JP2009053691A - 反射防止フィルム及び反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機能層と、低屈折率層30を積層した反射防止フィルム1において、機能層は低屈折率層に接してレベリング剤Aを含有し、低屈折率層はレベリング剤Bに加えて機能層からマイグレーションしたレベリング剤Aを含有し、且つ、低屈折率層の表面にはレベリング剤Aとレベリング剤Bとが均一に存在し、製造方法として、機能層を、半硬化で形成し、その上に低屈折率層を形成し、完全に硬化させる。
【選択図】図1
Description
相分離によって、低屈折率層の表面にケイ素化合物(ケイ素系レベリング剤)が凝集した領域、フッ素化合物(フッ素系レベリング剤)が凝集(白濁)した領域が発生、白濁し、反射防止フィルムのヘイズが高くなり、ディスプレイの表示面の視認性が低下するという問題があった。従って、防汚性を付与するのに十分な量のフッ素化合物を、ケイ素化合物と混合することができなかった。
すなわち、上記問題点を解決する本発明の特徴は、以下の2点である。
前記少なくとも1層の機能層は、前記低屈折率層に接しており、電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有さないレベリング剤Aと、バインダーを含有し、
前記低屈折率層は、バインダーと、少なくとも該バインダーと架橋結合したレベリング剤Bに加えて、前記少なくとも1層の機能層からマイグレーションした前記レベリング剤Aを含有し、且つ、前記低屈折率層の表面には前記マイグレーションしたレベリング剤Aとレベリング剤Bとが均一に存在することを特徴とする。
本明細書では、電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有さないことを、以下、「非反応性」と表現することもある。また、本明細書において、「反応性」とは電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有することをいう。
電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有さないレベリング剤Aと、バインダーを含有する機能層形成用組成物を前記透明基材又はその上に予め形成した機能層に塗布した後、半硬化させて低屈折率層に接する機能層を形成し、
更に、バインダーと、少なくとも該バインダーとの反応性を有するレベリング剤Bを含有する低屈折率層形成用組成物を、上記半硬化状態の機能性層上に塗布した後、完全に硬化させて低屈折率層を形成することを特徴とする。
、帯電防止層、高屈折率層、防眩層、ハードコート層、およびこれらの性能をいくつか同時に有する層である。
本発明に係る反射防止フィルムにおいて、低屈折率層は、少なくともそのバインダーと架橋結合した反応性中実粒子をさらに含有することが、該低屈折率層層の硬さを向上できるため好ましい。
本発明に係る反射防止フィルムにおいて、低屈折率層の膜厚が0.05μm以上0.15μm以下であり、且つ、前記ハードコート層の膜厚が5μm以上30μm以下であることが、十分な反射防止性及び耐擦傷性を得られるため好ましい。
また、本発明に係る反射防止フィルムにおいて、低屈折率層表面の水接触角が95°〜120°であることにより、特に十分な防汚性が得られる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法において、レベリング剤Aが低屈折率層の表面にマイグレーションすることにより低屈折率層の表面でレベリング剤Aとレベリング剤Bとが均一に存在する。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法において、低屈折率層形成用組成物は、少なくとも含有されるバインダーとの架橋反応性を有する反応性中実粒子をさらに含有することが低屈折率層の硬さを向上できるため好ましい。
前記少なくとも1層の機能層は、前記低屈折率層に接しており、電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有さないレベリング剤Aと、バインダーを含有し、
前記低屈折率層は、バインダーと、少なくとも該バインダーと架橋結合したレベリング剤Bに加えて、前記少なくとも1層の機能層からマイグレーションした前記レベリング剤Aを含有し、且つ、前記低屈折率層の表面には前記マイグレーションしたレベリング剤Aとレベリング剤Bとが均一に存在することを特徴とする。
更に、バインダーと、少なくとも該バインダーとの反応性を有するレベリング剤Bを含有する低屈折率層形成用組成物を、上記半硬化状態の機能性層上に塗布した後、完全に硬化させて低屈折率層を形成することを特徴とする。
機能層の好ましい膜厚は、0.1μm以上30μm以下であり、この膜厚において、レベリング剤Aが、最適にマイグレーション可能である濃度は、機能層の全バインダー成分の全重量に対し、0.01重量%以上5重量%以下である。0.01重量%以上であると、低屈折率層表面までマイグレーション可能となり、求める防汚性能が発現するようになり、5重量%以上であるとマイグレーション量が過剰になり、ヘイズの上昇や白濁の原因となる。
基材/プライマー層/ハードコート層/低屈折率層基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
基材/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層
基材/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層
基材/ハードコート層1/ハードコート層2/低屈折率層
など、基材と低屈折率層の間に、様々な機能層を、様々な順序で単層又は多層積層して反射防止フィルムすることも可能であり、前記基本構成以外の積層体も本発明の範囲に包含される。なお、本発明を詳細に説明するにあたって、その便宜上、以下に基材/ハードコート層/低屈折率層の基本構成のみを記載する。
透明基材の材質は、特に限定されないが、従来から反射防止フィルムに用いられている一般的な材料を用いることができ、例えば、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、アクリレート系ポリマー、又はポリエステルを主体とするものが好ましい。ここで、「主体とする」とは、基材構成成分の中で最も含有割合が高い成分を示すものである。
本発明に用いられるハードコート層は、本発明に係る反射防止フィルムの硬さを付与するための層である。該ハードコート層は、必須成分として、少なくとも硬化性樹脂を含む硬化性バインダーと、少なくとも1種の非反応性のレベリング剤(レベリング剤A)と、を含有するハードコート層形成用組成物の硬化物からなる。ハードコート層は該ハードコート層に耐擦傷性を付与するため、無機微粒子を含有することが好ましく、さらに該無機微粒子としては、ハードコート層を形成するための硬化性樹脂であるバインダー(マトリクス)と少なくとも架橋結合し得る反応性官能基を有する反応性無機微粒子であることが好ましい。そのため、ハードコート層の硬化性樹脂は、反応性無機微粒子の反応性官能基と架橋結合し得る反応性官能基を有する硬化性樹脂(バインダー成分)を用いることが好ましい。反応性無機微粒子と硬化性樹脂が架橋結合を形成して硬化物が生じることによりハードコート層の耐擦傷性をさらに向上させることができる。
「ハードコート層」とは、一般にJISK5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいうが、本発明に用いられるハードコート層は鉛筆硬度試験によるハードコート層表面の硬度が「3H」以上であることが好ましい。
又はドコート層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが、耐擦傷性の観点から好ましい。
以下、本発明に係るハードコート層の構成材料について説明する。
無機微粒子をハードコート層に含有させることにより、透明性を維持しつつ耐擦傷性を向上させることが一般になされている。また、架橋反応性を有する無機微粒子と、硬化性バインダーを架橋反応させ、架橋構造を形成することにより、ハードコート性を更に向上させることができる。反応性無機微粒子Aとは、コアとなる無機微粒子の少なくとも表面の一部に有機成分が被覆し、該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子のことである。反応性無機微粒子Aには、1粒子あたりコアとなる無機微粒子の数が2つ以上のものも含まれる。また、反応性無機微粒子Aは、粒径を小さくすることにより含有量に対して、マトリクス内での架橋点を高めることができる。
本発明のハードコート層においては、十分な耐擦傷性を有するように硬度を著しく向上させることを目的として、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、該有機成分により導入された反応性官能基aを表面に有する反応性無機微粒子Aを含有することが好まし
い。反応性無機微粒子Aは、ハードコート層に更に機能を付与するものであっても良く、目的に合わせて適宜選択して用いる。
無機微粒子の表面には通常、無機微粒子内ではこの形態で存在できない基を有する。これら表面の基は通常、相対的に反応しやすい官能基である。例えば金属酸化物の場合には、例えば水酸基及びオキシ基、例えば金属硫化物の場合には、チオール基及びチオ基、又は例えば窒化物の場合には、アミノ基、アミド基及びイミド基を有する。
以下、本発明のハードコート層において、平均粒径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒径分布を累積分布で表したときの50%粒径(d50 メジアン径)を意味する。平均粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。
また、本発明に係る微粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、二次粒径が記載範囲内であれば良い。
中でも、本発明においては、被覆している有機成分が反応性無機微粒子A中に、被覆前の無機微粒子の単位面積当たり1.00×10-3g/m2以上含まれることが可能で、無機微粒子同士の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点から、以下の(i)(ii)(iii)の無機微粒子のいずれかを適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β−ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
(ii)粒径3nm以上100nm以下の無機微粒子を疎水性ビニルモノマーに分散したモノマーを、親水化された多孔質膜を通して水中に吐出し、無機微粒子が分散したモノマー液滴の水分散体とした後、重合することにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
(iii)被覆前の無機微粒子に導入する反応性官能基、下記化学式(2)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
化学式(2)
−Q1−C(=Q2)−NH−
(化学式(2)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、又はS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す。)
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エス
テル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β−ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
上記(i)の反応性無機微粒子Aを用いる場合には、有機成分含量が少なくても膜強度を向上できるというメリットがある。
例えば、疎水性分子残基としては、不活性化又は反発作用をもたらす、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル又はフッ素含有アルキル基等が挙げられる。親水性基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエステル基等が挙げられる。
上記(i)の反応性無機微粒子Aに用いられる表面修飾化合物は、表面修飾のための反応条件下で好ましくは液体であり、分散媒中で溶解性又は少なくとも乳化可能であるのが好ましい。中でも分散媒中で溶解し、分散媒中で離散した分子又は分子イオンとして一様に分布して存在することが好ましい。
アミノ酸の例としては、β−アラニン、グリシン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシン及びイソロイシンが挙げられる。
シメチルトリメトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ビス−(ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易に除去できる沸点を有することが好ましく、沸点が200℃以下、特に150℃以下の溶媒が好ましい。
(i)の反応性無機微粒子Aの調製は、好ましくは室温(約20℃)〜分散媒の沸点で行われる。特に好ましくは、分散温度は50〜100℃である。分散時間は、特に使用される材料の種類に依存するが、一般に数分から数時間、例えば1〜24時間である。
上記(ii)の反応性無機微粒子Aを用いる場合には、粒度分布の点から単分散性がより高まり、粗大粒子を含む場合のイレギュラーな性能の発現を抑えられるというメリットがある。
化学式(2)
−Q1−C(=Q2)−NH−
(化学式(2)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、又はS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す。)
上記(iii)の反応性無機微粒子Aを用いる場合には、有機成分量が高まり、分散性、及び膜強度がより高まるというメリットがある。
反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、無機微粒子に導入したい反応性官能基aは、上記バインダーCと反応可能なように適宜選択すれば特に限定されない。上述したような重合性不飽和基を導入するのに適している。
これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1種を併用することが好ましい。化学式(2)に示す基[−Q1−C(=Q2)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等の特性を付与することが可能になると考えられる。
Y’は反応性官能基を有する1価の有機基を示す。上述のような反応性官能基そのものであっても良い。例えば反応性官能基aを重合性不飽和基から選択する場合、(メタ)アクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、(メタ)アクリルアミド基等を挙げることができる。また、tは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
(iii)の反応性無機微粒子Aを製造する際、その温度は、通常20℃以上150℃以下であり、また処理時間は5分〜24時間の範囲である。
反応性無機微粒子Aの含有量はハードコート層の全固形分に対し、5〜70重量%であることが好ましく、更に20〜60重量%であることが好ましい。5重量%未満の場合、ハードコート層表面の硬度が不十分となる恐れがあり、70重量%超過の場合、ハードコート層と透明基材の界面の密着性が不十分となる恐れがある。
本発明に係るハードコート層において、硬化性バインダー系の構成成分とは、上記反応性無機微粒子A、ハードコート層の必須成分である少なくとも1種のレベリング剤A以外の成分であり、必須成分として硬化性樹脂としてのバインダーCを含み、必要に応じてバインダーC以外の硬化性バインダー成分、ポリマー成分、重合開始剤等の硬化後にハードコート層のマトリクスとなるものを表す。
本発明に用いられるバインダーCは、硬化した際にマトリクスの一部となる硬化性樹脂である。バインダーCは、前記反応性無機微粒子Aの反応性官能基aと架橋反応性を有する反応性官能基bを有することが好ましい。バインダーCが該反応性官能基bを有することにより反応性官能基aと反応性官能基bが架橋結合し、網目構造が形成される。これにより、ハードコート層の硬度が向上する。また、バインダーCは、十分な架橋性を得るために、反応性官能基bを1分子あたり3つ以上有することが好ましい。反応性官能基bとしては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合及びエポキシ基等が挙げられる。
前記ポリアルキレンオキシド鎖含有ポリマーDは、下記化学式(4)で表され、末端に3つ以上の反応性官能基bを有する分子量が1000以上のポリアルキレンオキシド鎖含
有ポリマーである。
3個以上有する炭素数が3〜10の多価カルボン酸類や、アミノ基を分子中に3個以上有する炭素数が3〜10の多価アミン酸類等が好適に用いられる。
ハードコート層を形成した際の硬度を維持しつつクラックを抑制する点から、n1、n2・・・nkはそれぞれ2〜500の数であることが好ましく、更に2〜300の数であることが好ましい。
る化合物残基を示す。これにより、ポリアルキレンオキシド鎖含有ポリマーの末端に3つ以上の反応性官能基bがもたらされる。
Y1〜Ykが反応性官能基bそのものである場合、Y1〜Ykとしては例えば、(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基が挙げられる。
例えばエチレン性不飽和基を有する化合物残基としては、具体的には例えば、以下の化合物のエチレン性不飽和基以外の反応性置換基又は反応性置換基の一部(水素等)を除いた残基が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
2つ以上の反応性官能基bを有する分子量が10000未満の化合物Eは、前述の反応性無機微粒子Aと相俟って、樹脂組成物の硬化膜の硬度を向上させ、十分な耐擦傷性を付与する機能を有する。なお、上記ポリマーDの構造を有するものは、2つ以上の反応性官能基bを有する分子量が10000未満の化合物Eから除かれる。
本発明において化合物Eは、ポリマーDと前述の反応性無機微粒子Aとの組み合わせにおいて、互いに反応可能な反応性官能基bを有し、十分な耐擦傷性を有する広範な化合物から適宜選択して用いることができる。化合物Eとしては、1種単独で用いても良いが、2種以上を適宜混合して用いても良い。
2つ以上の反応性官能基bを有する分子量が10000未満の化合物Eは、1分子中に含まれる反応性官能基bが3個以上であることが、硬化膜の架橋密度をあげて、硬度を付与する点から好ましい。ここで化合物Eが分子量分布を有するオリゴマーの場合、反応性官能基b数は、平均の個数で表される。
また、化合物Eの分子量は、硬度向上の点から、5000未満であることが好ましい。
重合性不飽和基を有する具体例として、重合性不飽和基を1分子内に2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、イソシアヌール酸EO変性トリ(メタ)アクリレート(東亞合成製アロニックスM−315等)、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、フタル酸水素−(2,2,2−トリ−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品等の3官能(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の5官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の6官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
また、上記ポリエステルアクリレート類に用いられるポリエステルポリオールを形成するためのポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、多塩基酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
化学式(5)中の連結基L’の好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**,*−(CH2)2−NH−**、*−(CH2)4−O−**、*−(CH2)6−O−**、*−(CH2)2−O−(CH)2−O−**、*−CONH−(CH2)3−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**等が挙げられる。ここで、*は、ポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は、(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。
化学式(5)においてoは100モル%、すなわち単独の重合体であっても良い。また、oが100モル%であっても、oモル%で表された(メタ)アクリロイル基を含有する重合単位が2種以上混合して用いられた共重合体であってもよい。oとpの比は、特に制限はなく、硬度や、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができる。
エーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びその誘導体等を挙げることができる。
本発明において、レベリング剤は、ハードコート層の必須成分であり、その少なくとも1種類は電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有しない(非反応性)レベリング剤Aである。これは、ハードコートやその他の層、特に低屈折率層などに含まれている全成分と反応性を有しないものである。該レベリング剤を有する層表面の平坦性(なめらかさ)を向上させる機能を有し、さらに、該レベリング剤の種類を適宜選択することにより、ハードコート層や低屈折率層の表面に防汚性や指紋拭取り性、耐擦傷性等の機能を付与することが可能となる。
斯かるレベリング剤としては、フッ素系レベリング剤、ケイ素系レベリング剤、オレフ
ィン系レベリング剤が挙げられるが、前述のとおり少なくとも1種類のレベリング剤Aは、非反応性であることを特徴とする。
(A)w−(B)x−(C)y−CF3
(上記式中、
Aは、CF2、CFCF2、C(CF2)2、(CF2)2nCH2CH2からなる群から選択される一種又は二種以上の基を表し、
Bは、OCF2CF2、OCF2CF(CF2)、OCF2C(CF2)2、OCF(CF2)CF(CF2)、OCF(CF2)C(CF2)2、OC(CF2)2CF(CF2)、OC(CF2)2C(CF2)2からなる群から選択される一種又は二種以上の基を表し、
Cは、OCH2CH2、 OCH2CH2CH2、OC(O)(CH2)zからなる群から選択される一種又は二種以上の基を表し、
w、x、y、zは0乃至50の整数を表す)
で表される化合物が具体的に挙げられる。
ッ素原子含有率が高いほど界面活性能に優れるが、フッ素原子含有率の高い界面活性剤は樹脂や溶媒に対する相溶性が低下するため、レベリング剤化合物中のフッ素原子含有率としては、通常5〜50%であり、7〜35%であることが好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましい。なお、フッ素原子含有率は、レベリング剤化合物を燃焼分解させた後、分解物を水又はアルカリ水で抽出させイオンクロマトグラフィー法によってフッ素イオン濃度を定量することにより算出できる。
本発明においては、上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の開始又は促進させるために、硬化性バインダー系の成分として、必要に応じてラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を必要に応じて、適宜選択して用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射及び/又は加熱により分解されて、ラジカル若しくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
シャルティ・ケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)(商品名イルガキュア784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係るハードコート層には、上記成分の他に、硬化性バインダー系の成分として更に帯電防止剤、防眩剤を適宜添加することもできる。更に、各種増感剤等の各種添加剤が混合されていても良い。帯電防止剤及び/又は防眩剤を含む場合には、本発明に係るハードコート層に、更に帯電防止性及び/又は防眩性を付与できる。
上記必須成分である硬化性樹脂、及び少なくとも1種のレベリング剤(レベリング剤A)に、必要に応じて各所望成分を加えたものを一般的な調製法に従って溶剤に分散処理することによりハードコート層形成用組成物を作製する。そして、該組成物を透明基材に塗布し、その後乾燥、硬化することによりハードコート層を形成できる。以下、溶剤、及びハードコート層形成用組成物の調製方法について説明する。
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケ
トン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ニトロメタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等のその他の物;又はこれらの混合物が挙げられる。より好ましい溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等が挙げられる。
ハードコート層形成用組成物は、通常、溶剤に上記必須成分である硬化性樹脂、及び少なくとも1種のレベリング剤(レベリング剤A)に、必要に応じて各所望成分を一般的な調製法に従って、混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。
本発明に係る低屈折率層は、透明基材側に隣接するハードコート層に比べて屈折率が低く、該ハードコート層及び該低屈折率層を有する反射防止フィルムの視認性を高める機能を有する。
本発明に係る低屈折率層は、後述する低屈折率層形成用組成物を塗布後、乾燥し、硬化させたものであり、該層の必須成分として少なくとも硬化性樹脂を含む硬化性バインダーと、2種以上のレベリング剤と、を含有する。該2種のレベリング剤のうち、少なくとも1種はハードコート層に含まれているものと共通のもの、すなわちレベリング剤Aであり、また少なくとも1種は、少なくとも前記バインダーとの反応性を有するレベリング剤Bであり、これは後述する硬化時に該バインダーと架橋する。本発明に係る低屈折率層は、ハードコート層を半硬化させた後に、該ハードコート層上に低屈折率層形成用組成物を塗布し、半硬化した前記ハードコート層及び該低屈折率層形成用組成物を完全に硬化させて得られる。その際、半硬化した前記ハードコート層から該ハードコート層に含まれていたレベリング剤Aが低屈折率層に移行する。
、同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長が炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有することが特に好ましい。斯かる架橋形成基を有することにより、反応性中空微粒子同士の凝集、及び反応性中実微粒子同士の凝集が起こり難く、該反応性中空微粒子及び該反応性中実微粒子が均一、且つ、密に充填するため低屈折率層の硬さが向上する。
以下、本発明に係る低屈折率層の構成材料について説明する。
本発明に係る中空微粒子は、外殻層を有し、外殻層に囲まれた内部が多孔質組織又は空洞である微粒子をいう。該多孔質組織及び該空洞には空気(屈折率:1)が含有されており、該中空微粒子を低屈折率層に含有させることで、該層の屈折率を低減することができる。
中空微粒子の製造方法の一例として、以下、中空シリカ微粒子の製造方法を例に挙げて説明する。
中空シリカ微粒子の種類は、屈折率が1.44以下であればよく、特に限定されるものではない。斯かる中空シリカ微粒子としては、特開平7−133105号公報、特開2001−233611号公報等に開示された複合酸化物ゾル又は中空シリカ微粒子を挙げることができる。斯かる中空シリカ微粒子は、具体的には、以下の第一乃至第三工程により製造することができ、さらに以下の第四工程を行ってもよい。
以下、さらに好ましくは5ppm以下、特に好ましくは2ppm以下とする。特に、アルカリ金属酸化物の含有量を5ppm以下とすることにより、シリカ微粒子を含む塗工液の安定性が向上する。すなわち、塗工液を長期保存したような場合でも、該塗工液の粘度上昇が抑えられ、優れた保存安定性が実現できる。また、アルカリ金属酸化物の含有量を上記範囲とすることにより、シリカ微粒子表面とシランカップリング剤等の架橋形成基を導入するための化合物との反応がより強固に起こると推察され、結果的に屈折率層の強度も向上する(シランカップリング剤については後述する)。また、アルカリ金属酸化物の含有量を10ppm以下とすることにより、製膜性及び得られる膜の強度を向上することができる。尚、アルカリ金属酸化物の含有量は、M2O(Mはアルカリ金属元素を表す)としての含有量を意味し、一般的な原子吸光法又はICP MS測定によって、含有量を測定できる。
本発明に係る中実微粒子は、該微粒子内部が多孔質でもなく空洞でもない微粒子をいう。空隙を有しないため中空微粒子に比べ、外部から微粒子にかかる圧力(外圧)で潰れにくく、耐圧性に優れる。そのため、該中実微粒子を含有する屈折率層の耐擦傷性を向上させやすくなる。
より好ましいのは、中実微粒子の材料を、金属酸化物又は金属ハロゲン化物とすることであり、さらに好ましいのは、金属酸化物又は金属フッ化物とすることである。これら材料を用いると、さらに、屈折率が低く、反射防止層としての性能が良好となりやすい。
中実微粒子は、従来公知の製造方法で製造することができる。斯かる方法としては、例えば、化学的手法であるゾルゲル法、物理的方法であるガス中蒸着法等を挙げることができる。
本発明に係る低屈折率層の一形態においては、低屈折率層に含有される反応性中実微粒子の平均粒径F及び反応性中空微粒子の平均粒径Gは、以下の関係:
10nm≦F≦40nm;
30nm≦G≦60nm;且つ
F≦G、
をもつことが好ましく、F+10≦Gであることがさらに好ましい。
また、本発明に係る低屈折率層においては、低屈折率層が、中実微粒子100重量部に対し、中空微粒子5重量部〜50重量部を含有することが好ましい。上記範囲とすることにより、前記低屈折率層中における反応性中空微粒子間の隙間に反応性中実微粒子が入り込み、密に充填するため、該層表面の耐擦傷性、特に耐スチールウール性を向上させる効果が特に高い。
30nm<F≦100nm;
30nm≦G≦60nm;且つ
F>G、
をもつことが好ましく、F≧G+10であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る低屈折率層においては、低屈折率層が、中実微粒子100重量部に対し、中空微粒子5重量部〜50重量部を含有することが好ましい。前記低屈折率層における中実微粒子の体積占有率が大きくなり、前記低屈折率層の反射率を低減させる効果が特に高い。
本発明に係る中空微粒子及び中実微粒子は、該微粒子表面を同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、微粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、結合基に結合するスペーサ部以外の基は、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長が炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有する架橋形成基で修飾されている。架橋形成基を微粒子表面に導入するための化合物としては、例えば、カップリング剤を用いることができ、該カップリング剤としてはシランカップリング剤が好ましい。該シランカップリング剤は、微粒子表面に対する結合基、スペーサ部及び電離放射線硬化性基からなる。
結合基とは、前記架橋形成基が前記中空微粒子及び前記中実微粒子に結合する部位であり、前記中空微粒子及び前記中実微粒子と共有結合を形成し得る基を意味する。具体例として、上記シランカップリング剤の一つである3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを例とすると、下記化学式(6)において、シランカップリング剤1である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの−Si(OCH3)3部分2が加水分解等により反応し、結合基となる。
本発明に係るスペーサ部とは、架橋形成基において、前記結合基と後述する電離放射線硬化性基を繋ぐ部位であり、該架橋形成基に有機成分よりなる電離放射線硬化性樹脂との親和性を付与する機能も有する。具体例として上記シランカップリング剤の一つである3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを例とすると、上記化学式(6)において、シランカップリング剤1である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの−COO(CH2)3部分3がスペーサ部に該当する。
本発明に係る電離放射線硬化性基とは、低屈折層を形成する必須成分である電離放射線硬化性型樹脂と、電離放射線の照射により、重合反応又は架橋反応が進行し硬化し得る官能基である。該硬化性基は、前記電離放射線硬化性樹脂と重合することで屈折率層の強度を向上させる機能を有する。
とから、電離放射線硬化性基としては(メタ)アクリロイル基が好ましい。
図2では、第一段階として、シランカップリング剤101が、加水分解反応110により、結合基を有する架橋形成基102を生成し、
続いて第二段階として、前記架橋形成基102が、微粒子表面の極性基103との水素結合111により、微粒子表面の極性基と水素結合した架橋形成基104を形成する。
さらに第三段階として、前記水素結合した架橋形成基104が、加熱及び脱水反応112により、目的とする、架橋形成基により表面を修飾された微粒子105が生成する。
続いて第二段階として、前記架橋形成基102が、脱水縮合反応113により、脱水縮合した架橋形成基106を生成する。
さらに第三段階として、前記脱水縮合した架橋形成基106が微粒子表面の極性基103と水素結合111により、微粒子表面の極性基と水素結合した架橋形成基の脱水縮合体107を形成する。
第四段階として、前記脱水縮合体107が、加熱及び脱水反応112により、目的とする、脱水縮合した架橋形成基により表面を修飾された微粒子108が生成する。
ップリング剤は、電離放射線や加熱による硬化の際に、膜中に取りこまれて架橋剤として作用するため、シランカップリング剤全量がシリカ微粒子表面に導入された場合と比べて、屈折率層の性能が向上しやすくなる。
本発明に係る低屈折率層において、硬化性バインダー系の構成成分とは、前記反応性中空微粒子、前記反応性中実微粒子、及び低屈折率層の必須成分である前記ハードコート層形成用組成物に含まれるレベリング剤Aとは異なる種類の少なくとも1種のレベリング剤(レベリング剤B)以外の成分であり、必須成分としてバインダーの硬化性樹脂としての電離放射線硬化性樹脂を含み、必要に応じて電離放射線硬化性樹脂以外の硬化性樹脂、非重合性ポリマー成分、重合開始剤等の硬化後に低屈折率層のマトリクスとなるものを表す。
本発明において、電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線の照射により反応させ、硬化し得る樹脂である。該樹脂は、塗膜とした時に光が透過する透光性のものが好ましい。
上記電離放射線硬化性樹脂の低屈折率層中の含有量は、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上である。一方、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。上記範囲内とすれば低屈折率でありながら実使用上問題が無い膜強度が発揮されやすい。
、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有する基は、紫外線や電子線等の電離放射線の照射により、直接又は開始剤の作用を受けて間接的に光ラジカル重合反応を生じさせることができるため、光硬化工程を含む取り扱いが比較的容易である。斯かる官能基の中でも、(メタ)アクリロイル基は、生産性に優れ、また、硬化後の屈折率層における機械強度のコントロールが容易であるため好ましい。
が可能である。
本発明に係る低屈折率層は、先述した理由により、硬化させる前の低屈折率層形成用組成物に含まれるレベリング剤Bに加えて、ハードコート層形成用組成物に含まれるレベリング剤Aを含有する。低屈折率層の硬化性バインダー系に含有させるレベリング剤Bとしては、少なくとも該バインダーとの反応性を有し、特に電離放射線硬化型樹脂、反応性中空微粒子及び反応性中実微粒子の何れに対しても相溶性を有する反応性ケイ素系レベリング剤が好ましい。
重合開始剤は、本発明においては必ずしも必要ではない。しかしながら、電離放射線硬化性樹脂、並びに任意成分である、及び、他のバインダー成分の電離放射線硬化性基が、電離放射線照射によって直接重合反応を生じにくい場合には、反応性中空微粒子、反応性中実微粒子及び他のバインダー成分の反応形式に合わせて、適切な開始剤を用いるのが好ましい。
これらは市販のものを用いてもよく、例えば、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンは、イルガキュア127(Irgacure 127)の商品名(イルガキュア、Irgacureは登録商標)でチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)から入手できる。
AlR3
(化学式(7)中、残基R3は、同一でも異なってもよく、ハロゲン、炭素数10以下、好ましくは4以下のアルキル、アルコキシ、アシルオキシ、又はヒドロキシであり、これらの基は全部又は一部がキレート配位子により置き換えられていてもよい)。
上記必須成分である、電離放射線硬化性樹脂、及びハードコート層形成用組成物に含まれるレベリング剤Aとは異なる少なくとも1種のレベリング剤Bに、必要に応じて各所望成分を加えたものを、一般的な調製法に従って溶剤に分散処理することにより低屈折率層形成用組成物を作製する。そして、該組成物を半硬化したハードコート層上に塗布し、その後乾燥、硬化することにより低屈折率層を形成できる。以下、溶剤、及び低屈折率層形成用組成物の調製方法について説明する。
バインダーとして電離放射線硬化性樹脂を比較的多量に用いる場合には、樹脂中のモノマー及び/又はオリゴマーが、液状媒体としても機能し得るので、溶剤を用いなくても塗工液の状態に調製できる場合がある。従って、適宜、固形成分を溶解分散し、濃度を調整して、塗工性に優れた層形成用組成物を調製するために溶剤を使用すれば良い。
炭化水素;又はこれらの混合物を挙げることができる。
低屈折率層形成用組成物は、通常、溶剤に上記必須成分である、電離放射線硬化性樹脂、及びハードコート層形成用組成物に含まれるレベリング剤Aとは異なる少なくとも1種のレベリング剤(レベリング剤B)に、必要に応じて各所望成分を加えたものを、一般的な調製法に従って、混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。
本発明に係る反射防止フィルムにおいて、移行層とは、前記ハードコート層と前記低屈折率層が相溶してなる領域である。該移行層は、透明基材の一面側に、ハードコート層形成用組成物を塗布し、半硬化させた後、半硬化状態のハードコート層上に、前記低屈折率層形成用組成物を塗布し、完全に硬化させることにより形成される。該移行層は、上記半硬化をさせる工程を経ることでほとんどの場合に形成される。
移行層は、前記ハードコート層の成分及び前記低屈折率層の成分が混入し、前記ハードコート層及び前記低屈折率層の密着性を高める効果と耐擦傷性を有する。移行層を形成することで、特にハードコート層と低屈折率層の硬さが極端に違う(ハードコート層が硬く低屈折率層が柔らかい)場合、移行層がハードコート層と低屈折率層の中間的な硬さとなり、クッション性が出るため、低屈折率層に応力が集中せず低屈折率層の耐擦傷性が向上する。
移行層は、反射防止フィルムの厚さ方向断面のTEM写真により確認できる。TEM写真において、移行層は、ハードコート層及び低屈折率層と比べると明暗が異なる領域層として確認できる。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法は、透明基材の一面側に、バインダー及び少なくとも1種のレベリング剤Aを含有するハードコート層形成用組成物を塗布し、半硬化させた後、半硬化状態のハードコート層上に、バインダー及び、前記ハードコート層形成用組成物に含有させたものと異なるレベリング剤Bを含有する低屈折率層形成用組成物を塗布し、完全に硬化させることを特徴とする。
通常、ハードコート層形成用組成物又は低屈折率層形成用組成物に異なる2種(又はそれ以上)のレベリング剤を含有させて、塗布前の組成物中で混合しただけでは、該レベリング剤は相分離するか、又は最終的に必要な機能(防汚性、指紋拭取り性、耐擦傷性)が得られないが、この半硬化状態を経て一方のレベリング剤を移行させることにより、低屈折率層において異なる2種のレベリング剤(レベリング剤A及びレベリング剤B)が、相分離、白濁せずに、均一に分散し、特に低屈折率層の表面に均一に存在できるようになる。この理由は定かではないが、通常、異なる2種以上のレベリング剤を混合して用いた場合には、各レベリング剤が自由に運動(移行)できる状態にあり、各レベリング剤が均一に分散した状態から同種のレベリング剤が凝集し、相分離を起こすが、半硬化の状態を経ることにより、硬化しつつある、又は硬化した低屈折率層ににおいて、低屈折率層形成用組成物に含まれる少なくともバインダーと反応性を有するレベリング剤Bがバインダーやレベリング剤同士などと架橋反応することで、その運動(移行)が制限され、その隙間を半硬化状態であったハードコート層からレベリング剤Aが低屈折率層の表面に向かって移行(すなわち、マイグレーション)し、その表面に均一に存在できるようになると考えられる。
以下、本発明に係る反射防止フィルムの製造方法について説明する。
透明基材上に、前記ハードコート層形成用組成物をバーコーティング等の方法により塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて照射量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、ハードコート層を半硬化させる。
前記半硬化させたハードコート層上に前記低屈折率層形成用組成物をバーコーティング等の方法により塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用いて照射量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、ハードコート層及び低屈折率層を完全硬化させ、反射防止フィルムを得る。
請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
<製造例1−1:表面修飾された中空粒子(表面修飾中空シリカ微粒子LM(1))の調製>
中空粒子として、平均粒径50nmの中空シリカ微粒子(触媒化成工業(株)製)のイソプロパノール分散液を、ロータリーエバポレーターを用いてイソプロピルアルコールからメチルイソブチルケトン(以下、MIBKという場合がある)に溶媒置換を行い、シリカ微粒子20重量%の分散液を得た。このメチルイソブチルケトン分散液100重量%に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。
このようにして得られた表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)は、日機装(株)社製Microtrac粒度分析計により測定した結果、d50=50nmの平均粒径を有していた。
中実粒子として、平均粒径12nmのメチルイソブチルケトン分散シリカゾル(MIBK−ST:商品名、日産化学工業(株)製。シリカ固形分20重量%)100重量部に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。
このようにして得られた表面修飾中実シリカ微粒子LS(1)は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=12nmの平均粒径を有していた。
<6−2.ハードコート層用反応性無機微粒子A(1)の調製>
(1)表面吸着イオン除去
粒径90nmの水分散コロイダルシリカ(スノーテックスZL、商品名、日産化学工業(株)製、pH9〜10)を陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B、三菱化学(株)製)400gを用いて3時間イオン交換を行い、次いで、陰イオン交換樹脂(ダイヤイオンSA20A、三菱化学(株)製)200gを用いて3時間イオン交換を行った後、洗浄し固形分濃度20重量%の無機微粒子の水分散体を得た。
この時、無機微粒子の水分散体のNa2O含有量は、無機微粒子当たり各7ppmであった。
(2)表面処理(単官能モノマーの導入)
上記(1)の処理を行った無機微粒子の水分散液10gに150mlのイソプロパノール、4.0gの3,6,9−トリオキサデカン酸、及び4.0gのメタクリル酸を加え、30分間撹拌し混合した。
得られた混合液を、60℃で5時間加熱しながら撹拌し、無機微粒子表面にメタクリロイル基が導入された無機微粒子分散液を得た。得られた無機微粒子分散液を、ロータリーエバポレーターを用いて蒸留水、及びイソプロパノールを留去させ、乾固させないようにメチルエチルケトンを加えながら、最終的に残留する水やイソプロパノールを0.1重量
%とし、固形分50重量%のシリカ分散メチルエチルケトン溶液を得た。
このようにして得られた反応性無機微粒子A(1)は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=90nmの平均粒径を有していた。また、無機微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果4.05×10-3g/m2であった。
<6−3.帯電防止剤の合成>
攪拌装置、還流冷却管、滴下漏斗及び窒素導入管を備えたフラスコ中に、アルキルメタクリレート(ドデシルメタクリレートとトリデシルメタクリレート混合アルキルエステル・平均分子量263)(SLMA)50部、メチルメタクリレート(MMA)10部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMMA)40部、エタノール210部、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル1.2部を入れ、窒素雰囲気下において80℃で6時間反応させた。重合終了後、得られた共重合体の溶液にベンジルクロライド80部を滴下し、60℃で8時間反応させることによって、カチオン性共重合体を含有する帯電防止剤を製造した。GPC法によるこの帯電防止剤の数平均分子量は2,300であった。
<6−4−1.低屈折率層形成用組成物の調製>
下記組成の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
平均粒径d50=12nmの表面修飾中実シリカ微粒子LS(1)(中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:0.4重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):
: 1.2重量部
電離放射線硬化性樹脂2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
:0.4重量部
反応性ケイ素系レベリング剤:X−22−164E(商品名、信越化学工業(株)製):0.15重量部
重合開始剤:イルガキュア127(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:83.5重量部
<6−4−2.低屈折率層形成用組成物の調製>
下記組成の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 0.68重量部
電離放射線硬化性樹脂2:オプスターJM5010(商品名、JSR(株)製:屈折率1.41、固形分10重量%、メチルエチルケトン溶液)
:15.8重量部
反応性ケイ素系レベリング剤:X−22−164E
:0.15重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:68.5重量部
<6−4−3.低屈折率層形成用組成物の調製>
下記組成の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 0.68重量部
電離放射線硬化性樹脂2:オプスターJM5010
:15.8重量部
非反応性ケイ素系レベリング剤:BYK−300(商品名、ビックケミー(株))
:0.15重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:68.5重量部
<6−4−4.低屈折率層形成用組成物の調製>
製造例4の組成において、反応性ケイ素系レベリング剤成分を下記成分に変更して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
平均粒径d50=12nmの表面修飾中実シリカ微粒子LS(1)(中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:0.4重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):
:1.2重量部
電離放射線硬化性樹脂2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
:0.4重量部
反応性ケイ素系レベリング剤:ポリエーテル変性シリコーンオイルTSF4460(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
:0.15重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:83.5重量部
<6−4−5.低屈折率層形成用組成物の調製>
製造例6の組成において、非反応性ケイ素系レベリング剤成分を下記成分に変更して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 0.68重量部
電離放射線硬化性樹脂2:オプスターJM5010
:15.8重量部
非反応性ケイ素系レベリング剤:FM4421(商品名、チッソ(株)製)
:0.15重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:68.5重量部
<6−4−6.低屈折率層形成用組成物の調製>
製造例6の組成において、非反応性ケイ素系レベリング剤成分とその添加量を下記のように変更して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 0.68重量部
電離放射線硬化性樹脂2:オプスターJM5010
:15.8重量部
非反応性フッ素系レベリング剤(メガファックMCF−445(商品名、エチレンオキサイド付加、大日本インキ化学工業(株)製)
:0.07重量部
非反応性ケイ素系レベリング剤:KF−6004(商品名、両末端ポリエーテル変性、信越シリコーン(株)製)
:0.07重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:68.5重量部
<6−4−7.低屈折率層形成用組成物の調製>
製造例4の組成において、反応性ケイ素系レベリング剤成分を下記成分に変更して低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカ微粒子LM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
平均粒径d50=12nmの表面修飾中実シリカ微粒子LS(1)(中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:0.4重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):
: 1.2重量部
電離放射線硬化性樹脂2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
:0.4重量部
反応性フッ素系レベリング剤:オプツールDAC(商品名、ダイキン(株)製)
:0.15重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:83.5重量部
<6−4−8.低屈折率層形成用組成物の調製>
製造例4の成分に非反応性フッ素系レベリング剤を加え、低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカゾルLM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
平均粒径d50=12nmの表面修飾中実シリカ微粒子LS(1)(中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:0.4重量部
電離放射線硬化性樹脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 1.2重量部
電離放射線硬化性樹脂:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
:0.4重量部
反応性ケイ素系レベリング剤:X−22−164E
:0.15重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファックMCF−350(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
:0.03重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:83.5重量部
<6−4−9.低屈折率層形成用組成物の調製>
製造例4の組成において、反応性ケイ素系レベリング剤のみを含まない低屈折率層形成用組成物を調製した。
平均粒径d50=50nmの表面修飾中空シリカゾルLM(1)(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
平均粒径d50=12nmの表面修飾中実シリカ微粒子LS(1)(中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:0.4重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 1.2重量部
電離放射線硬化性樹脂2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
:0.4重量部
重合開始剤:イルガキュア127
:0.1重量部
溶剤:メチルイソブチルケトン
:83.5重量部
<6−4−10.ハードコート層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を混合してハードコート層形成用組成物を調製した。
反応性シリカ微粒子A(中実シリカ微粒子35重量%のメチルイソブチルケトン)
:25.0重量部
バインダーC:ウレタンアクリレート(紫光UV1700−B:商品名、日本合成化学工業(株)製)
:25.0重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファックMCF−350
:0.03重量部
重合開始剤:イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:49.8重量部
<6−4−11.ハードコート層形成用組成物の調製>
製造例13の組成において、非反応性フッ素系レベリング剤のみを含まないハードコート層形成用組成物を調製した。
反応性シリカ微粒子A(中実シリカ微粒子35重量%のメチルイソブチルケトン)
:25.0重量部
バインダーC:ウレタンアクリレート(紫光UV1700−B)
:25.0重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.2重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:49.8重量部
<6−4−12.ハードコート層形成用組成物の調製>
製造例13の組成に反応性ケイ素系レベリング剤を加え、ハードコート層形成用組成物を調製した。
反応性シリカ微粒子A(中実シリカ微粒子35重量%のメチルイソブチルケトン)
:25.0重量部
バインダーC:ウレタンアクリレート(紫光UV1700−B)
:25.0重量部
反応性ケイ素系レベリング剤:X−22−164E
:0.15重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファックMCF−350
:0.03重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.2重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:49.8重量部
<6−4−13.ハードコート層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を混合してハードコート層形成用組成物を調製した。
製造例3で合成した帯電防止成分
:0.27重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂2:BS577(商品名、荒川化学工業(株)製)
:1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂3:M9050(商品名、東亞合成(株)製)
:2.7重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファックMCF‐350
:0.1重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.22重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:17重量部
<6−4−14.ハードコート層形成用組成物の調製>
製造例16の組成において、非反応性フッ素系レベリング剤のみを変更し、ハードコート層形成用組成物を調製した。
製造例3で合成した帯電防止成分
:0.27重量部
電離放射線硬化性樹脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂:BS577
:1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂:M9050
:2.7重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファック178(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
:0.1重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.22重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:17重量部
<6−4−15.ハードコート層形成用組成物の調製>
製造例16の組成において、非反応性フッ素系レベリング剤のみを含まないハードコート層形成用組成物を調製した。
製造例3で合成した帯電防止成分
:0.27重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂2:BS577
:1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂3:M9050
:2.7重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.22重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:17重量部
<6−4−16.ハードコート層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を混合してハードコート層形成用組成物を調製した。
製造例3で合成した帯電防止成分
:0.27重量部
電離放射線硬化性樹脂1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
: 1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂2:BS577
:1.3重量部
電離放射線硬化性樹脂3:M9050
:2.7重量部
反応性フッ素系レベリング剤:FA−108(商品名、共栄社化学(株)製)
:0.005重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.22重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:17重量部
<6−4−17.ハードコート層形成用組成物の調製>
製造例13の組成において、非反応性フッ素化レベリング剤のみを変更してハードコート層形成用組成物を調製した。
反応性シリカ微粒子A(中実シリカ微粒子35重量%のメチルイソブチルケトン)
:25.0重量部
バインダーC:ウレタンアクリレート(紫光UV1700−B)
:25.0重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファックF445(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
:0.03重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.2重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:49.8重量部
<6−4−18.ハードコート層形成用組成物の調製>
製造例13の組成において、非反応性フッ素化レベリング剤のみを変更してハードコー
ト層形成用組成物を調製した。
反応性シリカ微粒子A(中実シリカ微粒子35重量%のメチルイソブチルケトン)
:25.0重量部
バインダーC:ウレタンアクリレート(紫光UV1700−B)
:25.0重量部
非反応性ケイ素系レベリング剤:X−22−3710(商品名、信越化学(株)製)
:0.03重量部
重合開始剤:イルガキュア184
:0.2重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:49.8重量部
<6−4−19.ハードコート層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を混合してハードコート層形成用組成物を調製した。
電離放射線硬化性樹脂:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
:4重量部
ジルコニア粒子(第一稀元素科学工業(株)製、UEP、一次粒径20〜30nm)メチルエチルケトン分散液(固形分:40%)
:10重量部
非反応性フッ素系レベリング剤:メガファックMCF−350
:0.05重量部
溶剤:メチルエチルケトン
:6重量部
<6−5−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム(株)製)上に,上記製造例13の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hパルプ)を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例4の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて,照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
以下、低屈折率層の膜厚は、島津製作所(株)製分光光度計(UV−3100PC)を用いて測定した反射率の極小値が波長550nm付近になるように設定した。
なお、PETA、及びDPHAはほぼ全量が重合するので、上記電離放射線硬化性樹脂に対する中実シリカ粒子の含有量は、電離放射線硬化性樹脂に対する中実シリカ粒子の含有量とほぼ同様と考えてよい。
<6−6−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例16の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例5の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
<6−7−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A2401、東洋紡績(株)製)上に、上記製造例22の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例5の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
<6−8−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例20の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例7の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
<6−9−1.帯電防止ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、上記製造例16の組成の帯電防止ハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い
、半硬化した帯電防止ハードコート層を得た。得られた帯電防止ハードコート層の膜厚は、3μmであった。
得られた基材/帯電防止ハードコート層フィルム上に,上記製造例13のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を再び半硬化させて、基材/帯電防止ハードコート層/ハードコート層フィルムを得た。得られた2層ハードコート層の総膜厚は、18μmであった。
得られた基材/半硬化した帯電防止ハードコート層/半硬化したハードコート層フィルム上に、上記製造例4の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/帯電防止ハードコート層/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。得られた低屈折率層の膜厚は、0.1μmであった。
ハードコート層が2層の場合も、1層の場合と同様に全評価性能が良好で、白化もしなかった。
<6−10−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び完全硬化したハードコート層の作成>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例13の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、完全硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/完全硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例4の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、低屈折率層形成用組成物を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
ハードコート層を完全硬化させたため、非反応性のフッ素系レベリング剤はマイグレーションできず、指紋拭取り性が低下した。
<6−11−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例15の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例12の低屈折率層
形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
反応性のケイ素系レベリング剤がハードコート層に存在したため、低屈折率層の表面にマイグレーションできず、指紋拭取り性、耐擦傷性、防汚性が低下した。
<6−12−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の調製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例14の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例11の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
非反応性のフッ素系レベリング剤及び反応性のケイ素系レベリング剤が両方低屈折率層に存在したために表面に均一に存在できず、全ての性能が低下し、また、相溶性がなかったために白化した。
<6−13−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の作成>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例17の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例6の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて,照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、低屈折率層形成用組成物を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。低屈折率層中のケイ素系レベリング剤が非反応性であったため、表面に2種のレベリング剤が均一に存在できず、全性能が低下し、また、マイグレーションしてきた非反応性のF系レベリング剤と相溶性がなかったために白化した。
<6−14−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の作成>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例19の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例8の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて,照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、低屈折率層形成用組成物を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。ハードコート中に反応性のフッ素系レベリング剤が存在したために、低屈折率層表面には、フッ素系レベリング剤はマイグレーションできず、指紋拭取り性が低下した。
<6−15−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の作成>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例18の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例9の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて,照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、低屈折率層形成用組成物を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。低屈折率層中に、非反応性のフッ素系レベリング剤と反応性のケイ素系レベリング剤が存在したため、ケイ素系レベリング剤のみが表面に出やすく、不均一状態となり、指紋拭取り性が低下した。2種のレベリング剤は相溶性はあったので白化はしなかった。
<6−16−1.ハードコート層形成用組成物の塗布及び半硬化したハードコート層の作成>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記製造例21の組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い、半硬化したハードコート層を得た。
得られた基材/半硬化したハードコート層フィルム上に,上記製造例10の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、上記紫外線照射装置を用いて、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、低屈折率層形成用組成物を完全硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止フィルムを得た。
ハードコート層の中に非反応性のケイ素系レベリング剤、低屈折率層の中に反応性のフッ素系レベリング剤が存在したため、フッ素系レベリング剤はバインダーなどと架橋して、いっそう表面に出にくくなったため、低屈折率層の表面には、ハードコート層からマイグレーションしてきたケイ素系レベリング剤のみになり、指紋拭取り性が低下したと考えられる。
得られた反射防止フィルムを#0000のスチールウールを用い、荷重200gで20往復した時の傷の有無を目視により確認した。評価基準は以下の通りとした。
◎:全く傷が認められないもの
○:細かい傷(5本以下)が認められるもの
△:傷は著しくつくが、剥離は認められないもの
×:剥離するもの
得られた反射防止フィルム表面に油性インクのマジックで描き、それを旭化成(株)社製ベンコットM−3で拭き取った時の状態を観察した。評価基準は以下の通りとした。
◎:インクが撥いており、容易にインクを拭き取れたもの
○:インクが撥いており、しっかり擦ればインクを拭き取れたもの
△:インクの一部が拭き取れずに残ったもの
×:インクを拭取れなかったもの
得られた反射防止フィルム表面に付着した指紋を旭化成(株)社製ベンコットM−3を用いて拭き取り、その取り易さを目視で判定した。評価基準は以下の通りとした。
○:指紋が完全に拭き取れる
△:指紋は拭き取れるがあとが残る、又はあとは取れるが指紋がのびる
×:指紋が拭き取れない。
得られた反射防止フィルムに白化がなく透明性が良好であるかどうかを評価するために、以下の評価を行った。光学用粘着剤(例えば、日立化成工業(株)のDA−1000などの光学フィルム用のアクリル系粘着剤など)で黒板アクリル板に貼り、以下サンプルを作製した。
基準サンプル:黒アクリル板/光学粘着/透明基材フィルム
評価サンプル:黒アクリル板/光学粘着/透明基材フィルム/ハードコート/低屈折率層(実施例、比較例で作製した反射防止フィルム)
実施例、比較例で作製したサンプルを上記評価サンプルとし、上記基準サンプルとを同時に目視観察し、基材だけの場合と比較して白いかどうか評価した。
本願発明に係る反射防止フィルム及びその製造方法の構成を模式的に示したものが図4及び図5である。図4は、透明基材上にハードコート層形成用組成物を塗布した後、半硬化させた、基材/半硬化したハードコート層フィルムのハーフキュア状態を図左側に示す。ハードコート層には、レベリング剤A(○で表す)が均一に存在している。また、図右側には、前記基材/半硬化したハードコート層フィルム上に低屈折率層を塗布して得られる、基材/半硬化したハードコート層/低屈折率層フィルムの状態が示されている。この図中、半硬化したハードコート層内のレベリング剤Aが図の上方、すなわち空気界面方向に移行(マイグレーション)し始めている。移行に伴い、レベリング剤Aの濃度は、基材側で低くなり、逆に低屈折率層側で高くなるので層中で濃度のグラデーションが存在することになる。低屈折率層には、レベリング剤B(△で表す)が均一に存在している。
10 透明基材
20 ハードコート層
30 低屈折率層
40 移行層
Claims (17)
- 透明基材上に、少なくとも1層の機能層と、低屈折率層とを順に積層した反射防止フィルムにおいて、
前記少なくとも1層の機能層は、前記低屈折率層に接しており、電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有さないレベリング剤Aと、バインダーを含有し、
前記低屈折率層は、バインダーと、少なくとも該バインダーと架橋結合したレベリング剤Bに加えて、前記少なくとも1層の機能層からマイグレーションした前記レベリング剤Aを含有し、且つ、前記低屈折率層の表面には前記マイグレーションしたレベリング剤Aとレベリング剤Bとが均一に存在することを特徴とする、反射防止フィルム。 - 低屈折率層に接する機能層は、ハードコート層であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- レベリング剤Aは、非反応性フッ素系レベリング剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- レベリング剤Bは、反応性ケイ素系レベリング剤であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
- 非反応性フッ素系レベリング剤は、一般式F(CF2)2nCH2CH2−(式中、nは1〜10の整数である)で表わされるフッ素化アルキル基を有するフッ素化合物であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の反射防止フィルム。
- フッ素化アルキル基は、パーフルオロ基であることを特徴とする、請求項5に記載の反射防止フィルム。
- 低屈折率層は、少なくともそのバインダーと架橋結合した反応性中空粒子をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 低屈折率層は、少なくともそのバインダーと架橋結合した反応性中実粒子をさらに含有することを特徴とする、請求項8に記載の反射防止フィルム。
- ハードコート層は、少なくともそのバインダーと架橋結合した反応性無機微粒子をさらに含有することを特徴とする、請求項2に記載の反射防止フィルム。
- 反応性無機微粒子は、中実粒子であることを特徴とする、請求項10に記載の反射防止フィルム。
- 機能層の膜厚は、0.1μm以上30μm以下であり、且つ、レベリング剤Aは、前記機能層のバインダー全重量に対して0.01重量%以上5重量%以下であることを特徴とす
る、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。 - 低屈折率層の膜厚は、0.05μm以上0.15μm以下であり、且つ、ハードコート層の膜厚が5μm以上30μm以下であることを特徴とする、請求項2乃至12のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
- 透明基材上に、少なくとも1層の機能層と、低屈折率層とを順に積層した反射防止フィルムの製造方法において、電離放射線で反応する官能基又は熱で反応する極性基を有さないレベリング剤Aと、バインダーを含有する機能層形成用組成物を前記透明基材又は予め形成した機能層に塗布した後、半硬化させて低屈折率層に接する機能層を形成し、更に、バインダーと、少なくとも該バインダーとの反応性を有するレベリング剤Bを含有する低屈折率層形成用組成物を、前記半硬化状態の機能層上に塗布した後、完全に硬化させて低屈折率層を形成したことを特徴とする、反射防止フィルムの製造方法。
- レベリング剤Aが低屈折率層の表面にマイグレーションすることにより低屈折率層の表面でレベリング剤Aとレベリング剤Bとが均一に存在することを特徴とする、請求項14に記載の反射防止フィルムの製造方法。
- レベリング剤Aは、非反応性フッ素系レベリング剤であり、且つレベリング剤Bは、反応性ケイ素系レベリング剤であることを特徴とする、請求項14又は15に記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 請求項14乃至16のいずれか一項に記載の反射防止フィルムの製造方法によって製造された反射防止フィルム。
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