JP2009019019A - 4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法 - Google Patents

4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを出発物質とし、これをフッ素化剤でフッ素化する製造方法において、高収率を維持しながら短時間で高純度の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】有機溶媒中にて、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン1モルに対して、1.4モル以上のフッ素化剤を添加して反応させて塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを得た後、必要に応じて中間処理工程を施し、さらに、得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを蒸留により精製することで、塩素根含有量が低減化された4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法に関する。
4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、「F−EC」ということもある)は、二次電池やキャパシタなどの電気化学デバイスに用いる電解液の溶媒として、充放電サイクル特性や電流効率などに優れる点から注目されている。たとえば、特許文献1には、この化合物を溶媒として用いたリチウムイオン二次電池が、フッ素置換されていない溶媒を用いた二次電池に比較して、充放電の効率が優れ、良好な充放電サイクル特性を示すことが開示されている。
このF−ECの製造法としては、
(1)1,3−ジオキソラン−2−オンを出発物質とし、フッ素ガスで直接フッ素化する方法、
(2)フッ素化剤として、ほぼ等量の金属フッ化物を用いて4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、「Cl−EC」ということもある)の4位の塩素原子をフッ素原子で置換する方法
が知られている(特許文献2〜4)。
特許文献2では、Cl−ECとフッ化カリウムとを混ぜて反応させてF−ECを収率70%で得たと記載されているが、反応溶媒や反応温度、反応時間といった基本的な条件の開示もない。
特許文献3、4では、1.2当量のフッ化カリウムを用いてCl−ECとフッ化カリウムとをアセトニトリル中で80〜85℃にて11時間かけて反応させ、出発物質のCl−ECを含むF−ECの粗生成物を収率87.5%で得ている(再結晶すると、粗生成物の85%でF−ECが採取できる)。しかし、この方法では、Cl−ECを出発原料とするため、反応終了後に得られるF−EC中に、塩素根が共存する。実際、塩をろ過後蒸留した場合、塩素根の濃度は189ppmであった。ここで、塩素根とは、原料であるCl−EC、副生する塩化水素(HCl)、Cl−EC中に不純物として共存しうる塩素(Cl2)など、塩素原子(Cl)または塩化物イオン(Cl-)を含む化学種を総称する。この塩素根が残留したF−ECを二次電池などの用途に使用すると、サイクル特性が低下することがあるため、精製したF−EC中の塩素根の濃度は、塩化物イオンで100ppm以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下にする必要があるが、これら塩素根は、F−ECが高誘電率なので、使用する溶媒中に残存しやすくなっている。特許文献3、4では、これらの塩素根のなかでも、Cl-、HCl、Cl2が、蒸留では充分に除去することができないため、特許文献3では特定の有機溶媒からF−ECを再結晶する方法、特許文献4では特定の低極性溶媒と接触させてF−ECを沈殿化する方法をとっている。
特開昭62−290072号公報 国際公開第98/15024号パンフレット 特開2007−8826号公報 特開2007−8825号公報
本発明は、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを出発物質とし、これをフッ素化剤でフッ素化する製造方法において、高収率を維持しながら短時間で、塩素根含有量が低減化された高純度の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、
有機溶媒中にて、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン1モルに対して、1.4モル以上のフッ素化剤を添加して反応させて塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを得る反応工程、
得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを蒸留により精製する蒸留精製工程
を含む塩素根含有量が低減化された4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法に関する。
前記有機溶媒は、非プロトン性溶媒であることが好ましい。
前記有機溶媒は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドであることが好ましい。
前記フッ素化剤は、金属フッ化物であることが好ましい。
前記製造方法は、前記反応工程で得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含む反応生成混合物をろ過して固形物をろ去するろ過工程を、前記蒸留精製工程前に含むことが好ましい。
前記製造方法は、前記ろ過工程で得られたろ液に対して、ろ液中の有機溶媒を留去する工程、ついで得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを純水で洗浄する工程を施すことが好ましい。
本発明によれば、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンに対して特定量の金属フッ化物を添加して反応させて蒸留により精製することで、高収率を維持しながら短時間で塩素根含有量が低減化された高純度の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを製造することができる。
本発明の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、「F−EC」ということもある)の製造方法は、有機溶媒中にて、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、「Cl−EC」ということもある)に対して特定量のフッ素化剤を添加して反応させて塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、「粗F−EC」ということもある)を得る反応工程と、得られた粗F−ECを蒸留精製して塩素根含有量が低減化された4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、「高純度F−EC」ということもある)を得る蒸留精製工程を含む。
本発明の製造方法において、反応工程における反応式はつぎのとおりである。
Figure 2009019019
なお、出発物質のCl−ECと目的物質のF−ECはいずれも液体である。
フッ素化剤としては、たとえば、LiF、NaF、KF、CsF、CaF2などの金属フッ化物などがあげられるが、なかでも、LiF、NaF、KFなどのアルカリ金属フッ化物が安価で取り扱いやすいため好ましく、さらにはKFが反応性が高いため好ましい。
これらの金属フッ化物は固体であり、スプレー乾燥した微粒子、粉砕した粉末などの形状で反応に供される。
本発明の反応工程におけるCl−ECとフッ素化剤の反応は、有機溶媒中で行う。水が存在すると反応性が低下するので、実質的に無水の状態で行うことが望ましい。
有機溶媒としては非プロトン性有機溶媒が好ましく、さらには反応速度が大きくなる点から極性有機溶媒が好ましい。具体的には、アセトニトリル(AN)、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)、塩化メチレン、クロロホルム、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが例示できる。これらのなかでも誘電率が高く粘性が低い点からアセトニトリルが、また誘電率が高く沸点が好適な点からN−メチルピロリドンが好ましい。
出発物質のCl−ECとフッ素化剤の反応は等モル比で進むが、反応性がよく、不純物として残存する塩素根を蒸留でも充分除去できる点からフッ素化剤をCl−EC1モルに対して1.4モル以上、好ましくは1.5モル以上、より好ましくは2.0モル以上、さらに好ましくは2.1モル以上使用する。なお、フッ素化剤が1.4モル未満の場合、反応により副生する塩素根を蒸留精製工程における蒸留で充分に除去できない。また、フッ素化剤の添加量の上限はとくに制限はないが、経済的理由から、Cl−EC1モルに対して3モル程度である。
有機溶媒中の出発物質のCl−ECの濃度としては、広い範囲が採用できるが、5重量%以上、さらには20重量%以上であることが反応を制御しやすい点から好ましい。上限は60重量%、さらには50重量%が好ましい。
反応温度は、扱いやすさの点から30℃以上、さらには50℃以上が好ましい。また上限は使用する有機溶媒の沸点である。
反応は、従来の製造法における反応より早く進み、同等の収率では、従来の反応時間の1/2以下の時間で反応が完結する。収率も80〜85%と従来と同等かそれ以上である。
反応工程で得られた反応生成混合物は、必要に応じて中間処理工程を施した後、蒸留精製工程により粗F−ECの溶液を精製する。
ここで、蒸留精製工程は、オルダーショー型カラム(多孔板型)、プレート型カラム(泡鐘型)などを用いて、蒸留温度は50〜200℃が好ましい。
中間処理工程としては、たとえば、フッ素化剤として金属フッ化物を使用する場合には、反応工程で得られた粗F−ECを含む反応生成混合物をろ過して固形物をろ去するろ過工程、有機溶媒を留去する溶媒除去工程、洗浄する洗浄工程などがあげられる。
具体的には、とくに制限されるわけではないが、本発明の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである図1に示すように、反応工程で得られた粗F−ECを含む反応生成混合物からろ過工程により固形物をろ去し、得られたろ液に対して溶媒除去工程を行って有機溶媒を留去し、ついで得られた粗F−ECに対して洗浄工程を施す方法などがあげられる。
ろ過工程では、たとえば、減圧ろ過、加圧ろ過などで、0〜50℃で固形分、たとえば副生成物である金属塩化物や未反応のフッ化金属をろ去し、ろ液として粗F−ECが溶解した有機溶媒溶液を得る。
溶媒除去工程では、たとえば、ロータリーエバポレーターなどを用いて、70〜90℃でろ液から有機溶媒を留去し、粗F−ECを得る。
また、洗浄工程では、たとえば、純水、超純水などを用いて、0〜50℃で洗浄する。
これらの中間処理工程を施した後に蒸留精製工程を施せば、より容易に塩素根を除去できる。
本発明では、残存する塩素根を蒸留でも除去することが可能なため、特開2007−8826号公報で必要な特定の有機溶媒から再結晶する工程や、特開2007−8825号公報で必要な特定の低極性溶媒と接触させてF−ECを沈殿化する工程が不要となる。それにより、工業的に安価に合成することが可能となり、また、劇物であるトルエンを使用せずに合成することができるという利点がある。
なお、再結晶や再沈殿により精製する場合、大量の低極性溶媒が必要となり、また、それらは一般的には低沸点の可燃物であるため、装置や防爆設備などをととのえる必要があり、高コストになる。また、大量の溶媒を合成の都度廃棄する必要があるためさらに高コストになる。さらに、処理量が限られてしまうため、生産性が低い点でもコストアップの要因となる。
それに対して、本発明の製造方法によれば、Cl−ECに対して1.4当量以上のフッ素化剤を用いた蒸留による精製方法は、未反応のフッ素化剤が塩素根をなんらかの形でトラップすることで塩素根を低減させることができることが判明した。また、フッ素化剤として金属フッ化物を使用した場合には、反応後に金属塩化物が生成する。ろ過工程を行うことで、この金属塩化物をろ過で除去でき、蒸留を行いやすく、塩素根の混入も防ぎやすくなる。また、溶媒除去工程および洗浄工程を行うことで、より塩素根の混入を低減できる。
つぎに実施例をあげて本発明の製造法を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例で使用した分析方法はつぎのものである。
(1)NMR
装置:BRUKER製のAC−300
測定条件:
19F−NMR:282MHz(トリフルオロメチルベンゼン=−62.3ppm)
1H−MNR:300MHz(トリフルオロメチルベンゼン=7.51ppm)
(2)ガスクロマトグラフィ(GC)
装置:島津製作所製のGC−17A
カラム:DB624(J&Wサイエンティフィック社製)
測定条件:100℃→5分間保持→10℃/分で昇温→230℃
(3)イオンクロマトグラフィ
装置:ICP−AES
測定条件:セイコーインスツル(株)製のSPS3000
実施例1
撹拌装置を備えた2Lのガラス製3口フラスコの上部に還流管を取り付け、スプレードライのフッ化カリウム209g(3.59mol:Cl−EC1モルに対して2.2モル)を加え真空下で攪拌しながらフレームドライを行い水分除去を行った。その後シリンジを用いてアセトニトリル700ml、Cl−EC200g(1.63mol)を加えて攪拌した。反応温度80℃で反応を行い進行はGCを用いて分析した。反応は0.5時間で終了し、原料のピークの消失を確認した。反応終了後、反応溶液中の塩を桐山ロートを用いて25℃でろ過し、得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて90℃で濃縮した。その後、純水により25℃で洗浄し、有機層を採取後、残留物の精留を5段オルダーショー型カラムを用いて120℃で行った。結果収率85%、GC純度99.8%でF−ECが得られた。
このF−ECを19F−NMR、1H−NMR分析により分析し、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであることを確認した。
19F−NMR:(重アセトン):−122.6〜−122.3ppm(1F)
1H−NMR:(重アセトン):4.54〜4.91ppm(2H)、6.42〜6.68ppm(1H)
また、イオンクロマトグラフィーによって塩化物イオンの分析を行ったところ、0.11ppmであり、塩素根を充分に減量することができた。
実施例2
撹拌装置を備えた2Lのガラス製3口フラスコの上部に還流管を取り付け、スプレードライのフッ化カリウム132g(2.28mol:Cl−EC1モルに対して1.4モル)を加え真空下で攪拌しながらフレームドライを行い水分除去を行った。その後シリンジを用いてアセトニトリル700ml、Cl−EC200g(1.63mol)を加えて攪拌した。反応温度80℃で反応を行い進行はGCを用いて分析した。反応は3時間で終了し、原料のピークの消失を確認した。反応終了後、反応溶液中の塩を桐山ロートを用いて25℃でろ過し、得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて25℃で濃縮した。その後残留物の精留を5段オルダーショーを用いて120℃で行った。結果収率85%、GC純度99.8%でF−ECが得られた。
このF−ECを19F−NMR、1H−NMR分析により分析し、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであることを確認した。
19F−NMR:(重アセトン):−122.6〜−122.3ppm(1F)
1H−NMR:(重アセトン):4.54〜4.91ppm(2H)、6.42〜6.68ppm(1H)
また、イオンクロマトグラフィーによって塩化物イオンの分析を行ったところ、0.11ppmであり、塩素根を充分に減量することができた。
実施例3
撹拌装置を備えた2Lのガラス製3口フラスコの上部に還流管を取り付け、スプレードライのフッ化カリウム132g(2.28mol:Cl−EC1モルに対して1.4モル)を加え真空下で攪拌しながらフレームドライを行い水分除去を行った。その後シリンジを用いてアセトニトリル700ml、Cl−EC200g(1.63mol)を加えて攪拌した。反応温度80℃で反応を行い進行はGCを用いて分析した。反応は3時間で終了し、原料のピークの消失を確認した。反応終了後、反応溶液中の塩を桐山ロートを用いて25℃でろ過し、得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて25℃で濃縮した。その後残留物を500mlの純水により25℃で洗浄した後、残留物の精留を5段オルダーショーを用いて120℃で行った。結果収率85%、GC純度99.8%でF−ECが得られた。
このF−ECを19F−NMR、1H−NMR分析により分析したところ、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであることを確認した。
19F−NMR:(重アセトン):−122.6〜−122.3ppm(1F)
1H−NMR:(重アセトン):4.54〜4.91ppm(2H)、6.42〜6.68ppm(1H)
またイオンクロマトグラフィーによって塩化物イオンの分析を行ったところ、0.10ppmであり、塩素根を充分に減量することができた。
比較例1
撹拌装置を備えた2Lのガラス製3口フラスコの上部に還流管を取り付け、スプレードライのフッ化カリウム114g(1.96mol:Cl−EC1モルに対して1.2モル)を加え真空下で攪拌しながらフレームドライを行い水分除去を行った。その後シリンジを用いてアセトニトリル700ml、Cl−EC200g(1.63mol)を加えて攪拌した。反応温度80℃で反応を行い進行はGCを用いて分析した。反応は8時間で終了し、原料のピークの消失を確認した。反応終了後、反応溶液中の塩を桐山ロートを用いて25℃でろ過し、得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて25℃で濃縮した。その後残留物の精留を5段オルダーショーを用いて120℃で行った。結果収率80%、GC純度99.7%でF−ECが得られた。
このF−ECを19F−NMR、1H−NMR分析により分析したところ、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであることを確認した。
19F−NMR:(重アセトン):−122.6〜−122.3ppm(1F)
1H−NMR:(重アセトン):4.54〜4.91ppm(2H)、6.42〜6.68ppm(1H)
またイオンクロマトグラフィーによって塩化物イオンの分析を行ったところ、197ppmであり、塩素根を充分に減量することはできなかった。
本発明の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. 有機溶媒中にて、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン1モルに対して、1.4モル以上のフッ素化剤を添加して反応させて塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを得る反応工程、
    得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを蒸留により精製する蒸留精製工程
    を含む塩素根含有量が低減化された4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの製造方法。
  2. 有機溶媒が、非プロトン性溶媒である請求項1記載の製造方法。
  3. 有機溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドである請求項1または2記載の製造方法。
  4. フッ素化剤が、金属フッ化物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 反応工程で得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含む反応生成混合物をろ過して固形物をろ去するろ過工程を、蒸留精製工程前に含む請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. ろ過工程で得られたろ液に対して、ろ液中の有機溶媒を留去する工程、ついで得られた塩素根を含む4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを純水で洗浄する工程を施す請求項5記載の製造方法。
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