒50aの軸方向へ移動可能に設けられ
ている。また、内側軸50bは、フィーダボード11の
両端に備えられたフレーム46に軸受61を介して回転
可能に掛け渡されており、動力伝達機構150Aが結合
されている。
【0032】したがって、図2に示すように、外筒50
aに固設された紙押さえ部材42のローラ53は、内側
軸50bの回転位相が一定であっても(つまり、回転し
なくても)、外筒50aが回転揺動することによって、
フィーダボード11の上面に対して接離するようになっ
ている。すなわち、外筒50aと内側軸50bとの相対
的な回転位相を変更することにより、紙押さえ部材42
の紙押さえ時の紙押さえ部材42下端(即ち、ローラ5
3の下端)とフィーダボード11の上面との距離(隙
間)Sを調整できるようになっている。
【0033】なお、ここでは、上記隙間Sは、搬送され
るシート1が入る前当突起部34とフィーダボード11
上面との隙間Smよりも小さくなるように設定されてい
るが、これは、シート1の前端が前当突起部34の下面
とフィーダボード11の上面との間に確実に進入するよ
うにシート1の浮き上がりを十分に抑制するためであ
る。もちろん、この隙間Sはシート1の厚み以上確保さ
れている。
【0034】また、図1に示すように、カム(ここでは
円盤型カム)54は、フィーダボード11の下流端に近
接して配設された第1中間胴22に同期して(ここでは
一体に)回転するように、第1中間胴22の軸端部等に
固設されている。なお、図1に示してあるカム面54A
の段差は強調して描かれており、実際はローラ53が緩
やかに揺動するようにカム面54Aはより緩やかな段差
形状をしている。
【0035】動力伝達機構150Aは、図1に示すよう
に、円盤型カム54の外周面に係合されたコロ55が回
転自在に軸着され、支点軸57を中心に揺動するL型レ
バー56と、このL型レバー56の別側端に、ピン58
aにて一端を連結されたリンクアーム59と、内側軸5
0b端に突設されリンクアーム59の他端がピン58b
を介してその先端(揺動端)に連結されたレバー60と
からなるリンク機構として構成されている。
【0036】したがって、動力伝達機構150Aでは円
盤型カム54が第1中間胴22の回転に応じて回動する
と、円盤型カム54の外周面形状の凹凸に合わせてコロ
55が上下に揺動し、このコロ55の動きが支点軸57
を中心に回転揺動するL型レバー56を介してリンクア
ーム59に伝わり、リンクアーム59の動きに応じてレ
バー60が揺動してシャフト50(内側軸50b及び外
筒50a)を回転させ、外筒50aに固設された紙押さ
え部材42を上下に揺動させるようになっている。つま
り、第1中間胴22の回転に同期して紙押さえ部材42
のローラ53がフィーダボード11に対して接離するよ
うに構成されている。
【0037】また、第1中間胴22は、フィーダボード
11上に送り出されるシート1がシート受け渡し装置2
のスイング爪5(図12参照)によって第1中間胴22
の第1中間胴爪23に確実に受け渡されるようにシート
1の搬送状態と同期して回転しているため、ローラ53
は、第1中間胴22の回転位相位置、つまり、シート1
の搬送状態(シート1がフィーダボード11上に送り込
まれてくるタイミング)に連動してフィーダボード11
に対して接離するようになっている。
【0038】次に、上述のような連動手段150によっ
て紙押さえ部材42がフィーダボード11に対して接離
するタイミングについて、図5を用いて説明する。シャ
フト50の外筒50aに固定された紙押さえ部材42の
ローラ53は、円盤型カム54の1回転につき、1回フ
ィーダボード11に対して接離するように構成されてい
る。
【0039】ローラ53は、フィーダボード11上に送
り込まれたシート1が前当9に当接して受け止められる
時点“T1”よりも時間(又は期間)“t1”だけ早く
フィーダボード11に接近してシート1をフィーダボー
ド11上に押さえつけるようになっている。なお、ここ
で期間とは、例えばカムの回転角度のことをいう。言い
換えれば、シート1が進入してくるのを待ち構えるよう
にローラ53がフィーダボード11に接近するように設
定されている。これは、ローラ53は走行してくるシー
ト1をフィーダボード11側に押し付けて浮き上がりを
防止するもので、シート1前端がローラ53とフィーダ
ボード11との隙間に達する以前にローラ53とフィー
ダボード11との隙間が紙押さえに有効な距離に接近し
ていなければならないからである。
【0040】そこで、シート1前端が、前当9から所定
距離だけ上流側のローラ53下端部に達する以前に(前
当9に所定距離内に接近する以前に)、ローラ53をフ
ィーダボード11に接近させるようになっているのであ
る。また、シート1前端が前当9に当接した後、ローラ
53は、シート受け渡し装置2のスイング爪5がシート
1を把持する時点“T2”よりも時間(又は期間)“t
2”だけ早くフィーダボード11から離れるようになっ
ている。
【0041】すなわち、シート1が前当9に所定距離内
に接近する以前に、紙押さえ部材42をフィーダボード
11に接近させてシート1を押さえるようにし、かつ、
前当9が受け止めたシート1を開放する以前に紙押さえ
部材42をフィーダボード11から離隔させるようなタ
イミングに設定され機能している。なお、シート1の後
端部(紙尻)が前当9の上部を通過し終わる時にはロー
ラ53は最大上昇位置に後退移動してローラ53がシー
ト1に接触しないようにフィーダボード11との隙間S
(図2参照)が大きくなるように設定されているが、そ
れよりも前にローラ53がシート1に接触しない上昇位
置まで後退揺動するように設定しても良い。
【0042】ところで、上述のように、シャフト50
は、内側軸50bと、紙押さえ部材42が固設された外
筒50aとの二重構造で構成されているが、これらの外
筒50aと内側軸50bとの相対的位相位置を変更して
隙間Sを調整するために位相調整機構160が備えられ
ている。次に、図3及び図4を参照して上記位相調整機
構160について説明する。内側軸50bには、先端部
に回動可能なピン64を備えたレバー(第1レバー)6
5が、内側軸50bの周外方向に向けて突設されてお
り、同様に、外筒50aには、先端部に回動可能なピン
62を備えたレバー(第2レバー)63が、外筒50a
の周外方向に向けて突設されている。そして、レバー6
5とレバー63との間には、ネジ軸66が介装されてい
る。
【0043】このネジ軸66は、一端をレバー65側の
ピン64に螺合し、他端をレバー63側のピン62に回
動可能で且つ軸方向に固定された状態で取り付けられて
いる。また、ネジ軸66の基端部にはハンドル67が取
り付けられている。図4中のピン68はネジ軸66に対
してネジ軸66の軸線と直行する方向に挿入され、ピン
62に形成された溝に係合しており、ネジ軸66の軸方
向の移動を規制し、ネジ軸66の回動のみを許容できる
ようになっている。
【0044】したがって、ハンドル67によってネジ軸
66が回動されることにより、レバー65側のピン64
とレバー63側のピン62とが接離し、レバー63とレ
バー65とが相対回転するようになっている。そして、
外筒50aに突設されたレバー63および内側軸50b
に突設されたレバー65が、互いに相対回転することに
より、外筒50aと内側軸50bとの相対的位相(図3
におけるθ)が変化するようになっている。また、図示
省略のロック機構によって、ネジ軸66の回動をロック
することにより、外筒50aと内側軸50bとの位相関
係が設定した状態に保持されるように構成されている。
これにより、外筒50aと内側軸50bとは設定された
相対的な位相(θ)を維持しながら一体的に回動するよ
うになっている。
【0045】本発明の第1実施形態としての紙押さえ装
置3は、上述のごとく構成されており、紙押さえ部材4
2が第1中間胴22に同期揺動してフィーダボード11
に対して接離し、フィーダボード11上に搬送されるシ
ート1をフィーダボード11側に押し下げて、シート1
の浮き上がりを防止し、シート1の前端が前当9の突起
部34とフィーダボード11との隙間Smに確実に入る
ようにすることができる。
【0046】これにより、シート受け渡し装置2のスイ
ング爪5が確実にシート1を把持することができるよう
になるので、次工程におけるシート1による紙詰まりな
どを防止することができる。また、前当9等でシート1
前端が揃えられ、走行位置を正確に決められたシート1
がシート受け渡し装置2のスイング爪5によって把持さ
れて搬送される際、シート1の後端部が前当9を通過す
る時には、紙押さえ部材42はフィーダボード11から
離れるため、紙押さえ部材42とフィーダボード11と
の隙間Sを大きくすることが可能であり、紙押さえ部材
42によるシート1への接触傷の発生を抑えることがで
きる。これにより、損紙を減少できると共に、印刷品質
を大幅に向上させることが可能である。
【0047】また、連動手段150により、所定のタイ
ミングで紙押さえ部材42をフィーダボード11に接離
させることができ、シート1が前当9の所定距離内に接
近する以前に、紙押さえ部材42をフィーダボード11
に接近させ、かつ、前当9が受け止めたシート1を開放
する時点よりも前に紙押さえ部材42をフィーダボード
11から離隔させることにより、シート1の浮き上がり
を適宜に防いで、紙押さえ部材42のシート1への余計
な接触を減らし、接触傷の発生を防ぐことができるよう
になる。
【0048】また、位相調整機構160により、シート
1の厚さに合わせて紙押さえ部材42とフィーダボード
11との隙間Sを調節することができるため、搬送され
るシート1が剛性の高い厚紙の場合は隙間Sを大きくし
て、紙押さえ部材42によるシート1上面への接触傷を
低減し、また、搬送されるシート1が剛性の低い薄紙の
場合は隙間Sを小さくして、前当9と紙押さえ部材42
との間を抜けるオーバーランを防いで、シート受け渡し
装置2へのシート1の正確な受け渡しができるようにな
る。
【0049】また、簡単なハンドル67の操作によって
紙押さえ部材42とフィーダボード11との隙間を調節
できるため、印刷開始時に使用するシート1の厚さ等の
仕様に対応させて複数の紙押さえ装置3を同時に調整す
ることができるため、印刷作業の時間を短縮でき、印刷
効率を高めることが可能になる。したがって、シート1
の搬送状態に連動して所定のタイミングで紙押さえ部材
42をフィーダボード11に対して接離させることがで
き、また、シート1の厚さに合わせて紙押さえ部材42
とフィーダボード11との隙間Sを調節することができ
るので、シート1の浮き上がりを適宜に防いで、シート
受け渡し装置2へのシート1の正確な受け渡しが可能に
なる。また、損紙を減少させることができ、印刷機の稼
働率を向上させて生産性を高めることができる。
【0050】なお、本実施形態では紙押さえ装置3の連
動手段150として、第1中間胴22の回転軸端部に円
盤型カム54を固定させ第1中間胴22と同期回転(一
体回転)するように構成したが、必ずしも第1中間胴2
2に固定させた円盤型カム54でなくても良く、シート
1の搬送状態に連動して回転するようにすれば設置場所
を変えたりしても良い。
【0051】また、円盤型カム54の外周面に係合する
係合部材としてコロ55を用いたが、コロ55に代えて
円盤型カム54の外周面形状に沿って滑らかに上下運動
する棒状の係合部材などを用いても良い。また、紙押さ
え装置3の連動手段150としては、例えば、内側軸5
0bを電動モータにより反復回動させるようにして、フ
ィーダボード11上に搬送されるシート1の走行位置を
検出するセンサを設置し、上記センサの検出情報を紙押
さえ装置3を制御する制御装置に伝達して、制御装置に
よって、紙押さえ部材42がフィーダボード11に対し
て所定のタイミングで接離するように上記電動モータを
制御する構成としても良い。 〔2〕第2実施形態 図6,図7は、本発明の第2実施形態に係る揺動式紙押
さえ装置を示すもので、図6はその模式的な側面図であ
り、図7はその上面図である。なお、図6及び図7にお
いて、前述した従来例および第1実施形態の揺動式紙押
さえ装置と同一の部位については同一の符号を用いて示
している。
【0052】第2実施形態の揺動式紙押さえ装置3は、
第1実施形態と同様に、シート供給装置10からフィー
ダボード11上に順次送り出されてくるシート1の搬送
及び停止状態の姿勢を安定的に制御するもので、図6に
示すように、フィーダボード11の下流端に備えられた
前当9と、フィーダボード11の幅方向に掛け渡された
シャフト50と、上記シャフト50の外筒50aに固設
された紙押さえ部材42とを備え、紙押さえ部材42は
紙押さえ板52とローラ53とから構成されている。
【0053】本実施形態では、紙押さえ部材42のロー
ラ53の外周面にゴム等の弾性体70が装着されている
点が特徴的である。また、第1実施形態と同様に、前当
9および紙押さえ部材42はシート1の幅方向に複数並
設されていると共に、シート1がフィーダボード11へ
搬入されるタイミングに対応して紙押さえ部材42が揺
動してフィーダボード11に対して接離させる連動手段
150や、シート1の厚さに対応して紙押さえ部材42
のローラ53とフィーダボード11との隙間を調節する
位相調整機構160が設けられている。
【0054】本発明の第2実施形態は上記のように構成
されているので、弾性体70が装着されたローラ53
が、フィーダボード11上に搬送されるシート1の浮き
上がりを柔軟に押さえつけ、シート1の紙癖を矯正して
前当9の突起部34とフィーダボード11との隙間Sm
に入るようシート1の走行姿勢を安定させるため、シー
ト受け渡し装置2のスイング爪5に確実に把持されるこ
とができる。
【0055】したがって、第1実施形態と同様の作用及
び効果に加えて、紙押さえ部材42が搬送されるシート
1を押さえつける際、紙押さえ部材42のローラ53に
装着された弾性体70により、シート1に接触した時の
紙押さえ部材42によるシート1への傷入りをより減少
させることが可能になる効果がある。 〔3〕第3実施形態 図8は本発明の第3実施形態に係る揺動式紙押さえ装置
の模式的な構成図である。なお、図8において、前述し
た従来例および第1,第2実施形態の揺動式紙押さえ装
置と同一の部位については同一の符号を用いて示してい
る。
【0056】第3実施形態の揺動式紙押さえ装置3は、
図8に示すように、紙押さえ部材42とフィーダボード
11との隙間Sを調節する位相調整機構160Aが第
1,2実施形態と異なっている。つまり、この位相調整
機構160Aでは、第1,2実施形態においてネジ軸6
6端部に備えられたハンドル67をモータ71に代える
と共に、このモータ71を制御する制御系統を設けるよ
うにしたものである。
【0057】つまり、本実施形態の位相調整機構160
Aは、モータ71と、モータ71の回転角度を検出する
位置検出手段72と、シート1の厚さ等の条件が入力さ
れる入力装置73と、上記入力されたデータ及び処理手
順を記憶する記憶装置74と、上記記憶装置74のデー
タと処理手順により紙押さえ部材42の設定位置を演算
する演算装置75と、上記演算装置75の演算結果に基
づいて外部へ出力信号を出す出力装置76と、上記の入
力装置73,記憶装置74,演算装置75,出力装置7
6とを制御する制御装置77と、上記制御装置77から
の出力された信号に基づいてモータ71の駆動を制御す
る駆動制御装置78とを備えて構成されている。
【0058】本発明の第3実施形態としての揺動式紙押
さえ装置3は、上述のように構成されているので、印刷
開始時にシート1の厚さ等のデータが入力装置73に入
力されると、その入力されたデータが記憶装置74に記
憶され、次に演算装置75において、そのデータが所定
の処理を施されて紙押さえ部材42のフィーダボード1
1上からの距離(隙間S)が計算される。その後、演算
装置75によって計算されたデータが出力装置76を介
して電気信号として駆動制御装置78に送信され、駆動
制御装置78がその送られてきた信号に基づいてモータ
71の駆動を制御し、紙押さえ部材42をフィーダボー
ド11に対して接離するように機能している。
【0059】したがって、印刷に使用されるシート1の
厚さや剛性等の仕様を印刷条件として印刷開始時に入力
装置73に入力すると、紙押さえ部材42とフィーダボ
ード11との隙間Sを設定する条件が入力されることに
なり、これに基づいて駆動制御装置78によりネジ軸6
6が適宜回動され、紙押さえ部材42とフィーダボード
11との隙間Sを自動的に調節することが可能になり、
大幅な省力化ができるようになる。
【0060】また、従来のようにオペレータが直接紙押
さえ装置3等を各々操作して紙押さえ部材42とフィー
ダボード11との隙間Sを調節する必要がなくなるた
め、各オペレータによる誤操作を減らすことができ、印
刷作業の効率と安全性を向上させ、生産性を高めること
が可能になる。さらに、上記のシート1の走行姿勢制御
(調節)を枚葉印刷機の運転中、つまり、印刷機の稼動
中において任意に行なうようにすることも可能であり、
紙押さえ部材42とフィーダボード11との間の最適な
隙間Sを設定することが傷の発生およびオーバーランの
防止のうえで重要である。
【0061】なお、本実施形態では、印刷に使用される
シート1の厚さ等の条件を直接入力装置73に入力し
て、紙押さえ部材42とフィーダボード11との隙間S
を設定するようにしたが、本実施形態の応用実施例とし
て、印刷機の上流システムから印刷条件のデータを入力
装置73に取り込み、紙押さえ部材42とフィーダボー
ド11との隙間Sを予め調整できるように構成しても良
い。
【0062】このようにして、第1実施形態と同様に、
印刷されるシート1の厚さに合わせて紙押さえ部材42
とフィーダボード11との隙間Sを容易に調節すること
ができるが、本実施形態の場合、第1実施形態のハンド
ル67操作による各オペレータの隙間設定に比べてより
適切に隙間を設定することができるため、紙押さえ部材
42によるシート1への余計な接触傷を一層減少させる
ことができる利点がある。
【0063】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
することができる。例えば、ローラ53に弾性体70を
装着した第2実施形態のものに、第3実施形態の位相調
整機構160Aを備えるようにしても良い。これによ
り、ローラ53がシート1をフィーダボード11上に押
さえつける時のローラ53によるシート1への接触が弾
性体70によりやわらぐため、シート1の接触傷をより
減らすことができるようになると共に、シート1の厚さ
等のデータを入力装置73に入力することで、ローラ5
3下端とフィーダボード11との隙間Sを容易に調整す
ることができるようになる。
【0064】さらに、本実施形態における揺動式紙押さ
え装置3は、紙押さえ部材42の先端がローラ53で構
成されたものを図示したが、従来と同様に板式の紙押さ
え部材42A(図13参照)等としても良い。また、上
記の実施形態では、本発明の紙押さえ装置を枚葉印刷機
に適用したものとして説明したが、本発明は、枚葉印刷
機に限るものでなく、枚葉状のシートの搬送及び停止状
態の姿勢を安定的に制御する目的で種々多様な装置に用
いることができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の紙押さえ装置によれば、フィーダボード上に送り
込まれた枚葉状のシートの浮き上がりを紙押さえ部材に
より防止する紙押さえ装置において、連動手段がシート
の搬送状態に連動して所定のタイミングで紙押さえ部材
をフィーダボードに対して接離させるので、シートが紙
押さえ部材と接触することにより生じる接触傷を低減し
ながら、シートの浮き上がりを確実に防止することがで
きるようになる。
【0066】請求項2記載の本発明の紙押さえ装置によ
れば、連動手段では、シートの搬送状態に応じてカムが
回転すると、連動伝達機構において、このカムのカム面
に係合する係合部材が、カム面の形状に追従して移動
し、この係合部材の動きが支持軸に伝達され支持軸が回
動し、紙押さえ部材がフィーダボードに対して接離方向
に揺動するので、シートの搬送状態に応じて適宜に紙押
さえ部材がフィーダボードに接離するようになり、紙押
さえ部材との接触によるシートへの余計な接触傷を低減
しながら、シートの浮き上がりを確実に防止することが
できるようになる。
【0067】請求項3記載の本発明の紙押さえ装置によ
れば、位相調整機構が、動力伝達機構からの動力伝達を
受けて回転する内側軸と、紙押さえ部材が固着された外
筒との相対的な回転位相位置を調整し、紙押さえ部材と
フィーダボードとの隙間を印刷に使用されるシートの厚
さに応じて設定することができ、さまざまな厚さのシー
トに対し、シートをフィーダボード上に適切に押さえつ
け、シートへの傷入りを抑えながらシートの走行姿勢を
適宜に調節して安定させることができるようになる。
【0068】請求項4記載の本発明の紙押さえ装置によ
れば、位相調整機構では、内側軸に周外方向に向けて突
設された第1レバーと、外筒に周外方向に向けて突設さ
れた第2レバーとの相互間に介装されたネジ軸を回動し
てフィーダボードと紙押さえ部材との隙間を調整するの
で、かかる隙間の調節を容易に行なうことができるよう
になる。
【0069】請求項5記載の本発明の紙押さえ装置によ
れば、位相調整機構では、コントローラが隙間を検出す
るセンサの検出情報に基づいて、モータがネジ軸を自動
的に回転駆動して紙押さえ部材とフィーダボードとの隙
間が適切になるように調整するので、かかる隙間をオペ
レータへの負担なしに確実に適正なものに設定すること
ができるようになる。
【0070】請求項6記載の本発明の紙押さえ装置によ
れば、搬送されてきたシートを受け止める前当が、シー
トの搬送に連動してシート搬送路上に移動するようフィ
ーダボードの下流端に配設されており、連動手段が、シ
ートがこの前当に所定距離内に接近する以前に紙押さえ
部材をフィーダボードに接近させてシートを押さえ、か
つ、この前当が受け止めたシートを開放する以前に紙押
さえ部材をフィーダボードから離隔させるので、シート
の紙押さえを確実に行ないながらシートが紙押さえ部材
と接触することにより生じる接触傷を低減することがで
きるようになる。
【0071】請求項7記載の本発明の紙押さえ装置によ
れば、紙押さえ部材が、支持軸に固着されたアームの先
端にローラを装着しているので、紙押さえ部材のシート
に与える摩擦力が低減されるようになり、紙押さえ部材
との接触によるシートへの接触傷の発生をより減らすこ
とができるようになる。請求項8記載の本発明の紙押さ
え装置によれば、紙押さえ部材がローラの外周面に弾性
体を装着しているので、紙押さえ部材によるシートへの
接触がやわらぎ、接触傷の発生をより減らすことができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての揺動式紙押さえ
装置の揺動機構を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての揺動式紙押さえ
装置及び前当部を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての揺動式紙押さえ
装置の位相調整機構を示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての揺動式紙押さえ
装置を示す上面図である。
【図5】本発明の第1実施形態としての揺動式紙押さえ
装置の動作状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態としての揺動式紙押さえ
装置を示す側面図である。
【図7】図6における揺動式紙押さえ装置を示す上面図
である。
【図8】本発明の第3実施形態としての揺動式紙押さえ
装置を示す上面図である。
【図9】一般的な枚葉印刷機を示す全体概略構成図であ
る。
【図10】一般的な枚葉印刷機におけるシート供給装置
の側面図である。
【図11】一般的な枚葉印刷機におけるシート供給装置
下流端に設備されたフィーダボードを示す上面図であ
る。
【図12】枚葉印刷機におけるシート受け渡し装置を示
す側面図である。
【図13】従来の紙押さえ装置を示す側面図である。
【図14】従来の紙押さえ装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1 シート 2 シート受け渡し装置 3 揺動式紙押さえ装置(紙押さえ装置) 4 紙ガイド 5 スイング爪 6 爪座 7 スイングアーム 8 支点軸 9 前当 9a 前当軸 10 シート供給装置 10a 給紙テーブル 11 フィーダボード 12,12a シート搬送ベルト 13 駆動ローラ 14 ローラ 15 サクションボックス 20 印刷装置部 21a〜21n 印刷装置 22 第1中間胴 23 第1中間胴爪 24 圧胴 24a 第1圧胴 24b 第2圧胴 25 中間胴 26 第1圧胴爪 27 版胴 28 刷版 29 ブランケット胴 30 排紙装置 31 エンドレスチェン 32 シート積重部 33 シート搬送部 34 前当9の突起部 40A,40B 紙押さえ装置 41 シャフト 42,42A,42B 紙押さえ部材 43,43a〜43n ブロック 44 支持金具 45 蝶ネジ 46 フレーム 47 ブラケット 50 シャフト 50a 外筒 50b 内側軸 51 ブロック 52 紙押さえ板 53 ローラ 53a ローラ軸 54 円盤型カム 55 コロ(カムフォロア) 56 L型レバー 57 支点軸 58 ピン 59 リンク 60 レバー 61 軸受 62 ピン 63 レバー 64 ピン 65 レバー 66 ネジ軸 67 ハンドル 68 ピン 70 ゴム(弾性体) 71 回動手段 72 位置検出手段 73 入力装置 74 記憶装置 75 演算装置 76 出力装置 77 制御装置 78 駆動制御装置 150 連動手段 150A 動力伝達機構 160 位相調整機構 160A 位相調整機構 S 隙間 Sm 隙間 P 突起部長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂田 信幸 広島県三原市寿町一丁目1番地 三原菱重 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 古井 美保子 広島県三原市寿町一丁目1番地 三原菱重 エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2C020 AA00 AA01 AA03 3F049 AA02 DA14 DB02 LA06 LB03 3F101 FA01 FE02 FE06 FE11 FE17 LA06 LB03 3F102 AA13 AB01 BA02 BA09 BB02 DA05 EA08 EC11 EC12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィーダボード上に送り込まれた枚葉状
    のシートの浮き上がりを紙押さえ部材により防止する紙
    押さえ装置において、 該シートの搬送状態に連動して所定のタイミングで該紙
    押さえ部材を該フィーダボードに対して接離させる連動
    手段を備えていることを特徴とする、揺動式紙押さえ装
    置。
  2. 【請求項2】 該連動手段は、 該フィーダボード幅方向に向けて配設され、該紙押さえ
    部材の基部が固着された支持軸と、 該シートの搬送状態に応じて回転するカムと、 該カムのカム面に係合し該カム面の形状に追従して移動
    する係合部材と、 該係合部材の動きを該支持軸に伝達して該支持軸を回動
    させることで、該紙押さえ部材を該フィーダボードに対
    して接離方向に揺動させる動力伝達機構とから構成され
    ていることを特徴とする、請求項1記載の揺動式紙押さ
    え装置。
  3. 【請求項3】 該支持軸は、 該動力伝達機構からの動力伝達を受けて回転する内側軸
    と、 該内側軸の外周に枢着されるとともに該紙押さえ部材が
    固着された外筒とからなり、 該内側軸と該外筒との相対的な回転位相位置を調整する
    位相調整機構をそなえ、 該位相調整機構を通じた位相調整によって、該紙押さえ
    部材と該フィーダボードとの隙間が調整可能になってい
    ることを特徴とする、請求項1又は2記載の揺動式紙押
    さえ装置。
  4. 【請求項4】 該位相調整機構は、 該内側軸に周外方向に向けて突設された第1レバーと、 該外筒に周外方向に向けて突設された第2レバーと、 上記の第1,第2レバーの相互間に介装されたネジ軸と
    をそなえ、 該ネジ軸を回動させることにより該フィーダボードと該
    紙押さえ部材との隙間を調整することを特徴とする、請
    求項1〜3の何れかの項に記載の揺動式紙押さえ装置。
  5. 【請求項5】 該位相調整機構は、 該ネジ軸を回転駆動するモータと、 該隙間又は該隙間に対応するパラメータ値を検出するセ
    ンサと、 該センサの検出情報に基づいて該モータの作動を制御す
    るコントローラとを備えていることを特徴とする、請求
    項4記載の揺動式紙押さえ装置。
  6. 【請求項6】 該フィーダボードの下流端に配設され、
    シートの搬送に連動してシート搬送路上に移動して、搬
    送されてきた該シートを受け止める前当をそなえ、 該連動手段は、該シートが該前当に所定距離内に接近す
    る以前に、該紙押さえ部材を該フィーダボードに接近さ
    せて該シートを押さえるようにし、かつ、該前当が受け
    止めた該シートを開放する以前に該紙押さえ部材を該フ
    ィーダボードから離隔させることを特徴とする、請求項
    1〜5の何れかの項に記載の揺動式紙押さえ装置。
  7. 【請求項7】 該紙押さえ部材は、 支持軸に固着されたアームと、 該アームの先端に装着されたローラとからなることを特
    徴とする、請求項1〜6の何れかの項に記載の揺動式紙
    押さえ装置。
  8. 【請求項8】 該ローラの外周面に弾性体が装着されて
    いることを特徴とする、請求項7記載の揺動式紙押さえ
    装置。
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